以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、図1に示した例において、図1(3)に示した次世代のOFDM信号の占有帯域幅から、図1(4)に示した次世代のOFDM信号の占有帯域幅へ拡張する。
以下、図1(3)から図1(4)へ変更する場合、すなわち、全チャンネルに配置された次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、5.57MHzから5.57+αMHzへ変更する場合について詳細に説明する。
〔送信設備(OFDM信号送信装置)〕
まず、一般的な送信設備(OFDM信号送信装置)について説明する。図2は、一般的なOFDM信号送信装置の全体構成例を示すブロック図である。このOFDM信号送信装置1は、変調装置10、周波数変換器11、電力増幅器12、出力フィルタ13及び送信アンテナ14を備えている。
変調装置10は、送信信号を入力し、送信信号に変調処理を施して時間領域のIF(Intermediate Frequency:中間周波数)信号(中心周波数37.15MHzの信号)を生成し、IF信号を周波数変換器11へ出力する。周波数変換器11は、変調装置10からIF信号を入力し、IF信号に周波数変換を施してRF(Radio Frequency:無線周波数)信号(UHF帯の信号)を生成し、RF信号を電力増幅器12へ出力する。
電力増幅器12は、周波数変換器11からRF信号を入力し、RF信号に電力増幅処理を施し、電力増幅後のRF信号を出力フィルタ13へ出力する。出力フィルタ13は、電力増幅器12から電力増幅後のRF信号を入力し、RF信号にフィルタ処理を施して帯域外不要放射を除去する。そして、出力フィルタ13によりフィルタ処理が施されたRF信号は、1本の送信アンテナ14を介して送出される。これにより、OFDM信号送信装置1からOFDM信号が所定の帯域幅の帯域を用いて送信される。
ここで、図1(3)に示した移行期のOFDM信号の配置及び帯域幅を、図1(4)に示した次世代のOFDM信号の配置及び帯域幅へ変更する場合、すなわち、全チャンネルに配置された次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、5.57MHzから5.57+αMHzへ変更する場合について想定する。図2に示したOFDM信号送信装置1において、この変更を実現する構成部は、変調装置10のみである。
〔変調装置10〕
次に、一般的な変調装置10について説明する。図3は、一般的な変調装置10の構成例を示すブロック図である。この変調装置10は、誤り訂正符号化部20、キャリア変調部21、TMCC信号生成部22、フレーム化部23、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部24、GI(Guard Interval:ガードインターバル)付加部25及びフィルタ26を備えている。
誤り訂正符号化部20は、送信信号を入力し、送信信号に所定の誤り訂正符号化処理を施し、誤り訂正符号化後の送信信号をキャリア変調部21に出力する。
キャリア変調部21は、誤り訂正符号化部20から誤り訂正符号化後の送信信号を入力し、送信信号に所定の変調方式によるキャリア変調を施し、データキャリアをフレーム化部23に出力する。
TMCC信号生成部22は、符号化率、変調方式、帯域情報等を設定したTMCC信号を生成し、TMCC信号をフレーム化部23に出力する。
フレーム化部23は、キャリア変調部21からデータキャリアを入力し、TMCC信号生成部22からTMCC信号を入力し、図示しない構成部からSP信号であるパイロットキャリア等を入力する。そして、フレーム化部23は、データキャリア、TMCC信号及びパイロットキャリア等を所定のキャリア位置に設定することでOFDMフレームを生成し、OFDMフレームの信号をIFFT部24に出力する。
IFFT部24は、フレーム化部23からOFDMフレームの信号を入力し、OFDMフレームの信号にIFFTを施し、周波数領域信号を時間領域信号に変換する。そして、IFFT部24は、時間領域信号をGI付加部25に出力する。
GI付加部25は、IFFT部24から時間領域信号を入力し、時間領域信号にGIを付加し、GIを付加した時間領域信号をフィルタ26に出力する。フィルタ26は、GI付加部25からGIが付加された時間領域信号を入力し、時間領域信号に所定帯域幅のフィルタ処理を施すことで、帯域外不要輻射成分を除去し、IF信号として周波数変換器11へ出力する。
ここで、全チャンネルに配置された次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、図1(3)に示した5.57MHzから図1(4)に示した5.57+αMHzへ変更する場合、この変更を実現する構成部は、フレーム化部23及びフィルタ26である。
以下、実施例1,2を挙げて具体的に説明する。変調装置10は、次世代地上放送の変調処理を行うものとする。実施例1は、図1(3)から図1(4)へ変更する例、すなわち、全チャンネルに配置された次世代地上放送の信号の帯域幅を、5.57MHzから5.57+αMHzへ変更する例である。実施例2は、図1(3)に示した次世代地上放送の信号の帯域幅5.57MHzと、図1(4)に示した次世代地上放送の信号の帯域幅5.57+αMHzとが異なる隣接地域にて放送ネットワークが構成された場合の放送波の干渉を回避する例である。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。実施例1は、前述のとおり、図1(3)から図1(4)へ変更する例である。
〔実施例1/変調装置10〕
実施例1の変調装置10について説明する。図4は、実施例1の変調装置10の構成例を示すブロック図である。この変調装置10−1は、誤り訂正符号化部20、キャリア変調部21、TMCC信号生成部22−1、フレーム化部23−1、IFFT部24、GI付加部25及びフィルタ26−1を備えている。
誤り訂正符号化部20は、送信信号に対し、図1(3)(4)に対応して次世代地上放送に適用する誤り訂正符号化処理を施す。キャリア変調部21は、誤り訂正符号化後の送信信号に対し、図1(3)(4)に対応して次世代地上放送に適用する変調方式によるキャリア変調を施す。
TMCC信号生成部22−1は、符号化率、変調方式、帯域情報等を設定したTMCC信号を生成する。そして、TMCC信号生成部22−1は、TMCC信号をフレーム化部23−1及びフィルタ26−1に出力する。帯域情報は、帯域幅5.57MHz及び帯域幅5.57+αMHzのいずれかを示す情報であり、オペレータにより予め設定される。帯域情報は、図1(3)に示した移行期の場合、帯域幅5.57MHzが設定され、図1(4)に示した次世代の場合、帯域幅5.57+αMHzが設定される。
フレーム化部23−1及びフィルタ26−1に出力されるTMCC信号には、帯域情報及びその他の情報が含まれる。帯域情報は、フレーム化部23−1において、後述する5.57MHz用フレーム化部31及び5.57+αMHz用フレーム化部32のいずれかを選択するための切替信号として用いられる。同様に、帯域情報は、フィルタ26−1において、後述する5.57MHz用フィルタ34及び5.57+αMHz用フィルタ35のいずれかを選択するための切替信号として用いられる。
尚、TMCC信号生成部22−1は、フレーム化部23−1及びフィルタ26−1に、帯域情報及びその他の情報を含むTMCC信号を出力するようにしたが、帯域情報のみを含むTMCC信号を出力するようにしてもよい。
フレーム化部23−1は、キャリア変調部21からデータキャリアを入力し、TMCC信号生成部22−1からTMCC信号を入力し、図示しない構成部からSP信号であるパイロットキャリア等を入力する。そして、フレーム化部23−1は、データキャリア、TMCC信号、パイロットキャリア等を、TMCC信号に含まれる帯域情報が示す帯域幅における所定のキャリア位置及びシンボル位置に設定し、OFDMフレームを生成する。そして、フレーム化部23−1は、OFDMフレームの信号をIFFT部24に出力する。
