JP6059100B2 - 水中浮遊物回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水中浮遊物回収方法に係り、特に、原子力プラントの保全工事に適用するのに好適な技術に適用するのに好適な水中浮遊物回収方法に関する。
沸騰水型原子力発電プラントの保守点検は、沸騰水型原子力発電プラントの運転が停止された後に行われる。この保守点検時には、燃料貯蔵プール、機器仮置きプール、及び上蓋が取り外された原子炉圧力容器、さらには、この原子炉圧力容器の真上で原子炉格納容器の上方に形成されている原子炉ウェルがそれぞれ水で満たされている。沸騰水型原子力発電プラントでは、水中での作業は一般的に遠隔で行われる。
このため、例えば、原子炉圧力容器内に設置された炉内構造物を新材料で構成された新しい炉内構造物へ取替える場合、及び耐用年数経過後の炉内構造物の処分を実施する場合には、既設の炉内構造物に付着している放射性クラッド、及びこの炉内構造物の取替え及び解体に伴う切断作業等で発生した切断粉等が水中に飛散する。また、原子炉建屋の構造材であるコンクリートの一部が欠落した場合は、コンクリート粉及び破砕片がプール内の水に混入する恐れがある。さらには、燃料貯蔵プールに混入したその破砕片が燃料貯蔵プール内に保管されている使用済燃料集合体を破損するケース、または過酷事故等で原子炉圧力容器内の炉心に装荷された燃料集合体の一部が溶解したケースでは、燃料集合体に含まれるウラン及びジルコニウムの混合粉体等が水中に堆積あるいは飛散する可能性が考えられる。
これらの水中浮遊物及び堆積物は水中作業を行う上で視認性の低下を招くばかりでなく、その水中浮遊物が核燃料を含んでいる場合には、水中浮遊物の回収中の管理及び回収後の保管方法を準備しておくことが必要である。サイズが大きい破砕片であれば把持することが可能であるが、数十mm程度の砂利のようなサイズの破砕片を把持する場合には作業性が悪くなる。しかし、水に浮遊する数μmから30mm程度までの水中浮遊物を高効率で回収する方法については明らかにされていない。
水中に凝集剤を散布して水中浮遊物のサイズを大きくして沈降しやすくする方法を適用する場合には、散布する凝集剤そのものが放射性廃棄物となり、結果的に放射性廃棄物の量が増加することになる。さらに、回収性能を向上するために水中浮遊物を含む水の回収流量を遅くする方法、または水中浮遊物の回収に用いる沈降容器を大型化する方法を適用する場合には、作業スペースが削減され作業効率が低下することになる。また、水中浮遊物を回収すると、回収装置そのものの放射線量が上昇するため、装置を気中に設置すると作業者がメンテナンスすることが出来ない。
WO91/011392Aは汚水の浄化方法を記載する。この浄化方法では、凝集剤を汚水中に混入し、汚水に含まれる無機物・有機物を浮上・沈澱させる工程を複数回繰り返している。
特開2007−24586号公報は、原子炉圧力容器から取り出した炉内構造物を機器仮置きプールの水中に設置し、切断ノズルから切断助剤(例えば、アルミナ粉)を含む高圧水を噴射して炉内構造物を切断するアブレシブウォータジェット切断方法を記載する。このアブレシブウォータジェット切断方法では、切断ノズルから噴射された切断助剤及び炉内構造物の切断粉をコレクタにより回収している。コレクタで回収された切断助剤及び切断粉が、気水分離装置、遠心分離器及びフィルタで順次分離され、回収容器内に回収される。
特開2007−303942号公報は、特開2007−24586号公報と同様に、切断ノズルから切断助剤を含む高圧水を噴射して機器仮置きプールの水中で炉内構造物を切断することを記載している。切断に用いた切断助剤及び炉内構造物の切断粉は、多段式サイクロンセパレータにより水から分離され、回収容器内に回収される。
WO91/011392A 特開2007−24586号公報 特開2007−303942号公報
沸騰水型原子力発電プラントのプール等は水深が10mから30m程度となる。水が長期間静止している状態では水中の浮遊物はプール内面や水中の機器表面に堆積しているが、保守点検作業を開始することによって水中で対流が発生し、比較的容易にプールの水中に浮遊することになる。特に、数μmの浮遊物が水中に浮遊した場合には、水中に浮遊する浮遊物が僅かな濃度であっても、水深が深くなると水面からプール底部までの視認性は極端に悪化する。
このため、プールの底付近に堆積している砂利サイズのコンクリート破砕片から水中に漂っているミクロンサイズの水中浮遊物を可能な限りワンススルーで、且つ廃棄物容器と同定のサイズ(直径1m以下)の容器を用いて回収することが重要である。特に、水中に浮遊する水中浮遊物の回収効率を向上させることが望まれている。
