JP2009296735A - 電動機組み立て方法および電動機組み立て用スペーサ - Google Patents

電動機組み立て方法および電動機組み立て用スペーサ Download PDF

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Abstract

【課題】ロータとステータとの間に磁力が作用する場合であっても一端が閉塞されるとともに他端のみが開口した構造のハウジングを有する電動機を容易に組み立てることが可能な電動機組み立て方法、および電動機組み立て用スペーサを提供する。
【解決手段】ドライアイスからなるスペーサ100がロータ20とステータ30との隙間に配置された状態で、ロータ20が固定された回転軸10の一端をステータ30が固定されたハウジング40に軸支し、かつキャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電動機を組み立てる方法および電動機の組み立てに用いられる器具に関する。
より詳細には、ロータとステータとの間に磁力が作用する状況において容易に電動機を組み立てる技術に関する。
従来、電動機の組み立てはロータおよびステータをハウジングに収容することにより行われるが、電動機の多くは、電動機を構成する部材であるロータおよびステータの一方が強磁性体(永久磁石等、外部磁場の影響が無くても自発的に磁化する材料)からなるとともに他方が常磁性体(多くの鉄鋼材料等、外部磁場の影響により磁化する材料)からなるため、ロータとステータとの間には磁力が作用する。
従って、電動機の組み立て時に磁力により回転軸に固定されたロータがステータに引き寄せられて吸着する場合がある。
このようなロータとステータとの間に作用する磁力に起因する問題を解消する方法として、芯出し用シャフトと移動台車とを用いた電動機の組み立て方法が知られている。
この方法に用いられる芯出し用シャフトは一対の円柱形状の部材からなり、当該一対の円柱形状の部材は互いに中心線が一直線となり、かつ両者が所定の間隔を空けた状態で支持台に固定される。
芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材の間隔はロータの回転軸の長さと略同じであり、ロータの回転軸の両端はそれぞれ芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材に固定・支持される。ロータの回転軸が芯出し用シャフトに固定されたとき、ロータの回転軸の中心線と芯出し用シャフトの中心線とは一直線となる。
また、この方法に用いられる移動台車は、芯出し用シャフトの長手方向(芯出し用シャフトの中心線の方向)に移動可能であり、移動台車にはステータが収容されたハウジングが固定される。
上記芯出し用シャフトと移動台車とを用いた電動機の組み立て方法は、(1)ステータが収容されたハウジングを芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材の一方に貫装する工程と、(2)ステータが収容されたハウジングを移動台車に固定する工程と、(3)ロータの回転軸の両端を芯出し用シャフトに固定する工程と、(4)移動台車を芯出し用シャフトの長手方向に移動させる工程と、を含む。例えば、特許文献1に記載の如くである。
しかし、特許文献1に記載の方法は、ロータとステータとの間に作用する磁力に抗してロータおよびステータの姿勢を保持するために芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材をいずれも十分な剛性を有する構造体(支持台)に固定しなければならず、かつ、ステータが収容されるハウジングを芯出し用シャフトを構成する一対の円柱形状の部材の一方に貫装する工程を実現するための前提として電動機のハウジングは両端が開口した構造であることを要する。
そのため、特許文献1に記載の方法は、ステータが収容されるハウジングの一端が閉塞されるとともに他端のみが開口した構造のハウジングを有する電動機の組み立てに適用することができないという問題を有する。
ステータが収容されるハウジングの一端が閉塞されるとともに他端のみが開口した構造のハウジングを有する電動機の組み立て方法としては、挿入補助治具を用いる方法が知られている。
この方法に用いられる挿入補助治具はリング状の部材であり、その中央部には貫通孔が形成され、当該貫通孔の直径(内径)はステータの直径(外径)と略同じである。従って、ステータの外周面が挿入補助治具の内周面に当接しつつ、ステータは挿入補助治具に沿って摺動可能である。
上記挿入補助治具を用いた電動機の組み立て方法は、(1)ロータが固定された回転軸の一端をハウジングの一端(閉塞されている方の端部)に軸支する工程と、(2)ロータが固定された回転軸の他端を保持する工程と、(3)挿入補助治具の中心線とハウジングの中心線とが一直線となる状態で、挿入補助治具をハウジングの他端(開口している方の端部)に配置する工程と、(4)ステータの外周面を挿入補助治具の内周面に当接させつつステータを挿入補助治具に沿って摺動させることによりステータをハウジングに挿入する工程と、を含む。例えば、特許文献2に記載の如くである。
しかし、特許文献2に記載の方法を用いてステータが収容されるハウジングの一端が閉塞されるとともに他端のみが開口した構造のハウジングを有する電動機を組み立てる場合、最終的には回転軸、ロータおよびステータを収容したハウジングの開口部にキャップを固定するとともに当該キャップに回転軸の端部を回転可能に軸支する必要があるが、このような作業は上記挿入補助治具および保持装置を予め取り外してから行わなければならない。
そして、上記挿入補助治具および保持装置を取り外すと、ロータとステータとの間に作用する磁力によりロータが固定された回転軸が前記ハウジングにおける軸支点を支点として傾き、キャップにおける回転軸の軸支位置と回転軸の端部とがずれてしまうので、回転軸をキャップにうまく軸支させることができないという問題が発生する。
特開平8−126262号公報 特開2005−312241号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、ロータとステータとの間に磁力が作用する場合であっても、一端が閉塞されるとともに他端のみが開口した構造のハウジングを有する電動機を容易に組み立てることが可能な電動機組み立て方法および電動機組み立て用スペーサを提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
回転軸と、
前記回転軸に固定されるロータと、
