JP5197306B2 - 空気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は空気浄化装置に関する。
従来、空気浄化装置としては、フィルタで粉塵を捕捉する集塵フィルタや、ガス状物質を活性炭等の吸着・吸収剤入フィルタを用いて吸着除去を行うフィルタ式空気浄化装置がある。しかし、これらのフィルタ式空気浄化装置は、集塵フィルタの目詰まりや、吸着・吸収剤入フィルタが飽和状態になることにより、浄化能力が損なわれる。また、外気を取り込むことにより、空気の浄化を図る手段もあるが、取り込む大気の清浄度が問題になる。このような問題に対し、気液接触により空気中の粉塵や、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、NH 等の大気汚染物質を洗浄水中に取り込み、屋内空気の浄化と換気を行う空気浄化装置がある。
上述の気液接触型の空気浄化装置は、空気中の大気汚染物質の除去、空気の脱臭に適している。しかし、空気浄化を継続すると、洗浄水への大気汚染物質の溶解度が低下し、空気浄化装置の浄化機能が低下する。加えて、長期の使用の間に洗浄水中の微生物が増殖して臭気を発生するおそれがある。
さらに、排水処理、焼却、廃棄物処理、調理設備、喫煙空間、集合住宅のゴミ集積所、車両等の排煙・排気を対象とする場合には、その排煙・排気中に含まれる大気汚染物質や臭気成分等は極めて高濃度となり、空気浄化装置への負荷が大きい。このため、排煙・排気を対象とした空気浄化においては、多量の洗浄水を使用する必要があり、洗浄水の頻繁な交換や、空気浄化装置の大型化が必要となる。加えて、洗浄水は短期間で汚染され、空気浄化装置の浄化機能を短期間に低下させる。
ここで、NH 等のアンモニア態窒素化合物の処理方法として、遊離塩素としてCl、HOCl(次亜塩素酸)、OClを被処理水に添加して、アンモニア態窒素化合物を分解する不連続点塩素処理(ブレークポイントクロリネーション法)が知られている。不連続点塩素処理では、任意の遊離残留塩素濃度となるように被処理水に次亜塩素酸を添加したり、被処理水を電気分解して次亜塩素酸等を発生させることで、アンモニア態窒素化合物の分解を行う。
排煙・排気から洗浄水に取り込まれた高濃度のアンモニア態窒素化合物を不連続点塩素処理で分解するためには、多量の次亜塩素酸等が必要となる。この次亜塩素酸等を電気分解で得ようとすると、次亜塩素酸等の発生効率を高める必要がある。こうした問題に対し、NaOHとNaClとを添加した水を電気分解し、生成した電解水を排気又は排煙に接触させ、排煙又は排気の脱臭・浄化効果を高める方法が報告されている(例えば、特許文献1)。
特開2004−290713号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、洗浄水にNaOHやNaClを適宜補充しなくてはならず、薬剤コストが嵩む。また、薬剤の補充は、洗浄水中の塩濃度を高めることになり、空気浄化装置の浄化機能を低下させることになる。そして、空気浄化装置には、さらなる脱臭・浄化効果の向上が求められている。
そこで本発明は、薬剤の使用量を抑え、かつ、空気の脱臭・浄化の向上が図れる空気浄化装置を目的とする。
本発明の空気浄化装置は、洗浄塔内で、空気と洗浄水とを接触させる洗浄手段を有する空気浄化装置において、陽極と陰極とを備え前記洗浄水を電気分解する電気分解手段を有し、前記電気分解手段は、前記陽極の陰極側の面に陰イオン交換体を含むとともに、前記陰イオン交換体は、前記陽極の陰極側の面に接触して設けられ前記陰極とは離間して配置されていることを特徴とする。他の形態として、本発明は、洗浄塔内で、空気と洗浄水とを接触させる洗浄手段を有する空気浄化装置において、陽極と陰極とを備え前記洗浄水を電気分解する電気分解手段を有し、前記電気分解手段は、前記陽極の陰極側の面に陰イオン交換体を含むとともに、前記陰イオン交換体はモノリス状有機多孔質陰イオン交換体であることを特徴とする。また、前記陰イオン交換体は、対イオンがハロゲン化物イオンである陰イオン交換基を有することがより好ましい。前記洗浄水にハロゲン化物イオンを添加する添加手段を有することが好ましく、前記電気分解手段は、前記陽極と前記陰極との間に設けられた隔膜により陽極室と陰極室とに仕切られ、前記陽極室の洗浄水にハロゲン化物イオンを添加する陽極室添加手段を有することが好ましい。
本発明によれば、薬剤の使用量を抑え、かつ、空気の脱臭・浄化の向上が図れる。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態について、図1〜7を用いて説明する。図1は本発明の空気浄化装置10の模式図である。図2〜7は、電極部70の実施形態を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、送風ファン40の設置されている方向を上方、貯留槽60が設置されている方向を下方として説明する。
図1に示すとおり、空気浄化装置10は、洗浄塔20を有している。洗浄塔20の下方には吸気口22が設けられ、洗浄塔20の上方には送風口26が設けられている。吸気口22は、図示されない吸気ダクトと接続されている。送風口26は図示されない排気ダクトと接続されている
洗浄塔20の上部には、送風ファン40が、洗浄塔20の内部で浄化した空気を送風口26に向けて送風するように設けられている。送風ファン40の下方で、かつ、吸気口22の上方には、エリミネータ50が設けられている。エリミネータ50の下方で、かつ、吸気口22の上方には散水ノズル34が設けられ、散水ノズル34は、配管36と接続されている。散水ノズル34の下方で、かつ、吸気口22の上方には、支持体32が設けられている。支持体32の上方で、かつ、散水ノズル34の下方には、気液接触部30が設けられている。
