JP5197250B2 - 車両用温度調節装置 - Google Patents

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Description

空気の温度を調節する温度調節ユニットにより温度調節された空気を循環させて車両の室内の温度を調節する車両用温度調節装置に関する。
トラックなどの車両内で休憩する場合、夏季においては車両内の室温が高くなることが多いことから、車両自体の空気調和装置を作動させて車内を冷房しながら休憩することがあるが、かかる場合、空気調和装置を動かすためだけにエンジンを回し続けることになるので、エネルギーの浪費に繋がるばかりでなく大気汚染や騒音公害など環境汚染の原因になるという問題がある。
そこで、従来、内部に人間が横たわる空間を有する寝具本体とこの寝具本体に接続される空気調和装置とを有し、空気調和装置に設けられた冷凍機などの冷熱源によって発生した冷気を送風装置が寝具本体に供給する寝具が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、このような寝具では、必要最小限の空間のみを冷却して省電力化を図ることができるが、エンジンを回転駆動するスタータに電力を供給するため車両に搭載されているバッテリを使用して上記冷熱源や送風装置を駆動すると、バッテリの過放電によりスタータが起動せずエンジンが始動しないバッテリ上がりの問題が生じやすくなる。
しかも、バッテリの残量が低下し電圧が低下すると、冷熱源や送風装置に入力する電力量を一定に保持しようとして電流量が増加するため、冷熱源や送風装置を駆動するインバータ回路など駆動回路の発熱量が増大して該駆動回路を損傷するおそれがあり、また、過放電によりバッテリが劣化しやすいなど製品信頼性に問題がある。
特開2007− 98044号 特開2007−111372号
本発明は上記問題を考慮してなされたものであり、バッテリ上がりの問題が生じることなく、しかも、バッテリ電圧低下による損傷や過放電の問題がなく信頼性の高い車両用温度調節装置を提供することを目的とする。
本発明の車両用温度調節装置は、車両の室内に配置され空気の温度を調節する温度調節ユニットを備え、前記温度調節ユニットにより温度調節された空気を循環させて前記室内の温度を調節する車両用温度調節装置において、前記温度調節ユニットは、前記車両に搭載されたエンジンを回転駆動するスタータに電力を供給する第1バッテリと異なる電源供給体から電力が供給され、前記電源供給体が前記第1バッテリと別個に前記車両に搭載される第2バッテリであり、前記第2バッテリはアイソレータを介して前記第1バッテリと接続され、前記温度調節ユニットは、圧縮機と凝縮器と蒸発器とを連結した冷凍サイクルと、前記圧縮機の回転数を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2バッテリの電圧値が所定の第1電圧値より大きい場合に前記圧縮機を所定の第1回転数以上で回転駆動し、前記第2バッテリの電圧値が前記第1電圧値以下の場合に前記圧縮機を停止させる又は前記圧縮機の回転数を前記第1回転数より低下させる保護制御を行うことを特徴とする。
本発明であると、エンジン停止中に使用してもバッテリ上がりの問題が生じることなく信頼性の高い車両用温度調節装置が得られる。
以下、図面に基づき本発明の1実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る車両用温度調節装置1を例示する図であり、図2は車両用温度調節装置1の冷凍サイクル30の構成を示す図、図3は車両用温度調節装置1の電源構成を示すブロック図、図4は車両用温度調節装置1の制御装置58を示すブロック図、図5は温度調節ユニット20の正面からの断面図、図6は温度調節ユニット20の側断面図、図7は図5のA−A断面図、図8は図5のB−B断面図である。
