JP5192882B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機に関するものである。
マルチ形空気調和機は、1台の室外機に対して、複数台の室内機が互いに並列に接続されて構成される(特許文献1参照)。
このようなマルチ形空気調和機は、たとえば、ビル等の多数の部屋(室内機設置箇所)を持つところで用いられるので、室外機と室内機との距離が長くなる。これもあいまって各室内機と室外機とを接続する配管長が長くなるので、封入される冷媒の量が多くなる。
このため、圧縮機側に戻ってくる液冷媒の量も必然的に多くなるので、それが圧縮機まで戻る可能性が多くなる。
この液冷媒が圧縮機まで戻ると、圧縮機は液圧縮を行うことになる。このような液圧縮は圧縮機にとって過負荷となり焼付き等の故障に至る恐れがある。
したがって、液冷媒が圧縮機まで戻らないようにするため種々の工夫が提案され、かつ、用いられている。
たとえば、圧縮機の吸入側に気液分離して液冷媒を貯留する大容量のアキュームレータを設置することにより回避していた。
このため、室外機内に大きなアキュームレータを設置するスペースを確保しなければならず、室外機を小型コンパクト化する上でのネックとなっていた。また、アキュームレータを小型化し、あるいは、無くし、コストダウンすることも困難となっていた。
特開2007−40563号公報
ところで、圧縮機が液圧縮になることは、特に、低外気温での起動時に発生し易いので、圧縮機を起動する前に圧縮機本体をヒータによって一定時間、たとえば、余裕を持って6時間温めておくことが推奨されている。
このように、圧縮機の起動の6時間前に電源を投入することになると、その間は圧縮機を運転できないことになる。
ビルの内装工事はビルの完成間近に行われ、しかも、時間的余裕のない状況で行われることが多く、そこに設置されるマルチ形空気調和機の設置作業および試運転作業も時間的余裕なく行われることが多い。このため、余裕を持った起動準備時間である、たとえば、6時間を確保するとスケジュールに支障を来たす恐れがある。
このような場合、圧縮機起動までの時間を意識的に短縮される場合もあるし、電源の投入を忘れ、試運転のスケジュールを守るために已むを得ず短縮される場合もある。
このように、人為的な要因によって起動準備時間が短縮されると、圧縮機が故障する恐れがあるし、一方、推奨通りの起動準備時間を確保すると、設置作業および試運転作業のスケジュールに支障を来たす恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑み、電源投入から圧縮機の起動まで人為的な判断を排除して圧縮機の故障の可能性を小さくするとともにその間の時間を短縮して運用の自由度が確保できる空気調和機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる空気調和機は、少なくとも1台の室外機に対して、1台または複数台の室内機が並列に接続されている空気調和機であって、運転を制御する制御部には、電源投入時に起動に伴い圧縮機が故障する可能性を判定し、その可能性が高い場合は前記圧縮機の起動を禁止し、その可能性が低い場合は前記圧縮機の起動を許容する圧縮機保護制御モードが備えられ、前記圧縮機保護制御モードは、外気温度が第1所定温度以上であり、前記圧縮機の外部温度が第2所定温度以上となる状態が所定時間継続すると、前記圧縮機が故障する可能性が低いと判定し、前記第1所定温度及び前記第2所定温度は、暖房運転の方が冷房運転よりも低く設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、空気調和機の電源が投入されると、圧縮機保護制御モードが機能する。また、たとえば、圧縮機を加熱するヒータに通電される。圧縮機保護制御モードは起動に伴い圧縮機が故障する可能性を判定し、その可能性が高い場合は圧縮機の起動を禁止し、その可能性が低い場合は圧縮機の起動を許容することになる。言い換えれば、圧縮機保護制御モードが許容しないと、圧縮機を起動できないことになる。
