JP5198077B2 - 電子レンジ調理袋 - Google Patents

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本発明は、調味液と生又は半調理した食材とを分離して1つの袋に収納し、家庭用の電子レンジで所定時間加熱することにより、調味液が食材の上から降り注ぎ、水蒸気を放出する脱気孔が形成され、家庭で調理した場合と遜色のない各種煮物を簡易に提供することができる電子レンジ調理袋に関する。
近年、家族構成が変化し、一人又は二人の小人数家庭が増加しつつある。小人数家庭にあっては、少量の煮炊きは材料の無駄が多く、手間は大人数用の調理とほとんど変わらないという問題がある。そのため、個食用フリーズドライ食品やレトルト食品が普及している。更に、飲食に際して電子レンジで加熱するのみで食することのできる加工、半加工、未加工の食品が種々販売されている。
野菜や魚の煮物は、個食用商品が最も普及し難い商品であった。特許文献1及び特許文献2には、ポリアミドやポリエステルの基材層に穿孔を設け、これにポリエチレン等を積層した袋内に食材と調味液の袋を収納し、電子レンジで加熱することにより味付け調理食品が得られる技術が開示されている。この技術においては、加熱により袋の内圧が高まったとき、基材層の欠落部位が破れ、水蒸気を放出しながら煮込むものである。調味液も別の袋内に収納され、適切なタイミングで破れて調味液が食材を味付けするものである。
本発明者らは、この技術を種々検討したが、破袋した調味液袋が出来上がった煮物と共存し、この調味液袋の存在は消費者に異物感を与える欠点があった。更に、調味液袋が破れた後も内部の調味液が全部放出されず、充分に味付けできない短所があった。特許文献2では、調味液袋の開口する部位を下にし、調味液袋に圧力が加わって調味液が放出し易いようにされている。しかしながら、調味液袋の開口した下面にも圧力が加わるため調味液袋の下面から放出した調味液が外袋全体に広がる通路が塞がれ、確実に排出させることができない欠点があった。
特許文献3には、調味液を易剥離性仮融着部を有する内袋に収納し、易剥離性仮融着部に対向する部位を外袋と共に融着する技術が開示されている。この技術によれば、内袋の異物感の問題は解決するが、内袋中の調味液の全量が排出しない問題が残る。調味液は食材が適正に調味される分量を予め装入しているので、全部排出しない場合には食材が充分に味付けされない問題が残る。排出されずに残る調味液の割合が一定であれば、その分余分に調味液を装入することもできるが、調味液の排出のされ方は包装袋を電子レンジで調理する毎に変動する。
特許文献4には、表裏のフィルムを弱融着する第1の弱融着部により食材収納部と調味液収納部を有する包装袋が開示されている。これは通常の融着部の他に2種の剥離強度を有する弱融着部を設け、食材と外部に通じる弱融着部が破れた後、調味液と食材との間に介在する弱融着部が破れ、調味液が食材に浸透するものである。加熱終了後、一旦開いた食材と外部に通じる弱融着部が隘路中の水分により閉塞し、包装体内を減圧にし、調味液収納部内に残る調味液を吸引して味を浸透させるものである。
特開平11−301749号公報 特開2006−21820号公報 特開2005−350109号公報 特開2007−217044号公報
野菜、魚等の煮物は手間がかかり、小人数分を各種調理するのは核家族にとって無駄の多い作業であった。しかも、一般には、各種の煮物を少量ずつ食べたい傾向がある。食材を混ぜて煮た場合には味が混ざり、それぞれの食材の風味を生かすことができない。このような場合に、一人分或いは小人数分の、生又は半加工の調理用に断裁した食材を、調味液と分離して同一のプラスチック袋内に収納し、必要時、電子レンジ加熱することにより出来立ての煮物が得られる技術が求められていた。