吸気口22の下方には、貯留槽60が設けられている。貯留槽60には電極部70が設けられ、電極部70は図示されない電源と接続されている。貯留槽60の側面には、配管82が設けられ、配管82はポンプ80と接続されている。ポンプ80は、配管36により散水バルブ34と接続されている。洗浄塔20の側面であって、貯留槽60の上方、かつ、支持体32の下方には配管92と配管96とが設けられている。配管92はバルブ94を介して水源90と接続されている。配管96は、ポンプ98を介して添加水槽150と接続されている。添加水槽150は、無機ハロゲン化物の水溶液(以下、ハロゲン化物イオン水溶液ということがある)を貯留する水槽である。「洗浄手段」は、散水ノズル34と、気液接触部30とで構成されている。「電気分解手段」は、電極部70と、電極部70に接続されている電源とで構成されている。「添加手段」は、添加水槽150と、配管96と、ポンプ98とで構成されている。
エリミネータ50は、霧状の洗浄水を除去するための水滴除去部であり、公知のエリミネータを使用することができる。
気液接触部30の構造は特に限定されるものではなく、空気の洗浄が充分に行えるように、洗浄水と空気とが接触できる構造であればよく、充填塔、棚段塔のいずれの構造であってもよい。この内、充填塔が、単純な構造で装置コストが小さく、かつ圧力損失が小さいために好ましい。
気液接触部30の充填部材は特に限定されることはなく、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、サドル、スルザーパッキン等を挙げることができる。棚段塔としては、例えば多孔板塔等を挙げることができるが、棚段数や、孔の大きさは何ら限定されることはない。
支持体32は、気液接触部30内の充填部材を保持し、かつ、空気の上昇と、水の流下ができれば特に限定されず、例えば樹脂製又は金属製のメッシュや、不織布等が挙げられる。なお、気液接触部30が棚段塔の構造である場合には、支持体32は設置しなくともよい。
散水ノズル34は、洗浄水を下方に散布し、吸気口22から取り込まれた空気と、洗浄水とを満遍なく接触できるものであればよい。散水ノズル34の数量は、洗浄塔20内への吸気量や、汚染物質の濃度、散水ノズル34の散水能力を勘案して決定することができ、1個であってもよいし、2個以上が設置されていてもよい。
電極部70は、陽極と、陰極と、陽極の陰極側面に設けられた陰イオン交換体とを有するものである。陰イオン交換体は、陰極と接していなくてもよいし、陰極と接していてもよい。
電極部70としては、例えば、図2に示すように、陽極72と陰極74とが対向して配置され、陽極72の陰極74側面に板状の陰イオン交換体76が陽極72と接触して設けられ、陰イオン交換体76と陰極74とは離間して配置されているものが挙げられる。陰イオン交換体76は、陽極72の全面に設けられていてもよいし、陽極72の陰極74側の一部分に設けられていてもよい。
陰イオン交換体が陰極と接している電極部70としては、例えば、図3〜図7に示す電極部70が挙げられる。図3に示すように、電極部70は、板状の陰イオン交換体76aが、陽極72と陰極74とで挟持されたものであってもよい。かかる形態の電極部70は、陽極72と陰極74とが、陰イオン交換体76aを介して配置されているため、電圧を印加した際の電気抵抗が低くなる。
図4に示すように、電極部70は、複数の棒状の陰イオン交換体76bが、陽極72と陰極74とで、流体の流路75を形成するように挟持されたものであってもよい。かかる形態の電極部70は、陽極72と陰極74との間に流路75が設けられていることで、電極間の洗浄水の流通が円滑になり、洗浄水の電気分解効率を向上させることができる。加えて、陽極72から発生する酸素ガスや、陰極74から発生する水素ガスが、陰イオン交換体76bから放出されやすくなるためである。
図5に示すように、電極部70は、略円筒形の陰イオン交換体76cに、陽極72と陰極74とが挿入されたものであってもよい。かかる形態の電極部70は、円筒形状の配管途中に設置して、電気分解する場合に好適に使用できる。
図6に示すように、電極部70は、板状の陽イオン交換体78dの両側に陰イオン交換体76dを配置し、さらに陰イオン交換体76dの両側を陽極72と陰極74とで挟持したものであってもよい。陽イオン交換体78dを配置することで、洗浄水中のNH 等の陽イオン成分が陽極72と陰極74との間を流通できる。この結果、陽極72近傍で発生したCl、Br等のハロゲン単体、HClO(次亜塩素酸)、HBrO(次亜臭素酸)等の次亜ハロゲン酸、ClO、BrO等の次亜ハロゲン酸イオン、ClO、ClO、ClO等(以下、総じて次亜ハロゲン酸等ということがある)により、アンモニア態窒素化合物を効率的に分解できる。
図7に示すように、電極部70は、板状の陽イオン交換体78eの両面に陰イオン交換体76eが配置された略円筒形の部材に、陽極72と陰極74とが陽イオン交換体78eと略平行に、かつ、陽イオン交換体78eと接触しない状態で配置されたものであってもよい。かかる形態の電極部70は、円筒形状の配管途中への設置に好適であり、かつ、アンモニア態窒素化合物を効率的に分解できる。
また、陽極72の表面に耐酸化性イオン交換膜を配置してもよい。耐酸化性イオン交換膜を配置した陽極72に陰イオン交換体76、76a〜76eを接触配置することで、陰イオン交換体76、76a〜76eの劣化を防止することができるためである。
陽極72の形状は特に限定されず、板、多孔質体、パンチングメタル、エキスバンドメタル等が挙げられる。陰極74の形状は、陽極72の形状と同様である。
