JP5193948B2 - インクジェットヘッド駆動装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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本発明は、インク液滴を用紙等の記録媒体に向けて吐出することで、記録媒体上に画像を記録するためのインクジェットヘッド駆動装置及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、多数のノズルを有するインクジェットヘッドを搭載し、吐出信号に応じてインクジェットヘッドからインクを吐出させて記録媒体上に画像を記録する装置である。インクの吐出方式としては、圧電素子を振動させることによりインクに力を加えてインク液滴を吐出させるビエゾ方式が知られている。
近年では、高精細な階調表現を行うために、各ノズルから複数のインク液滴が吐出されるインクジェット記録装置が提案されている。そして、このようなインクジェット記録装置では、インク液滴を吐出する際に主たるインク液滴に付随して微少なサテライト液が発生することがあり、高画質化の妨げになっている。
そこで、例えば特許文献1に示された装置では、大滴や小滴を含む複数のインク液滴を吐出する際に、大滴や小滴に関係なくインク液滴の吐出速度を等しくするように液径変調を行い、サテライト液の発生を防止するようにしている。
特開2006−69100号公報
特許文献1では、インク液滴の吐出の際、複数の液滴のインク吐出速度を等しくすることで、画像劣化を防ぐようにしている。しかし、この技術では、インク液滴の大きさに応じて各インク液滴が用紙に着弾するタイミングに差が生じる。従って、インク液滴の着弾位置ずれから生じる画質品質の低下の問題が生じる。
本発明の課題は、画像の階調にあわせて複数のインク液滴を吐出するインクジェットヘッドの駆動を制御し、画質品質の向上をさせることにある。
請求項1に係るインクジェット駆動装置は、画像の階調データに応じてそれぞれから複数のインク液滴を吐出する複数のノズルと、複数のノズルに連通して設けられた加圧室と、駆動信号が印加されることで振動し加圧室に充填されたインクを吐出する圧電素子と、を含むインクジェットヘッドの駆動装置であって、駆動信号を生成するためのパルス情報と駆動電圧データとを階調データ毎に対応付けて記憶する記憶部と、パルス情報に基づき矩形波を生成する矩形波生成部と、矩形波を量子化した量子化データを生成する量子化部と、量子化データと駆動電圧データとを乗算し、乗算データを生成する乗算部と、乗算データを駆動信号としてのアナログ信号に変換するアナログ変換部と、を備える。ここで、駆動電圧データは、複数のインク液滴のそれぞれの吐出に対して可変であり、複数のインク液滴の用紙への着弾の際に、後に吐出されるインク液滴を先に吐出されるインク液滴に追いつかせるための電圧値である。
ここでは、記憶部が、インクジェットヘッドの圧電素子を振動する駆動信号を生成するためのパルス情報及び駆動電圧データを階調データ毎に対応付けて記憶している。パルス情報は、パルス幅に関する情報を有する。駆動電圧データは、インク液滴の吐出速度を決定する値である。駆動電圧データとしては、階調データに応じてインク液滴の吐出毎に可変であり、複数のインク液滴の用紙への着弾の際に、後に吐出されるインク液滴を先に吐出されるインク液滴に追いつかせるための値が記憶される。
前述のパスル情報に基づいて生成された矩形波はまず量子化される。そしてその量子化されたデータは前述の駆動電圧データと乗算され、乗算データが生成される。その後乗算データは駆動信号としてのアナログ信号に変換させる。
このように本発明では、各インクジェットヘッドから複数のインク液滴を吐出する場合に、画像の階調データに応じてインク液滴の吐出毎に可変な駆動電圧を有する駆動信号が生成される。そして、後に吐出されたインク液滴を先に吐出されたインク液滴に追いつかせることができる駆動電圧データを乗算部の乗算に用いることで、用紙に着弾する前又は着弾と同時に複数のインク液滴を一体化させることが可能となる。また、矩形波を量子化し、その量子化データと駆動電圧データとを乗算するため、デジタル演算が可能になりより正確な駆動信号を生成できる。以上より、複数のインク液滴間における用紙への着弾ずれから生じる画像劣化を防止し、画像品質の向上を実現することができる。
