本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による半導体レーザの斜視図である。この発明の実施の形態による半導体レーザ10は、基板1と、バッファ層2と、クラッド層3,7と、光閉じ込め層4,6と、活性層5と、コンタクト層8と、絶縁膜9と、窓部材11と、正極電極12と、負極電極13とを備える。
基板1は、例えば、(100)の面方位を有するn型GaAsからなる。バッファ層2は、基板1の一主面上に形成され、例えば、n型GaAsからなる。そして、バッファ層2は、0.3μmの膜厚および1×1018cm−3のキャリア密度を有する。
クラッド層3は、バッファ層2上に形成され、例えば、n型Al0.35Ga0.65Asからなる。そして、クラッド層3は、3μmの膜厚および1×1017cm−3のキャリア密度を有する。
光閉じ込め層4は、クラッド層3上に形成され、例えば、ノンドープのAl0.2Ga0.8Asからなる。そして、光閉じ込め層4は、50nmの膜厚を有する。活性層5は、光閉じ込め層4上に形成され、歪量子井戸構造からなる。歪量子井戸構造は、例えば、Ga0.82In0.18Asからなる井戸層と、GaAsからなる障壁層とによって構成される二重量子井戸構造からなる。そして、井戸層は、例えば、5nmの膜厚を有し、障壁層は、例えば、10nmの膜厚を有する。
光閉じ込め層6は、活性層5上に形成され、例えば、ノンドープのAl0.2Ga0.8Asからなる。そして、光閉じ込め層6は、50nmの膜厚を有する。クラッド層7は、光閉じ込め層6上に形成され、例えば、p型Al0.35Ga0.65Asからなる。そして、クラッド層7は、2μmの膜厚および1×1018cm−3のキャリア密度を有する。
コンタクト層8は、ストライプ形状からなり、クラッド層7上に形成される。そして、コンタクト層8は、例えば、p+GaAsからなり、0.5μmの膜厚および2×1019cm−3のキャリア密度を有する。
絶縁膜9は、コンタクト層8の両側に配置され、クラッド層7上に形成される。そして、絶縁膜9は、例えば、SiNxからなる。窓部材11は、基板1の面内方向DR1において、クラッド層3の一部、光閉じ込め層4,6、活性層5およびクラッド層7の一部に接して形成される。そして、窓部材11は、例えば、クラッド層3、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6およびクラッド層7の一部をシリコン(Si)によって混晶化したものからなり、半導体レーザ10が発振するレーザ光の波長に相当するエネルギーバンドギャップよりも大きいエネルギーバンドギャップを有する。また、窓部材11は、活性層5と接する側と反対側に曲面11Aを有する。
正極電極12は、コンタクト層8および絶縁膜9上に形成される。そして、正極電極12は、例えば、Ti/Pt/Auからなる。負極電極13は、基板1の裏面に形成される。そして、負極電極13は、例えば、Cr/Auからなる。
半導体レーザ10は、長さLおよび幅Wを有する。そして、長さLは、例えば、1400μmであり、幅Wは、例えば、7μmまたは50μmである。この7μmまたは50μmの幅Wは、窓部材11が曲面11Aを有しない場合、高次の横モードが誘発される幅である。
図2は、図1に示す線II−II間の半導体レーザ10の断面図である。半導体レーザ10は、絶縁膜14を更に備える。絶縁膜14は、クラッド層7の一部、コンタクト層8および正極電極12の側面に接して形成されるとともに、窓部材11の上面に接して形成される。そして、絶縁膜14は、例えば、SiNxからなる。
図3は、図1に示す正極電極12側から見た半導体レーザ10の平面図である。なお、図3においては、絶縁膜14は、省略されている。正極電極12は、絶縁膜9の周辺部を除き、コンタクト層8および絶縁膜9のほぼ全面に形成される。そして、窓部材11は、正極電極12が形成された領域に隣接して形成され、正極電極12が形成された領域側と反対側に円弧状の曲面11Aを有する。
図4から図6は、それぞれ、図1に示す半導体レーザ10の作製工程を示す第1から第3の工程図である。なお、図4から図6においては、図1に示すストライプ状のコンタクト層8を含む断面図を示す。
半導体レーザ10の作製が開始されると、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapour Deposition)を用いてバッファ層2、クラッド層3、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6、クラッド層7およびコンタクト層8となるp+GaAsが基板1上に順次形成される(図4の(a)参照)。
この場合、バッファ層2を構成するn型GaAsは、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)およびセレン化水素(H2Se)を原料として形成され、クラッド層3を構成するn型Al0.35Ga0.65Asは、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)およびモノシラン(SiH4)を原料として形成される。