外袋内に調味液を分離して収納する場合には、調味液の全部を確実に排出させ、食材を充分に味付けすることを要する。従来技術には調味液を確実に排出させる手段が開示されていない。特許文献2には、調味液袋の開口部を下にして調味液の全部が排出するよう図っているが、調味液の排出口にも高い内圧が加わるため、全部の調味液を排出することができない。調味液が不完全に排出した時点で外袋が破袋すると、内袋に残った調味液はそれ以上排出されずに残る。又、特に粘稠性のある調味液は食材に移行しがたいという問題があった。
特許文献4は、食材収納部の排出口を加熱終了後に自動的に閉塞する隘路を設けて、食品調理袋自体を減圧にして調味液の全部を排出する方法が開示されている。この方法は通常の融着部の他に2種類の弱融着部を設けるため、合計3種類の剥離強度を有する融着部が存在し、温度管理が困難で、意図した順番に弱融着部が剥がれない場合があった。
本発明は上記課題を解決することを目的とし、その構成は、食材収納部の上に弱融着部を介して調味液収納部が載置され、食材収納部の少なくとも1か所に脱気孔形成部が設けられ、電子レンジ加熱により弱融着部が剥がれ脱気孔形成部が開口することを特徴とし、表裏のフィルムの一方の脇部にのみ深いガセット折込みを有し、2本のガセット融着部と1本のタテ融着部を有するシール袋であり、表裏のフィルム間のガセット折曲がり山線よりタテ融着部側に、弱融着部を設けて内部を2分した電子調理用包装袋であって、底融着部が、ガセット融着部付近で欠落して第2脱気孔を形成し、蒸気通路を介して底融着部とほぼ平行で、ガセット折曲がり山線に達しない第2融着部を設け、少なくとも第2融着部に重なり或いは接触し、折曲がり山線を越える幅の密着部がタテ方向に設けられていることを特徴とする。
すなわち、本発明は1つの袋を食材収納部と調味液収納部に弱融着部を介して、食材を下に調味液を上に載せるものである。加熱により調味液収納部の内圧が高まれば、弱融着部は開口し、調味液は重力により上から下に落下するため確実に排出される。従来方式では食材への移行が困難であった粘稠性の調味液の場合、この重力方式の効果が大きい。更に、水蒸気の排出路として、第1脱気孔、蒸気通路、第2脱気孔を設けたため、加熱終了後には蒸気通路が水分により閉塞し、内部が減圧状態になって調理後の取出しにあたって液漏れもなく取扱い易い。この方法のみでは流通時も開口部を有するため、脱気包装できない難点を有する。
本発明者は調理袋に使用されるフィルムの内層に熱融着性層を使用している。この素材は内層同士が融着する以前の温度で加熱すると、単に密着するのみで内容物を入れるために容易に剥がれる状態にある。しかし、袋を減圧にすると減圧に耐える程度の密着性を維持していることを見出した。製袋時に第1脱気孔を塞ぐ幅に、樹脂が軟化しながら融着に至らない恒温で加熱加圧すると密着部を生じる。この密着部は食材を装入するためにガセット折込み部を開くと容易に剥がれるが、底融着部と第2融着部に挟まれた脱気孔形成部には力が加わらないため、密着した状態に保たれる。したがって、食材と調味液を装入した後、袋口を減圧密封することが可能であり、電子レンジ加熱時には容易に開口する。
本発明により流通時には内容物を真空に保ち、電子レンジ加熱時には調味液を全部排出し、水蒸気を放出し、加熱終了後には空気の流入や内容物の液漏れを防止する電子レンジ調理袋を提供することができる。その結果、出来立ての美味しい調理食品を単に電子レンジで加熱するのみで得ることができる。
本発明に使用される食材は特に限定がなく野菜、魚類、肉類が使用できる。野菜としては、かぼちゃ、人参、薩摩芋、きゃべつ、大根、馬鈴薯、なす、白菜等を挙げることができる。魚類としては、かれい、さば、ぶり等の切り身、いわし、わかさぎ等を1尾或いは2尾以上使用することができる。肉類としては、鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉等を挙げることができる。これら食材は料理として通用するように均一の大きさに切断して使用する。
