JP2000317224A - 濾過装置、その保守方法及び濾過器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次濾過器の寿命の伸長と、一次濾過器の清
浄・再生を簡単化して、濾過材及び保守のコスト低減を
図る。二次濾過器を寿命限界まで利用して、微細フィル
タの交換サイクルを最大限延長できる保守方法を提供す
る。 【解決手段】 直列結合された一次濾過器Ａと二次濾過
器Ｂを用いる濾過装置において、一次濾過器は濾過プロ
セスと逆洗プロセスを択一的に行うことができ、一次濾
過器から濾過プロセス実行中に排出される浄液のみなら
ず、逆洗プロセス実行中に排出される汚濁液も、二次濾
過器に流出させ、二次濾過器には、微細フィルタを交換
可能に備えた。保守方法は、二次濾過器の微細フィルタ
の公称寿命が来た時に一次濾過器を濾過プロセスから逆
洗プロセスに切替えて、一次濾過器に捕集された不純物
を逆洗して二次濾過器に捕捉させ、その微細フィルタを
新規微細フィルタと交換する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、直列に結合された
一次濾過器と二次濾過器を用いる濾過装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、工作機械における切削油や洗浄
機械における洗浄液などの廃液は、閉鎖路又は開放路の
いずれにおいても、高精度な濾過が要望される場合が多
い。この様な場合は、一般的に高精度濾過に適するペー
パフィルタを代表とする微細フィルタが用いられる。し
かし、微細フィルタは、切粉などの微細な固体粒子又は
汚濁因子（本明細書においては不純物という。））を捕
捉し得る代わりに、短期間の内に目詰まりを生じ易いと
いう弱点がある。そのため、比較的粗い不純物を一次濾
過器で濾過した後に、微細フィルタを用いる二次濾過器
により精密濾過を行なうことがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように直列に結合された一次濾過器と二次濾過器を用い
る従来の濾過装置においては、二次濾過器に用いられる
微細フィルタの寿命が多少伸長されるという効果は得ら
れるが、例えばペーパフィルタの場合は、内圧２．５ｋ
ｇｆ／ｃｍ² になると寿命が来たものとして、二次濾過
器から取出して新規なペーパフィルタと交換され、寿命
が来たペーパフィルタは、これを産業廃棄物として処分
しなければならない。一方、一次濾過器においても、捕
捉された不純物（スラッジ）の量が増えると、これを一
次濾過器から排除してタンクに貯留し、何らかの最終処
分をしなければならない。従って、従来は、一次濾過器
と二次濾過器のそれぞれに対して、捕捉不純物の排出及
び処分並びに微細フィルタの処分を必要とし、とくにペ
ーパフィルタは、高価であるとともに比較的寿命が短い
ため、交換頻度が高く、手間がかかるので、濾過材コス
ト及び保守コストの低減が可能な濾過装置の出現が待望
されていた。

【０００４】本発明は、上記要望に応えようとするもの
であり、その第一の課題は、直列結合された一次濾過器
と二次濾過器からなる濾過装置において、とくに二次濾
過器の寿命をできるだけ伸長し、かつ、一次濾過器の捕
捉不純物の排除・処分が簡単にできるようにして、濾過
材コスト及び保守コストの低減を図ることにある。第二
の課題は、二次濾過器を寿命限界まで有効に利用して、
微細フィルタの交換サイクルを最大限に延長できる保守
方法を提供することにある。第三の課題は、上記濾過装
置の一次濾過器として好適な構造を有する濾過器を提供
することにある。そして、第四の課題は、上記一次濾過
器として最も濾過能率の高い濾過器を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１の発明は、直列に結合された一次濾過器と
二次濾過器を用いる濾過装置において、前記一次濾過器
は、濾過プロセスと逆洗プロセスを択一的に行うことが
でき、かつ、前記一次濾過器から濾過プロセス実行中に
排出される浄液のみならず、逆洗プロセス実行中に排出
される汚濁液も、前記二次濾過器に流出するものであ
り、前記二次濾過器には、微細フィルタを交換可能に備
えたものであることを特徴としている。上記構成によ
り、一次濾過器が濾過プロセスを行うときは、原液が一
次濾過器の濾過流路を流通されて、前濾過された後、二
次濾過器の微細フィルタにより精密濾過される。前濾過
により微細フィルタの寿命が格段に伸長する。また、濾
過プロセスにより二次濾過器の捕捉不純物の量が増え
て、内圧が高くなった時は、逆洗プロセスに切り換える
ことにより、原液は一次濾過器の逆洗流路を流通される
ので、一次濾過器は捕集された不純物が逆洗により排除
されて清浄されるとともに、その不純物は二次濾過器の
微細フィルタに捕集される。微細フィルタの交換だけ
で、濾過装置が再生される。