前記ロータに対して所定の間隔を空けて対向するステータと、
前記回転軸の一端を回転可能に軸支する軸支部、および一端が前記軸支部により閉塞され、他端が開口されるとともに当該開口した他端から挿入された前記ステータが固定される筒状のステータ固定部を有し、前記回転軸、ロータおよびステータを収容するハウジングと、
前記ハウジングのステータ固定部の他端に着脱可能に固定されることにより、前記ステータ固定部の他端を閉塞するとともに前記ハウジングに収容された回転軸の他端を回転可能に軸支するキャップと、
を具備する電動機を組み立てる電動機組み立て方法であって、
前記電動機の組み立て環境において昇華、融解または融解を経て蒸発し得る材料を冷却することにより固体状としたスペーサが前記ロータと前記ステータとの隙間に配置された状態で、前記ロータが固定された回転軸の一端を前記ステータが固定されたハウジングに軸支し、かつ前記キャップを前記ハウジングに固定するとともに前記回転軸の他端を前記キャップに軸支するものである。
請求項2においては、
前記スペーサは、
ドライアイス、氷、または前記電動機の潤滑油を冷却して固体状としたものからなるものである。
請求項3においては、
前記スペーサの厚さは、
前記ロータと前記ステータとの隙間よりも大きいものである。
請求項4においては、
前記スペーサにおいて前記ロータと前記ステータとの隙間に配置されたときに前記ロータと前記ステータとの間に作用する磁力が大きくなる部分の厚さは、前記スペーサにおける他の部分の厚さよりも大きいものである。
請求項5においては、
前記ステータを前記ハウジングに固定するステータ−ハウジング固定工程と、
前記スペーサを前記ロータに固定するスペーサ−ロータ固定工程と、
前記ロータが固定された回転軸の一端を前記ハウジングに軸支するハウジング側軸支工程と、
前記キャップを前記ハウジングに固定するとともに前記回転軸の他端を前記キャップに軸支するキャップ側軸支工程と、
を具備するものである。
請求項6においては、
前記スペーサを前記ステータに固定するスペーサ−ステータ固定工程と、
前記ステータを前記ハウジングに固定するステータ−ハウジング固定工程と、
前記ロータが固定された回転軸の一端を前記ハウジングに軸支するハウジング側軸支工程と、
前記キャップを前記ハウジングに固定するとともに前記回転軸の他端を前記キャップに軸支するキャップ側軸支工程と、
を具備するものである。
請求項7においては、
前記電動機に通電する通電工程を具備するものである。
請求項8においては、
回転軸と、
前記回転軸に固定されるロータと、
前記ロータに対して所定の間隔を空けて対向するステータと、
前記回転軸の一端を回転可能に軸支する軸支部、および一端が前記軸支部により閉塞され、他端が開口されるとともに当該開口した他端から挿入された前記ステータが固定される筒状のステータ固定部を有し、前記回転軸、ロータおよびステータを収容するハウジングと、
前記ハウジングのステータ固定部の他端に着脱可能に固定されることにより、前記ステータ固定部の他端を閉塞するとともに前記ハウジングに収容された回転軸の他端を回転可能に軸支するキャップと、
を具備する電動機を組み立てるために用いられる電動機組み立て用スペーサであって、
前記電動機の組み立て環境において昇華、融解または融解を経て蒸発し得る材料を冷却することにより固体状としたものからなり、前記ロータと前記ステータとの隙間に配置された状態で前記回転軸、ロータおよびステータとともに前記ハウジングに収容されるものである。
請求項9においては、
ドライアイス、氷、または前記電動機の潤滑油を冷却して固体状としたものからなるものである。
請求項10においては、
前記スペーサの厚さは、
前記ロータと前記ステータとの隙間よりも大きいものである。
請求項11においては、
前記スペーサにおいて前記ロータと前記ステータとの隙間に配置されたときに前記ロータと前記ステータとの間に作用する磁力が大きくなる部分の厚さは、前記スペーサにおける他の部分の厚さよりも大きいものである。
請求項12においては、
前記ロータに固定されるものである。
請求項13においては、
前記ステータに固定されるものである。
本発明は、ロータとステータとの間に磁力が作用する場合であっても、一端が閉塞されるとともに他端のみが開口した構造のハウジングを有する電動機を容易に組み立てることが可能である、という効果を奏する。
以下では、図1を用いて本発明に係る電動機組み立て方法および本発明に係る電動機組み立て用スペーサの対象となる電動機の実施の一形態であるインホイールモータ1について説明する。
「電動機」は、電気エネルギーを機械エネルギー(駆動力)に変換する原動機を指す。
「原動機」は、自然界に存在するエネルギーを機械的な仕事(力学的なエネルギー)に変換する機械あるいは装置を指す。
本実施形態のインホイールモータ1は、特に電動機を各車輪に一基ずつ設ける形式の電気自動車に設けられ、当該各車輪を回転駆動する。
本実施形態のインホイールモータ1は電気自動車の車輪を回転駆動するものであるが、本発明に係る電動機組み立て装置および電動機組み立て方法は種々の用途に用いられる電動機の組み立てに適用可能である。
図1に示す如く、インホイールモータ1は主として回転軸10、ロータ20、ステータ30、ハウジング40、キャップ50、ステータ固定部材55、ギヤ60および遊星歯車機構70を具備する。
回転軸10は略円柱形状の部材であり、後述するロータ20が回転する際の中心軸となるものである。
ロータ20はインホイールモータ1が駆動力を発生する際に回転する部材である。本実施形態のロータ20は永久磁石からなる界磁(磁界を発生させるもの)であり、外周面20aを有する略円筒形状を成す。
ロータ20は回転軸10の中途部に固定され、ロータ20および回転軸10は一体的に回転する。
ステータ30はインホイールモータ1が駆動力を発生する際に固定されている(回転しない)部材である。本実施形態のステータ30は通電可能なコイルからなる電機子(界磁と相互作用してトルク(駆動力)を得るための磁界を発生するもの)であり、内周面30aを有する略円筒形状を成す。
本実施形態のインホイールモータ1はロータ20を界磁とするとともにステータ30を電機子とする電動機(回転界磁形の電動機)であるが、本発明に係る電動機組み立て装置および電動機組み立て方法はロータを電機子とするとともにステータを界磁とする電動機(回転電機子形の電動機)にも適用可能である。
ハウジング40は回転軸10、ロータ20およびステータ30を収容する部材である。
