JP5283152B2 - 汚染気体浄化方法及び浄化機構 - Google Patents
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Description
これらは、いずれも大掛かりな装置でかなり広いスペ−スが必要である。また排気または排煙の脱臭、浄化はその成分によっては上記のいくつかの方法を組み合わせなければ十分に対応することができない。さらに使用する薬剤の劣化に伴って性能が低下すること、薬剤の交換のコストが多くかかる、などという問題があった。
これに対し、苛性ソーダと食塩を混合した電解質水溶液を電解反応装置で電気分解し、生成した電解水をそのまま使用するか、水道水又は使用する用水に希釈混合して生成した電解水を吸収手段に導き排気又は排煙に接触させることにより排気又は排煙中の悪臭、煙、有害物質を除去するようにした排気又は排煙の脱臭、浄化方法の提案を行った(特許文献1)。
しかし、前記提案によると排気又は排煙の悪臭、煙、有害物質を簡易で、比較的小型な装置で除去、脱臭、浄化でき、薬材の交換、水の補給も少なく、後で処理に困る廃水も出ない上に、副生物としてトリハロメタンなどの発生が少ない上にタンパク質、オイル・油脂等のミストが十分に除去出来るという利点は有するものの、さらに処理効率に優れるものが求められる。
(A)この発明の汚染気体浄化方法は、電解質の共存下で塩素を含む液体を電気分解する電解工程と、前記電解工程で電気分解された液体をミスト状に噴霧することにより酸化性のガスを発生させるミスト状噴霧工程とを具備することを特徴とする。
(B)この発明の汚染気体浄化機構は、電解質の共存下で塩素を含む液体を電気分解する電解手段(電解槽や電解通路)と、前記電解手段で電気分解された液体をミスト状に噴霧することにより酸化性のガスを発生させるミスト状噴霧ゾーンとを具備することを特徴とする。
前記電解質として、食塩、臭化ナトリウムを例示することができる。また、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性物質や、塩酸などの酸性物質、過酸化水素や、次亜ハロゲン酸(次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム等)などを例示することができる。ここでアルカリ性物質の共存下で電気分解を行うと、タバコの煙やオイルミスト等の油性の汚れを親水化することにより吸着・分解に大きな利点を有することとなる。
前記酸化性物質が電気分解されることによりヒドロキシラジカルなどの活性酸素が多く生成するが、この活性酸素が液中物質に及ぼす酸化細分化作用により、ミスト状に噴霧するためのノズルの噴出孔(微細なミスト状に噴霧するため極小径であることを余儀なくされている)を格段に詰まり難くすることができた。
(3)前記ミスト状噴霧ゾーン(工程)で回収された液体を前記電解手段(工程)で再度電気分解してミスト状噴霧ゾーン(工程)に供給するようにしてもよい。
気温や湿度などの条件によりミスト状に噴霧した液体に、凝縮・液化して回収される分が存在する(湿度が高いと回収分が増える傾向となる)。このように回収された液体を電気分解して循環して再利用するように構成すると、タバコの煙などの気体中の汚染物質が回収液中に溶解してくるが、電気分解による陽極酸化作用で電気化学的に直接浄化することができると共に、酸化性物質が電気分解されることにより多く生成したヒドロキシラジカルなどの活性酸素が回収液中の汚染物質を分解して浄化することができ、液の循環再利用によりコストを抑えることができ地球環境に優しいものとなる。
また、回収液では気体中の汚染物質を最終的に分解する前に先ず細分化することにより、汚染物質が溶存しているにも関わらずノズルの噴出孔を詰まり難くすることができ、液体の循環再利用を実際的に可能なものとすることができる。
ここで、液体中に回収された酸化性のガス(塩素ガス)が溶存する状態で電気分解すると、酸化力に富む液体(次亜塩素酸等)を効率的に生成させることができる。
シャワー工程・シャワーゾーンにおいて、ミスト状噴霧工程・ミスト状噴霧ゾーンを通過した汚染気体に液体をシャワーして酸化性のガス(塩素ガス等)を回収するようにすると、ミスト状噴霧工程・ミスト状噴霧ゾーンで発生した酸化性のガスが汚染気体に浄化作用を及ぼした後に気体中に残存した状態であっても、シャワー工程・シャワーゾーンにおいて液体(電気分解したものでもしてないものでもよい)をシャワー(液滴の粒径はシャワーの液滴サイズでもこれより小さくてもよい)して前記液体中に取り込んで回収することにより気体がその後人体などに悪影響を与えないようにすることができると共に、酸化性のガスが周辺金属設備等を錆びさせたりしないようにすることができる。