また、光閉じ込め層4を構成するノンドープのAl0.2Ga0.8Asは、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)を原料として形成され、活性層5を構成するGa0.82In0.18As/GaAsは、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)およびアルシン(AsH3)を原料として形成される。
更に、光閉じ込め層6を構成するノンドープのAl0.2Ga0.8Asは、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)を原料として形成され、クラッド層7を構成するp型Al0.35Ga0.65Asは、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)および四臭化炭素(CBr4)を原料として形成される。
更に、コンタクト層8となるp+GaAsは、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)および四臭化炭素(CBr4)を原料として形成される。
バッファ層2、クラッド層3、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6、クラッド層7およびコンタクト層8となるp+GaAsが基板1上に順次形成されると、コンタクト層8となるp+GaAs上にレジストが塗布され、その塗布されたレジストがストライプ状にパターンニングされる。そして、パターンニングされたストライプ状のレジストをマスクとしてp+GaAsがエッチングされ、コンタクト層8が形成される。
その後、試料の全面にレジストが塗布され、その塗布されたレジストをパターンニングしてSiの拡散を行なわない領域上にのみレジストを残す。そして、Siの拡散源となるSi薄膜を電子線ビーム蒸着法によって試料の全面に形成する。この場合、Si薄膜の膜厚は、例えば、20nmである。
Si薄膜の形成後、アセトンによってレジストパターンを除去することによってレジストパターン上のSi薄膜を除去し(リフトオフ)、所定の領域上のみにSi薄膜20を残す(図4の(b)参照)。
その後、プラズマCVD法(Chemical Vapour Deposition)を用いて試料の全面にSiO2膜30を形成する(図4の(c)参照)。そして、試料全体を窒素雰囲気中で850℃、8時間の熱処理を行なう。この熱処理によって、Si薄膜20からSiがコンタクト層8、クラッド層7、光閉じ込め層6、活性層5、光閉じ込め層4、およびクラッド層3の一部へ拡散し、コンタクト層8、クラッド層7、光閉じ込め層6、活性層5、光閉じ込め層4、およびクラッド層3の一部が混晶化し、混晶化領域40が形成される(図4の(d)参照)。
ここで、Si薄膜20が形成されていない領域のフォトルミネッセンスの発光波長が980nmであるのに対し、混晶化領域40のフォトルミネッセンスの発光波長は、930nm程度である。従って、混晶化領域40は、Siの拡散によってバンドギャップが大きくなっていることが確認された。
混晶化領域40以外の領域のSiO2膜上にフォトレジスト50を塗布し、フォトレジスト50を塗布していない領域のSiO2膜をCF4ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)によって除去する(図5の(e)参照)。
その後、フォトレジスト50をマスクとしてSi薄膜20と、コンタクト層8およびクラッド層7の一部に相当する混晶化領域40とを塩素ガスを用いたICP−RIE(Inductively Coupled Plasma−RIE)によってエッチングし、混晶化領域41を形成する(図5の(f)参照)。
この場合、ICP−RIEによるエッチング条件は、Cl2の流量が6.2sccmであり、Arガスの流量が2.5sccmであり、RF出力のうち、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma)の出力が130Wであり、バイアス出力が70Wであり、エッチング圧力は、0.6Paである。そして、エッチング深さは、2μm程度である。
その後、酸素ガスを用いたRIEによってフォトレジスト50を除去し、CF4ガスを用いたRIEによってSiO2膜30を除去する。そして、プラズマCVD法等によって試料全体にSiNx膜60を形成し、その形成したSiNx膜60上にフォトレジストを塗布する。引き続いて、フォトリソグラフィによってフォトレジストをパターンニングし、曲面70Aを有するフォトレジスト70をSiNx膜60上に形成する(図5の(g)参照)。
その後、フォトレジスト70をマスクとしてSiNx膜60をエッチングし、曲面61Aを有すSiNx膜61を形成する(図5の(h)参照)。そして、SiNx膜61をマスクとして塩素ガスを用いたICP−RIEによって混晶化領域41および基板1の一部をエッチングし、窓部材11を形成する(図6の(i)参照)。この場合、低加工損傷でほぼ垂直なエッチング(90°±3°程度)を行なうために、ICP−RIEによるエッチング条件は、Cl2の流量が6.2sccmであり、Arガスの流量が2.5sccmであり、RF出力のうち、誘導結合プラズマの出力が130Wであり、バイアス出力が70Wであり、エッチング圧力は、0.6Paである。また、エッチング深さは、5μm程度であり、曲面11Aの曲率は、1000μmである。
