JP2007007757A - 水中浮遊物回収方法及び水中浮遊物回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アブレッシブウォータジェットによる切断作業を実施した場合に発生する二次廃棄物量と作業量の低減が得られるようにした水中浮遊物回収方法及び水中浮遊物回収装置を提供すること。
【解決手段】 アブレッシブウォータジェットの切断ノズル13によりシュラウド2の二次切断を開始したとき吸引ポンプ22を動作させ、コレクタ21から移送配管46を介して水と共に切断粉及びアブレッシブ材14を吸引し、フィルタ装置25により水中浮遊物を回収する際、フィルタ装置25に対する通水を停止させただけで、このフィルタ装置25のフィルタ素子から水中浮遊物が脱落し易くなるように、アブレッシブ材14としてアルミナ系の粒子を使用したもの。この結果、使用するフィルタ素子の本数が削減され、二次廃棄物の発生量を低減することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 アブレッシブウォータジェットの切断ノズル13によりシュラウド2の二次切断を開始したとき吸引ポンプ22を動作させ、コレクタ21から移送配管46を介して水と共に切断粉及びアブレッシブ材14を吸引し、フィルタ装置25により水中浮遊物を回収する際、フィルタ装置25に対する通水を停止させただけで、このフィルタ装置25のフィルタ素子から水中浮遊物が脱落し易くなるように、アブレッシブ材14としてアルミナ系の粒子を使用したもの。この結果、使用するフィルタ素子の本数が削減され、二次廃棄物の発生量を低減することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、プラントの構造材を解体する方法と装置に係り、特に、原子力プラントの構造材をアブレッシブウォータジェットで切断するときに発生するアブレッシブ材と切断粉の回収方法と装置に関する。
原子力プラントの構造材は経年劣化に伴って逐次交換されるが、このとき切断作業を要する場合がある。例えば沸騰水型原子炉のシュラウドを交換する場合には、古いシュラウドを炉内から搬出するための一次切断と、搬出したシュラウドを廃棄保管するために細断する二次切断の2回の切断作業が必要になる。
ところで、このとき、まず一次切断に関しては、従来からロールカッターによる切断方法やEDM切断法が主として適用され、他方、二次切断に関しては、プラズマ切断法やアブレッシブウォータジェット切断法が、従来から主として適用されているが、ここで、これらには、以下のような得失がある。
ここで、まず、ロールカッターによる切断法は、切断に伴って発生する粉塵などが少ないという利点を有する反面、切断速度が遅いのが問題である。次に、EDM切断やプラズマ切断などの熱的な切断法は、切断速度は大きいが、反面、熱による局所的な沸騰やシールドガスによる気体中への粉塵の飛散が懸念される。
これらの方法に対して、アブレッシブウォータジェット切断法は、切断速度が速い上、気体の発生も少ないという利点があるが、アブレッシブ材による二次廃棄物の増大を伴う上、腐食によってアブレッシブ材から発生してしまう錆が機器やプールの内面に付着し、これが放射能レベルを高くする虞があるため、作業後の洗浄や除染に多くの作業がかかるという問題がある。
このような状況のもとで、近年、アブレッシブウォータジェット切断法による利点、すなわち切断速度が速い上、気体の発生が少ないので、粉塵の飛散リスクが小さいという利点に注目が集まり、このため、アブレッシブ材を水と一緒に吸引し、遠心分離やフィルタで濾過してアブレッシブ材を回収することにより、上記の利点が活かせるようにしたアブレッシブウォータジェット切断法について、種々の提案がされている。
例えば、ある従来技術では、切断作業を行うプール内に専用容器を設置し、限られた空間で作業を行うことで回収効率を向上させる方法について、提案している(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。また、このときのアブレッシブ材の回収方法として、密度差を利用した沈降分離を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
更に、このとき、アブレッシブ材と切断粉を磁気により分離して、アブレッシブ材の一部を再利用し、これにより二次廃棄物を低減するようにした従来技術についての提案もなされている(例えば、特許文献4参照。)。
なお、他にも関連する技術については、例えば特許文献5や特許文献6を挙げることができる。
特開平7−84094号公報
特開平8−233972公報
特許第3249421号公報
特開2000−246644号公報
特開平10−235124公報
特開2001−120916号公報
既に述べたように、アブレッシブウォータジェット切断法は、切断速度の大きさと粉塵飛散のリスクが小さいために注目されるが、上記従来技術では、アブレッシブ材に鋳鋼などの鉄系材料が用いられているため、アブレッシブ材の腐食による錆とアブレッシブ材の粉砕片がフィルタの目詰まりを加速し、フィルタ寿命が短くなってしまという問題が生じてしまうのである。
これにより、上記従来技術では、使用するフィルタの本数が増加し、その分、二次廃棄物量の増加要因となる。また、この結果、フィルタ装置が大きくなるので、据付け時と撤去時の作業量が増加してしまうので、作業工程遅延の要因にもなる。
本発明の目的は、アブレッシブウォータジェットによる切断作業時に発生する二次廃棄物量および作業量を低減する水中浮遊物回収方法および水中浮遊物回収装置を提供することにある。