ここで、TMCC信号に含まれる帯域情報が帯域幅5.57MHzである場合、フレーム化部23−1は、データキャリア等が図1(3)に示した帯域幅5.57MHzにて送信されるように、OFDMフレームを生成する。また、TMCC信号に含まれる帯域情報が帯域幅5.57+αMHzである場合、フレーム化部23−1は、データキャリア等が図1(4)に示した帯域幅5.57+αMHzにて送信されるように、OFDMフレームを生成する。フレーム化部23−1の詳細については後述する。
図4に戻って、IFFT部24は、フレーム化部23−1からOFDMフレームの信号を入力し、OFDMフレームの信号にIFFTを施し、周波数領域信号を時間領域信号に変換する。そして、GI付加部25は、IFFT部24から時間領域信号を入力し、時間領域信号にGIを付加する。
フィルタ26−1は、GI付加部25からGIが付加された時間領域信号を入力すると共に、TMCC信号生成部22−1からTMCC信号を入力する。そして、フィルタ26−1は、時間領域信号に対し、TMCC信号に含まれる帯域情報が示す帯域幅のフィルタ処理を施すことで、帯域外不要輻射成分を除去し、IF信号として周波数変換器11へ出力する。
ここで、TMCC信号に含まれる帯域情報が帯域幅5.57MHzである場合、フィルタ26−1は、帯域幅5.57MHzのフィルタ処理を行う。また、TMCC信号に含まれる帯域情報が帯域幅5.57+αMHzである場合、フィルタ26−1は、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理を行う。フィルタ26−1の詳細については後述する。
これにより、周波数変換器11、電力増幅器12及び出力フィルタ13を介して送信アンテナ14から、OFDM信号が帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzの帯域を用いて送信される。
(フレーム化部23−1)
次に、図4に示したフレーム化部23−1について詳細に説明する。図5は、フレーム化部23−1の構成例を示すブロック図である。このフレーム化部23−1は、切替器30、5.57MHz用フレーム化部31及び5.57+αMHz用フレーム化部32を備えている。
切替器30は、キャリア変調部21からデータキャリアを入力すると共に、TMCC信号生成部22−1からTMCC信号を入力する。そして、切替器30は、TMCC信号に含まれる帯域情報が示す帯域幅に基づいて、データキャリアの出力先を切り替え、5.57MHz用フレーム化部31及び5.57+αMHz用フレーム化部32のいずれかを選択する。
具体的には、切替器30は、帯域情報が帯域幅5.57MHzを示している場合、データキャリアを5.57MHz用フレーム化部31に出力する。また、切替器30は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzを示している場合、データキャリアを5.57+αMHz用フレーム化部32に出力する。
5.57MHz用フレーム化部31は、切替器30からデータキャリアを入力すると共に、TMCC信号生成部22−1からTMCC信号を入力し、図示しない構成部からSP信号であるパイロットキャリア等を入力する。そして、5.57MHz用フレーム化部31は、データキャリア、TMCC信号、パイロットキャリア等を、帯域幅5.57MHzにおける所定のキャリア位置及びシンボル位置に設定し、OFDMフレームを生成する。5.57MHz用フレーム化部31は、OFDMフレームの信号をIFFT部24に出力する。
5.57+αMHz用フレーム化部32は、切替器30からデータキャリアを入力すると共に、TMCC信号生成部22−1からTMCC信号を入力し、図示しない構成部からSP信号であるパイロットキャリア等を入力する。そして、5.57+αMHz用フレーム化部32は、データキャリア、TMCC信号、パイロットキャリア等を、帯域幅5.57+αMHzにおける所定のキャリア位置及びシンボル位置に設定し、OFDMフレームを生成する。5.57+αMHz用フレーム化部32は、OFDMフレームの信号をIFFT部24に出力する。
このように、フレーム化部23−1により、TMCC信号に含まれる帯域情報に基づいて、5.57MHz用フレーム化部31または5.57+αMHz用フレーム化部32が選択され、帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzのOFDMフレームが生成される。
(フィルタ26−1)
次に、図4に示したフィルタ26−1について詳細に説明する。図6は、フィルタ26−1の構成例を示すブロック図である。このフィルタ26−1は、切替器33、5.57MHz用フィルタ34及び5.57+αMHz用フィルタ35を備えている。
切替器33は、GI付加部25からGIが付加された時間領域信号を入力すると共に、TMCC信号生成部22−1からTMCC信号を入力する。そして、切替器33は、TMCC信号に含まれる帯域情報が示す帯域幅に基づいて、時間領域信号の出力先を切り替え、5.57MHz用フィルタ34及び5.57+αMHz用フィルタ35のいずれかを選択する。
具体的には、切替器33は、帯域情報が帯域幅5.57MHzを示している場合、時間領域信号を5.57MHz用フィルタ34に出力する。また、切替器33は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzを示している場合、時間領域信号を5.57+αMHz用フィルタ35に出力する。
5.57MHz用フィルタ34は、切替器33から時間領域信号を入力し、時間領域信号に対し、帯域幅5.57MHzのフィルタ処理を施すことで、帯域外不要輻射成分を除去し、IF信号として周波数変換器11へ出力する。
5.57+αMHz用フィルタ35は、切替器33から時間領域信号を入力し、時間領域信号に対し、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理を施すことで、帯域外不要輻射成分を除去し、IF信号として周波数変換器11へ出力する。
このように、フィルタ26−1により、TMCC信号に含まれる帯域情報に基づいて、5.57MHz用フィルタ34または5.57+αMHz用フィルタ35が選択され、帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzのフィルタ処理が施される。
以上のように、図4に示した実施例1の変調装置10−1によれば、TMCC信号生成部22−1は、帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzの帯域情報を含むTMCC信号を生成する。そして、フレーム化部23−1は、データキャリア等を、TMCC信号に含まれる帯域情報が示す帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzにおける所定のキャリア位置及びシンボル位置に設定し、OFDMフレームを生成する。これにより、TMCC信号に含まれる帯域情報が示す帯域幅に従ったフレーム化処理が行われる。
フィルタ26−1は、時間領域信号に対し、TMCC信号に含まれる帯域情報が示す帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzのフィルタ処理を施すことで、帯域外不要輻射成分を除去し、IF信号を出力する。これにより、TMCC信号に含まれる帯域情報が示す帯域幅に従ったフィルタ処理が行われる。
つまり、フレーム化部23−1によるフレーム化処理及びフィルタ26−1によるフィルタ処理の帯域幅を、5.57MHzから5.57+αMHzへ変更することができる。すなわち、図1(3)に示した移行期のOFDM信号の配置及び帯域幅から図1(4)に示した次世代のOFDM信号の配置及び帯域幅への変更(全チャンネルに配置された次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、5.57MHzから5.57+αMHzへの変更)を実現することができる。
したがって、次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、設備の大幅な変更を伴うことなく簡易に拡張することができ、伝送レートを向上させることができる。
