JP3684377B2 - 通信歪み補償装置および補償方法 - Google Patents

通信歪み補償装置および補償方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,中継器を介在して通信を行なう通信システムにおける送信局の通信歪み補償装置および方法に関する。特にデジタル放送における衛星中継増幅器の周波数特性および非線形特性による信号歪みを補償する通信歪み補償装置および補償方法に関するものである。
【0002】
人工衛星の送受信機(中継器)は大量の情報を送るように大きいパワーを必要とされる。そのような中継器ではTWTA(進行波管)が使用されている。TWTAは,人工衛星の限られた電力で最大限に効率をあげるために,最大出力で動作するように動作条件が求められる。そのため,中継器は,増幅特性(AM/AM変換およびAM/PM変換)の非線形,および広帯域信号伝送における周波数特性が平坦でない等の問題を生じる。そのため,衛星で中継されて地上で受けた受信信号は非線形性と周波数特性の歪みを持つので信号品質が低下する。
【0003】
【従来の技術】
現在使用されている衛星放送システムでは,衛星に搭載されている中継器の増幅器で発生する歪みを補償するため,地上局において中継器の非線形特性と逆特性の歪みを入力信号に与えて,中継器を通過して受信側で復調される信号が送信側で搬送した信号と同じになるように歪み補償をしている。そのような伝送路の歪み特性の補償は,従来イコライザー,リニアライザー等の固定的なハードウェアで実現していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような通信システムは,動作点の変更,経年変化による伝送路特性の変化,あるいは中継器自体の変更により伝送路特性が変わることがある。そのような場合,ハードウェアによる歪み補償では,伝送路の特性変化に対して柔軟に追従することは不可能である。また,固定的なハードウェアでは,線形周波数特性の精度の良い等化および非線形歪み補償を行なうことは困難である。
【0005】
本発明は,このような伝送路特性の歪み補償を地上局において適応的に最適な受信信号が得られるように,ソフトウェア的な構成で実現した通信歪み補償装置および補償方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
人工衛星に搭載した中継器を介在して通信を行なう通信システムにおける該中継器の通信歪み補償装置において,
該通信歪み補償装置は地上局に備えられるものであり,
該通信歪み補償装置は,中継器の線形歪みを補償するタップドディレイラインにより構成される線形周波数特性同定部と,中継器の非線形歪み特性と入力と出力の関係が逆特性をもち,非線形歪みを補償するニューラルネットワークにより構成される非線形歪み同定・補償部により構成され,
非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星への送信信号と人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号に切り換える切り換え部を備え,
学習過程において,前記切り換えスイッチを非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号に切り換え,補償過程において,前記切り換えスイッチを非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星に送信するための理想信号に切り換えるものであり,
該非線形歪み同定・補償部は学習過程において人工衛星から送信される前記中継器の非線形歪みを含む信号を入力することにより中継器の非線形歪み特性の逆特性をもつように特性を調整するものであり,
補償過程において理想信号を入力して中継器の非線形歪み特性の前記逆特性により理想信号を補償し,出力するようにした。
【0007】
人工衛星の中継器を介在して通信を行なう通信システムにおける該中継器の通信歪み補償方法において,
該通信歪み補償装置は地上局に備えられるものであり,学習過程において線形周波数特性同定部で中継器出力の線形周波数歪みが最小になるようにその特性を同定し,非線形歪み同定・補償部において中継器出力の非線形歪みが最小になるようにその特性を同定する方法であって,
該線形周波数特性同定部はタップドディレイラインにより構成し,該非線形歪み同定・補償部はニューラルネットワークにより構成されるものであって,
非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星への送信信号と人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号に切り換える切り換え部を備え,
学習過程において,前記切り換えスイッチを非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号に切り換え,補償過程において,前記切り換えスイッチを非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星へ送信するための理想信号に切り換え,