本実施形態のハウジング40は非磁性体の一例であるアルミニウム合金を射出成形することにより一体的に成形される。ハウジング40は主として軸支部41およびステータ固定部42を有する。
軸支部41はハウジング40を構成する部分のうち、ロータ20が固定された回転軸10の一端を回転可能に軸支する部分である。
本実施形態では、軸支部41には軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間とハウジング40の外部とを連通する孔41aが形成され、孔41aに軸受け81が嵌装されるとともに回転軸10の一端が軸受け81に貫装される。
このようにして、回転軸10の一端は軸支部41に回転可能に軸支されるとともに軸支部41に形成された孔41aからハウジング40の外部に向かって突出する。
なお、本実施形態では軸支部41の外側にサンギヤ軸71の一端を軸支するとともに回転軸10の一端、ギア60および遊星歯車機構70の一部を覆うカバー部41bが形成される。
ステータ固定部42はハウジング40を構成する部分のうち、一端が軸支部41により閉塞されるとともに他端が開口した筒状の部分である。
ここで、「ステータ固定部42の一端が軸支部41により閉塞される」とは、軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間(回転軸10、ロータ20およびステータ30が収容される空間)とハウジング40の外部とを連通する孔が軸支部41に形成されないことを指すのではなく、仮にそのような孔が軸支部41に形成されていても当該孔から軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間に回転軸10、ロータ20およびステータ30を収容することが出来ない程度にステータ固定部42の一端が軸支部41により塞がれていることを指す。
本実施形態の場合、軸支部41にはカバー部41bを介して軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間とハウジング40の外部とを連通する孔41aが形成されるが、孔41aはロータ20が固定された回転軸10よりも小さくかつ折れ曲がっているので、孔41aを通してロータ20が固定された回転軸10を軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間に収容することができない構造となっている。
回転軸10、ロータ20およびステータ30はステータ固定部42の他端(開口した他端)から軸支部41およびステータ固定部42で囲まれる空間に挿入される。
また、回転軸10、ロータ20およびステータ30がハウジング40に収容されているとき、ステータ30はステータ固定部42に固定され、ステータ30の内周面30aは、軸支部41および後述するキャップ50に軸支された回転軸10に固定されたロータ20の外周面20aに対して所定の間隔を空けて対向する。
なお、ステータ固定部42は筒状の部分であるが、その形状をステータ30の外形に沿った形状(円筒形状)とする必要はなく、例えば角筒形状とする等、他の部材との干渉や強度に応じてその形状を選択することが可能である。
キャップ50はハウジング40のステータ固定部42の他端を閉塞するとともにロータ20が固定された回転軸10の他端を回転可能に軸支する部材である。
本実施形態ではキャップ50はボルト締結によりハウジング40のステータ固定部42の他端に固定される。また、キャップ50にはハウジング40およびキャップ50で囲まれる空間とハウジング40の外部とを連通する貫通孔50aが形成され、貫通孔50aに軸受け82が嵌装されるとともに回転軸10の他端が軸受け82に貫装される。
このようにして、回転軸10の他端はキャップ50に回転可能に軸支される。
ステータ固定部材55はステータ30をキャップ50に固定する部材である。
本実施形態では、ステータ30とステータ固定部材55との間およびキャップ50とステータ固定部材55との間を図示せぬボルトで締結することにより、ステータ30とキャップ50とを固定する。
ギヤ60は回転軸10の一端に固定されるハスバ歯車であり、ギヤ60の外周面には歯60a・60a・・・が形成される。
遊星歯車機構70はインホイールモータ1が発生する回転駆動力を減速して後述するハブ94に伝達するものである。
遊星歯車機構70は主としてサンギヤ軸71、キャリア72およびプラネタリギヤ73・73を具備する。
サンギヤ軸71はハウジング40の軸支部41の外側(カバー部41bにより囲まれる空間)に固定された軸受け83を介してハウジング40に回転可能に軸支される部材である。
サンギヤ軸71の一端(軸受け83により軸支されている方の端部)の外周面には歯71a・71a・・・が形成される。歯71a・71a・・・はギヤ60の外周面に形成された歯60a・60a・・・に噛合する。
サンギヤ軸71の外周面の中途部には歯71b・71b・・・が形成される。
キャリア72はサンギヤ軸71に回転可能に軸支される部材であり、主としてディスク72a・72bおよび連結軸72c・72cを具備する。
ディスク72a・72bは中央部に孔が形成された円盤形状の部材である。ディスク72aの孔にはサンギヤ軸71が貫装され、ディスク72aはスラスト軸受け84を介してサンギヤ軸71に回転可能に軸支される。
連結軸72c・72cは丸棒状の部材である。連結軸72c・72cの一端はそれぞれディスク72aに固定され、連結軸72c・72cの他端はそれぞれディスク72bに固定される。従って、ディスク72aとディスク72bとは連結軸72c・72cにより相対回転不能に連結される。また、連結軸72c・72cはプラネタリギヤ73を回転可能に支持する。
プラネタリギヤ73・73はそれぞれ外周面に歯73a・73a・・・が形成された平歯車である。プラネタリギヤ73・73に形成された孔にはそれぞれ連結軸72c・72cが貫装される。
プラネタリギヤ73の歯73a・73a・・・はサンギヤ軸71に形成された歯71b・71b・・・に噛合する。
本実施形態のインホイールモータ1には、ハブキャリア91、ハブベアリング92・92・・・、ハブディスク93およびハブ94が設けられる。
ハブキャリア91およびハブベアリング92・92・・・はハブ94をインホイールモータ1のハウジング40に回転可能に軸支するための部材である。
ハブキャリア91は一端にフランジ91aが形成された略円筒形状の部材である。
ハブキャリア91のフランジ91aは図示せぬボルトによりハウジング40に固定される。このとき、遊星歯車機構70はハブキャリア91の内周面で囲まれる空間に収容される。
ハブベアリング92・92・・・は球状の部材であり、ハブキャリア91の外周面に当接するように配置される。