また、OFDM信号の帯域幅が5.57MHz及び5.57+αMHzのどちらであっても、帯域情報は、TMCC信号に含まれる情報として後述するOFDM信号受信装置2へ送信される。これにより、後述するOFDM信号受信装置2は、帯域幅が変更されたことを認識することができる。尚、後述するOFDM信号受信装置2は、帯域幅が変更されたことを、TMCC信号から認識するのではなく、受信信号の電力に基づいて認識することもできる。
〔実施例1/OFDM信号受信装置〕
次に、図4に示した実施例1の変調装置10−1に対応するOFDM信号受信装置について説明する。図7は、実施例1のOFDM信号受信装置2の構成例を示すブロック図である。このOFDM信号受信装置2は、5.57+αMHz用フィルタ40、切替器41、5.57MHz用フィルタ42、GI除去部43、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部44、電力算出器45及び復調部46を備えている。OFDM信号受信装置2は、実施例1の変調装置10−1を含むOFDM信号送信装置1から送信された、帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzの帯域を用いたOFDM信号を、図示しない1本の受信アンテナを介して受信する。
5.57+αMHz用フィルタ40は、受信信号を入力し、受信信号に対し、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理を施すことで、帯域外不要輻射成分を除去し、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号として切替器41に出力する。
切替器41は、5.57+αMHz用フィルタ40から帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号を入力すると共に、後述する電力算出器45から帯域情報を入力する。そして、切替器41は、帯域情報が示す帯域幅に基づいて、受信信号の出力先を切り替え、GI除去部43に直接出力するか、または5.57MHz用フィルタ42を経由してGI除去部43に出力するかを選択する。
後述する電力算出器45から入力する帯域情報は、帯域幅5.57MHz及び帯域幅5.57+αMHzのいずれかを示す情報である。帯域情報には、図1(3)に示した移行期の場合、帯域幅5.57MHzが設定されており、図1(4)に示した次世代の場合、帯域幅5.57+αMHzが設定されている。
具体的には、切替器41は、帯域情報が帯域幅5.57MHzを示している場合、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号を5.57MHz用フィルタ42に出力する。また、切替器41は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzを示している場合、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号をGI除去部43に直接出力する。
5.57MHz用フィルタ42は、切替器41から帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号を入力する。そして、5.57MHz用フィルタ42は、受信信号に対し、帯域幅5.57MHzのフィルタ処理を施すことで、帯域外不要輻射成分を除去し、帯域幅5.57MHzのフィルタ処理後の受信信号としてGI除去部43に出力する。
GI除去部43は、切替器41から帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号を入力するか、または5.57MHz用フィルタ42から帯域幅5.57MHzのフィルタ処理後の受信信号を入力する。そして、GI除去部43は、受信信号からGIを除去し、GI除去後の受信信号をFFT部44に出力する。
FFT部44は、GI除去部43からGI除去後の受信信号を入力し、受信信号にFFTを施し、時間領域信号を周波数領域信号に変換する。そして、FFT部44は、周波数領域信号を電力算出器45に出力する。
電力算出器45は、FFT部44から周波数領域信号(帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzの周波数領域信号)を入力する。ここで、電力算出器45は、受信信号の帯域幅が5.57MHzであるか、または5.57+αMHzであるかを検知する受信信号検知処理を行う場合、帯域幅5.57+αMHzを設定した帯域情報を前もって切替器41に出力しておき、FFT部44から帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号を入力する。そして、電力算出器45は、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号に基づいて、帯域幅5.57MHzの電力A及び帯域幅5.57+αMHzの電力Bを算出する。電力算出器45は、電力A,Bに基づいて、受信信号の帯域幅を判定し、帯域情報として帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzを設定し、帯域情報を切替器41に出力する。一方、電力算出器45は、受信信号検知処理を行わない場合、入力した周波数領域信号(帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzの周波数領域信号)をそのまま復調部46に出力する。電力算出器45の詳細については後述する。
これにより、帯域情報が帯域幅5.57MHzの場合、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号に対し、5.57MHz用フィルタ42にて帯域幅5.57MHzのフィルタ処理が施される。そして、帯域幅5.57MHzのフィルタ処理後の受信信号が、GI除去部43及びFFT部44にて処理され、電力算出器45を介して、帯域幅5.57MHzの周波数領域信号が、復調部46に出力される。
一方、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzの場合、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号が、切替器41を介して、GI除去部43及びFFT部44にて処理される。そして、電力算出器45を介して、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号が、復調部46に出力される。
復調部46は、電力算出器45から帯域幅5.57MHzの周波数領域信号または帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号を入力し、周波数領域信号に対し、次世代地上放送に適用する復調処理を施し、元の送信信号を復元して出力する。
(電力算出器45)
次に、図7に示した電力算出器45について詳細に説明する。図8は、電力算出器45の構成例を示すブロック図であり、図9は、電力算出器45の処理例を示すフローチャートである。この電力算出器45は、切替器50及び受信信号検知手段51を備えている。受信信号検知手段51は、電力算出手段52及び帯域情報生成手段53を備えている。
電力算出器45は、例えば所定周期の指示の有無に従って、受信信号検知処理を行うか否かを判定し(ステップS901)、所定周期の指示を受けて受信信号検知処理を行うと判定した場合(ステップS901:Y)、ステップS902へ移行する。一方、電力算出器45は、ステップS901において、受信信号検知処理を行わないと判定した場合(ステップS901:N)、ステップS911へ移行する。
受信信号検知手段51の帯域情報生成手段53は、ステップS901から移行して(受信信号検知処理を行う場合(ステップS901:Y))、例えば所定周期の受信信号検知処理の指示を入力する。そうすると、帯域情報生成手段53は、その指示のタイミングにて帯域幅5.57+αMHzを設定した帯域情報を生成し、帯域情報(5.57+αMHz)を切替器41に出力する(ステップS902)。帯域情報(5.57+αMHz)は、切替器41において、出力先をGI除去部43へ切り替えるための切替信号として機能する。