陰極74の材質は、陰極として機能するものであれば特に限定されず、例えば導電性炭素材料、鉄、ステンレス、その他の金属が挙げられる。陽極72の材質は、陽極として機能するものであれば特に限定されず、白金、金等の貴金属類、チタン基板に白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、タンタル等を単独又は複数成分混合して、メッキあるいはこれらの焼結体酸化物被膜を形成させたものが挙げられる。洗浄水に硬度成分が多く含まれる場合には、定期的に陽極と陰極とを反転させることにより、陰極への硬度スケールの付着を抑制することができる。この場合、陽極72、陰極74共に、上述した陽極72の材質を用いることが好ましい。また、陽極72における次亜ハロゲン酸等の発生を効率よく行う観点から、陽極72の材質は、イリジウム、ルテニウムが含まれることが好ましい。
陰イオン交換体76、76a〜76eは、陰イオン交換基を有するものであればよい。例えば、多孔質陰イオン交換体、陰イオン交換膜、陰イオン交換樹脂、陰イオン交換繊維、あるいは、陰イオン交換繊維を織って布にしたり、磨砕し不織布としたもの等が挙げられる。中でも、多孔質陰イオン交換体が好ましい。多孔質陰イオン交換体とすることで、陰イオン交換体76、76a〜76eへの洗浄水の流通が容易となり、陽極72での次亜ハロゲン酸等の発生効率の向上が図れるためである。なお、多孔質陰イオン交換体とは、陰イオン交換基を導入した多孔質体を意味する。
陰イオン交換体76、76a〜76eが有する陰イオン交換基としては、例えば、四級アンモニウム基、三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基、ポリエチレンイミン基、第三スルホニウム基、ホスホニウム基等の陰イオン交換基が挙げられる。中でも、四級アンモニウム基が好ましい。四級アンモニウム基は、イオン選択性が高く、幅広いpHでイオン交換反応を示すためである。
加えて、陰イオン交換体76、76a〜76eが有する陰イオン交換基は、その対イオンとしてOH、ハロゲン化物イオン等が挙げられ、中でもハロゲン化物イオンであることが好ましい。ハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン等を挙げることができる。このようなハロゲン化物イオンが対イオンであると、洗浄水中のハロゲン化物イオンの濃度が希薄であっても、塩素、臭素等のハロゲン単体の発生効率が向上し、効率的に次亜塩素酸や次亜臭素酸等の次亜ハロゲン酸等を発生することができる。加えて、洗浄水にハロゲン化物イオンが含まれていない場合であっても、対イオンのハロゲン化物イオンが脱着し、ハロゲン単体が発生し、次亜ハロゲン酸等を発生できるためである。
陰イオン交換体76、76a〜76eは、耐酸化性が付与されたものであってもよい。耐酸化性を付与することで、陰イオン交換体76、76a〜76eの劣化を防止することができる。
多孔質体は、空孔を多数有する基材をいい、空孔の形状、大きさ、細孔容積等は何ら限定されるものではない。多孔質体が有する空孔は、例えば発泡等により生じた空孔の他、粒子が凝集して三次元的に連続した骨格を形成し該骨格間に形成された空隙を含むものである。多孔質体の構造は、空孔が連続的及び/又は非連続的に形成されたものであればよく、特開2003−246809号、特開2002−306976号、特表平7−501140号に記載されているようなモノリス状等が挙げられる。
多孔質陰イオン交換体における多孔質体には、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体、シリコーン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリスルホンポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、フッ化ビニリデン、パーフルオロアルコキシアルカン等の高分子物質を原料とした多孔質体が挙げられる。また、圧縮乾燥又は凍結乾燥(フリーズドライ)した多孔質体を用いることもできる。多孔質体は、通水性を確保する観点から、三次元的に連続した空孔が形成されたいわゆるモノリス状多孔質体であることが特に好ましい。モノリス状多孔質体は、空孔が連通し、高い吸水性ならびに通水性を有しているため好ましい。
多孔質体が有する空孔の大きさは特に限定されないが、孔径が1〜1000μmであることが好ましい。上述の範囲であれば、良好な通水性と強度が得られるためである。多孔質体の細孔容積は特に限定されないが、例えば、1〜50mL/gであることが好ましい。上述の範囲であれば、良好な通水性と強度が得られるためである。なお、細孔容積はJIS−K1150の水銀圧入法により求められる値である。
多孔質体に陰イオン交換基を導入する方法としては、陰イオン交換樹脂等の陰イオン交換基を有する物質を原料に添加、あるいは多孔質体に吸着させたもの、陰イオン交換基を多孔質体に高分子反応やグラフト重合等で導入する方法が挙げられる。このような陰イオン交換体としては、例えば、陰イオン交換繊維や陰イオン交換樹脂を粉砕あるいは磨砕した陰イオン交換体粒子とを、発泡前の原料に添加して製造したり、前記陰イオン交換体粒子を多孔質体に塗布して製造したりすることができる。陰イオン交換基の均一性から考えると、多孔質体に陰イオン交換基を高分子反応やグラフト重合等で導入したものが好ましい。
陽イオン交換体78d(図6)、陽イオン交換体78e(図7)としては、多孔質陽イオン交換体等の多孔質陽イオン交換体、陽イオン交換膜、陽イオン交換樹脂、陽イオン交換繊維、あるいは、陽イオン交換繊維を織って布にしたり、磨砕し不織布としたもの等が挙げられる。中でも、通水性を確保する観点から、多孔質陽イオン交換体が好ましく、三次元的に連続した空孔が形成されたモノリス状多孔質体であることが特に好ましい。多孔質陽イオン交換体とすることで、陽極72と陰極74との間の洗浄水の流通が容易となり、陽極72近傍で発生した次亜ハロゲン酸等により、アンモニア態窒素化合物を効率的に分解できるためである。