該非線形歪み同定・補償部は,学習過程において,前記線形周波数特性同定部の出力と人工衛星から送信される前記中継器の非線形歪みを含む信号を入力することにより中継器の非線形歪み特性の逆特性をもつように特性を調整し,補償過程において理想信号を入力して中継器の非線形歪み特性の前記逆特性により理想信号を補償し,出力することを特徴とするようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1はデジタル衛星放送システムであり,本発明を適用する通信システムの例として示すものである。図1において,1は地上放送局である。2は人工衛星である。3は中継器である。地上放送局1において,8は入力信号であって,送信データ等の送信信号に搬送する信号である。9は通信歪み補償装置である。10は歪み補償設定部であって,送信する信号に歪み補償するものである。12は送信機であって,人工衛星2に送信信号を電波として出力するものである。13は受信機Mであって,人工衛星2で中継されて地上に送信される電波を受信するものである。
【0009】
21,22,23はそれぞれ受信機A,受信機B,受信機Cであって,ユーザの受信機である。25,26,27はそれぞれ受信信号出力部である。
【0010】
図1の構成において,歪み補償設定部10は,人工衛星2から送信される信号を受信し,入力信号(理想信号)と比較して歪み補償をする。即ち,線形周波数特性とTWTAの非線形特性のような人工衛星の中継器の特性に対して,線形周波数特性を同定し,さらに非線形特性を求めてその非線形特性の逆特性を求める。そして,中継器を介して受信側で受信され,復調された信号が送信側で搬送した入力信号と同じになるように,その逆特性に従って歪みを与える。その歪み補償された信号は送信機12から人工衛星2に送信される。さらに中継器3で中継されてユーザに受信される。
【0011】
図2は,本発明を適用する通信システムの伝送特性のモデルを表す図である。図2において,3は中継器である。30はエラー検出部であって,入力信号と受信信号を比較し,エラーを検出するものである。31は入力信号である。32は変調装置であって,例えば,TC8PSK変調装置である。33はフィルタであって,例えば,ロールオフフィルタである。
【0012】
中継器3において,41は増幅器の線形周波数特性を表し,周波数対振幅特性,群遅延特性を含むものである。42は増幅器の非線形特性を表し,特にTWTA増幅の入力信号と出力信号の関係の非線形特性を表すものであり,AM/PM変換,AM/AM変換の歪み等を含むものである。
【0013】
44は伝送路で発生するガウス雑音を表す。45は中継器3の出力信号とガウス雑音44の合成を表す。51はフィルタであって,ロールオフフィルタである。52は復調装置であり,例えば,TC8PSK復調装置である。53は受信信号であって,地上局における受信信号を表す。
【0014】
図3はTWTA非線形特性を表すものである。図3においてAは、AM/AM変換に対する入力パワーと出力パワーの関係を示す。この特性はAM/AM変換に対する歪みに影響する。図3においてBは、AM/PM変換に対する入力パワーと出力信号の位相差(入力信号と出力信号の差)の関係を示す。この特性は、AM/PM変換に対する歪みに影響する。
【0015】
図4は中継器の周波数特性を表す。Aは電力の周波数依存特性を表し,Bは群遅延の周波数依存特性を表す。図3,図4は補償対象の例として技術試験衛星COMETS中継器の地上試験で測定した測定値から導いたものを示す。
【0016】
図5は、本発明の実施の形態1のブロックダイアグラムである。図5において,10は歪み補償設定部である。61は線形周波数特性同定部であって,タップドディレイラインとLMSアルゴリズムにより構成されるものである。62は非線形歪み同定・補償部であって,ニューラルネットワークにより構成されるものである。63は非線形歪み同定・補償部62に入力する入力信号に対するディレイ調整を表す(タップドディレイラインの信号遅延に入力信号の時間を合わせる)。64は中継器を含む伝送路の線形周波数特性を表すものである。65は中継器を含む伝送路の非線形特性を表すものである。66は理想伝送特性を表し,歪み補償する対象の入力信号を理想伝送特性にすることを表す。67,68はスイッチである。初期設定として線形周波数特性同定部61により中継器の線形周波数特性を同定する時,および非線形歪み同定・補償部62により中継器の非線形特性の逆特性を同定する時は,スイッチ67,68を▲2▼の側に接続する。また,中継器に送信する時は,スイッチ67,68を▲1▼の側に接続する。71は合成部1であって,合成部3の出力に対応するようにディレイライン調整された入力信号と,合成部3の出力を合成するものである。72は合成部2であって,受信信号と線形周波数特性同定部61の出力の差をとり,誤差として線形周波数特性同定部61にフィードバックするものである。73は合成部3であって,理想伝送特性の入力信号と線形周波数特性同定部61の出力の差をとるものである。
