以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態においては、露光装置EXが、例えば米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書、米国特許第6674510号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6710849号明細書及び米国特許第6674510号明細書等に開示されているような、基板Pを保持して移動可能な複数(2つ)の基板ステージ1、2を備えたツインステージ型の露光装置である場合を例にして説明する。すなわち、本実施形態においては、露光装置EXは、基板Pを保持して移動可能な第1基板ステージ1と、第1基板ステージ1と独立して、基板Pを保持して移動可能な第2基板ステージ2とを有する。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、基板Pを保持して移動可能な第1基板ステージ1と、第1基板ステージ1と独立して、基板Pを保持して移動可能な第2基板ステージ2と、マスクステージ3を移動するマスクステージ駆動システム4と、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2を移動する基板ステージ駆動システム5と、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2を移動可能に支持するガイド面11を有するプレート部材12と、各ステージ1、2、3の位置情報を計測するレーザ干渉計を含む干渉計システム6と、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の位置情報を計測するエンコーダシステム50を含む位置計測装置60と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。制御装置7には、露光に関する各種情報が記憶された記憶装置7Rが接続されている。
また、露光装置EXは、露光光ELが照射される第1位置を含む第1領域SP1を有する露光ステーションST1と、基板Pの位置情報を計測するための第2位置を含み、第1領域SP1と異なる第2領域SP2を有する計測ステーションST2とを備えている。露光ステーションST1は、基板Pの露光を行う。計測ステーションST2は、露光に関する所定の計測及び基板Pの交換を行う。
露光ステーションST1には、照明系IL、マスクステージ3及び投影光学系PL等が配置されている。投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子8は、露光光ELを射出する射出面(下面)を有する。露光光ELが照射される第1位置は、露光光ELを射出する第1光学素子8と対向する位置を含む。
計測ステーションST2には、基板Pの位置情報を取得するためのアライメントシステム9、及びフォーカス・レベリング検出システム10等、基板Pの露光に関する計測を実行可能な各種計測システムが配置されている。アライメントシステム9は、第2光学素子15を含む複数の光学素子を有し、それら光学素子を用いて、基板Pの位置情報を取得する。フォーカス・レベリング検出システム10も、複数の光学素子を有し、それら光学素子を用いて、基板Pの位置情報を取得する。基板Pの位置情報を計測するための第2位置は、第2光学素子15と対向する位置を含む。
第1、第2基板ステージ1、2のそれぞれは、第1領域SP1及び第2領域SP2を含むガイド面11の所定領域内を、基板Pを保持して移動可能である。本実施形態においては、ガイド面11は、XY平面とほぼ平行である。第1、第2基板ステージ1、2のそれぞれは、ガイド面11に沿って、露光ステーションST1と計測ステーションST2とを移動可能である。
位置計測装置60は、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測するエンコーダシステム50を備えている。エンコーダシステム50は、第1基板ステージ1に配置されたエンコーダヘッド51と、第2基板ステージ2に配置されたエンコーダヘッド52と、第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52のそれぞれと対向可能なグリッド板53、54とを備えている。なお、基板ステージに配置されたエンコーダヘッドとグリッド板とを備えたエンコーダシステムの例が、米国特許出願公開第2006/0227309号明細書に開示されている。
グリッド板53は、露光ステーションST1に配置される第1基板ステージ1のエンコーダヘッド51又は第2基板ステージ2のエンコーダヘッド52と対向可能な位置に配置されている。グリッド板53は、第1光学素子8を含む投影光学系PLの周囲の少なくとも一部に配置されている。グリッド板53は、下面55及び下面55と反対側の上面56を有する。グリッド板53は、露光ステーションST1に配置される第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52の上方に配置されている。エンコーダヘッド51、52は、グリッド板53の下面55と対向可能である。
グリッド板54は、計測ステーションST2に配置される第1基板ステージ1のエンコーダヘッド51又は第2基板ステージ2のエンコーダヘッド52と対向可能な位置に配置されている。グリッド板54は、第2光学素子15を含むアライメントシステム9及びフォーカス・レベリング検出システム10の周囲の少なくとも一部に配置されている。グリッド板54は、下面57及び下面57と反対側の上面58を有する。グリッド板54は、計測ステーションST2に配置される第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52の上方に配置されている。エンコーダヘッド51、52は、グリッド板54の下面57と対向可能である。
また、位置計測装置60は、グリッド板53の温度を調整する温度調整装置61、及びグリッド板54の温度を調整する温度調整装置62を備えている。温度調整装置61の少なくとも一部は、グリッド板53の上面56側に配置されている。温度調整装置62の少なくとも一部は、グリッド板54の上面58側に配置されている。
