JP5195316B2 - 電動機組み立て方法及び電動機組み立て用ロータガイド治具 - Google Patents

電動機組み立て方法及び電動機組み立て用ロータガイド治具 Download PDF

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Description

本発明は、電動機を組み立てる方法および電動機の組み立てに用いられる治具に関する。
より詳細には、ロータとステータとの間に磁力が作用する状況において容易に電動機を組み立てる技術に関する。
従来、電動機の組み立てはロータおよびステータをハウジングに収容することにより行われるが、電動機の多くは、電動機を構成する部材であるロータおよびステータの一方が強磁性体(永久磁石等、外部磁場の影響が無くても自発的に磁化する材料)からなるとともに他方が常磁性体(多くの鉄鋼材料等、外部磁場の影響により磁化する材料)からなるため、ロータとステータとの間には磁力が作用する。
従って、図10に示す如く、電動機の組み立て工程におけるロータ20をステータ30内に挿入する工程では、回転軸10に固定されたロータ20とステータ30との間に働く磁力によりロータ20は傾いた状態で急激に引き込まれてステータ30に吸着したり、回転軸10の一端に設けられたギヤ等が他の電動機を構成する部材に接触したりする場合があり(図10の点線丸枠内)、ロータ20とステータ30との間に所定の間隔C(クリアランス)を確保して組み付けることが困難である。
このようなロータとステータとの間に作用する磁力に起因する問題を解消する方法として、芯出し用シャフトと移動台車とを用いた電動機の組み立て方法が知られている。
この方法に用いられる芯出し用シャフトは一対の円柱形状の部材からなり、当該一対の円柱形状の部材は互いに中心線が一直線となり、かつ両者が所定の間隔を空けた状態で支持台に固定される。
芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材の間隔はロータの回転軸の長さと略同じであり、ロータの回転軸の両端はそれぞれ芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材に固定・支持される。ロータの回転軸が芯出し用シャフトに固定されたとき、ロータの回転軸の中心線と芯出し用シャフトの中心線とは一直線となる。
また、この方法に用いられる移動台車は、芯出し用シャフトの長手方向(芯出し用シャフトの中心線の方向)に移動可能であり、移動台車にはステータが収容されたハウジングが固定される。
上記芯出し用シャフトと移動台車とを用いた電動機の組み立て方法は、(1)ステータが収容されたハウジングを芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材の一方に貫装する工程と、(2)ステータが収容されたハウジングを移動台車に固定する工程と、(3)ロータの回転軸の両端を芯出し用シャフトに固定する工程と、(4)移動台車を芯出し用シャフトの長手方向に移動させる工程と、を含む。例えば、特許文献1に記載の如くである。
しかし、特許文献1に記載の方法は、ロータとステータとの間に作用する磁力に抗してロータおよびステータの姿勢を保持するために芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材をいずれも十分な剛性を有する構造体(支持台)に固定しなければならず、かつ、ステータが収容されるハウジングを芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材の一方に貫装する工程を実現するための前提として電動機のハウジングは両端が開口した構造であることを要する。
そのため、特許文献1に記載の方法は、ステータが収容されるハウジングの一端が閉塞されるとともに他端のみが開口した構造のハウジングを有する電動機の組み立てに適用することができないという制約を有する。
ステータが収容されるハウジングの一端が閉塞されるとともに他端のみが開口した構造のハウジングを有する電動機の組み立て方法としては、挿入補助治具を用いる方法が知られている。
この方法に用いられる挿入補助治具はリング状の部材であり、その中央部には貫通孔が形成され、当該貫通孔の直径(内径)はステータの直径(外径)と略同じである。従って、ステータの外周面が挿入補助治具の内周面に当接しつつ、ステータは挿入補助治具に沿って摺動可能である。
上記挿入補助治具を用いた電動機の組み立て方法は、(1)ロータが固定された回転軸の一端をハウジングの一端(閉塞されている方の端部)に軸支する工程と、(2)ロータが固定された回転軸の他端を保持する工程と、(3)挿入補助治具の中心線とハウジングの中心線とが一直線となる状態で、挿入補助治具をハウジングの他端(開口している方の端部)に配置する工程と、(4)ステータの外周面を挿入補助治具の内周面に当接させつつステータを挿入補助治具に沿って摺動させることによりステータをハウジングに挿入する工程と、を含む。例えば、特許文献2に記載の如くである。
しかし、特許文献2に記載の方法は、挿入補助治具をハウジングの他端(開口している方の端部)に配置するときに挿入補助治具の中心線とハウジングの中心線とが一直線となる状態を確保するための具体的な構成を開示していない。
また、特許文献2に記載の方法における挿入補助治具はステータの外周面に当接し、かつロータが固定された回転軸の他端(ハウジングの開口側の端部)を別の部材(保持装置)により固定する構成であることから、挿入補助治具および保持装置との干渉を回避するためにはステータをその上端のみ担持した状態でハウジングに挿入することを要する。
従って、ステータの重量が大きい場合には作業性が良くない(取り扱いが困難である)という問題を有する。
特開平8−126262号公報 特開2005−312241号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、ロータとステータとの間に磁力が作用する場合であっても、ロータがステータに引き寄せられて吸着することなく、かつロータとステータとの間に所定の間隔を確保して電動機を容易に組み立てることが可能な電動機組み立て方法及び電動機組み立て用ロータガイド治具を提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
