JP5194786B2 - 黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用鋼板 - Google Patents
黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用鋼板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5194786B2 JP5194786B2 JP2007340321A JP2007340321A JP5194786B2 JP 5194786 B2 JP5194786 B2 JP 5194786B2 JP 2007340321 A JP2007340321 A JP 2007340321A JP 2007340321 A JP2007340321 A JP 2007340321A JP 5194786 B2 JP5194786 B2 JP 5194786B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coated steel
- film
- black
- steel sheet
- organic film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
(1)鋼板の少なくとも片面に形成された黒色化Zn−Ni合金めっき層と、該めっき層の上に形成されたクロムを含有しない化成皮膜と、該化成皮膜上に、水酸基価が10以上で、かつ、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上のポリエステル樹脂、および3官能のイミノ型メラミンにより形成された、膜厚が0.5μm〜5μmの単一有機皮膜とを具えることを特徴とする黒色塗装鋼板。
本発明の黒色塗装鋼板1は、図1に示すように、少なくとも片面に形成された黒色化Zn−Ni合金めっき層3と、該めっき層の上に形成されたクロムを含有しない化成皮膜4と、該化成皮膜上に、水酸基価が10以上で、かつ、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上のポリエステル樹脂と、イミノ型メラミンにより形成された、膜厚が0.5〜5μmの単一有機皮膜5とを具える。
本発明の塗装鋼板の下地鋼板となる黒色化Zn−Ni合金めっき層3は、従来の方法で形成された黒色化Zn−Ni合金めっき層とすることができる。また、前記めっき層3は、その表層部分に、Zn−Ni合金めっき層を、例えば、陽極電解処理、陰極電解処理、交番電解処理、陽極酸化処理などにより黒色化処理を施して形成された黒色化層が形成されている。
前記黒色化処理されためっき層の上に形成された化成皮膜4は、環境保護の観点から、クロムを含有しないものとする。前記化成皮膜4は、主としてめっき層と有機皮膜との密着性向上のために形成される。密着性を向上するものであればどのようなものでも支障はないが、密着性だけでなく耐食性を向上できるものが好ましい。前記化成皮膜としては、例えば、Zn化合物、りん酸塩、シリカ、ウレタン樹脂からなる化成皮膜などが挙げられる。
前記化成皮膜上の単一有機皮膜5は、水酸基価が10以上で、かつ、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上のポリエステル樹脂と、イミノ型メラミンにより形成されたもの、つまり前記ポリエステル樹脂がイミノ型メラミンにより架橋された有機皮膜とする。
また、前記ポリエステル系樹脂の水酸基価が10KOHmg/g未満では、架橋反応が不充分となるために充分な皮膜硬度が得られなくなり、耐プレス疵性が劣るためである。
前記カーボンブラックは、素地隠蔽性確保の観点から、添加量が決定され、塗膜中での分散度や膜厚によって素地隠蔽性は変動するが、皮膜中に1〜12質量%添加するのが好ましい。
(実施例1)
実施例1は、鋼板の片面に形成された、陽極酸化を行うことによって形成した表1に示す組成の黒色化Zn−Ni合金めっき層と、このめっき層の上に化成処理液を塗布し、加熱9秒後に到達板温が100℃となるように加熱して形成されたクロムを含有しない表2に示す組成の化成皮膜と、この化成皮膜上に、表3に示す数平均分子量30000、ガラス転移温度60℃、水酸基価が15KOHmg/gのポリエステル樹脂および3官能のイミノ型メラミンを含有する有機皮膜塗料を塗布し加熱40秒後に到達板温が190℃となるように加熱して形成された、膜厚が4μmの単一有機皮膜とを具える黒色塗装鋼板である。
実施例2は、ポリエステル樹脂の水酸基価を10としたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
実施例3は、ポリエステル樹脂の水酸基価を20としたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
実施例4は、単一有機皮膜の膜厚を0.5μmとしたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
実施例5は、単一有機皮膜の膜厚を5μmとしたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
実施例6は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgを40℃としたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
実施例7は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgを70℃としたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
比較例1は、ポリエステル樹脂の水酸基価を8としたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
比較例2は、単一有機皮膜の膜厚を0.3μmとしたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
比較例3は、単一有機皮膜の膜厚を8μmとしたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