1袋に収納する食材は100〜300gが一般的である。300g以上の場合には、食材収納部に平滑に並べるようにする。
収納する食材は1種に限定するものではなく、例えば、ぶりと大根等、2種以上を用いることができる。或いは短時間で煮える食材と長時間で煮える食材とを共存させる場合には、予め長時間で煮える食材を加熱して短時間で煮える食材と配合し、同時に煮あがるように調整する。
本発明に使用するプラスチックフィルム素材は内面低温熱融着性であり、外面高温熱融着性であればよい。低温熱融着性フィルムとしてはポリエチレン、ポリプロピレン等があり、特に線状低密度ポリエチレンは好ましい素材である。フィルムに張りや強度を持たせるため、外層に高温熱融着性のポリアミドやポリエステル層を積層して使用することが好ましい。フィルムは2層でもよいが、更に他の機能を付与するため、他のフィルム層を積層することもできる。
本発明における用語、タテは原反を巻出したフィルムの長さ方向を意味し、用語、ヨコは巻出したフィルムの横断方向を意味する。
調味液は上記食材を目的とする煮物に仕上げるために必要な調味料の配合液であり、醤油、塩、味噌、酒、味醂、香辛料等を適宜配合したもので、調味液の質と量が電子レンジ調理食品の味に大きく貢献する。更に調味液の粘稠性も食感、食味に大きく関与する。
本発明の電子レンジ調理袋を図面を参照して説明する。図1は本発明調理袋の1実施例の平面図であり、図2は図1のII−II線拡大断面説明図、図3はガセット折込みを開いた状態の底面図、図4は本発明調理袋の調味液収納部を立てた状態の斜視図である。
1は調理袋でありタテ融着部2とガセット融着部3を有し、底融着部4を有する。底融着部4はガセット融着部3の近傍に欠落部を有し、第2脱気孔を形成している一見四方シール袋である。調理袋1は一方の脇部にのみ深いガセット折込み部を有し、食材収納部5とする。したがって、ガセット融着部3は図2に示すように、3aと3bの2本の融着部を有する。鎖線で示す6はガセットの折曲がり山線である。ガセット折込みを設けなかったタテ融着部2に接する側は調味液収納部7となる。
本発明の調理袋1は折曲がり山線6のわずかにタテ融着部2に近い部位に、弱融着部8を設け、食材収納部5と調味液収納部7を分離する。
本発明における弱融着部とは、袋本体の周囲を密封する本体融着部に比して融着強度が弱い融着部である。図1に示すように、融着幅を本体融着部より狭くし、1又は2以上の剥離を早めるトラップ9を設ける。トラップ9は折れ曲がり山線6に近接した弱融着部6を、調味液収納部7の側に迂曲させて、再び折れ曲がり山線6と平行に戻る。この間に一見、釣り鐘状のトラップ9が生じる。トラップ9は電子レンジ等で密封袋を加熱した場合に、発生する内圧により最初に破れる部位である。図1においては、更にトラップ9の頭に折れ曲がり山線6と平行な細く短い融着部を設けた。
底融着部4はガセット融着部の近傍で欠落し、第2脱気孔10を形成する。第2脱気孔10を覆うように細い蒸気通路11を介して、ガセット融着部3から延出し底融着部4とほぼ平行な第2融着部12を設ける。第2融着部12は折曲がり山線6に達してはならない。すなわち、第2融着部12の先端部に折曲がり山線6を中心として第1脱気孔13が形成される。図3に示すように、ガセット折込みを開いて食材を装入し袋口を融着しても脱気孔13近傍の脱気孔形成部17は剥がれず、真空包装に耐える。加熱されて食材から発生した水蒸気は容易に脱気孔形成部17を剥がし、第1脱気孔13を通過し、双方に分かれて両端の第2脱気孔10から放出する。
調理が終了し袋内部が減圧になったときには、蒸気通路内の水蒸気が凝縮し蒸気通路11を閉塞し、外部からの空気の進入、調理液の浸出や袋内から熱い蒸気の袋外部への直接の噴出を防止する。第1、第2脱気孔、蒸気通路の幅は内容物の量及び袋の大きさにより異なるが、上記機能を発現させるために、第1脱気孔13の幅は図1の状態で2〜3mm、第2脱気孔10の幅は5〜10mm、蒸気通路11の幅は6〜10mmが好ましい。