回転軸と、
前記回転軸に固定されるロータと、
前記ロータの外周面に対して所定の間隔を有した状態で対向する内周面を有するステータと、
前記回転軸、前記ロータおよび前記ステータを収容するハウジングと、
を具備する電動機を組み立てる電動機組み立て方法であって、
その外周面が前記ステータの内周面に摺動可能に当接する略円筒状の部材であり、前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に前記所定の間隔を有した状態で前記ロータを回転軸方向に案内するロータガイド部と、
前記ロータガイド部内の回転軸方向に発生する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータの位置を調整する磁力調整手段と、
からなるロータガイド治具を用いて、
前記ロータを前記ロータガイド部内に嵌装し、前記磁力調整手段により前記ロータに作用する磁力を調整することで前記ロータを前記ロータガイド部内に保持するロータ保持工程と、
前記ロータガイド治具の前記ロータガイド部内に前記ロータを保持した状態で、前記ロータガイド部の一端を前記ハウジングに予め固定されている前記ステータ内に挿入するロータガイド治具挿入工程と、
前記ロータガイド部の一端をステータ内に挿入した状態で、前記磁力調整手段により前記ロータに作用する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータの位置を制御して前記ロータを前記ロータガイド部内に保持した状態から前記ステータ内へ挿入するロータ挿入工程と、
を含む電動機組み立て方法である。
請求項2においては、
前記磁力調整手段は、
前記ロータガイド部の外周に配設されるコイルと、
前記コイルに流す電流を制御することで前記コイルから発生する磁力を調整する制御手段と、
を具備する電動機組み立て方法である。
請求項3においては、
前記ロータ挿入工程は、
前記回転軸の一端に設けられた第一ギヤ歯と当該第一ギヤ歯に噛合する前記ロータの回転駆動力を伝達する伝達軸の一端に設けられた第二ギヤ歯との噛合い時において前記制御手段により前記コイルに流す電流の増減を繰り返すように制御して前記第一ギヤ歯と前記第二ギヤ歯とを噛合させる噛合調整工程を含む電動機組み立て方法である。
請求項4においては、
前記回転軸の他端に磁性体治具を装着する電動機組み立て方法である。
請求項5においては、
回転軸と、
前記回転軸に固定されるロータと、
前記ロータの外周面に対して所定の間隔を有した状態で対向する内周面を有するステータと、
前記回転軸、前記ロータおよび前記ステータを収容するハウジングと、
を具備する電動機を組み立てるために用いられる電動機組み立て用ロータガイド治具であって、
その外周面が前記ステータの内周面に摺動可能に当接する略円筒状の部材であり、前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に前記所定の間隔を有した状態で前記ロータを回転軸方向に案内するロータガイド部と、
前記ロータガイド部内の回転軸方向に発生する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータの位置を調整する磁力調整手段と、
からなる電動機組み立て用ロータガイド治具である。
請求項6においては、
前記磁力調整手段は、
前記ロータガイド部の外周に配設されるコイルと、
前記コイルに流す電流を制御することで前記コイルから発生する磁力を調整する制御手段と、
を具備する電動機組み立て用ロータガイド治具である。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、ロータとステータとの間に磁力が作用する場合であっても、ロータがステータに引き寄せられて吸着することなく、かつロータとステータ間のクリアランスを確保することができるため電動機を容易に組み立てることが可能である。
請求項2においては、コイルに流す電流を制御することで回転軸方向に発生する磁力を調整し、ロータの自重とロータに作用する磁力をバランスさせることで、回転軸方向におけるロータ位置を自在に制御することができる。
請求項3においては、ロータ位置が回転軸方向にわずかな量上下することで、ギヤ間の噛合いを容易に行うことができる。
請求項4においては、磁力が作用する部分が広がるため、コイルに流す電流を制御することでロータ位置の調整がよりし易くなる。
請求項5においては、ロータとステータとの間に磁力が作用する場合であっても、ロータガイド治具によりロータがステータに引き寄せられて吸着することなく、かつロータとステータ間のクリアランスを確保することができるため電動機を容易に組み立てることが可能である。
請求項6においては、制御手段によりコイルに流す電流を制御することで回転軸方向に発生する磁力を調整し、ロータの自重とロータに作用する磁力をバランスさせることで、回転軸方向におけるロータ位置を自在に制御することができる。
以下では、図1を用いて本発明に係る電動機組み立て方法および本発明に係る電動機組み立て装置の対象となる電動機の実施の一形態であるインホイールモータ1について説明する。
「電動機」は、電気エネルギーを機械エネルギー(駆動力)に変換する原動機を指す。
「原動機」は、自然界に存在するエネルギーを機械的な仕事(力学的なエネルギー)に変換する機械あるいは装置を指す。
本実施形態のインホイールモータ1は、特に電動機を各車輪に一基ずつ設ける形式の電気自動車に設けられ、当該各車輪を回転駆動する。
本実施形態のインホイールモータ1は電気自動車の車輪を回転駆動するものであるが、本発明に係る電動機組み立て方法および電動機組み立て用ロータガイド治具は種々の用途に用いられる電動機の組み立てに適用可能である。
図1に示す如く、インホイールモータ1は主として回転軸10、ロータ20、ステータ30、ハウジング40、ギヤ60および遊星歯車機構70を具備する。
回転軸10は略円柱形状の部材であり、後述するロータ20が回転する際の中心軸となるものである。
ロータ20はインホイールモータ1が駆動力を発生する際に回転する部材である。本実施形態のロータ20は永久磁石からなる界磁(磁界を発生させるもの)であり、外周面20aを有する略円筒形状を成す。