【０００６】上記濾過装置の保守方法である請求項２の
発明は、濾過装置の使用により二次濾過器の微細フィル
タの寿命が来た時に、一次濾過器を濾過プロセスから逆
洗プロセスに切替えて、一次濾過器に捕集された不純物
を排除して一次濾過器を清浄するとともに、その排除さ
れた不純物を逆洗して二次濾過器に捕捉させ、その微細
フィルタを新規微細フィルタと交換することを特徴とし
ている。従来は、例えばペーパフィルタの場合は、内圧
が公称寿命である２．５ｋｇｆ／ｃｍ² になった時に使
用を停止し、新規フィルタと交換していた。ところが、
例えば、ペーパフィルタの場合は、使用限界内圧が３．
０ｋｇｆ／ｃｍ² 程度であるので、従来は、公称寿命内
圧から使用限界内圧に達するまで、なお捕捉能力を保有
している状態で、微細フィルタを廃棄していた。本発明
者は、この点に着目し、公称寿命内圧から使用限界内圧
までの残留捕捉能力を活用して、微細フィルタの公称寿
命が来たときに一次濾過器を濾過プロセスから逆洗プロ
セスに切り換えて、一次濾過器に捕集された不純物を逆
洗により排除し、これを二次濾過器に捕捉させるように
したものである。従って、微細フィルタは公称寿命内圧
から寿命限界内圧に近い状態まで、有効に使用すること
ができる。また、一次濾過器に対しては、清浄・再生の
手間が掛からなくなる。

【０００７】本発明に係る一次濾過器として用いられる
濾過器は、濾過プロセスを行う濾過流路と、一次濾過器
に捕集された不純物を排除する逆洗プロセスを行う逆洗
流路と、不純物を含む原液の供給路を濾過流路の始端と
逆洗流路の始端に択一的に結合する第１切替え弁と、濾
過流路の末端と逆洗流路の末端を択一的に二次濾過器の
流入口に結合する第２切替え弁とを有することを特徴と
している。第１切替え弁により、不純物を含む原液の供
給路を濾過流路の始端に結合し、第２切替え弁により、
濾過流路の末端を二次濾過器の流入口に結合することよ
り、一次濾過器においては濾過プロセスが働いて前濾過
が行われ、その浄水に対して二次濾過器により精密濾過
が行われる。また、第１切替え弁により、不純物を含む
原液の供給路を逆洗流路の始端に結合し、第２切替え弁
により、逆洗流路の末端を二次濾過器の流入口に結合す
ることより、一次濾過器においては逆洗プロセスが働い
て一次濾過器に捕集された不純物の逆洗が行われ、その
排除された不純物が二次濾過器により捕捉される。