本発明の目的は、水中に浮遊する水中浮遊物の回収効率をさらに向上させることができ、さらに、回収された水中浮遊物が回収容器からあふれて水中に散らばることを防止できる水中浮遊物回収方法を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、支持部材と、この支持部材に取り付けられ、下端部が互いに連絡された下降領域及び上昇域を内部に形成するために内部に仕切板を設けた分離装置と、分離装置に接続されて下降領域に連絡される吸引ノズルと、支持部材に取り付けられ、分離装置に接続されて上昇領域に連絡される吸引ポンプと、支持部材で支持されて分離装置の下端部に接続され、下降領域に連絡される回収容器とを備え、分離装置の高さLに対する仕切板の、分離装置の軸方向における長さL’の比率L’/Lが0.4〜0.8の範囲内に存在水中浮遊物回収装置を用い、
この水中浮遊物回収装置が計量装置を有するクレーンに吊り下げられて水中に配置され、
水中に存在する水中浮遊物である不溶解成分を吸引ノズルで水と共に吸引し、吸引された、不溶解成分を含む水が分離装置の下降領域に流入し、下降領域で不溶解成分が重力沈降により水から分離され、分離された不溶解成分が回収容器に回収され、分離装置の上昇領域を上昇した水が水中浮遊物回収装置の外部の水中に排出され、
計量装置により測定された水中浮遊物回収装置の重量が設定重量に達したとき、分離された不溶解成分を収納した回収容器を水中浮遊物回収装置から取り出し、
空の回収容器を水中浮遊物回収装置に設置して分離装置の下端部に接続することにある。
分離装置の高さLに対する支持板の、分離装置の軸方向における長さL’の比率L’/Lが0.4〜0.8の範囲内に存在するため、吸引ノズルにより水と共に吸引され、分離装置の下降領域内に達した水中浮遊物である不溶解成分の分離効率が向上し、水中浮遊物の回収効率がさらに向上する。また、計量装置により測定された水中浮遊物回収装置の重量が設定重量に達したとき、分離された不溶解成分を収納した回収容器を水中浮遊物回収装置から取り出しているため、回収容器を水中浮遊物回収装置から取り出す前において、分離されて回収容器に収納された不溶解成分が回収容器からあふれて水中に散らばることを防止することができ、水中浮遊物回収の作業効率の低下を防止できる。
本発明によれば、水中浮遊物である不溶解成分の分離効率が向上し、水中浮遊物の回収効率をさらに向上させることができる。さらに、回収された水中浮遊物が回収容器からあふれて水中に散らばることを防止できる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の水中浮遊物回収方法の説明図である。 実施例1に用いられる水中浮遊物回収装置の拡大縦断面図である。 図2に示す前段分離器の拡大縦断面図である。 前段分離器における水中浮遊物の分性能を示し、仕切板長さL’/前段分離器の高さLに対する、回収量に対する回収量の比の変化を示す説明図である。 本発明の他の好適な実施例である実施例2の水中浮遊物回収方法の説明図である。 本発明の他の好適な実施例である実施例3の水中浮遊物回収方法に用いられる水中浮遊物回収装置の縦断面図である。 本発明の他の好適な実施例である実施例4の水中浮遊物回収方法の説明図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 本発明の他の好適な実施例である実施例5の水中浮遊物回収方法の説明図である。 図9のX−X断面図である。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の水中浮遊物回収方法を図1、図2及び図3を用いて説明する。本実施例の水中浮遊物回収方法は沸騰水原子力発電プラントの燃料貯蔵プールに適用した例である。
まず、本実施例に用いられる水中浮遊物回収装置1を図1、図2及び図3を説明する。水中浮遊物回収装置1は、支持部材2、吸引ノズル3、前段分離器4、回収容器12,15、ポンプ(吸引ポンプ)13、後段分離器14、フィルタ装置16、温度計24A,24B、線量計25及び表示装置26を備えている。
前段分離器4、ポンプ13、回収容器12,15、後段分離器14、フィルタ装置16及び温度計24A,24Bが支持部材2に取り付けられている。前段分離器4、ポンプ13、後段分離器14、フィルタ装置16及び回収容器12,15は、内部空間を形成した直方体である支持部材2に取り付けられる。前段分離器4、ポンプ13、後段分離器14及びフィルタ装置16が支持部材2の上部部材10の上面に設置されている。回収容器12,15は、支持部材2の、上部部材10より下降に形成された内部空間に配置されて支持部材2に設置される。回収容器12が前段分離器4の真下に位置しており、回収容器15が後段分離器14の真下に位置している。
前段分離器4は、図3に示すように、円筒部6、底部7及び仕切板8を有する。底部7は、内部に領域10が形成された逆円錐状の筒部であり、円筒部6の下端に取り付けられている。底部7は下方に向かって内側に傾斜する傾斜面を有する。円筒部6の上端は蓋部5によって封鎖されている。