上記目的は、アブレッシブウォータジェット切断加工に際して発生する水中浮遊物をフィルタにより回収する方式の水中浮遊物回収方法において、前記アブレッシブウォータジェット切断加工のためのアブレッシブ材に酸化物系の粒子を用い、前記フィルタによる水中浮遊物の回収処理を実行中、前記フィルタに対する通水を一定期間停止させるようにして達成される。
このとき、前記一定期間の長さが5秒以上1分以内に定められているようにしたり、前記酸化物系の粒子がアルミナの粒子を含むようにしたり、前記フィルタの目開きが5μm以上であるようにしたり、前記一定期間が、前記アブレッシブ材を噴射していない期間内に含まれているようにしたり、更には前記フィルタに現れる差圧が予め設定されている判定値に到達したとき、前記フィルタの素子交換が実施されるようにしたりしてもよい。
同じく上記目的は、アブレッシブウォータジェット切断加工に際して発生する水中浮遊物をフィルタにより回収する方式の水中浮遊物回収装置において、前記アブレッシブウォータジェット切断加工のためのアブレッシブ材として酸化物系の粒子を供給する手段と、前記フィルタに現れる差圧を検出する手段と、前記差圧が予め設定してある判定値以上になったとき、前記フィルタの素子交換が必要になったことを表示させる手段とを備えるようにしても達成される。
このとき、前記フィルタが、回収した浮遊物を貯蔵するスペースと、該スペースに貯蔵された浮遊物を保管容器に移送するための移送手段、及び搬出口を備えているようにしてもよい。
上記手段によれば、アブレッシブ材として錆びの発生がなく、アブレッシブ材が粉砕後に5μm未満の粒子径の小さい水中浮遊物を発生しない酸化物系、例えばアルミナ系の粒子を使用することで、従来使用してきた鉄系に比べフィルタの目詰まりを低減し、フィルタによる回収量を増加することができる。
また、この結果、通水停止時にフィルタ表面から浮遊物は脱落しやすくなり、使用したフィルタを複数回再使用することができ、これらにより、使用するフィルタ本数を低減できるので、二次廃棄物量および作業量を低減することができる。
本発明によれば、例えば原子力プラントの予防保全工事に適用して、二次廃棄物量及び作業量を低減することができる。
以下、本発明による水中浮遊物回収方法及び水中浮遊物回収装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態が適用された沸騰水型原子力発電プラントの一例を示したもので、この場合、交換の対象となるシュラウド1は、原子炉ウエル5の中に設置してある原子炉圧力容器3の中にあり、このとき、原子炉ウエル5には、燃料プール6が併設されているが、更に、この原子炉ウエル5には、ドライヤ・セパレータプール7(以下、DSP7と記す)が併設してある。
そして、原子炉圧力容器3の中で一次切断されたシュラウド1は、切断後、天井クレーン9によりDSP7の中に搬入され、搬出後シュラウド2として架台12の上に載置されるようになっていて、この搬出後シュラウド2が架台12上に載置された状態で、アブレッシブウォータジェット切断加工装置20の切断ノズル13から噴出されるアブレッシブ材14を含む高圧水流により水中で二次切断され、このとき切断に用いられたアブレッシブ材14と切断粉は、DSP7に設置してある分離回収装置8により処理されるようになっている。
このようにDSP7を設け、シュラウド1を原子炉内からDSP7に移動させることにより、原子炉内では別の作業を実施することが可能になり、補修や取替などの工事全体の工程を短縮することができる。また、このDSP7は、原子炉内に比較して水深が浅いため、アブレッシブウォータジェット切断加工装置20の操作が容易になり、このため、アブレッシブウォータジェット切断加工装置20を複数台使用して作業を実施することもできる。
ここで、このような沸騰水型原子力発電プラントにおいて実施されるシュラウド交換工事について、図2のフローにより説明すると、この場合、まず、原子炉を停止させる(S001)。次いで圧力容器を開放し(S002)、その後、ドライヤやセパレータなどの炉内機器の取り出し(S003)と、燃料の取り出し保管を行い(S004)、一次切断のための切断加工装置(図示してない)を設置する(S005)。
次いでシュラウド1の一次切断を行い(S006)、切断したシュラウドは天井クレーン9を用い、原子炉圧力容器3の中から原子炉ウェル5を通って搬出され(S007)、搬出後シュラウド2としてDSP7内の架台12の上に設置される(S008)。そして、搬出後シュラウド2が搬入された後、図示してないゲートを閉鎖し、DSP7を原子炉ウェル5から隔離する。
この後、アブレッシブウォータジェット切断加工装置20を用い、DSP7内で搬出後シュラウド2の二次切断を行い(S009)、細かな切断片(シュラウド切断片)にする。そして、細かくされた切断片は放射能遮蔽能力を有する輸送容器に格納され、その上でDSP7から搬出され(S010)、図示してないサイトバンカブールに保管されることになる(S011)。
一方、上記したようにして古いシュラウド1が搬出された原子炉圧力容器3では、一次切断に使用した切断加工装置を洗浄した上で原子炉圧力容器3から撤去する(S012)。次いで、付着した放射能物質やさび等を除去するため、容器内を清掃した後、新しいシュラウドを据付ける(S013)。その後、燃料を再装荷し(S014)、取り外した炉内機器の再設置を行い(S015)、圧力容器3を閉止し(S016)、原子炉を再起動するのである(S017)。