ロータ20は回転軸10の中途部に固定され、ロータ20および回転軸10は一体的に回転する。
ステータ30はインホイールモータ1が駆動力を発生する際に固定されている(回転しない)部材である。本実施形態のステータ30は通電可能なコイルからなる電機子(界磁と相互作用してトルク(駆動力)を得るための磁界を発生するもの)であり、内周面30aを有する略円筒形状を成す。
本実施形態のインホイールモータ1はロータ20を界磁とするとともにステータ30を電機子とする電動機(回転界磁形の電動機)であるが、本発明に係る電動機組み立て方法および電動機組み立て用ロータガイド治具はロータを電機子とするとともにステータを界磁とする電動機(回転電機子形の電動機)にも適用可能である。
ハウジング40は回転軸10、ロータ20およびステータ30を収容する部材である。
本実施形態のハウジング40は非磁性体の一例であるアルミニウム合金を射出成形することにより一体的に成形される。ハウジング40は主として軸支部41およびステータ固定部42を有する。
軸支部41はハウジング40を構成する部分のうち、ロータ20が固定された回転軸10の一端を回転可能に軸支する部分である。
本実施形態では、軸支部41には軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間とハウジング40の外部とを連通する孔41aが形成され、孔41aに軸受け81が嵌装されるとともに回転軸10の一端が軸受け81に貫装される。
このようにして、回転軸10の一端は軸支部41に回転可能に軸支されるとともに軸支部41に形成された孔41aからハウジング40の外部に向かって突出する。
なお、本実施形態では軸支部41の外側にサンギヤ軸71の一端を軸支するとともに回転軸10の一端、ギア60および遊星歯車機構70の一部を覆うカバー部41bが形成される。
ステータ固定部42はハウジング40を構成する部分のうち、一端が軸支部41により閉塞されるとともに他端が開口した筒状の部分である。
ここで、「ステータ固定部42の一端が軸支部41により閉塞される」とは、軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間(回転軸10、ロータ20およびステータ30が収容される空間)とハウジング40の外部とを連通する孔が軸支部41に形成されないことを指すのではなく、仮にそのような孔が軸支部41に形成されていても当該孔から軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間に回転軸10、ロータ20およびステータ30を収容することができない程度にステータ固定部42の一端が軸支部41により塞がれていることを指す。
本実施形態の場合、軸支部41にはカバー部41bを介して軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間とハウジング40の外部とを連通する孔41aが形成されるが、孔41aはロータ20が固定された回転軸10よりも小さくかつ折れ曲がっているので、孔41aを通してロータ20が固定された回転軸10を軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間に収容することができない構造となっている。
回転軸10、ロータ20およびステータ30はステータ固定部42の他端(開口した他端)から軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間に挿入され、ステータ30はステータ固定部42に固定される。
また、回転軸10、ロータ20およびステータ30がハウジング40に収容されているとき、ステータ30はステータ固定部42に固定され、ステータ30の内周面30aは、軸支部41およびハウジング40のステータ固定部42の他端を閉塞するキャップ(図示せず)に回転可能に軸支された回転軸10に固定されたロータ20の外周面20aに対して所定の間隔を空けて対向する。
なお、ステータ固定部42は筒状の部分であるが、その形状をステータ30の外形に沿った形状(円筒形状)とする必要はなく、例えば角筒形状とする等、他の部材との干渉や強度に応じてその形状を選択することが可能である。
ギヤ60は回転軸10の一端に固定されるハスバ歯車であり、ギヤ60の外周面には第一ギヤ歯である歯60a・60a・・・が形成される。
遊星歯車機構70はインホイールモータ1が発生する回転駆動力を減速して後述するハブ94に伝達するものである。
遊星歯車機構70は主としてサンギヤ軸71、キャリア72およびプラネタリギヤ73・73を具備する。
サンギヤ軸71はハウジング40の軸支部41の外側(カバー部41bにより囲まれる空間)に固定された軸受け83を介してハウジング40に回転可能に軸支される部材である。また、サンギヤ軸71は回転軸10の回転駆動力をハブ94に伝達する伝達軸である。
サンギヤ軸71の一端(軸受け83により軸支されている方の端部)の外周面には第二ギヤ歯である歯71a・71a・・・が形成される。歯71a・71a・・・はギヤ60の外周面に形成された歯60a・60a・・・に噛合する。
サンギヤ軸71の外周面の中途部には歯71b・71b・・・が形成される。
キャリア72はサンギヤ軸71に回転可能に軸支される部材であり、主としてディスク72a・72bおよび連結軸72c・72cを具備する。
ディスク72a・72bは中央部に孔が形成された円盤形状の部材である。ディスク72aの孔にはサンギヤ軸71が貫装され、ディスク72aはスラスト軸受け84を介してサンギヤ軸71に回転可能に軸支される。
連結軸72c・72cは丸棒状の部材である。連結軸72c・72cの一端はそれぞれディスク72aに固定され、連結軸72c・72cの他端はそれぞれディスク72bに固定される。従って、ディスク72aとディスク72bとは連結軸72c・72cにより相対回転不能に連結される。また、連結軸72c・72cはプラネタリギヤ73を回転可能に支持する。
プラネタリギヤ73・73はそれぞれ外周面に歯73a・73a・・・が形成された平歯車である。プラネタリギヤ73・73に形成された孔にはそれぞれ連結軸72c・72cが貫装される。
プラネタリギヤ73の歯73a・73a・・・はサンギヤ軸71に形成された歯71b・71b・・・に噛合する。