仕切板8は、蓋部5の下面に取り付けられており、円筒部6内に配置される。仕切板8は、前段分離器4の半径方向において円筒部6の中心を通過しており、仕切板8のその半径方向における一端が円筒部6の内面に溶接されている。仕切板8のその半径方向における他端が、仕切板8の上記の一端が円筒部6の内面に溶接されている位置と180°反対側の位置で、円筒部6の内面に溶接されている。仕切板8のその一端及び他端は、前段分離器4の軸方向における仕切板8の全長に亘って円筒部6の内面にそれぞれ溶接されている。このような仕切板8は円筒部6内を下降領域9A及び上昇領域9Bに分割している。下降領域9A及び上昇領域9Bは、それぞれ、底部7内に形成された領域10に連絡される。
吸引ノズル3に接続された可撓性を有するホース17は、円筒部6に接続され、下降領域9Aに連絡される。前段分離器4の底部7の下端部に接続された回収物排出管22が、支持部材2内に配置された回収容器12に取り外し可能に接続される。円筒部6に接続されて上昇領域9Bに連絡された移送配管18がポンプ13に接続される。移送配管19がポンプ13と後段分離器14を接続する。後段分離器14としては例えばサイクロン式分離器を用いる。後段分離器14の底部に接続された回収物排出管23が、支持部材2内に配置された回収容器15に取り外し可能に接続される。後段分離器14は、さらに、移送配管20によってフィルタ装置16に接続される。フィルタ装置16は容器内にろ過材である濾紙または濾布を配置している。排水管21がフィルタ装置16に接続されている。
ホース17に連絡されて円筒部6に形成された流入口及び移送配管18に連絡されて円筒部6に形成された流口は、円筒部6内に配置された仕切板8と対向している。
温度計24A,24Bが、支持部材2に取り付けられ、支持部材2の内部空間に配置される。温度計24Aは、回収容器12の近くに配置され、回収容器12の表面温度を測定する。温度計24Bは、回収容器15の近くに配置され、回収容器15の表面温度を測定する。温度計24A,24Bは配線39によって表示装置26に接続される。
本実施例の水中浮遊物回収方法は、水中浮遊物回収装置1を用いて沸騰水原子力発電プラントの燃料貯蔵プール30内に堆積されているコンクリート破砕片36を吸引する。燃料貯蔵プール30は沸騰水型原子力発電プラントの原子炉建屋(図示せず)内で運転床に取り囲まれて形成されている。冷却水38が燃料貯蔵プール30に充填されている。複数の使用済燃料集合体が収納された複数の使用済燃料保管容器35が、燃料貯蔵プール30の底に置かれ、冷却水38中に保管されている。これらの使用済燃料保管容器35の上面に、コンクリート破砕片36が堆積している。
作業台車31が、燃料貯蔵プール30を跨いで配置され、運転床上に移動可能に設置される。作業台車31として、運転床上を移動する燃料交換機を用いてもよい。水中浮遊物回収装置1の支持部材2が、作業台車31に横行可能に取り付けられたクレーン32から吊り下げられて燃料貯蔵プール30の冷却水38中に下降され、冷却水38中の所定位置に保持される。計量器37がクレーン32に設けられ、表示装置26は作業台車31上に置かれている。計量器37は配線41によって表示装置26に接続される。線量計25は、作業台車31から吊り下げられ、冷却水38中において支持部材2付近に配置される。線量計25は配線40によって表示装置26に接続される。なお、2つの線量計25を、回収容器12,15に別々に対向させて配置し、支持部材2に設置してもよい。監視用の水中カメラ27が、冷却水38中に配置され、作業台車31から吊り下げられている。照明28が、作業台車31から吊り下げられて冷却水38中に配置される。吸引ノズル3は、作業台車31上の作業者が持っているポール33の下端部に取り付けられている。吸引ノズル3も、燃料貯蔵プール30内の冷却水38中に配置される。
本実施例の水中浮遊物回収方法はポンプ13の駆動により開始される。作業者は作業台車31上から燃料貯蔵プール30の底部を目視することができない。このため、燃料貯蔵プール30内を照明28で照らしながら水中カメラ27で撮影した映像を表示装置26に表示させ、作業者はこの映像を見ることによって燃料貯蔵プール30の冷却水38中の状態、すなわち、使用済燃料保管容器35及びコンクリート破砕片(不溶解成分)36が存在している位置を確認することができる。この映像を見ながら、作業台車31上の作業者は、ポール33を操作して、吸引ノズル3を燃料貯蔵プール30内に保管された使用済燃料保管容器35の上面付近まで下降させる。その後、ポンプ13が駆動されると、使用済燃料保管容器35の上面に堆積したコンクリート破砕片36が周囲の冷却水38と共に吸引ノズル3に吸引される。
吸引ノズル3に吸引されたコンクリート破砕片36は、吸引された冷却水38と共にホース17を通って前段分離器4の流入口から下降領域9A内に導かれる。吸引された冷却水38は下降領域9A内を下降し、底部7内の領域10を通って上昇領域9B内を上昇して移送配管18に排出される。下降領域9A内で下降する冷却水38の流速が遅くなり、この冷却水38に含まれた、粒径が1mm以上のコンクリート破砕片36は、下降領域9Aにおいて重力沈降により冷却水38から分離され、底部7内の領域10から回収物排出管22内に排出される。底部7の傾斜面は、前段分離器4の中心軸に垂直な水平面に対して45°の角度で傾斜しているので、重力沈降により分離されたコンクリート破砕片36は、底部7の内面に沿って回収物排出管22内に排出され易い。分離されたコンクリート破砕片36は、回収物排出管22を通って回収容器12内に回収される。下降領域9A内で下降する冷却水38の流速は、ホース17内を流れる冷却水38の流速の1/10まで低下する。このため、冷却水38が下降領域9A内を下降する間に、この冷却水38に含まれているコンクリート破砕片36の重力沈降が促進され、冷却水38からのコンクリート破砕片36の分離効率が向上する。