これにより、切替器41は、5.57+αMHz用フィルタ40から入力した帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号を、GI除去部43に直接出力する。そして、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号は、GI除去部43及びFFT部44にて処理され、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号が電力算出器45に入力される。
したがって、受信信号検知処理中は、OFDM信号受信装置2が帯域幅5.57+αMHzのOFDM信号を受信している場合だけでなく、帯域幅5.57MHzのOFDM信号を受信している場合も、5.57+αMHz用フィルタ40が動作し、5.57MHz用フィルタ42が動作しない。そして、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号が生成される。
切替器50は、受信信号検知処理を行う場合、例えば所定周期の受信信号検知処理の指示を入力し、出力先を受信信号検知手段51に切り替える。切替器50は、FFT部44から帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号を入力し(ステップS903)、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号を受信信号検知手段51に出力する。
受信信号検知手段51の電力算出手段52は、切替器50から帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号を入力し、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号に基づいて、帯域幅5.57MHzの電力Aを算出する(ステップS904)。また、電力算出手段52は、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号に基づいて、帯域幅5.57+αMHzの電力Bを算出する(ステップS905)。電力算出手段52は、帯域幅5.57MHzの電力A及び帯域幅5.57+αMHzの電力Bを帯域情報生成手段53に出力する。
帯域情報生成手段53は、電力算出手段52から帯域幅5.57MHzの電力A及び帯域幅5.57+αMHzの電力Bを入力し、電力Aと電力Bとを比較する(ステップS906)。
帯域情報生成手段53は、ステップS906において、電力Aと電力Bとがほぼ等しいと判定した場合(ステップS906:A≒B)、OFDM信号受信装置2の受信信号が帯域幅5.57MHzのOFDM信号であると検知する(ステップS907)。電力Aと電力Bとがほぼ等しいとは、例えば、電力Aと電力Bとの間の差の絶対値が所定値以下の場合をいう。そして、帯域情報生成手段53は、帯域幅5.57MHzを設定した帯域情報を生成し、帯域情報(5.57MHz)を切替器41に出力する(ステップS908)。帯域情報(5.57MHz)は、切替器41において、出力先を5.57MHz用フィルタ42へ切り替えるための切替信号として機能する。
これにより、切替器41は、5.57+αMHz用フィルタ40から入力した帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号を5.57MHz用フィルタ42に出力する。そして、5.57MHz用フィルタ42により、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号に対し帯域幅5.57MHzのフィルタ処理が施される。5.57MHz用フィルタ42によりフィルタ処理された帯域幅5.57MHzの受信信号は、GI除去部43及びFFT部44にて処理され、帯域幅5.57MHzの周波数領域信号が電力算出器45に入力される。したがって、OFDM信号受信装置2が帯域幅5.57MHzのOFDM信号を受信している場合、5.57MHz用フィルタ42が動作し、帯域幅5.57MHzの周波数領域信号が生成される。
一方、帯域情報生成手段53は、ステップS906において、電力Aが電力Bよりも小さいと判定した場合(ステップS906:A<B)、OFDM信号受信装置2の受信信号が帯域幅5.57+αMHzのOFDM信号であると検知する(ステップS909)。電力Aが電力Bよりも小さいとは、例えば、電力Aと電力Bとの間の差の絶対値が所定値よりも大きい場合をいう。そして、帯域情報生成手段53は、帯域幅5.57+αMHzを設定した帯域情報を生成し、帯域情報(5.57+αMHz)を切替器41に出力する(ステップS910)。帯域情報(5.57+αMHz)は、切替器41において、出力先をGI除去部43へ切り替えるための切替信号として機能する。
これにより、切替器41は、5.57+αMHz用フィルタ40から入力した帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号をGI除去部43へ直接出力する。そして、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理後の受信信号は、GI除去部43及びFFT部44にて処理され、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号が電力算出器45に入力される。
一方、切替器50は、ステップS901から移行して(受信信号検知処理を行わない場合(ステップS901:N))、所定周期の受信信号検知処理の指示を入力しないことから、出力先を復調部46に切り替える。切替器50は、FFT部44から帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzの周波数領域信号を入力し(ステップS911)、帯域幅5.57MHzまたは5.57+αMHzの周波数領域信号を復調部46に出力する(ステップS912)。
これにより、OFDM信号受信装置2が帯域幅5.57MHzのOFDM信号を受信している場合、復調部46により、帯域幅5.57MHzの周波数領域信号に対し、所定の復調処理が施され、元の送信信号が復元される。また、OFDM信号受信装置2が帯域幅5.57+αMHzの信号を受信している場合、復調部46により、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号に対し、所定の復調処理が施され、元の送信信号が復元される。
以上のように、図7に示した実施例1のOFDM信号受信装置2によれば、電力算出器45は、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号に基づいて、帯域幅5.57MHzの電力A及び帯域幅5.57+αMHzの電力Bを算出する。そして、電力算出器45は、電力Aが電力Bにほぼ等しい場合、受信信号が帯域幅5.57MHzのOFDM信号であると検知し、電力Aが電力Bよりも小さい場合、受信信号が帯域幅5.57+αMHzのOFDM信号であると検知する。これにより、帯域幅が変更されたことを認識することができる。
切替器41は、受信信号が帯域幅5.57MHzのOFDM信号であると検知された場合、5.57MHz用フィルタ42を選択し、帯域幅5.57MHzのフィルタ処理を行わせ、受信信号が帯域幅5.57+αMHzのOFDM信号であると検知された場合、5.57MHz用フィルタ42を選択しない。
復調部46は、受信信号が帯域幅5.57MHzのOFDM信号であると検知された場合、帯域幅5.57MHzの周波数領域信号に、次世代地上放送に適用する復調処理を施し、受信信号が帯域幅5.57+αMHzのOFDM信号であると検知された場合、帯域幅5.57+αMHzの周波数領域信号に、次世代地上放送に適用する復調処理を施し、元の送信信号を復元する。
ここで、OFDM信号受信装置2が広い帯域幅の5.57+αMHz用フィルタ40のみを内蔵した装置であれば、両方の帯域幅5.57MHz,5.57+αMHzのOFDM信号に対応できる。しかし、帯域幅5.57MHzのOFDM信号を受信している場合、切替器41により5.57MHz用フィルタ42が選択されることで、その受信特性を向上させることが可能となる。