本実施形態のインホイールモータ1には、ハブキャリア91、ハブベアリング92・92・・・、ハブディスク93およびハブ94が設けられる。
ハブキャリア91およびハブベアリング92・92・・・はハブ94をインホイールモータ1のハウジング40に回転可能に軸支するための部材である。
ハブキャリア91は一端にフランジ91aが形成された略円筒形状の部材である。
ハブキャリア91のフランジ91aは図示せぬボルトによりハウジング40に固定される。このとき、遊星歯車機構70はハブキャリア91の内周面で囲まれる空間に収容される。
ハブベアリング92・92・・・は球状の部材であり、ハブキャリア91の外周面に当接するように配置される。
ハブディスク93は略円盤形状の部材であり、軸受け85を介してサンギヤ軸71の他端に回転可能に軸支される。また、ハブディスク93はボルトによりディスク72bに固定される。
ハブ94は図示せぬ車輪のホイールに固定される部材であり、本実施形態のハブ94は中央部に孔が形成された略円盤形状の部材である。
ハブ94の孔にはハブキャリア91が貫装され、ハブ94の孔の内周面とハブキャリア91の外周面とで挟まれる空間にはハブベアリング92・92・・・が介装される。
従って、ハブ94はハブベアリング92・92・・・を介してハブキャリア91、ひいてはインホイールモータ1に回転可能に軸支される。
また、ハブ94はハブディスク93に固定されており、ハブ94、ハブディスク93およびキャリア72は一体となってサンギヤ軸71に対して相対的に回転することが可能である。
インホイールモータ1のステータ30を構成するコイルに通電すると、ロータ20が固定された回転軸10が回転し、回転軸10の回転により発生する回転駆動力がギヤ60、サンギヤ軸71、プラネタリギヤ73・73、キャリア72、ハブディスク93およびハブ94を経て図示せぬ車輪のホイールに伝達され、当該車輪が回転駆動される。
上述した電動機の一形態であるインホイールモータ1を組み立てる際において、本発明に係る実施形態である後述する電動機組み立て方法および電動機組み立て用ロータガイド治具を適用する。
ここで、本発明に係る実施形態である電動機組み立て方法に用いられるロータガイド治具100について具体的に説明する。
なお、以下にいうロータ20とは、ギヤ60および軸受け81、82が設けられた回転軸10に固定された状態のロータのことを指す。
また、以下にいう回転軸方向(軸方向)とは、回転軸10が回転する際の中心軸方向のこと、及び、その中心軸と同軸となる軸方向のことを指す。
ロータガイド治具100は本発明に係る電動機組み立て用ローラガイド治具の第一実施形態であり、図3に示す如く、ロータガイド治具100は略円柱形状部材の中央部に、該円柱状部材よりも小径の略円筒状部材を回転軸方向に貫通して、該円筒状部材の一端が円柱状部材の一端側から突出した形状を有している。
ロータガイド治具100はインホイールモータ1の組み立ての際に用いられる治具であり、ロータ20をハウジング40に組み付ける治具である。ロータガイド治具100はインホイールモータ1の組み立て時にロータ20とステータ30との間の間隔C(隙間、図1参照)に配置することにより、ロータ20がステータ30に接触することを防止する。すなわち、ロータガイド治具100はロータ20と予めステータ固定部42に固定されたステータ30との干渉、及び、磁力の作用によるロータ20とステータ30との吸着を防止しつつロータ20をステータ30の内部(軸支部41およびステータ30の内周面30aで囲まれる空間)の所定の位置に案内する治具である。
ロータガイド治具100は非磁性体の一例である樹脂からなる。
ロータガイド治具100はロータガイド部110と、磁力調整手段120とからなる。
ロータガイド部110はその外周面110aがステータ30の内周面30aに摺動可能に当接する略円筒状の部材であり、ロータ20の外周面20aとステータ30の内周面30aとの間に所定の間隔Cを有した状態でロータ20を回転軸方向に案内する部材である。すなわち、ロータガイド部110はロータガイド治具100においてロータ20をステータ30および軸支部41で囲まれる空間の内部の所定の位置に案内する部分である。
ロータガイド部110はその軸方向を貫通する貫通孔110bを有しており、該貫通孔110bの内径はロータ20の外径よりわずかに大きいので、ロータ20がこの貫通孔110b内に内嵌されると、ロータ20の外周面20aがロータガイド部110の内周面110cに当接するとともに、ロータ20はロータガイド部110に沿って摺動することが可能である。
また、ロータガイド部110はその一端である突出部が円筒状であり、その円筒の壁厚さ(半径方向の厚さ)が、ロータ20がハウジング40にセットされた際のロータ20の外周面20aとステータ30の内周面30aとの間隔Cと略同等であり、ロータ20を所定のセット位置に案内するとともに、間隔Cを保持してロータ20を所定のセット位置にセットすることが可能であるスペーサとして働くものである。
また、ロータガイド部110はその一端である円筒状突出部の外径がステータ30の内径よりわずかに小さいので、ロータガイド部110がステータ30の内部に挿入されると、ロータガイド部110の外周面110aがステータ30の内周面30aに当接するとともに、ロータガイド部110はステータ30の内周面30aに沿って摺動することが可能である。
つまり、ロータガイド治具100が有する貫通孔110bの内周面110cが、ロータガイド治具100に内嵌されるロータ20の外周面20aに対して摺動可能であり、かつロータガイド治具100のロータガイド部110をステータ30内に挿入した際に、ロータガイド治具100の外周面110aが、ステータ30の内周面30aに対して摺動可能であるので、ロータガイド治具100にロータ20を内嵌した状態で、ロータガイド治具100をステータ30内に挿入し、ロータ20を軸支部41側に摺動させることでステータ30および軸支部41で囲まれる空間の内部の所定のセット位置に案内することが可能となる。
磁力調整手段120はロータガイド部110内の回転軸方向に発生する磁力を調整することで回転軸方向におけるロータ20の位置を調整する手段であり、本実施形態においてはロータガイド治具100の他端となる大径円柱状部材の内部に位置するロータガイド部110他端の外周に巻回されたコイル120aと、該コイル120aに通電を行うことで所定の磁力を発生させるとともに、発生させる磁力を制御することが可能である制御手段120bとからなる。