このように、圧縮機保護制御モードが圧縮機の起動の可否を決定し、それが許容しない限り圧縮機を起動することがないので、圧縮機の起動に人為的な判断による恣意的な起動が行えず、圧縮機が故障する恐れを抑制することができる。
また、圧縮機が故障する可能性が低い状態となると、一定時間が経過しなくても圧縮機を起動できるので、一律に一定時間の経過を待つのに比べて時間の短縮をはかることができる。これにより、空気調和機、特に、マルチ形空気調和機の運用の自由度を確保することができる。
なお、圧縮機が故障する可能性は圧縮機内部の温度が高いか否かで判定することになる。すなわち、圧縮機内部の温度が高いと、液冷媒は蒸発して圧縮機外へ排出されていると推定でき、圧縮機が故障する可能性が低いと判定できる。この場合、内部の温度を直接測定するのは、高価な計測器を新たに設置することになり、コストがかかるので、既存の計測器を活用することが好ましい。
そして、圧縮機保護制御モードは、外気温度が第1所定温度以上であり、圧縮機の外部温度が第2所定温度以上となる状態が所定時間継続すると、圧縮機が故障する可能性が低いと判定する。
圧縮機は外気温度と略同等の温度となっているので、外気温度が高いと、圧縮機、すなわち、圧縮機内部の温度も高くなっている。圧縮機の温度が高いと、液冷媒は蒸発して圧縮機外へ排出されていると推定できる、あるいは、液冷媒は容易に蒸発して圧縮機への悪影響が少ないので、圧縮機が故障する可能性が低いと判定することができる
圧縮機の外部温度が高くなると、その熱量が圧縮機内部に伝達されるので、時間を置いて圧縮機内部の温度も高くなる。したがって、圧縮機の外部温度が第2所定温度以上となる状態が所定時間継続すると圧縮機内部の温度も第2所定温度以上となる。
圧縮機内部の温度が高くなると、液冷媒は蒸発して圧縮機外へ排出されていると推定できる、あるいは、液冷媒は容易に蒸発して圧縮機への悪影響が少ないので、圧縮機が故障する可能性が低いと判定することができる。
なお、第1所定温度及び第2所定温度としては、冷房運転の場合5〜15℃とされ、好ましくは20〜30℃とされる。また、暖房運転の場合、−5〜5℃とされ、好ましくは10〜20℃とされる。第1所定温度及び第2所定温度は、暖房運転の方が冷房運転よりも低く設定されている。これは暖房運転では冷房運転に比べて蒸発器以降の配管が短く,そこに溜まり込む冷媒量が少ないので、液冷媒の量もそれに応じて少なくなり、その影響が小さくなるからである。
また、所定時間としては、圧縮機の大きさで異なるが、圧縮機外部の温度が内部に伝達されるまでの時間を考慮して3〜6時間とされる。
さらに、前記圧縮機保護制御モードは、前記圧縮機の冷媒の吸入位置における外部温度から前記圧縮機に吸入される冷媒の低圧圧力における冷媒の飽和温度を減算した温度が所定温度以上の場合に、前記圧縮機が故障する可能性が低いと判定する。
また、上記発明では、前記圧縮機保護制御モードは、前記圧縮機を加熱するヒータの通電時間が所定時間継続すると、前記圧縮機が故障する可能性が低いと判定することとしてもよい。
圧縮機がヒータによって加熱されると、その熱量が圧縮機内部に伝達されるので、時間が経過するに連れて圧縮機内部の温度は順次高くなる。したがって、ヒータによる加熱が所定時間継続すると圧縮機内部は液冷媒が蒸発して圧縮機外へ排出されていると推定できる、あるいは、液冷媒が容易に蒸発して圧縮機への悪影響が少ないレベルの温度まで高められるので、圧縮機が故障する可能性が低いと判定することができる。
また、上記発明では、前記制御部には、前記圧縮機保護制御モードを解除し、前記圧縮機を起動可能とする解除手段が備えられていてもよい。
本発明によれば、解除手段を作動させると、圧縮機保護制御モードが解除され圧縮機が任意に起動できるようになるので、たとえば、試運転作業の際、作業員の判断によって圧縮機を起動させることができる。
これにより、圧縮機の起動準備時間を短縮する等運用の自由度を一層確保することができる。
本発明によると、運転を制御する制御部に、電源投入時に起動に伴い圧縮機が故障する可能性を判定し、その可能性が高い場合は圧縮機の起動を禁止し、その可能性が低い場合は圧縮機の起動を許容する圧縮機保護制御モードが備えられているので、圧縮機の起動に人為的な判断による恣意的な起動が行えず、圧縮機が故障する恐れを抑制することができる。