このように、OFDM信号受信装置2は、帯域幅5.57MHzのOFDM信号を受信して復調処理を行い、元の送信信号を復元することができる。そして、OFDM信号受信装置2は、帯域幅5.57MHzのOFDM信号を受信している状態から、帯域幅5.57+αMHzのOFDM信号を受信する状態に変化した場合であっても、帯域幅5.57+αMHzのOFDM信号を受信して復調処理を行い、元の送信信号を復元することができる。これにより、図1(3)に示した移行期のOFDM信号の配置及び帯域幅から図1(4)に示した次世代のOFDM信号の配置及び帯域幅への変更(全チャンネルに配置された次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、5.57MHzから5.57+αMHzへの変更)を実現することができる。
したがって、次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、設備の大幅な変更を伴うことなく簡易に拡張することができ、伝送レートを向上させることができる。
尚、OFDM信号受信装置2は、受信信号の電力を算出することにより、受信信号が帯域幅5.57MHzのOFDM信号であるか、または帯域幅5.57+αMHzのOFDM信号であるかを検出するようにした。これに対し、OFDM信号受信装置2は、OFDM信号送信装置1から帯域情報を含むTMCC信号等を受信して復調することで、帯域幅を検知するようにしてもよい。後述する実施例2についても同様である。
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。実施例2は、前述のとおり、図1(3)に示した次世代地上放送の信号の帯域幅5.57MHzと、図1(4)に示した次世代地上放送の信号の占有帯域幅5.57+αMHzとが異なる隣接地域にて放送ネットワークが構成された場合の放送波の干渉を回避する例である。
図10は、実施例2において想定する放送ネットワークを説明する図であり、図11は、実施例2の課題及び効果を説明する図である。図10に示すように、現行の放送ネットワークでは、1つの放送所に設置された変調装置10から隣接する2つの送信所(A地域送信所及びB地域送信所)へ向けて、IF信号である変調信号を、STL、光回線等を介して送信する。そして、A地域送信所及びB地域送信所は、受信した変調信号をUHF帯の放送波に変換して送出する。
このような放送ネットワークにおいて、A,B地域では共に、図1(3)に示したように、次世代地上放送の信号のみとなっている状況があり得る。
図11(a)を参照して、あるチャンネルにおいて、A,B地域では、図1(3)に示した移行期(移行終了)における帯域幅5.57MHzの次世代地上放送の信号が配置されている状況を想定する。
この状況の後、図11(b)を参照して、B地域において、図1(3)の移行期(移行終了)の状態から図1(4)の次世代の状態へ変更されたとする。そうすると、帯域幅5.57MHzの次世代地上放送の信号と帯域幅5.57+αMHzの次世代地上放送の信号とが干渉してしまう。
そこで、実施例2では、このような次世代地上放送の信号の干渉を回避するために、図1(3)に示した移行期(移行終了)の状態と図1(4)に示した次世代の状態との間に、帯域幅5.57MHzの帯域の端領域をコピーして帯域幅5.57+αMHzに拡張した次世代地上放送の信号が配置される新たな移行期の状態(3)’を追加する。
図11(c)を参照して、A地域では、図1(3)に示した移行期(移行終了)における帯域幅5.57MHzの次世代地上放送の信号が配置されている状態に対し、B地域では、(3)’に示すように、帯域幅5.57+αMHzの帯域のうち端領域の信号をコピーした次世代地上放送の信号が配置される状態となる。
これにより、帯域幅5.57MHzの次世代地上放送の信号と帯域幅5.57+αMHzの次世代地上放送の信号とが干渉することのない状況となる。そして、A地域及びB地域の両地域において、図1(4)に示した次世代の状態へ円滑に移行することができる。
以下、図11(a)に示した次世代地上放送の信号の配置及び帯域幅から、図11(c)に示した次世代地上放送の信号の配置及び帯域幅へ移行する装置について説明する。
〔実施例2/変調装置10〕
次に、実施例2の変調装置10について説明する。図12は、実施例2の変調装置10の構成例を示すブロック図である。この変調装置10−2は、図10に示した放送ネットワークに適用する装置であり、誤り訂正符号化部20、キャリア変調部21、TMCC信号生成部22−2、フレーム化部23−2、反復符号化部60a,60b、IFFT部24a,24b、GI付加部25a,25b及びフィルタ26−2a,26−2bを備えている。
誤り訂正符号化部20及びキャリア変調部21は、図4に示した実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。この場合の所定の誤り訂正符号化処理は、次世代地上放送に適用する処理であり、所定の変調方式は、次世代地上放送に適用する方式である。
TMCC信号生成部22−2は、符号化率、変調方式、地域毎の帯域情報、地域毎の反復符号化の有無を示すコピー情報等を設定したTMCC信号を生成する。そして、TMCC信号生成部22−2は、TMCC信号をフレーム化部23−2、反復符号化部60a,60b及びフィルタ26−2a,26−2bに出力する。地域毎の帯域情報は、本例においてはA地域の帯域情報及びB地域の帯域情報である。地域毎のコピー情報は、本例においてはA地域のコピー情報及びB地域のコピー情報である。このコピー情報は、後述する反復符号化部60a,60bに使用され、後述する反復符号化器62が帯域幅5.57MHzの帯域における端領域の信号をコピーして帯域幅5.57+αMHzに拡張する場合、コピー有りが設定され、反復符号化器62が帯域幅5.57MHzの帯域における端領域の信号をコピーしない場合、コピー無しが設定される。
地域毎の帯域情報は、図11(a)の場合、A地域の帯域情報及びB地域の帯域情報共に、帯域幅5.57MHzが設定される。また、地域毎の帯域情報は、図11(c)の場合、A地域の帯域情報には帯域幅5.57MHzが設定され、B地域の帯域情報には帯域幅5.57+αMHzが設定される。
地域毎のコピー情報は、図11(a)の場合、A地域のコピー情報及びB地域のコピー情報共に、コピー無しが設定される。また、図11(c)の場合、A地域のコピー情報にはコピー無しが設定され、B地域のコピー情報にはコピー有りが設定される。
フレーム化部23−2、反復符号化部60a,60b及びフィルタ26−2a,26−2bに出力されるTMCC信号には、地域毎の帯域情報、地域毎のコピー情報及びその他の情報が含まれる。この地域毎の帯域情報及び地域毎のコピー情報は、フレーム化部23−2において、5.57MHz用フレーム化部31及び5.57+αMHz用フレーム化部32のいずれかを選択するための切替信号として用いられる。また、地域毎のコピー情報は、反復符号化部60a,60bにおいて、反復符号化器62を選択するための切替信号として用いられる。また、地域毎の帯域情報は、フィルタ26−2a,26−2bにおいて、5.57MHz用フィルタ34及び5.57+αMHz用フィルタ35のいずれかを選択するための切替信号として用いられる。
尚、TMCC信号生成部22−2は、反復符号化部60a,60b及びフィルタ26−2a,26−2bに、地域毎の帯域情報、地域毎のコピー情報及びその他の情報を含むTMCC信号を出力するようにした。これに対し、TMCC信号生成部22−2は、反復符号化部60a,60bに、地域毎のコピー情報のみを含むTMCC信号を出力し、フィルタ26−2a,26−2bに、地域毎の帯域情報のみを含むTMCC信号を出力するようにしてもよい。
フレーム化部23−2は、図5に示した同じ構成にて、キャリア変調部21からデータキャリアを入力し、TMCC信号生成部22−2からTMCC信号を入力し、図示しない構成部からSP信号であるパイロットキャリア等を入力する。そして、フレーム化部23−2は、データキャリア、TMCC信号、パイロットキャリア等を、所定の帯域幅における所定のキャリア位置及びシンボル位置に設定し、OFDMフレームを生成する。そして、フレーム化部23−2は、OFDMフレームの信号を反復符号化部60a,60bに出力する。