前段分離器による固形物の分離性能について、説明する。発明者らは、内部に仕切板8を設置した前段分離器4を用いて水に含まれるコンクリート破砕片の分離性能を確認する試験を行った。使用した前段分離器4は、図3に示す構造を有している。前段分離器4の軸方向における長さL’が異なる5種類の仕切板8を、その前段分離器4の円筒部6内に別々に配置し、それぞれのケースにおいてコンクリート破砕片の分離性能を確認した。前段分離器4の円筒部6の高さLは変えないので、上記の5つのケースにおける、前段分離器4の高さ、すなわち、円筒部6の高さLに対する仕切板8の長さL’の比L’/Lは、図4に示すように、それぞれ異なっている。この試験では、比L’/Lを0.3から1.0まで5段階で変化させている。
模擬した粒径の異なるコンクリート破砕片を含む水を前段分離器4の下降領域9Aに供給し、前段分離器4における、水に含まれるコンクリート破砕片の分離状態を確認した。この試験により、図4に示す分離性能の結果が得られた。図4は、比L’/Lに対する、コンクリート破砕片の吸引量Aに対するコンクリート破砕片の回収量Bの比B/Aの変化を表している。図4に示す試験結果によれば、比L’/Lを0.4〜0.8の範囲内に設定することにより、比B/A、すなわち、コンクリート破砕片の回収量が多くなる。好ましくは、比L’/Lを0.5〜0.6の範囲内に設定することが望ましい。比L’/Lを0.5〜0.6の範囲内に設定することにより、比B/Aが最も大きくなる。本実施例では、前段分離器4では、比L’/Lが、例えば、0.6になっている。
前段分離器4を用いることによって数十mmサイズのコンクリート破砕片を効率良く冷却水38から分離し、回収容器12に回収することができる。
前段分離器4で分離されなかった1mm未満のサイズを有するコンクリート破砕片36は、上昇領域9Bを上昇して円筒部6の排出口から移送配管18に排出される。このコンクリート破砕片36を含む冷却水38は、ポンプ13で昇圧され、移送配管19を通って後段分離器14内に導かれる。移送配管18に排出されるコンクリート破砕片36は粒径が1mm未満であるため、そのコンクリート破砕片36によってポンプ13は損傷しない。後段分離器14はサイクロン式分離器であり、後段分離器14内に流入したコンクリート破砕片36を含む冷却水38は、後段分離器14内で旋回する。冷却水38の旋回により、この冷却水38に含まれる1mm未満のコンクリート破砕片36に遠心力が作用する。このため、コンクリート破砕片36は、後段分離器14内で冷却水38から分離され、回収物排出管23を通して回収容器15に回収される。
後段分離器14から移送配管20に排出された冷却水38は、フィルタ装置16に導かれる。後段分離器14で分離されなかった細かいコンクリート破砕片36は、冷却水38と共にフィルタ装置16に流入し、フィルタ装置16で除去される。フィルタ装置16を通過してコンクリート破砕片36をほとんど含んでいない冷却水38は、排水管21を通って燃料貯蔵プール30内の冷却水38中に排出される。
作業台車31上の作業者は、ポール33を水平方向に移動させることによって異なる位置に存在する使用済燃料保管容器35の上に堆積したコンクリート破砕片36を吸引ノズル3で吸引することができる。この吸引されたコンクリート破砕片36は、上記したように、サイズに応じて前段分離器4、後段分離器14及びフィルタ装置16でそれぞれ除去される。ポール33を水平方向に移動することによって、燃料貯蔵プール30内に保管された各使用済燃料保管容器35の上に堆積したコンクリート破砕片36を吸引し、回収容器12,15に回収することができる。燃料貯蔵プール30内の冷却水38中に浮遊している浮遊物である固形物も、吸引ノズル3により吸引され、上記した各分離器で冷却水38から除去される。
本実施例に用いられる水中浮遊物回収装置1は、比L’/Lが0.6となる仕切板8を前段分離器4内に配置し、前段分離器4内に下降領域9A及び上昇領域9Bを形成しているため、吸引ノズル3から前段分離器4に供給される、コンクリート破砕片36を含む冷却水38からの不溶解成分であるコンクリート破砕片36の分離効率が向上する。
前段分離器4及び後段分離器14のそれぞれで分離されて回収容器12,15のそれぞれに回収されたコンクリート破砕片36の量が多くなり、回収容器12または回収容器15が回収されたコンクリート破砕片36で満杯になる可能性がある。この場合には、クレーン32を操作し、クレーン32に吊り下げられている水中浮遊物回収装置1を燃料貯蔵プール30から引き揚げてコンクリート破砕片36で満杯になった回収容器、例えば、回収容器12を空の新たな回収容器12と交換する必要がある。