また、一律に一定時間の経過を待つのに比べて起動準備時間の短縮をはかることができるので、空気調和機、特に、マルチ形空気調和機の運用の自由度を確保することができる。
以下に、本発明の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1には、本実施形態にかかるマルチ形空気調和機(空気調和機)1の冷媒サイクル図が示されている。
マルチ形空気調和機1には、1台の室外機3と、この室外機3から導出されるガス側配管5および液側配管7と、このガス側配管5および液側配管7間に分岐器9を介して並列に接続される複数台の室内機11A,11Bと、が備えられている。
室外機3には、冷媒を圧縮するインバータ駆動の圧縮機13と、冷媒ガス中から潤滑油を分離する油分離器15と、冷媒の循環方向を切り換える四方切換弁17と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器19と、室外熱交換器19と一体的に構成される過冷却コイル21と、暖房用の室外電動膨張弁(EEVH)23と、液冷媒を貯留するレシーバ25と、液冷媒に過冷却を与える過冷却熱交換器27と、過冷却熱交換器27に分流される冷媒量を制御する過冷却電動膨張弁(EEVSC)29と、圧縮機13に吸入される冷媒ガス中から液分を分離し、液冷媒を貯留する小容量のアキュームレータ31と、ガス側操作弁33と、液側操作弁35と、が備えられている。
圧縮機13の下部には、圧縮機13に近接してリング状のヒータ14が設置されている。ヒータ14は、マルチ形空気調和機1の電源が投入されることによって通電されるように構成され、通電後は、必要に応じて通電あるいは非通電とされる。
これらが公知の如く吐出配管37A、ガス配管37B、液配管37C、ガス配管37D、吸入配管37E、および過冷却用の分岐配管37F等の冷媒配管を介して接続され、室外側冷媒回路39を構成している。
また、室外機3には、室外熱交換器19に外気を送風する室外ファン41が設けられている。
ガス側配管5および液側配管7は、室外機3のガス側操作弁33および液側操作弁35に接続される冷媒配管である。
ガス側配管5および液側配管7は、現場での据え付け施工時に、室外機3とそれに接続される室内機11A,11Bとの間の距離に応じてその長さが適宜決定される。
ガス側配管5および液側配管7の途中には、適宜数の分岐器9が設けられ、この分岐器9を介してそれぞれ適宜台数の室内機11A,11Bが接続されている。
これによって、密閉された1系統の冷凍サイクル43が構成される。
室内機11A,11Bには、冷媒と室内空気とを熱交換させて室内の空調に供する室内熱交換器45と、冷房用の室内電動膨張弁(EEVC)47と、室内熱交換器45を通して室内空気を循環させる室内ファン49と、が備えられている。
室内機11A,11Bは、室内側の分岐ガス配管5Aおよび分岐液配管7Aを介して分岐器9に接続されている。
マルチ形空気調和機1には、その運転を制御する制御部51が備えられている。制御部51には、マルチ形空気調和機1の電源投入時における圧縮機13の起動を制約し、圧縮機13を保護する圧縮機保護制御モード53が備えられている。
また、制御部51には、圧縮機保護制御モード53を解除し、圧縮機13を起動可能とする解除手段55が備えられている。
圧縮機13の下方中央部には、圧縮機13の本体(ドーム)外部温度を計測するドーム下温度センサ57が設けられている。
吐出配管37Aには、圧縮機13から吐出される高圧の冷媒ガスの圧力を計測する高圧圧力センサ59が設けられている。
吸入配管37Eには、圧縮機13に吸入される低圧の冷媒ガスの圧力を計測する低圧圧力センサ61が設けられている。
室外熱交換器19の外気取入側には、取り入れられる外気の温度を計測する外気温度センサ63が設けられている。
室内熱交換器45の室内空気取入側には、取り入れられる室内空気の温度を計測する内気温度センサ65が設けられている。
室内熱交換器45には、熱交換部材の温度を計測する熱交温度センサ67が設けられている。