【０００８】上記一次濾過器として好適な濾過器は、沈
殿室と、その沈殿室の上部に設けられた逆錐状の反射面
を有する拡散分離体と、下方から前記拡散分離体の下端
部に向けて原液を放出する導入管とを有してなる沈殿部
と、前記拡散分離体を通過した液体を流通させる濾過部
とを有し、前記導入管の下端部に結合された管が濾過流
路の始端とされ、前記濾過部の上端部に結合された管が
前記濾過流路の末端とされ、前記濾過部の上端部に結合
されたもう一つの管が前記逆洗流路の始端とされ、前記
沈殿室の底部に結合された管が逆洗流路の末端とされて
おり、前記濾過部は濾過材の交換が可能なように、開閉
自在に構成されていることを特徴としている。導入管の
先端から上方に放出される原液に含まれる不純物の大部
分は拡散分離体の反射面により沈殿室上部に拡散分流さ
れ、原液の流速低下に伴い、原液と不純物の比重差によ
り不純物が沈殿室に沈降する。沈降せずに原液とともに
拡散分離体を上方に通過した不純物の一部は、濾過部の
濾過材により捕捉される。ここでも捕捉されない不純物
はろ液とともに、濾過部の上端部から排出される。一次
濾過器の濾過材が目詰まりを起こした場合は、濾過部か
ら濾過材を取出して交換することができる。これによ
り、微細フィルタの交換サイクルをさらに長期化するこ
とができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に例示する実施例について、説明する。図１は、本実施
例の構成を示す概念図、図２は一次濾過器の一例を示す
縦断面図である。

【００１０】図１において、３は不純物を含む原液（廃
液）を一時貯留する原液タンクであり、不純物発生源１
から原液排出管２ａを介して原液が流入する。不純物発
生源１は、例えば、ワイヤカット加工機その他の工作機
械や機械又は部品の洗浄装置であり、工作機械において
使用された加工油（切削油や研磨油など）や、機械又は
部品の洗浄装置において使用された洗浄液が、上記原液
に該当する。従って、原液タンク３の原液には、固体粒
子、例えば、工作機械による金属加工により発生した粉
粒状の切粉、又は、洗浄装置による洗浄により除去され
た繊維状又は粉粒状の塵埃が含まれている。

【００１１】４は原液タンク３から原液を本発明による
濾過装置に送給する原液供給ポンプであり、吐出口に原
液供給管５の一端が結合されている。

【００１２】本発明による濾過装置は、一次濾過器Ａ
と、これに直列結合された二次濾過器Ｂとから構成され
ている。一次濾過器Ａは、濾過器本体６０と、一端部が
濾過器本体６０に結合された供給側分岐管６１ａ，６２
ａと、一端部が濾過器本体６０に結合された排出側分岐
管６１ｂ，６２ｂと、各供給側分岐管６１ａ，６２ａの
他端部の間に接続された、第１切替え弁に相当する供給
側切替え弁６３と、各排出側分岐管６１ｂ，６２ｂの他
端部の間に接続された、第２切替え弁に相当する排出側
切替え弁６４とからなっている。濾過器本体６０は、沈
殿又は遠心分離と濾過を行う複合濾過器であることが濾
過性能の点から好ましいが、フェルト又はフェルトとリ
ネン等の通常の濾過材のみを用いる濾過器でも良い。

【００１３】そして、いずれの場合も、濾過器本体６０
は、その内部に、原液を一方向に流通させる場合に濾過
プロセスを行う濾過流路と、原液を逆方向に流通させる
場合に逆洗プロセスを行う逆洗流路とを有しており、供
給側分岐管６１ａの一端部は濾過流路の始端に結合さ
れ、排出側分岐管６１ｂは濾過流路の末端に結合されて
いる。また、供給側分岐管６２ａは逆洗流路の始端に結
合され、排出側分岐管６２ｂは逆洗流路の末端に結合さ
れている。

【００１４】供給側切替え弁６３は３方弁であり、もう
一つのポートには原液供給管５の他端が結合されてい
る。こうして、供給側切替え弁６３の切替え操作によ
り、原液供給ポンプ４からの原液をある時は供給側分岐
管６１ａを介して濾過器本体６０の濾過流路に流通させ
たり、他の時は供給側分岐管６２ａを介して逆洗流路に
流通させたりすることができる。