脱気孔は上記の方法に限定せず、底融着部を1本として底融着部4の任意の部位に底融着部を欠落しない大きさの半円状の脱気孔形成部を設けることもできるが、底融着部4のガセット折れ曲がり山線6との交叉部が好ましい。すなわち、脱気孔形成部では底融着部4の幅が狭まり、食材収納部5の内圧が高まった時に開口する。
図1及び図2においては、融着幅を減少させ、トラップを設けることによって弱融着部を得ていたが、これに限定するものではない。その他に、上記の何れか一方の方法、融着幅は同一にしてヒートバーの融着温度を低下させる方法、易剥離性テープを挟んで融着する方法等があり、単独で或いは複合していずれも採用できる。
1枚のフィルムは少なくとも内面熱融着性であり、外面は内面と同じ温度では融着しないフィルムの複合フィルムであるが、図2に示すように、2本の線で表現した。表裏のフィルムは密着するか融着されているため、図面で表現すれば3本線となるべきであるが、あえて空間を保って4本線で表現した。融着部位を細い縦線を有する四角形で囲み、その外部に太線とこの部位が融着している意味を示す矢印で挟んで示した。2、3a及び3bは融着部位であり、8は弱融着部である。14はフィルムのガセット折込み部である。
ガセット融着部3を相互に離し、ガセット折込み部14を最大に開けば、図3に示すように広い食材収納部5が得られる。食材を収納し、調味液収納部に調味液を収納して食材収納部をガセット折込みして袋口を密封すれば、調味液収納部7は、食材を収納したガセット折込み部5の上に寝た形状になる。調味液収納部7を上にして加熱すると調味液収納部内が膨張して起立し、図4に示す状態になる。
図3において、折曲がり山線6は見えないが鎖線で示した。その両端に示した破線15に挟まれた範囲が密着部16である。密着部とは製袋時に袋を90±5℃に加熱押圧した部位であり、融着に至っていないが物理的に強く密着した状態にある。手で剥がす等の外部応力により容易に剥がれるが、図3の細い縦線を並べた脱気孔形成部17は外部応力が加わり難く調理袋内を真空にしても、密着した状態を維持できる。食材及び調味液を収納後、袋口を真空密封すると脱気孔形成部17が気体の進入を防止して流通過程、保存過程においても内容物を真空に維持できる。したがって、密着部16は第2融着部12と重なり合うことが必須であり、その幅は折曲がり山線6を越えることが好ましい。図1及び図2においては煩雑になるため密着部16の図示を省略した。
フィルムの熱融着性層に使用される線状低密度ポリエチレン等のプラスチックは、熱軟化温度が低く、更に温度を上げると融着する。2枚のフィルムの熱融着性層同士を対向させて低い温度で融着した部位が弱融着性層である。確実に融着させるためには更に高い温度で融着する。熱融着性層が熱で軟化し、しかも融着するに至らない状態で押圧すれば、気密に密着した状態に保たれる。この状態は手で剥がす程度の弱い力で容易に剥がれる。しかし、図3の脱気孔形成部17は底融着部4と第2融着部12と弱融着部8に挟まれ、外力の加わり難い部位である。
食材を装入するときに密着部16は自然に剥がれるが、脱気孔形成部17は密着した状態に維持される。袋口を閉じて脱気包装密封すると、脱気孔形成部17は剥がれずに真空を維持できる。流通、保管に際しても外部応力が加わり難く食材を真空で提供することができる。
使用に際しては、加熱により食材収納部の内圧が高まれば、脱気孔形成部17は容易に剥離し、図4の矢印で示すように、第1脱気孔13、蒸気通路11及び第2脱気孔10を順次通過して放出される。加熱終了後は蒸気通路11内の水蒸気が底融着部4と第2融着部12との間で薄い水膜となって、気体や液体の通過を阻害する。したがって、調理袋内は減圧となって収縮する。
図4においては、弱融着部8の両端がタテ融着部2に向かって傾いているが、これは調味液の流出をより確実にするための傾斜である。