比較例4は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgを30℃としたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
比較例5は、3官能のイミノ型メラミンの代わりに2官能のイミノ型ベンゾグアナミンを用いたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
比較例6は、3官能のイミノ型メラミンの代わりに6官能のメラミン系フルアルキルを用いたこと以外は、実施例1と同じ黒色塗装鋼板である。
従来例1は、図2に示すように、鋼板12の片面に形成された付着量20g/m2の電気亜鉛めっき層13と、このめっき層の上に化成処理液を塗布し、加熱9秒後に到達板温が100℃となるように加熱して形成されたクロムを含有しない表2に示す化成皮膜14と、この化成皮膜上に、数平均分子量15000、ガラス転移温度50℃、水酸基価が15KOHmg/gおよび6官能のヘキサメトキシメチル化メラミン、防錆顔料等を含有する下塗り塗料を塗布し、加熱30秒後に到達板温が170℃となる様に形成された膜厚が5μmの下塗り塗膜と、この下塗り塗膜上に、数平均分子量15000、ガラス転移温度35℃、水酸基価が8KOHmg/gのポリエステル樹脂および3官能のイミノ型メラミンを含有する上塗り塗料を塗布し、加熱40秒後に190℃となる様に加熱して形成された膜厚が15μmの上塗り塗膜とを具える、総膜厚が20μmの従来の塗装鋼板である。
従来例2は、下塗り塗料を加熱30秒後に210℃となるように加熱して下塗り塗膜を形成し、上塗り塗料を加熱40秒後に230℃となるように加熱して上塗り塗膜を形成したこと以外は従来例1と同じ塗装鋼板である。
前記曲げ加工性は、前記塗装鋼板1を、縦60mm、横30mmの大きさに切り出した試験片に、前記塗装鋼板を室温で、曲げ加工(JIS Z2248−1996に準拠した0T曲げ)を施し、この曲げ加工部の頂部における皮膜の被覆度をERV法にて評価するものである。ここで、ERV法により得られるERV(エナメルレイティング値)の測定は図3に示すように、曲げ加工部頂部を10mm×10mmが露出する枠のシールテープにより端面をシールし、電解液との接触面積を一定にした状態とし、温度20〜25℃とし、1質量%の食塩水を電解液とし、エナメルレーターで測定した値である。なお、本発明では、曲げ加工部の平面部に金属露出部を形成して陽極とし、陰極をC電極とする電解液中で、6Vの直流電圧を4秒間印加した後の電流値とする。このERV測定によれば、電流が多く流れるほど絶縁体である有機皮膜に欠陥が存在し、めっき層の金属が露出していることを示している。
◎:ERV 2mA未満
○:ERV 2mA以上5mA未満
×:ERV 5mA以上
上記各塗装鋼板を、ブランク径67mmφ、ポンチ径33mmφ、成型速度300mm/s、壁面温度80℃で、円筒カップ成型した後の、側壁部の塗膜の損傷を目視により評価した。評価は以下の基準に従って行った。
◎:損傷は発生せず
○:若干の損傷が認められた
×:損傷が多数発生した
上記各塗装鋼板の有機皮膜の表面に対し、エタノールラビング試験を1kgの荷重で20回行った後のL値の変動幅ΔLを評価した。評価は以下の基準に従って行った。
◎:ΔLが1.5以下
○:ΔLが1.5超え2.5以下
×:ΔLが2.5超え
上記各塗装鋼板に、5%の塩水を35℃で8時間噴霧した後、16時間休止する工程を1サイクルとし、これを3サイクル行った後の、塗膜表面外観の変化を評価した。評価は以下の基準に従って行った。
◎:塗膜表面に変化なし
○:塗膜表面に面積で10%未満の白錆発生がある
×:塗膜表面に多数の10%超の白錆発生がある
2 鋼板
3 黒色化Zn−Ni系めっき層
4 化成皮膜
5 単一有機皮膜
10 従来の塗装鋼板
12 鋼板
13 電気亜鉛めっき層
14 化成皮膜
15 下塗り塗膜
16 上塗り塗膜
Claims (4)
- 鋼板の少なくとも片面に形成された黒色化Zn−Ni合金めっき層と、
該めっき層の上に形成されたクロムを含有しない化成皮膜と、
該化成皮膜上に、水酸基価が10以上で、かつ、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上のポリエステル樹脂、および3官能のイミノ型メラミンにより形成された、膜厚が0.5μm〜5μmの単一有機皮膜とを具えることを特徴とする黒色塗装鋼板。 - 前記有機皮膜の表面に対し、エタノールラビング試験を1kgの荷重で20回行った後のL値の変動幅ΔLが1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の黒色塗装鋼板。
- 請求項1または2に記載の黒色塗装鋼板を用い、該黒色塗装鋼板の前記有機皮膜を具える面が凸表面になるようにプレス加工を施して形成してなる加工品。
- 請求項1または2に記載の黒色塗装鋼板を用い、該黒色塗装鋼板の前記有機皮膜を具える面が外部に露出する凸表面になるようにプレス加工を施して形成してなる薄型テレビ用パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007340321A JP5194786B2 (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007340321A JP5194786B2 (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009160768A JP2009160768A (ja) | 2009-07-23 |
JP5194786B2 true JP5194786B2 (ja) | 2013-05-08 |
Family
ID=40963942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007340321A Expired - Fee Related JP5194786B2 (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5194786B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5018470B2 (ja) * | 2007-12-28 | 2012-09-05 | Jfeスチール株式会社 | 黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用鋼板 |