クレーン32に取り付けられている計量器37が、吊り下げられている水中浮遊物回収装置1の重量を測定する。測定されたその重量は、表示装置26に表示される。表示装置26に表示された水中浮遊物回収装置1の重量が設定重量に達したとき、作業者はクレーン32を駆動させて水中浮遊物回収装置1を燃料貯蔵プール30から引き揚げて、運転床上で回収容器12,15と回収物排出管22,23のそれぞれの接続状態を解除し、コンクリート破砕片36が充填された回収容器12,15を支持部材2から取り外す。その後、空の回収容器12,15を支持部材2に取り付けてこれらの回収容器に回収物排出管22,23を接続する。
クレーン32を駆動して、空の回収容器12,15を取り付けた水中浮遊物回収装置1を燃料貯蔵プール30の冷却水38中に下降させ、この水中浮遊物回収装置1によって、前述した、燃料貯蔵プール30内のコンクリート破砕片36の吸引及び分離を実施する。
計量器37で水中浮遊物回収装置1の重量を測定しているため、回収容器12,15内に回収されたコンクリート破砕片36が回収容器12,15の少なくとも一つで満杯になってオーバーフローし、吊り下げられた水中浮遊物回収装置1の下方に位置する使用済燃料保管容器35上に落下し、使用済燃料保管容器35内の使用済燃料集合体に損傷を与えることを防止することができる。また、回収容器からオーバーフローしたコンクリート破砕片36が、燃料貯蔵プール30の冷却水38中に散らばってしまい、再度、コンクリート破砕片36を回収する作業を行う必要があり、コンクリート破砕片36を回収する作業効率が低下する。本実施例では、水中浮遊物回収装置1を吊り下げるクレーン32に計量器37を取り付けているので、そのような問題が生じない。
本実施例では、回収容器12の表面温度を温度計24Aで測定し、回収容器15の表面温度を温度計24Bで測定しており、これらの測定された温度を監視することによって、回収容器12,15内に回収された固形分に核燃料物質が含まれているか否かを判定することができる。この判定には、線量計25で測定された、回収容器12,15のそれぞれの線量率も考慮される。燃料貯蔵プール30内に保管されている使用済燃料保管容器35の上に堆積している固形分(不溶解成分)に核燃料物質が含まれている場合には、この核燃料物質が、コンクリート破砕片36と共に吸引ノズル3によって吸引され、前段分離器4、後段分離器14で分離されて回収容器12,15内に回収される。回収容器12,15の表面温度及び表面線量率は、回収された固形分に核燃料物質が含まれている場合に増加する。このような回収容器12,15の表面温度及び表面線量率の増加によって、これらの回収容器に回収された固形分に核燃料物質が含まれているかを確認することができる。回収容器の表面線量率の上昇に遅れが生じる場合には、表面温度に基づいて回収容器内の核燃料物質の存在を判定することができる。
また、本実施例は、温度計24A,24B及び線量計25を用いているので、以下の効果を得ることができる。回収容器12,15内にそれぞれ回収された固形分に核燃料物質が含まれている場合には、回収容器12,15内にそれぞれ回収された核燃料物質の量が多くなりすぎると、回収容器内で回収された核燃料物質が再臨界になる可能性がある。回収容器の表面線量率を測定していただけでは、回収された核燃料物質の量の増大によって線量率が増大したのか、核燃料物質の再臨界によって線量率が増大したのかを判別することが困難になる。温度計で測定した回収容器の表面温度に基づけば、回収容器内の核燃料物質が再臨界になったか否かを容易に判別することができる。これは、回収容器内の核燃料物質が再臨界になったときには、回収容器内の核燃料物質の量が増大したときよりも、回収容器の表面温度が急激に上昇するからである。
なお、燃料貯蔵プール30は多量の水を保有しているので、燃料貯蔵プール30内に存在するコンクリート破砕片36が少なく、コンクリート破砕片36の回収作業が短時間で終了する場合には、水中浮遊物回収装置1からフィルタ装置16を削除してもよい。これは、後段分離器14を通過した冷却水38のコンクリート破砕片の濃度が低く、この冷却水38が後段分離器14から燃料貯蔵プール30の冷却水38内に排出されたとき、排出された冷却水38に含まれるコンクリート破砕片36が燃料貯蔵プール30の冷却水38によって希釈されるため、視認性の低下を招く恐れがないからである。
本発明の他の好適な実施例である実施例2の水中浮遊物回収方法を図5を用いて説明する。本実施例の水中浮遊物回収方法では、沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器50内における核燃料物質に由来する金属酸化物(不溶解成分)54を含む水中浮遊物が、実施例1と同様に、水中浮遊物回収装置1を用いて回収される。
