JP5193109B2 - 回路基板用コネクタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板上に設けられた配線パターンの回路を他の電子部品等に接続するための回路基板用コネクタ及びその製造方法に関するものである。
近年において、例えば高機能化した自動車等には、多種多様の電子部品が実装された回路基板が搭載されるようになっている。回路基板に接続する接続部の数は極めて多く、回路基板上に占める面積も大きくなることから、特に表面実装することが望まれている。
そこで、回路基板を含む回路構造体の小型化やコストの低下を図るために、特許文献1、2のように、回路基板の表面にコネクタを実装するようにした回路基板用コネクタが提案されている。
これらの特許文献1、2において、部品を回路基板に表面実装する場合には、クリーム半田が一般に用いられる。このクリーム半田を使用する場合には、先ず回路基板におけるプリント配線の半田付けすべき半田接続部に、クリーム半田を塗布する。その後に、クリーム半田上に部品を載置した状態で、高温の炉に入れることにより、短時間でクリーム半田を溶かし、部品を回路基板に半田付けする。
この方法によれば、クリーム半田の量を細かく調整でき、高密度ICのような狭間隔であっても、半田ブリッジが生ぜずに高密度に半田付けすることができる。
特開2007−087748号公報 特開2007−165084号公報
しかし、コネクタのハウジングは一般に安価な熱可塑性を有する汎用樹脂により形成されているため、半田付けのための炉に入れると、高温によって変形し、コネクタの信頼性が低下する問題がある。
近年では、環境問題を反映して、鉛フリーの半田を用いることが広まりつつあるが、この鉛フリーの半田は融点が高いため、上述の問題はより顕著なものとなる。
一方、コネクタのハウジングに耐熱性を有する例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)のような合成樹脂を用いることも考えられるが、汎用品のコネクタに比べて製品コストが大幅に上昇することが避けられない。
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、安価な汎用品のコネクタを用いながらも、半田付けによる変形を防止して信頼性を高めた回路基板用コネクタ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る回路基板用コネクタは、相手側コネクタの接続端子と接続する複数の棒状の端子ピンを有するコネクタユニットと、第1、第2の接続端を持つ複数の板体状の中継端子を有し、これらの中継端子を耐熱性の合成樹脂のモールド体によりモールドして保持し、前記第1の接続端を前記コネクタユニットの端子ピンと接続する中継ユニットと、配線パターンを実装し該配線パターンの半田接続部に前記中継端子の第2の接続端を半田により接続する回路基板とから成り、該回路基板上に前記中継ユニットを配置し、前記中継ユニット上に前記コネクタユニットを配置し、前記第1の接続端は孔部から成る嵌合接続部とし、前記孔部の周囲から内側に向けて複数の舌片を突出し、前記端子ピンと嵌合により接続することを特徴とする。
また、本発明に係る回路基板用コネクタは、相手側コネクタの接続端子と接続する複数の棒状の端子ピンを有するコネクタユニットと、第1、第2の接続端を持つ複数の板体状の中継端子を有し、これらの中継端子を耐熱性の合成樹脂のモールド体によりモールドして保持する中継ユニットとから成り、前記第1の接続端は孔部から成る嵌合接続部とし、前記孔部の周囲から内側に向けて複数の舌片を突出し、前記端子ピンと嵌合により接続し、前記第2の接続端は回路基板の半田接続部に半田により接続することを特徴とする。
更に、本発明に係る回路基板用コネクタの製造方法は、相手側コネクタの接続端子と接続する複数の棒状の端子ピンを有するコネクタユニットと、第1、第2の接続端を持つ複数の板体状の中継端子を有し、これらの中継端子を耐熱性の合成樹脂のモールド体によりモールドして保持する中継ユニットと、配線パターンを実装し該配線パターンの複数の半田接続部を有する回路基板とから成る回路基板用コネクタの製造方法であって、前記回路基板上に前記中継ユニットを配置し、前記回路基板の半田接続部に前記中継端子の第2の接続端を半田により接続する半田接続工程と、前記中継ユニット上に前記コネクタユニットを配置し、周囲から内側に向けて複数の舌片を突出した孔部から成る前記中継端子の第1の接続端に前記コネクタユニットの端子ピンを嵌合により接続する嵌合接続工程とから成ることを特徴とする。