引き続いて、試料の全面にフォトレジスト80を塗布し、その塗布したフォトレジスト80をフォトリソグラフィおよびエッチングによってパターンニングし、SiNx膜61にストライプ状の開口部611を形成する(図6の(j)参照)。
そして、電子ビーム蒸着法によってTi/Pt/Auを試料全面に蒸着し、フォトレジスト80を除去することによって不要な部分に蒸着されたTi/Pt/Auを除去する。これによって、正極電極12が形成されるとともに、コンタクト層8の両側に絶縁膜9,14が形成される(図6の(k)参照)。
その後、厚みが150μm程度になるように基板1の裏面を研磨し、基板1の裏面に電子線ビーム蒸着法によってCr/Auを蒸着し、負極電極13を形成する(図6の(l)参照)。これによって、半導体レーザ10が完成する。
半導体レーザ10の正極電極12および負極電極13間に所定の電圧を印加し、活性層5に閾値以上の電流を注入すると、半導体レーザ10は、980nmのレーザ光を発振する。そして、半導体レーザ10は、出射面5A(図2参照)からレーザ光を窓部材11へ出射するとともに、反対側の出射面5Bからもレーザ光を出射する。
半導体レーザ10の活性層幅Wは、7μmまたは50μmであり、曲面11Aが無ければ高次の横モードが誘発される幅である。窓部材11は、曲面11Aを有するため、基本モードと高次モードとの利得差が大きくなるため、高次の横モードが抑制され、単一横モードからなるレーザ光の一部を活性層5へ放射し、残りを素子の外部へ放射する。この場合、窓部材11は、隣接するクラッド層3、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6およびクラッド層7よりも大きいバンドギャップを有するため、980nmの光は、吸収されない。
窓部材11から活性層5中へ放射されたレーザ光は、誘導放出によって更に増幅され、端面5B(図2参照)から外部へ放射される。
また、半導体レーザ10は、活性層5の出射面5Aと反対側に曲面11Aを備えるので、曲面11Aの表面が酸化されても、その表面酸化の影響が低減される。従って、半導体レーザ10の信頼性を向上できる。
図7は、この発明の実施の形態による半導体レーザの他の斜視図である。また、図8は、図7に示す正極電極12側から見た半導体レーザ10Aの平面図である。
この発明の実施の形態による半導体レーザは、図7および図8に示す半導体レーザ10Aであってもよい。半導体レーザ10Aは、図1に示す半導体レーザ10に多層反射膜15および低反射膜16を追加したものであり、その他は、半導体レーザ10と同じである。
多層反射膜15は、窓部材11の曲面11Aに接してプラズマCVD法によって形成される。そして、多層反射膜15は、例えば、波長が980nmの光に対して99%の反射率を有し、活性層5から窓部材11中へ放射され、かつ、窓部材11中を伝搬するレーザ光を反射する。
低反射膜16は、バッファ層2、クラッド層3、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6、クラッド層7、コンタクト層8および絶縁膜9の窓部材11側と反対側の端面にスパッタ法によって形成される。そして、低反射膜16は、例えば、Al2O3からなり、活性層5で発振したレーザ光の波長の4分の1の膜厚を有する。その結果、低反射膜16は、2%の反射率を有する。
図9は、図7および図8に示す多層反射膜15の断面図である。多層反射膜15は、SiO2膜151,153,155と、アモルファスSi膜152,154,156,158とを含む。SiO2膜151,153,155およびアモルファスSi膜152,154,156,158は、基板1の面内方向、即ち、曲面11Aに垂直な方向に交互に積層される。そして、SiO2膜151,153,155およびアモルファスSi膜152,154,156,158は、例えば、7層、積層される。また、SiO2膜151,153,155およびアモルファスSi膜152,154,156,158の各々は、活性層5で発振したレーザ光の波長の4分の1の膜厚を有する。
半導体レーザ10Aにおいては、活性層5で発振された980nmのレーザ光は、出射面5Aから窓部材11中へ放射される。そして、レーザ光は、吸収されずに窓部材11中を伝搬し、多層反射膜15が形成された曲面11Aで高次の横モードが抑制された単一横モードの光が反射される。
曲面11Aで反射された単一横モードのレーザ光は、窓部材11から活性層5中へ放射され、活性層5において誘導放出によって更に増幅され、端面5Bおよび低反射膜16を介して外部へ放射される。
なお、半導体レーザ10Aにおいては、多層反射膜15は、広い波長範囲に亘って高反射率を実現できるため、曲面11Aに接して形成した方が、素子の製造上、特性ばらつきを低く抑えることができる。
図10は、この発明の実施の形態による半導体レーザの更に他の斜視図である。また、図11は、図10に示す正極電極12側から見た半導体レーザ10Bの平面図である。