このとき、本発明の一実施形態が適用されるのは、この図2の中の太線で囲んだシュラウド二次切断(S009)である。そこで、以下、図3により、このときのDSP7内でのシュラウド二次切断について、詳細に説明する。
まず、一次切断により分割されたシュラウド1は、原子炉内から搬出され、架台12上に搬出後シュラウド2として固定されている。このときアブレッシブウォータ切断加工装置20には水供給管27とアブレッシブ材供給管28が接続されていて、超高圧ポンプ36とアブレッシブ材供給装置35から、作業者30の操作に応じて切断ノズル13に高圧水とアブレッシブ材14が供給されるようになっている。
そこで、作業者30は、切断加工装置走査機構26を操作し、切断ノズル13による切断位置を正しく設定した後、高圧水とアブレッシブ材14を供給し、切断ノズル13を走査して二次切断を行う。このとき、搬出後シュラウド2を挟んで、切断ノズル13の反対側にはコレクタ21が設けてある。但し、このときのアブレッシブウオータジェット切断加工装置20とコレクタ21の配置は反対になっていてもよく、隣り合う位置になっていてもよい。
このコレクタ21は、図示のように漏斗形に作られていて、切断ノズル13から噴出され、搬出後シュラウド2の二次切断に使用されたアブレッシブ材14の大部分を集める働きをし、このため移送配管46を介して分離回収装置8の吸引ポンプ22に接続されている。
そこで、搬出後シュラウド2の二次切断が開始されたら吸引ポンプ22を動作させ、コレクタ21から移送配管46を介して水と共に切断粉及びアブレッシブ材14を吸引し、気水分離装置23に移送し、ここでアブレッシブ材14を含む水から気体を分離し、次いで分離装置24により粒子径の大きな浮遊物を分離した後、フィルタ装置25に導き、ここで粒子径の小さな浮遊物を捉え、回収した浮遊物の保管容器となるスラッジポット29に回収する。ここで、フィルタ装置25には圧力センサが備えられていて、入力側の水圧と出力側の水圧の差、すなわち差圧が検出できるように構成されている。
このとき、DSP7の上には作業台車31が設置してあり、作業者30は、この作業台車31から水中カメラ32や照明33を操作し、水中カメラ32で撮像した画像をモニター34で確認しながら作業を行うことができるように構成してある。
また、このとき、DSP7の上の床面には通水制御装置44が設けてあり、通信ケーブル45を介してアブレッシブ材供給装置35と吸引ポンプ22、それにフィルタ装置25に接続され、これによりアブレッシブ材14の供給量、フィルタ装置25の差圧、吸引ポンプ22の吸引量など、各種の情報を取り込み、監視する機能と、それらの装置に電源電力を供給する機能を果たすようになっている。
そして、これにより通水制御装置44は、アブレッシブ材14の供給量とフィルタ装置25の差圧情報に基づいて吸引ポンプ22に対する電源電力の供給を自動的に制御する機能を備えている。但し、これらの制御は作業員30が手動で行うようにしてもよく、更に通水制御装置44は、フィルタ装置25の差圧及び吸引ポンプ22の吸引量に基づいてフィルタ装置2の素子交換時期を表示する機能が備えられているようにしてもよい。
こうして二次切断されたシュラウドの切断片は所定の保管容器に納められた後、既に説明したように遮蔽付きの輸送容器に収納され、DSP7から気中に引き上げられ、トラックを用いてサイトバンカブールのある建屋に運ばれ、再びサイトバンカブール内で遮蔽容器から取り出され、保管容器毎に整然と積み重ねた形でプール内に保管される。
次に、本発明の第1の実施形態による水中浮遊物回収作業を含むシュラウド二次切断作業の手順について、図4のフローにより説明する。
いま、ある時点で、切断作業の開始が指示されたとする。そうすると、この時点で切断作業が開始する(S101)。そして、まず、切断計画データベースに従いシュラウドの切断位置を設定する(S102)。次にアブレッシブウオータジェット切断加工装置20の切断ノズル13から、高圧水によりアブレッシブ材14を噴射させ、切断を開始する(S103)。
このとき、吸引ポンプ22も同時に運転が開始される。そこで、アブレッシブ材14とシュラウドの切断破砕粉の大部分は、プール水と共にコレクタ21から吸引ポンプ22に回収される(S104)。しかして、回収されないものはDSP7内のプール水の中に拡散されてしまう(S105)。
こうして吸引ポンプ22により回収することができたアブレッシブ材14及び切断破砕粉は分離回収装置8に移送される。そして、まず、気水分離装置23では密度差に基づいて気体が離され、分離装置24では粒子径の大きな浮遊物が分離され(S106)、スラッジポット29に回収される(S107)。
そして、このとき回収できなかった浮遊物が水と共にフィルタ装置25に移送され、フィルタ素子の目開き(網目の大きさに相当)に基づいて、浮遊物がフィルタ素子に回収されることになる(S108)。なお、ここでもフィルタ素子を通過してしまった浮遊物は、同じくプール内に排出されてしまう(S109)。
一方、S103の処理でシュラウド2の切断を開始したら、アブレッシブウオータジェット切断加工装置20を走査し、切断しながら切断ノズル13を移動させてゆく(S110、S111)。このときの走査とは、切断しながら切断ノズル13を移動させてゆくことである。
そして、切断すべき範囲を走査し終えたら切断を停止させ(S112)、ここで、切断作業が予定回数に未達であれば(S113)、視認性を確保するまで待機した後(S114)、切断位置を設定し直し(S102)、このあと、再度切断を開始する(S103)。一方、切断作業が予定回数終了していれば、切断作業を終了するのである(S115)。