【００１５】排出側切替え弁６４も３方弁であり、もう
一つのポートには後端が二次濾過器Ｂに結合されている
排出管７の先端が結合されている。こうして、排出側切
替え弁６４の切替え操作により、ある時は、濾過器本体
６０の濾過流路を流通して浄化された一次浄液を排出側
分岐管６１ｂ及び排出管７を介して二次濾過器Ｂに流入
させたり、他の時は濾過器本体６０の逆洗流路を流通し
て濾過流路にに捕集されていた不純物を含んだ汚濁液を
排出側分岐管６２ｂ及び排出管７を介して二次濾過器Ｂ
に流入させたりすることができる。

【００１６】供給側切替え弁６３が原液供給管５を供給
側分岐管６１ａに結合したときは排出側切替え弁６４が
排出側分岐管６１ｂを排出管７に結合し、かつ、供給側
切替え弁６３が原液供給管５を供給側分岐管６２ａに結
合したときは排出側切替え弁６４が排出側分岐管６２ｂ
を排出管７に結合するように整合をとるため、二つの切
り替え弁６３，６４は、手動式の場合は連動部材で結合
され、電動式の場合は連動回路で結合されることが望ま
しい。

【００１７】二次濾過器Ｂは、既知のペーパフィルタな
どの精密濾過が可能な微細フィルタを用いるものであ
り、例えば、蛇腹状に折り畳んだ矩形のペーパフィルタ
を円筒状に丸め、これを外周面に無数の小孔を設けた有
底円筒状の容器８の中に収容して構成されている。そし
て、その二次濾過器Ｂの上記容器の開口側に着脱自在に
取付けた蓋８１の中央に設けられている開口に排出管７
の後端が結合されている。微細フィルタの始端は蓋の裏
面に密着され、また、蓋８１の開口縁と排出管７の端縁
は液体漏れが生じないように、緊密に結合されている。
従って、排出管７の後端から二次濾過器Ｂに流入される
液体に含まれる不純物は、そのペーパフィルタに捕捉さ
れる。また、二次濾過器Ｂには、微細フィルタの内側に
おける液圧を計測して表示する内圧計（不図示）が取付
けられている。

【００１８】二次濾過器Ｂから排出される浄液が、例え
ば工作機械や洗浄装置などで再使用される場合は、二次
濾過器Ｂは浄液タンク９に収容される。そして、浄液タ
ンク９に溜まった浄液は、ポンプ１０により浄液供給管
２ｂを介して不純物発生源（工作機械や洗浄装置など）
１に供給される。浄液が再使用されずに廃棄される場合
は、その浄液は浄液タンク９から放流され、又は浄液タ
ンク９を用いずに二次濾過器Ｂから放流される場合があ
る。

【００１９】上記の構成により、原液供給ポンプ４を始
動すると、原液タンク３から原液が例えば２０〜５０リ
ットル／分程度の一定流速でこの濾過装置に送給され、
二次濾過器Ｂの微細フィルタの公称寿命が来るまでは、
一次濾過器Ａでは濾過プロセスが行われ、原液の比較的
粗い不純物が一次濾過器において捕集される。一次濾過
器で捕捉されなかった微細な不純物は、浄液とともに二
次濾過器Ｂに流入し、微細フィルタ７により捕集され、
精密濾過が果たされる。そして、内圧計が、例えば、ペ
ーパフィルタの公称寿命である内圧２．５ｋｇｆ／ｃｍ
² を示した時は、切り替え弁６３，６４を操作して、そ
れまでの濾過プロセスから逆洗プロセスに切り替える
と、原液供給ポンプ４からの原液が一次濾過器Ａ内の逆
洗流路を逆流される。濾過プロセスの際は、一次濾過器
Ａ内の原液の流れに流速が非常に緩やかな領域が存在す
るので、不純物の捕集が可能であるのに対して、逆流プ
ロセスの際は、一次濾過器内に流速の緩やかな領域がな
くなるか、ごく僅かになるため、一次濾過器内に捕捉さ
れていた不純物が逆流される原液により案外に良く排除
（逆洗）されて、二次濾過器Ｂに流入される。その結
果、一次濾過器の逆洗が効果的に行われ、一次濾過器Ａ
から除去された不純物が微細フィルタに捕集される。こ
のように逆洗プロセスにおいては、一次濾過器から比較
的短時間に不純物が効率的に除去されて二次濾過器に流
入し捕捉される。すなわち、二次濾過器に不純物がいわ
ば詰め込まれる。従って、ペーパフィルタの使用限界で
ある内圧３．０ｋｇｆ／ｃｍ² に達するまでに、一次濾
過器の清浄・再生を終了することができる。