ハブディスク93は略円盤形状の部材であり、軸受け85を介してサンギヤ軸71の他端に回転可能に軸支される。また、ハブディスク93はボルトによりディスク72bに固定される。
ハブ94は図示せぬ車輪のホイールに固定される部材であり、本実施形態のハブ94は中央部に孔が形成された略円盤形状の部材である。
ハブ94の孔にはハブキャリア91が貫装され、ハブ94の孔の内周面とハブキャリア91の外周面とで挟まれる空間にはハブベアリング92・92・・・が介装される。
従って、ハブ94はハブベアリング92・92・・・を介してハブキャリア91、ひいてはインホイールモータ1に回転可能に軸支される。
また、ハブ94はハブディスク93に固定されており、ハブ94、ハブディスク93およびキャリア72は一体となってサンギヤ軸71に対して相対的に回転することが可能である。
インホイールモータ1のステータ30を構成するコイルに通電すると、ロータ20が固定された回転軸10が回転し、回転軸10の回転により発生する回転駆動力がギヤ60、サンギヤ軸71、プラネタリギヤ73・73、キャリア72、ハブディスク93およびハブ94を経て図示せぬ車輪のホイールに伝達され、当該車輪が回転駆動される。
以下では、図2から図8を用いて本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態について説明する。
図2に示す如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態は主としてステータ−ハウジング固定工程S1100、スペーサ−ロータ固定工程S1200、ハウジング側軸支工程S1300、キャップ側軸支工程S1400および通電工程S1500を具備する。
図3に示す如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態の開始前の段階では、回転軸10にはロータ20およびギヤ60が固定されるとともに軸受け81・82が嵌装されている。また、ハウジング40には遊星歯車機構70、軸受け83、スラスト軸受け84、ハブキャリア91、ハブベアリング92・92・・・、ハブディスク93およびハブ94が取り付けられている。さらに、キャップ50にはステータ固定部材55が固定されている。
ステータ−ハウジング固定工程S1100はステータ30をハウジング40に固定する工程である。
図4に示す如く、ステータ−ハウジング固定工程S1100では、ステータ30がハウジング40の開口部(ステータ固定部42の他端)からハウジング40の内部に収容され、ハウジング40の軸支部41に固定される。
ステータ−ハウジング固定工程S1100が終了したら、スペーサ−ロータ固定工程S1200に移行する。
スペーサ−ロータ固定工程S1200はスペーサ100をロータ20に固定する工程である。
スペーサ100は本発明に係る電動機組み立て用スペーサの第一実施形態であり、ドライアイスからなる略円筒形状の部材である。
「電動機組み立て用スペーサ」は電動機の組み立てに用いられる器具であり、電動機の組み立て時にロータとステータとの隙間に配置することにより、ロータがステータに接触することを防止する。
「電動機組み立て用スペーサ」は、電動機の組み立て温度において昇華、融解または融解を経て蒸発し得る材料からなる。
「電動機の組み立て環境」には、本発明に係る電動機組み立て方法および電動機組み立て用スペーサの対象たる電動機を組み立てるときの作業場所の雰囲気温度および圧力が含まれる。
電動機の組み立て環境における作業場所の雰囲気温度は通常は常温あるいは外気温に設定されるが、これらの温度に限定されるものではない。
電動機の組み立て環境における作業場所の圧力は、通常は常圧(外気圧と同じ圧力)に設定されるが、常圧に限定されるものではない。
「昇華」は固体が液体を経ずに気体に相転移する現象を指す。
「融解」は固体が液体に相転移する現象を指す。
「蒸発」は液体が気体に相転移する現象を指す。
本発明に係る電動機組み立て用スペーサを構成する材料はスペーサ100を構成する材料であるドライアイス(二酸化炭素を冷却して固体状とし、所定形状に成形したもの)に限定されない。
本発明に係る電動機組み立て用スペーサを構成する材料の他の例としては、氷、有機化合物を冷却して固化したもの等が挙げられる。
「有機化合物」の例としては、電動機の潤滑油等の油脂、炭化水素、アルコール等が挙げられる。
図5に示す如く、スペーサ−ロータ固定工程S1200では、回転軸10に固定されたロータ20にスペーサ100が嵌装され、固定される。
スペーサ−ロータ固定工程S1200が終了したら、ハウジング側軸支工程S1300に移行する。
ハウジング側軸支工程S1300はロータ20が固定された回転軸10の一端をハウジング40(より厳密には、軸支部41)に軸支する工程である。
図6に示す如く、ハウジング側軸支工程S1300では、ロータ20にスペーサ100を嵌装した状態で、ロータ20が固定された回転軸10をステータ30に挿入し、回転軸10の一端を軸受け81を介して軸支部41に軸支する。
ここで、ロータ20が固定された回転軸10をステータ30に挿入するときにはロータ20とステータ30との間に磁力が作用し、ロータ20が固定された回転軸10はステータ30の内部(ステータ30の内周面30aに囲まれる空間)に引き込まれることとなる。
従って、当該磁力により回転軸10の一端に固定されたギヤ60が軸支部41に勢いよく衝突して破損することを防止するためには、ロータ20が固定された回転軸10をステータ30に挿入するときにロータ20が固定された回転軸10の自重よりも大きい力で支持しなければならないという問題がある。
本実施形態のスペーサ100の厚さはロータ20とステータ30との隙間よりも大きく、スペーサ100の外径はステータ30の内径よりも大きい。
その結果、スペーサ100の外周部がステータ30の上側のエッジにより削り取られ、切削粉101(スペーサ100の外周部が削り取られてステータ30の上側のエッジに堆積したもの)を形成しつつ、回転軸10に固定されたロータ20がステータ30に挿入されることとなる。
従って、スペーサ100の外周部を削り取る際の剪断応力がロータ20とステータ30との間に作用する磁力に対する抵抗となってロータ20がステータ30の内部に引き込まれる速度が低下し、ひいては回転軸10の一端に固定されたギヤ60が軸支部41に衝突することを防止する(あるいは、ギヤ60が軸支部41に衝突する速度を低減する)ことが可能である。
ハウジング側軸支工程S1300が終了したら、キャップ側軸支工程S1400に移行する。