車両用温度調節装置1は、例えばトラックの運転席後部のキャビン5など車両2の室内4に配置され、温度調節された空気を循環されて室内4の温度を調節する車両用温度調節装置であって、図1に示すように、使用者Aを収容する収容空間Sが形成され寝具本体10と、空気の温度を調節する温度調節ユニット20とを備える。
寝具本体10は室内4に配設され使用者Aが休憩する際に使用されるものであって、寝具本体10内部に空気の流路11が形成され、該流路の両端部が寝具本体10の外方に開口しており、一方の開口部12が温度調節ユニット20の吹出ダクト22と連結され、他方の開口部14が温度調節ユニット20の吸込ダクト24と連結されている。
なお、本実施形態では寝具本体として敷きマット及び掛けマットが一体となった寝袋について説明するが、本発明はこれに限定されず、内部の少なくとも一部に空気を循環させることができるものであればよく、例えば、敷きマット及び掛けマットのいずれか一方であっても良く、また、敷きマット及び掛けマットの双方を備えたものであってもよい。
温度調節ユニット20は、薄鋼板製の筐体21を有し、その内部にキャビン5及び寝具本体10内部に設けられた流路11に流通させる空気の温度を調節する熱源としての冷凍サイクル30と、この冷凍サイクル30を制御する制御装置58と、を備える。
筐体21には、車両用温度調節装置1のON・OFFや車両2の室内4、すなわち、本実施形態ではキャビン5及び寝具本体10の流路11を循環する空気の温度設定を行う操作部26と、車両用温度調節装置1のON・OFFやバッテリの電圧低下を表示する表示部28と、が配設されている。
また、筐体21内部は、図5及び図6に示すように、高さ方向のほぼ中央部を発泡スチロール成型体などからなる断熱仕切壁23で上下の空間に区画されている。断熱仕切壁23の上方の空間には、機械室25が設けられ、冷凍サイクル30の一環をなす冷媒を圧縮して吐出する圧縮機31、吐出された高温高圧の冷媒を受けて放熱し凝縮する第1熱交換器33、圧縮機31等の高温部品を冷却する放熱ファン38等が配設される。また、断熱仕切壁23の下方の空間には、断熱仕切壁23と同様の断熱材により覆われ断熱空間をなす温調室27が設けられ、第2熱交換器36や送風ファン37等が配設される。
冷凍サイクル30は、図2に示すように、圧縮機31、四方弁32、第1熱交換器33、ドライヤ34、キャピラリーチューブ35及び第2熱交換器36を環状に順次接続してなり、第2熱交換器36がキャビン5及び寝具本体10の流路11を流通する空気と熱交換する。
図2において、実線の矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示し、圧縮機31から吐出した冷媒は四方弁32を通って凝縮器としての第1熱交換器33に流入して凝縮され、ドライヤ34で水分を除去した後キャピラリーチューブ35に入る。キャピラリーチューブ35で減圧された冷媒は、蒸発器としての第2熱交換器36で蒸発し第2熱交換器36を冷却することで気化し四方弁32を通って圧縮機31に戻り、再び四方弁32を介して第1熱交換器33に流入し循環する。また、破線の矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示し、四方弁32を切り替えて、第1熱交換器33が蒸発器となり、第2熱交換器36が凝縮器となるように冷媒が循環する。
図7に示すように、機械室25内には、圧縮機31が断熱仕切壁23の幅方向の一側に寄せて振動吸収用のクッション体50を介して固着されている。
第1熱交換器33は、蛇行曲げした冷媒管を多数のフィンに嵌入させて奥行き寸法を薄くした直方体状をなし、面積の大きなその前面を筐体21の前面に形成した吸込み開口51に沿わせて立設させ、この吸込み開口51と第1熱交換器33との間には埃などを遮蔽するためにフィルタ52を設けている。