陽イオン交換体が有する陽イオン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、イミノ二酢酸基、リン酸基、リン酸エステル基等の陽イオン交換基が挙げられる。
多孔質陽イオン交換体の多孔質体は、多孔質陰イオン交換体の多孔質体と同様である。多孔質体に陽イオン交換基を導入する方法は、多孔質体に陰イオン交換基を導入する方法と同様である。
空気浄化装置10による空気浄化について、図1、2を用いて説明する。
バルブ94を開として、水源90の洗浄水を配管92を経由させ、洗浄塔20内に供給し、貯留槽60に洗浄水を貯留する。任意の量の洗浄水を貯留槽60に貯留した後、バルブ94を閉とする。次いで、ポンプ98を起動し、添加水槽150内のハロゲン化物イオン水溶液を貯留槽60内の洗浄水に添加し、洗浄水を任意のハロゲン化物イオン濃度に調整する。そして、電極部70の陽極72と陰極74とに直流電圧を印加する。
陽極72と陰極74との間に直流電圧を印加すると、洗浄水中のハロゲン化物イオンを電解し、次亜ハロゲン酸等が発生する。例えば、洗浄水中に塩化物イオンが含まれる場合には、塩化物イオンが陰イオン交換体76の陰イオン交換基に吸着し、陽極72に引き寄せられる。この結果、塩化物イオンは、陰イオン交換体76、即ち、陽極72の近傍で、高濃度に存在することとなる。そして、陽極72での電極反応により下記(1)〜(2)式の反応が生じ、例えば、次亜塩素酸を発生する。発生した次亜塩素酸は洗浄水に溶解し、任意の次亜塩素酸濃度の洗浄水となる。
2Cl→Cl+2e ・・・(1)
Cl+HO→HCl+HClO ・・・(2)
また、例えば洗浄水に臭化物イオンが含まれる場合には、臭化物イオンが陰イオン交換体76の陰イオン交換基に吸着し陽極72に引き寄せられる。この結果、臭化物イオンは陽極72の近傍で高濃度に存在することとなる。そして、陽極72での電極反応により下記(3)〜(4)式の反応が生じ、例えば、次亜臭素酸を発生する。発生した次亜臭素酸は洗浄水に溶解し、任意の次亜臭素酸濃度の洗浄水となる。
2Br→Br+2e ・・・(3)
Br+HO→HBr+HBrO ・・・(4)
次いで、ポンプ80を起動し、貯留槽60の洗浄水を配管82、ポンプ80、配管36の順に流通させ、散水ノズル34に供給する。散水ノズル34に供給された洗浄水は、散水ノズル34から気液接触部30に向けて散水される。散水された洗浄水は気液接触部30を流下し、気液接触部30の充填部材表面や多孔板表面に濡れ面が形成される。そして、気液接触部30を流下した洗浄水は、支持体32を通過して貯留槽60に至る。こうして、洗浄水は、散水ノズル34と、気液接触部30と、貯留槽60とを循環する。
洗浄水を循環している間、送風ファン40が起動されると、洗浄塔10の内部空間が減圧状態となり、吸気ダクトを介して外気、あるいは屋内空気等(以下、単に空気ということがある)が、吸気口22から洗浄塔20内に取り込まれる。洗浄塔20内に取り込まれた空気は、支持体32を通過して気液接触部30内を上昇する。この間、洗浄水と空気とが接触し、空気に含まれていた粉塵や花粉、大気汚染物質、臭気成分等の汚染物質が洗浄水によって吸収除去される。加えて、空気中の一酸化炭素は、洗浄水中の次亜ハロゲン酸等により酸化されて二酸化炭素となり、洗浄水に溶解する。こうして、汚染物質が除去されて浄化された空気(以下、浄化空気ということがある)は、エリミネータ50を通過して上昇する。この際、浄化空気中の水分は、エリミネータ50に付着して補足され、水滴となって気液接触部30に落下する。エリミネータ50を通過した浄化空気は、送風ファン40により、送風口26から送風路を経由して、任意の空間へ送られる。汚染物質を取り込んだ洗浄水、及び、エリミネータ50から落下した水滴は、気液接触部30内を流下し、支持体32を通過して貯留槽60に落下し、洗浄水として貯留される。貯留された洗浄水は、電極部70で電気分解されて次亜ハロゲン酸等を含むこととなり、洗浄水の殺菌と、アンモニア態窒素化合物の分解が行われる。
洗浄水に取り込まれた物質に、アンモニア態窒素化合物が含まれる場合、アンモニア態窒素化合物は、陽極72で発生した次亜ハロゲン酸等により分解し除去される。例えば、陽極72で発生した次亜ハロゲン酸等が次亜塩素酸の場合には、下記(5)式によって分解し除去される。
2NH+3HClO→N+3HCl+3HO ・・・(5)
浄化の対象となる空気は、特に限定されることはなく、外気や屋内空気等である。また、吸気ダクトを介して空気浄化装置10に送られる空気は、1箇所からであっても、2箇所以上から送られてもよい。例えば、吸気ダクトの1つは屋外からの吸気を行い、他の吸気ダクトは屋内から吸気を行い、空気浄化装置10内で混合してもよい。また、調和空気の送風先は、居住空間、オフィス、病院、工場、体育館等、特に限定されず、また、1箇所あるいは2箇所以上であってもよい。
洗浄水に用いられる水は清浄な水であれば特に限定されず、水道水、井水、蒸留水、純水、電解水等を用いることができる。中でも、電極部70で電気分解した際に、洗浄水の殺菌に必要な次亜ハロゲン酸等を生成させるためには、水道水等のハロゲン化物イオンを含む水を用いることが好ましい。なお、前記純水とは、逆浸透膜装置又はイオン交換装置によって精製された水をいう。前記電解水とは、水を電気分解した際に、陽極側に生成される陽極水、及び/又は、陰極側に生成される陰極水をいう。