本発明に係る回路基板用コネクタ及びその製造方法によれば、耐熱性を有する中継ユニットの端子と回路基板の半田接続部とを半田付け可能とし、回路基板に中継ユニットを介してコネクタユニットを接続する構成とするので、コネクタユニットに耐熱性が低い汎用合成樹脂製のハウジングを用いることができる。
回路基板用コネクタの分解断面図である。 コネクタユニットを斜め上前方から見た斜視図である。 コネクタユニットを斜め下前方から見た斜視図である。 中継ユニットの斜視図である。 中継端子の斜視図である。 中継端子の集合体の斜視図である。 中継端子を列状にした斜視図である。 回路基板の斜視図である。 組立てた回路基板用コネクタの断面図である。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例の回路基板用コネクタの分解断面図であり、回路基板用コネクタはコネクタユニット1と、中継ユニット2とから成り、必要に応じて回路基板3を付加した構成とされている。
図2、図3にも示すように、コネクタユニット1は合成樹脂製のハウジング11、金属製の端子ピン12から成り、ハウジング11は前方に相手側コネクタと嵌合する開口部13が設けられ、後方において端子ピン12の中間部をモールド成型により保持している。
ハウジング11は汎用合成樹脂によって製造することができ、汎用合成樹脂としては、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)や、ナイロン等の樹脂が挙げられる。また、成形保特性を高めるために、これらの樹脂中にガラス繊維等を添加してもよい。
端子ピン12は例えば黄銅から成る辺が0.64mmの角棒とされ、その前端12aはコネクタユニット1の開口部13内にあって、相手側コネクタの対応する受接続端子と接続し、中間部においてL字状に折曲されてモールドされ、後端12bは下方に向けて突出されている。端子ピン12の前端12a、後端12bは錐状に加工されている。また、端子ピン12の断面形状は角棒に限らず、丸棒或いは他の多角形状等に形成してもよい。
開口部13内における端子ピン12は、上下2段、左右20列に計40本が配置され、上側の端子ピン12は下側の端子ピン12よりも長くされ、大きくL字状に迂回して後端12bに至っている。端子ピン12の後端12bは、ハウジング11の後部に下方に開口して設けられたソケット部14に突出されており、このソケット部14には回路基板3に対して半田接続する中継ユニット2が嵌め込まれ、固定されるようになっている。また、ハウジング11の底面には、コネクタユニット1を回路基板3に係止固定するための段部15が形成され、ハウジング11の両側部にはビス挿通用のねじ止め部16が設けられている。
中継ユニット2は図4の斜視図及び図1の断面図に示すように、例えば黄銅等の金属材料から成りコネクタユニット1の端子ピン12と同数の条片状の中継端子21と、各中継端子21の一部をそれぞれ覆うモールド体22とから成っている。中継端子21はコネクタユニット1の端子ピン12との嵌合接続部21aと、この嵌合接続部21aに一体に形成された接続端21bとを有し、中継端子21はモールド体22の両側に嵌合接続部21aを内側として対称的に配設されている。先端の接続端21bは回路基板3の表面側に一段下がった段差状に形成され、外側に折曲された接続端21bの接続面が回路基板3の半田接続部に接続されるようになっている。
モールド体22は耐熱性を有する絶縁性樹脂材料から成り、例えばPPSによって中継端子21の中間部を包囲するように射出成型されている。このモールド体22にも、ガラス繊維を混入して強化してもよい。モールド体22は中央に2列に並んだ孔部23が設けられ、この孔部23内に中継端子21の嵌合接続部21aが露出されている。また、モールド体22の両側にはビスを挿通するビス挿通孔24が設けられ、モールド体22の下面には回路基板3への位置決め用ボス25が突出されている。