【００２０】逆洗プロセスを終了した後は、原液供給ポ
ンプ４を一時停止し、浄液タンク８から二次濾過器Ｂを
引上げ、その容器から微細フィルタを取り出し、新規微
細フィルタを装填すれば、切り替え弁６３，６４の戻し
操作後に、原液供給ポンプ４を始動して、濾過装置を濾
過プロセスに復帰することができる。

【００２１】続いて、濾過プロセスから逆洗プロセスに
切り替えて、捕捉された不純物を排除して、清浄・再生
するのに好適な一次濾過器Ａの一例について、図２に基
づいて説明する。図２の濾過器は、沈殿と濾過を行う複
合濾過器の例であり、その原理は、本発明者が特開平８
−２４５３３号公報において開示したものである。この
濾過器は、沈殿部Ｆ１と濾過部Ｆ２とを有している。沈
澱部Ｆ１は、ケーシング１１と、そのケーシングの底部
側からーシング１１の中心を立ち上げられた導入筒１２
と、ケーシング内の導入管の上方に設けられた拡散分離
体１３とを有し、ケーシング１１の周壁及び底壁と導入
管１２との間に、沈殿室１４が形成されている。

【００２２】ケーシング１１は、上半部がほぼ円筒形又
は角筒形に形成され、下半部はほぼ逆円錐形又は逆角錐
形に形成されて、後述されるように、逆洗プロセスにお
いて沈殿室底部から沈殿物が排除され易くしてある。導
入管１２は下半部の中間位置において沈殿室１４に挿入
され、その導入管の外端部には直接に又はカプラ（不図
示）を介して供給側分岐管６１ａに接続される。また、
沈殿室１４の下端部に、沈殿室に溜まった不純物（スラ
ッジ）を外に排出するための流出口１１ａを有し、その
流出口１１ａに直接に又はカプラ（不図示）を介して排
出側分岐管６２ｂが接続される。

【００２３】拡散分離体１３は、逆錐状の反射面１３１
を有する。反射面は、傘状の板材に流体を通過させる多
数の小孔１３２を形成してなっている。小孔の形状、大
きさ、分布率は、この濾過器の適用対象の原液に含まれ
る不純物の種類・性状や径の大小に適合するように設定
される。図示の好ましい例では、透孔が反射面の下端部
から上端部方向に連続する横スリット状に形成され、円
周方向に離間して配置されている。反射面１３１の下側
部分よりも上側部分の有孔率が漸増するように小孔１３
２を形成する方が、原液からの不純物の分離効果が優れ
ている。

【００２４】そして、拡散分離体１３は、逆錐状の反射
面の頂点を導入管１２の立上がり部の中心に合致させ
て、かつ、反射面１３１との間に間隙をもって取付けら
れている。

【００２５】拡散分離体１３の反射面の多数の小孔１３
２を通過して中に進入した液体は、ケーシング１１の上
面壁中央に設けた貫通孔１１ｂから濾過部Ｆ２に流入す
るようになっている。