添加水槽150のハロゲン化物イオン水溶液に用いる無機ハロゲン化物は、特に限定されず、例えば、塩化物、臭化物、フッ化物等が挙げられ、中でも、塩化物、臭化物を添加することが好ましい。塩化物、臭化物を添加することで、電気分解した際に、洗浄水の殺菌やアンモニア態窒素化合物の分解に必要な塩素単体、臭素単体、次亜塩素酸、次亜臭素酸等を効率的に発生することができるためである。塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩酸等が挙げられ、臭化物としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化水素酸等が挙げられる。
ハロゲン化物イオン水溶液を添加した後の洗浄水中のハロゲン化物イオン濃度は、浄化する空気に含まれる汚染物質の種類等を勘案して決定することができる。洗浄水がアンモニア態窒素化合物を含む場合には、洗浄水中のアンモニア態窒素化合物の含有量を勘案し、例えば、不連続点塩素処理(ブレークポイントクロリネーション法)に必要な塩化物イオン濃度とすることが好ましい。なお、洗浄水中のハロゲン化物イオン濃度が低すぎると、次亜ハロゲン酸等の発生効率が低くなり、電極部70に印加する電流値を高くする必要がある。洗浄水中のハロゲン化物イオン濃度が高すぎるとハロゲン化物イオンの添加に伴う薬剤コストが増大するため好ましくない。
洗浄水に発生させる次亜ハロゲン酸等は特に限定されないが、微生物の増殖抑制の観点から、塩素単体、臭素単体、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオンであることが好ましく、中でも次亜塩素酸、次亜臭素酸がより好ましい。次亜塩素酸濃度は、遊離残留塩素濃度として0.1〜20mg/Lが好ましく、0.1〜10mg/Lがより好ましく、1〜3mg/Lがさらに好ましい。洗浄水の遊離残留塩素濃度を上述の範囲とすることで、浄化空気における塩素の臭気を抑制し、かつ、洗浄水中の微生物増殖を有効に抑えることができるためである。なお、遊離残留塩素濃度は、DPD法(上水試験方法 2001年版 17.3 ジエチル−P−フェニレンジアミン(DPD)による吸光光度法)により測定される値である。
洗浄水の次亜臭素酸濃度は、遊離残留臭素濃度として0.1〜20mg/Lが好ましく、0.1〜10mg/Lがより好ましく、1〜3mg/Lがさらに好ましい。洗浄水の遊離残留臭素濃度を上述の範囲とすることで、浄化空気の臭気を抑制し、かつ、洗浄水中の微生物増殖を有効に抑えることができるためである。なお、遊離残留臭素濃度は、DPD法(上水試験方法 2001年版 17.3 ジエチル−P−フェニレンジアミン(DPD)による吸光光度法)により測定される値である。
洗浄水のpHは、低い方が次亜ハロゲン酸等による殺菌効果が高く、高い方がNOx、SOx等の酸性ガスが洗浄水に溶解し易い。従って、洗浄水のpHは、洗浄水の水質等を勘案して決定することができ、例えばpH3〜12が好ましく、pH4〜10がより好ましい。洗浄水のpHが上記範囲であれば、次亜ハロゲン酸等による洗浄水の殺菌効果を損ねることなく、空気からNOx、SOx等の酸性ガスを効率よく除去することができる。なお、洗浄水中の次亜ハロゲン酸等の濃度は、洗浄水の水質に応じた電極部70への印加電圧の調整により、制御することができる。
電極部70に印加する電解電流密度は、陽極72と陰極74の材質、洗浄水の原水の水質、洗浄水に求める次亜ハロゲン酸等の濃度に応じて決定することができ、例えば、0.001〜10A/dmの範囲で決定することが好ましい。
電極部70に印加する電解電流密度は、洗浄水の水質に応じて制御してもよい。例えば、洗浄水中のNH の濃度を測定し、得られた濃度を基にNH の分解に必要な次亜ハロゲン酸等の濃度を決定し、決定した次亜ハロゲン酸等の濃度となるように電解電流密度を制御してもよい。また、例えば、洗浄水の導電率から洗浄水の塩化物イオン濃度を推定し、推定した塩化物イオン濃度に基づいて、任意の次亜ハロゲン酸等の濃度になるように、電極部に印加する電解電流密度を制御してもよい。かかる制御により、洗浄水に必要な次亜ハロゲン酸等の濃度を適切に維持することができる。
上述したとおり、洗浄水を電気分解して次亜ハロゲン酸等を発生する電気分解手段を有することで、洗浄水は、任意の濃度の次亜ハロゲン酸等を含有することとなる。このため、薬剤の補充や洗浄水の交換を頻繁に行わなくても、洗浄水中の微生物増殖を抑え、この結果、微生物増殖による臭気発生を防止することができる。加えて、洗浄水中の次亜ハロゲン酸等により、空気から取り込んだ汚染物質の内、アンモニア態窒素化合物を分解できる。このため、洗浄水への汚染物質の溶解度を維持し、空気浄化の向上が図れる。さらに、洗浄水中の次亜ハロゲン酸等により、空気中の一酸化炭素は酸化されて二酸化炭素となる。二酸化炭素は一酸化炭素に比べて洗浄水への溶解度が高いため、空気中の一酸化炭素を効率的に除去できる。
洗浄水中の塩化物イオンや臭化物イオン等のハロゲン化物イオンが陰イオン交換基に吸着され、陽極近傍でのハロゲン化物イオン濃度が、洗浄水のハロゲン化物イオン濃度よりも高くなる。この結果、陽極では、ハロゲン化物イオン濃度が高い状態で電極反応が生じるため、多量の次亜ハロゲン酸等を発生することができる。加えて、洗浄水全体のハロゲン化物イオン濃度が低濃度であっても、陽極近傍のハロゲン化物イオン濃度を高い状態にできるため、洗浄水へのハロゲン化物イオンの添加量を従来技術に比べて少なくしても、次亜ハロゲン酸等を効率的に発生することができる。このため、添加する薬剤量が削減され、かつ、陽極と陰極との間の印加電圧×電流で表される消費電力が低減されるため、ランニングコストを軽減することができる。そして、発生した多量の次亜ハロゲン酸等により、洗浄水中のアンモニア態窒素化合物の分解を促進し、空気の脱臭・浄化の向上が図れる。加えて、電気分解で発生した多量の次亜ハロゲン酸等により、洗浄水の殺菌効果が向上し、微生物の増殖に伴う臭気発生を防止できる。