ここで、図11(a)(c)における所定の帯域幅は、5.57MHzである。図11(c)に示すB地域の帯域幅は5.57+αMHzであるが、反復符号化器62において5.57MHzから5.57+αMHzへ拡張されるから、フレーム化部23−2における所定の帯域幅は5.57MHzである。フレーム化部23−2は、TMCC信号に含まれる符号化率、変調方式、地域毎の帯域情報、地域毎のコピー情報等に基づいて、OFDM信号が次世代地上放送の信号であり、図1(3)の移行期であることを特定し、所定の帯域幅5.57MHzを特定する。尚、TMCC信号には、地域毎に、OFDM信号の種別を示す情報、及び図1(1)〜(4)等の時期を示す情報が含まれるようにしてもよい。
反復符号化部60a,60bは、フレーム化部23−2からOFDMフレームの信号を入力すると共に、TMCC信号生成部22−2からTMCC信号を入力する。そして、反復符号化部60a,60bは、TMCC信号に含まれる地域毎のコピー情報に基づいて、OFDMフレームの信号の一部をコピーして帯域幅を拡張するか否かを判定する。反復符号化部60a,60bは、コピーを行う場合、OFDMフレームの信号の端領域の信号をコピーして反復符号化処理を行い、コピー後のOFDMフレームの信号をIFFT部24a,24bに出力する。また、反復符号化部60a,60bは、コピーを行わない場合、入力したOFDMフレームの信号をそのままIFFT部24a,24bに出力する。
ここで、TMCC信号に含まれる地域毎のコピー情報がコピー有りの場合、地域の反復符号化部60a,60bは、帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号における端領域をコピーして帯域幅5.57+αMHzのOFDMフレームの信号を生成する。また、TMCC信号に含まれる地域毎のコピー情報がコピー無しの場合、対応する地域の反復符号化部60a,60bは、入力したOFDMフレームの信号をそのまま出力する。
図11(a)の場合、反復符号化部60a,60bは、フレーム化部23−2から帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号を入力すると共に、TMCC信号生成部22−2から地域毎のコピー情報(コピー無し)を含むTMCC信号を入力する。そして、反復符号化部60a,60bは、TMCC信号に含まれる地域毎のコピー情報がコピー無しを示しているから、OFDMフレームの信号をコピーしないと判定し、入力した帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号をそのままIFFT部24a,24bに出力する。
図11(c)の場合、反復符号化部60aは、フレーム化部23−2から帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号を入力すると共に、TMCC信号生成部22−2からA地域のコピー情報(コピー無し)を含むTMCC信号を入力する。そして、反復符号化部60aは、TMCC信号に含まれるA地域のコピー情報がコピー無しであるから、OFDMフレームの信号をコピーしないと判定し、入力した帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号をそのままIFFT部24aに出力する。
また、反復符号化部60bは、フレーム化部23−2から帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号を入力すると共に、TMCC信号生成部22−2からB地域のコピー情報(コピー有り)を含むTMCC信号を入力する。そして、反復符号化部60bは、TMCC信号に含まれるB地域のコピー情報がコピー有りであるから、OFDMフレームの信号をコピーすると判定する。反復符号化部60bは、帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号における端領域をコピーし、帯域幅5.57+αMHzのOFDMフレームの信号を生成し、帯域幅5.57+αMHzのOFDMフレームの信号をIFFT部24bに出力する。
IFFT部24a,24b、GI付加部25a,25b及びフィルタ26−2a,26−2bは、図4に示した実施例1のIFFT部24、GI付加部25及びフィルタ26−1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
図11(a)の場合、フィルタ26−2a,26−2bは、TMCC信号に含まれる地域毎の帯域情報が帯域幅5.57MHzであり、地域毎のコピー情報がコピー無しであるから、入力信号が帯域幅5.57MHzの時間領域信号であると判定する。そして、フィルタ26−2a,26−2bは、5.57MHz用フィルタ34を選択し、帯域幅5.57MHzのフィルタ処理を行う。
図11(c)の場合、フィルタ26−2aは、TMCC信号に含まれるA地域の帯域情報が帯域幅5.57MHzであり、A地域のコピー情報がコピー無しであるから、入力信号が帯域幅5.57MHzの時間領域信号であると判定する。そして、フィルタ26−2aは、5.57MHz用フィルタ34を選択し、帯域幅5.57MHzのフィルタ処理を行う。また、フィルタ26−2bは、TMCC信号に含まれるB地域の帯域情報が帯域幅5.57MHzであり、B地域のコピー情報がコピー有りであるから、入力信号が帯域幅5.57+αMHzの時間領域信号であると判定する。そして、フィルタ26−2bは、5.57+αMHz用フィルタ35を選択し、帯域幅5.57+αMHzのフィルタ処理を行う。
(反復符号化部60a,60b)
次に、図12に示した反復符号化部60a,60bについて詳細に説明する。図13は、反復符号化部60a,60bの構成例を示すブロック図である。この反復符号化部60a,60bは、切替器61及び反復符号化器62を備えている。
切替器61は、フレーム化部23−2からOFDMフレームの信号を入力すると共に、TMCC信号生成部22−2からTMCC信号を入力する。そして、切替器61は、TMCC信号に含まれる地域毎のコピー情報に基づいて、受信信号の出力先を切り替え、OFDMフレームの信号をIFFT部24a,24bに直接出力するか、または反復符号化器62を経由してIFFT部24a,24bに出力するかを選択する。
具体的には、切替器61は、当該反復符号化部60a,60bに対応する地域のコピー情報がコピー無しを示している場合、OFDMフレームの信号をIFFT部24a,24bに直接出力する。また、切替器61は、コピー情報がコピー有りを示している場合、OFDMフレームの信号を反復符号化器62に出力する。
反復符号化器62は、切替器61からOFDMフレームの信号を入力する。この場合のOFDMフレームの信号における帯域幅は、5.57MHzである。そして、反復符号化器62は、帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号における端領域の信号をコピーすることで反復符号化処理を行い、帯域幅5.57+αMHzのOFDMフレームの信号を生成する。反復符号化器62は、帯域幅5.57+αMHzのOFDMフレームの信号をIFFT部24a,24bに出力する。
図14は、反復符号化器62の処理例を説明する図である。帯域幅5.57MHzの帯域のうち、両端の領域S1,S2の帯域幅をα/2とし、帯域幅5.57+αMHzの帯域のうち、両端の領域S1’,S2’の帯域幅をα/2とする。また、帯域幅5.57MHz,5.57+αMHzの中央に配置されたその他の領域をSとする。領域S1,S2は、信号のコピー元の領域であり、領域S1’,S2’は、信号のコピー先の領域である。
図14に示すように、反復符号化器62は、帯域幅5.57MHzのOFDMフレームの信号における領域S1の信号を領域S1’にコピーすると共に、領域S2の信号を領域S2’にコピーする。そして、反復符号化器62は、帯域幅5.57+αMHzのOFDMフレームの信号を生成する。これにより、帯域幅5.57+αMHzのOFDMフレームの信号において、端の領域S1及び領域S1’には同じ信号が配置され、端の領域S2及び領域S2’にも同じ信号が配置される。