第1熱交換器33の背面には、放熱ファン38が圧縮機31の側方に底部に開口した排気口53の端縁に面して立設されており、放熱ファン38の駆動により、外気を前面の開口51から内部に吸引して第1熱交換器33と熱交換させた後、排気口53から下方の排気ダクト54に向けて放出するようにしている。
機械室25の上方には、制御装置58が配設されており、筐体21における制御装置58の前方位置に操作部26及び表示部28が設けられている。
断熱仕切壁23の下方に配された温調室27には、図8に示すように、第1熱交換器33からの冷媒を受ける第2熱交換器36を、温調室27の奥行き方向中央部より前方に寄せて、幅方向に亙って立設状態で配置している。
第2熱交換器36は、第1熱交換器33と同様、蛇行曲げした冷媒管と冷媒管に嵌着した多数のフィンとから所定の幅と高さ寸法を有して奥行き寸法を薄くした横長の直方体をなしている。第2熱交換器36の側方であって温調室27の幅方向一方側(本実施形態では、図8中の左側)には、シロッコファンからなる送風ファン37が温調室27の奥行き方向に亙り、配設されている。
温調室27の幅方向一方側に配設された送風ファン37の前方には、キャビン5及び寝具本体10の流路11に温調室27において温度調節された空気を導入する吹出ダクト22が配設されている。吹出ダクト22内にはダンパ55が配設され、キャビン5内へ導出する第1吹出ダクト22aと、寝具本体10の開口部12を介して寝具本体10に導出する第2吹出ダクト22bと、のいずれか一方又は両方に切り替えて温調室27から吐出された空気を導出する。
また、温調室27の幅方向他方側に位置する第2熱交換器36の前面には、吸込ダクト24が配設されており、寝具本体10の開口部14を介して寝具本体10の流路11を循環した空気を温調室27内に導入するとともに、吸込ダクト24に穿設された取込口24aを介してキャビン5内を循環した空気を温調室27内に導入する。そして、吸込ダクト24内には、温度センサ39が配設されており、キャビン5及び寝具本体10の流路11を循環して戻ってきた空気温度を検知する。
これにより、温度調節ユニット20により温度調節された空気が、吹出ダクト22を介して、キャビン5内及び寝具本体10の流路11に送り込まれ、キャビン5内及び寝具本体10の流路11を流通した空気が吸込ダクト24を介して温度調節ユニット20に戻り、戻った空気が、温度調節ユニット20内で温度調節され再びキャビン5内及び寝具本体10の流路11に送り込まれ循環することで、キャビン5及び寝具本体10の温度を調節する。
温調室27は平面視において上方の排気口53に対応した位置が内方に向けて凹設され、機械室25に設けられた排気口53と車両2の底面あるいは側壁に設けられた排気口3とを接続する排気ダクト54が形成されている(図6参照)。放熱ファン38の駆動時には、圧縮機31や第1熱交換器33と熱交換した空気を排気口53から排気ダクト54を介して下方に流下させ、排気口3から車両2の外部へ放出される。
なお、温度調節ユニット20は、冷凍サイクル30を運転させ第2熱交換器36との熱交換により温度調節された空気を吹出ダクト22から室内4に導入する温度調節運転モード以外に、冷凍サイクル30及び送風ファン37を停止させて放熱ファン38のみを回転駆動する換気運転モードを実行することができる。この換気運転モードは、放熱ファン38を回転駆動することで、吸込み開口51から取り込んだ室内4の空気が排気ダクト54を介して排気口3より車両2の外部へ強制的に排気される。これにより、室内4の空気をすばやく換気することができ、冷凍サイクル30を運転することなく消費電力を抑えて、太陽光の輻射熱により極めて高温となった室内4を外気温と同程度まですばやく冷却することができる。