沸騰水型原子力発電プラントは、図8に示すように、原子炉建屋57内に原子炉格納容器58を設置し、原子炉格納容器58内に原子炉圧力容器50を設置している。原子炉圧力容器50内には、炉心を取り囲む円筒状の炉心シュラウド51が設置され、複数のジェットポンプ52が原子炉圧力容器50と炉心シュラウド51の間に配置される。炉心の下端部に位置する炉心支持板55が、炉心シュラウド51内に配置され、炉心シュラウド51に設置される。複数の制御棒駆動機構ハウジング53が、原子炉圧力容器50の底部を貫通し、この底部に取り付けられている。
原子炉ウェル56が、原子炉圧力容器50の真上で原子炉格納容器の上方に形成されている。原子炉ウェル56は原子炉建屋内の運転床に取り囲まれている。
沸騰水型原子力発電プラントの運転が停止された状態で、原子炉格納容器及び原子炉圧力容器50のそれぞれの上蓋が取り外され、冷却水が原子炉ウェル56及び原子炉圧力容器50内に充填されているとする。また、原子炉圧力容器50内、例えば、炉心支持板55の上面に、核燃料物質に由来する金属酸化物54が堆積されているとする。
作業台車31が、原子炉ウェル5を跨いで原子炉建屋内の運転床上に移動可能に設置されている。水中浮遊物回収装置1は、実施例1と同様に計量が設けられたクレーン32に吊り下げられており、原子炉ウェル56内の冷却水中に配置される。また、線量計25、水中カメラ27及び照明28が、作業台車31から吊り下げられて冷却水38中に配置される。吸引ノズル3は、作業台車31上の作業者が持っているポール33の下端部に取り付けられて、原子炉圧力容器50内の炉心支持板55付近に配置されている。ポンプ13が駆動されると、炉心支持板55上の浮遊物である金属酸化物54及び周囲の冷却水が、吸引ノズル3に吸引されて、前段分離器4に導かれる。サイズが1mm以上の金属酸化物54は前段分離器4で除去され、1mm未満のサイズを有する金属酸化物54が後段分離器14で除去され、後段分離器14を通過した金属酸化物54はフィルタ装置16で除去される。フィルタ装置16から排出された冷却水は、排水管21を通って原子炉圧力容器内の冷却水中に排出される。前段分離器4及び後段分離器14で除去された金属酸化物54は、回収容器12及び15内に回収される。
また、原子炉圧力容器0が開放される際に原子炉建屋の壁面が損傷していた場合には、原子炉圧力容器50内にコンクリート破砕片36が混入する可能性がある。原子炉圧力容器50内に存在するコンクリート破砕片36、例えば、炉心支持板55上に存在するコンクリート破砕片36は、金属酸化物54と共に吸引ノズル3により吸引することができる。吸引されたコンクリート破砕片36も、前段分離器4、後段分離器14及びフィルタ装置16のそれぞれで除去され、回収容器12及び15内に回収される。
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。核燃料成分が含まれる金属酸化物54の回収容器12及び15への回収量が増えると、回収容器12及び15のそれぞれの表面温度が上昇し、回収容器12及び15の健全性が低下する恐れが有る。また、金属酸化物54を収納した回収容器12及び15は、原子炉ウェル56から引き揚げられたときに、放射性遮へい体を設けた別の容器に収納する必要がある。このため、水中浮遊物回収装置1に設けられた回収容器12及び15の線量率がこれらの回収容器を収納する別の容器の放射線遮へい能力を超えない範囲で、金属酸化物54を収納した回収容器12及び15を空の回収容器12及び15と交換する必要がある。温度計24A,24Bによる回収容器12及び15のそれぞれの表面温度の監視、及び線量計25による回収容器12及び15のそれぞれの線量率の監視が重要になる。
本発明の他の好適な実施例である実施例3の水中浮遊物回収方法に用いられる水中浮遊物回収装置を図6を用いて説明する。本実施例の水中浮遊物回収方法に用いられる水中浮遊物回収装置1Aは、実施例1及び2に用いられる水中浮遊物回収装置1において後段分離器14、回収容器15及び移送配管20を削除した構成を有する。ポンプ13に接続された移送配管19は、フィルタ装置16に接続される。水中浮遊物回収装置1Aの他の構成は水中浮遊物回収装置1と同じである。
例えば、燃料貯蔵プール30において堆積しているコンクリート破砕片36等の固形分が少ないときに、水中浮遊物回収装置1Aを用いて、実施例1と同様に、燃料貯蔵プール30内の浮遊物であるコンクリート破砕片36を吸引ノズル3で吸引し、吸引されたコンクリート破砕片36を前段分離器4で分離して回収容器12内に回収する。前段分離器4から流出した1mm未満のコンクリート破砕片36は、フィルタ装置16で除去される。
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。水中浮遊物回収装置1Aは、後段分離器14、回収容器15及び移送配管20が設けられていない関係上、水中浮遊物回収装置1よりもコンパクトになる。
本発明の他の好適な実施例である実施例4の水中浮遊物回収方法を図7及び図8を用いて説明する。本実施例の水中浮遊物回収方法では、沸騰水型原子力発電プラントの圧力抑制室61内における核燃料物質に由来する金属酸化物54を含む水中浮遊物が、実施例1と同様に、水中浮遊物回収装置1を用いて回収される。