ここで、この図4の手順フローの中で、特に本発明の実施形態に関連し、二次廃棄物の削減が得られるようにした水中浮遊物の回収機構を表わしているのが処理(S108)である。そこで、次に、この図4における処理(S108)の詳細について、図5により説明する。
この図5に示した本発明の実施形態による機構フローは、分離装置24からフィルタ装置25に通水されたことから始まる(S201)。そして、まずフィルタ装置25で浮遊物の大きさ(直径)による選別が行われ(S202)、この結果、フィルタ素子の目開きよりも小さい浮遊物だけが通過し(S203)、プールに排出される(S204)。
一方、フィルタ素子の目開きよりも大きい浮遊物はフィルタ素子の表面に付着してしまう(S205)。そうするとフィルタ装置25のろ過抵抗(濾過抵抗)が増加し、入口と出口の間の差圧が上昇する(S206)。そこで、この差圧を設定値と比較する(S207)。ここにいう設定値とは、例えばフィルタ装置25によるフィルタ機能を適正な状態に保つことが可能な差圧の上限値の90%とすればよい。
ここで、差圧が設定値を下回っている間、つまり「差圧<設定値」になっているときはフィルタ装置25による浮遊物の回収を続行する(S202)。従って、この実施形態の場合、フィルタ装置25のフィルタ素子に目詰まりが発生するまでは、そのままフィルタ装置25が使用され、浮遊物の回収が適正に得られていることになる。そして、このときのフィルタ装置25のフィルタ素子に目詰まりが発生したか否かは、フィルタ装置25に現れる差圧により判定されることになる。
フィルタ装置25に現れる差圧を設定値と比較した結果(S207)、差圧が設定値以上になった場合、つまり「差圧≧設定値」になったときは、次に、ここで一旦、フィルタ装置25に対する通水を停止させてみる(S208)。ここでフィルタ装置25のフィルタ素子に回収された浮遊物の中で、当該フィルタ素子に絡み合っていないものがあったとすると、通水を止めたことにより、フィルタ素子の表面から脱落する浮遊物が現れる(S209)。
ここで、脱落する浮遊物が現れたとすると、浮遊物がフィルタ素子から脱落した分、ろ過抵抗が減少するので、差圧が低下する(S210)。そこで、再び通水する(S211)。このときの通水を停止(S208)してから再通水する(S211)までの期間は、フィルタ素子の表面から浮遊物を脱落させるのに要する時間と、通水停止による回収効率への影響を最小限に抑制するための時間との兼ね合いで決まる。そこで、例えば5秒以上、1分以内であることが望ましい。
次いで、このときの差圧を、今度は予め設定してある判定値、つまり「設定値×α」と比較する(S212)。このときのαは差圧の低下量を考慮するための係数で、0を越え1未満、つまり「0<α<1」、例えば0.2(α=0.2)とすればよい。
そして、差圧を比較した結果、それが判定値、つまり設定値のα倍を下回る場合、つまり「差圧<設定値×α」のときは、そのまま回収を行う(S202)。一方、依然として差圧が判定値、つまり設定値のα倍以上を保っている場合、すなわち「差圧≧設定値×α」になっていたときは、まず、通水を停止する(S213)。そして、フィルタ素子を新品のものと交換した後(S214)、再度通水を開始するのである(S201)。ここで、処理S214によるフィルタ素子の交換については、別途、フィルタ素子の交換が必要になったことを表示させる手段を設け、交換作業の実行が促されるようにすればよい。
ところで、この図5の機構フローにより所期の機能が得られるようにするためには、処理S208でフィルタ装置25の通水を止めたとき、ここで浮遊物がフィルタ素子の表面から脱落すること(S209)が条件になる。そこで、次に、この点について、図6により説明する。
この図6は、アブレッシブ材の種別とアブレッシブウオータージェット加工時での水中浮遊物の粒径の関係を示したもので、アブレッシブ材としては、一般的な鋳鋼粒子と本発明の実施形態で採用しているアルミナ粒子の2種が選ばれている。このとき図6(a)に示したように、これらは、切断条件は略同じである。
しかして、ここで浮遊物となったときの粒径は、図6(b)に示すように、これら鋳鋼粒子とアルミナ粒子とでは大きく異なっていて、鋳鋼粒子の場合は、3μm以下の細かな粒径の浮遊物がかなり多く存在しているのに対して、アルミナ粒子では、5μm以上の比較的大きな粒径の浮遊物だけで、3μm以下の細かな粒径の浮遊物はほとんど現われないことが判る。
ここで、この図6(b)は、鋳鋼粒子とアルミナ粒子のアブレッシブ材をそれぞれ用い、ウォータジェットにより水中においてステンレス鋼板材を切断した後、浮遊物を含む水を採取し、採取した水を目開きの大きいフィルタから順にろ過して、フィルタの重量増加量と通水量から水中浮遊物量を算出したものである。
このとき、図には表わされていないが、鋳鋼粒子の場合、浮遊物の粒子表面には酸化物による粘度の高い錆の層が付着していたが、アルミナ粒子では、当然のことではあるが、そのような層は存在しなかった。
次に、図7は、この実施形態におけるフィルタ装置25を詳細に示したもので、この場合、フィルタ装置25は、図示のように、フィルタハウジング37のフィルタ室37Aの中に、通水流量に応じた本数、この例では3本のフィルタエレメント(フィルタ素子)38を格納したもので、フィルタハウジング37の上部にある通水バルブ39を通って流入口からフィルタ室37Aに導入された水はフィルタエレメント38の外表面に通水され、このとき、フィルタエレメント38は円筒形の多孔質材で作られていて、本体には浮遊物を回収する役割を果たす無数の孔が存在している。