こうして、ロータガイド治具100は、そのロータガイド部110の貫通孔110bにロータ20を内嵌した状態で、ロータガイド部110の一端(ロータガイド治具100の突出部)を、予めステータ固定部42に固定されたステータ30の内部にロータガイド治具100の軸方向が上下方向(ロータガイド治具100の一端が下向き)となるように挿入した場合に、ロータ20はその外周面20aをロータガイド部110の内周面110cに当接しつつ、ロータ20(回転軸10)の一端のセット位置に向けて摺動しながら下降していくこととなる。
制御手段120bは貫通孔110bに内嵌されたロータ20の回転軸方向における位置を制御するべく、コイル120aに通電を行い、コイル120aに流れる電流値の増減を制御することでコイル120aから所定の磁力を発生させて、ロータ20をロータガイド部110内に保持したり、もしくは、所定速度にて下降させたり、もしくは、所定速度にて上昇させることが可能となり、ロータ20の軸方向の位置や移動速度を適宜制御することが可能となる。
以下では、図2から図6を用いて本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態について説明する。
図2に示す如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態は主としてロータ保持工程S1100、ロータガイド治具挿入工程S1200、ロータ挿入工程S1300およびロータガイド治具抜き取り工程S1400を具備する。
図3に示す如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態の開始前の段階では、回転軸10にはロータ20およびギヤ60が固定されるとともに軸受け81・82が嵌装されている。また、ハウジング40にはステータ30、遊星歯車機構70、軸受け83、スラスト軸受け84、ハブキャリア91、ハブベアリング92・92・・・、ハブディスク93およびハブ94等が取り付けられている。また、スタータ30は予めハウジング40(ステータ固定部42)に固定されている。
ロータ保持工程S1100は前述したロータガイド治具100を用いて、ロータ20をロータガイド部110内に嵌装し、磁力調整手段120により磁力を作用させることでロータ20をロータガイド部110内に保持する工程である。
図4に示す如く、ロータ保持工程S1100では、ロータ20がロータガイド治具100の貫通孔110bの内部に嵌装された状態で、ステータ30上方に配置した後、磁力調整手段120によりコイル120aに通電を行い所定の磁力を発生させることでロータ20が下降することなく貫通孔110bの軸方向(上下方向)中途部に一旦保持される。すなわち、ロータ20には、その自重により落下しようとする力(下方)と永久磁石であるロータ20が磁力によりステータ30に引き込まれる力(下方)が作用しており、制御手段120bによりコイル120aに通電し、ロータ20の回転軸方向に磁力(上方)を発生させ、下方へ働く力をキャンセルするような磁力を作用させるようにすることで、ロータ20は図4に示す如く貫通孔110b内に保持される。
ロータ保持工程S1100が終了したら、ロータガイド治具挿入工程S1200に移行する。
ロータガイド治具挿入工程S1200はロータガイド治具100のロータガイド部110内にロータ20を保持した状態で、ロータガイド部110の一端をハウジング40に予め固定されているステータ30内に挿入する工程である。
図5に示す如く、ロータガイド治具挿入工程S1200では、ロータ保持工程S1100にてその内部にロータ20を保持した状態であるロータガイド治具100の一端(ロータガイド部110の一端)がステータ30の内部に挿入される。
ロータガイド治具挿入工程S1200が終了したら、ロータ挿入工程S1300に移行する。
ロータ挿入工程S1300は磁力調整手段120によりロータ20に作用する磁力を調整することで、ロータ20をロータガイド部110内に保持した状態からステータ30内へ挿入する工程である。
図6に示す如く、ロータ挿入工程S1300では、磁力調整手段120によりコイル120aを介して発生する所定の磁力によりロータガイド部110の内部に保持していたロータ20に対して、制御手段120bは磁力を制御して(上方に作用する磁力が徐々に弱くなるようにコイル120aに流す電流を制御して)ロータ20を所定の速度にて徐々に下降させていく。ロータ20は、孔41aに軸受け81が嵌装されることでロータ20のセット位置に固定される。
すなわち、ロータ挿入工程S1300では、ロータ20をロータガイド部110の内部に保持した状態から、コイル120aに流す電流を調整し、上記三つの力のつり合いを制御することで、ロータガイド部110にてロータ20のセンタ位置を保ったまま、ロータ20を所定の速度でステータ30内に挿入することができる。
また、ロータ20のハウジング40おける位置決めは、回転軸10に設けられた軸受け81の一端(図6においては下端)が孔41aに当接することにより行われ、歯60aが歯71aと噛合した状態で、かつ回転軸10の先端(図6においては下端)がカバー部41bの内壁に対して所定の間隔を有して配置される。
ロータ挿入工程S1300が終了したら、ロータガイド治具抜き取り工程S1400に移行する。
ロータガイド治具抜き取り工程S1400はロータ20を所定位置にセットした後で、ロータガイド治具100をステータ30から抜き取る工程である。
すなわち、制御手段120bはロータ20が所定のセット位置に固定された後、コイル120aに対する通電を終了し、ロータガイド部110の回転軸方向に働く磁力の発生を終了する。その際、ロータ20は、所定の間隔Cを有した状態でステータ30と磁力により引き合う状態となり、非磁性であるロータガイド治具100は上方へ容易に抜き取ることができる。
このようにして、ロータガイド治具100を用いて、ロータ20をステータ30内に挿入して組み付けを行うことにより、磁性体(本実施形態では永久磁石)であるロータ20とステータ30とが磁力により吸着することを防ぐとともに、ロータ20の外周面20aとステータ30の内周面30aとの間に所定の間隔C(クリアランス)を有した状態でロータ20を組付け位置に案内することが可能となる。すなわち、ロータ20がステータ30との引き合う力によりステータ30やインホイールモータ1を構成する部材などとの接触を防ぎ、組付け作業を容易に行うことが可能となる。