キャップ側軸支工程S1400はキャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する工程である。
図7に示す如く、キャップ側軸支工程S1400では、図示せぬボルトによりキャップ50がハウジング40に固定される。
また、ステータ30の内部に挿入された回転軸10の他端が軸受け82を介してキャップ50に軸支される。
従って、キャップ側軸支工程S1400が終了した時点では、スペーサ100は組み立てられたインホイールモータ1の内部に収容され、ロータ20とステータ30との隙間に配置された(挟まった)状態である。
キャップ側軸支工程S1400が終了したら、通電工程S1500に移行する。
通電工程S1500はインホイールモータ1に通電する工程である。
「電動機に通電する」とは、電動機を構成するロータおよびステータのうち電機子に相当するものに通電することを指し、本実施形態の場合はステータ30に通電することに相当する。
通電工程S1500においてステータ30に通電すると、ステータ30を構成するコイルが発熱し、ステータ30を構成するコイルが発生する熱がスペーサ100に伝わってスペーサ100の温度が上昇する。
その結果、ロータ20とステータ30との隙間に配置されたスペーサ100は昇華し、ロータ20とステータ30との隙間から除去される。
このように、ステータ30に通電することによりスペーサ100の昇華(ロータ20とステータ30との隙間からのスペーサ100の除去)を促進することが可能である。
なお、本実施形態ではステータ30に通電することによりスペーサ100の昇華を促進する構成としたが、スペーサ100は常温・常圧で保持していればいずれは昇華することから、通電工程S1500を省略してもロータ20とステータ30との隙間からスペーサ100を除去することは可能である。
ただし、作業効率の向上(インホイールモータ1の組み立て作業に要する時間の短縮)の観点からはステータ30に通電することが望ましい。
以上の如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態は、
回転軸10と、
回転軸10に固定されるロータ20と、
ロータ20に対して所定の間隔を空けて対向するステータ30と、
回転軸10の一端を回転可能に軸支する軸支部41、および一端が軸支部41により閉塞され、他端が開口されるとともに当該開口した他端から挿入されたステータ30が固定される筒状のステータ固定部42を有し、回転軸10、ロータ20およびステータ30を収容するハウジング40と、
ハウジング40のステータ固定部42の他端に着脱可能に固定されることにより、ステータ固定部42の他端を閉塞するとともにハウジング40に収容された回転軸10の他端を回転可能に軸支するキャップ50と、
を具備するインホイールモータ1を組み立てる電動機組み立て方法であって、
ドライアイスからなるスペーサ100がロータ20とステータ30との隙間に配置された状態で、ロータ20が固定された回転軸10の一端をステータ30が固定されたハウジング40に軸支し、かつキャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、ロータ20とステータ30との間に磁力が作用してもスペーサ100によりロータ20とステータ30との隙間が一定に保持されるので、回転軸10がハウジング40に対して傾斜することが無い。
従って、キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する作業を容易に行うことが可能であり、ひいてはインホイールモータ1を容易に組み立てることが可能である。
また、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるスペーサ100はドライアイスからなる。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、スペーサ100は、キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する作業を行うときにはロータ20とステータ30との隙間を一定に保持するが、キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する作業が完了してから所定の時間が経過すれば昇華して気体の二酸化炭素となり、自ずとロータ20とステータ30との隙間から除去される。
従って、キャップ50をハウジング40に固定した後はロータ20とステータ30との隙間からスペーサ100を除去するために特段の作業を行う必要が無い。
なお、スペーサが電動機の潤滑油を冷却して固体状としたものである場合には、スペーサは融解した後液体状の潤滑油として電動機の内部に残留することとなるが、当該電動機はその使用時において内部に潤滑油を充填することから特に問題はない。
また、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるスペーサ100の厚さは、ロータ20とステータ30との隙間よりも大きい。
このように構成することにより、スペーサ100の外周部を削り取る際の剪断応力がロータ20とステータ30との間に作用する磁力に対する抵抗となってロータ20がステータ30の内部に引き込まれる速度が低下し、ひいては回転軸10の一端に固定されたギヤ60が軸支部41に衝突することを防止する(あるいは、ギヤ60が軸支部41に衝突する速度を低減する)ことが可能である。
また、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態は、
ステータ30をハウジング40に固定するステータ−ハウジング固定工程S1100と、
スペーサ100をロータ20に固定するスペーサ−ロータ固定工程S1200と、
ロータ20が固定された回転軸10の一端をハウジング40に軸支するハウジング側軸支工程S1300と、
キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支するキャップ側軸支工程S1400と、
を具備する。
このように構成することにより、キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する作業を容易に行うことが可能であり、ひいてはインホイールモータ1を容易に組み立てることが可能である。