上記のマルチ形空気調和機1において、冷房運転は、以下により行われる。
圧縮機13により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管37Aに吐出される。この冷媒ガスは油分離器15で冷媒中に含まれる潤滑油が分離された後、四方切換弁17によりガス配管37B側に循環される。
ガス配管37Bを通る冷媒ガスは、室外熱交換器19で室外ファン41により送風される外気と熱交換されて凝縮液化され、液冷媒とされる。
この液冷媒は、過冷却コイル21で冷却された後、室外電動膨張弁23を通過し、レシーバ25に一旦貯留されて循環量が調整される。
レシーバ25からの液冷媒は、液配管37Cを経て過冷却熱交換器27を通過する過程で、過冷却用分岐配管37Fに一部分流され、過冷却電動膨張弁(EEVSC)29で断熱膨張された冷媒と熱交換され所定の過冷却度まで冷却される。
所定の過冷却度が付与された液冷媒は、液側操作弁35を経て室外機3から液側配管7へと導出される。液側配管7に導出された液冷媒は、分岐器9により各室内機11A,11Bの分岐液配管7A,7Bへと分流される。
分岐液配管7A,7Bに分流された液冷媒は、室内電動膨張弁(EEVC)47により断熱膨張され、気液二相流となって室内熱交換器45に流入される。
室内熱交換器45では、室内ファン49により循環される室内空気と冷媒とが熱交換され、室内空気は冷却されて室内の冷房に供される。
一方、冷媒はガス化され、分岐ガス配管5A,5Bを経て分岐器9に至り、他の室内機からの冷媒ガスとガス側配管5で合流される。
ガス側配管5で合流された冷媒ガスは、再び室外機3に戻り、ガス側操作弁33、ガス配管37D、四方切換弁17を経て吸入配管37Eに至る。冷媒ガスは分岐配管37Fからの冷媒ガスと合流し、アキュームレータ31に導入される。
アキュームレータ31では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離され、ガス分のみが圧縮機13へと吸入され、この冷媒が圧縮機13において再び圧縮される。
以上のサイクルを繰り返すことによって、冷房運転が行われる。
一方、暖房運転は、以下により行われる。
圧縮機13により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管37Aに吐出される。この冷媒ガスは油分離器15で冷媒中に含まれる潤滑油が分離された後、四方切換弁17によりガス配管37D側に循環される。
この冷媒は、ガス側操作弁33、ガス側配管5を経て室外機3から導出され、更に、分岐器9、室内側の分岐ガス配管5A,5Bを経て室内機11A,11Bに導入される。
室内機11A,11Bに導入された高温高圧の冷媒ガスは、室内熱交換器45で室内ファン49によって循環される室内空気と熱交換され、室内空気は加熱されて室内の暖房に供される。
一方、室内空気によって冷却され、凝縮液化された液冷媒は、室内電動膨張弁(EEVC)47、分岐液配管7A,7Bを経て分岐器9に至り、他の室内機からの冷媒と合流された後、液側配管7を経て室外機3に戻る。
なお、暖房時、室内機11A,11Bでは、凝縮器として機能する室内熱交換器45の出口における冷媒の過冷却度が一定値となるよう、室内電動膨張弁(EEVC)47の開度が制御される。
室外機3に戻った液冷媒は、液側操作弁35を経て過冷却熱交換器27に至る。その後、液冷媒はレシーバ25に流入して一旦貯留され、循環量が調整される。
この液冷媒は、液配管37Cを介して室外電動膨張弁(EEVH)23に至り、ここで断熱膨張され、過冷却コイル21を経て室外熱交換器19に流入する。
室外熱交換器19では、室外ファン41により送風される外気と冷媒とが熱交換され、冷媒は外気から吸熱して蒸発気化される。
このガス冷媒は、室外熱交換器19からガス配管37B、四方切換弁17、吸入配管37Eを経て、アキュームレータ31に導入される。
アキュームレータ31では、冷媒ガス中に含まれる液分が分離されてガス分のみが圧縮機13へと吸入され、この冷媒は圧縮機13で再び圧縮される。
以上のサイクルを繰り返すことによって、暖房運転が行われる。