以上の如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態は、
回転軸10と、
前記回転軸10に固定されるロータ20と、
前記ロータ20の外周面20aに対して所定の間隔Cを有した状態で対向する内周面30aを有するステータ30と、
前記回転軸10、前記ロータ20および前記ステータ30を収容するハウジング40と、
を具備する電動機を組み立てる電動機組み立て方法であって、
その外周面110aが前記ステータ30の内周面30aに摺動可能に当接する略円筒状の部材であり、前記ロータ20の外周面20aと前記ステータ30の内周面30aとの間に前記所定の間隔Cを有した状態で前記ロータ20を回転軸方向に案内するロータガイド部110と、
前記ロータガイド部110内の回転軸方向に発生する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータ20の位置を調整する磁力調整手段120と、
からなるロータガイド治具100を用いて、
前記ロータ20を前記ロータガイド部110内に嵌装し、前記磁力調整手段120により前記ロータ20に作用する磁力を調整することで前記ロータ20を前記ロータガイド部110内に保持するロータ保持工程S1100と、
前記ロータガイド治具100の前記ロータガイド部110内に前記ロータ20を保持した状態で、前記ロータガイド部110の一端を前記ハウジング40に予め固定されている前記ステータ30内に挿入するロータガイド治具挿入工程S1200と、
前記ロータガイド部110の一端をステータ30内に挿入した状態で、前記磁力調整手段120により前記ロータ20に作用する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータ20の位置を制御して前記ロータ20を前記ロータガイド部110内に保持した状態から前記ステータ30内へ挿入するロータ挿入工程S1300と、
を含むものである。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、ロータ20とステータ30との間に磁力が作用する場合であっても、ロータ20がステータ30に引き寄せられて吸着することなく、かつロータ20とステータ30間の間隔Cを確保することができるため電動機を容易に組み立てることが可能である。
また、前記磁力調整手段120は、
前記ロータガイド部110の外周に配設されるコイル120aと、
前記コイル120aに流す電流を制御することで前記コイル120aから発生する磁力を調整する制御手段120bと、
を具備する。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、コイル120aに流す電流を制御することで回転軸方向に発生する磁力を調整し、ロータ20の自重とロータ20に作用する磁力をバランスさせることで、回転軸方向におけるロータ位置を自在に制御することができる。
また、前記ロータガイド治具100は、
回転軸10と、
前記回転軸10に固定されるロータ20と、
前記ロータ20の外周面20aに対して所定の間隔Cを有した状態で対向する内周面30aを有するステータ30と、
前記回転軸10、前記ロータ20および前記ステータ30を収容するハウジング40と、
を具備する電動機を組み立てるために用いられる電動機組み立て用ロータガイド治具100であって、
その外周面110aが前記ステータ30の内周面30aに摺動可能に当接する略円筒状の部材であり、前記ロータ20の外周面20aと前記ステータ30の内周面30aとの間に前記所定の間隔Cを有した状態で前記ロータ20を回転軸方向に案内するロータガイド部110と、
前記ロータガイド部110内の回転軸方向に発生する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータ20の位置を調整する磁力調整手段120と、
からなる。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、ロータ20とステータ30との間に磁力が作用する場合であっても、ロータガイド治具100を用いることによりロータ20がステータ30に引き寄せられて吸着することなく、かつロータ20とステータ30間のクリアランスを確保することができるため電動機を容易に組み立てることが可能である。
以下では、図7、図8を用いて本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態について説明する。
図7に示す如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態は、第一実施形態と同様に主としてロータ保持工程S1100、ロータガイド治具挿入工程S1200、ロータ挿入工程S1300およびロータガイド治具抜き取り工程S1400を具備しており、第一実施形態におけるロータ挿入工程S1300において、さらに噛合調整工程S1320を含む工程である。具体的には、本実施形態は、第一実施形態におけるロータ挿入工程S1300において、ロータ20を挿入する際の中間の工程として噛合調整工程S1320を追加し、ロータ挿入工程1310、噛合調整工程S1320およびロータ挿入−固定工程S1330としたものである。ロータ保持工程S1100、ロータガイド治具挿入工程S1200およびロータガイド治具抜き取り工程S1400は上述したとおりであり、以下に、本実施形態に係るロータ挿入工程の詳細について説明する。
ロータ挿入工程S1300は磁力調整手段120によりロータ20に作用する磁力を調整することで、ロータ20をロータガイド部110内に保持した状態からステータ30内へ挿入する工程である。
具体的には、ロータ挿入工程S1300は、主としてロータ挿入工程S1310、噛合調整工程S1320およびロータ挿入−固定工程S1330とを具備する。
ロータ挿入工程S1310は磁力調整手段120によりロータ20に作用する磁力を調整することで、ロータ20をロータガイド部110内に保持した状態からステータ30内へ挿入し、第一ギヤ歯である歯60aの一端と第二ギア歯である歯71aの一端とが重なり合う近傍までロータ20を挿入する工程である。