陽極に設けられる陰イオン交換体を多孔質陰イオン交換体とすることで、陽極表面における洗浄水の流通を円滑にし、洗浄水中のハロゲン化物イオンを陰イオン交換基に吸着しやすくすることができる。このため、陽極近傍のハロゲン化物イオン濃度を常時、高濃度に維持することができる。そして、次亜ハロゲン酸等の発生効率を向上させ、空気の脱臭・浄化の効果をさらに向上できる。
加えて、陽極に設けられる陰イオン交換体の陰イオン交換基の対イオンをハロゲン化物イオンとすることで、ハロゲン化物イオンを含まない洗浄水であっても、次亜ハロゲン酸等を発生することができる。
さらに、添加手段によりハロゲン化物イオン水溶液を洗浄水に添加できるため、洗浄水を適切なハロゲン化物イオン濃度とすることができ、より効率的に次亜ハロゲン酸等を発生することができる。そして、次亜ハロゲン酸等の発生効率を向上させ、空気の脱臭・浄化の効果をさらに向上できる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態について、図8を用いて説明する。図8に示すとおり、空気浄化装置200は、洗浄塔20を有している。洗浄塔20の下方には吸気口22が設けられ、洗浄塔20の上方には送風口26が設けられている。吸気口22は、図示されない吸気ダクトと接続されている。送風口26は図示されない排気ダクトと接続されている
洗浄塔20の上部には、送風ファン40が、洗浄塔20の内部で浄化した空気を送風口26に向けて送風するように設けられている。送風ファン40の下方で、かつ、吸気口22の上方には、エリミネータ50が設けられている。エリミネータ50の下方で、かつ、吸気口22の上方には散水ノズル34が設けられている。散水ノズル34は、配管136と接続され、配管136は陽極室流出管122及び陰極室流出管124と接続されている。散水ノズル34の下方で、かつ、吸気口22の上方には、支持体32が設けられている。支持体32の上方で、かつ、散水ノズル34の下方には、気液接触部30が設けられている。
吸気口22の下方には、貯留槽60が設けられている。貯留槽60の側面には、配管82が設けられ、配管82はポンプ80と接続されている。ポンプ80は、配管110と接続され、配管110は陽極室流入管112及び陰極室流入管114と接続されている。洗浄塔20の側面であって、貯留槽60の上方、かつ、支持体32の下方には配管92が設けられ、配管92はバルブ94を介して水源90と接続されている。
洗浄塔20の外部には電解槽100が設けられている。電解槽100には、陽極172と陰極174とが設けられ、陽極172と陰極174は、図示されない電源と接続されている。電解槽100は、陽極172と陰極174との間に設けられた隔膜108により陽極172を有する陽極室102と、陰極174を有する陰極室104とに仕切られている。陰極室104には、陰極室流入管114と陰極室流出管124とが接続されている。陽極室102には、陽極室流入管112と陽極室流出管122とが接続されている。陽極室102は、ポンプ154を有する配管152により、添加水槽150と接続されている。
「洗浄手段」は、散水ノズル34と、気液接触部30とで構成されている。「電気分解手段」は、陽極172と、陰極174と、電解槽100と、隔膜108と、陽極172及び陰極174に接続されている電源とで構成されている。「陽極室添加手段」は、添加水槽150と、配管152と、ポンプ154とで構成されている。
隔膜108は、導電性を有し、水が通過できず、かつ、イオン成分が通過できるものであり、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、セラミックス等の多孔質膜、及び、これらの多孔質膜にイオン交換基を導入した陽イオン交換膜の単一膜、陰イオン交換膜の単一膜、又は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜との両方を配置した複合膜等のイオン交換膜が挙げられる。中でも、ハロゲン化物イオンが通過できない陽イオン交換膜を用いることが好ましい。なお、複合膜とは、イオン交換膜が極性の異なる領域を有するものをいう。例えば、モザイク膜やバイポーラ膜等が挙げられる。
陽極172の形状は特に限定されず、板、多孔質体、パンチングメタル、エキスバンドメタル等が挙げられる。陰極174の形状は、陽極172の形状と同様である。
陰極174の材質は、陰極として機能するものであれば特に限定されず、例えば導電性炭素材料、鉄、ステンレス、その他の金属が挙げられる。陽極172の材質は、陽極として機能するものであれば特に限定されず、白金、金等の貴金属類、チタン基板に白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、タンタル等を単独又は複数成分混合して、メッキあるいはこれらの焼結体酸化物被膜を形成させたものが挙げられる。洗浄水に硬度成分が多く含まれる場合には、定期的に陽極と陰極とを反転させることにより、陰極への硬度スケールの付着を抑制することができる。この場合、陽極172、陰極174共に、上述した陽極172の材質を用いることが好ましい。また、陽極172における次亜ハロゲン酸等の発生を効率よく行う観点から、陽極172の材質は、イリジウム、ルテニウムが含まれることが好ましい。
空気浄化装置200による空気浄化について、図8を用いて説明する。