図1及び図2に示した密封袋を製造するには、密封袋の横断面の全長と等しい幅のフィルムを供給し、熱融着性層を内面にして両端を向かい合わせる。一方の脇部にはガイドを挿入してガセット折込みを形成し、その上で両端をタテ融着するとタテ融着部2、ガセット融着部3a及び3bが同時に形成される。更に、所定の形状のヒートバーを使用して弱融着部8を形成する。底融着部4及び第2融着部12も所定の形状のシールバーを用いてヨコ融着して形成することができる。
上記の方法においては1枚のフィルムを用いたが、ガセット折込みフィルム、表フィルム、裏フィルムをそれぞれ個別に供給し、図1の形状の調理袋を製造してもよい。或いはガセット折込みフィルムのみを別個に供給し、連続した表裏のフィルムを供給し、ガセット折込みフィルムの一端と表フィルムの3aを融着し、ガセット折込みフィルムの他端と裏フィルムの3bを融着する方法もある。この場合には、タテ融着部2は形成されず、単なる折り返し状態になる。
このように、本発明の調理袋の製法は限定されるものではなく、食材収納部5の上に弱融着部8を介して調味液収納部7が存在すればよい。
図5は弱融着部8が剥離した部位の断面を切断した斜視説明図であり、図6は弱融着部8、第2脱気孔10共に開いた状態の側面説明図である。
食材収納部5に食材を、調味液収納部7に調味液を、それぞれ収納して袋口を密封した電子レンジ調理袋は食材と調味液が混ざることなく流通に供することができる。
食するにあたっては、調味液収納部を上にして調理袋を電子レンジで加熱すればよい。加熱するにしたがい、発生する水蒸気により食材収納部5、調味液収納部7共に風船のように膨張し、図5に示すように、調味液収納部7が起立してダルマのような形状になる。間もなく弱融着部8がトラップ9から剥離し、剥離部から調味液が重力によりシャワーのように食材18上に降りかかる。弱融着部の全部が剥離せず、一部が剥離したのみであっても調味液収納部が上の位置に存在するため、調味液のほとんど全部を食材に降りかけることができる。
加熱を開始すると食材が加熱され水蒸気を放出し食材収納部の内圧が上昇する。この内圧により脱気孔形成部17が剥離し、第1脱気孔13、蒸気通路11及び第2脱気孔10を通過して水蒸気が放出する。その間に食材は適正量の調味液と共に調理される。弱融着部が剥離した部位はガセット折込みフィルム14を底辺とし、表フィルム及び裏フィルムを上辺とする、図6に示すような三角形に近い断面形状となる。ガセット折込み部14は開いてやや丸味を有する食材収納部の底辺を形成する。第2脱気孔10は膨れ上がった食材収納部の両端で開口する。
弱融着部8が広い範囲に亘って剥離すると調理袋1の表裏のフィルムは、図6に示すように、ガセット折込み部14と共に丸味を帯びた三角形を形成する。弱融着部8が剥離しない部位では、食材収納部5の中央からやや膨らんで立ち上がった状態になる。
具材の種類と量によって異なる適正な電子レンジ加熱時間が終了したら、取り出して皿に盛りつければ美味しい料理が得られる。
実施例1
厚さ15μmのポリアミドフィルムに厚さ40μmの線状低密度ポリエチレンを積層したフィルムを袋素材として使用した。内層を線状低密度ポリエチレンとし、縦23cm、ガセット折込み幅10cm、横20cmの図1及び図2に示す形状の袋を製造した。タテ融着部及びガセット融着部の太さは8mmとし、底融着部及び第2融着部の太さは5mmとし、弱融着部の幅は2mmとした。
本実施例においては、タテ融着部2、ガセット融着部3、底融着部4及び第2融着部12はシールバーの温度140℃で融着した。弱融着部8及びトラップ9はシールバーの温度128℃で融着した。更に、図3に示した密着部16はシールバーの温度90℃で密着した。密着部は第2融着線12に3mm重なり、弱融着部8にも重なる幅であった。