なお、本実施形態ではステータ−ハウジング固定工程S1100を先に行い、これが終了した後にスペーサ−ロータ固定工程S1200を行う構成としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、スペーサ−ロータ固定工程を先に行い、これが終了した後にステータ−ハウジング固定工程を行う構成としても良く、あるいはステータ−ハウジング固定工程およびスペーサ−ロータ固定工程を同時並行的に行う構成としても良い。
図8(a)に示す如く、本実施形態のスペーサ100の厚さはその高さ方向(スペーサ100がロータ20に固定されたときに、ロータ20が固定された回転軸10の軸線方向に一致する方向)において一定であるが、本発明はこれに限定されない。
例えば図8(b)に示す如く、ロータ20とステータ30との間に作用する磁力がロータ20の高さ方向(スペーサ100がロータ20に固定されたときに、ロータ20が固定された回転軸10の軸線方向に一致する方向)における略中央部において最大となる場合に、スペーサ100がロータ20に固定されたときに当該略中央部に対向する部分の厚さを他の部分よりも大きくしても良い。
このように構成することにより、ロータ20とステータ30との間に作用する磁力が大きくなったときにスペーサ100の外周部を削り取る際の剪断応力も大きくなるので、ロータ20がステータ30の内部に引き込まれる速度を効果的に低下させることが可能である。
また、図8(c)に示す如く、スペーサ100の厚さを高さ方向(スペーサ100がロータ20に固定されたときに、ロータ20が固定された回転軸10の軸線方向に一致する方向)において一定とし、スペーサ100の外周面に形成された複数の周方向(スペーサ100がロータ20に固定されたときに、ロータ20が固定された回転軸10の軸線方向に対して垂直な方向)の溝102・102・・・の間隔を適宜変更することにより、スペーサ100の外周部を削り取る際の剪断応力を調整することも可能である。
この場合、溝102・102・・・の間隔を狭くすればスペーサ100の外周部を削り取る際の剪断応力が小さくなり、溝102・102・・・の間隔を広くすればスペーサ100の外周部を削り取る際の剪断応力が大きくなる。
また、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態は、
インホイールモータ1に通電する通電工程S1500を具備する。
このように構成することにより、ロータ20とステータ30との隙間からのスペーサ100の除去を促進し、ひいてはインホイールモータ1の組み立て作業に要する時間を短縮することが可能である。
以上の如く、スペーサ100は、
回転軸10と、
回転軸10に固定されるロータ20と、
ロータ20に対して所定の間隔を空けて対向するステータ30と、
回転軸10の一端を回転可能に軸支する軸支部41、および一端が軸支部41により閉塞され、他端が開口されるとともに当該開口した他端から挿入されたステータ30が固定される筒状のステータ固定部42を有し、回転軸10、ロータ20およびステータ30を収容するハウジング40と、
ハウジング40のステータ固定部42の他端に着脱可能に固定されることにより、ステータ固定部42の他端を閉塞するとともにハウジング40に収容された回転軸10の他端を回転可能に軸支するキャップ50と、
を具備するインホイールモータ1を組み立てるために用いられる電動機組み立て用スペーサであって、
インホイールモータ1の組み立て環境において昇華、融解または融解を経て蒸発し得る材料を冷却することにより固体状としたものからなり、ロータ20とステータ30との隙間に配置された状態で回転軸10、ロータ20およびステータ30とともにハウジング40に収容される。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、ロータ20とステータ30との間に磁力が作用してもスペーサ100によりロータ20とステータ30との隙間が一定に保持されるので、回転軸10がハウジング40に対して傾斜することが無い。
従って、キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する作業を容易に行うことが可能であり、ひいてはインホイールモータ1を容易に組み立てることが可能である。
本実施形態のスペーサ100の外形は略円筒形状であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、スペーサを複数の湾曲した板状(瓦状)の部材からなる構成としても良い。
以下では、図9から図14を用いて本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態について説明する。
図9に示す如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態は主としてスペーサ−ステータ固定工程S2100、ステータ−ハウジング固定工程S2200、ハウジング側軸支工程S2300、キャップ側軸支工程S2400および通電工程S2500を具備する。
図10に示す如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態の開始前の段階では、回転軸10にはロータ20およびギヤ60が固定されるとともに軸受け81・82が嵌装されている。また、ハウジング40には遊星歯車機構70、軸受け83、スラスト軸受け84、ハブキャリア91、ハブベアリング92・92・・・、ハブディスク93およびハブ94が取り付けられている。さらに、キャップ50にはステータ固定部材55が固定されている。
スペーサ−ステータ固定工程S2100はスペーサ200をステータ30に固定する工程である。
図11に示す如く、スペーサ−ステータ固定工程S2100では、スペーサ200がステータ30に嵌装され、ステータ30に固定される。
スペーサ200は本発明に係る電動機組み立て用スペーサの第二実施形態であり、ドライアイスからなる略円筒形状の部材である。
スペーサ−ステータ固定工程S2100が終了したら、ステータ−ハウジング固定工程S2200に移行する。
ステータ−ハウジング固定工程S2200はステータ30をハウジング40に固定する工程である。
図12に示す如く、ステータ−ハウジング固定工程S2200では、ステータ30がハウジング40の開口部(ステータ固定部42の他端)からハウジング40の内部に収容され、ハウジング40の軸支部41に固定される。
ステータ−ハウジング固定工程S2200が終了したら、ハウジング側軸支工程S2300に移行する。
ハウジング側軸支工程S2300はロータ20が固定された回転軸10の一端をハウジング40(より厳密には、軸支部41)に軸支する工程である。