そして、浮遊物が水と一緒にフィルタエレメント38の外側から内側へ抜ける際、フィルタの目開き(孔の大きさ)よりも大きな浮遊物は、図7のフィルタエレメント38の外側に太い縦線で示したように、当該フィルタエレメント38により回収されるが、他方、フィルタの目開きよりも小さくて回収されなかった浮遊物は、水と一緒にフィルタエレメント38の内側に抜けて下部の通路室37Bに流入し、フィルタハウジング37の下部にある流出口から排水バルブ40を通って排出されるようになっている。
そこで、このようなフィルタ装置25を用いる場合、それに使用するフィルタエレメント38には、ろ過対象となる浮遊物の粒径に応じて目開きの大きさが異なるフィルタエレメントを設ける必要があるが、このとき、上記したように、アルミナ粒子のアブレッシブ材の場合、粒子径が5μm以上の浮遊物しか存在しないのに対して、鋳鋼粒子の場合は、粒子径が3μm以下の小さな粒子径の水中浮遊物まで存在してしまう。
従って、アルミナ粒子による浮遊物を対象とした場合は、フィルタエレメント38として、目開きの大きさが、例えば5μmとかなり大きなフィルタエレメントを用いることができるのに対して、鋳鋼粒子による浮遊物を対象とした場合は、目開きの大きさが、例えば0.45μmの細かなフィルタエレメントを用いる必要がある。
そこで、まず、鋳鋼粒子による浮遊物を対象とした場合、浮遊物がかなり小さな粒径なので、これに対応してフィルタエレメント38も細かな目開きのエレメントにする必要があり、この場合、図7の(a)欄、鋳鋼浮遊物の項に通水時として示したように、浮遊物がエレメントの孔に詰まり易い。
しかも、この場合は、浮遊物が発錆により表面に粘度の高い酸化物層を有している場合が多く、このためフィルタの目に入り込んだとき、この高い粘度の酸化物がフィルタに絡み合い易く、この結果、元々フィルタの目開きが小さくて目詰まりし易くなっていることに加え、更に目詰まりし易くなり、このため、通水を停止しても、図7の(a)欄、鋳鋼浮遊物の項に、通水停止時として示したように、浮遊物は脱落し難く、ほとんど留まったままになってしまう。
一方、アルミナ粒子による浮遊物の場合は粒径が大きく、細かな浮遊物が無いので、目開きの大きなフィルタが使用でき、この結果、図7の(b)欄、アルミナ浮遊物の項に、通水時として示したように、フィルタは目詰まりし難い状態で浮遊物の回収を行っていることになり、しかも、腐食しないため、錆によって表面の粘性が高くなることがないので、フィルタには絡み難くく、従って、図7の(b)欄、アルミナ浮遊物の項に、通水停止時として示したように、通水を停止したとき、浮遊物が脱落し易い。
よって、図5の機構フローにおいて、処理S208でフィルタ装置25の通水を止めたとき、ここで浮遊物がフィルタ素子の表面から脱落するというS209の処理を可能にするためには、アブレッシブ材がアルミナであることが条件になっていることが判り、従って、本発明ではアルミナのアブレッシブ材を構成要件とし、これにより目的達成が得られるようにしているのである。
従って、図5の実施形態によれば、フィルタ装置25の差圧が高くなっても、フィルタエレメント38から浮遊物を脱落させることができる間は、フィルタ装置25の機能を回復させることができ、再使用することができる。
次に、図8は、一般的なフィルタ装置を対象として、浮遊物回収量変化に対して現れるフィルタ差圧の変化を測定した結果の一例を示したもので、このとき、縦軸のフィルタ差圧は、設定値を100とした相対値で示したものであり、横軸の浮遊物回収量は、鋳鋼浮遊物の最大回収量を100とする相対値で示したものである。なお、このときの浮遊物の最大回収量とは、フィルタ差圧が設定値に到達するまでに回収した浮遊物重量のことである。
この図8によれば、アルミナ浮遊物の場合は、鋳鋼浮遊物に比較して約8倍の回収量が得られることが判り、更にフィルタ差圧が設定値に到達した後で一旦、通水を停止した際も、アルミナ浮遊物の場合には、差圧が通水停止前の10%にまで低下するのに対して、鋳鋼浮遊物の場合、差圧がほとんど低下しないことも判り、従って、この結果からも、通水停止時にフィルタ表面からの浮遊物の脱落を得るためには、アブレッシブ材としてアルミナを使用することが望ましいことが判る。
また、この図8によれば、アルミナ浮遊物の場合、差圧が設定値の20%のとき、浮遊物回収量は最大回収量の60%(=480/800)であるので、残りの40%に相当する量の浮遊物が回収できることが判るが、これは1回の切断作業で発生する浮遊物を回収するのに十分な量であり、従って、通水停止後の差圧は通水停止前の20%以下で実用上問題ないことになる。
但し、2回の切断作業で発生する浮遊物を回収するには10%以下が好ましいが、この実施形態によれば、差圧が設定値に達したフィルタの機能回復が得られるので、複数回、再使用できることになり、従って、この実施形態によれば、フィルタエレメントの使用本数が抑えられ、二次廃棄物量を更に低減することができる。
なお、フィルタの目詰まりについては、通常回収時と逆方向に通水する逆洗法が従来から知られているが(特許文献5、6参照)、それらは逆方向に通水するためのポンプ及び配管を必要とするため、その分、二次廃棄物量を増やすことになる。それに対し、この実施形態によれば、吸引ポンプ22と通水バルブ39及び排水バルブ40の制御のみで対応できるため、余分な二次廃棄物は発生せずに同様の効果を得ることができる。
ところで、以上に説明した第1の実施形態では、図5の機構フローから明らかなように、フィルタから浮遊物を脱落させる処理(S209)に必要な通水停止処理(S208)を、フィルタの差圧が設定値に達したとき実行するようにしている(S207)。そうすると、この場合、図4に示されている切断作業が実行中、通水が停止されることになるので、切断作業により発生した浮遊物がプール中に拡散し、回収効率が低下してしまうことが考えられる。