図5に示すように、中継端子21の嵌合接続部21aはコネクタユニット1の端子ピン12を嵌合するために孔状とされている。嵌合接続部21aには、例えば3個の舌片21cが内側を向いて打ち抜き時に形成されている。
この中継端子21を製作するに際しては、図6に示すようにリン青銅等の金属薄板によりプレス加工により中継端子21を打ち抜き成形し、更に舌片21cを備えた嵌合接続部21aに形成する。このとき、向かい合う中継端子21の嵌合接続部21a同士、隣接する接続端21b同士は連結片26、27で連結された集合体28に形成する。
その後に、集合体28の連結片26を図7に示すように切断除去し、嵌合接続部21aと接続端21bとの間に段差を形成する。この集合体28を金型の内部に2列に並べて装填し、嵌合接続部21a、接続端21b、連結片27を除く部分を包囲するように金型内に溶融したPPSを注入しモールドする。このようにして、射出成形によりモールド体22を形成した後に、連結片27を切断除去することによって、各中継端子21が他の中継端子21と導通することなく別個に得られ、中継ユニット2が完成する。
図8に示す回路基板3は所謂プリント基板であって、絶縁性基板32の表面に銅箔から成る図示しない配線パターン31が形成されると共に、配線パターン31はソルダレジストによって覆われている。回路基板3の配線パターン31には、中継ユニット2の接続端21bと半田により接続するための半田接続部33が、中継ユニット2の接続端21bと同数の2×20列に配列されている。なお、これらの半田接続部33はソルダレジストに覆われずに露出している。また、回路基板3にはビス挿通孔34が形成され、更に中継ユニット2の位置決め用ボス25を嵌合する位置決め孔35が設けられている。
これらのコネクタユニット1、中継ユニット2、回路基板3を組立てて回路基板用コネクタを製作するには、先ず回路基板3における複数の半田接続部33にクリーム半田を塗布する。回路基板3の位置決め孔35に中継ユニット2の位置決め用ボス25を嵌合することにより位置決めを行い、半田接続部33のクリーム半田上に中継ユニット2の中継端子21の接続端21bの接続面を載置する。続いて、この中継ユニット2及び回路基板3を高温の炉内に移動させることにより、短時間でクリーム半田を溶融しその後に凝固させ、各接続端21bを回路基板3の半田接続部33にそれぞれ半田により接合する。このとき、中継ユニット2のモールド体22は耐熱性を有する合成樹脂により形成しているので、加熱により変形することはない。
その後に、コネクタユニット1と中継ユニット2とを接続する。ハウジング11を回路基板3上に段部15を介して載置すると共に、ハウジング11のソケット部14に中継ユニット2を当接し押し込むことにより、コネクタユニット1の複数の端子ピン12の後端12bを、中継ユニット2の嵌合接続部21aにそれぞれ挿し込む。
端子ピン12の後端12bが中継端子21の嵌合接続部21aに挿し込まれると、端子ピン12は嵌合接続部21aの舌片21cに当接し、続いてそのまま端子ピン12を押し込むと、端子ピン12は舌片21cの先端を内側に変形させる。この変形には、弾性変形及び塑性変形が含まれ、例えば舌片21cの先端の折り曲げは、弾性変形による折り曲げであってもよく、塑性変形による折り曲げであってもよい。端子ピン12を更に押し込むと、折り曲げられた舌片21cは端子ピン12と接触し確実な電気接続がなされる。
このようにして、回路基板用コネクタを組み立てた後に、図9に示すようにビスを回路基板3のビス挿通孔34、中継端子21のビス挿通孔24を通して、コネクタユニット1のねじ止め部16にねじ込み、これらの部材をビスにより固定する。
その結果、コネクタユニット1の端子ピン12は、中継ユニット2の中継端子21における嵌合接続部21aにおいて導通する。一方で、中継端子21は接続端21bにおいて回路基板3の半田接続部33に導通していることから、コネクタユニット1の各端子ピン12は、中継ユニット2を介して回路基板3上の配線パターン31に導通することとなる。
このように、高温環境下の炉内で回路基板3に中継ユニット2の接続端21bを半田接続した後に、室温環境下で中継ユニット2の嵌合接続部21aにコネクタユニット1の端子ピン12を接続するため、ハウジング11に耐熱性が低い汎用品を用いることができる。即ち、回路基板3に表面実装するコネクタユニット1として、安価な汎用品のハウジング11を用いながらも、高温による変形を防止して信頼性を高めることができる。