図13に示す如く、ハウジング側軸支工程S2300では、ロータ20にスペーサ200を嵌装した状態で、ロータ20が固定された回転軸10をステータ30に挿入し、回転軸10の一端を軸受け81を介して軸支部41に軸支する。
本実施形態のスペーサ200の厚さはロータ20とステータ30との隙間よりも大きく、スペーサ200の内径はロータ20の外径よりも小さい。
その結果、スペーサ200の内周部がロータ20の上側のエッジにより削り取られ、切削粉201(スペーサ200の内周部が削り取られてロータ20の上側のエッジに堆積したもの)を形成しつつ、回転軸10に固定されたロータ20がステータ30に挿入されることとなる。
従って、スペーサ200の内周部を削り取る際の剪断応力がロータ20とステータ30との間に作用する磁力に対する抵抗となってロータ20がステータ30の内部に引き込まれる速度が低下し、ひいては回転軸10の一端に固定されたギヤ60が軸支部41に衝突することを防止する(あるいは、ギヤ60が軸支部41に衝突する速度を低減する)ことが可能である。
ハウジング側軸支工程S2300が終了したら、キャップ側軸支工程S2400に移行する。
キャップ側軸支工程S2400はキャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する工程である。
図14に示す如く、キャップ側軸支工程S2400では、図示せぬボルトによりキャップ50がハウジング40に固定される。
また、ステータ30の内部に挿入された回転軸10の他端が軸受け82を介してキャップ50に軸支される。
従って、キャップ側軸支工程S2400が終了した時点では、スペーサ200は組み立てられたインホイールモータ1の内部に収容され、ロータ20とステータ30との隙間に配置された(挟まった)状態である。
キャップ側軸支工程S2400が終了したら、通電工程S2500に移行する。
通電工程S2500はインホイールモータ1(本実施形態の場合、より厳密にはステータ30)に通電する工程である。
通電工程S2500においてステータ30に通電すると、ステータ30を構成するコイルが発熱し、ステータ30を構成するコイルが発生する熱がスペーサ200に伝わってスペーサ200の温度が上昇する。
その結果、ロータ20とステータ30との隙間に配置されたスペーサ200は昇華し、ロータ20とステータ30との隙間から除去される。
このように、ステータ30に通電することによりスペーサ100の昇華(ロータ20とステータ30との隙間からのスペーサ100の除去)を促進することが可能である。
以上の如く、本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態は、
回転軸10と、
回転軸10に固定されるロータ20と、
ロータ20に対して所定の間隔を空けて対向するステータ30と、
回転軸10の一端を回転可能に軸支する軸支部41、および一端が軸支部41により閉塞され、他端が開口されるとともに当該開口した他端から挿入されたステータ30が固定される筒状のステータ固定部42を有し、回転軸10、ロータ20およびステータ30を収容するハウジング40と、
ハウジング40のステータ固定部42の他端に着脱可能に固定されることにより、ステータ固定部42の他端を閉塞するとともにハウジング40に収容された回転軸10の他端を回転可能に軸支するキャップ50と、
を具備するインホイールモータ1を組み立てる電動機組み立て方法であって、
ドライアイスからなるスペーサ200がロータ20とステータ30との隙間に配置された状態で、ロータ20が固定された回転軸10の一端をステータ30が固定されたハウジング40に軸支し、かつキャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、ロータ20とステータ30との間に磁力が作用してもスペーサ100によりロータ20とステータ30との隙間が一定に保持されるので、回転軸10がハウジング40に対して傾斜することが無い。
従って、キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する作業を容易に行うことが可能であり、ひいてはインホイールモータ1を容易に組み立てることが可能である。
また、本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態は、
スペーサ200をステータ30に固定するスペーサ−ステータ固定工程S2100と、
ステータ30をハウジング40に固定するステータ−ハウジング固定工程S2200と、
ロータ20が固定された回転軸10の一端をハウジング40に軸支するハウジング側軸支工程S2300と、
キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支するキャップ側軸支工程S2400と、
を具備する。
このように構成することにより、キャップ50をハウジング40に固定するとともに回転軸10の他端をキャップ50に軸支する作業を容易に行うことが可能であり、ひいてはインホイールモータ1を容易に組み立てることが可能である。
なお、本実施形態ではスペーサ−ステータ固定工程S2100を先に行い、これが終了した後にステータ−ハウジング固定工程S2200を行う構成としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、ステータ−ハウジング固定工程を先に行い、これが終了した後にスペーサ−ステータ固定工程を行う構成としても良い。
電動機の実施の一形態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態を示すフロー図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるステータ−ハウジング固定工程の開始前の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるステータ−ハウジング固定工程の終了時点の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるスペーサ−ロータ固定工程の終了時点の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるハウジング側軸支工程の終了時点の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第一実施形態におけるキャップ側軸支工程の終了時点の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て用スペーサの第一実施形態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態を示すフロー図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態におけるスペーサ−ステータ固定工程の開始前の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態におけるスペーサ−ステータ固定工程の終了時点の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態におけるステータ−ハウジング固定工程の終了時点の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態におけるハウジング側軸支工程の終了時点の状態を示す側面断面図。 本発明に係る電動機組み立て方法の第二実施形態におけるキャップ側軸支工程の終了時点の状態を示す側面断面図。