図6に示す如く、ロータ挿入工程S1310では、磁力調整手段120によりコイル120aを介して発生する所定の磁力によりロータガイド部110の内部に保持していたロータ20に対して、制御手段120bは磁力を制御して(上方に作用する磁力が徐々に弱くなるようにコイル120aに流す電流を制御して)、ロータ20を所定の速度にて徐々に下降させていく。こうしてロータ20(回転軸10)は、第一ギヤ歯である歯60aの一端と第二ギア歯である歯71bの一端とが重なり合う近傍(図6参照)まで挿入される。
ロータ挿入工程S1310が終了したら、噛合調整工程S1320に移行する。
噛合調整工程S1320は、回転軸10の一端に設けられた第一ギヤ歯である歯60aと当該歯60aに噛合する前記ロータ20の回転駆動力を伝達する伝達軸であるサンギヤ軸71の一端に設けられた第二ギヤ歯である歯71bとの噛合い時において前記制御手段120bにより前記コイル120aに流す電流の増減を繰り返すように制御して歯60aと歯71bとを噛合させる工程である。
図6に示す如く、ロータ挿入工程S1310においては、回転軸10に設けられた歯60aとサンギヤ軸71に設けられた歯71bが重なり合う近傍まで下降させてくる。そうして、歯60aと歯71bとを噛合わせる際に、制御手段120bはコイル120aに流す電流値を小幅に上下させるように制御させることで、回転軸方向のロータ20の位置を小幅に上下させて、ギア同士(歯60aと歯71b)とを軽く接触させる。このギア同士の接触により双方のギアを所定方向に適宜自由回転させることにより、歯60aと歯71bが噛合う点はロータ位置を上下させる回数を数回程度行うことで現れる。歯60aと歯71bが噛合った際には下方に向けて挿入が継続される。
噛合調整工程S1320が終了したら、ロータ挿入−固定工程S1330に移行する。
なお、上記噛合調整工程S1320によって歯60aと歯71bとが噛合った際には、ロータ20(回転軸10)が所定量下降するため、再び噛合わせが外れることはない。
ロータ挿入−固定工程S1330は噛合調整工程S1320により噛合い終了後に、ロータ20を所定のセット位置まで挿入する工程である。
噛合調整工程S1320により噛合い終了後に、制御手段120bは再び磁力を制御して(上方に作用する磁力が徐々に弱くなるようにコイル120aに流す電流を制御して)、ロータ20を所定の速度にて徐々に下降させていく。ロータ20は、孔41aに軸受け81が嵌装されることでロータ20のセット位置に固定される。
すなわち、図8に示す如く、ロータ20をロータガイド治具100内に保持した状態であるロータ保持工程S1100及びロータガイド治具挿入工程S1200を経て、ロータ挿入工程S1310に至った場合に、ロータ20挿入途中における歯60aと歯71bとの噛合いが必要となる箇所に近づくに従って、コイル120aに流す電流値を小さくなるように制御して、ロータ20の挿入速度をさらに落とすようにして、ギヤ同士が強く接触することを防止する。続いて、噛合調整工程S1320においてギヤの噛合いを確保する際、コイル120aに流す電流を電流値の増減を小幅にて繰り返し、ロータ20をわずかな量だけ回転軸方向に上下させる。この動作により歯60aと歯71bをそれぞれわずかに自由回転させることで、容易にギヤ同士の噛合いを確保することができる。
以上の如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態において、
前記ロータ挿入工程S1300は、
前記回転軸10の一端に設けられた第一ギヤ歯である歯60aと当該歯60aに噛合する前記ロータの回転駆動力を伝達する伝達軸であるサンギヤ軸71の一端に設けられた第二ギヤ歯である歯71aとの噛合い時において前記制御手段120bにより前記コイル120aに流す電流の増減を繰り返すように制御して歯60aと歯71aとを噛合させる噛合調整工程S1320を含むものである。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、ロータ位置が回転軸方向にわずかな量上下することで、ギヤの噛合いを容易に行うことができる。
以下では、図9を用いて本発明に係る電動機組み立て方法の第三実施形態について説明する。
図9に示す如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第三実施形態は、前述した第一実施形態及び第二実施形態におけるロータ挿入工程において、より確実にロータ20を挿入することが可能である磁性体治具200を用いるものである。以下、この磁性体治具200の適用について説明する。
図9に示す如く、磁性体治具200は磁性体からなる略円柱状の治具であり、その一端面(図9においては下端)には嵌装孔200aが設けられており、該嵌装孔200aに回転軸10の他端が嵌装されて固定可能となっている。また、磁性体治具200は回転軸10の他端に着脱自在である。
この磁性体治具200を、例えばロータ保持工程S1100の開始前においてロータ20の他端に装着する。そして、磁性体治具200をロータ20に装着した状態で、ロータ20をロータガイド治具100内に保持し、ロータ挿入工程S1310における後半の工程となる噛合調整工程S1320およびロータ挿入−固定工程S1330において、ロータ20がコイル120aから離れて、コイル120aからの磁力の作用が弱くなっていく場合においても、回転軸10の他端(後端)に装着された磁性体治具200によりコイル120aから磁力の作用を受けることとなり、ロータ20の軸方向における位置制御をより安定して行うことが可能となる。そうして、磁性体治具200はロータ20が孔41aに軸受け81が嵌装され、ロータ20がセット位置に固定された後で取り外される。
以上の如く、前記回転軸10の他端に磁性体治具200を装着することにより、ロータ20がコイル120aから離れていく場合(例えば、噛合調整工程S1320およびロータ挿入−固定工程S1330)においても、コイル120a内にロータ20と一体化された磁性体治具200が存在することになり、ロータ20のみの場合に比べてコイル120aから発生する磁力が作用する部分(範囲)が広がっているため、電流によるロータ20の位置調整がよりし易くなる。