請求項2に係るインクジェット記録装置は、画像の階調データに応じてそれぞれから複数のインク液滴を吐出する複数のノズルと、複数のノズルに連通して設けられた加圧室と、駆動信号が印加されることで振動し加圧室に充填されたインクを吐出する圧電素子と、請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動装置と、を備える。
以上のような本発明では、画像データの階調に応じてインク液滴の吐出毎にインクジェットヘッドの駆動信号の駆動電圧を変えることができる。そして、後に吐出されるインク液滴を先に吐出されたインク液滴に追いつかせることができる駆動電圧データを乗算に用いることで、複数のインク液滴を一体化させた状態で用紙に着弾させることができる。また、矩形波を量子化し、その量子化データと駆動電圧データとを乗算するため、デジタル演算が可能になり、より正確な駆動信号を生成できる。従って、インクジェットヘッドのそれぞれから複数のインク液滴を吐出する場合であっても、複数のインク液滴の用紙への着弾ずれを防止でき、画質品質の向上を実現することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図。 インクジェットヘッドの平面図。 インクジェットヘッドにおける1ドットあたりのヘッド構造を示す拡大図。 ヘッド駆動部の駆動回路。 ヘッド駆動部の駆動回路の各部から出力される信号を示す図。 矩形波波形及び駆動電圧波形の一例。
1.第1実施形態
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態によるインクジェット記録装置としてのラインヘッド型のインクジェットプリンタの概略構成図である。インクジェットプリンタ1は、不図示の外部のコンピュータなどに接続されており、コンピュータから送信された画像情報に基づいて用紙に画像を形成する装置である。このインクジェットプリンタ1は、画像形成部2と、用紙収納部3と、用紙搬送部4と、排出部5と、制御部6とを備えている。
画像形成部2は、画像情報に基づいて用紙上に画像を形成する部分であって、4つのインクジェットヘッド21とヘッド駆動部22を備えている。
4つのインクジェットヘッド21は、画像情報に基づいて用紙にインク液滴を吐出する部分である。インクジェットヘッド21は、用紙搬送部4の用紙搬送ベルト42の上方に並べて配置されており、一方向(図1の紙面に直交する方向)に延びた部材であって、略直方体状の部材である。また、各インクジェットヘッド21は、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタというそれぞれ異なる色のインクを収納しており、収納しているインクを吐出可能なインク吐出面211を有している。インク吐出面211には、複数のインク吐出用の孔である吐出口213(図2、図3参照)が設けられている。同じインクジェットヘッド21に属する吐出口213から吐出されるインクの色は同じである。
ヘッド駆動部22は、インクジェットヘッド21を駆動する駆動信号を生成し、インクジェットヘッド21を駆動する部分である。インクジェットヘッド21及びヘッド駆動部22については、後に詳述する。
用紙収納部3は、画像を形成する用紙を収納可能な部分であって、インクジェットプリンタ1の下部に配置されている。用紙収納部3は、用紙供給側の先端部上方に、用紙搬送部4に用紙を供給するための用紙供給ローラ31を有している。用紙供給ローラ31の上流側に用紙分離ローラ対32があり、用紙を1枚ずつ用紙搬送部に送り出す。
用紙搬送部4は、用紙収納部3の用紙を画像形成部2に搬送し、画像形成部2で表面に画像が形成された用紙を排出部5に搬送するための部分である。この用紙搬送部4は、用紙を搬送するための複数のローラ41、搬送ベルト42及びレジストローラ対43を備えている。搬送ベルト42は、インクジェットヘッド21の下側に配置されており、両端に搬送ベルト42を循環させるための第1ローラ44及び第2ローラ45が配置された無端ベルトである。レジストローラ対43で用紙を一旦停止させ搬送姿勢を矯正した後に、用紙はインクジェットヘッド21に向けて送り出される。そしてインクジェットヘッド21からのインクの吐出の開始は、レジストローラ対43とインクジェットヘッド21の間に設けられた光学式の用紙先端検知センサ48が用紙の先端を検出したタイミングを基準にして制御される。