また、本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。露光装置EXは、露光光ELの光路の少なくとも一部を液体LQで満たすように、液体LQで液浸空間LSを形成可能なノズル部材(シール部材)14を備えている。液浸空間LSは、液体LQで満たされた空間である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。本実施形態において、ノズル部材14は、例えば米国特許公開第2004/136494号明細書等に開示されているようなシール部材を含む。ノズル部材14は、第1光学素子8の近傍に配置されており、第1光学素子8と対向する第1位置に配置された物体の表面と対向可能な下面14Aを有する。ノズル部材14は、第1光学素子8と対向する第1位置に配置された物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。第1位置に配置される物体は、第1、第2基板ステージ1、2及び第1、第2基板ステージ1、2に保持される基板Pを含む。少なくとも基板Pの露光時に、ノズル部材14は、投影光学系PLの投影領域を含む基板Pの表面の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように液浸空間LSを形成する。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。露光装置EXは、基板Pを投影光学系PLの投影領域に対して所定の走査方向に移動するとともに、その基板Pの移動と同期して、照明系ILの照明領域に対してマスクMを所定の走査方向に移動しつつ、投影光学系PLと液体LQとを介して基板Pを露光光ELで露光する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
露光装置EXは、例えばクリーンルーム内の床面上に配置されたコラム16及びコラム16上に防振装置17を介して配置された支持フレーム18を含むボディ19を備えている。コラム16は、防振装置21を介してプレート部材12を支持する支持面20を有する。支持フレーム18は、投影光学系PL、アライメントシステム9及びフォーカス・レベリング検出システム10等を支持する。また、本実施形態においては、支持フレーム18は、エンコーダシステム50のグリッド板53、54を支持する。
照明系ILは、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、ArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージ3は、リニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動システム4により、マスクMを保持しながら、X軸、Y軸及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。マスクステージ3(マスクM)の位置情報は、干渉計システム6のレーザ干渉計6Mによって計測される。レーザ干渉計6Mは、マスクステージ3に設けられた計測ミラー3Rを用いて、マスクステージ3のX軸、Y軸及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測する。制御装置7は、干渉計システム6の計測結果に基づいて、マスクステージ駆動システム4を作動し、マスクステージ3(マスクM)の位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は鏡筒で保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸方向と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
次に、図1及び図2を参照して第1、第2基板ステージ1、2について説明する。図2は、第1、第2基板ステージ1、2を模式的に示した平面図である。図1及び図2において、第1基板ステージ1は、ステージ本体22と、ステージ本体22に支持され、基板Pを着脱可能な基板ホルダ23Hを有する第1基板テーブル23とを有する。ステージ本体22の下面には、例えば国際公開第2006/009254号パンフレットに開示されているような、気体軸受を備えた支持装置25が設けられている。第1基板ステージ1は、支持装置25によって形成された気体軸受によって、ガイド面11に非接触で支持される。
第1基板テーブル23は、凹部23Cを有する。基板ホルダ23Hは、凹部23Cに配置されている。基板ホルダ23Hは、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行になるように、基板Pを保持する。第1基板テーブル23は、凹部23Cの周囲に配置された上面27を有する。上面27は、ほぼ平坦である。基板ホルダ23Hに保持された基板Pの表面と、上面27とは、ほぼ同一平面内に配置される(面一である)。第1基板ステージ1は、基板ステージ駆動システム5により、基板Pを保持しながら、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
第2基板ステージ2は、ステージ本体28と、ステージ本体28に支持され、基板Pを着脱可能な基板ホルダ29Hを有する第2基板テーブル29とを有する。ステージ本体28の下面には、例えば国際公開第2006/009254号パンフレットに開示されているような、気体軸受を備えた支持装置31が設けられている。第2基板ステージ2は、支持装置31によって形成された気体軸受によって、ガイド面11に非接触で支持される。
第2基板テーブル29は、凹部29Cを有する。基板ホルダ29Hは、凹部29Cに配置されている。基板ホルダ29Hは、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行になるように、基板Pを保持する。第2基板テーブル29は、凹部29Cの周囲に配置された上面33を有する。上面33は、ほぼ平坦である。基板ホルダ29Hに保持された基板Pの表面と、上面33とは、ほぼ同一平面内に配置される(面一である)。第2基板ステージ2は、基板ステージ駆動システム5により、基板Pを保持しながら、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ駆動システム5は、リニアモータ等のアクチュエータを含み、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれを移動可能である。基板ステージ駆動システム5は、ステージ本体22及びステージ本体28のそれぞれをX軸、Y軸及びθZ方向に移動する粗動システムと、ステージ本体22に対して第1基板テーブル23をZ軸、θX及びθY方向に移動する微動システムと、ステージ本体28に対して第2基板テーブル29をZ軸、θX及びθY方向に移動する微動システムとを含む。第1、第2基板ステージ1、2は、粗動システムによって、露光ステーションST1と計測ステーションST2とを移動可能である。第1、第2基板テーブル23、29のそれぞれは、粗動システム及び微動システムによって、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
干渉計システム6は、露光ステーションST1に配置されている第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測する第1干渉計ユニット6Aと、計測ステーションST2に配置されている第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測する第2干渉計ユニット6Bとを備えている。第1、第2基板テーブル23、29はそれぞれ、計測ミラー1R、2Rを備えている。第1、第2干渉計ユニット6A、6Bはそれぞれ、計測ミラー1R、2Rを用いて、露光ステーションST1、計測ステーションST2のそれぞれに配置されている第1、第2基板ステージ1、2のX軸、Y軸及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測する。なお、干渉計システム6が、例えば米国特許第6674510号明細書、米国特許第6208407号明細書等に開示されているような、第1、第2基板ステージ1、2のZ軸方向の位置情報を計測可能なレーザ干渉計(Z干渉計)を備えることができる。