更に、中継ユニット2の嵌合接続部21a内に舌片21cを設け、端子ピン12の嵌合接続部21aへの挿し込み時に、舌片21cを折り曲げて変形させる構成としたので、嵌合接続部21aの大きさや位置等について少々の誤差があっても、問題なく端子ピン12と嵌合して導通させることができる。
また、嵌合接続部21aに対する端子ピン12の嵌合によって導通構造を形成するので、回路基板3上に実装する電子部品の高密度化や狭ピッチ化の妨げとなる受端子を設けなくてよい。従って、狭ピッチでかつ多段配列の端子ピンを備えるコネクタユニット1を、中継ユニット2を介して回路基板3上に組み立てることができる。
なお、本発明は実施例のみに限定されることはなく、特許請求の範囲内において、各種の変更ができる。
1 コネクタユニット
2 中継ユニット
3 回路基板
11 ハウジング
12 端子ピン
14 ソケット部
21 中継端子
21a 嵌合接続部
21b 接続端
21c 舌片
22 モールド体
23 孔部
31 配線パターン
33 半田接続部

Claims (7)

  1. 相手側コネクタの接続端子と接続する複数の棒状の端子ピンを有するコネクタユニットと、第1、第2の接続端を持つ複数の板体状の中継端子を有し、これらの中継端子を耐熱性の合成樹脂のモールド体によりモールドして保持し、前記第1の接続端を前記コネクタユニットの端子ピンと接続する中継ユニットと、配線パターンを実装し該配線パターンの半田接続部に前記中継端子の第2の接続端を半田により接続する回路基板とから成り、該回路基板上に前記中継ユニットを配置し、前記中継ユニット上に前記コネクタユニットを配置し、前記第1の接続端は孔部から成る嵌合接続部とし、前記孔部の周囲から内側に向けて複数の舌片を突出し、前記端子ピンと嵌合により接続することを特徴とする回路基板用コネクタ。
  2. 相手側コネクタの接続端子と接続する複数の棒状の端子ピンを有するコネクタユニットと、第1、第2の接続端を持つ複数の板体状の中継端子を有し、これらの中継端子を耐熱性の合成樹脂のモールド体によりモールドして保持する中継ユニットとから成り、前記第1の接続端は孔部から成る嵌合接続部とし、前記孔部の周囲から内側に向けて複数の舌片を突出し、前記端子ピンと嵌合により接続し、前記第2の接続端は回路基板の半田接続部に半田により接続することを特徴とする回路基板用コネクタ。
  3. 前記端子ピンは前記コネクタユニットの合成樹脂製のハウジング内に前記モールド体によるモールドにより固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板用コネクタ。
  4. 前記ハウジングは汎用合成樹脂を用いたことを特徴とする請求項3に記載の回路基板用コネクタ。
  5. 前記中継端子は金属薄板を打ち抜き成形した集合体を前記耐熱性の合成樹脂のモールド体によりモールドして保持した後に、前記集合体から連結片を切断除去することで、それぞれ互いに導通することのない独立部材として形成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つの請求項に記載の回路基板用コネクタ。
  6. 相手側コネクタの接続端子と接続する複数の棒状の端子ピンを有するコネクタユニットと、第1、第2の接続端を持つ複数の板体状の中継端子を有し、これらの中継端子を耐熱性の合成樹脂のモールド体によりモールドして保持する中継ユニットと、配線パターンを実装し該配線パターンの複数の半田接続部を有する回路基板とから成る回路基板用コネクタの製造方法であって、前記回路基板上に前記中継ユニットを配置し、前記回路基板の半田接続部に前記中継端子の第2の接続端を半田により接続する半田接続工程と、前記中継ユニット上に前記コネクタユニットを配置し、周囲から内側に向けて複数の舌片を突出した孔部から成る前記中継端子の第1の接続端に前記コネクタユニットの端子ピンを嵌合により接続する嵌合接続工程とから成ることを特徴とする回路基板用コネクタの製造方法。
  7. 前記半田接続工程は高温の炉内において実施することを特徴とする請求項6に記載の回路基板用コネクタの製造方法。
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