【0017】
図5の構成において,初期設定として線形周波数特性同定部61により中継器の線形周波数特性を同定する時,および非線形歪み同定・補償部62により中継器の非線形特性の逆特性を同定する時の動作(学習過程)を説明する。スイッチ67,68は▲2▼の側に接続する。地上局から送信された送信信号は,中継器に入力され,線形周波数特性64および非線形特性65に従って受信信号が生成され,地上局に送られる。地上局において,入力信号は線形周波数特性同定部61に入力される。線形周波数特性同定部61の出力と受信信号との差が合成部2で求められ,誤差として線形周波数特性同定部61にフィードバックされ,タップ係数が更新される。タップ係数は誤差が評価値以下に収束するようにLMSアルゴリズムに従って求められる。非線形歪み同定・補償部62は,受信信号と線形周波数特性同定部61の出力を入力し,誤差伝搬法(バックプロパゲーション法)により中継器の入出力の非線形特性と入力と出力の関係が逆である逆特性が得られるようにニューラルネットワークの重み,オフセットを定める(この点については図6で詳細に説明する)。
【0018】
次に入力信号に歪みを与える補償過程の動作を説明する。線形周波数特性同定部61のタップ係数および非線形歪み同定・補償部62の重み係数,オフセットは学習過程で求まった値に固定する。衛星に送信するため入力信号に補償歪みを与える補償過程では,スイッチ67,68を▲1▼に切替える。入力信号は線形周波数特性同定部61に入力され,学習過程で同定された線形周波数特性が与えられ,合成部3に入力される。一方,入力信号は理想伝送特性66を通過し,線形周波数特性同定部61の出力との差が合成部3で求められる。合成部3で出力する差分は,その差分に対応するように入力信号をディレイ調整した信号との和が合成部1で取られ,非線形歪み同定・補償部62に入力される。非線形歪み補償過程の入力と出力の関係は,学習過程で求められた中継器の伝送路の特性の逆特性であるので,非線形歪み同定・補償部62は非線形歪み同定・補償部62の入力をその逆特性に従って歪み補償する。非線形歪み同定・補償部62の出力は,送信信号とされて衛星に送信される。
【0019】
図6と図7は本発明の実施の形態1の歪み補償設定部の学習過程の構成を示す図である。線形周波数特性同定部をタップドディレイラインとLMSアルゴリズムにより構成し,非線形歪み同定・補償部はニューラルネットワークにより構成したものである。図6は学習過程の構成であり,図5の構成においてスイッチを▲2▼に接続して使用する場合の構成を示す。図7は補償過程の構成であり,図5の構成において,スイッチを▲1▼に接続した場合の構成である。
【0020】
図6において,81はタップドディレイラインであり,図5における線形周波数特性同定部61に対応するものである。62は非線形歪み同定・補償部であって,ニューラルネットワークにより構成されるものである。72は合成部2である。
【0021】
非線形歪み同定・補償部62において,82はニューラルネットワークAであって,ニューロンにより構成されるものである。ニューラルネットワークAは学習過程においては,中継器のAM/AM変換の非線形特性(図3参照)の逆特性になるように重み係数,オフセットをもつようにするものである。83はニューラルネットワークBであって,ニューロンにより構成されるものである。ニューラルネットワークBは,学習過程において,中継器のAM/PM変換の非線形特性と同じ特性になるように重み係数,オフセットをもつようにするものである。84は合成部4,85は合成部5,86は合成部6である。87は複素信号分解部Aであって,タップドディレイライン81の出力する複素信号を振幅と位相のスカラ信号に分解するものである。88は複素信号分解部Bであって,複素信号の受信信号を振幅と位相のスカラ信号に分解するものである。
【0022】
図6の構成の動作を説明する。タップドディレイライン81は,入力信号を入力する。合成部2はタップドディレイラインの出力と受信信号を入力して,その差eを誤差として求め,タップドディレイライン81にフィードバックする。タップドディレイライン81は,LMSアルゴリズムに従って誤差eが評価値μ以下に収束するまで,同様のフィードバック動作を繰り返し,タップ係数を更新する。タップドディレイライン81の出力が所定の評価値以下になったらタップ係数を固定する。タップドディレイライン81の出力は,複素信号分解部Aで振幅と位相に分解される。振幅は教師信号として合成部4に入力される。ニューラルネットワークAは受信信号の振幅成分を入力する。そして,合成部4はニューラルネットワークAの出力と複素信号分解部Aの出力する振幅の教師信号を入力して差を求め,誤差eとしてニューラルネットワークAにバックプロパゲーション法に従って誤差逆伝搬させる。ニューラルネットワークAは,例えば最急降下法により重み係数,オフセットを更新し,誤差eが評価値μ以下に収束するまで,同様のフィードバックを繰り返す。そして,誤差eが評価値μ以下に収束したら重み係数,オフセットを固定する。