アライメントシステム9は、基板Pの位置情報を計測する。第1、第2基板ステージ1、2は、基板Pを保持して、第2光学素子15と対向する第2位置に移動可能である。アライメントシステム9は、基板Pの位置情報を取得するために、第2光学素子15を介して、基板Pのアライメントマーク、又は第1、第2基板テーブル23、29の上面27、33に配置されている基準マークを検出する。
フォーカス・レベリング検出システム10は、計測ステーションST2に配置され、第1、第2基板テーブル23、29に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX及びθY方向に関する面位置情報)を検出する。図1に示すように、フォーカス・レベリング検出システム10は、計測ステーションST2に配置された第1、第2基板テーブル23、29に保持されている基板Pの表面に斜め方向から検出光を照射する投射装置10Aと、基板Pの表面に照射され、その基板Pの表面で反射した検出光を受光可能な受光装置10Bとを有する。
次に、エンコーダシステム50を含む位置計測装置60について説明する。位置計測装置60は、グリッド板53、54と、第1、第2基板ステージ1、2に配置され、グリッド板53、54の下面55、57と対向するエンコーダヘッド51、52と、グリッド板53、54の温度を調整する温度調整装置61、62とを備えている。
エンコーダヘッド51は、第1基板テーブル23に保持される基板P(基板ホルダ23H)の周囲に複数配置されている。同様に、エンコーダヘッド52は、第2基板テーブル29に保持される基板P(基板ホルダ29H)の周囲に複数配置されている。本実施形態において、エンコーダヘッド51は、第1基板テーブル23の上面27に複数配置されている。同様に、エンコーダヘッド52は、第2基板テーブル29の上面33に複数配置されている。本実施形態においては、例えば図2に示すように、エンコーダヘッド51は、上面27の4つの隅のそれぞれに配置され、エンコーダヘッド52は、上面33の4つの隅のそれぞれに配置されている。
グリッド板53、54は、例えばセラミックス、又は低膨張ガラス等、同一の材料で形成されている。グリッド板53、54は、反射型の回折格子を含む。回折格子は、X軸方向及びY軸方向に周期的な二次元格子を含む。回折格子は、グリッド板53、54の下面55、57に配置されている。本実施形態において、下面55、57のそれぞれは、XY平面とほぼ平行である。また、グリッド板53の下面55とグリッド板54の下面57とはZ軸方向に関してほぼ同じ位置に配置される。すなわち、グリッド板53の下面55とグリッド板54の下面57とはほぼ同一平面内に配置される(面一である)。
図1に示すように、グリッド板53、54のそれぞれは、支持部材53S、54Sを介して、支持フレーム18に支持されている。支持部材53S、54Sは、ロッド部材であり、断熱性の材料で形成されている。支持フレーム18は、第1、第2基板ステージ1、2と対向可能な下面18Sを有する。支持部材53S、54Sは、支持フレーム18の下面18Sに接続されている。支持フレーム18は、支持部材53S、54Sで、グリッド板53、54の上面56、58の少なくとも一部を支持する。支持フレーム18は、グリッド板53、54の下面55、57とXY平面とがほぼ平行となるように、支持部材53S、54Sを介してグリッド板53、54の上面56、58を支持する。
グリッド板53は、露光ステーションST1に存在する第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52と対向可能な位置に配置される。本実施形態において、グリッド板53は、第1光学素子8を含む投影光学系PLを配置可能な開口53Kを有する。グリッド板53(グリッド板53の下面55)は、第1光学素子8を含む投影光学系PLの周囲に配置されている。グリッド板54は、計測ステーションST2に存在する第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52と対向可能な位置に配置される。本実施形態において、グリッド板54は、第2光学素子15を含むアライメントシステム9及びフォーカス・レベリング検出システム10を配置可能な開口54Kを有する。グリッド板54(グリッド板54の下面57)は、第2光学素子15を含むアライメントシステム9及びフォーカス・レベリング検出システム10の周囲に配置されている。
なお、グリッド板53及びグリッド板54の少なくとも一方が、例えば米国特許出願公開第2006/0227309号明細書に開示されているように、複数のプレート部材で構成されていてもよい。
エンコーダシステム50は、エンコーダヘッド51と二次元格子を含むグリッド板53、54とによって、XY平面内における第1基板ステージ1の位置情報を計測可能である。エンコーダシステム50は、複数のエンコーダヘッド51とグリッド板53、54とを対向させて計測動作を実行することによって、それら複数のエンコーダヘッド51の計測結果に基づいて、第1基板ステージ1のX軸、Y軸及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測可能である。同様に、エンコーダシステム50は、エンコーダヘッド52と二次元格子を含むグリッド板53、54とによって、XY平面内における第2基板ステージ2の位置情報を計測可能である。エンコーダシステム50は、複数のエンコーダヘッド52とグリッド板53、54とを対向させて計測動作を実行することによって、それら複数のエンコーダヘッド52の計測結果に基づいて、第2基板ステージ2のX軸、Y軸及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測可能である。
本実施形態においては、グリッド板53の下面55は、ノズル部材14の上面14Bより高い。すなわち、グリッド板53の下面55は、基板Pの表面に対して、ノズル部材14の上面14Bより遠い。同様に、グリッド板54の下面57は、ノズル部材14の上面14Bより高い。
また、本実施形態において、エンコーダヘッド51の上面(計測光の射出面)は、第1基板テーブル23の上面27より高く、グリッド板51、52の下面55、57に近い。同様に、エンコーダヘッド52の上面(計測光の射出面)は、第2基板テーブル29の上面33より高く、グリッド板51、52の下面55、57に近い。
次に、グリッド板53、54の温度を調整する温度調整装置61、62について説明する。図3は、露光ステーションST1のグリッド板53の温度を調整する温度調整装置61の一例を示す図である。本実施形態において、温度調整装置61と温度調整装置62とはほぼ同等の構成を有する。以下の説明においては、主に温度調整装置61について説明し、温度調整装置62に関する説明を省略する。