【００２６】濾過部Ｆ２は、そのケーシング１５の濾過
室１６の下端部に形成してある孔１５ａに拡散分離体１
３の上側の窪みが連続するように、沈殿部Ｆ１に接続さ
れている。濾過室１６には、濾過対象に適合する濾過材
１７が収容されている。この濾過材は、原液に含まれる
不純物の性状や粒径等に応じて、小石群、セラミックボ
ール群、化学繊維塊、濾紙等の１種又は複数種の層の組
合わせなど、適切なものを選択して用いることができ
る。

【００２７】濾過室１６の上端部の一方側には供給側分
岐管６２ａが、他方側には排出側分岐管６１ｂがそれぞ
れ直接に又はカプラ（不図示）を介して結合されてい
る。そして、好ましい実施例では、ケーシング１５の上
端部に蓋１８がボルトナット１９などの固定具により開
閉自在に取付けられて、濾過材１７の目詰まりが目立つ
ようになったときは、蓋１８を開けて、濾過材の交換が
可能とされている。

【００２８】あるいは、開閉自在の蓋１８を設ける代わ
りに、沈殿部Ｆ１と濾過部Ｆ２の間を分離可能な管継ぎ
手２０により結合することにより、濾過材の寿命が来た
時は、管継ぎ手２０において濾過部Ｆ２を取外し、新濾
過材を収容した濾過部と交換するようにしても良い。

【００２９】上記の構成により、濾過プロセス時は、原
液供給管５からの原液は、供給側分岐管６１ａ→導入管
１２→拡散分離体１３の反射面→沈殿室１４→拡散分離
体１３を通過→濾過室１６→排出側分岐管６２ａに至る
濾過流路に沿って流通する。また、逆洗プロセスの場合
は、原液供給管５からの原液は、供給側分岐管６２ａ→
濾過室１６→拡散分離帯を通過→沈殿室→排出側分岐管
６２ｂに至る逆洗流路に沿って流通する。そして、濾過
プロセスにおいては、導入管１２から沈殿部Ｆ１内に供
給される原液は、拡散分離体１３の逆錐状の反射面１３
１により沈殿室１４の下方に向けて強制的に反射されて
拡散分流され、反射面１３１から遠ざかるに連れて流速
が劇的に減衰され、沈殿室の下半部では流れがほとんど
止まる。そのため、原液とこれに含まれる不純物の比重
差に基づき、比重の大きい不純物の大部分は沈殿室の底
部に向けて沈降する。原液及び沈降しなかった不純物は
拡散分離体１３の反射面の小孔１３２を通過し、濾過器
Ｆ２のケーシング１５内に流入し、そこで濾過材１７に
より捕捉される。この濾過部Ｆ２によっても捕捉されな
かった微細な不純物は、浄液とともに排出側分岐管６１
ｂより上記二次濾過器Ｂに送り込まれる。

【００３０】図２の濾過器は、沈殿部Ｆ１に代えて、遠
心分離により優れた濾過性能を有することで知られるサ
イクロンを用いる場合にも本発明の所望の効果が得られ
る。

【００３１】

【発明の効果】上述のように、請求項１の発明によれ
ば、微細フィルタを用いる二次濾過器の寿命が従来より
も格段に伸長される。また、寿命が来た後も、一次濾過
器の濾過材の清浄・再生に有効に活用される。そして、
一次濾過器の寿命も伸長され、かつ、不純物除去の手間
が顕著に削減される。

【００３２】請求項２の発明によれば、二次濾過器の寿
命限界まで有効に使用できる。ペーパフィルタを用いる
例では、寿命が従来の４杯も伸長される。従って、濾過
装置の部品コスト及び保守コストが顕著に低減される。

【００３３】請求項３の発明によれば、簡単な構造で、
かつ、簡単な操作で濾過プロセスと逆洗プロセスを切替
えて、通常の濾過運転と寿命到来時の捕捉不純物の排除
及び微細フィルタの交換を迅速に行なうことができる。

【００３４】請求項４の発明によれば、一次濾過器の濾
過性能が高いので、二次濾過器の精密濾過の寿命がさら
に伸長される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る濾過装置を、使用状態において示
す概念図。