上記のような温度調節ユニット20は、車両2に搭載される第2バッテリ40より電力の供給を受けてキーシリンダ45及び操作部26の操作に従い駆動運転される。第2バッテリ40は、図3に示すように、車両2においてエンジン始動時にエンジンを回転駆動するスタータ41に電力を供給する第1バッテリ42とは別個に車両2に搭載される蓄電池であって、車両2のオルタネータ43及び第1バッテリ42の接続点と第2バッテリ40との間にアイソレータ44が設けられている。第2バッテリ40には、温度調節ユニットリレー48bを介して温度調節ユニット20が接続されている。なお、第1バッテリ42は、ACCリレー48aを介してオーディオ装置や照明装置等のアクセサリ車両機器47が接続され、IGリレー48cを介してエンジンコントロールユニットや燃料ポンプ等の制御系車両機器49に接続され、スタータリレー48dを介してスタータ41と接続されている。
キーシリンダ45は、オフスイッチ45a、ACCスイッチ45b、レディースイッチ45c、STTスイッチ45dを備え、不図示のメカキーが挿入された状態で回動可能となって、メカキーの回転位置に応じてオフスイッチ45a、ACCスイッチ45b、レディースイッチ45c、STTスイッチ45dのオン・オフを切り替える。
例えば、メカキーが「オフ状態」に対応した位置に移動するとオフスイッチ45aがオン状態となり、オン信号を位置検出手段としての電源制御部46に入力することで、電源制御部46はメカキーが「オフ状態」に対応した位置にあることを検出する。また、メカキーが、「ACC状態」、「レディー状態」、「STT状態」に対応した位置に移動すると、ACCスイッチ45b、レディースイッチ45c、STTスイッチ45dがオン状態となり、オン信号を電源制御部46に入力することで、電源制御部46はメカキーが「ACC状態」、「レディー状態」、「STT状態」に対応した各位置にあることを検出する。
電源制御部46は、検出されたメカキーの回転位置に応じてACCリレー48a、温度調節ユニットリレー48b、IGリレー48c、スタータリレー48dのオン・オフを切換制御する。
詳細には、電源制御部46は、メカキーが「オフ状態」に対応した位置にあることを検出すると、ACCリレー48a、IGリレー48c及びスタータリレー48dをオフ状態とする。これにより、第1バッテリ42からアクセサリ車両機器47及び制御系車両機器49に電力が供給されないオフ状態となる。
電源制御部46は、メカキーが「ACC状態」に対応した位置にあることを検出すると、IGリレー48c及びスタータリレー48dをオフ状態とし、ACCリレー48aをオン状態とする。これにより、第1バッテリ42からアクセサリ車両機器47に電力が供給され、制御系車両機器49に電力が供給されないACCオン状態となる。
電源制御部46は、メカキーが「レディー状態」に対応した位置にあることを検出すると、スタータリレー48dをオフ状態とし、ACCリレー48a及びIGリレー48cをオン状態とする。これにより、第1バッテリ42からアクセサリ車両機器47及び制御系車両機器49に電力が供給され、車両2が走行可能となるレディー状態となる。
電源制御部46は、メカキーが「STT状態」に対応した位置にあることを検出すると、ACCリレー48a及びIGリレー48cをオフ状態とし、スタータリレー48dをオン状態とする。これにより、第1バッテリ42からスタータ41に電力が供給されエンジンを始動させる。
また、電源制御部46は、上記したオフ状態及びACC状態において、温度調節ユニットリレー48bをオン状態として、第2バッテリ40から温度調節ユニット20に電力が供給され運転可能となる。つまり、すでに温度調節ユニット20が運転している場合には操作部26により停止操作が有るまで運転を継続させ、温度調節ユニット20が停止している場合には操作部26の始動操作によって温度調節ユニット20を始動させることができる。
一方、電源制御部46は、上記したレディー状態及びSTT状態において、温度調節ユニットリレー48bをオフ状態として、第2バッテリ40から温度調節ユニット20への電力供給を遮断する。これにより、すでに温度調節ユニット20が運転している場合には運転を停止させ、温度調節ユニット20が停止している場合には温度調節ユニット20の起動を禁止し停止状態を継続させる。