図3において、温度調整装置61は、グリッド板53の上面56に温度調整用の気体を供給する供給口63を備えている。グリッド板53は、支持部材53Sを介して支持フレーム18に支持され、グリッド板53の上面56と支持フレーム18の下面18Sとは対向する。供給口63は、グリッド板53の上面56と対向する支持フレーム18の下面18Sの一部に配置されている。
本実施形態において、供給口63は、露光光ELの光路(投影光学系PLの光軸AX)の周囲に複数配置されている。本実施形態において、供給口63は、露光光ELの光路の周囲に配置された複数の第1供給口63Aと、露光光ELの光路に対して第1供給口63Aの外側で、露光光ELの光路の周囲に配置された複数の第2供給口63Bとを含む。
本実施形態において、グリッド板53の上面56と支持フレーム18の下面18Sとの間には所定の空間(ギャップ)65が形成される。支持フレーム18は、支持フレーム18の下面18Sとグリッド板53の上面56との間に空間65が形成されるように、支持部材53Sを介してグリッド板53を支持する。供給口63(63A、63B)は、その空間65に温度調整用の気体を供給する。
温度調整装置61は、流路を介して供給口63(63A、63B)と接続された気体供給装置66を備えている。気体供給装置66は、供給する気体の温度を調整可能な温度調整器及び気体中の異物を捕集するフィルタユニット等を備えており、清浄で温度調整された気体を供給可能である。気体供給装置66から送出された気体は、流路を介して、供給口63に供給される。供給口63は、気体供給装置66からの気体を、グリッド板53の上面56に向けて供給する。また、気体供給装置66は、供給口63からの単位時間当たりの気体供給量(流速)を調整することができる。
また、温度調整装置61は、グリッド板53の上面56と支持フレーム18の下面18Sとの間の気体を回収する回収口64を有する。回収口64は、支持フレーム18の下面18Sの一部に配置されている。供給口63から供給された気体の少なくとも一部は、回収口64より回収される。
本実施形態において、回収口64は、露光光ELの光路(投影光学系PLの光軸AX)に対して供給口63の内側に配置されている。回収口64は、露光光ELの光路の周囲に複数配置されている。
温度調整装置61は、流路を介して回収口64と接続された吸引装置67を備えている。吸引装置67は、真空システムを含み、回収口64及び流路を介して、グリッド板53の上面56と支持フレーム18の下面18Sとの間の気体の少なくとも一部を回収可能である。また、吸引装置67は、回収口64からの単位時間当たりの気体回収量を調整することができる。
温度調整装置61は、供給口63を用いる気体供給動作を実行して、所定温度に調整された気体をグリッド板63に供給することによって、そのグリッド板63の温度を調整することができる。また、温度調整装置61は、供給口63を用いる気体供給動作の少なくとも一部と並行して、回収口64を用いる気体回収動作を実行することによって、グリッド板63の温度をより良好に調整することができる。
また、温度調整装置61は、供給口63を用いる気体供給動作の少なくとも一部と並行して、回収口64を用いる気体回収動作を実行することによって、グリッド板53の上面56と支持フレーム18の下面18Sとの間の空間65における気体の流れを調整することができる。本実施形態においては、供給口63から供給された気体は、グリッド板53の上面56と支持フレーム18の下面18Sとの間を、投影光学系PLの光軸AX(開口53K)に向かって流れ、開口53Kに到達する前に、回収口64より回収される。
本実施形態においては、露光光ELの光路に対して供給口63の内側に回収口64が配置されている。換言すれば、回収口64は、供給口63より投影光学系PL(開口53K)に近い位置に配置されている。したがって、温度調整装置61は、回収口64を用いる気体回収動作を実行することによって、グリッド板53の上面55側の空間65の気体が、開口53Kを介して、グリッド板53の下面55側の空間68に供給されることを抑制することができる。
下面55側の空間68は、第1光学素子8から射出される露光光ELの光路を含む空間、液浸空間LS、基板Pが配置される空間、及びエンコーダユニット51(52)の計測光の光路を含む空間を含む。本実施形態においては、グリッド板53の上面56側の空間65の気体が、下面55側の空間68に供給されないように、温度調整装置61の気体供給装置66及び吸引装置67が制御されるので、換言すれば、上面56側の空間65の気体が下面55側の空間68に供給されないように、供給口63を用いる気体供給動作及び回収口64を用いる気体回収動作が調整されるので、上面56側の空間65の気体が、露光光ELの光路を含む空間、液浸空間LS、基板Pが配置される空間、及びエンコーダユニット51(52)の計測光の光路を含む空間に流れ込むことを抑制することができる。
同様に、詳細な説明は省略するが、計測ステーションST2においては、グリッド板54の上面58側の空間(グリッド板54の上面58と支持フレーム18の下面18Sとの間の空間)が、下面57側の空間に供給されることが抑制される。下面57側の空間は、アライメントシステム9及びフォーカス・レベリング検出システム10を含む各種計測システムの計測光の光路を含む空間、基板Pが配置される空間、及びエンコーダユニット51(52)の計測光の光路を含む空間の少なくとも一つを含む。
次に、上述の構成を有する露光装置の動作の一例について説明する。
グリッド板53、54が支持フレーム18に支持されるとともに、エンコーダヘッド51、52が第1、第2基板ステージ1、2に配置される。制御装置7は、温度調整装置61、62を用いて、グリッド板53、54の温度調整動作を開始する。
また、例えば計測ステーションST2に存在する第2基板ステージ2に露光前の基板Pがロードされる。第2基板ステージ2は、ロードされた基板Pを基板ホルダ29Hに保持する。制御装置7は、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理を開始する。
一方、露光ステーションST1には、計測ステーションST2での計測処理を既に終えた基板Pを保持した第1基板ステージ1が配置されている。制御装置7は、露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光を開始する。制御装置7は、第1基板ステージ1に保持された基板Pを露光する動作と、第2基板ステージ2に保持された基板Pを計測する動作の少なくとも一部とを並行して行う。
制御装置7は、露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの液浸露光を実行する。制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて、露光ステーションST1において第1基板ステージ1を移動しつつ、その第1基板ステージ1に保持されている基板Pを、投影光学系PLと液体LQとを介して露光する。
