JP5186796B2 - 異種金属の接合方法及び接合構造 - Google Patents
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例えば、アルミニウム合金と鋼材とを溶接する場合、高硬度で脆弱なFe2Al5やFeAl3などの金属間化合物が生成するため、継手強度を確保するためには、これら金属間化合物の制御が必要となる。
さらに、爆着や熱間圧延なども知られているが、設備面や能率面での問題が多く、一般の異種金属接合に広く適用することはできないという問題がある。
このような異種金属の接触による腐食は、金属のイオン化傾向の違いによって、金属間に電位差が生じ腐食電流が流れることによって発生するとされており、異種金属接触による腐食を防止するための対策としては、例えば、スチール製の第1の部材と、例えばアルミニウムやその合金から成る第2の部材を両部材の間にシール材を介在させた状態で、例えばリベットや補強部材などの接合手段によって接合するようにした車体部材の接合構造が提案されている(特許文献3参照)。
さらに、特許文献4に記載の技術においては、接合された部材をフルオロ錯イオン及び亜鉛イオンを含有する溶液中に浸漬するようにしているが、接合材表面に析出した亜鉛だけでは、自動車部品に求められるような耐食性能を十分に満足させることができないばかりでなく、自動車の生産工程の過程において、車体部品をこのような溶液中に浸漬する工程を組み込むことは、浸漬タンク等の新たな設備投資を必要とし、コストが増加することが問題となる。
したがって、これを利用してAlとZnの共晶溶融を作り出し、アルミニウム材の接合時における酸化皮膜除去や相互拡散などの接合作用に利用することによって、低温接合が実施できるため、Fe2Al5やFeAl3などの金属間化合物の接合界面における成長を極めて効果的に抑制することができる。
したがって、両金属の清浄面を接触させ、655K以上に加熱保持すると反応が生じる。これを共晶溶融といい、Al−95%Znが共晶組成となるが、共晶反応自体は合金成分に無関係な一定の変化であり、合金組成は共晶反応の量を増減するに過ぎない。
すなわち、加圧によって材料表面の微視的な凸部同士が擦れ合うことから、一部の酸化皮膜の局所的な破壊によってアルミニウムと亜鉛が接触した部分から共晶溶融が生じ、この液相の生成によって近傍の酸化皮膜が破砕、分解されてさらに共晶溶融が全面に拡がる反応の拡大によって、酸化皮膜破壊の促進と液相を介した接合が達成される。
すなわち、これら金属とAlとの共晶金属は、母材であるアルミニウム合金材の融点以下の温度で溶融するため、脆弱な金属間化合物が生成し易い鋼材とアルミニウム合金材の接合においても、低温で酸化皮膜を除去することができ、接合過程での接合界面における金属間化合物の生成が抑制でき、強固な接合が可能になる。
鋼材とマグネシウムとの接合に際しては、鋼材側にめっきした亜鉛とマグネシウムの間に共晶反応を生じさせて接合することが可能である。
図に示すように、表面に亜鉛めっき層1aを備えた亜鉛めっき鋼板1と、アルミニウム合金板材2とを、界面にシール材Sを塗布した状態で重ね合わせ、図1に示した溶接装置の電極E1及びE2により挟持し、接合部を加圧しながら両異種金属材料1及び2の間に通電することができるようになっている。
なお、このようにシール材Sを塗布した場合の間隙Gは、実際にはシール材の介在によって若干増加することになるが、本発明における間隙Gとしては、このようなシール材による増加分を含めないものとする。
そして、加圧、通電により抵抗スポット溶接を行うと、アルミニウム合金板材2の表面に形成されている酸化皮膜2aの破壊と、その接合部からの除去を共晶溶融を利用することによって促進することができる。
このとき、特に凸ビードP1を低融点側であり、しかも大気雰囲気下で表面に強固な酸化皮膜2aを形成するアルミニウム合金板材2の側に形成したことから、通電加熱による軟化によって、アルミニウム合金板材2の側の湾曲部2bの形成及び変形が大きなものとなって、酸化皮膜2aの破壊と除去が進行すると共に、接合過程の共晶反応により生じた反応生成物やシール材Sの排出スペースが間隙Gによって確保されるため、これらの接合界面からの排出がより容易なものとなり、被接合材であるアルミニウム合金板材2と鋼板1の新生面同士が、不純物などが介在することなく、強固に接合されると共に、接合部の周囲を排出物や排出シール材Sに囲われ、耐食性の高い異種金属の接合構造を得ることができる。
さらに、接合部Jは、排出物Dと、さらにはシール材Sによって、その周囲を囲われた構造となっているため、腐食環境から完全に遮断され、異種金属の接触腐食に対する優れた耐食性が得られ、強度と耐食性を両立することができる。