バルブ94を開として、水源90の洗浄水を配管92を経由させ、洗浄塔20内に供給し、貯留槽60に洗浄水を貯留する。任意の量の洗浄水を貯留槽60に貯留した後、バルブ94を閉とする。ポンプ80を起動し、貯留槽60の洗浄水を配管82、ポンプ80、配管110の順に流通させる。ポンプ154を起動し、添加水槽150のハロゲン化物イオン水溶液を陽極室102に添加する。洗浄水の一部は、配管110から、陽極室流入管112、陽極室102、陽極室流出管122を順に経由して配管136に至る。この間、陽極172の電極反応により、次亜ハロゲン酸等が発生し、任意の次亜ハロゲン酸等濃度の陽極水となる。加えて、洗浄水にアンモニア態窒素化合物が含まれる場合には、陽極水の次亜ハロゲン酸等によって、アンモニア態窒素化合物が分解される。また、洗浄水の他の一部は、配管110から、陰極室流入管114、陰極室104、陰極室流出管124を順に経由して配管136に至る。配管136に至った陽極水と陰極水とは、混合され洗浄水として散水ノズル34に供給される。散水ノズル34に供給された洗浄水は、散水ノズル34から気液接触部30に向けて散水される。散水された洗浄水は気液接触部30を流下し、気液接触部30の充填部材表面や多孔板表面に濡れ面が形成される。そして、気液接触部30を流下した洗浄水は、支持体32を通過して貯留槽60に至る。こうして、洗浄水は、散水ノズル34と、気液接触部30と、貯留槽60とを循環する。この循環の間、洗浄水中に含まれるアンモニア態窒素化合物は、陽極水に含まれる次亜ハロゲン酸等により分解される。
洗浄水を循環している間、送風ファン40が起動されると、洗浄塔200の内部空間が減圧状態となり、吸気ダクトを介して、空気が吸気口22から洗浄塔20内に取り込まれる。洗浄塔20内に取り込まれた空気は、支持体32を通過して気液接触部30内を上昇する。この間、洗浄水と空気とが接触し、空気に含まれていた粉塵や花粉、大気汚染物質、臭気成分等の汚染物質が洗浄水によって吸収除去される。加えて、空気中の一酸化炭素は、洗浄水中の次亜ハロゲン酸等により酸化されて二酸化炭素となり、洗浄水に溶解する。汚染物質が除去された浄化空気は、エリミネータ50を通過して上昇し、送風ファン40により、送風口26から送風路を経由して、任意の空間へ送られる。汚染物質を取り込んだ洗浄水、及び、エリミネータ50から落下した水滴は、気液接触部30内を流下し、支持体32を通過して、貯留槽60に落下し、洗浄水として貯留される。貯留された洗浄水は、循環する間に、電気分解手段で電気分解されて次亜ハロゲン酸等を含むこととなり、洗浄水の殺菌と、アンモニア態窒素化合物の分解が行われる。
ハロゲン化物イオン水溶液を添加した後の陽極室102の洗浄水中のハロゲン化物イオン濃度は、洗浄水の処理目的に応じて決定することができる。洗浄水がアンモニア態窒素化合物を含む場合には、洗浄水中のアンモニア態窒素化合物の含有量を勘案し、例えば、不連続点塩素処理(ブレークポイントクロリネーション法)に必要な塩化物イオン濃度とすることができる。なお、洗浄水中のハロゲン化物イオン濃度が低すぎると、次亜ハロゲン酸等の発生効率が低くなり、陽極172と陰極174とに印加する電流値を高くする必要がある。洗浄水中のハロゲン化物イオン濃度が高すぎると、ハロゲン化物イオンの添加に伴う薬剤コストが増大するため好ましくない。
陽極172と陰極174とに印加する電解電流密度は、陽極172と陰極174の材質、洗浄水の原水の水質、洗浄水に求める次亜ハロゲン酸等の濃度に応じて決定することができ、例えば、0.001〜10A/dmの範囲で決定することが好ましい。第一の実施形態における電極部70に印加する電解電流密度同様に、陽極172と陰極174とに印加する電解電流密度は、洗浄水の水質に応じて制御してもよい。
上述のとおり、本実施形態では、陽極室添加手段を設け、電解槽に隔膜を配置して陽極室と陰極室とに区画し、陽極室にのみハロゲン化物イオン水溶液を添加している。このため、第一の実施形態のように貯留槽の洗浄水を任意のハロゲン化物イオン濃度に調整する場合や、無隔膜の電解槽の洗浄水を任意のハロゲン化物イオン濃度に調整する場合に比べて、少ない量の無機ハロゲン化物で、陽極近傍のハロゲン化物イオン濃度を任意の濃度に調整でき、薬剤コストを軽減することができる。加えて、少量の洗浄水に対して、殺菌及びアンモニア態窒素化合物の分解が行えるため、陽極で多量に発生した次亜ハロゲン酸等を有効利用できる。さらに、循環する洗浄水全体に占めるハロゲン化物イオン濃度が過剰になることを防げるため、洗浄水への汚染物質の溶解度を高く保つことができる。この結果、空気の脱臭・浄化の効果をより向上できる。
(その他の実施形態)
本発明の空気浄化装置は上述の実施形態に限定されるものではない。
第一、第二の実施形態では、洗浄塔内に気液接触部として充填塔又は棚段塔が設けられているが、充填塔、棚段塔のいずれも設けることなく、散水ノズルで散水された洗浄水と、空気とを接触させて洗浄を行う、スプレー塔の構造を採用してもよい。この際、散水ノズルは、洗浄水を霧状に噴霧できるものが好ましい。
第一、第二の実施形態では、散水ノズルと送風ファンとの間にエリミネータが設けられているが、本発明はこれに限られず、エリミネータの代わりに、例えば、ヒートポンプを熱源とした熱交換器やデシカントロータ等を設置し、浄化空気中の水分を凝縮させて取り除いてもよい。
第一の実施形態では、添加手段が設けられているが、本発明はこれに限られず、添加手段を有さなくてもよい。
第二の実施形態では、一対の電極が電解槽に設けられているが、該電極の陽極は、図2に示すように、陰極側面に陰イオン交換体が設けられていてもよい。かかる形態の陽極を用いることで、次亜ハロゲン酸等の発生効率がさらに向上し、電気分解時の電流を下げることができる。
第二の実施形態では、貯留槽から散水ノズルに洗浄水を送る配管の途中に電気分解手段が設けられているが、電気分解手段で生じた陽極水と陰極水とを貯留槽に戻すように設置してもよい。
第二の実施形態では、電解槽に隔膜が設けられているが、隔膜を設けずに無隔膜の電解槽を用いてもよい。ただし、ハロゲン化物イオンの添加量を削減する観点からは、電解槽に隔膜を設け、陽極室にハロゲン化物イオン水溶液を添加することが好ましい。
以下に本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(測定方法)