露光ステーションST1において第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光処理が実行されている間、計測ステーションST2において第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理が実行される。制御装置7は、計測ステーションST2に配置されている第2基板ステージ2に保持されている基板Pの位置情報を計測する。
基板P上には、複数のショット領域が配置されている。基板Pの位置情報は、複数のショット領域のX軸、Y軸及びθZ方向の位置情報を含む。制御装置7は、第2基板ステージ2に保持されている基板P上の複数のショット領域のX軸、Y軸及びθZ方向の位置情報の計測処理を開始する。
例えば図2に示すように、制御装置7は、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2のエンコーダヘッド52及びグリッド板54を用いて、基板Pを保持した第2基板ステージ2のXY平面内における位置情報を計測しつつ、アライメントシステム9を用いて、第2基板ステージ2の一部に配置されている基準マーク、及び基板Pの各ショット領域に対応するように基板Pに設けられたアライメントマークを検出する。そして、制御装置7は、所定の基準位置に対する基板P上の複数のショット領域のそれぞれの位置情報を演算処理によって求める。制御装置7は、エンコーダシステム50によって規定される座標系における、所定の基準位置に対する各ショット領域の位置情報を求める。また、制御装置7は、フォーカス・レベリング検出システム10を用いて、所定の基準面に対する基板Pの面位置情報(Z軸、θX及びθY方向の位置情報)を求める。
露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光処理が完了し、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理が完了した後、制御装置7は、計測ステーションST2の第2領域SP2から露光ステーションST1の第1領域SP1への第2基板ステージ2の移動を開始する。
制御装置7は、第2基板ステージ2を第2領域SP2から第1領域SP1へ移動しているときにも、第1基板ステージ1を第1光学素子8と対向する第1位置に配置する。これにより、第2基板ステージ2が第2領域SP2から第1領域SP1へ移動する動作を実行中においても、液浸空間LSの液体LQは、第1光学素子8と第1基板ステージ1(基板P)との間に保持され続ける。以上の動作により、図4に示すように、露光ステーションST1の第1領域SP1に、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2との両方が配置される。
次に、制御装置7は、第2基板ステージ2の基板Pを液浸露光するために、基板ステージ駆動システム5を用いて、第1基板ステージ1と第1光学素子8とが対向する状態(第1基板ステージ1と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態)から、第2基板ステージ2と第1光学素子8とが対向する状態(第2基板ステージ2と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態)に変化させる。本実施形態においては、例えば国際公開第2005/074014号パンフレットに開示されているように、基板ステージ駆動システム5は、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の少なくとも一方が、第1光学素子8との間で液体LQを保持可能な空間を形成し続けるように、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを接近又は接触させた状態で移動させる。これにより、図4に示すような、第1基板ステージ1と第1光学素子8とが対向し、第1基板ステージ1と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態から、図5に示すような、第2基板ステージ2と第1光学素子8とが対向し、第2基板ステージ2と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態に変化する。
その後、制御装置7は、第2基板ステージ2と第1光学素子8とを対向させた状態を維持しつつ、基板ステージ駆動システム5を制御して、第1基板ステージ1を計測ステーションST2に移動する。
制御装置7は、露光ステーションST1において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの液浸露光を実行する。制御装置7は、エンコーダシステム50を用いて第2基板ステージ2の位置情報を計測し、その計測結果に基づいて、基板ステージ駆動システム5を用いて第2基板ステージ2の位置を調整して、第2基板ステージ2に保持されている基板P上の複数のショット領域のそれぞれを投影光学系PLと液体LQとを介して順次露光する。また、制御装置7は、第2基板ステージ2上の基板Pを露光する際、アライメントシステム9及びフォーカス・レベリング検出システム10の検出結果を含む計測ステーションST2における計測結果を用いて、露光ステーションST1において第2基板ステージ2の位置を調整しつつ基板Pを露光する。
一方、計測ステーションST2に移動した第1基板ステージ1に保持されている基板Pは、基板交換位置においてアンロードされ、露光前の新たな基板Pが第1基板ステージ1にロードされる。制御装置7は、計測ステーションST2において、第1基板ステージ1にロードされた基板Pの計測処理等を開始する。以下、上述した処理と同様の処理が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態によれば、温度調整装置61、62によって、グリッド板53、54の温度を調整することができる。したがって、グリッド板53、54を所望の温度に維持することができる。
グリッド板53、54の温度が目標温度と異なったり、変化したりすると、例えばグリッド板53、54が熱変形したり、エンコーダヘッド51、52の計測光の光路上の雰囲気の温度揺らぎ(屈折率変動)が生じたりして、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を精確に計測できなくなる可能性がある。また、グリッド板53によって、露光光ELの光路上の雰囲気の温度揺らぎ(屈折率変動)が生じる可能性もある。また、グリッド板53によって、露光ステーションST1の基板Pの温度が変化したり、基板Pが熱変形したりする可能性がある。また、グリッド板54によって、計測ステーションST2の基板Pの温度が変化したり、基板Pが熱変形したり、アライメントシステム9、フォーカス・レベリング検出システム10等の計測光の光路上の雰囲気の温度揺らぎ(屈折率変動)が生じたりする可能性がある。上述のようなグリッド板53、54に起因する不具合が発生すると、例えば基板Pに形成されるパターンに欠陥が生じる等、パターン形成不良(露光不良)が発生し、不良デバイスが発生する可能性がある。