アイソレータ44は、スタータ41の始動時に第1バッテリ42と第2バッテリ40との接続を遮断して第2バッテリ40の放電を防ぐと共に、車両走行時などのスタータ41が動作せず、かつ、オルタネータ43が発電中において、第1バッテリ42と第2バッテリ40との遮断を無効化して第2バッテリ40をオルタネータ43から直接充電する。
冷凍サイクル30を制御する制御装置58は、昇圧部60と圧縮機モータ駆動部70と電圧低下検知部80と主制御部90とを備えている。
昇圧部60は、DC/DCコンバータ62と出力電圧検出部64とPWM制御部66とを有し、DC/DCコンバータ62に第2バッテリ40が接続され、第2バッテリ40の出力電圧(例えば、24V)を所定電圧(例えば、140V)に昇圧して圧縮機モータ駆動部70に出力する。また、昇圧部60は、出力電圧検出部64がDC/DCコンバータ62により昇圧された出力電圧を検出し、この検出値に基づきPWM制御部66がDC/DCコンバータ62を駆動するPWM信号のデューティ比を制御することで、DC/DCコンバータ62の入力電圧の変動や圧縮機31の負荷変動に対してDC/DCコンバータ62の出力電圧が所定電圧になるようにフィードバック制御する。
圧縮機モータ駆動部70は、インバータ回路72とインバータ制御部74とドライバ76と保護回路78とを有し、インバータ回路72には、昇圧部60によって昇圧された第2バッテリ40からの電源電圧が入力されており、主制御部90から速度信号の入力を受けたインバータ制御部74よりドライバ76を介して速度信号に応じた回転速度のPWM信号が入力されて、圧縮機31が有する3相インダクションモータ(以下、圧縮機モータという)31aに3相交流電圧を出力する。保護回路78は、シャント抵抗79によってインバータ回路72を流れる電流を電圧に変換し、この電圧値が所定電圧値を越えるとインバータ制御部74に停止信号を出力して圧縮機モータ31aを停止させる。
電圧低下検知部80は、第2バッテリ40の電圧値を検出するバッテリ電圧検出部82と第1比較器84と第2比較器86とを有しており、バッテリ電圧検出部82が、第2バッテリ40のプラス側電極と接続され第2バッテリ40の電圧値VBを測定するとともに第2バッテリ40の電圧を分圧して第1比較器84及び第2比較器86の各一方端子に出力する。
また、第1比較器84の他方端子は第1基準電源85と接続され第1基準電圧が入力され、第2比較器86の他方端子には第2基準電源87と接続され第1基準電圧より小さい電圧値の第2基準電圧が入力されており、第2バッテリ40の電圧値VBが第1電圧値V1以下の場合に第1比較器84より第1電圧低下信号を出力して主制御部90に入力し、第2バッテリ40の電圧値VBが第1電圧値V1より小さい値に設定される第2電圧値V2以下の場合に第2比較器86より第2電圧低下信号を出力して主制御部90に入力する。
主制御部90は、マイコンより構成され、その入力側には、操作部26、温度センサ39、電圧低下検知部80、オルタネータ43、及び車両2のサイドブレーキのオン・オフ状態を検知するブレーキ検知手段91が接続され、各種信号の入力を受けて、表示部28、PWM制御部66、インバータ制御部74、及び送風ファン37及び放熱ファン38を回転駆動するファンモータ駆動部92に制御信号を出力する。
具体的には、上記のようにキーシリンダがオフ状態又はACC状態にある場合において、主制御部90は、操作部26の設定値と温度センサ39の検出温度を比較して、インバータ制御部74に速度信号を出力して温度センサ39の検出温度が操作部26の設定値になるように圧縮機モータ31aの回転数を制御する。
また、主制御部90は、車両2のエンジン停止中に限り温度調節ユニット20の運転を行い、車両2の運転中やアイドリング中において圧縮機モータ駆動部70及びファンモータ駆動部92を停止させることで温度調節ユニット20の運転を中止するように制御する。その際、主制御部90は、オルタネータ43から出力される電圧信号に基づいて、エンジンが回転しているか否か検知する。