次に、圧縮機保護制御モード53の動作について説明する。図2は、たとえば、マルチ形空気調和機据え付け後の冷房運転試運転時あるいは冷房シーズンにおける最初の冷房運転開始時に用いられる冷房運転圧縮機保護制御モード53のフローを示している。
電源が投入される(ステップS1)と、ヒータ14に通電され、その熱量によって圧縮機13が加熱される。
また、解除手段55がONされているか否かが判断される(ステップS2)。
解除手段55がONされている(YES)場合、圧縮機13の起動を許可する(ステップS3)。起動許可は、たとえば、起動を許可する旨を操作テーブルのディスプレイに表示する、および/または音声で報知する等を行い、作業員に知らせる。
この状態で、圧縮機13が起動されると、圧縮機保護制御モード53は終了される(ステップS4)。
このように、解除手段55をONさせると、圧縮機13が任意に起動できるようになるので、たとえば、試運転作業の際、作業員の判断によって圧縮機13を起動させることができる。
これにより、圧縮機13の起動準備時間を短縮する等、マルチ形空気調和機1の運用における自由度を広げることができる。
解除手段55がONされていない(NO)場合、外気温度センサ63で計測される外気温度が10℃以上であるか否かを判断する(ステップS5)。
外気温度が10℃以上である(YES)場合、ステップS3に進み、圧縮機13の起動を許可する。
すなわち、ある程度の時間放置されていると、室外機3は平衡状態となり、圧縮機13の内部温度は外気温度と略同等の温度となっていると推定されるので、圧縮機13の内部温度が10℃以上であることになる。
圧縮機13の内部温度が10℃以上あると、液冷媒は蒸発して圧縮機13外へ排出されていると推定できる、あるいは、液冷媒は容易に蒸発して圧縮機13への悪影響が少ないので、圧縮機13が故障する可能性が低いと判定することができる。
なお、この10℃は好ましい一例を示すものであり、この温度は、たとえば、冷房運転の場合5〜15℃の範囲で適宜選択される。また、20〜30℃の範囲で選択されるのが、故障の可能性を一層確実に抑制できるので好ましい。
また、暖房運転の場合、冷房運転に比べて蒸発器以降の配管が短く,そこに溜まり込む冷媒量が少ないので、圧縮機13に流入する液冷媒の量が少なくなる。このため、液冷媒の悪影響が小さくなるので、ステップS5における判定に用いられる温度は低くできる。この温度は、たとえば、−5〜5℃の範囲で選択され、好ましくは10〜20℃の範囲で適宜適正なものが選択される。
ステップS5で外気温度が10℃未満である(NO)場合、ドーム下過熱度が15℃以上であるか否かを判断する(ステップS6)。
ドーム下過熱度は、ドーム下温度センサ57が計測する圧縮機13の外部温度、すなわち圧縮機13の下部温度から低圧圧力センサ61で計測される圧縮機13に吸入される冷媒の低圧圧力における冷媒の飽和温度を減算したものである。
ステップS6で、ドーム下過熱度が15℃以上である(YES)場合、ステップS3に進み、圧縮機13の起動を許可する。
圧縮機13の外部温度が高くなると、その熱量が圧縮機13内部に伝達されるので、時間を置いて圧縮機13内部の温度も高くなる。反対に、内部温度が高いと外部温度も高くなる。これから、圧縮機13の外部温度は圧縮機13内部の温度と略等しいと推定できる。
したがって、ドーム下過熱度が大きいということは、圧縮機13内部が吸入される冷媒に対して十分な熱量(たとえば、液で流入してもそれを蒸発させることができる。)を有していると推定できる。このため、たとえば、ドーム下過熱度が15度以上であれば圧縮機が故障する可能性が低いと判定することができる。
なお、圧縮機が故障する可能性が低いと判定するドーム下過熱度は、たとえば、10〜15℃の範囲で、好ましくは10〜40℃の範囲で適宜適正なものが選択される。
なお、本実施形態では、ドーム下過熱度で圧縮機13が故障する可能性が低いか否かを判定しているが、同じ意味でドーム下温度センサ57が計測する圧縮機13の外部温度(ドーム下温度)を用いて判定してもよい。