本実施形態によれば、グリッド板53、54を所望の温度に維持することができるので、パターン形成不良(露光不良)の発生を抑制し、不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、供給口63から供給される気体によって、グリッド板53、54の温度を良好に調整することができる。また本実施形態によれば、回収口64によって、グリッド板53の上面56側の空間65の気体が下面55側の空間68に供給されることが抑制されているので、露光精度及び計測精度の低下を抑制することができる。上面56側の空間65の気体が下面55側の空間68に供給されると、空間68において気体の流れが発生し、その気体の流れによって、基板Pに対する露光光ELの照射状態が変化したり、エンコーダヘッド51(52)から射出される計測光の照射状態が変化したりする可能性がある。また、本実施形態のように、下面55側の空間68が液浸空間LSを含む場合、上面56側の空間65の気体が下面55側の空間68に供給されると、例えば気化熱が発生し、基板Pが熱変形したり、露光光EL及びエンコーダユニット51(52)の計測光の光路上の雰囲気の温度揺らぎ(屈折率変動)が生じたりする可能性がある。
本実施形態によれば、回収口64を設けたので、上述の不具合の発生を抑制できる。したがって、パターン形成不良(露光不良)の発生を抑制し、不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、本実施形態においては、エンコーダヘッド51、52の上面が、第1、第2基板テーブル23、29の上面27、33よりグリッド板53、54の下面55、57に近い位置に配置されるので、すなわち、エンコーダヘッド51、52から射出される計測光の光路の長さが短いので、エンコーダシステム50の計測精度の低下を抑制できる。
また、本実施形態においては、グリッド板53の下面55が、基板Pの表面に対してノズル部材14の上面14Bより遠いので、ノズル部材14等の各種部材を投影光学系PLの周囲に円滑に配置することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
なお、以下の実施形態においては、露光ステーションST1に配置されるグリッド板53の温度を調整する場合について主に説明するが、計測ステーションST2に配置されるグリッド板54の温度を調整する場合も同様である。
図6は、第2実施形態に係る位置計測装置60Bを示す図である。図6において、位置計測装置60Bは、支持フレーム18に支持されたグリッド板53の温度を調整する温度調整装置61Bを備えている。本実施形態において、温度調整装置61Bは、支持フレーム18の温度を調整する。
本実施形態において、温度調整装置61Bは、支持フレーム18の内部に形成された内部流路18Rと、その内部流路18Rに温度調整用の流体を供給する流体供給装置70とを含む。本実施形態において、流体供給装置70は、温度調整用の液体を供給する。なお、流体供給装置70が、温度調整用の気体を供給してもよい。
流体供給装置70は、清浄で温度調整された流体を送出する。流体供給装置70から送出された流体は、内部流路18Rを流れる。なお、本実施形態においては、内部流路18Rを流れた流体は、流体供給装置70に戻される。これにより、支持フレーム18の少なくとも下面18Sの温度が調整される。グリッド板53は、支持フレーム18の下面18Sの輻射熱によって温度調整される。本実施形態においても、グリッド板53の温度を良好に調整することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7は、第3実施形態に係る位置計測装置60Cの一例を示す図である。第3実施形態の位置計測装置60Cは、上述の第1実施形態の位置計測装置60の変形例であり、温度調整用の気体を供給する供給口63(63A、63B)及び気体を回収する回収口64を含む温度調整装置61を備えている。上述の第1実施形態においては、グリッド板53の下面55が、基板Pの表面に対してノズル部材14の上面14Bより遠く、基板Pの表面とグリッド板53の下面55との距離が、基板Pの表面とノズル部材14の下面14Aとの距離より十分に大きい場合について説明したが、図7に示すように、グリッド板53の下面55が、基板Pの表面に対してノズル部材14の上面14Bより近くてもよい。その場合、図7に示すように、エンコーダヘッド51の上面が第1基板ステージ1の上面27とほぼ同じ高さになるように、あるいはエンコーダヘッド51の上面が第1基板テーブル23の上面27より低くなるように、エンコーダヘッド51を第1基板ステージ1に配置することができる。
また、本実施形態においては、グリッド板53の下面55が、基板Pの表面に対してノズル部材14の下面14Aより遠い。すなわち、本実施形態においては、基板Pの表面とグリッド板53の下面55との距離が、基板Pの表面とノズル部材14の下面14Aとの距離より僅かに大きい。例えば、基板Pの表面に対して、グリッド板53の下面55のほうが、ノズル部材14の下面14Aより1〜2mm程度高い。これにより、液浸空間LSの液体LQがグリッド板53に付着することを抑制することができる。また、基板Pの表面とグリッド板53の下面55との距離が小さいと、例えば毛管現象によって、基板Pの表面とグリッド板53の下面55との間に液体LQが浸入し易くなる可能性がある。そのため、基板Pの表面とグリッド板53の下面55との距離を、基板Pの表面とノズル部材14の下面14Aとの距離より大きくすることによって、液体LQの浸入を抑制することができる。
また、本実施形態においては、グリッド板53の少なくとも一部をノズル部材14と基板Pとの間に配置することができるので、グリッド板53に対してエンコーダヘッド51が計測可能な領域を大きくすることができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図8は、第4実施形態に係る位置計測装置60Dの一例を示す図である。図8において、位置計測装置60Dは、グリッド板53の温度を調整する温度調整装置61Dを備えている。温度調整装置61Dは、グリッド板53の上面56側に配置され、内部流路71Rを有する流路形成部材71と、内部流路71Rに温度調整用の流体を供給する流体供給装置72とを備えている。流体供給装置72は、温度調整用の液体を供給する。なお、流体供給装置72が、温度調整用の気体を供給してもよい。
流路形成部材71は、グリッド板53の上面56と接触している。流体供給装置72は、清浄で温度調整された流体を送出する。流体供給装置72から送出された流体は、内部流路71Rを流れる。なお、本実施形態において、内部流路71Rを流れた流体は、流体供給装置72に戻される。これにより、流路形成部材71の外面の温度が調整され、その流路形成部材71の外面(下面)と接触するグリッド板53の温度が調整される。本実施形態においても、グリッド板53の温度を良好に調整することができる。