上述したように、磁石内蔵のモータの例であるインホイールモータ1を組み立てる場合において、ロータ20をステータ30内に挿入する工程は、所定の間隔C(クリアランス)を確保した組付けが求められるが、ロータ20とステータ30との間に強い磁力が働くため、ロータ20は傾いた状態で急激に引き込まれ、組み付けることが難しい。本発明は、コイル120aを含んだロータ20の組付け治具であるロータガイド治具100を用いる構成とするものであり、コイル120aに流す電流を制御することで、ロータ20を保持した状態から、クリアランスを保ったまま、ステータ30内へ任意の速度で挿入することを可能にした。
電動機の実施の一形態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態を示すフロー図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるロータ保持工程の開始前の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるロータ保持工程を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるロータガイド治具挿入工程の終了時点の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるロータ挿入工程を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態を示すフロー図。 ロータ挿入時におけるコイルに流す電流と時間の関係を示す図。 回転軸に磁性体治具を装着した状態を示す側面断面図。 従来の課題を説明する説明図。
符号の説明
1 インホイールモータ(電動機)
10 回転軸
20 ロータ
20a 外周面
30 ステータ
30a 内周面
40 ハウジング
60a 歯
71 サンギヤ軸
71a 歯
100 ロータガイド治具(電動機組み立て用ロータガイド治具)
110 ロータガイド部
120 磁力調整手段
120a コイル
120b 制御手段
200 磁性体治具
C 間隔

Claims (6)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸に固定されるロータと、
    前記ロータの外周面に対して所定の間隔を有した状態で対向する内周面を有するステータと、
    前記回転軸、前記ロータおよび前記ステータを収容するハウジングと、
    を具備する電動機を組み立てる電動機組み立て方法であって、
    その外周面が前記ステータの内周面に摺動可能に当接する略円筒状の部材であり、前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に前記所定の間隔を有した状態で前記ロータを回転軸方向に案内するロータガイド部と、
    前記ロータガイド部内の回転軸方向に発生する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータの位置を調整する磁力調整手段と、
    からなるロータガイド治具を用いて、
    前記ロータを前記ロータガイド部内に嵌装し、前記磁力調整手段により前記ロータに作用する磁力を調整することで前記ロータを前記ロータガイド部内に保持するロータ保持工程と、
    前記ロータガイド治具の前記ロータガイド部内に前記ロータを保持した状態で、前記ロータガイド部の一端を前記ハウジングに予め固定されている前記ステータ内に挿入するロータガイド治具挿入工程と、
    前記ロータガイド部の一端をステータ内に挿入した状態で、前記磁力調整手段により前記ロータに作用する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータの位置を制御して前記ロータを前記ロータガイド部内に保持した状態から前記ステータ内へ挿入するロータ挿入工程と、
    を含むことを特徴とする電動機組み立て方法。
  2. 前記磁力調整手段は、
    前記ロータガイド部の外周に配設されるコイルと、
    前記コイルに流す電流を制御することで前記コイルから発生する磁力を調整する制御手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の電動機組み立て方法。
  3. 前記ロータ挿入工程は、
    前記回転軸の一端に設けられた第一ギヤ歯と当該第一ギヤ歯に噛合する前記ロータの回転駆動力を伝達する伝達軸の一端に設けられた第二ギヤ歯との噛合い時において前記制御手段により前記コイルに流す電流の増減を繰り返すように制御して前記第一ギヤ歯と前記第二ギヤ歯とを噛合させる噛合調整工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機組み立て方法。
  4. 前記回転軸の他端に磁性体治具を装着することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電動機組み立て方法。
  5. 回転軸と、
    前記回転軸に固定されるロータと、
    前記ロータの外周面に対して所定の間隔を有した状態で対向する内周面を有するステータと、
    前記回転軸、前記ロータおよび前記ステータを収容するハウジングと、
    を具備する電動機を組み立てるために用いられる電動機組み立て用ロータガイド治具であって、
    その外周面が前記ステータの内周面に摺動可能に当接する略円筒状の部材であり、前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に前記所定の間隔を有した状態で前記ロータを回転軸方向に案内するロータガイド部と、
    前記ロータガイド部内の回転軸方向に発生する磁力を調整することで回転軸方向における前記ロータの位置を調整する磁力調整手段と、
    からなることを特徴とする電動機組み立て用ロータガイド治具。
  6. 前記磁力調整手段は、
    前記ロータガイド部の外周に配設されるコイルと、
    前記コイルに流す電流を制御することで前記コイルから発生する磁力を調整する制御手段と、
    を具備することを特徴とする請求項5に記載の電動機組み立て用ロータガイド治具。
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