そこで、次に、このような問題にも対処した本発明の実施形態について、図9の手順フローにより説明する。ここで、この図9は本発明の第2の実施形態であり、これは、図5の実施形態において、差圧が設定値を越えたか否かを確認する処理(S207)に代えて、アブレッシブ材の噴射による二次切断作業が実施中か否かを確認する処理(S207*)を設けたものであり、その他の点は、図5の実施形態と同じである。
ここで、この図9の実施形態の場合、処理(S207*)での確認結果が「停止中」となったとき、つまりアブレッシブ材が噴射されていないとき処理(S208)が実行され、通水が停止されることになる。ここで、アブレッシブ材が噴射されていないときには、新たな浮遊物は発生しない筈であり、この実施形態では、このとき回収が停止されるので、回収効率の低下が抑えられることになる。
ところで、図7で説明したフィルタ装置25の場合、特に説明しなかったが、通水停止させ(処理S208)、フィルタエレメント38から脱落(処理S209)させた浮遊物は、フィルタ室37A内に沈殿することになっている。従って、この場合、浮遊物はフィルタ室37A内に蓄積され続け、この状態は、例えばフィルタエレメントの交換などに際して除去されるまで継続されてしまう。
そして、このようにフィルタ室37A内に蓄積された浮遊物は、ろ過抵抗の増加をもたらすので、通水を停止させたときの浮遊物の脱落を難しくし、差圧が低下しないようにしてしまう虞がある。この場合、フィルタ装置25の保守が必要になるので、作業量が増加してしまう。そこで、蓄積された浮遊物が容易に除去できるようにしたフィルタ装置について、第3の実施形態として以下に説明する。
図10は、このときの第3の実施形態に係るフィルタ装置の一例で、この場合、全体をフィルタ装置25Aとする。そして、まず、そのフィルタハウジング37の上部にフィルタ室37Aと区画した導入室37Cを設け、下部には沈殿室37Dを設けた上で、導入室37Cと沈殿室37Dの間に、通水流量に応じた本数、この例では3本の円筒形のフィルタエレメント38を配置する。
このときフィルタエレメント38は、それらの中心にある中空部が導入室37Cと沈殿室37Dの間に連通された状態で配置し、導入室37C内に水が導入されたとき、この水がフィルタエレメント38の内側から外側に抜け、このときろ過が行われ、この結果、ろ過された浮遊物がフィルタエレメント38の内側に留まるように構成する。
ここで、導入室37Cには通水バルブ39を備えた流入口を設け、ここから水が導入されるようにし、フィルタ室37Aには排水バルブ40を備えた排出口を設け、ここから外部に水が排出されるように構成する。このとき沈殿室37Dの底部は、図示のように漏斗状に形成してあり、その中央部の下部に廃棄バルブ43を設け、ここからスラッジポット29に連通させておく。
この図10の実施形態によるフィルタ装置25Aは、通常の使用状態では、図の(a)に示すように、通水バルブ39と排水バルブ40の双方を開いたままにして使用する。従って、このときは、ろ過された浮遊物が使用時間の経過に伴ってフィルタエレメント38の中空部に回収されて行くことになり、この結果、差圧が上昇して行く。そして、差圧が上記した設定値に達するまでは、この状態を継続させる。そうすると、やがて差圧が設定値に達する。
そこで「差圧≧設定値」になったら、ここで図10(b)に示すように、排水バルブ40を閉じ、廃棄バルブ43を開いてやると、今度は導入室37Cからフィルタエレメント38の中空部に流れ込んだ水は、そのまま中空部を下方に向かって流れ、沈殿室37Dに流入するようになる。
そうすると、このときは、中空部内に回収されている浮遊物に沿って水が流れるようになり、この結果、中空部内にある浮遊物が水の流れにより中空部から引き剥がされ、水の流れに乗って、浮遊物42として示してあるように、沈殿室37Dに押し出されてくるようになる。
こうして浮遊物42が沈殿室37D内に押し出されると、この浮遊物42は、同じく水の流れにより、廃棄バルブ43を通ってスラッジポット29に送られ、ここに回収されることになる。このとき、沈殿室37Dの底面は、図示のように、漏斗状に形成してあり、これが移送手段として働くので、浮遊物42は余すことなく容易にスラッジポット29に移送されてゆくことになる。
この第3の実施形態の場合、フィルタエレメントを交換しなくても、フィルタハウジング内に蓄積された浮遊物の除去を行うことができ、従って、この実施形態によれば、フィルタエレメントの交換頻度が少なくて済み、作業量の増加を抑えることができる。
ところで、図3で説明した実施形態の場合、フィルタ装置25の負荷低減を図って、予め粒子径の大きな浮遊物を回収しておくようにし、このため気水分離装置23と分離装置24を配置しているが、しかしこの場合、分離装置24の分だけ二次廃棄物量が増加してしまう。
そこで、以下に、二次廃棄物量が更に削減できるようにした本発明について、第4の実施形態として説明する。ここで、図11が第4の実施形態であるが、この実施形態が図3で説明した実施形態と異なる点は、分離回収装置8から気水分離装置23と分離装置24が除かれ、これらに代えてT字形の管路からなる分離部、つまりT字管分離部47を設けた点だけであり、その他の構成は同じである。