なお、本実施形態において、流路形成部材71とグリッド板53とが離れていてもよい。例えば、流路形成部材71を支持フレーム18で支持してもよい。この場合、グリッド板53は、流路形成部材71の外面(下面)の輻射熱によって温度調整される。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、第5実施形態に係る位置計測装置60Eの一例を示す図である。図9において、位置計測装置60Eは、グリッド板53の温度を調整する温度調整装置61Eを備えている。温度調整装置61Eは、グリッド板53の上面56側に配置されるペルチェ素子73を含む。図9において、ベルチェ素子73は、グリッド板53の上面56と接触している。なお、ベルチェ素子73とグリッド板53とが離れていてもよい。例えばベルチェ素子73を支持フレーム18で支持してもよい。本実施形態においても、グリッド板53の温度を良好に調整することができる。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図10は、第6実施形態に係る位置計測装置60Fの一例を示す図である。第6実施形態の位置計測装置60Fは、上述の第3実施形態の位置計測装置60Cの変形例であり、温度調整用の気体を供給する供給口63(63A、63B)及び気体を回収する回収口64を含む温度調整装置61を備えている。
本実施形態において、位置計測装置60Fは、グリッド板53の温度を検出する温度センサ74を備えている。温度センサ74は、グリッド板53の上面56側に配置されている。本実施形態において、温度センサ74は、グリッド板53の上面56と接触した状態で、グリッド板53の温度を検出する。すなわち、本実施形態の温度センサ74は、接触方式である。なお、温度センサ74が、非接触方式でもよい。
温度センサ74の検出結果は、制御装置7に出力される。制御装置7は、温度センサ74の検出結果に基づいて、温度調整装置61を用いる温度調整動作を実行する。制御装置7は、温度センサ74の検出結果に基づいて、温度調整装置61の気体供給装置66を制御して、その気体供給装置66から送出される気体の温度を調整する。これにより、制御装置7は、グリッド板53を所望の温度に調整できる。
本実施形態において、制御装置7は、温度センサ74の検出結果に基づいて、エンコーダシステム50による第1基板ステージ1の位置計測値を補正することができる。制御装置7に接続されている記憶装置7Rには、基準温度とグリッド板53の温度との関係(温度差)と、その温度差に応じたXY方向に関するグリッド板53の熱変形量との関係が予め記憶されている。なお、記憶装置7Rに記憶される情報は、例えば実験(シミュレーション実験を含む)によって予め取得可能である。実験は、グリッド板53の温度を検出することと、その温度に応じたグリッド板53の熱変形量を計測することとを含む。制御装置7は、記憶装置7Rの記憶情報と、温度センサ74の検出結果(基準温度に対するグリッド板53の温度)とに基づいて、エンコーダシステム50による第1基板ステージ1の位置計測値を補正することによって、第1基板ステージ1の実際の位置情報をより精度良く求めることができる。例えば、温度調整装置61によって、グリッド板53の温度と目標温度とを一致させることが困難な場合、温度センサ74の検出結果に基づいて第1基板ステージ1の位置計測値を補正することは有効である。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図11は、第7実施形態に係る位置計測装置60Gの一例を示す図である。第7実施形態の位置計測装置60Gは、上述の第3実施形態の位置計測装置60Cの変形例であり、温度調整用の気体を供給する供給口63(63A、63B)及び気体を回収する回収口64を含む温度調整装置61を備えている。
本実施形態において、位置計測装置60Gは、グリッド板53の下面55の形状を検出する形状センサ75を備えている。形状センサ75は、グリッド板53の下面55の平面度を検出することができる。形状センサ75は、グリッド板53の下面55側に配置されている。本実施形態においては、形状センサ75は、第1基板ステージ1の上面27の一部に配置されている。本実施形態において、形状センサ75は、例えば斜入射方式のフォーカス・レベリング検出システムを含み、グリッド板53の下面55の面位置情報(Z軸、θX及びθY方向に関する面位置情報)を検出することができる。
本実施形態においては、制御装置7は、基板Pの露光処理を開始する前に、形状センサ75を用いて、グリッド板53の下面55の形状を検出する処理を実行する。制御装置7は、例えば第1基板テーブル23のZ軸方向に関する位置を固定した状態で、グリッド板53に対して第1基板ステージ1をXY方向に移動して、グリッド板53の下面55の複数の検出点におけるZ軸方向に関する位置情報を検出する。制御装置7は、形状センサ75で検出された、グリッド板53の下面55の複数の検出点におけるZ軸方向に関する位置情報の検出結果に基づいて、グリッド板53の下面55の形状(平面度)を導出する。導出されたグリッド板53の下面55の形状に関する情報は、記憶装置7Rに記憶される。
本実施形態においては、制御装置7は、形状センサ75の検出結果(記憶装置7Rの記憶情報)に基づいて、温度調整装置61を用いる温度調整動作を実行する。制御装置7は、形状センサ75の検出結果に基づいて、グリッド板53の下面55が所望の形状となるように(例えば平坦となるように)、温度調整装置61を用いる温度調整動作を実行する。温度調整装置61の温度調整条件によって、グリッド板53の下面55の形状(平面度)を調整することができるので、制御装置7は、グリッド板53の下面55が所望の形状になるように、温度調整装置61を用いる温度調整動作を実行する。本実施形態において、温度調整条件は、例えば供給口63から供給する気体の温度、流速、及び回収口64からの単位時間当たりの気体回収量の少なくとも一つを含む。
例えば、制御装置7は、温度調整装置61の温度調整条件を変えつつ、各温度調整条件におけるグリッド板53の下面55の形状を形状センサ75を用いて検出する。制御装置7は、温度調整装置61の温度調整条件を変えつつ、形状センサ75を用いてグリッド板53の下面55の形状を検出したときの検出結果に基づいて、グリッド板53の下面55を所望の形状にすることができる温度調整条件を決定することができる。
制御装置7は、その決定された温度調整条件に基づいて、温度調整装置61を制御して、基板Pを露光する。これにより、制御装置7は、エンコーダシステム50を用いて基板Pの位置情報を良好に計測しつつ、基板Pを露光することができる。
また、制御装置7は、形状センサ75の検出結果に基づいて、エンコーダシステム50による第1基板ステージ1の位置計測値を補正することができる。記憶装置7Rには、基準面に対するZ軸方向に関するグリッド板53の変形量と、そのZ軸方向に関する変形量に応じた、XY方向に関するグリッド板53の変形量との関係が予め記憶されている。なお、記憶装置7Rに記憶される情報は、例えば実験(シミュレーション実験を含む)によって予め取得可能である。実験は、グリッド板53の下面55の複数の検出点におけるZ軸方向に関する変形量を検出することと、その変形量に応じたグリッド板53のXY方向に関する変形量を検出することとを含む。制御装置7は、記憶装置7Rの記憶情報と、形状センサ75の検出結果(基準面に対するグリッド板53の下面55の形状)とに基づいて、エンコーダシステム50による第1基板ステージ1の位置計測値を補正することによって、第1基板ステージ1の実際の位置情報をより精度良く求めることができる。