沸騰水型原子力発電プラントは、図8に示すように、原子炉建屋57内に原子炉格納容器58を設置し、原子炉格納容器58内に原子炉圧力容器50を設置している。原子炉圧力容器50は、原子炉格納容器58内に設置された筒状のペデスタル59上に据え付けられている。原子炉建屋57内の上部に、燃料貯蔵プール30及び機器仮置きプール63が形成されている。環状のトーラス室60が原子炉建屋57内の底部に配置される。環状の圧力抑制室61がトーラス室60内に設置され、原子炉格納容器58に接続された複数のベント管62が圧力抑制室61内に挿入されている。各ベント管62の先端部は、圧力抑制室61内で冷却水に浸漬されている。
核燃料物質に由来する浮遊物である金属酸化物54が圧力抑制室61内で底部に堆積されているとする。圧力抑制室61内の金属酸化物54を回収する方法として二つの方法がある。いずれの方法においても、水中浮遊物回収装置1の、前段分離器4、ポンプ13、後段分離器14及びフィルタ装置16が取り付けられた支持部材2の部分は、トーラス室60内で、圧力抑制室61の外側のコーナー部に配置される(図7参照)。この支持部材2の部分はトーラス室60の上の階からトーラス室60内に搬入される。トーラス室60及び圧力抑制室61内は、水で満たされている。このため、水中浮遊物回収装置1の、その支持部材2の部分は水中に置かれている。
金属酸化物54を圧力抑制室61内から回収する第1の方法は、吸引ノズル3を作業者が操作する方法である。吸引ノズル3を通すことができる大きさの貫通孔64を、トーラス室60の天井及び圧力抑制室61の天井部分にそれぞれ形成する。これらの貫通孔64は、圧力抑制室61内で金属酸化物54が堆積している領域の真上に形成される。トーラス室60の上の階にいる作業者は、下端部に吸引ノズル3を取り付けたポール3をそれらの貫通孔64に挿入し、吸引ノズル3を圧力抑制室61内で金属酸化物54が堆積している領域まで下降させる。吸引ノズル3は、ホース17により、トーラス室60内に配置された支持部材2に設けられている前段分離器4に接続されている。ポンプ13が駆動されると、実施例2と同様に、金属酸化物54が周囲の水と共に吸引ノズル3に吸引されて前段分離器4内に導入される。粒径が1mm以上の金属酸化物54が前段分離器4で分離されて回収容器12内に回収される。前段分離器4から排出された粒径が1mm未満の金属酸化物54は、後段分離器14及びフィルタ装置16で分離される。後段分離器14で分離された1mm未満の金属酸化物54は、回収容器15内に回収される。フィルタ装置16から排出された水は、トーラス室60内の水中に排出される。
このような本実施例の第1の方法においても、実施例2で生じる各効果を得ることができる。
環状の圧力抑制室61のリング状の軸心方向において圧力抑制室61の底部に連続して金属酸化物54が堆積している場合には、貫通孔64を圧力抑制室61の天井部に形成する必要がある上記した第1の方法では、圧力抑制室61内から金属酸化物54を全部吸引することは不可能である。
このため、上記の第1の方法の課題を解決した、金属酸化物54を圧力抑制室61内から回収する第2の方法では、走行車45に取り付けた吸引ノズル3により金属酸化物54を吸引する。この第2の方法では、吸引ノズル3を取り付けた走行車45を圧力抑制室61内に搬入して、走行車45を圧力抑制室61内で移動させる。吸引ノズル3に接続されたホース17は、圧力抑制室61の壁に形成された貫通孔(図示せず)を介してトーラス室60のコーナー部に配置された支持部材2に取り付けられた前段分離器4に接続されている。この第2の方法では、水中カメラ27が走行車45に取り付けられ、走行車45の進行方向を水中カメラ27で撮影する。水中カメラ27で撮影された映像は、例えば、原子炉建屋57の外部に置かれた表示装置26に表示され、この映像に基づいて、圧力抑制室61内での金属酸化物54の体積状況を確認する。走行車45は、遠隔操作で駆動される。走行車45を圧力抑制室61内で走行させることにより、圧力抑制室61内の金属酸化物54を全て吸引し、回収容器12,15に回収することができる。
水中浮遊物回収装置1の回収容器12,1が金属酸化物54の回収により所定の線量率に達したとき、水中浮遊物回収装置1をトーラス室60の上方の階まで搬出し、金属酸化物54が収納されている回収容器12,1を支持部材2から取り出し、空の回収容器12,1を設置した水中浮遊物回収装置1をトーラス室60内の元の位置まで搬入する。水中浮遊物回収装置1から取り出された金属酸化物54が収納された回収容器12,1は、実施例2と同様に、放射性遮へい体を設けた別の容器に収納し、この別の容器を原子炉建屋57の外部の所定の場所まで搬送する。
このような本実施例の水中浮遊物回収方法における第2の方法でも、実施例1で生じる各効果を得ることができる。この第2の方法では、走行車45に設けた吸引ノズル3で金属酸化物54を吸引するので、走行車45を移動させることにより、対象領域(例えば、圧力抑制室61)内に存在する金属酸化物54を全て吸引、回収することができる。
