JP5190642B2 - ロータリーエバポレーター - Google Patents

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本発明は、ロータリーエバポレーターに関し、詳しくは、試料溶液から蒸発した溶媒を安全に回収することができるロータリーエバポレーターに関する。
ロータリーエバポレータは、試料溶液中の揮発性成分（溶媒）を蒸発させて目的の試料を濃縮する操作に多く用いられている（例えば、特許文献１参照。）。試料溶液から蒸発した溶媒蒸気は、冷却器により冷却されて凝縮し、凝縮した溶媒は冷却器に接続した回収フラスコに回収するようにしている。また、真空ポンプ（減圧手段）から排気経路に第２冷却器を設けることにより、減圧下の冷却器で凝縮しなかった溶媒蒸気を大気圧下で凝縮させることで回収し、さらに、活性炭などの吸着剤を通して大気中に排気することにより、運転中のロータリーエバポレータから溶媒成分が流出することを防止している。
特公平６−７５６４４号公報
前記回収フラスコに回収した溶媒は、回収フラスコをロータリーエバポレータから取り外し、回収フラスコから廃液貯留容器に移し替えるようにしている。このとき、回収フラスコ内で蒸発した溶媒蒸気が僅かではあるが回収フラスコの口から大気中に揮散することがある。この溶媒蒸気の揮散量は、通常の使用状態ではほとんど問題にならないが、多数のロータリーエバポレータが設置されている環境や、多数の試料溶液の濃縮操作を短期間に連続して行う場合には、廃液貯留容器に移し替える際に回収フラスコから揮散した溶媒蒸気が人体に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで本発明は、ロータリーエバポレータから回収する溶媒を安全かつ確実に回収フラスコから廃液貯留容器に移し替えることができ、溶媒蒸気が大気中に揮散することを防止できるロータリーエバポレーターを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のロータリーエバポレーターは、試料溶液が注入された試料フラスコと、試料フラスコを回転させる駆動手段と、試料フラスコを加熱する加熱手段と、試料溶液から蒸発して試料フラスコから導出される溶媒蒸気を冷却して凝縮させる冷却器と、冷却器で凝縮した溶媒を回収する回収フラスコと、前記試料フラスコ、冷却器及び回収フラスコの内部を減圧する減圧手段とを備えるとともに、前記回収フラスコの底部に設けられた、ドレンコックを有する溶媒回収用配管と、該溶媒回収用配管の先端が接続された流入口を有する廃液貯留容器と、前記減圧手段から排出されるガスを冷却して溶媒蒸気を凝縮させる第２の冷却器と、該第２の冷却器で凝縮した溶媒を回収する第２の回収フラスコと、該第２の回収フラスコの底部に設けられた、第２のドレンコックを有する第２の溶媒回収用配管とを備え、該第２の溶媒回収用配管の先端を前記流入口に接続するとともに、前記廃液貯留容器の上部と前記減圧手段の吸入側とをストップバルブを介して接続する廃液貯留容器減圧配管を備えたことを特徴としている。
さらに、本発明のロータリーエバポレーターは、前記流入口に、前記溶媒回収用配管の先端及び前記第２の溶媒回収用配管の先端が、前記廃液貯留容器減圧配管のストップバルブとは別のストップバルブを介して接続されている特徴としている。
本発明のロータリーエバポレーターによれば、回収フラスコから廃液貯留容器への溶媒の移し替えは、ドレンコックを開くだけの操作で行うことができ、回収フラスコを取り外す必要がないので溶媒が大気中に揮散することを防止できる。また、第２溶媒回収用配管を設けることにより、第２回収フラスコから廃液貯留容器への溶媒の移し替えも、第２ドレンコックを開くだけで行うことができる。さらに、廃液貯留容器減圧配管を設けることにより、廃液貯留容器の内部を減圧して回収フラスコからの溶媒の移し替えを短時間で確実に行うことができる。
図１は本発明のロータリーエバポレーターの一形態例を示す説明図である。このロータリーエバポレーターは、試料溶液が注入された試料フラスコ１１と、試料フラスコ１１を回転させる駆動手段１２と、試料フラスコ１２を加熱する加熱手段１３と、試料溶液から蒸発して試料フラスコ１１から導出される溶媒蒸気を冷却して凝縮させる冷却器１４と、冷却器１４で凝縮した溶媒を回収する回収フラスコ１５と、前記試料フラスコ１１、冷却器１４及び回収フラスコ１５の内部を減圧する減圧手段（真空ポンプ）１６とを備えるとともに、真空ポンプ１６の吸入側経路１６ａにはウルフ瓶１７が設けられ、真空ポンプ１６の排気側経路１６ｂには、下部に第２回収フラスコ１８を接続した第２冷却器１９と活性炭カラム２０とが設けられている。
回収フラスコ１５の底部には、ドレンコック２１を有する溶媒回収用配管２２が設けられ、該溶媒回収用配管２２の先端が廃液貯留容器２３の流入口２４にストップバルブ２５を介して接続されている。同様に、前記第２回収フラスコ１８の底部には、第２ドレンコック２６を有する第２溶媒回収用配管２７が設けられ、該第２溶媒回収用配管２７の先端は、前記溶媒回収用配管２２に合流してストップバルブ２５から廃液貯留容器２３の流入口２４に接続されている。また、廃液貯留容器２３の上部には、前記真空ポンプ１６の吸入側経路１６ａに第２ストップバルブ２８を介して接続する廃液貯留容器減圧配管２９が設けられている。
このように形成したロータリーエバポレーターにおいて、例えば試料溶液を濃縮する際には、溶媒回収用配管２２のドレンコック２１、第２溶媒回収用配管２７の第２ドレンコック２６、廃液貯留容器減圧配管２９の第２ストップバルブ２８及び流入口２４のストップバルブ２５を閉じることにより、通常のロータリーエバポレーターの操作手順にて行うことができる。
この操作中、試料溶液から蒸発した溶媒蒸気は、試料フラスコ１１から冷却器１４に流入して冷却されることにより凝縮し、凝縮した溶媒は、冷却器１４から回収フラスコ１５に回収される。真空ポンプ１６に吸引されるガス中に含まれる溶媒の一部はウルフ瓶１７に回収され、真空ポンプ１６から排出されるガス中に含まれる溶媒蒸気は、第２冷却器１９にて大気圧下で冷却されることにより凝縮し、第２冷却器１９から第２回収フラスコ１８に回収される。さらに、排出されるガス中に微量に残存する溶媒蒸気は、活性炭カラム２０に充填された活性炭に吸着される。
濃縮操作終了後は、試料フラスコ１１を取り外して次の段階、例えば分析操作などに回した後、溶媒回収用配管２２のドレンコック２１及び流入口２４のストップバルブ２５を開くことにより、回収フラスコ１５に回収された溶媒を溶媒回収用配管２２から廃液貯留容器２３に移し替えることができる。このとき、吸入側経路１６ａのウルフ瓶１７側を適宜な手段で閉じ、廃液貯留容器減圧配管２９の第２ストップバルブ２８を開いて真空ポンプ１６を運転することにより、回収フラスコ１５から廃液貯留容器２３に溶媒を速やかに移し替えることができる。
また、第２溶媒回収用配管２７の第２ドレンコック２６を開くことにより、第２回収フラスコ１８に回収された溶媒を第２溶媒回収用配管２７から廃液貯留容器２３に移し替えることができる。このときも、前記同様に、第２ストップバルブ２８を開いて真空ポンプ１６を運転することにより、第２回収フラスコ１８から廃液貯留容器２３に溶媒を速やかに移し替えることができる。
したがって、回収フラスコ１５や第２回収フラスコ１８を取り外す必要がないため、回収フラスコ１５や第２回収フラスコ１８から溶媒が揮散することがなく、従来のように回収フラスコ１５や第２回収フラスコ１８を取り外して廃液貯留容器２３に溶媒を移し替える場合に比べて溶媒の移し替えを安全に行うことができる。
本発明のロータリーエバポレーターの一形態例を示す説明図である。
符号の説明
１１…試料フラスコ、１２…駆動手段、１３…加熱手段、１４…冷却器、１５…回収フラスコ、１６…真空ポンプ、１６ａ…吸入側経路、１６ｂ…排気側経路、１７…ウルフ瓶、１８…第２回収フラスコ、１９…第２冷却器、２０…活性炭カラム、２１…ドレンコック、２２…溶媒回収用配管、２３…廃液貯留容器、２４…流入口、２５…ストップバルブ、２６…第２ドレンコック、２７…第２溶媒回収用配管、２８…第２ストップバルブ、２９…廃液貯留容器減圧配管