なお、第6、第7実施形態においては、温度調整装置61が、温度調整用の気体を供給する供給口63及び気体を回収する回収口64を含む場合を例にして説明したが、もちろん、例えば第2実施形態で説明したような、支持フレーム18の内部流路18Rを含む温度調整装置でもよいし、第4実施形態で説明したような流路形成部材71を含む温度調整装置でもよいし、第5実施形態で説明したようなペルチェ素子73を含む温度調整装置でもよい。
なお、上述の第1〜第7実施形態では、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報の計測にエンコーダシステム50を用いた場合について説明したが、これに限らず、マスクステージ3の位置情報の計測に用いることもできる。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。また、極端紫外光で基板Pを露光するEUV光光源露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、可変成形マスクとしては、DMDに限られるものでなく、DMDに代えて、以下に説明する非発光型画像表示素子を用いても良い。ここで、非発光型画像表示素子は、所定方向へ進行する光の振幅(強度)、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器としては、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)以外に、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が例として挙げられる。また、反射型空間光変調器としては、上述のDMDの他に、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electro Phonetic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)等が例として挙げられる。
また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。この場合、照明系は不要となる。ここで自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。また、パターン形成装置が備える自発光型画像表示素子として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだタイプのもの等を用い、該固体光源チップを電気的に制御してパターンを形成しても良い。なお、固体光源素子は、無機、有機を問わない。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射される。
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図12に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の実施形態においては、基板ステージが、基板Pに露光光ELを照射してパターンを生成する露光装置に適用される場合を例にして説明したが、本発明の基板ステージ及びその基板ステージの位置情報を計測するエンコーダシステムは、基板にパターンを形成する種々のパターン形成装置に適用可能である。そのようなパターン形成装置としては、例えばインクの滴を基板に吐出することによってその基板にパターンを形成するインクジェット装置、凹凸パターンが形成された原版と有機材料が塗布された基板とを基板のガラス転移温度以上に加熱しながら押し当て、その後、原版と基板とを離すとともに基板を冷却して基板に原版のパターンを転写するナノインプリント装置などが挙げられる。これらの装置に基板を保持する基板ステージが設けられている場合には、本発明のエンコーダシステムを適用することによって、パターンを良好に形成することができる。
図13は、インクジェット装置IJの一例を示す模式図である。図13において、インクジェット装置IJは、基板Pにパターンを生成可能なインクジェットヘッド100と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ101とを備えている。インクジェットヘッド100は、基板Pにデバイスパターンを生成するためのインクを吐出する吐出口102が配置された吐出面(下面)103を有する。基板ステージ101は、下面103と対向する位置を含む所定領域内を基板Pを保持して移動可能である。インクジェット装置IJは、インクジェットヘッド100と基板ステージ101とを相対的に移動して、吐出口102が形成されているインクジェットヘッド100の吐出面103と、基板ステージ101上の基板Pとを対向させることができる。インクジェット装置IJは、基板P上にデバイスパターンを形成するために、インクジェットヘッド100と基板ステージ101とを相対的に移動しながら、吐出口102より基板Pに向けてインクの滴を吐出する。
インクジェット装置IJは、上述の各実施形態で説明した温度調整装置の少なくとも1つを含む温度調整装置61J及びエンコーダシステム50Jを有する位置計測装置60Jを備えている。エンコーダシステム50Jのグリッド板53Jは、インクジェットヘッド100の周囲に配置されている。また、エンコーダシステム50Jのエンコーダヘッド51Jは、基板ステージ101に配置されている。温度調整装置61Jは、グリッド板53Jの温度を調整する。インクジェット装置IJは、グリッド板53Jの温度を調整して、エンコーダヘッド51J及びグリッド板53Jを用いて基板ステージ101の位置情報を計測し、基板ステージ101上の基板Pにインクの滴を吐出して、基板Pにパターンを生成する。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1…第1基板ステージ、2…第2基板ステージ、5…基板ステージ駆動システム、7…制御装置、8…第1光学素子、15…第2光学素子、18…支持フレーム、18R…内部流路、18S…下面、53S…支持部材、54S…支持部材、50…エンコーダシステム、51…エンコーダヘッド、52…エンコーダヘッド、53…グリッド板、54…グリッド板、55…下面、56…上面、57…下面、58…上面、60…位置計測装置、61…温度調整装置、63…供給口、64…回収口、65…下面、70…流体供給装置、71…流路形成部材、71R…内部流路、72…流体供給装置、73…ペルチェ素子、74…温度センサ、75…形状センサ、EL…露光光、EX…露光装置、IJ…インクジェット装置、P…基板、ST1…露光ステーション、ST2…計測ステーション