【0023】
また,ニューラルネットワークBは複素信号分解部Aの出力する振幅成分を入力する。一方,合成部5は複素信号分解部Aの出力する位相成分と受信信号の位相成分(複素信号分解部Bの出力する位相成分)の差を求め,位相差の教師信号として合成部6に入力する。合成部6はニューラルネットワークBの出力と合成部5の出力する位相差を教師信号として入力し,誤差eを求め,バックプロパゲーション法に従って誤差をニューラルネットワークBに逆伝搬させる。そして,最急降下法によりニューラルネットワークBの重み係数,オフセットを更新する。誤差eが評価基準μ以下に収束するまで同様の動作を繰り返し,ニューラルネットワークBの出力が収束したら,その時点の重み係数,オフセットを固定する。
【0024】
図7は補償過程の構成であり,図5の構成のスイッチを(1)に接続した場合の構成である。図7において,図5と図6と共通の番号は共通部分を示す。87’は合成部7であって,複素信号分解部Aの出力する位相成分とニューラルネットワークB83の出力の差を求め,出力位相とするものである。90は複素信号合成部Aであって,スカラーの振幅と位相を合成し,複素信号に合成するものである。
【0025】
図7の構成において,タップドディレイライン81のタップ係数は学習過程で設定した係数に固定する。ニューラルネットワーク82,83の各層の重みも学習過程で設定したものに固定する。
【0026】
入力信号はタップドディレイライン81に入力される。タップドディレイライン81は中継器の線形周波数特性を同定しているので,その出力は中継器の線形周波数特性を与えられている。その出力は合成部3に入力する。一方,入力信号の理想伝送特性の信号が合成部3に入力され,合成部3はタップドディレイライン81の出力と理想伝送特性との差を求め,合成部1に入力する。合成部1はディレイ調整された入力信号と合成部3の出力を合成し,線形周波数特性を等化した信号を得る。合成部1の出力する複素信号は,複素信号分解部Aに入力され,振幅成分と位相成分に分解される。
【0027】
複素信号分解部Aで分解された振幅成分はニューラルネットワークAに入力される。ニューラルネットワークAの入力対出力特性は中継器の振幅に対する非線形特性に対して逆特性の関係にあるので,ニューラルネットワークAに入力された信号は,ニューラルネットワークAを通過して中継器の非線形特性の逆特性をもつように歪み補償される。さらに,歪み補償されたニューラルネットワークAの出力はニューラルネットワークBに入力される。ニューラルネットワークBは,中継器の入力と出力の位相差の非線形特性を同定しているので,ニューラルネットワークBにおいて,ニューラルネットワークAの出力は中継器の位相差の非線形特性に従う位相差に等しくされる。合成部7はニューラルネットワークBの出力する位相差と複素信号分解部Aで分解した位相との差をとることにより,ニューラルネットワークAの出力する振幅に対する位相を求める。ニューラルネットワークAの出力する振幅成分の補償信号とニューラルネットワークBの出力する位相成分は複素信号合成部Aで合成され,複素信号とされる。その複素信号は送信信号として衛星に送信される。
【0028】
図8,図9は,本発明の歪み補償設定部のフローチャートであり,図5,図6,図7の構成のフローチャートである(図9は図8に続くフローチャートを示す)。S1でタップドディレイラインの線形周波数特性の同定を始動する。S2で最急降下アルゴリズムによりタップ係数を更新する。S3で収束を確認する。
【0029】
S4,S5,S6,S7はニューラルネットワークA,Bの処理である。S4において,ニューラルネットワークAの出力振幅対入力振幅(逆特性)の同定を始動する(この時,スイッチは▲2▼の側に接続する)。S5でニューラルネットワークBの入力振幅対入出力位相差の同定を始動する。S6でニューラルネットワークAおよびBの重み係数,オフセットをバックプロパゲーションアルゴリズムにより更新する。S7で収束を確認する。
【0030】
S8で補償経路にスイッチを切り替える(スイッチを(1)の側に接続する)。S9でタップドディレイラインを通過した受信信号と理想信号との差分を導出する(タップドディレイラインのタップ係数は固定されている)。S10で送信信号に差分補償する(線形周波数特性補償)。S11で固定された重み係数とオフセットをもつニューラルネットワークA,Bに送信信号を通過させる。S12で歪み補償された送信信号を送出をする。
【0031】
図10は本発明の実施の形態2のブロックダイアグラムである。本発明の実施の形態2は,図5の非線形歪み同定・補償部の学習過程における構成と補償過程における構成をそれぞれ別個のニューラルネットワークにより構成するようにしたものである。
【0032】