シャワーゾーンで回収された液体を前記電解手段で再度電気分解してミスト状噴霧ゾーンに供給すると、液体中に回収された酸化性のガス(塩素ガス)が溶存する状態で電気分解することとなって酸化力に富む液体(次亜塩素酸等)を効率的に再生させることができる。
(5)噴霧したミストを受けて回収する回収槽を有すると共に、前記回収槽を液体の貯留槽と兼用するようにしてもよい。ミスト状に噴霧した場合に全量がすぐに気化するわけではないのでこれを受けて回収する回収槽が必要となるが、このように構成すると、運転開始時の液体を貯留しておく貯留槽と兼用することにより省スペースとしてコンパクトな構造とすることができる。
この汚染気体浄化方法・浄化機構は、タバコの煙を脱臭する喫煙ブースや、レストラン・ファーストフード店等の調理場のオイルミストの除去に適用することができる。ここで、タバコの煙の粒径は0.1〜1μmと言われているが、ミスト状噴霧工程・ミスト状噴霧ゾーンにおける液滴微粒子の粒径を平均1〜10μm好ましくは3〜5μmとなるように設定することにより、さらに大きな粒径(例えばシャワーの液滴の粒径)とした場合と比較して、汚染物質と液滴相互間の遭遇確率が増大することとなってより効率的な吸着・除去を図ることができ、大きな脱臭効率を得ることが可能となる。
なお、前記ミスト状噴霧工程・ミスト状噴霧ゾーンでミスト状の液体を噴霧したり、シャワー工程・シャワーゾーンで液体をシャワーしたりするための液体加圧供給手段として、チューブ・ポンプ、ダイヤフラム式ポンプやプランジャー式ポンプその他の各種ポンプを使用することができる。
ミスト状の液滴から酸化性のガスを効率よく発生させることができるので、従来よりも処理効率に優れる汚染気体浄化方法及び浄化機構を提供することができる。
(実施形態1)
図1に示すように、この実施形態の汚染気体浄化機構は、塩素を含む電解質1の共存下で液体L(水道水を使用した)を電気分解する電解槽2(液体L中に陽極板と陰極板を挿入して直流電流を流す)と、前記電解槽2で電気分解された液体Lを汚染気体3に対してミスト状に噴霧することにより塩素ガス(酸化性のガス)を発生させるミスト状噴霧ゾーン4と、前記ミスト状噴霧ゾーン4を通過した汚染気体3に液体Lをシャワーして塩素ガス(酸化性のガス)を回収する(塩素回収用)シャワーゾーン5を具備する。前記塩素を含む電解質1の共存下で液体L(水道水を使用した)を電気分解することは、電解質1の共存下で塩素を含む液体Lを電気分解することともなっている。図中、Pはポンプを、Fanは送風ファンを示す。
前記電解質1として、食塩や臭化ナトリウムを例示することができる。また、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性物質や、塩酸などの酸性物質、過酸化水素や、次亜ハロゲン酸(次亜塩素酸、次亜臭素酸等)などを例示することができる。ここで、電解槽2で水酸化ナトリウムなどのアルカリ性物質の共存下で電気分解を行うようにすると、タバコの煙やオイルミスト等の油性の汚れを親水化することにより電気分解時の電解効率が向上することとなる。また、臭化ナトリウムを共存させると電気分解時に次亜臭素酸が生成し、アルカリ性領域においても大きな酸化作用を有するという利点がある。これらの電解質1は貯留タンク7(又は電解槽2)にポンプPで供給するようにしている。
前記汚染気体3として空気を例示することができ、汚染物質として空気中の煙草の煙(オフィス・ビルの喫煙ゾーン内は非常に煙った状態となる)や、ハンバーガー販売チェーン店やフライドチキン販売チェーン店等の調理場のオイルミストなどを例示することができる。
この汚染気体浄化方法は、塩素を含む電解質1の共存下で液体Lを電気分解する電解工程と、前記電解工程で電気分解された液体Lをミスト状に噴霧することにより塩素ガスを発生させるミスト状噴霧工程と、前記ミスト状噴霧工程を通過した汚染気体3に液体Lをシャワーして塩素ガスを回収するシャワー工程を具備する。
この汚染気体浄化方法・浄化機構によると、塩素を含む電解質1の共存下で電気分解された液体Lには、陽極側で生成した塩素ガスが溶存している状態となっている。そして、電気分解され塩素ガスが溶存している液体Lをミスト状に噴霧すると、ミスト状の液滴微粒子はここに溶存する塩素ガスと気相との界面が非常に近いことにより、前記液滴の蒸発時に液滴中の塩素ガスが揮発してガス化し易い雰囲気となっている。すなわち、ミスト状の液滴から塩素ガスを効率よく高濃度で発生させることができ、従来よりも処理効率に優れるという利点がある。
また、(塩素回収用)シャワー工程・シャワーゾーン5において、ミスト状噴霧工程・ミスト状噴霧ゾーン4を通過した汚染気体3に液体をシャワーして塩素ガスを回収するようにしたので、ミスト状噴霧工程・ミスト状噴霧ゾーン4で発生した塩素ガスが汚染気体3に浄化作用を及ぼした後に気体中に残存した状態で(塩素回収用)シャワー工程・シャワーゾーン5に移行したとしても、液体をシャワーして前記液体中に回収することにより気体がその後人体などに悪影響を与えないようにすることができると共に、塩素ガスが周辺金属設備等を錆びさせたりしないようにすることができる。