水中浮遊物回収装置1が水中に配置されているため、水中浮遊物回収装置1に設けられた回収容器12,1に回収された金属酸化物54から放出される放射線を水によって遮蔽することができる。この効果は、前述の実施例1〜3においても得られる。
金属酸化物54を吸引する場合には、ホース17内を金属酸化物54を含む水が流れるため、前述の第1の方法では、ホース17は、作業者から離れた位置に敷設し、放射線遮へい対策を施すことが望ましい。
本発明の他の好適な実施例である実施例5の水中浮遊物回収方法を図9及び図10を用いて説明する。本実施例の水中浮遊物回収方法では、沸騰水型原子力発電プラントの機器仮置きプール63内に存在する浮遊物であるコンクリート破砕片36の回収が、実施例1と同様に、行われる。
作業台車31が、機器仮置きプール63を跨いで原子炉建屋57内の運転床上に移動可能に設置されている。作業台車31に設けられた、計量器37を有するクレーン32に吊り下げられた水中浮遊物回収装置1が、機器仮置きプール63内に充填された水の中に配置されている。機器仮置きプール63の底部に堆積されたコンクリート破砕片36が、作業台車31上の作業者が走査するポール33の下端部に取り付けられた吸引ノズル3によって吸引され、水中浮遊物回収装置1の前段分離器4、後段分離器14及びフィルタ装置16でそれぞれ分離され、回収容器12及び15内に回収される。
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。
1,1A…水中浮遊物回収装置ル、2…支持部材、3…吸引ノズル、4…前段分離器、6…円筒部、7…底部、8…仕切板、9A…下降領域、9B…上昇領域、12,15…回収容器、13…ポンプ、14…後段分離器、16…フィルタ装置、17…ホース、18,19,20…移送配管、24A,2B…温度計、25…線量計、26…表示装置、30…燃料貯蔵プール、31…作業台車、35…使用済燃料保管容器、36…コンクリート破砕片、37…計量器、45…走行車、50…原子炉圧力容器、56…原子炉ウェル、57…原子炉建屋、60…トーラス室、61…圧力抑制室、63…機器仮置きプール。

Claims (5)

  1. 支持部材と、前記支持部材に取り付けられ、下端部が互いに連絡された下降領域及び上昇領域を内部に形成するために内部に仕切板を設けた分離装置と、前記分離装置に接続されて前記下降領域に連絡される吸引ノズルと、前記支持部材に取り付けられ、前記分離装置に接続されて前記上昇領域に連絡される吸引ポンプと、前記支持部材で支持されて前記分離装置の下端部に接続され、前記下降領域に連絡される回収容器とを備え、前記分離装置の高さLに対する前記仕切板の、前記分離装置の軸方向における長さL’の比率L’/Lが0.4〜0.8の範囲内に存在する水中浮遊物回収装置を用い、
    前記水中浮遊物回収装置が計量装置を有するクレーンに吊り下げられて水中に配置され、
    前記水中に存在する水中浮遊物である不溶解成分を前記吸引ノズルで水と共に吸引し、吸引された、前記不溶解成分を含む前記水が前記分離装置の前記下降領域に流入し、前記下降領域で前記不溶解成分が重力沈降により前記水から分離され、前記分離された不溶解成分が前記回収容器に回収され、前記分離装置の前記上昇領域を上昇した前記水が前記水中浮遊物回収装置の外部の前記水中に排出され、
    前記計量装置により測定された前記水中浮遊物回収装置の重量が設定重量に達したとき、前記分離された不溶解成分を収納した前記回収容器を前記水中浮遊物回収装置から取り出し、
    空の回収容器を前記水中浮遊物回収装置に設置して前記分離装置の下端部に接続することを特徴とする水中浮遊物回収方法。
  2. 前記水中浮遊物回収装置として、前記比率L’/L0.5〜0.6の範囲に水中浮遊物回収装置を用いる請求項1に記載の水中浮遊物回収方法。
  3. 前記分離された不溶解成分を収納した前記回収容器の線量率を線量計で測定し、測定で得られた前記回収容器の線量率が設定線量率に達したとき、前記分離された不溶解成分を収納した前記回収容器を前記水中浮遊物回収装置から取り出し、空の回収容器を前記水中浮遊物回収装置に設置して前記分離装置の下端部に接続する請求項1または2に記載の水中浮遊物回収方法。
  4. 前記分離された不溶解成分を収納した前記回収容器の表面温度を温度計で測定する請求項に記載の水中浮遊物回収方法。
  5. 前記水中浮遊物回収装置が、前記支持部材に取り付けられて前記吸引ポンプの下流に配置され、前記吸引ポンプに接続される、前記分離装置である第1分離装置とは別タイプの第2分離装置を備えており、
    前記第1分離装置の前記下降領域で分離された前記不溶解成分のサイズよりも小さい前記不溶解成分を含み、前記第1分離装置の前記上昇領域から排出されて前記吸引ポンプを通過した前記水が、前記第2分離装置に供給され、前記下降領域で分離された前記不溶解成分のサイズよりも小さい前記不溶解成分が、前記第2分離装置で分離される請求項1または2に記載の水中浮遊物回収方法。
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