図10の構成において,図5と共通部分は同じ番号で表す。10は歪み補償設定部である。94は非線形歪み同定部であって,ニューラルネットワークにより構成されるものである。95は非線形歪み補償部であって,ニューラルネットワークにより構成されるものである。非線形歪み同定部94の構成は,非線形歪みを同定するための図6の学習過程のニューラルネットワークの構成と同じである。非線形歪み補償部95の構成は,非線形歪みを補償するための図7の補償過程のニューラルネットワークの構成と同じである。
【0033】
図10の構成において,初期状態としてスイッチを▲2▼の側に接続して,線形周波数特性同定部61において線形周波数特性を同定し,および非線形歪み同定部94の非線形特性の逆特性を同定する(学習過程)。この動作は図5,図6の構成の学習過程の動作と同じである。
【0034】
即ち,学習過程では,線形周波数特性同定部61(タップドディレイラインにより構成される)に入力信号を入力し,線形周波数特性同定部61の出力と受信信号との差を合成部2で求めて,誤差eを生成し,線形周波数特性同定部61にフィードトバックする。LMSアルゴリズムにより線形周波数特性同定部61のタップ係数を更新し,出力が評価値μ以下に収束するまでこの動作を繰り返す。このようにして中継器の線形周波数特性に線形周波数特性同定部61の特性を同定し,タップ係数を固定する。非線形歪み同定部94は,線形周波数特性同定部61の出力を入力信号として,バックプロパゲーション法によりその振幅成分について中継器の非線形特性と逆特性となるように重み係数,オフセットを設定する。また,位相差についても図6において説明したのと同様にバックプロパゲーション法により中継器の振幅対位相差特性を同定した重み係数,オフセットを設定する。
【0035】
人工衛星に信号を送信する時は,スイッチを▲1▼の側に接続する。線形周波数特性同定部61のタップドディレイラインの係数は,学習過程で求めた係数に固定し,非更新にする。非線形歪み補償部95の重み係数,オフセットは,学習過程で非線形歪み同定部94が求めた重み係数,オフセットの値に設定し,固定にする。入力信号は線形周波数特性同定部61に入力され,その特性に従って出力される。その出力は,合成部3に入力される。一方,入力信号は理想伝送特性とされ,線形周波数特性同定部61の出力との差が合成部3で求められる。合成部3で出力する差分は,その差分に対応するように入力信号をディレイ調整した信号との和が合成部1で取られ,中継器の線形周波数特性を等化し,非線形歪み補償部95に入力される。非線形歪み補償部95は,振幅に対して中継器の伝送路の非線形特性の逆特性に歪み補償し,さらにその歪み補償した振幅に対して中継器の入力振幅と入出力位相差の非線形特性に従って位相を設定する。そして,その振幅と位相を合成した複素信号を中継器に送信する。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば,中継器を介在して通信を行なう通信システムの送信器において,中継器の非線形特性に基づく歪みに対する補償を,地上送信局において適応的に行なうことができる。そのため,増幅器を最大効率で動作させるために歪みの大きい中継器を介して通信を行なう場合にも常に送信信号に適正な歪み補償を与え,受信側での受信信号の歪みを抑制することができる。あるいは増幅器の変更等で伝送路の歪み特性が変化した場合にも適応的に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する通信システムの例を示す図である。
【図2】本発明を適用する通信システムの伝送特性のモデルを示す図である。
【図3】中継器におけるTWTA非線形特性を示す図である。
【図4】中継器における周波数特性を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1のブロックダイアグラムである。
【図6】本発明の実施の形態1の歪み補償設定部の学習過程の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1の歪み補償設定部の補償過程の構成を示す図である。
【図8】本発明の歪み補償設定部のフローチャートを示す図である。
【図9】本発明の歪み補償設定部のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2のブロックダイアグラムを示す図である。
【符号の説明】
1:地上放送局
2:人工衛星
3:中継器
8;入力信号
9:通信歪み補償装置
10:歪み補償設定部
12:送信機
13:受信機M
21:受信機A
22:受信機B
23:受信機C
25,26,27:受信信号出力部
61:線形周波数特性同定部
62:非線形歪み同定・補償部
63:ディレイ調整
64:線形周波数特性
65:非線形特性
67,68:スイッチ
71:合成部1
72:合成部2
73:合成部3

Claims (4)

  1. 人工衛星に搭載した中継器を介在して通信を行なう通信システムにおける該中継器の通信歪み補償装置において,
    該通信歪み補償装置は地上局に備えられるものであり,
    該通信歪み補償装置は,中継器の線形歪みを補償するタップドディレイラインにより構成される線形周波数特性同定部と,中継器の非線形歪み特性と入力と出力の関係が逆特性をもち,非線形歪みを補償するニューラルネットワークにより構成される非線形歪み同定・補償部により構成され,
    非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星への送信信号と人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号に切り換える切り換え部を備え,
    学習過程において,前記切り換えスイッチを非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号に切り換え,補償過程において,前記切り換えスイッチを非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星に送信するための理想信号に切り換えるものであり,
    該非線形歪み同定・補償部は学習過程において人工衛星から送信される前記中継器の非線形歪みを含む信号を入力することにより中継器の非線形歪み特性の逆特性をもつように特性を調整するものであり,
    補償過程において理想信号を入力して中継器の非線形歪み特性の前記逆特性により理想信号を補償し,出力することを特徴とする通信歪み補償装置。
  2. 前記非線形歪み同定・補償部は,線形周波数特性同定部から出力される信号を振幅と位相に分解する複素信号分解部と人工衛星から送信される非線形歪みを含む信号を振幅と位相に分解する複素信号分解部と,振幅信号を処理するニューラルネットワークと位相信号を処理するニューラルネットワークにより構成され,各ニューラルネットワークから出力される信号を合成する複素信号合成部を備え,
    補償過程において線形周波数特性同定部の信号を振幅信号と複素信号に分解し,それぞれの信号を非線形歪み同定・補償部において補償し,補償された振幅信号と位相信号を合成し,出力するものであり,
    学習過程において,線形周波数特性同定部の信号および人工衛星から送信される非線形歪みを含む信号をそれぞれ振幅と位相に分解し,人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号を非線形歪み同定・補償部に入力し,振幅および位相についてそれぞれのニューラルネットワークを逆特性に同定することを特徴とする請求項1に記載の通信歪み補償装置。
  3. 人工衛星の中継器を介在して通信を行なう通信システムにおける該中継器の通信歪み補償方法において,
    該通信歪み補償装置は地上局に備えられるものであり,学習過程において線形周波数特性同定部で中継器出力の線形周波数歪みが最小になるようにその特性を同定し,非線形歪み同定・補償部において中継器出力の非線形歪みが最小になるようにその特性を同定する方法であって,
    該線形周波数特性同定部はタップドディレイラインにより構成し,該非線形歪み同定・補償部はニューラルネットワークにより構成されるものであって,
    非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星への送信信号と人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号に切り換える切り換え部を備え,
    学習過程において,前記切り換えスイッチを非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号に切り換え,補償過程において,前記切り換えスイッチを非線形歪み同定・補償部の入力を人工衛星へ送信するための理想信号に切り換え,
    該非線形歪み同定・補償部は,学習過程において,前記線形周波数特性同定部の出力と人工衛星から送信される前記中継器の非線形歪みを含む信号を入力することにより中継器の非線形歪み特性の逆特性をもつように特性を調整し,補償過程において理想信号を入力して中継器の非線形歪み特性の前記逆特性により理想信号を補償し,出力することを特徴とする通信歪み補償方法。
  4. 前記非線形歪み同定・補償部は,線形周波数特性同定部から出力される信号を振幅と位相に分解する複素信号分解部と人工衛星から送信される中継器の非線形歪みを含む信号を振幅と位相に分解する複素信号分解部と,振幅信号を処理するニューラルネットワークと位相信号を処理するニューラルネットワークにより構成され,各ニューラルネットワークから出力される信号を合成する複素信号合成部を備え,
    補償過程において線形周波数特性同定部の信号を振幅信号と複素信号に分解し,それぞれの信号に基づいて非線形歪み同定・補償部において補償し,補償された振幅信号と位相信号を合成し,出力し,
    学習過程において,線形周波数特性同定部の信号および人工衛星の中継器の非線形歪みを含む信号をそれぞれ振幅と位相に分解し,非線形歪み同定・補償部の補償過程に入力し,振幅および位相についてそれぞれのニューラルネットワークを逆特性に同定することを特徴とする請求項3に記載の通信歪み補償方法。
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