排出部5は、画像形成部2で画像が形成された用紙を排出するための部分であって、インクジェットプリンタ1の上部に配置されている。排出部5は、複数のローラ51を備えており、画像形成部2で画像が形成された用紙は、用紙搬送部4の搬送ベルト42及び排出部5のローラ51によって搬送され、排出口52から機外へ排出される。
制御部6は、図示しない操作盤等を介してユーザから受け付けた指示や各種センサの検知結果に応じて、インクジェットプリンタ1の各部との間でデータ信号及び制御信号の送受信を行い、画像形成動作等を統括的に制御するものである。具体的には、制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等によって構成可能である。CPUは種々の演算を行い、プログラムを実行することがきる。ROMにはCPUによって行われる制御に関するプログラムや、インクジェットプリンタ1内の各部の動作に関するプログラム等が格納されている。また、RAMは、CPUの作業領域として機能する他、ユーザの入力内容等を保持する領域等を有している。
また、本実施形態の制御部6は、画像信号処理部61と、画像記憶部62及びパラメータ記憶部63とを有する(図4参照)。画像信号処理部61は、図示しない外部のコンピュータから送られてきた画像信号に対し階調処理等の画像処理を適宜行い、画像信号を印刷用の階調データに変換する手段である。この階調データは、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色毎に分離された画素の濃度である階調値を示す。画像記憶部62は画像信号処理部61で処理された階調データを記憶する。
パラメータ記憶部63は、インクジェットヘッド21の駆動信号の生成に用いられるパラメータテーブル631を記憶する手段である。パラメータテーブル631には、パルス情報及び駆動電圧データとしてのパルス駆動電圧値が各階調データに対応付けられて記憶されている。パルス情報には、各階調データに応じて吐出されるべきインク液滴の数、すなわちパルスの数と、そのパルスのパルス幅に関する情報が含まれる。例えば、階調データに応じて一つの吐出口213から2滴のインク液滴が吐出される場合は、パルスの数は2であり、パルス幅に関する情報は、1滴目及び2滴目を吐出するための各パルスのそれぞれについて設定され記憶されている。パルス幅に関する情報とは、例えば各パルスのHIGH時間及びLOW時間に関する。パルス駆動電圧値とは、インクジェットヘッド21の圧電素子218に印加するための駆動信号の駆動電圧値であって、各インク液滴の吐出速度を決定する値である。そしてパルス駆動電圧値は、階調データに応じて用紙に階調を適切に表現するために、階調データ及びパルス情報に対応して、インク液滴の各吐出に対して可変に設定され記憶される。
本実施形態では、パルス駆動電圧値は、一つの吐出口213から複数のインク液滴を吐出する場合であっても、複数のインク液滴のうち、後から吐出させるインク液滴を先に吐出されたインク液滴に用紙への着弾前または着弾時に追いつかせて一つのインク液滴として用紙に着弾させることができるように、階調データ毎に予め設定される。この設定には、用紙とインクジェットヘッド21の距離等も考慮される。
パルスの駆動電圧は、高い電圧であるほど速い吐出速度を実現できることが知られている。そこで、例えば階調データに応じて一つの吐出口213から2滴のインク液滴が吐出される例を挙げると、1滴目のインク液滴に比べて2滴目のインク液滴のパルス駆動電圧値を高くし、用紙への着弾前または着弾時に2滴目を1滴目に追いつかせることができる程度のパスル駆動電圧値が2つのパルスそれぞれに対して予め設定される。
[インクジェットヘッド構成]
次に、図2及び図3を参照してインクジェットヘッド21の構造について説明する。図2は、圧電アクチュエータを取り付ける前のインクジェットヘッドの平面図である。図3は圧電アクチュエータを取り付けた状態でのインクジェットヘッドにおける1ドットあたりのヘッド構造を示す拡大図である。
図2に示すように、インクジェットヘッド21には、それぞれ一つの吐出口213からインクを吐出する複数の吐出ユニット212が吐出面211に平行に並べられている。また、インクジェットヘッド21内には、インクジェットヘッド21の長手方向に並列に延びる複数の共通流路214が設けられ、各共通流路214には、インクカートリッジ(図示せず)からの配管と接続するためのインク供給口215が設けられている。