厚さ15mm、縦横約25mmに切り揃えたかぼちゃ220gを、食材収納部5に装入し、調味液50mlを調味液収納部7に装入し、両者の入口を同時に密封した。食材収納部5はガセット折込みを剥がして食材18を装入したが、この際密着部16の存在は特に意識されずに剥がすことができた。再びガセット折込み部14を折込んで脱気密封した。調味液としては水、だし汁、醤油、砂糖、味醂、料理酒よりなる調味液を用いた。
この調理袋を2日間冷蔵保存し、高周波出力600Wの電子レンジに入れてタイマーを6分にセットした。調理袋は弱融着部8を境にしてダルマのように膨れあがり、約1分経過後に弱融着部8の一部が剥離し、剥離部から調味液が食材の上に流れ落ちた。この時、すでに脱気孔形成部11は剥離して蒸気が第2脱気孔10から噴出して、図6に示すような形状になった。次第に剥離部分が広がり、残っていた調味液も全部落下し、かぼちゃに浸透した。加熱終了後、なお3分放置して充分に蒸らした後、電子レンジから取出した。調理袋1の内部は減圧になって収縮し、第2脱気孔10も閉じて蒸気漏れも液漏れもなかった。得られたかぼちゃ煮物は芯まで柔らかく、深く味が浸透していた。食したところ、人肌で温かく、深みのある味わいであった。
実施例2
実施例1と同様の調理袋を使用した。1袋あたり、一辺15mmに断裁した馬鈴薯120gと玉葱50gと、一辺7mmに断裁した人参15gとベーコン25gを用いた。各素材は全てさいころ状に切断し、食材収納部5に装入し、水、ビーフコンソメ、醤油、食塩よりなる調味液40mlを調味液収納部7に装入し、両装入口を実施例1と同様にして脱気密封した。得られた調理袋1を5日間冷蔵後、高周波出力600Wの電子レンジで5分間加熱した。
加熱中の袋内の食材、調味液の状況は実施例1と同様であった。また、加熱終了後も実施例1と同様に処理し、食したときの食感、調味液の浸透具合もきわめて好ましいものであった。
本発明調理袋の1実施例の平面図である。 図1のII−II線拡大断面説明図である。 図1及び2のガセット折込みを開いた状態の底面図である。 本発明調理袋の調味液収納部を立てた状態の斜視図である。 弱融着部が剥離した部位の断面を切断した斜視説明図である。 弱融着部が剥離し、内容物を煮込んでいる状態の側面説明図である。
符号の説明
1 調理袋
2 タテ融着部
3 ガセット融着部
4 底融着部
5 食材収納部
6 折曲がり山線
7 調味液収縮部
8 弱融着部
9 トラップ
10 第2脱気孔
11 蒸気通路
12 第2融着部
13 第1脱気孔
14 ガセット折込み部
15 破線
16 密着部
17 脱気孔形成部
18 食材

Claims (4)

  1. 表裏のフィルムの一方の脇部にのみ深いガセット折込みを有し、2本のガセット融着部と1本のタテ融着部を有するシール袋であり、表裏のフィルム間のガセット折曲がり山線よりタテ融着部側に、弱融着部を設けて内部を2分した電子調理用包装袋であって、
    底融着部が、ガセット融着部付近で欠落して第2脱気孔を形成し、蒸気通路を介して底融着部とほぼ平行で、ガセット折曲がり山線に達しない第2融着部を設けたことを特徴とする電子レンジ調理袋。
  2. 少なくとも第2融着部に重なり或いは接触し、折曲がり山線を越える幅の密着部がタテ方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載する電子レンジ調理袋。
  3. 密着部は食材を装入するときは容易に剥がれ、食材を装入して脱気する場合には剥がれない程度の密着強度を有することを特徴とする請求項2に記載する電子レンジ調理袋
  4. 弱融着部を介して仕切られた一方のガセット折込み部を広げてなる空間に、食材を入れ、他方の空間に調味液を装入して袋口を密封したことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載する電子レンジ調理袋。
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