この汚染気体浄化方法・浄化機構はタバコの煙を脱臭する喫煙ブースや、レストラン・ファーストフード店等の調理場のオイルミストの除去に適用することができる。そして、タバコの煙を脱臭する喫煙ブースとして、煙の臭いを効率的に脱臭することができた。
汚染気体3として空気を、汚染物質として空気中の煙草の煙(オフィス・ビルの喫煙室内は非常に煙った状態となる)を浄化するようにした。前記電解質は酸化性物質とした。前記酸化性物質として過酸化水素を用いたが、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウムなどを用いてもよい。
この実施形態の汚染気体浄化機構は、電解質(液体L中の濃度を約100〜5000ppmに調整した過酸化水素)の共存下で塩素(水道水中の残留塩素)を含む液体L(水道水)を電気分解する電解通路2(電解手段)と、前記電解通路2で電気分解された液体Lを後述する回収槽11に貯留しておき、ノズルS(いけうち社製円錐ノズルKBN−平均粒径35〜60μm)からミスト状に噴霧(約5〜500cc/分)することにより酸化性のガス(陽極側で生成した塩素ガス)を発生させるミスト状噴霧ゾーン4とを具備する。
回収槽11の上方には液面12から処理する汚染気体3の通過用の一定の間隙を隔てて仕切り板13を縦方向に設けており、その一方側はミスト供給ゾーン14とし、他方側はミスト排出ゾーン15としている。ミスト供給ゾーン14で下方に向けて噴霧したミストは、回収槽11で上方に方向転換されミスト排出ゾーン15に到る。これらのゾーンでミストと煙成分とが相互作用し、煙等の汚れ成分が浄化され、清浄空気となって室内へと戻されることとなる。
また、噴霧されたミストは回収槽11の液面で下方から上方へと略U字状に方向転換されるので、汚染物質を吸着したミスト粒子が液面に衝突することにより液中に取り込まれ易いものとなっている。液中に取り込まれた汚染物質は循環する電解通路2へ送られ直接的に電気分解の作用を及ぼされると共に、活性酸素の作用によっても分解せしめられる。
電気分解するための電解通路2の電極としてフェライト電極を用いた。また、喫煙室内の煙った空気をミスト状噴霧ゾーン4へと押し込む一対のファンFと、ミスト状噴霧ゾーン4を通過し浄化された気体を喫煙室内に戻すための一対のファンFとを設けている。
この汚染気体浄化方法は、電解質の共存下で塩素を含む液体Lを電気分解する電解工程と、前記電解工程で電気分解された液体Lをミスト状に噴霧することにより酸化性のガス(塩素ガス)を発生させるミスト状噴霧工程とを具備する。
前記酸化性物質が電気分解されることによりヒドロキシラジカルなどの活性酸素が多く生成するが、この活性酸素が液中物質に及ぼす酸化細分化作用により、ミスト状に噴霧するためのノズルSの噴出孔(微細なミスト状に噴霧するため極小径であることを余儀なくされている)を格段に詰まり難くすることができた。
気温や湿度などの条件によりミスト状に噴霧した液体に、凝縮・液化して回収される分が存在する。これに対し回収された液体Lを電気分解して循環して再利用するように構成すると、タバコの煙などの気体中の汚染物質が回収液中に溶解してくるが、電気分解による陽極酸化作用で電気化学的に直接浄化することができると共に、酸化性物質が電気分解されることにより多く生成したヒドロキシラジカルなどの活性酸素が回収液中の汚染物質を分解して浄化することができ、液の循環再利用によりコストを抑えることができ地球環境に優しいものとなる。これにより、喫煙しない人にとっては特に嫌なタバコの煙を脱臭して喫煙室内の臭いを大きく低減することができる。
さらに、回収液では気体中の汚染物質を最終的に分解する前に先ず細分化することにより、汚染物質が溶存しているにも関わらずノズルSの噴出孔を詰まり難くすることができ、液体Lの循環再利用を実際的に可能なものとすることができる。
ここで、液体L中に回収された酸化性のガス(塩素ガス)が溶存する状態で電気分解すると、酸化力に富む液体L(次亜塩素酸等)を効率的に生成させることができる。
2 電解手段
3 汚染気体
4 ミスト状噴霧ゾーン
5 シャワーゾーン
Claims (1)
- 電解質(1)の共存下で塩素を含む液体(L)を電気分解する電解工程と、前記電解工程で電気分解された液体(L)をミスト状に噴霧することにより塩素ガスを発生させるミスト状噴霧工程とを具備し、前記ミスト状噴霧工程で回収された液体(L)を再度電気分解してミスト状噴霧工程に供給するようにし、前記ミスト状噴霧工程を通過した汚染気体(3)に液体(L)をシャワーして塩素ガスを回収するようにしたことを特徴とする汚染気体浄化方法。
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