図3に示すように、インクジェットヘッド21は、吐出口213に対して1つずつ設けられた加圧室216、加圧室216内から吐出口213まで連続するノズル217、並びに加圧室216の上方に設けられた圧電素子218及び個別電極219を備える。加圧室216と共通流路214とは供給孔220で連通されている。加圧室216の上壁は、複数の加圧室216に渡って連続して形成された振動板221で構成されている。振動板221上には、同様に複数の加圧室216に渡って連続して形成された共通電極222が積層されている。共通電極222上には、加圧室216毎に別個の圧電素子218が設けられており、また共通電極222と共に圧電素子218を挟むように加圧室216毎に別個に個別電極219が設けられる。吐出面211の吐出口213以外の領域は、撥水膜211aで覆われており、インクの付着を防止している。
インクジェットヘッド21の各圧電素子218は、後述するヘッド駆動部22からフレキシブルケーブル(図示せず)を介して個別電極219に駆動信号である駆動パルスが印加されることで、個別に駆動される。この駆動によって圧電素子218は振動して変形され、その変形が振動板221に伝えられる。そして振動板221の変形によって加圧室216は圧縮される。その結果、加圧室216内のインクに圧力が加わり、ノズル217を通ったインクが吐出口213からインク液滴となって用紙上に吐出され、インクにより用紙上に画像が記録される。
なお、インク液の吐出により減少したインクは、ノズル217内のインクメニスカスの表面張力によって、インクカートリッジ(図示せず)からインクカートリッジの配管、吐出口213、共通流路214、加圧室216を介してノズル217に再充填される。
[ヘッド駆動部]
次に、本発明の実施形態に係るインクジェットヘッド21を駆動するヘッド駆動部22について図4及び図5を用いて説明する。
図4は、ヘッド駆動部の駆動回路を示す。図5は、ヘッド駆動部の駆動回路の各部から出力される信号を示す図である。
駆動回路23は、矩形波生成部231と、第1反転回路232と、量子化部233と、乗算器234と、第2反転回路235と、DAC236と、増幅回路を有する出力部237とを含む。
駆動回路23の駆動は、光学式の用紙先端検知センサ48が用紙の先端を検出したタイミングを基準にして制御部6によって制御される。制御部6は、画像信号処理部61によって外部のコンピュータ等から送られてきた画像信号が階調データに変換されると、パラメータ記憶部63のパラメータテーブル631を参照し、その階調データに対応するパルス情報から、パルスの数と各パルスに設定されたパルスHIGH時間及びパルスLOW時間を順に読み出す。そして、それら情報を後述する駆動回路23の矩形波生成部231に出力する。このとき、制御部6は、各パルスの出力順をパラメータ記憶部63に記憶する。例えば、パルスの数が2である場合、1番目のパルスに1を、2番目のパルス情報に2を、・・・というように、1から順に増える整数を順に各パルスに付して記憶する。なお、ここでは1から順に増える整数を例に挙げるが、各パルスの出力順を識別できれば、この例に限定されない。また制御部6は、CPU内部にもつクロック信号を駆動回路23に出力し、命令実行のタイミング制御を行う。
矩形波生成部231は、圧電素子218を駆動するためのパルスを生成する部分である。矩形波生成部231は、制御部6から入力された階調データに対応するパルス情報に基づきパルス信号Aを生成し、反転回路232に出力する。また、矩形波生成部231は、後述する乗算器234に、出力したパルス信号Aに関する情報である状態情報を出力する。状態情報については後に述べる。
第1反転回路232は、矩形波生成部231によって生成されたパルス信号Aを反転させる。反転された信号は反転パルス信号Bとして量子化部233に出力される。
量子化部233は、第1反転回路232からの反転パルス信号Bを量子化し、量子化データCを生成する。本実施形態では、反転パルス信号Bがロー側である場合は8ビットの「00」という量子化データCが生成され、反転パルス信号Bがハイ側である場合は8ビットの「FF」という量子化データCが生成される例を挙げる。生成された量子化データCは、乗算器234に出力される。
乗算器234は、パラメータテーブル631に記憶されたパルス駆動電圧値と量子化部233で生成された量子化データCとを乗算し、乗算データDを生成する。具体的には、量子化部233から量子化データCが入力されると、乗算器234は、前述した矩形波生成部231から受け取った最新の状態情報に対応するパルス駆動電圧値を制御部6から受け取る。パルス駆動電圧値を受け取ると、乗算器234はこのパルス駆動電圧値及び量子化データCを下記の数式1のように乗算し、乗算データDを生成する。