上述のように、圧縮機13の外部温度は圧縮機13内部の温度と略等しいと推定できるので、圧縮機13内部の熱量を推定できる。これにより、この外部温度が所定の温度以上になると、圧縮機13の起動を許可するようにする。この温度としては、たとえば、0〜10℃の範囲で、好ましくは20〜30℃の範囲で適宜適正なものが選択される。
なお、外部の熱量が内部に行き渡るには時間がかかるので、判定条件として所定の温度が適宜適正に選択された時間だけ継続されていることを含めるのが好ましい。この時間としては、たとえば、3〜6時間とされる。
また、圧縮機13の吸入管温度から低圧圧力センサ61で計測される圧縮機13に吸入される冷媒の低圧圧力における冷媒の飽和温度を除算した圧縮機13の吸入過熱度によって判定するようにしてもよい。
ステップS6で、ドーム下過熱度が15℃未満である(NO)場合、電源投入後所定時間、たとえば、6時間経過したか否かを判断する(ステップS7)。
したがって、ステップS7で、6時間経過している(YES)場合、ステップS3に進み、圧縮機13の起動を許可する。
圧縮機13はヒータ14によって加熱されているので、その外部温度は順次昇温される。外部温度が昇温すると、その熱量が圧縮機内部に伝達されるので、時間が経過するに連れて圧縮機内部の温度は順次高くなる。
したがって、ヒータ14による加熱が所定時間継続すると圧縮機13内部は液冷媒が蒸発して圧縮機外へ排出されていると推定できる、あるいは、液冷媒が容易に蒸発して圧縮機13への悪影響が少ないレベルの温度まで高められるので、圧縮機13が故障する可能性が低いと判定することができる。
なお、この6時間は例示であって、この所定時間はヒータ14により加熱されて圧縮機13が十分な熱量を有するに必要な時間として適宜適正なものが選択される。
一方、ステップS7で、6時間経過していない(NO)場合、圧縮機13の起動は禁止される(ステップS8)。その後、ステップS5に戻って、上記手順が繰り返されることになる。また、圧縮機13の起動が禁止されていることを操作テーブルのディスプレイに表示する、および/または音声で報知する等を行い、作業員に知らせるようにしてもよい。さらに、起動が許可されるまでの時間を推定してディスプレイに表示するようにしてもよい。
この禁止は、たとえ、圧縮機13の起動が指示されたとしても圧縮機13を起動させないようにするものである。したがって、圧縮機保護制御モード53で圧縮機13の起動が禁止されている場合、たとえば、解除手段55をONしない限り、圧縮機13を起動することができない。
このように、圧縮機保護制御モード53が圧縮機13の起動の可否を決定し、それが許容しない限り圧縮機13を起動することがないので、圧縮機13の起動に人為的な判断による恣意的な起動が行えない。
したがって、圧縮機13が故障する可能性が多い状態で起動されることがないので、圧縮機13が故障する恐れを抑制することができる。
また、本実施形態では、外気温度が10℃以上となる、ドーム下過熱度が15℃以上となる、および電源投入後6時間経過する、のいずれか1個の条件を満たせば、圧縮機13の起動が許可されることになる。
圧縮機が故障する可能性が低い状態、すなわち、外気温度が10℃以上となる、あるいは、ドーム下過熱度が15℃以上となると、一定時間が経過しなくても圧縮機13を起動できるので、一律に一定時間の経過を待つのに比べて時間の短縮をはかることができる。
これにより、マルチ形空気調和機1の運用の自由度を確保することができる。
なお、圧縮機保護制御モード53は図2に示されるフローに限定されるものではない。たとえば、図3に示されるように構成されていてもよい。
図3は、圧縮機保護制御モード53の別の実施態様のフローを示している。
図3に示されるフローでは、ステップS5において外気温度が所定の温度よりも大きい(YES)場合、ステップS3に進むのではなく、ステップS6に進むようにされている。また、ステップS5がNOの場合、ステップS6に進むのではなく、ステップS7に進むようにされている。
すなわち、図3では、ステップS5およびステップS6については、その両方の条件を満たさないと、圧縮機13の起動が許可されないようにされている。