すなわち、エンジンの停止中はオルタネータ43の発電も行われずオルタネータ43から電圧値Valt=0Vの電圧信号が出力され、エンジンの運転中はオルタネータ43が発電を開始し、オルタネータ43から第2バッテリ40の電圧値VBより若干大きい電圧値Valtの電圧信号が出力され、例えば、第2バッテリ40の電圧値VB=24Vに対して、オルタネータ43から電圧値Valt=28Vの電圧信号が出力される。そこで、オルタネータ43からの電圧信号の電圧値Valtと第2バッテリ40の電圧値VBとの差が所定値Vthより小さい場合(すなわり、|Valt−VB|<Vth)、車両2のエンジンが動作しており、車両2の運転中やアイドリング中と判断する。一方、オルタネータからの電圧信号の電圧値Valtと第2バッテリ40の電圧値VBとの差が所定値Vth以上の場合(すなわち、|Valt−VB|≧Vth)、車両2のエンジンが停止していると判断する。
なお、上記のようにオルタネータ43の電圧値Valtと第2バッテリ40の電圧値VBとの差により車両2のエンジンの回転を検知する場合以外にも、オルタネータ43の電圧値Valtが所定値以上であれば車両2のエンジンの回転を検知するように構成してもよい。
更に、主制御部90は、ブレーキ検知手段91からサイドブレーキのオン状態を検知する信号が入力されると温度調節ユニット20の運転を行い、オフ状態を検知する信号が入力されると圧縮機モータ駆動部70及びファンモータ駆動部92を停止させることで温度調節ユニット20の運転を中止する。
また、主制御部90は、電圧低下検知部80より第1電圧低下信号及び第2電圧低下信号の入力を受けると、保護制御信号を昇圧部60、圧縮機モータ駆動部70、ファンモータ駆動部92及び表示部28に出力し保護制御を実行する。
すなわち、図9において保護制御のフロー図に示すように、主制御部90は、まず、ステップS1において、第1異常フラグが設定されているか否か判断し、第1異常フラグが設定されていなければステップS2に進み、設定されていればステップS3に進む。この第1異常フラグは、第2バッテリ40について第1電圧値V1以下の電圧検出があったことを示すものであり、第2バッテリ40が充電あるいは交換されるまで設定され続け、第2バッテリ40が充電あるいは交換されるとリセットされる。
ステップS2では、電圧低下検知部80から第1電圧低下信号の入力があるか否か、すなわち、第2バッテリ40の電圧値VBが第1電圧値V1以下であるか否か判断し、第1電圧値V1以下であればステップS4において第1異常フラグを設定してステップS5に進み、第1電圧値V1より大きい場合は第2バッテリ40の電圧値VBが適正値にあるとして保護制御を行わず、圧縮機モータ31aを第1回転数R1(例えば、3600rpm)以上で連続的あるいは間欠的に回転駆動させるとともに、送風ファン37を第2回転数R2(例えば、3000rpm)以上で連続的あるいは間欠的に回転駆動させる通常運転を行う。
ステップS3において、第2異常フラグが設定されているか否か判断し、第2異常フラグが設定されていなければステップS5に進み、設定されていればステップS8に進む。この第2異常フラグは、第2バッテリ40について第2電圧値V2以下の電圧検出があったことを示すものであり、第2バッテリ40が充電あるいは交換されるまで設定され続け、第2バッテリ40が充電あるいは交換されるとリセットされる。
ステップS5では、電圧低下検知部80から第2電圧低下信号の入力があるか否か、すなわち、第2バッテリ40の電圧値VBが第2電圧値V2以下であるか否か判断し、第2電圧値V2より大きい場合はステップS6に進み、第2電圧値V2以下であればステップS7において第2異常フラグを設定してステップS8に進む。