【図２】本発明に係る濾過装置の一次濾過器として好適
な濾過器の一例を示す縦断面図。

【符号の説明】

図１において Ａ 一次濾過器 ４ 原液供給ポンプ ５ 原液供給管 ６０ 濾過器本体 ６１ａ，６２ａ 供給側分岐管 ６１ｂ，６２ｂ 排出側分岐管 ６１ａ，６０，６１ｂ 濾過流路 ６２ａ，６０，６２ｂ 逆洗流路 ６３ 第１切替え弁（供給側切替え弁） ６４ 第２切替え弁（排出側切替え弁） ７ 排出管 Ｂ 二次濾過器 ８ 微細イルタを収容した容器 図２において Ｆ１ 沈殿部 １１ ケーシング １２ 導入管 １３ 拡散分離体 １３１ 反射面 １３２ 孔 １４ 沈殿室 Ｆ２ 濾過部 １５ ケーシング １６ 濾過室 １７ 濾過材 １８ 蓋 １９ ボルトナット ２０ 管継ぎ手

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ０１Ｄ 29/66 Ｂ０１Ｄ 36/00 35/02 36/04 36/00 Ｂ２３Ｑ 11/00 Ｕ 36/04 Ｂ０１Ｄ 29/04 ５１０Ａ Ｂ２３Ｑ 11/00 ５１０Ｄ ５１０Ｆ ５２０Ｂ 29/38 ５１０Ａ ５２０Ａ 35/02 Ｅ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直列に結合された一次濾過器と二次濾過
   器を用いる濾過装置において、 前記一次濾過器は、濾過プロセスと逆洗プロセスを択一
   的に行うことができ、かつ、前記一次濾過器から濾過プ
   ロセス実行中に排出される浄液のみならず、逆洗プロセ
   ス実行中に排出される不純物混じりの汚濁液も、前記二
   次濾過器に流出するものであり、 前記二次濾過器は、微細フィルタを交換可能に備えたも
   のであることを特徴とする濾過装置。
2. 【請求項２】 一次濾過器のろ過プロセス実行中に、二
   次濾過器の寿命が到来した時は、前記一次濾過器を逆洗
   プロセスに切替えて、前記一次濾過器に捕集された不純
   物を排除して清浄するとともに、その排除された不純物
   を前記二次濾過器の微細フィルタに捕集させ、その微細
   フィルタを新規微細フィルタと交換した後、濾過プロセ
   スに復帰することを特徴とする請求項１に記載された濾
   過装置の保守方法。
3. 【請求項３】 濾過プロセスを行う濾過流路と、前記一
   次濾過器に捕集された不純物を排除する逆洗プロセスを
   行う逆洗流路と、原液供給路を前記濾過流路の始端と前
   記逆洗流路の始端に択一的に結合する第１切替え弁と、
   前記濾過流路の末端と前記逆洗流路の末端を二次濾過器
   の流入口に択一的に結合する第２切替え弁とを有するこ
   とを特徴とする請求項１に記載された濾過装置の一次濾
   過器として用いられる濾過器。
4. 【請求項４】 沈殿室と、その沈殿室の上部に設けられ
   た逆錐状の有孔反射面を有する拡散分離体と、下方から
   前記拡散分離体の下端部に向けて原液を放出する導入管
   とを有してなる沈殿部と、前記拡散分離体を通過した液
   体を流通させる濾過部とを有し、前記導入管の下端部に
   結合された管が濾過流路の始端とされ、前記濾過部の上
   端部に結合された管が前記濾過流路の末端とされ、前記
   濾過部の上端部に結合されたもう一つの管が前記逆洗流
   路の始端とされ、前記沈殿室の底部に結合された管が前
   記逆洗流路の末端とされており、前記濾過部は濾過材の
   交換が可能なように、開閉自在に構成されていることを
   特徴とする請求項３に記載された濾過器。