次に、図12は、このT字管分離部47の詳細で、図示のように、これは、比較的大きな径dを有する垂直管路部47Vと、この垂直管路部47Vの側部に設けられ、内部に連通されている比較的小さな径d0 を有する水平管路部47Lで構成され、垂直管路部47Vと水平管路部47Lの接合部に分岐部47Mが形成されているものである。
そして、水平管路部47Lは吸引ポンプ22の出力に連通され、通水速度V0 の水流が供給されるようになっている。一方、垂直管路部47Vの上端はフィルタ装置25に連通され、下端には廃棄バルブ48が設けられている。このとき当該廃棄バルブ483は、通常は閉じられているが、開かれたときには、垂直管路部47Vの下端がスラッジポット29に連通されることになる。なお、吸引ポンプ22は、垂直管路部47Vの上端とフィルタ装置25の間の管路に配置されているようにしても構わない。
次に、このT字管分離部47における垂直管路部47Vの中の浮遊物の挙動について、同じく図12により説明する。ここで、浮遊物が重力により沈降する速度、すなわち終末沈降速度をVg とすると、これは次の(1)式で算出することができる。
Vg ={4g(ρ−ρw)P/3CD・ρw}0.5 ……(1)
ここで、gは重力加速度、ρは浮遊物密度、Pは粒子径、ρw は水の密度、それに、CD は摩擦係数である。そして、この式には表わされていないが、この終末沈降速度Vg は、図13に示すように、浮遊物の粒子径Pと共に増加する。
ここで、gは重力加速度、ρは浮遊物密度、Pは粒子径、ρw は水の密度、それに、CD は摩擦係数である。そして、この式には表わされていないが、この終末沈降速度Vg は、図13に示すように、浮遊物の粒子径Pと共に増加する。
そこで、このような粒子径Pの大きい浮遊物ほど早く沈降する特性を利用して、粒子径の大きな浮遊物を分離するようにしたのが、この第4の実施形態におけるT字管分離部47であり、次に、このときのT字管分離部47に必要な条件について説明する。
まず、図3で説明した第1の実施形態では、分離装置24により粒子径が10μm以上の浮遊物を分離している。そこで、このT字管分離部47でも、分離装置24と同じく粒子径10μm以上の浮遊物が分離できるものとする。
ここで、まず、粒子径が10μmの浮遊物の終末沈降速度Vg は、アルミナ浮遊物の場合、図13から明らかなように、約1.5×10-4m/sである。そうすると、T字管分離部47により同じく粒子径が10μm以上のアルミナ浮遊物を分離するためには、図12における通水速度の鉛直成分Vy を1.5×10-4m/s以下に設定すればよく、このためには、垂直管路部47Vの管径dを、次の(2)式で算出した値にしてやればよい。
d=(V0/Vg)0.5・d0 …… ……(2)
ここで、d0 は分岐前の移送配管径、つまり水平管路部47Lの管径であり、V0 は水平管路部47L内の通水速度である。
ここで、d0 は分岐前の移送配管径、つまり水平管路部47Lの管径であり、V0 は水平管路部47L内の通水速度である。
こうすることにより、粒子径が10μm以下の、例えば1μm程度の細かい浮遊物AS の場合は、その終末沈降速度Vg が通水速度の鉛直成分Vy より小さく、「Vg<Vy」となるので、図12に示すように、「Vy−Vg」が正になるので、流水と一緒にフィルタ装置25に移送されるが、粒子径が10μm以上の比較的粗い浮遊物AS* の場合は、その終末沈降速度Vg* が通水速度の鉛直成分Vy 以上に、つまり「Vg*≧Vy」となるので、図示のように、今度は「Vg*−Vy」が正になり、この結果、貯蔵スペースとなる廃棄バルブ48の上に沈降し、流水から分離できることになる。
次に、この第4の実施形態による水中浮遊物回収装置の機構フローについて、図14により説明する。まず、浮遊物は、移送配管46から、水と一緒にT字管分離部47の水平管路部47L内に移送される(S301)。そして分岐部47Mを通ってから垂直管路部47Vの中を鉛直上方向に移送される(S302)。
このとき終末沈降速度Vg が通水速度の鉛直成分Vy 以上、つまり「Vg≧Vy」となる浮遊物は水流に乗らず(S303)、貯蔵スペースとなっている廃棄バルブ48の上に沈降する(S304)。そして、沈降した浮遊物については、その貯蔵重量が調べられ(S305)、それが設定値以上になったとき、廃棄バルブ48を開放し(S306)、沈降した浮遊物をスラッジポットに移送する(S307)。
他方、終末沈降速度Vg が通水速度の鉛直成分Vy より遅い、つまり「Vg<Vy」となる浮遊物は、そのまま水流に乗っているので(S303)、垂直管路部47Vの上端からフィルタ装置25に移送される(S308)。そこで、この後、第1の実施形態〜第3の実施形態の何れかと同じ装置と方法により浮遊物が回収されることになる。
従って、この第4の実施形態によれば、移送配管46の途中にT字管分離部47を設けるだけで粒子径の大きな浮遊物が分離でき、分離装置24を必要としない分、構成が簡略化され、二次廃棄物量を削減することができる。
ところで、以上に説明した実施形態では、何れもアブレッシブ材としてアルミナの使用を前提としているが、本発明において、アブレッシブ材に適用することが可能な他の酸化物にはジルコニアがあり、従って、本発明は、ジルコニアをアブレッシブ材として実施することも可能なことは言うまでもない。
1:シュラウド
2:搬出後シュラウド
3:原子炉圧力容器
5:原子炉ウェル
6:燃料プール
7:DSP(ドライヤ・セパレータプール)
8:分離回収装置
9:天井クレーン
12:架台
13:切断ノズル
14:アブレッシブ材
20:アブレッシブウオータジェット切断加工装置
21:コレクタ
22:吸引ポンプ
23:気水分離装置
24:分離装置
25:フィルタ装置
26:切断加工装置走査機構