ステップS6では、圧縮機モータ31aを第1回転数R1より減速して連続的あるいは間欠的に回転駆動するとともに、送風ファン37を第2回転数R2より減速して連続的あるいは間欠的に回転駆動する保護運転を行い、例えば、表示ランプを点滅させるなどによって表示部28に保護運転中である旨を表示する。その際、例えば、バッテリ電圧検出部82において測定した電圧値が小さいほど圧縮機モータ31a及び送風ファン37の回転数を低下させるなど、バッテリ電圧検出部82において測定した電圧値に応じて圧縮機モータ31a及び送風ファン37の回転数を低下させてもよい。
なお、上記した保護運転では、圧縮機モータ31aを低下させており、第1熱交換器33において必要な放熱量が減少するため、放熱ファン38の回転を通常運転時より減速させて回転駆動してもよい。
ステップS8では、第2バッテリ40の電圧値VBが低下しており、制御装置58を流れる電流増加に伴うDC/DCコンバータ62やインバータ回路72などの異常発熱を防止するため、圧縮機モータ31a、送風ファン37、及び放熱ファン38などの冷凍サイクル30を停止させて昇圧部60、圧縮機モータ駆動部70及びファンモータ駆動部92への電力供給を遮断するとともに、例えば、表示ランプを点灯させるなどによって表示部28に第2バッテリ40の電圧低下により電力供給を遮断中である旨を表示する。
以上のように、本実施形態の車両用温度調節装置1では、エンジンのスタータ41に電力を供給する第1バッテリ42と別個に車両2に搭載される第2バッテリ40により電力供給を受けて駆動することから、車両用温度調節装置1を使用するためにエンジンをアイドリングさせることなく第1バッテリ42のバッテリ上がりの問題を解消することができる。
また、エンジン停止中に限り車両用温度調節装置1を運転させることができ、車両走行中やアイドリング中に車両用温度調節装置1を運転させることができないため、環境への負荷を低減することができる。その際、キーシリンダ45に挿入されたメカキーの回転位置や、エンジンの回転の有無や、サイドブレーキのオン・オフ状態からエンジン停止中であるか否かを検知することで、簡便な構成によりエンジン停止中を検知することができる。
さらに、第2バッテリ40は第1バッテリ42及びオルタネータ43にアイソレータ44を介して接続されているため、車両走行中に発電された余分な電力を第2バッテリ40に蓄電可能となり、第2バッテリ40を充電する手間を省くことができる。
また、本実施形態の車両用温度調節装置1では、第2バッテリ40の電圧値VBが第1電圧V1以下になると保護運転を行い室内4の温度を調節しつつ第2バッテリ40の放電量を抑え、第2バッテリ40の電圧値VBが第2電圧V2以下になると冷凍サイクル30の運転を停止させ昇圧部60、圧縮機モータ駆動部70及びファンモータ駆動部92に供給する電力を遮断することで、第2バッテリ40の電圧低下に伴うDC/DCコンバータ62やインバータ回路72などが異常発熱を防ぎ制御装置58の損傷を防止することができる。
しかも、第2バッテリ40の電圧値として第1電圧値V1及び第2電圧値V2以下の電圧が検出され第1異常フラグ及び第2異常フラグが設定されると、第2バッテリ40が充電あるいは交換されるまで第1異常フラグ及び第2異常フラグが設定され続けるため、使用者に第2バッテリ40の充電あるいは交換が必要である旨を知らせることができる。
なお、上記した本実施形態では、車両用温度調節装置1を駆動する電源供給体として車両2のオルタネータ43により蓄電可能に設けられた第2バッテリ40を用いたが、本発明はこれに限られず、第1バッテリ42と別個に車両2に搭載される電源供給体であればよく、例えば、車両2外部の商用電源や、太陽電池、風力発電装置であってもよい。
また、上記した本実施形態では、保護運転として圧縮機モータ31a及び送風ファン37の回転数を通常運転時より低下させたが、圧縮機モータ31aに比べ送風ファン37の電力消費量が小さいことから、保護運転として圧縮機モータ31aの回転数のみ通常運転時より低下させ、送風ファン37の回転数を通常運転時と同じ回転数に設定して運転してもよく、また、保護運転として圧縮機モータ31aを停止させて送風ファン37のみ通常運転時と同じ回転数あるいは通常運転時より低下させた回転数に設定して運転してもよい。