符号の説明
1 インホイールモータ(電動機)
10 回転軸
20 ロータ
30 ステータ
40 ハウジング
41 軸支部
42 ステータ固定部
50 キャップ
100 スペーサ(電動機組み立て用スペーサ)

Claims (13)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸に固定されるロータと、
    前記ロータに対して所定の間隔を空けて対向するステータと、
    前記回転軸の一端を回転可能に軸支する軸支部、および一端が前記軸支部により閉塞され、他端が開口されるとともに当該開口した他端から挿入された前記ステータが固定される筒状のステータ固定部を有し、前記回転軸、ロータおよびステータを収容するハウジングと、
    前記ハウジングのステータ固定部の他端に着脱可能に固定されることにより、前記ステータ固定部の他端を閉塞するとともに前記ハウジングに収容された回転軸の他端を回転可能に軸支するキャップと、
    を具備する電動機を組み立てる電動機組み立て方法であって、
    前記電動機の組み立て環境において昇華、融解または融解を経て蒸発し得る材料を冷却することにより固体状としたスペーサが前記ロータと前記ステータとの隙間に配置された状態で、前記ロータが固定された回転軸の一端を前記ステータが固定されたハウジングに軸支し、かつ前記キャップを前記ハウジングに固定するとともに前記回転軸の他端を前記キャップに軸支する電動機組み立て方法。
  2. 前記スペーサは、
    ドライアイス、氷、または前記電動機の潤滑油を冷却して固体状としたものからなる請求項1に記載の電動機組み立て方法。
  3. 前記スペーサの厚さは、
    前記ロータと前記ステータとの隙間よりも大きい請求項1または請求項2に記載の電動機組み立て方法。
  4. 前記スペーサにおいて前記ロータと前記ステータとの隙間に配置されたときに前記ロータと前記ステータとの間に作用する磁力が大きくなる部分の厚さは、
    前記スペーサにおける他の部分の厚さよりも大きい請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電動機組み立て方法。
  5. 前記ステータを前記ハウジングに固定するステータ−ハウジング固定工程と、
    前記スペーサを前記ロータに固定するスペーサ−ロータ固定工程と、
    前記ロータが固定された回転軸の一端を前記ハウジングに軸支するハウジング側軸支工程と、
    前記キャップを前記ハウジングに固定するとともに前記回転軸の他端を前記キャップに軸支するキャップ側軸支工程と、
    を具備する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電動機組み立て方法。
  6. 前記スペーサを前記ステータに固定するスペーサ−ステータ固定工程と、
    前記ステータを前記ハウジングに固定するステータ−ハウジング固定工程と、
    前記ロータが固定された回転軸の一端を前記ハウジングに軸支するハウジング側軸支工程と、
    前記キャップを前記ハウジングに固定するとともに前記回転軸の他端を前記キャップに軸支するキャップ側軸支工程と、
    を具備する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電動機組み立て方法。
  7. 前記電動機に通電する通電工程を具備する請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電動機組み立て方法。
  8. 回転軸と、
    前記回転軸に固定されるロータと、
    前記ロータに対して所定の間隔を空けて対向するステータと、
    前記回転軸の一端を回転可能に軸支する軸支部、および一端が前記軸支部により閉塞され、他端が開口されるとともに当該開口した他端から挿入された前記ステータが固定される筒状のステータ固定部を有し、前記回転軸、ロータおよびステータを収容するハウジングと、
    前記ハウジングのステータ固定部の他端に着脱可能に固定されることにより、前記ステータ固定部の他端を閉塞するとともに前記ハウジングに収容された回転軸の他端を回転可能に軸支するキャップと、
    を具備する電動機を組み立てるために用いられる電動機組み立て用スペーサであって、
    前記電動機の組み立て環境において昇華、融解または融解を経て蒸発し得る材料を冷却することにより固体状としたものからなり、前記ロータと前記ステータとの隙間に配置された状態で前記回転軸、ロータおよびステータとともに前記ハウジングに収容される電動機組み立て用スペーサ。
  9. ドライアイス、氷、または前記電動機の潤滑油を冷却して固体状としたものからなる請求項8に記載の電動機組み立て用スペーサ。
  10. 前記スペーサの厚さは、
    前記ロータと前記ステータとの隙間よりも大きい請求項8または請求項9に記載の電動機組み立て用スペーサ。
  11. 前記スペーサにおいて前記ロータと前記ステータとの隙間に配置されたときに前記ロータと前記ステータとの間に作用する磁力が大きくなる部分の厚さは、
    前記スペーサにおける他の部分の厚さよりも大きい請求項8から請求項10までのいずれか一項に記載の電動機組み立て用スペーサ。
  12. 前記ロータに固定される請求項8から請求項11までのいずれか一項に記載の電動機組み立て用スペーサ。
  13. 前記ステータに固定される請求項8から請求項11までのいずれか一項に記載の電動機組み立て用スペーサ。
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