Claims (2)

  1. 試料溶液が注入された試料フラスコと、試料フラスコを回転させる駆動手段と、試料フラスコを加熱する加熱手段と、試料溶液から蒸発して試料フラスコから導出される溶媒蒸気を冷却して凝縮させる冷却器と、冷却器で凝縮した溶媒を回収する回収フラスコと、前記試料フラスコ、冷却器及び回収フラスコの内部を減圧する減圧手段とを備えるとともに、
    前記回収フラスコの底部に設けられた、ドレンコックを有する溶媒回収用配管と、該溶媒回収用配管の先端が接続された流入口を有する廃液貯留容器と、前記減圧手段から排出されるガスを冷却して溶媒蒸気を凝縮させる第２の冷却器と、該第２の冷却器で凝縮した溶媒を回収する第２の回収フラスコと、該第２の回収フラスコの底部に設けられた、第２のドレンコックを有する第２の溶媒回収用配管とを備え、
    該第２の溶媒回収用配管の先端を前記流入口に接続するとともに、前記廃液貯留容器の上部と前記減圧手段の吸入側とをストップバルブを介して接続する廃液貯留容器減圧配管を備えた
    ことを特徴とするロータリーエバポレーター。
  2. 前記流入口には、前記溶媒回収用配管の先端及び前記第２の溶媒回収用配管の先端が、前記ストップバルブとは別のストップバルブを介して接続されていることを特徴とする請求項１記載のロータリーエバポレーター。
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