(数1)
[(V−V2−N)/V]×量子化データC
ここで、Vはパルス駆動電圧値であり、Nは、状態信号に基づく1以上の整数である。
乗算器234の乗算動作についてさらに具体的に説明するために、パルスの出力状態及び乗算動作の関係を以下の表1に示す。
Figure 0005193948
期間とは、矩形波生成部231が生成した各パルスのハイ及びローレベルの時間のことであり、Nパルス目のハイ状態の期間をToffN、Nパルス目のロー状態の期間をTonNとする。すなわち、1パルス目のハイ状態の期間をToff1、ロー状態をTon1とする(図5参照)。2パルス目以降についても同様である。本実施形態では、Nとはパルスの生成順を示す整数であり、パラメータ記憶部63で記憶されるパルスの出力順と同様に、順に1から番号が増えていくものとする。なお、ここでは、パルスの番号が1から順に増えていく例を挙げて説明するが、パルスの出力順を識別できるものであり、かつパラメータ記憶部63で記憶されるパルスの出力順と同様のパルスの識別がなされる限り、この例には限定されない。
状態情報は、矩形波生成部231から乗算器234に対して出力される出力パルス信号Aに関する情報であり、波形生成部231によってどのようなパルスが生成され出力されたかを乗算器234に伝達するためのものである。本実施形態では、期間がToffNのときは、SNoffという状態情報が伝達され、期間がTonNのときは、SNonという状態情報が伝達される。例えば、期間がToff1であるときは、状態情報S1off1が矩形生成部231から乗算器234へ出力される。
量子化データCが入力され、かつ波形生成部231から入力された状態情報がSNonである場合、乗算器234は、制御部6よりパルス駆動電圧値V及びV2−Nを受け取る。具体的には、状態情報がS1onである場合、乗算器234は受け取った状態情報S1onを制御部6に出力する。制御部6は、状態情報S1onの「1」より矩形波生成部231から出力されたパルスが第1番目のパルスであると判断する。そして制御部6は、1番目に出力されたパルスに対応付けられたパルス駆動電圧値(V、V2−1)をパラメータテーブル631から読み取り、乗算器234に出力する。このパルス駆動電圧値Vとは1番目のパルスに対応付けられたパルス駆動電圧値のうち高い電圧値であり、V2−1は低い電圧値である。なお、状態情報がS2onの場合は、出力されるパルス駆動電圧値は、高い電圧を示すV及び低い電圧値を示すV2−2である。
乗算器234は、パルス駆動電圧値が入力されると、このパルス駆動電圧値と、量子化部233から受け取った量子化データCとを用いて、上記の数式1や表1に示す乗算器動作を行い、乗算データDを算出する。そして算出した乗算データDを第2反転回路235に出力する。本実施形態では、期間Ton1における乗算データDは、8ビットの「E0」であり、期間Ton2における乗算データDは、8ビットの「F0」であるとする。なお、期間ToffNの乗算データDは、8ビットの「00」である。
第2反転回路235は、乗算器234によって生成された乗算データDを反転し、反転データ信号Eを生成する。生成された反転データ信号Eは、後述するDAC236へ出力される。本実施形態では、乗算データD「E0」は反転されて8ビットの「1F」となり、乗算データD「F0」は、反転されて8ビットの「0F」となるとする。また、乗算データD「00」は、反転されて8ビットの「FF」になるとする。
DAC236は、第2反転回路235からの反転データ信号Eをアナログ電圧値Fに変換し、増幅回路を含む出力部237に出力する。そして、出力部237は、アナログ電圧値Fを圧電素子218に印加するための駆動信号Gに変換する。その後駆動信号Gは、フレキシブルケーブル(図示せず)を介して個別電極219に印加され、その印加によって圧電素子218が振動し、ノズル217を通ったインクが吐出口213からインク液滴となって用紙上に吐出される。
図6に、本実施形態における矩形波波形及び駆動電圧波形の一例を示す。下段の矩形波波形とは、矩形波生成部231が生成したパルス信号Aの波形である。一方、上段の駆動電圧波形とは、パルス信号Aが駆動回路23にて乗算された後に出力部237から出力された駆動信号Gの波形である。図6に示す例は、1パターンが3つのパルスからなり、2滴のインク液滴をノズル217から一度に用紙へ吐出する例である。なお、3番目のパルスは、インク液滴吐出後の残留信号を抑えるための小さな予備パルスであって、インク液滴を吐出させない程度で圧電素子218を振動させる。
図6に示すように、駆動回路23を介して出力された駆動信号Gは、1番目のパルスより2番目のパルスの駆動電圧が高くなるように生成される。このように2滴目のパルスの駆動電圧を1滴目のパルスの駆動電圧より高くし、2滴目のインク液滴の吐出速度を速くすることで、用紙着弾前又は着弾と同時に2滴目を1滴目に追いつかせて一滴のインク液滴として用紙に着弾させることが可能となる。従って、用紙への着弾ずれから生じる画像劣化を防ぐことができる。
なお、図6の例において詳細には、吐出速度の駆動電圧感度(駆動電圧の単位電圧変化(1V)に対する速度変化量)は0.7m/sV程度である。そして用紙までの距離を1mm、1滴目の吐出速度を9m/s、AL(吐出速度が最大となるパスル幅)を10μsとすると、2滴目の駆動電圧は1滴目の駆動電圧に比べて2V程度大きくすればよい。
本実施形態では、画像の階調によって一つの吐出口213から複数のインク液滴を吐出する場合であっても、階調データに応じて各インク液滴の吐出毎に圧電素子218に印加する駆動信号の駆動電圧値を変えることが可能である。そして、2滴目のパルスの駆動電圧を1滴目のパルスの駆動電圧より高くし、2滴目のインク液滴の吐出速度を速くすることで、用紙への着弾前に又は着弾時に2滴目のインク液滴を1滴目のインク液滴に追いつかせることが可能となる。従って、一体化したインク液滴を用紙に着弾させることができ、複数のインク液滴間の着弾ずれから生じる画像劣化を防ぐことができる。また駆動信号は、パルス信号Aが量子化された量子化データCとパルス駆動電圧値とを乗算することによって生成される。このように、本実施形態では、デジタル演算が可能であるので、より正確な駆動信号を形成できる。以上から、本実施形態では複数のインク液滴間における用紙への着弾ずれから生じる画像劣化を確実に防止し、画像品質の向上を実現することができる。
2.他の実施形態
(a)前述の実施形態では、2滴のインク液滴を吐出する例を挙げて説明したが、本発明は、画像の階調データに応じて各吐出口213から複数のインク液滴を吐出させるインクジェットヘッドであれば適応することができる。
1 インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
2 画像形成部
21 インクジェットヘッド
213 吐出口
216 加圧室
218 圧電素子
22 ヘッド駆動部
23 駆動回路
231 矩形波生成部
232 第1反転回路
233 量子化部
234 乗算器
235 第2反転回路
236 DAC
237 出力部
4 用紙搬送部
6 制御部
61 画像信号処理部
62 画像記憶部
63 パラメータ記憶部

Claims (2)

  1. 画像の階調データに応じてそれぞれから複数のインク液滴を吐出する複数のノズルと、前記複数のノズルに連通して設けられた加圧室と、駆動信号が印加されることで振動し前記加圧室に充填されたインクを吐出する圧電素子と、を含むインクジェットヘッドの駆動装置であって、
    前記駆動信号を生成するためのパルス情報と駆動電圧データとを前記階調データ毎に対応付けて記憶する記憶部と、
    前記パルス情報に基づき矩形波を生成する矩形波生成部と、
    前記矩形波を量子化した量子化データを生成する量子化部と、
    前記量子化データと前記駆動電圧データとを乗算し、乗算データを生成する乗算部と、
    前記乗算データを前記駆動信号としてのアナログ信号に変換するアナログ変換部と、
    を備え、
    前記駆動電圧データは、前記複数のインク液滴のそれぞれの吐出に対して可変であり、前記複数のインク液滴の用紙への着弾の際に、後に吐出されるインク液滴を先に吐出されるインク液滴に追いつかせるための電圧値である、インクジェットヘッドの駆動装置。
  2. 画像の階調データに応じてそれぞれから複数のインク液滴を吐出する複数のノズルと、
    前記複数のノズルに連通して設けられた加圧室と、
    駆動信号が印加されることで振動し前記加圧室に充填されたインクを吐出する圧電素子と、
    請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動装置と、
    を備える、インクジェット記録装置。
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