以上のように、図12に示した実施例2の変調装置10−2によれば、実施例1と同様に、次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、設備の大幅な変更を伴うことなく簡易に拡張することができ、伝送レートを向上させることができる。
また、TMCC信号生成部22−2は、符号化率、変調方式、地域毎の帯域情報、地域毎の反復符号化の有無を示すコピー情報等を設定したTMCC信号を生成する。そして、反復符号化部60a,60bは、TMCC信号に含まれる地域毎のコピー情報がコピー有りの場合、OFDMフレームの信号の端領域をコピーする。これにより、OFDMフレームの信号の帯域幅が5.57MHzから5.57+αMHzに拡張される。また、反復符号化部60a,60bは、TMCC信号に含まれる地域毎のコピー情報がコピー無しの場合、入力したOFDMフレームの信号をそのまま出力する。
これにより、図10に示した放送ネットワークにおいて、図11(c)に示したように、帯域幅5.57MHzの次世代地上放送の信号がA地域へ送信され、帯域幅5.57+αMHzの次世代地上放送の信号であって、端領域が反復符号化された信号がB地域へ送信される。したがって、図11(b)に示した放送波の干渉を回避することができると共に、特に、端領域が反復符号化された信号を受信するB地域の受信特性を改善することができる。
〔実施例2/OFDM信号受信装置〕
次に、図12に示した実施例2の変調装置10−2に対応するOFDM信号受信装置について説明する。実施例2のOFDM信号受信装置2は、図7に示した実施例1と同様の構成部を備えている。実施例1のOFDM信号受信装置2と実施例2のOFDM信号受信装置2とを比較すると、復調部46の処理が異なる。
図15は、実施例2の復調部46の構成例を示すブロック図である。この復調部46は、伝送路推定部70、等化部71、尤度算出部72及び誤り訂正復号部73を備えている。実施例1の復調部46と実施例2の復調部46とを比較すると、尤度算出部72の処理が異なる。
伝送路推定部70は、電力算出器45から周波数領域信号を入力し、周波数領域信号に含まれるSP信号に基づいて、OFDM信号送信装置1との間の伝送路特性を推定する。そして、伝送路推定部70は、周波数領域信号及び伝送路特性を等化部71に出力する。
等化部71は、伝送路推定部70から周波数領域信号及び伝送路特性を入力し、伝送路特性に基づいて、周波数領域信号を等化し、等化信号を尤度算出部72に出力する。
尤度算出部72は、等化部71から等化信号を入力すると共に、電力算出器45から帯域情報を入力し、さらにコピー情報(当該OFDM信号受信装置2が存在する地域のコピー情報)を入力する。コピー情報は、図示しないTMCC信号復調部から入力し、TMCC信号復調部は、既存の処理にて周波数領域信号に基づいてTMCC信号を復調し、TMCC信号からコピー情報を抽出する。
尤度算出部72は、等化信号に基づいて、帯域情報が示す帯域幅の各キャリアの尤度を算出する。そして、尤度算出部72は、コピー情報がコピー有りの場合、図12に示した変調装置10−2の反復符号化部60a,60bにより反復符号化処理が行われたことを判定する。尤度算出部72は、帯域幅5.57+αMHzの帯域における反復符号化処理の対象となった端の領域のキャリアのうち、コピー元の各キャリアの尤度及びコピー先の各キャリアの尤度を平均化する。尤度算出部72は、平均化した尤度を、帯域幅5.57MHzの帯域に含まれるコピー元の領域に設定し、帯域幅5.57MHzの帯域における各キャリアの尤度として誤り訂正復号部73に出力する。
一方、尤度算出部72は、コピー情報がコピー無しの場合、図12に示した変調装置10−2の反復符号化部60a,60bにより反復符号化処理が行われていないことを判定する。そして、尤度算出部72は、帯域幅5.57MHzまたは5.57MHzの各キャリアの尤度を誤り訂正復号部73に出力する。
図16は、尤度算出部72の処理例を示すフローチャートである。尤度算出部72は、等化部71から各キャリアの等化信号を、電力算出器45から帯域情報を、図15には示していないTMCC信号復調部からコピー情報をそれぞれ入力する(ステップS1601)。
尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57MHzであるか、または5.57+αMHzであるかを判定する(ステップS1602)。尤度算出部72は、ステップS1602において、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzであると判定した場合(ステップS1602:5.57+αMHz)、ステップS1603へ移行する。一方、尤度算出部72は、ステップS1602において、帯域情報が帯域幅5.57MHzであると判定した場合(ステップS1602:5.57MHz)、ステップS1610へ移行する。
尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzの場合、ステップS1602から移行して、コピー情報がコピー有りであるか、またはコピー無しであるかを判定する(ステップS1603)。尤度算出部72は、ステップS1603において、コピー情報がコピー有りであると判定した場合(ステップS1603:コピー有り)、ステップS1604へ移行する。一方、尤度算出部72は、ステップS1603において、コピー情報がコピー無しであると判定した場合(ステップS1603:コピー無し)、ステップS1608へ移行する。
これにより、帯域情報が帯域幅5.57+αMHz、かつコピー情報がコピー有りの場合、帯域幅5.57+αMHzの各キャリアの等化信号は、図11(c)に示した(3)’の移行期における次世代地上放送の信号に対する等化信号であることが、尤度算出部72にて認識される。帯域幅5.57+αMHzの帯域の両端には、反復符号化された信号に対する等化信号が含まれる。尤度算出部72は、ステップS1604〜ステップS1607の処理を行う。
また、帯域情報が帯域幅5.57+αMHz、かつコピー情報がコピー無しの場合、帯域幅5.57+αMHzの各キャリアの等化信号は、図1(4)に示した次世代における次世代地上放送の信号に対する等化信号であることが、尤度算出部72にて認識される。尤度算出部72は、ステップS1608及びステップS1609の処理を行う。
また、帯域情報が帯域幅5.57MHzの場合、帯域幅5.57MHzの各キャリアの等化信号は、図1(2)(3)に示した移行期のISDB−Tの信号または次世代地上放送の信号に対する等化信号であることが、尤度算出部72にて認識される。図10に示した放送ネットワークの例では、次世代地上放送の信号に対する等化信号であることが認識される。尤度算出部72は、ステップS1610及びステップS1611の処理を行う。尚、この場合のコピー情報にはコピー無しが設定されている。
尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHz、かつコピー情報がコピー有りの場合、ステップS1603から移行して、帯域幅5.57+αMHzの帯域における図14に示した領域S,S1,S1’,S2,S2’の各キャリアの尤度を算出する(ステップS1604)。
尤度算出部72は、領域S1の各キャリアの尤度及び領域S1’の各キャリアの尤度について、その平均値を算出し、当該平均値を領域S1の各キャリアの尤度に設定する(ステップS1605)。
尤度算出部72は、領域S2の各キャリアの尤度及び領域S2’の各キャリアの尤度について、その平均値を算出し、当該平均値を領域S2の各キャリアの尤度に設定する(ステップS1606)。
尤度算出部72は、帯域幅5.57MHzの帯域における領域S,S1,S2の各キャリアの尤度を、誤り訂正復号部73に出力する(ステップS1607)。これにより、図11(c)に示した(3)’の移行期における次世代地上放送の信号について、帯域幅5.57MHzの帯域の尤度が出力される。
尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHz、かつコピー情報がコピー無しの場合、ステップS1603から移行して、帯域幅5.57+αMHzの帯域における各キャリアの尤度を算出する(ステップS1608)。