<電圧値の測定>
電圧値の測定は、電源として用いた直流安定化電源(PA36−3A、株式会社ケンウッド製)にて、電圧値を確認した。
<遊離残留塩素濃度の測定>
洗浄水の遊離残留塩素濃度は、DPD法(上水試験方法 2001年版 17.3 ジエチル−P−フェニレンジアミン(DPD)による吸光光度法)により測定した。
(実施例1)
図9に示すように、ルテニウムメッキを施したチタン製の平板状(縦:50mm、横:60mm)の一対の電極510で、多孔質体520を挟持させて電極部材を作成した。多孔質体520にはモノリス状多孔質陰イオン交換体(縦:46mm、横:60mm、材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、構造:孔径80μmの空孔が三次元的に連続した構造、イオン交換容量:5.4mg当量/g(乾燥)、イオン交換基:四級アンモニウム基)を用いた。この電極部材をビーカー500内の逆浸透膜濃縮水(導電率:350μS/cm、200mL)に、電極510の全体が水面530の下方に位置するように浸漬し、電流値:0.226Aで通電した。通電開始5分後における電圧値と遊離残留塩素濃度を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
多孔質体520を電極510で挟持させずに、電極510のみを逆浸透膜濃縮水に浸漬した以外は、実施例1と同様にして電極510に、電流値:0.209Aで通電した。通電開始5分後における電圧値と遊離残留塩素濃度を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例2)
多孔質体520にモノリス状多孔質陽イオン交換体(縦:46mm、横:60mm、材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、構造:孔径80μmの空孔が三次元的に連続した構造、イオン交換容量:4.6mg当量/g(乾燥)、イオン交換基:スルホン酸基)を用いた以外は、実施例1と同様にして電極510に、電流値:0.209Aで通電した。通電開始5分後における電圧値と遊離残留塩素濃度を測定し、その結果を表1に示す。
Figure 0005197306
表1の結果の通り、陽極に陰イオン交換体が設けられた実施例1は、通電5分後において、電圧値が3.9Vであり、遊離残留塩素濃度が4.56mg/Lであった。これに対し、陽極に陰イオン交換体を設けなかった比較例1は、通電5分後において、電圧値が10.5Vであり、遊離残留塩素濃度が1.25mg/Lであった。比較例2は、通電5分後において、電圧値が3.5Vであったが、遊離残留塩素濃度は0.01mg/L未満であった。このことから、陽極に陰イオン交換体が設けられた実施例1は、比較例1とほぼ同等の電流値で、より多くの次亜塩素酸を発生できることが判った。また、電極で陽イオン交換体を挟持した比較例2では、次亜塩素酸を発生できないことが判った。この結果、実施例1の電極部を有する空気浄化装置は、空気の脱臭・浄化の向上が図れることが推測できる。
本発明の第一の実施形態にかかる空気浄化装置を示す模式図である。 本発明の電極部材の実施形態の一例を示す斜視図である。 本発明の電極部材の実施形態の一例を示す斜視図である。 本発明の電極部材の実施形態の一例を示す斜視図である。 本発明の電極部材の実施形態の一例を示す斜視図である。 本発明の電極部材の実施形態の一例を示す斜視図である。 本発明の電極部材の実施形態の一例を示す斜視図である。 本発明の第二の実施形態にかかる空気浄化装置を示す模式図である。 実施例1の試験方法を説明する斜視図である。
符号の説明
10、200 空気浄化装置
20 洗浄塔
30 気液接触部
34 散水ノズル
70 電極部
72、172 陽極
74、174 陰極
76、76a、76b、76c、76d、76e 陰イオン交換体
96、152 配管
98、154 ポンプ
100 電解槽
102 陽極室
104 陰極室
108 隔膜
150 添加水槽

Claims (5)

  1. 洗浄塔内で、空気と洗浄水とを接触させる洗浄手段を有する空気浄化装置において、
    陽極と陰極とを備え前記洗浄水を電気分解する電気分解手段を有し、
    前記電気分解手段は、前記陽極の陰極側の面に陰イオン交換体を含むとともに、
    前記陰イオン交換体は、前記陽極の陰極側の面に接触して設けられ前記陰極とは離間して配置されていることを特徴とする空気浄化装置。
  2. 洗浄塔内で、空気と洗浄水とを接触させる洗浄手段を有する空気浄化装置において、
    陽極と陰極とを備え前記洗浄水を電気分解する電気分解手段を有し、
    前記電気分解手段は、前記陽極の陰極側の面に陰イオン交換体を含むとともに、前記陰イオン交換体はモノリス状有機多孔質陰イオン交換体であることを特徴とする空気浄化装置。
  3. 前記陰イオン交換体は、対イオンがハロゲン化物イオンである陰イオン交換基を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の空気浄化装置。
  4. 前記洗浄水にハロゲン化物イオンを添加する添加手段を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気浄化装置。
  5. 前記電気分解手段は、前記陽極と前記陰極との間に設けられた隔膜により陽極室と陰極室とに仕切られ、前記陽極室の洗浄水にハロゲン化物イオンを添加する陽極室添加手段を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気浄化装置。
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