また、接合界面に介在する共晶溶融物や酸化皮膜、シール材などの夾雑物をより円滑に排出する観点から、図示したように、先端面Cを曲面形状とした電極E1、E2を用いることが望ましい。なお、このような曲面電極は、上下電極の一方、又は両方に用いることが望ましいが、電極径が極端に大きくなく、加圧によって被接合材の接合面に湾曲部が形成されながら接合が進行する限り、必ずしもこれに限定されることはない。
このような間隙保持手段としての凸状部についても、プレス加工等によって容易に形成することができ、このような凸状部を予め軽金属合金材の側に形成しておくことによって、被接合材間に間隙Gを確保することができ、シール材や反応生成物などの排出が容易になり、上記同様の効果を得ることができる。
なお、円形状の丸凹エンボスH1に替えて、図5(d)に示すような矩形状の角凹エンボスH2を形成するようにしてもよく、このような凹状部の形状は部材の形状や板厚によって適宜決定することができる。
抵抗シーム溶接装置のローラ電極E3及びE4については、少なくとも一方の先端断面形状が曲率を有していることが望ましく、ここでは図中上側のローラ電極E3の先端が曲面Cを有している一方、下方側のローラ電極E4の先端は平面Fとなっており、ローラ電極E3を低融点側であるアルミニウム合金板材2に接するように配することが望ましい。
また、先端に丸みを備えたローラ電極は、上記のようにアルミニウム合金板材2の側に配設することが望ましいが、鋼板1の側、あるいは両側に用いてもよい。しかし、電極の加圧によって被接合材の接合面に湾曲部1b、2bが形成される限り、このような形状の電極のみに限定されないことは言うまでもなく、先に述べたスポット接合の場合と何ら変わらない。
図1に示したような交流電源タイプの抵抗スポット溶接装置を用いて、板厚0.55mmの亜鉛めっき鋼板1と板厚1.0mmの6000系アルミニウム合金板材2との接合を行った。なお、亜鉛めっき鋼板1の亜鉛めっき厚さについては、一般的な約20μmのめっき厚のものを使用した。
そして、3kNの加圧力を加えながら、24000Aの交流電流を0.2秒間通電することによって抵抗スポット溶接を行い、上記アルミニウム合金板材2と亜鉛めっき鋼板1とを接合した。
図6に示した抵抗シーム溶接装置を使用し、上記実施例1と同様の亜鉛めっき鋼板1とアルミニウム合金材2とを連続的な線状にシーム接合した。
このとき、図7に示したように、アルミニウム合金板材2の側には、プレス加工によって複数の円形微小突起P2を線状接合部位の両側に形成しておき、シール材Sとしての熱硬化性構造用接着剤を介して亜鉛めっき鋼板1に重ねることによって、両板材間に間隙Gを形成させた。
1a 亜鉛めっき層(第3の材料)
2 アルミニウム合金板材
G 間隙
S シール材
P1、P2、P3 凸状部(隙間保持手段)
H1、H2 凹状部(隙間保持手段)
Claims (7)
- アルミニウム合金又はマグネシウム合金から成り、板厚がtの軽金属合金材と、鋼材を重ね合わせた被接合材の間に、これら金属材料とは異なる金属から成る第3の材料を介在させ、軽金属合金材と第3の材料との間で共晶溶融を生じさせて抵抗溶接するに際し、上記軽金属合金材の側に、凸状部又は凹状部から成る間隙保持手段を設けて上記被接合材間に0.3t〜2.5tの間隙を形成した状態で接合部を加圧し、通電することを特徴とする異種金属の接合方法。
- 上記被接合材の少なくとも一方の材料に第3の材料が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の異種金属の接合方法。
- 上記鋼材が亜鉛めっき鋼板であって、当該亜鉛めっき鋼板にめっきされている亜鉛を第3の材料として利用することを特徴とする請求項2に記載の異種金属の接合方法。
- 上記軽金属合金材と鋼材をシール材を介して重ね合わせたのち、接合部の少なくとも中央部に介在するシール材を接合界面から排出し、両材料を直接接触させて接合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の異種金属の接合方法。
- 上記被接合材をスポット溶接によって断続的に接合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の異種金属の接合方法。
- 上記被接合材をシーム溶接によって連続的に接合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の異種金属の接合方法。
- 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の接合方法によって得られる接合構造であって、上記被接合材の新生面同士が直接接合されていると共に、当該接合部の周囲の被接合材間に間隙が形成され、当該間隙内に被接合材、第3の材料、酸化皮膜、接合過程で生成される反応物及びシール材から成る群より選ばれる少なくとも1種が流入していることを特徴とする異種金属の接合構造。
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