尤度算出部72は、帯域幅5.57+αMHzの帯域における各キャリアの尤度を誤り訂正復号部73に出力する(ステップS1609)。これにより、図1(4)に示した次世代における次世代地上放送の信号について、帯域幅5.57+αMHzの帯域の尤度が出力される。
尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57MHzの場合、ステップS1602から移行して、帯域幅5.57MHzの帯域における各キャリアの尤度を算出する(ステップS1610)。
尤度算出部72は、帯域幅5.57MHzの帯域における各キャリアの尤度を誤り訂正復号部73に出力する(ステップS1611)。これにより、図1(2)(3)に示した移行期におけるISDB−Tの信号または次世代地上放送の信号について、帯域幅5.57MHzの帯域の尤度が出力される。図10に示した放送ネットワークの例では、次世代地上放送の信号について、帯域幅5.57MHzの帯域の尤度が出力される。
図15に戻って、誤り訂正復号部73は、尤度算出部72から各キャリアの尤度を入力し、図12に示した誤り訂正符号化部20に対応した誤り訂正復号処理を行い、元の送信信号を復元する。
以上のように、実施例2のOFDM信号受信装置2によれば、実施例1と同様に、次世代地上放送の信号の占有帯域幅を、設備の大幅な変更を伴うことなく簡易に拡張することができ、伝送レートを向上させることができる。
また、復調部46の尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzであり、かつコピー情報がコピー有りの場合、送信側にて反復符号化処理が行われたことを判定し、反復対象となった帯域幅5.57+αMHzの帯域の端のキャリアを平均化することで、帯域幅5.57MHzの各キャリアの尤度を算出する。また、尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzであり、かつコピー情報がコピー無しの場合、送信側にて反復符号化処理が行われていないことを判定し、帯域幅5.57+αMHzの各キャリアの尤度を算出する。また、尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57MHzの場合、帯域幅5.57MHzの各キャリアの尤度を算出する。
これにより、図10に示した放送ネットワークにおいて、A地域に存在する実施例2のOFDM信号受信装置2は、図11(c)の上部に示したように、帯域幅5.57MHzの次世代地上放送の信号を受信する。尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57MHzであると判定し、帯域幅5.57MHzの各キャリアの尤度を算出する。
この場合、A地域に存在する実施例2のOFDM信号受信装置2は、B地域へ送出された、図11(c)の下部に示した帯域幅5.57+αMHzの次世代地上放送の信号も受信する可能性がある。しかし、これらの次世代地上放送信号は、帯域幅5.57MHzの帯域において同じであるから、干渉することはない。
一方、B地域に存在する実施例2のOFDM信号受信装置2は、図11(c)の下部に示したように、帯域幅5.57+αMHzの次世代地上放送の信号を受信する。尤度算出部72は、帯域情報が帯域幅5.57+αMHzであり、かつコピー情報がコピー有りであると判定し、送信側にて反復符号化処理が行われたことを判定し、反復対象となった帯域幅5.57+αMHzの帯域の端のキャリアを平均化することで、帯域幅5.57MHzの各キャリアの尤度を算出する。
この場合、B地域に存在する実施例2のOFDM信号受信装置2は、A地域へ送出された、図11(c)の上部に示した帯域幅5.57MHzの次世代地上放送の信号も受信する可能性がある。しかし、これらの次世代地上放送信号は、帯域幅5.57MHzの帯域においては同じであるから、干渉することはない。
したがって、図11(b)に示した放送波の干渉を回避することができると共に、特に、端領域が反復符号化された信号を受信するB地域の受信特性を改善することができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、図4に示した実施例1の変調装置10−1において、TMCC信号生成部22−1は、フレーム化部23−1の切替器30を切り替えるための帯域情報を含むTMCC信号を、フレーム化部23−1に出力するようにした。また、TMCC信号生成部22−1は、フィルタ26−1の切替器33を切り替えるための帯域情報を含むTMCC信号を、フィルタ26−1に出力するようにした。これに対し、制御信号生成部が、帯域情報を、切り替えのために用いる制御信号として、フレーム化部23−1及びフィルタ26−1に出力するようにしてもよい。図12に示した実施例2の変調装置10−2についても同様である。この場合の制御信号生成部は、帯域情報を、切り替えのために用いる制御信号として、フレーム化部23−2及びフィルタ26−2a,26−2bに出力する。
また、図12に示した実施例2の変調装置10−2では、TMCC信号生成部22−2は、反復符号化部60a,60bの切替器61を切り替えるためのコピー情報を含むTMCC信号を、反復符号化部60a,60bに出力するようにした。これに対し、制御信号生成部が、コピー情報を、切り替えのために用いる制御信号として、反復符号化部60a,60bに出力するようにしてもよい。
また、図15に示した復調部46の尤度算出部72は、コピー情報を、図15には示していないTMCC信号復調部から入力するようにした。これに対し、尤度算出部72は、コピー情報を、図15には示していない制御信号復調部から入力するようにしてもよい。この場合、制御信号復調部は、既存の処理にて周波数領域信号に基づいて制御信号を復調し、制御信号からコピー情報を抽出する。
尚、TMCC信号生成部22−1,22−2及び制御信号生成部は異なる構成部ではなく、広義にはTMCC信号生成部22−1,22−2が制御信号生成部の一例である。つまり、制御信号生成部には、TMCC信号生成部22−1,22−2が含まれる。また、TMCC信号復調部及び制御信号復調部は異なる構成部ではなく、広義にはTMCC信号復調部が制御信号復調部の一例である。つまり、制御信号復調部には、TMCC信号復調部が含まれる。
また、前記実施例1,2では、送信側に1本の送信アンテナ14を備え、受信側にも1本の受信アンテナを備えるようにした。これに対し、本発明は、送信側に複数の送信アンテナを備え、受信側にも複数の受信アンテナを備えたMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送システムにも適用がある。この場合、送信側のOFDM信号送信装置1は、送信系統を複数の送信アンテナのそれぞれに対応して、複数系統の構成部を備える。受信側のOFDM信号受信装置2は、複数の受信アンテナを介して受信したそれぞれの受信信号をMIMO復調する。
尚、前記実施形態において、図4に示した実施例1の変調装置10−1の誤り訂正符号化部20からフィルタ26−1までの各構成部の処理は、変調装置10−1に搭載される集積回路であるLSIのチップにより実現されるようにしてもよい。また、図7に示した実施例1のOFDM信号受信装置2の5.57+αMHz用フィルタ40から復調部46までの各構成部の処理も、OFDM信号受信装置2に搭載される集積回路であるLSIのチップにより実現されるようにしてもよい。また、図12に示した実施例2の変調装置10−2の誤り訂正符号化部20からフィルタ26−2a,26−2bまでの各構成部の処理も、変調装置10−2に搭載される集積回路であるLSIのチップにより実現されるようにしてもよい。図7に示したOFDM信号受信装置2が実施例2に適用される場合も同様である。これらは、個別に1チップ化されていてもよいし、これらの一部または全部が1チップ化されていてもよい。
また、LSIの代わりに、集積度の異なるVLSI、ULSI等のチップにより実現されるようにしてもよい。さらに、LSI等のチップに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いるようにしてもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いるようにしてもよい。