JP5834808B2 (ja) * | 2010-11-17 | 2015-12-24 | 新日鐵住金株式会社 | クロメートフリー着色塗装金属板 |
JP2013108051A (ja) * | 2011-10-25 | 2013-06-06 | Jfe Steel Corp | コーティング剤、塗装鋼板の製造方法および塗装鋼板 |
JP5949656B2 (ja) * | 2012-05-22 | 2016-07-13 | Jfeスチール株式会社 | 黒色塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネル |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3486962B2 (ja) * | 1994-07-15 | 2004-01-13 | 住友金属工業株式会社 | 接着用塗装鋼板 |
JP4216666B2 (ja) * | 2003-08-05 | 2009-01-28 | 新日本製鐵株式会社 | 絞り成形性に優れるプレコート金属板 |
JP4116945B2 (ja) * | 2003-08-06 | 2008-07-09 | 新日本製鐵株式会社 | 曲げ加工性に優れるプレコート金属板 |
JP5194465B2 (ja) * | 2006-03-08 | 2013-05-08 | Jfeスチール株式会社 | 塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用パネルならびに塗装鋼板の製造方法 |
-
2007
- 2007-12-28 JP JP2007340321A patent/JP5194786B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009160768A (ja) | 2009-07-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1992477B1 (en) | Coated steel sheet, works, panels for thin televisions and process for production of coated steel sheet | |
JP5092592B2 (ja) | 着色塗装鋼板およびその製造方法、ならびに加工品および薄型テレビ用パネル | |
JP4978511B2 (ja) | 塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用パネル | |
JP5446390B2 (ja) | 表面処理剤、該表面処理剤を用いためっき鋼板の製造方法およびめっき鋼板 | |
JP2010065254A (ja) | 黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用パネル | |
KR101173475B1 (ko) | 자동차 오이엠용 용접성 프리-프라임용 도료 조성물 및 이를 이용한 코팅방법 | |
JP5194786B2 (ja) | 黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用鋼板 | |
JP6030322B2 (ja) | 塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用パネル | |
JP2009126105A (ja) | プレコート金属板およびその製造方法 | |
JP4905273B2 (ja) | 着色塗装鋼板およびその製造方法、ならびに加工品および薄型テレビ用パネル | |
JP5018470B2 (ja) | 黒色塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用鋼板 | |
KR20140012495A (ko) | 가공성이 우수한 수지코팅 강판 및 이에 사용되는 수지조성물 | |
JP2007168273A (ja) | 塗装鋼板 | |
JP4201904B2 (ja) | 成形加工性に優れた1コートプレコート鋼板及びその製造方法 | |
JP4743046B2 (ja) | 塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネル | |
JP2009051117A (ja) | プレコート金属板 | |
JP3264552B2 (ja) | 有機高分子絶縁性膜による金属表面の保護被覆処理方法 | |
JP5564787B2 (ja) | 塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネル | |
JP2010052363A (ja) | 塗装鋼板、加工品及び塗装鋼板の製造方法 | |
JP4983305B2 (ja) | 塗装鋼板、加工品及び薄型テレビ用パネル | |
JPH08168723A (ja) | 加工性,硬度,耐汚染性に優れる塗装金属板 | |
JPH07171497A (ja) | 耐食性に優れたプレコート鋼板 | |
JPH04256469A (ja) | 加工性、耐汚染性に優れたプレコート鋼板 | |
JPH07195030A (ja) | 加工性と耐汚染性に優れた塗装鋼板 | |
JPH11104558A (ja) | 凹凸外観を持つ耐汚染性、耐傷つき性、耐ブロッキング性に優れた塗装金属板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100823 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120228 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120420 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130108 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130121 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |