JP5193833B2 - デジタル信号の送信装置 - Google Patents

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本発明は、伝送路による信号点の歪補正をシンボルごとに行い、変調することで伝送路による所要C/Nの劣化を軽減するデジタル信号の送信装置に関する。
現在運用されている各種規格のデジタル放送のうち、衛星放送を例にとれば、放送衛星に備えた衛星中継器を使って複数の放送事業者が独立したTS(トランスポートストリーム)を伝送できるように多重伝送される。衛星デジタル放送で採用されている規格には、ISDB−S、DVB−S2などがある。そこで、以下、これらの規格に適合した一般化した送信装置として説明する。
図1は、放送衛星に備えた衛星中継器を介する伝送システムの構成を示すブロック図である。送信装置1からTMCC信号等の制御情報で指定されるデジタル変調方式により、映像・音声・データ放送などを多重した主信号が実衛星2に伝送される。実衛星2の衛星中継器は、増幅器に前置される入力フィルタである入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ21、進行波管増幅器(TWTA)22、増幅器に後される出力フィルタである出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ23等を具備しており、IMUXフィルタ21によって受信した放送波信号から1チャンネル分ごとに帯域抽出を行い、進行波管増幅器(TWTA)22により利得制御を行って、OMUXフィルタ23で不要周波数成分を抑圧し、後続の合成器(図示せず)により全チャンネル分の放送波信号を合成し、受信装置3−1〜3−N(Nは、1以上の自然数)に向けて放送波信号を送信する。
受信装置3−1〜3−Nは、多重された放送波信号とともに伝送されるTMCC信号等の制御情報を絶えず監視することにより、送信装置1において様々な伝送制御が行われたとしても、それに追従して受信方式などを切り替えることができる。
図2は、従来からの送信装置1の変調器11の構成のみを示すブロック図である。この送信装置1の変調器11は、所定の符号化を施してTMCC信号等の制御情報を付加した送信するデータ信号(以下、単にデジタル信号とも称する)に対して、シリアルのビット列をパラレルに変換するシリアル/パラレル変換(S/P)部12と、所定の変調方式毎にマッピングするマッピング部13と、各々の所定の変調方式に応じた直交変調を施す直交変調部14とを備える。
マッピング部13によりTMCC信号等の制御情報により指定されたデジタル変調方式に対応した信号点にマッピングされた信号点座標は、直交変調部14に入力され、直交変調部14は、この信号点座標を直交変調し、変調波信号を生成する。直交変調部14により生成された変調波信号は、実衛星2に向けてアップリンクされる。
尚、所定のデジタル変調方式とは、π/2シフトBPSKを含むBPSK、π/4シフトQPSKを含むQPSK、8PSK、16APSK若しくは32APSKなどを含み、マッピング部13は、これらの変調方式に対応したマッパを用意することができる。
図1に示す実衛星2内の衛星中継器の機能について更に説明する。IMUXフィルタ21は、各チャンネル周波数に対応した帯域通過フィルタであり、受信した放送波信号から1チャンネル分の帯域成分のみをそれぞれ抽出することができる。進行波管増幅器(TWTA)22は、抽出した1チャンネル分の放送波信号について、さらに電力増幅することができる。OMUXフィルタ23は、各チャンネル周波数に対応した帯域通過フィルタであり、進行波管増幅器(TWTA)22によって増幅した放送波信号に対し、1チャンネル分の帯域成分のみを抽出し、不要周波数成分を抑圧することができる。
一方、進行波管増幅器(TWTA)22は、入力レベルと出力レベルとの間の関係が比例関係となるように電力増幅処理することが望ましい。しかし、この入出力特性は、実際には入力レベルが大きくなると利得が低下する非線形性を示し、同時に入力信号に対する出力信号の位相も回転する。従って、入力レベルを徐々に上げると、あるレベルまでは出力レベルも上がるが、ある入力レベルを超えると、出力レベルは逆に低下する現象となる。このような出力レベルの低下が起こる直前の動作点を、一般に、出力飽和点と云う。また、この出力飽和点から入力レベルをX[dB]下げて運用する場合を「入力バックオフX[dB]」と云い、同様に、入力レベルを絞って、出力レベルをY[dB]下げた状態で運用する場合を「出力バックオフY[dB]」と云う。
進行波管増幅器(TWTA)22の飽和点で最も効率の良い伝送が可能であるため、π/2シフトBPSKを含むBPSKやπ/4シフトQPSKを含むQPSK、8PSKといったPSK変調を利用する場合、進行波管増幅器(TWTA)22の入力信号について、入力バックオフが0dBとなるようなレベルで入力されるように前置減衰器等により自動調整する。一方、16APSKや32APSKといったAPSK変調の場合、信号点配置において複数の振幅を持つ信号点が存在するため、増幅器の非線形特性によって所要C/Nの劣化を起こし易い。このため、これらの変調方式を利用する場合には、進行波管増幅器(TWTA)22の入力信号について、入力バックオフが、それぞれの変調方式と誤り訂正符号の組み合わせに対して、出力バックオフによる電力損と非線形による所要C/Nの劣化の和がもっとも小さくなるようなレベルで入力されるように前置減衰器等により自動調整する。
このように、従来からのデジタル信号の送信装置に用いられる変調器は、送信するデジタル信号を、変調方式に従って1シンボルで同時に伝送できる情報ビット数ごとに、当該シンボルに対応する1つの信号点に定まるようにマッピングした送信信号点で搬送波を変調している。特に、32APSK等の多値振幅位相変調では信号歪みに対してより線形性が要求され、放送衛星では、進行波管増幅器(TWTA)22をある程度線形で動作させるために、より大きな出力バックオフをとる(例えば、特許文献1参照)。
一方、地上デジタル放送で採用されている規格には、ISDB−T、DVB−T、DVB−T2などがある。
これらの規格では、OFDM(直交周波数分割多重)と呼ばれる多重方式が採用されている。OFDMでは、等間隔の搬送波数千本にそれぞれQPSKやAPSKの一種である64QAMといった変調波を多重伝送する(例えば、非特許文献1参照)。
図7はOFDMによる送信装置の構成を示すブロック図である。この送信装置1の変調器11は、デジタル信号に対して、シリアルのビット列をパラレルに変換するシリアル/パラレル変換(S/P)部12と、所定の変調方式毎にマッピングするマッピング部13と、各々の所定の変調方式に応じた直交変調を施す直交変調部14とを備える点で図2に示す送信装置と同じであるが、シリアル/パラレル変換(S/P)部151a,151b、逆高速フーリエ変換(IFFT)部152、パラレル/シリアル変換(P/S)部153a,153bからなるOFDM変換部15を備えた点で異なる。
尚、通常はこのブロック図に図示しないパイロット信号や伝送制御信号、ガードインターバルの挿入が行われるが、ここでは以下の説明に影響しないため省略する。
また、図7には、電力増幅して電波を放射する一般的な送信装置の機能として、出力段にフィルタ161、電力増幅部162、及びフィルタ163からなる増幅器16と、アンテナ17も併記してある。
マッピング部13によりTMCC信号等の制御情報等で指定されたデジタル変調方式に対応した変調方式でマッピングされた信号点座標は、シリアル/パラレル変換(S/P)部151a,151bにより、多数のOFDM搬送波に割り振られる。次に逆高速フーリエ変換(IFFT)部152により多数のOFDM搬送波を同数の時間軸信号に変換する。さらに、パラレル/シリアル変換(P/S)部153a,153bにより、得られた時間軸信号を1本の時系列信号に変換する。その後、直交変調部14に入力され、直交変調部14は、この信号を直交変調し、変調波信号を生成する。直交変調部14により生成された変調波信号は、さらに、フィルタ161で不要周波数成分を抑圧し、電力増幅部162で所定の電力に増幅し、フィルタ163で不要周波数成分を抑圧し、アンテナ17から図示しない受信機に向けて電波を放射する。
尚、所定のデジタル変調方式とは、π/2シフトBPSKを含むBPSK、π/4シフトQPSKを含むQPSK、8PSKや、APSKの一種である16QAM、32QAM、64QAM、128QAM、若しくは256QAMなどを含み、マッピング部13は、これらの変調方式に対応したマッパを用意することができる。
OFDMによる多重を行った変調波は、平均電力に対するピーク電力が非常に大きいため、この電力増幅器には極めて高い線形性が求められ、大きなバックオフをとって運用される(例えば、非特許文献2参照)。
特許公開2008−199574号公報 日本放送協会編、「NHKデジタルテレビ技術教科書」、日本放送協会出版、2007年2月20日発行、p.112 トランジスタ技術2008年3月増刊、「RFワールドNo.1」、CQ出版、2008年3月1日発行、p.55
従来の変調器では、衛星中継器を通過後、進行波管増幅器(TWTA)の非線形歪などにより、受信装置側の信号点配置は同じ情報ビットであったとしても所望の点からずれが発生し、直交IQ平面上で広がりを生じる。そのため、特に多値振幅位相変調では、シンボル間干渉により誤りが発生しやすくなり、結果として所要C/Nが増大し、伝送品質劣化となる。また、多値振幅位相変調のとき進行波管増幅器(TWTA)の出力バックオフをとる一方で、受信電力が低下し、結果として所要C/Nの劣化となる。また、地上デジタル放送でも、OFDMが採用されているため、同様に増幅器には大きなバックオフをとった運用が必要である。
本発明の目的は、上述の問題に鑑み、衛星中継器等による非線形歪を事前に送信装置の変調器側で補正することにより、所要C/Nの劣化量や出力バックオフ量をできる限り軽減させ、受信装置側での信号点配置のずれ幅を小さくする、デジタル信号の送信装置を提供することにある。
本発明は、多値変調信号送信の際、理想的な信号点配置(以下、理想IQ信号点と称する)と、想定される伝送路の通過後のIQ信号点との誤差ベクトルをシンボルごとに計算し、その誤差ベクトルを差し引いた信号点に変換して伝送することで、伝送路通過によるシンボル点がIQ平面上での広がりを軽減し、所要C/Nの劣化を改善する。
即ち、本発明による送信装置は、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調する送信装置であって、前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器と、該擬似伝送器を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段と、前記マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段と、前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点で直交変調する直交変調手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による送信装置は、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調する送信装置であって、前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器、該擬似伝送器を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、前記擬似伝送器入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段、及び前記擬似伝送器入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器と、前記直列配列した複数の信号点変換器によって、前記各擬似伝送器入力信号点を当該誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点で直交変調する直交変調手段と、を備え、n段目(nは整数)の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が、(n+1)段目の前記信号点変換器の前記擬似伝送器の入力となるように接続し、最終段の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が前記直交変調手段の入力となるように接続することを特徴とする。
また、本発明による送信装置は、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調しOFDM多重して送信する送信装置であって、周波数軸信号点系列を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部と、前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器と、時間軸信号点系列を周波数軸OFDM信号に変換するOFDM逆変換部と、前記OFDM変換部、前記擬似伝送器、及び前記OFDM逆変換部の経路を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段と、前記マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段と、前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部と、該時間軸OFDM信号で直交変調する直交変調手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による送信装置は、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調しOFDM多重して送信する送信装置であって、周波数軸信号点系列を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部、前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器、時間軸信号点系列を周波数軸OFDM信号に変換するOFDM逆変換部、前記OFDM変換部、前記擬似伝送器、及び前記OFDM逆変換部の経路を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、前記OFDM変換部入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段、及び前記OFDM変換部入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器と、前記直列配列した複数の信号点変換器によって、前記各OFDM変換部入力信号点を当該誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点を、時間軸OFDM信号に変換する送信用OFDM変換部と、時間軸OFDM信号を直交変調する直交変調手段と、を備え、n段目(nは整数)の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が、(n+1)段目の前記信号点変換器の前記OFDM変換部の入力となるように接続し、最終段の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が前記送信用OFDM変換部の入力となるように接続することを特徴とする。
また、本発明による送信装置において、前記所定の変調方式は、ASK、PSK、若しくはAPSKを含むことを特徴とする。尚、QAMはAPSK変調のうち、信号点配置を直交格子上に選んだものであるから、QAMもAPSKに含まれる。
また、本発明による送信装置は、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式でVSB変調して送信する送信装置であって、所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部と、前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器と、VSB検波を行うVSB検波部と、前記VSBフィルタ部、前記擬似伝送器、及び前記VSB検波部の経路を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段と、前記マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段と、前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点系列に所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部と、該VSBフィルタ部の出力を直交変調する直交変調手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による送信装置は、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式でVSB変調して送信する送信装置であって、所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部、前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器、VSB検波を行うVSB検波部、前記VSBフィルタ部、前記擬似伝送器、及び前記VSB検波部の経路を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、前記VSBフィルタ部入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段、及び前記VSBフィルタ部入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器と、前記直列配列した複数の信号点変換器によって、前記各VSBフィルタ部入力信号点を当該誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点系列に所定の帯域制限を行う送信用VSBフィルタ部と、該送信用VSBフィルタ部の出力を直交変調する直交変調手段と、を備え、n段目(nは整数)の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が、(n+1)段目の前記信号点変換器の前記VSBフィルタ部の入力となるように接続し、最終段の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が前記送信用VSBフィルタ部の入力となるように接続することを特徴とする。
また、本発明による送信装置において、前記所定の変調方式は、1次元上に信号点を配置した変調方式であることを特徴とする。
また、本発明による送信装置において、前記擬似伝送器は、前記対象機器における予め定められた入力フィルタ、増幅器、及び出力フィルタの特性を近似した値の設定値を有することを特徴とする。尚、前記中継器に増幅器が存在しない場合には、前記入力フィルタ、及び前記出力フィルタはいずれも単なる帯域通過フィルタを意味する。
また、本発明による送信装置において、前記対象機器は、位相及び振幅の周波数特性及び非線形特性のうち1つ以上の既知の特性を有する中継器、電気機器、光学機器、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする。
本発明によれば、想定される伝送路の歪を送信側で事前に計算し、シンボルごとに補正するため、とりわけ非線形歪の影響に弱い多値振幅位相変調のときに、大幅な所要C/Nの劣化を改善する効果を奏する。
まず、本発明による実施例1の送信装置を説明する。尚、各図面において、同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
(実施例1)
図3は、本発明による実施例1の送信装置(前述のように、各種規格に準拠した一般化した送信装置である)における変調器の構成のみを示すブロック図である。実施例1の送信装置1は、前述した図1に示す放送衛星に備えた衛星中継器を介する伝送システムに適用可能な送信装置であり、既存の放送衛星に対して放送波信号を送信することができる。更に、既設の別の送信装置とは無関係に伝送システムに組み入れることができる。従って、実施例1の送信装置1は、デジタル放送で採用されている規格、例えばISDB−S、DVB−S2などに準拠したものとすることができる。従って、実施例1の送信装置1は、実衛星2の衛星中継器を介して受信装置3−Nに向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調する送信装置として構成される。
図3に示すように、実施例1の送信装置1における変調器は、送信するデジタル信号(所定の符号化を施した変調前の信号)に対して、シリアルのビット列をパラレルに変換するシリアル/パラレル変換(S/P)部12と、所定の変調方式毎にマッピングするマッピング部13と、信号点変換部5と、各々の所定の変調方式に応じた直交変調を施す直交変調部14とを備える。ここで、シリアル/パラレル変換(S/P)部12、マッピング部13、及び直交変調部14は、図2に示した従来からの一般的な送信装置のものと同様に機能する。
信号点変換部5は、擬似衛星中継器6と、遅延部7と、第1ベクトル加算部8及び第2ベクトル加算部9からなるベクトル演算部30とを備える。
擬似衛星中継器6は、図1に示す実衛星2の衛星中継器の位相及び振幅の周波数特性及び非線形特性に近似した特性を有し、即ち入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ61、進行波管増幅器(TWTA)62、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ63を具備しており、IMUXフィルタ61によってマッピング部13を経て入力されるデジタル信号から1チャンネル分ごとに帯域抽出を行い、進行波管増幅器(TWTA)62により利得制御を行って、OMUXフィルタ63で不要周波数成分を抑圧する。これにより、擬似衛星中継器6は、送信するデジタル信号の信号点のマッピング後の理想IQ信号点に対して、実衛星2の衛星中継器によって生じうる信号点のずれを模擬した信号点のIQ信号を送出する。
第1ベクトル加算部8は、擬似衛星中継器6から送出される、送信するデジタル信号の信号点のマッピング後の理想IQ信号点に対する信号点のずれを誤差ベクトルとしてシンボルごとに生成する。
遅延部7は、マッピング部13による信号点のマッピング後の信号点を、第1ベクトル加算部8による誤差ベクトルで補正するために、タイミング調整する。従って、遅延部7は、擬似衛星中継器6によって生じる遅延量Dと同一の遅延量でタイミング調整するように機能する。
第2ベクトル加算部9は、マッピング部13による信号点のマッピング後の信号点を、第1ベクトル加算部8による誤差ベクトルで補正した信号点に変換する。第1ベクトル加算部8及び第2ベクトル加算部9はベクトル演算部30を構成し、ベクトル演算手段として機能する。
直交変調部14は、第2ベクトル加算部9によって誤差ベクトルで補正した信号点で、所定の変調方式に応じて直交変調する。ここで云う所定の変調方式には、π/2シフトBPSKを含むBPSK、π/4シフトQPSKを含むQPSK、8PSK、16APSK若しくは32APSKを含む。
以下、実施例1の送信装置の動作をより詳細に説明する。
実施例1の送信装置1における変調器に入力されるデジタル信号は、シリアル/パラレル変換(S/P)部12により伝送に用いる変調方式で1シンボルあたりに伝送できるビット数にシリアル/パラレル変換される。マッピング部13は、この変換された信号に対してI信号振幅及びQ信号振幅に変換するマッピング処理を行う。
次に、マッピングした信号は2分配され、そのうちの一方の信号は、実衛星2の衛星中継器の特性を模擬した擬似衛星中継器6における入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ61、進行波管増幅器(TWTA)62、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ63に通過させる。ここで、擬似衛星中継器6におけるIMUXフィルタ61及びOMUXフィルタ63の周波数に対する振幅特性及び群遅延特性、並びにTWTAのAM−AM特性及びAM−PM特性は、実衛星2の衛星中継器の特性に近似した特性に設定し、好適には実衛星2の設計時の値か、又は実衛星2の衛星中継器の運行中の設定値と等価に設定する。
また、擬似衛星中継器6は、実衛星2の衛星中継器の特性を模擬したものでよいため、厳密に実衛星2の衛星中継器の特性に対する同一性が要求されるものではないことは云うまでもない。従って、入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ61、進行波管増幅器(TWTA)62、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ63と同等の機能を有する限り、任意の態様で構成することができ、例えば進行波管増幅器(TWTA)62の代わりに対応するデジタル値の信号を増幅変換するルックアップテーブルを格納したメモリで構成することもできる。また、入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ61、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ63はデジタルフィルタで構成することもできる。
次に、擬似衛星中継器6の通過で生じる遅延量Dとすると、遅延部7により、マッピングした信号における2分配の他方の信号にも同じ遅延量Dをもたせ、シンボルごとにベクトル演算する際の同期をとるようにする。
次に、第1ベクトル加算部8により、ベクトル演算ではまずマッピング後の理想IQ信号点からみた擬似衛星中継器6の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとしてシンボルごとに導出する。誤差ベクトルを求める演算は、擬似衛星中継器6から入力される信号点の平均電力が遅延部7から入力されるIQ信号点の平均電力と等しくなるように、若しくはより好適には、ベクトル加算部8の出力の平均電力が最小になるように調整した後、擬似衛星中継器6から入力される信号点ベクトルから遅延部7から入力されるIQ信号点ベクトルを減算することにより行う。次に、第2ベクトル加算部9によりその誤差ベクトルを差し引いた信号点を発生させる(図4参照)。尚、第2ベクトル加算部9は後続する直交変調部14以降の処理に影響を与えないよう変換後のIQ信号点の平均電力が元の理想IQ信号点の平均電力と同値になるように、変換後、全シンボルの振幅を定数倍して調整し出力する。
直交変調部14は、これらのベクトル演算した信号点で直交変調する。尚、ここではベクトル演算部30を第1ベクトル加算部8及び第2ベクトル加算部9で構成したが、これらで行っている演算は遅延部7の出力信号点のベクトルを2倍し、擬似衛星中継器6の出力ベクトルを、擬似衛星中継器6から入力される信号点の平均電力が遅延部7から入力されるIQ信号点の平均電力と等しくなるように調整した後、減算することでも実現できる。
従って、実施例1の送信装置1によれば、所要C/Nの劣化を改善した放送波信号を送信することができる。
次に、本発明による実施例2の送信装置を説明する。尚、各図面において、同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
(実施例2)
図5は、本発明による実施例2の送信装置における変調器の構成のみを示すブロック図である。
実施例2の送信装置1は、前述した実施例1の送信装置における誤差補正精度を更に高めるように構成した装置である。即ち、実施例1の送信装置における擬似衛星中継器6、ベクトル演算手段として機能するベクトル演算部30、及びタイミング調整手段として機能する遅延部7を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器を備え、直交変調部14は、直列配列した複数の該信号点変換器によって、マッピング部13による信号点のマッピング後の信号点を直列配列した最終段の信号点変換器を経て得られる誤差ベクトルで補正した信号点で直交変調する。
尚、実施例2の送信装置1において、一組の信号点変換器1−n(nは、1以上の自然数)は、それぞれ同様に機能するものとし、図5では、擬似衛星中継器6の入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ61−1,61−2,61−3と、進行波管増幅器(TWTA)62−1,62−2,62−3と、出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ63−1,63−2,63−3と、ベクトル演算部30−1,30−2,30−3と、第1ベクトル加算部8−1,8−2,8−3と、遅延部7−1,7−2,7−2a,7−2b,7−3,7−3a,7−3b,7−3cと、第2ベクトル加算部9−1,9−2,9−3として示しており、それぞれ実施例1の送信装置における入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ61と、進行波管増幅器(TWTA)62と、出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ63と、ベクトル演算部30と、第1ベクトル加算部8と、遅延部7と、第2ベクトル加算部9に対応する機能を有する。
また、図5ではベクトル加算8−2およびベクトル加算8−3の減算「−」に入力される信号はマッピング13出力から遅延部をそれぞれ2および3個使用しているが、これを仮に遅延D7−1出力にすれば、ベクトル加算8−2の減算「−」までの構成は遅延D7−2aと遅延部が1個に軽減できる。更に、上記仮定のもとベクトル加算8−3の減算「−」の接続を遅延D7−2aの出力にすればこちらも遅延部を1個に軽減することも可能である。
従って、実施例2の送信装置1によれば、所要C/Nの劣化を更に改善した放送波信号を送信することができる。
実施例1及び2の送信装置1におけるシミュレーション計算の結果の一例を、代表的に32APSK変調について図6に示す。
図6を参照するに、図6(A)は、図5に示す図示Aにおける理想IQ信号点のマッピングを示す。従って、32APSK変調した信号点は、本来この信号点配置で受信装置に到達するのが望ましい。
図6(B)は、実衛星2における衛星中継器を通過させた復調時の際と同等のIQ信号点配置となる、図5に示す図示Bにおける擬似衛星中継器6を通過後のIQ信号点のマッピングを示す。これは、理想IQ信号点を直交変調し、衛星中継器を通過させた場合、入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタによる帯域制限、進行波管増幅器(TWTA)による非線形特性、出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタによる帯域制限の影響を受けるためであり、補正することなく既存の衛星中継器を通過させた場合に、等価受信C/Nの劣化が大きいことが分かる。シミュレーションの結果によれば、この時のエラーベクトル振幅(EVM:Error Vector Magnitude)は16.2%となった。尚、ここでの出力バックオフ(OMUXフィルタ出力における無変調時の飽和出力に対する変調波出力時の出力比)は3.0dBとした。
図6(C)は、図5に示す図示Cにおける1回のベクトル演算で得られる誤差ベクトルで表されるIQ信号点のマッピングを示す。
図6(D)は、図5に示す図示Dにおける1回のベクトル演算で補正したIQ信号点で変調した信号を、実衛星2における衛星中継器を通過させた復調時の際と同等のIQ信号点配置となる擬似衛星中継器6を通過後のIQ信号点のマッピングを示す。図6(B)と比較して、等価C/Nの劣化が改善することが分かる。シミュレーションの結果によれば、EVMが6.9%まで抑えることができた。
図6(E)は、図5に示す図示Eにおける2回のベクトル演算で得られる誤差ベクトルで表されるIQ信号点のマッピングを示す。
図6(F)は、図5に示す図示Fにおける2回誤差ベクトルで補正したIQ信号点で変調した信号を、実衛星2における衛星中継器を通過させた復調時の際と同等のIQ信号点配置となる擬似衛星中継器6を通過後のIQ信号点のマッピングを示す。図6(D)と比較して、等価C/Nの劣化が更に改善することが分かる。シミュレーションの結果によれば、EVMが4.2%まで抑えることができた。
このように、複数回の歪補正演算によって、更なるEVM値の低下、及び所要C/N劣化の改善が期待できることが分かる。
次に、本発明による実施例3の送信装置を説明する。尚、各図面において、同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
(実施例3)
図8は、本発明による実施例3の送信装置の構成を示すブロック図である。実施例3の送信装置1は、前述した図7に示すOFDMによる伝送システムに適用可能な送信装置であり、既存の放送受信機に対して放送波信号を送信することができる。更に、既設の別の送信装置とは無関係に伝送システムに組み入れることができる。従って、実施例3の送信装置1は、デジタル放送で採用されている規格、例えばISDB−T、DVB−T、DVB−T2などに準拠したものとすることができる。従って、実施例3の送信装置1は、図示しない受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調する送信装置として構成される。
図8に示すように、実施例3の送信装置1における変調器11は、送信するデジタル信号(所定の符号化を施した変調前の信号)に対して、シリアルのビット列をパラレルに変換するシリアル/パラレル変換(S/P)部12と、所定の変調方式毎にマッピングするマッピング部13と、信号点変換部5と、OFDM変換部15と、直交変調を施す直交変調部14とを備える。ここで、シリアル/パラレル変換(S/P)部12、マッピング部13、OFDM変換部15、及び直交変調部14は、図7に示した従来からの一般的な送信装置のものと同様に機能する。
信号点変換部5は、シリアル/パラレル変換(S/P)部181a,181b、逆高速フーリエ変換(IFFT)部182、及びパラレル/シリアル変換(P/S)部183a,183bからなるOFDM変換部18と、フィルタ部191、電力増幅部192、及びフィルタ部193からなる擬似増幅器19と、シリアル/パラレル変換(S/P)部201a,201b、高速フーリエ変換(FFT)部202、及びパラレル/シリアル変換(P/S)部203a,203bからなるOFDM逆変換部20と、遅延部7と、第1ベクトル加算部8及び第2ベクトル加算部9からなるベクトル演算部30とを備える。
擬似増幅器19は、図7に示す増幅器16における位相及び振幅の周波数特性及び非線形特性に近似した特性を有し、即ちフィルタ191、電力増幅部192、及びフィルタ193を具備しており、フィルタ191によって不要周波数成分の抑圧を行い、電力増幅部192により所定の電力に増幅し、フィルタ193で不要周波数成分を抑圧する。
これにより、擬似増幅器19は、送信するデジタル信号の信号点のマッピング後の理想IQ信号点に対して、増幅器16によって生じうる信号点のずれを模擬した信号点をもつOFDMで多重化された時間軸信号のIQ信号を送出する。また、後段のOFDM逆変換部20では、擬似増幅器19から出力されたOFDMで多重化された時間軸信号のIQ信号を周波数軸のIQ信号に変換する。
第1ベクトル加算部8は、OFDM逆変換部20から送出される、送信するデジタル信号の信号点のマッピング後の信号点から理想IQ信号点に対するずれを誤差ベクトルとしてシンボルごとに生成する。
遅延部7は、マッピング部13による信号点のマッピング後の信号点を、第1ベクトル加算部8による誤差ベクトルで補正するために、タイミング調整する。従って、遅延部7は、OFDM変換部18、擬似増幅器19、およびOFDM逆変換部20によって生じる遅延量Dと同一の遅延量でタイミング調整するように機能する。
第2ベクトル加算部9は、マッピング部13による信号点のマッピング後の信号点を、第1ベクトル加算部8による誤差ベクトルで補正した信号点に変換する。第1ベクトル加算部8及び第2ベクトル加算部9はベクトル演算部30を構成し、ベクトル演算手段として機能する。
OFDM変換部15は、信号変換部5の出力を、シリアル/パラレル変換(S/P)部151a,151bにより、多数のOFDM搬送波に割り振られる。次に逆高速フーリエ変換(IFFT)部152により多数のOFDM搬送波を同数の時間軸信号に変換する。さらに、パラレル/シリアル変換(P/S)部153a,153bにより、得られた時間軸信号を1本の時系列信号に変換する。その後、直交変調部14に入力され、直交変調部14は、第2ベクトル加算部9によって誤差ベクトルで補正した信号点で、所定の変調方式に応じて直交変調する。ここで云う所定の変調方式には、π/2シフトBPSKを含むBPSK、π/4シフトQPSKを含むQPSK、8PSK、16QAM、32QAM、64QAM、128QAM、及び256QAMを含む。
以下、実施例3の送信装置の動作をより詳細に説明する。
実施例3の送信装置1における変調器に入力されるデジタル信号は、シリアル/パラレル変換(S/P)部12により伝送に用いる変調方式で1シンボルあたりに伝送できるビット数にシリアル/パラレル変換される。マッピング部13は、この変換された信号に対してI信号振幅及びQ信号振幅に変換するマッピング処理を行う。
次に、マッピングした信号は2分配され、そのうちの一方の信号は、OFDM変換部18のシリアル/パラレル変換(S/P)部181a,181bで多数のOFDM搬送波に割り振られる。逆フーリエ変換(IFFT)部182では、OFDM搬送波を同数の時間軸信号に変換する。この時間軸信号は、増幅器16の特性を模擬した擬似増幅器19におけるフィルタ191、電力増幅部192、及びフィルタ193に通過させる。ここで、擬似増幅器19におけるフィルタ191及びフィルタ193の周波数に対する振幅特性及び群遅延特性、並びに電力増幅部192のAM−AM特性及びAM−PM特性は、増幅器16のものに近い特性に設定し、好適には増幅器16の設計時の値か、又は増幅器16の運行中の設定値と等価に設定する。擬似中継器通過後の信号は、OFDM逆変換部20のシリアル/パラレル変換(S/P)部201a,201bでOFDM搬送波と同数に分配され、高速フーリエ変換(FFT)部202で周波数軸信号に変換される。その後、パラレル/シリアル変換(P/S)部203a,203bで1本の信号系列に変換される。この信号系列は、擬似増幅器19による影響をうけた信号点の系列となる。
なお、擬似増幅器19は、増幅器16の特性を模擬したものでよいため、厳密に増幅器16の特性に対する同一性が要求されるものではないことは云うまでもない。従って、フィルタ161、電力増幅部162、及びフィルタ163と同等の機能を有する限り、任意の態様で構成することができ、例えば電力増幅部192の代わりに対応するデジタル値の信号を増幅変換するルックアップテーブルを格納したメモリで構成することもできる。また、フィルタ191、及びフィルタ193はデジタルフィルタで構成することもできる。
OFDM変換部18、擬似増幅器19、及びOFDM逆変換部20の通過で生じる遅延量Dとすると、遅延部7により、マッピングした信号における2分配の他方の信号にも同じ遅延量Dをもたせ、シンボルごとにベクトル演算する際の同期をとるようにする。
第1ベクトル加算部8により、ベクトル演算ではまずマッピング後の理想IQ信号点からみたOFDM変換部18、擬似増幅器19、及びOFDM逆変換部20を通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとしてシンボルごとに導出する。誤差ベクトルを求める演算は、OFDM逆変換部20から入力される信号点の平均電力が遅延部7から入力されるIQ信号点の平均電力と等しくなるように、若しくはより好適には、ベクトル加算部8の出力の平均電力が最小になるように調整した後、OFDM逆変換部20から入力される信号点ベクトルから、遅延部7から入力されるIQ信号点ベクトルを減算することにより行う。
次に、第2ベクトル加算部9によりその誤差ベクトルを差し引いた信号点を発生させる(図4参照)。尚、第2ベクトル加算部9は、後続するOFDM変換部15以降の処理に影響を与えないよう変換後のIQ信号点の平均電力が元の理想IQ信号点の平均電力と同値になるように、変換後、全シンボルの振幅を定数倍して調整し出力する。その後、OFDM変換部15でこれらのベクトル演算した信号点がOFDM信号に変換され、直交変調部14が直交変調する。尚、ここではベクトル演算部30を第1ベクトル加算部8及び第2ベクトル加算部9で構成したが、これらで行っている演算は遅延部7の出力信号点のベクトルを2倍し、擬似増幅器19の出力ベクトルを、OFDM逆変換部20から入力される信号点の平均電力が遅延部7から入力されるIQ信号点の平均電力と等しくなるように調整した後、減算することでも実現できる。
このように、実施例3の送信装置1によれば、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調しOFDM多重して送信する送信装置として提供され、この送信装置は、周波数軸信号点系列を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部18と、伝送路上の対象機器の特性に対応する特性を有する擬似伝送器(本実施例では、擬似増幅器19)と、時間軸信号点系列を周波数軸OFDM信号に変換するOFDM逆変換部20と、擬似伝送器を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該信号点のマッピング後の信号点を前記誤差ベクトルで補正した信号点に変換するベクトル演算部30と、当該信号点のマッピング後の信号点を誤差ベクトルで補正するためにタイミング調整する遅延部7と、誤差ベクトルで補正した信号点を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部15と、該時間軸OFDM信号で直交変調する直交変調部14とを備え、所要C/Nの劣化を改善した放送波信号を送信することができるようになる。
また、実施例1から実施例2に拡張したのと同様に、送信装置における誤差補正精度を更に高めるように構成することが可能である。即ち、実施例3の送信装置は、OFDM変換部18、擬似増幅器19、OFDM逆変換部20、ベクトル演算手段として機能するベクトル演算部30、及びタイミング調整手段として機能する遅延部7を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の該信号点変換器1−nを備え、OFDM変換部15は、直列配列した複数の該信号点変換器によってマッピング部による信号点のマッピング後の信号点を直列配列した最終段の信号点変換器を経て得られる誤差ベクトルで補正した信号点をOFDM信号に変換し、直交変調部14は、このOFDM変換部15の出力を直交変調するように構成とすることも可能である。
より具体的には、実施例3の送信装置1を拡張した態様として、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調しOFDM多重して送信する送信装置として提供することができる。この送信装置は、周波数軸信号点系列を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部18、伝送路上の対象機器の特性に対応する特性を有する擬似伝送器(本実施例では、擬似増幅器19)、時間軸信号点系列を周波数軸OFDM信号に変換するOFDM逆変換部20、該擬似伝送器を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該信号点のマッピング後の信号点を前記誤差ベクトルで補正した信号点に変換するベクトル演算部30、及び当該信号点のマッピング後の信号点を前記誤差ベクトルで補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器1−nと、直列配列した複数の信号点変換器によって、当該信号点のマッピング後の信号点を当該誤差ベクトルで補正した信号点を、時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部15と、時間軸OFDM信号を直交変調する直交変調部14とを備え、所要C/Nの劣化を改善した放送波信号を送信するように構成とすることも可能である。
上述の実施例については衛星デジタル放送、及びOFDM多重を行う地上デジタル放送に適用した場合を代表的な例として説明したが、同様にそれ以外の伝送路にも適用が可能である。たとえば、通信衛星経由及び/又は中継器経由で映像信号を撮影現場からスタジオまで伝送する素材伝送用には変調方式に16QAM変調や32QAM変調などが利用される。この場合、実施例1の図3、又は実施例2の図5においてマッピング部13を16QAMや32QAM変調に対応したものとし、擬似衛星中継器又は擬似増幅器の特性を当該通信衛星の入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ、進行波管増幅器、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタの特性に近似させて構成すればよい。
また、デジタル変調された信号を更に電気/光変換して光ファイバーで伝送し、光/電気変換してデジタル変調された信号を復元し、デジタル復調するような場合には、電気/光変換器、光/電気変換器の非線形特性が問題になる場合がある。このような場合、図3又は図5において、擬似衛星中継器6を、入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ61、進行波管増幅器(TWTA)62、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ63で構成する代わりに、電気/光変換器、光/電気変換器で構成し、その特性を実際に用いられる電気/光変換器、光/電気変換器の非線形特性とすることで、電気/光変換器、光/電気変換器の非線形特性による劣化を抑圧することができる。
また、本発明における送信装置は、地上の中継器を介して伝送するOFDM以外の伝送システムにも適用することもできる。
例えば、米国や韓国の地上デジタル放送では、8値または16値の信号点を一次元上に等間隔配置して変調した後、スペクトルの半分をフィルタで除去して伝送する8値/16値VSB変調を採用したATSC方式が用いられており、最終的に電波を送出する電力増幅器の非線形特性が問題となる場合が考えられる。この場合には、図3または図5において、擬似衛星中継器6を、入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ61、進行波管増幅器(TWTA)62、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ63で構成する代わりに、所定の帯域制限を行うVSBフィルタ、電力増幅器、VSB検波器で構成し、さらに直交変調部14の前に所定の帯域制限を行うVSBフィルタを配置すれば電力増幅器の非線形特性による劣化を抑圧したVSB変調器を構成することができる。なお、ATSC方式では8値または16値の信号点を一次元上に等間隔配置した変調を基本とした8値/16値VSB変調が採用されているが、IQ平面上の信号点を原点を通る一本の直線上に一次元的に配置した変調方式であれば、それを基本としたVSB変調器も構成可能であり、例えば、信号点数を32、64、128といった2のべき乗に選びその信号点を等間隔または不等間隔に一次元的に配置した変調方式とした構成も可能である。
具体的には、VSB変調に適用する場合の送信装置は、所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式でVSB変調して送信する送信装置として提供することができる。この送信装置は、上述の実施例1の説明に従って、所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部(図示せず)と、伝送路上の対象機器(例えば、実衛星2の中継器)の特性に対応する特性を有する擬似伝送器6と、VSB検波を行うVSB検波部(図示せず)と、擬似伝送器6を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該信号点のマッピング後の信号点を前記誤差ベクトルで補正した信号点に変換するベクトル演算部30と、この信号点のマッピング後の信号点を誤差ベクトルで補正するためにタイミング調整するタイミング遅延部7と、誤差ベクトルで補正した信号点系列に所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部(図示せず)と、該VSBフィルタ部の出力を直交変調する直交変調部14とを備え、伝送路上の非線形特性による劣化を抑圧するように構成することができる。
更に、このVSB変調に適用する場合の送信装置は、上述の実施例2の説明に従って、所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部(図示せず)、伝送路上の対象機器(例えば、実衛星2の中継器)の特性に対応する特性を有する擬似伝送器6、VSB検波を行うVSB検波部(図示せず)、擬似伝送器6を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該信号点のマッピング後の信号点を前記誤差ベクトルで補正した信号点に変換するベクトル演算部30、及び当該信号点のマッピング後の信号点を誤差ベクトルで補正するためにタイミング調整するタイミング調整部30を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器1−nと、この直列配列した複数の信号点変換器1−nによって、当該信号点のマッピング後の信号点を当該誤差ベクトルで補正した信号点系列に所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部(図示せず)と、該VSBフィルタ部の出力を直交変調する直交変調部14とを備え、伝送路上の非線形特性による劣化を抑圧するように構成することができる。
上述の実施例については代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変形及び置換することができることは当業者に明らかである。例えば、上述の実施例では、衛星中継器又は地上波用の送信側増幅器を例に説明したが、このような衛星中継器又は地上波用の送信側増幅器は、位相及び振幅の周波数特性及び非線形特性のうち1つ以上の既知の特性を有する中継器、電気機器、光学機器、又はこれらの組み合わせに適用することができるため、これらを総括して「対象機器」と称する。尚、伝送路は、送信側の信号変調後から受信側の信号復調までの信号経路を云う。また、上述の実施例では、衛星中継器又は地上波用の送信側増幅器の特性に近似した特性を有する擬似衛星中継器又は擬似増幅器を説明したが、このような擬似衛星中継器又は擬似増幅器は、伝送路上の対象機器の特性を近似した特性(即ち、伝送路上の対象機器の特性に対応する特性)を有する任意の機器で構成できるため、これらを総括して「擬似伝送器」と称する。また、「近似した特性」(即ち、「対応する特性」)とは、「等価な特性」を含む。すなわち、本発明の本質は、中継器や伝送路で生じる歪を、送信装置において予め予測し、その歪成分を減じてから送信することによって伝送特性の改善を図るものであって、伝送特性の劣化要因となる中継器若しくは伝送路の構成要素はどのようなものであってもよい。とりわけ、本発明は、振幅位相変調の信号伝送に効果を発揮することは実施例で説明したとおりである。
従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明によれば、伝送路歪みを好適に低減させることができるので、非線形歪補正装置及びデジタル変調装置などの専用化した装置としても構成でき、伝送歪を有する伝送路を介するデジタル信号の信号処理用途に有用である。
放送衛星に備えた衛星中継器を介する伝送システムの構成を示すブロック図である。 従来からの一般化した送信装置の変調器の構成のみを示すブロック図である。 本発明による実施例1の送信装置における変調器の構成のみを示すブロック図である。 本発明による実施例のベクトル演算を示す図である。 本発明による実施例2の送信装置における変調器の構成のみを示すブロック図である。 本発明による実施例の送信装置における32APSK変調時の信号点配置の計算結果を示す図である。 従来からの一般化したOFDM送信装置の構成を示すブロック図である。 本発明による実施例3の送信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 送信装置
1−n 信号点変換器
2 実衛星
3−1〜3−N 受信装置
5 信号点変換部
6 擬似衛星中継器
7, 7−1,7−2,7−2a,7−2b,7−3 遅延部
7−3a,7−3b,7−3c 遅延部
8, 8−1,8−2,8−3 第1ベクトル加算部
9, 9−1,9−2,9−3 第2ベクトル加算部
11 変調器
12 シリアル/パラレル変換(S/P)部
13 マッピング部
14 直交変調部
15 OFDM変換部
16 増幅器
17 アンテナ
18 OFDM変換部
19 擬似増幅器
20 OFDM逆変換部
21 入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ
22 進行波管増幅器(TWTA)
23 出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ
30,30−1,30−2,30−3 ベクトル演算部
61, 61−1,61−2,61−3 入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ
62, 62−1,62−2,62−3 進行波管増幅器(TWTA)
63, 63−1,63−2,63−3 出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタ
151a,151b,181a,181b,201a,201b シリアル/パラレル変換(S/P)部
153a,153b,183a,183b,203a,203b パラレル/シリアル変換(P/S)部
152,182 逆高速フーリエ変換(IFFT)部
202 高速フーリエ変換(FFT)部

Claims (10)

  1. 所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調する送信装置であって、
    前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器と、
    該擬似伝送器を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段と、
    前記マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段と、
    前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点で直交変調する直交変調手段と、
    を備えることを特徴とする送信装置。
  2. 所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調する送信装置であって、
    前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器、
    該擬似伝送器を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、前記擬似伝送器入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段、及び
    前記擬似伝送器入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器と、
    前記直列配列した複数の信号点変換器によって、前記各擬似伝送器入力信号点を当該誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点で直交変調する直交変調手段と、を備え、
    n段目(nは整数)の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が、(n+1)段目の前記信号点変換器の前記擬似伝送器の入力となるように接続し、最終段の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が前記直交変調手段の入力となるように接続することを特徴とする送信装置。
  3. 所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調しOFDM多重して送信する送信装置であって、
    周波数軸信号点系列を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部と、
    前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器と、
    時間軸信号点系列を周波数軸OFDM信号に変換するOFDM逆変換部と、
    前記OFDM変換部、前記擬似伝送器、及び前記OFDM逆変換部の経路を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段と、
    前記マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段と、
    前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部と、
    該時間軸OFDM信号で直交変調する直交変調手段と、
    を備えることを特徴とする送信装置。
  4. 所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式で変調しOFDM多重して送信する送信装置であって、
    周波数軸信号点系列を時間軸OFDM信号に変換するOFDM変換部、
    前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器、
    時間軸信号点系列を周波数軸OFDM信号に変換するOFDM逆変換部、
    前記OFDM変換部、前記擬似伝送器、及び前記OFDM逆変換部の経路を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、前記OFDM変換部入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段、及び
    前記OFDM変換部入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器と、
    前記直列配列した複数の信号点変換器によって、前記各OFDM変換部入力信号点を当該誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点を、時間軸OFDM信号に変換する送信用OFDM変換部と、
    時間軸OFDM信号を直交変調する直交変調手段と、を備え、
    n段目(nは整数)の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が、(n+1)段目の前記信号点変換器の前記OFDM変換部の入力となるように接続し、最終段の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が前記送信用OFDM変換部の入力となるように接続することを特徴とする送信装置。
  5. 前記所定の変調方式は、ASK、PSK、若しくはAPSKを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の送信装置。
  6. 所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式でVSB変調して送信する送信装置であって、
    所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部と、
    前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器と、
    VSB検波を行うVSB検波部と、
    前記VSBフィルタ部、前記擬似伝送器、及び前記VSB検波部の経路を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、当該マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段と、
    前記マッピング後の理想IQ信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段と、
    前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点系列に所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部と、
    該VSBフィルタ部の出力を直交変調する直交変調手段と、
    を備えることを特徴とする送信装置。
  7. 所定の伝送路を介して受信装置に向けてデジタル信号を送信するために、該デジタル信号を所定の変調方式でVSB変調して送信する送信装置であって、
    所定の帯域制限を行うVSBフィルタ部、
    前記伝送路上の対象機器の特性に近似した特性を有する擬似伝送器、
    VSB検波を行うVSB検波部、
    前記VSBフィルタ部、前記擬似伝送器、及び前記VSB検波部の経路を介して送信するデジタル信号の信号点からマッピング後の理想IQ信号点に対する前記対象機器の通過後の信号点のずれを誤差ベクトルとして求め、前記VSBフィルタ部の入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点に変換するベクトル演算手段、及び
    前記VSBフィルタ部入力信号点を前記誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正するためにタイミング調整するタイミング調整手段を一組の信号点変換器として、直列配列した複数の信号点変換器と、
    前記直列配列した複数の信号点変換器によって、前記各VSBフィルタ部入力信号点を当該誤差ベクトルの逆ベクトルを加算することにより補正した信号点系列に所定の帯域制限を行う送信用VSBフィルタ部と、
    送信用VSBフィルタ部の出力を直交変調する直交変調手段と、を備え
    n段目(nは整数)の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が、(n+1)段目の前記信号点変換器の前記VSBフィルタ部の入力となるように接続し、最終段の前記信号点変換器の前記ベクトル演算手段の出力が前記送信用VSBフィルタ部の入力となるように接続することを特徴とする送信装置。
  8. 前記所定の変調方式は、1次元上に信号点を配置した変調方式であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の送信装置。
  9. 前記擬似伝送器は、前記対象機器における予め定められた入力フィルタ、増幅器、及び出力フィルタの特性を近似した値の設定値を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の送信装置。
  10. 前記対象機器は、位相及び振幅の周波数特性及び非線形特性のうち1つ以上の既知の特性を有する中継器、電気機器、光学機器、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の送信装置。
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