また、本実施形態では、車両2の室内4に寝具本体10を配設し、キャビン5と寝具本体10の流路11に温度調節ユニット20により温度調節された空気を循環させたが、
例えば、寝具本体10を室内4に配設することなく、キャビン5に温度調節ユニット20により温度調節された空気を循環させるように構成してもよい。
本発明の1実施形態に係る車両用温度調節装置を示す図である。 本発明の1実施形態に係る車両用温度調節装置が備える冷凍サイクルを示す図である。 本発明の1実施形態に係る車両用温度調節装置の電源構成を示すブロック図である。 本発明の1実施形態に係る車両用温度調節装置の制御回路を示すブロック図である。 温度調節ユニットの正面からの断面図である。 温度調節ユニットの側断面図である。 図5のA−A断面図である。 図5のB−B断面図ある。 本発明の1実施形態に係る冷蔵庫の除霜制御方法を示すフロー図である。
符号の説明
1…車両用空気循環式寝具 20…温度調節ユニット 31…圧縮機
40…第2バッテリ 42…第1バッテリ 50…冷凍サイクル

Claims (6)

  1. 車両の室内に配置され空気の温度を調節する温度調節ユニットを備え、前記温度調節ユニットにより温度調節された空気を循環させて前記室内の温度を調節する車両用温度調節装置において、
    前記温度調節ユニットは、前記車両に搭載されたエンジンを回転駆動するスタータに電力を供給する第1バッテリと異なる電源供給体から電力が供給され
    前記電源供給体が前記第1バッテリと別個に前記車両に搭載される第2バッテリであり、前記第2バッテリはアイソレータを介して前記第1バッテリと接続され、
    前記温度調節ユニットは、圧縮機と凝縮器と蒸発器とを連結した冷凍サイクルと、前記圧縮機の回転数を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第2バッテリの電圧値が所定の第1電圧値より大きい場合に前記圧縮機を所定の第1回転数以上で回転駆動し、前記第2バッテリの電圧値が前記第1電圧値以下の場合に前記圧縮機を停止させる又は前記圧縮機の回転数を前記第1回転数より低下させる保護制御を行うことを特徴とする車両用温度調節装置。
  2. 前記温度調節ユニットは、温度調節された空気を送風する送風ファンを備え、
    前記制御部は、前記第2バッテリの電圧値が前記第1電圧値以下の場合であっても前記送風ファンを回転させることを特徴とする請求項に記載の車両用温度調節装置。
  3. 前記温度調節ユニットは、温度調節された空気を送風する送風ファンを備え、
    前記制御部は、前記第2バッテリの電圧値が前記第1電圧値より大きい場合に前記送風ファンを所定の第2回転数以上で回転駆動し、前記第2バッテリの電圧値が前記第1電圧値以下の場合に前記送風ファンを停止させる又は前記送風ファンの回転数を前記第2回転数より低下させる保護制御を行うことを特徴とする請求項に記載の車両用温度調節装置。
  4. 前記制御部は、前記第2バッテリの電圧値が前記第1電圧値より小さい値に設定された所定の第2電圧値以下の場合に前記圧縮機及び前記送風ファンを停止させる保護制御を行うことを特徴とする請求項又はに記載の車両用温度調節装置。
  5. 前記制御部は、前記第2バッテリの電圧値が所定の第1電圧値以下の場合に、電圧低下を表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の車両用温度調節装置。
  6. 前記制御部は、前記第2バッテリの電圧値として前記第1電圧値以下を検出すると、前記第1電圧値より大きい電圧値が検出されるまで前記保護制御を継続することを特徴とする請求項に記載の車両用温度調節装置。
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