27:水供給管
28:アブレッシブ材供給管
29:スラッジポット
30:作業者
31:作業台車
32:水中カメラ
33:照明
34:モニター
35:アブレッシブ材供給装置
36:超高圧ポンプ
37:フィルタハウジング
38:フィルタエレメント(フィルタ素子)
39:通水バルブ
40:排水バルブ
41:貯蔵スペース
42:脱落した浮遊物
43:廃棄バルブ
44:通水制御装置
45:通信ケーブル
46:移送配管
47:T字管分離部
48:廃棄バルブ
2:搬出後シュラウド
3:原子炉圧力容器
5:原子炉ウェル
6:燃料プール
7:DSP(ドライヤ・セパレータプール)
8:分離回収装置
9:天井クレーン
12:架台
13:切断ノズル
14:アブレッシブ材
20:アブレッシブウオータジェット切断加工装置
21:コレクタ
22:吸引ポンプ
23:気水分離装置
24:分離装置
25:フィルタ装置
26:切断加工装置走査機構
27:水供給管
28:アブレッシブ材供給管
29:スラッジポット
30:作業者
31:作業台車
32:水中カメラ
33:照明
34:モニター
35:アブレッシブ材供給装置
36:超高圧ポンプ
37:フィルタハウジング
38:フィルタエレメント(フィルタ素子)
39:通水バルブ
40:排水バルブ
41:貯蔵スペース
42:脱落した浮遊物
43:廃棄バルブ
44:通水制御装置
45:通信ケーブル
46:移送配管
47:T字管分離部
48:廃棄バルブ
Claims (8)
- アブレッシブウォータジェット切断加工に際して発生する水中浮遊物をフィルタにより回収する方式の水中浮遊物回収方法において、
前記アブレッシブウォータジェット切断加工のためのアブレッシブ材に酸化物系の粒子を用い、
前記フィルタによる水中浮遊物の回収処理を実行中、前記フィルタに対する通水を一定期間停止させることを特徴とする水中浮遊物回収方法。 - 請求項1に記載の水中浮遊物回収方法において、
前記一定期間の長さが5秒以上1分以内に定められていることを特徴とする水中浮遊物回収方法。 - 請求項1に記載の水中浮遊物回収方法において、
前記酸化物系の粒子がアルミナの粒子を含むことを特徴とする水中浮遊物回収方法。 - 請求項3に記載の水中浮遊物回収方法において、
前記フィルタの目開きが5μm以上であることを特徴とする水中浮遊物回収方法。 - 請求項1に記載の水中浮遊物回収方法において、
前記一定期間が、前記アブレッシブ材を噴射していない期間内に含まれていることを特徴とする水中浮遊物回収方法。 - 請求項1に記載の水中浮遊物回収方法において、
前記フィルタに現れる差圧が予め設定されている判定値に到達したとき、前記フィルタの素子交換が実施されることを特徴とする水中浮遊物回収方法。 - アブレッシブウォータジェット切断加工に際して発生する水中浮遊物をフィルタにより回収する方式の水中浮遊物回収装置において、
前記アブレッシブウォータジェット切断加工のためのアブレッシブ材として酸化物系の粒子を供給する手段と、
前記フィルタに現れる差圧を検出する手段と、
前記差圧が予め設定してある判定値以上になったとき、前記フィルタの素子交換が必要になったことを表示させる手段とを備えていることを特徴とする水中浮遊物回収装置。 - 請求項7に記載の水中浮遊物回収装置において、
前記フィルタが、回収した浮遊物を貯蔵するスペースと、該スペースに貯蔵された浮遊物を保管容器に移送するための移送手段、及び搬出口を備えていることを特徴とする水中浮遊物回収装置。
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JP2005190030A JP2007007757A (ja) | 2005-06-29 | 2005-06-29 | 水中浮遊物回収方法及び水中浮遊物回収装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010078539A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 構造部材の切断方法及び構造部材切断装置 |
EP2017853A3 (de) * | 2007-07-18 | 2011-01-12 | Areva NP GmbH | Verfahren zum Rückbau einer nukleartechnischen Anlage |
CN103341828A (zh) * | 2013-07-05 | 2013-10-09 | 大连理工大学 | 一种深水切割检测装置 |
JP2015017816A (ja) * | 2013-07-09 | 2015-01-29 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 水中浮遊物回収装置及び水中浮遊物回収方法 |
WO2018055100A1 (fr) * | 2016-09-23 | 2018-03-29 | Société Technique Pour L'energie Atomique | Système de circulation d'une installation nucléaire, centrale nucléaire, sous-marin nucléaire et utilisation associés |
-
2005
- 2005-06-29 JP JP2005190030A patent/JP2007007757A/ja active Pending
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