このように、より安全サイドにしているので、それに見合ってステップS5およびステップS6の個別の条件は若干緩和している。
なお、本実施形態では、外気温度が10℃以上となる、ドーム下過熱度が15℃以上となる、および電源投入後6時間経過することが並列した条件とされているが、これらのいずれか1個を条件とするようにしてもよいし、いずれか2個を条件とするようにしてもよい。
また、本実施形態では、圧縮機13の内部の熱量が十分か否かで圧縮機13の起動を判断している傾向があるが、これに加えて冷媒の分布を判定に考慮するようにしてもよい。
すなわち、冷媒は温度が低いところに溜る傾向がある。たとえば、外気温度センサ63および内気温度センサ65で計測された温度を比較すると、室外機3側に冷媒が多いのか、あるいは室内機11A,11B側に多いのかが分かる。
また、室外熱交換器19の温度と、熱交温度センサ67で計測される室内熱交換器45の温度とを比較することでも室外機3側に冷媒が多いのか、あるいは室内機11A,11B側に多いのかが分かる。
さらに、高圧圧力センサ59および低圧圧力センサ61によって計測された冷媒の圧力における冷媒の飽和温度の大きさによって室外機3側の冷媒量を推定することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
たとえば、上記実施形態ではマルチ形空気調和機1としているが、これ以外のタイプの空気調和機にも本発明は適用できる。
また、室内機11A,11Bの台数について、1台以上であれば何台であってもよく、特に制限されるものではない。また、室外機3の台数は1台以上であれば何台であってもよく、特に制限されるものではない。
さらに、上記実施形態で例示されている具体的な時間や温度等の数値は、一例を示すものにすぎず、それに限定されるものでないことは言うまでもない。
本発明の一実施形態にかかるマルチ形空気調和機の冷凍サイクル図である。 本発明の一実施形態にかかるマルチ形空気調和機における圧縮機保護制御モードのフロー図である。 本発明の一実施形態にかかるマルチ形空気調和機における圧縮機保護制御モードの別の実施態様を示すフロー図である。
符号の説明
1 マルチ形空気調和機
3 室外機
11A,11B 室内機
13 圧縮機
14 ヒータ
51 制御部
53 圧縮機保護制御モード
55 解除手段

Claims (4)

  1. 少なくとも1台の室外機に対して、1台または複数台の室内機が並列に接続されている空気調和機であって、
    運転を制御する制御部には、電源投入時に起動に伴い圧縮機が故障する可能性を判定し、その可能性が高い場合は前記圧縮機の起動を禁止し、その可能性が低い場合は前記圧縮機の起動を許容する圧縮機保護制御モードが備えられ
    前記圧縮機保護制御モードは、外気温度が第1所定温度以上であり、前記圧縮機の外部温度が第2所定温度以上となる状態が所定時間継続すると、前記圧縮機が故障する可能性が低いと判定し、
    前記第1所定温度及び前記第2所定温度は、暖房運転の方が冷房運転よりも低く設定されていることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記圧縮機保護制御モードは、前記圧縮機の冷媒の吸入位置における外部温度から前記圧縮機に吸入される冷媒の低圧圧力における冷媒の飽和温度を減算した温度が所定温度以上の場合に、前記圧縮機が故障する可能性が低いと判定する請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記圧縮機保護制御モードは、前記圧縮機を加熱するヒータの通電時間が所定時間継続すると、前記圧縮機が故障する可能性が低いと判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記制御部には、前記圧縮機保護制御モードを解除し、前記圧縮機を起動可能とする解除手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の空気調和機。
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