この発明の実施の形態による半導体レーザは、図10および図11に示す半導体レーザ10Bであってもよい。半導体レーザ10Bは、図1に示す半導体レーザ10に窓部材17を追加したものであり、その他は、半導体レーザ10と同じである。
窓部材17は、クラッド層3の一部、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6およびクラッド層7の一部に接して窓部材11と反対側に形成される。そして、窓部材17は、窓部材11と同じように、クラッド層3、光導波路4、活性層5、光導波路6およびクラッド層7を構成する半導体材料をSiによって混晶化した混晶材料からなる。従って、窓部材17は、半導体レーザ10Bが発振するレーザ光の波長に相当するエネルギーバンドギャップよりも大きいエネルギーバンドギャップを有し、活性層5から放射されたレーザ光を殆ど吸収せずに端面17Aから外部へ放射する。
半導体レーザ10Bは、半導体レーザ10の作製工程において、窓部材11と同時に窓部材17を作製することによって作製される。
半導体レーザ10Bにおいては、活性層5の両側に窓部材11,17を備えるので、表面酸化される面は、活性層5から遠くなり、端面の光学損傷(COD)による素子劣化を抑制することができる。従って、半導体レーザ10Bの信頼性を半導体レーザ10よりも高くできる。
なお、半導体レーザ10Bにおいては、図8に示す多層反射膜15および低反射膜16を更に備えるようにしてもよい。この場合、低反射膜16は、窓部材17の端面17Aに接するように形成される。
図12は、この発明の実施の形態による半導体レーザの更に他の斜視図である。また、図13は、図12に示す正極電極12側から見た半導体レーザ10Cの平面図である。
この発明の実施の形態による半導体レーザは、図12および図13に示す半導体レーザ10Cであってもよい。半導体レーザ10Cは、図1に示す半導体レーザ10に窓部材18を追加したものであり、その他は、半導体レーザ10と同じである。
窓部材18は、クラッド層3の一部、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6およびクラッド層7の一部に接して窓部材11と反対側に形成される。そして、窓部材18は、クラッド層3、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6およびクラッド層7側と反対側に窓部材11の曲面11Aと同じ曲率を有する曲面18Aを有する。また、窓部材18は、窓部材11と同じように、クラッド層3、光導波路4、活性層5、光導波路6およびクラッド層7を構成する半導体材料をSiによって混晶化した混晶材料からなる。従って、窓部材18は、半導体レーザ10Cが発振するレーザ光の波長に相当するエネルギーバンドギャップよりも大きいエネルギーバンドギャップを有し、活性層5から放射されたレーザ光を殆ど吸収せずに曲面18Aから外部へ放射する。
半導体レーザ10Cは、半導体レーザ10の作製工程において、窓部材11と同時に窓部材18を作製することによって作製される。
半導体レーザ10Cにおいては、活性層5の両側に窓部材11,18を備えるので、活性層5で発振したレーザ光の高次の横モードを更に抑制できる。また、半導体レーザ10Cにおいては、表面酸化される面は、活性層5から遠くなる。従って、半導体レーザ10Cの信頼性を半導体レーザ10よりも高くできる。
なお、半導体レーザ10Cにおいては、図8に示す多層反射膜15および低反射膜16を更に備えるようにしてもよい。この場合、低反射膜16は、窓部材18の曲面18Aに接するように形成される。
図14は、図1に示す半導体レーザ10を備えたバタフライ型モジュールの平面図である。バタフライ型モジュール200は、半導体レーザ210と、フォトダイオード220と、キャリア230と、光ファイバ240と、レンズ250と、バタフライパッケージ260と、ベース270と、外部端子280A,280Bとを備える。
半導体レーザ210、フォトダイオード220、キャリア230、レンズ250およびベース270は、バタフライパッケージ260内に配置される。ベース270は、バタフライパッケージ260の底面に配置される。キャリア230およびレンズ250は、ベース270上に配置される。
半導体レーザ210は、図1に示す半導体レーザ10からなり、端面5Bがレンズ250の方を向くようにキャリア230上に配置される。フォトダイオード220は、半導体レーザ210の曲面11Aに対向するようにキャリア230上に配置される。
光ファイバ240の一方端側は、バタフライパッケージ260内に配置され、その一方端がレンズ250からのレーザ光を入射可能な位置に固定される。レンズ250は、半導体レーザ210から出射されたレーザ光を光ファイバ240に入射するように配置される。
外部端子280A,280Bは、その一方端がバタフライパッケージ260の内部に挿入されるように側壁に固定される。
キャリア230は、それぞれ、ワイヤ231,232によって外部端子280A,280Bに接続される。半導体レーザ210は、ワイヤ211によってキャリア230に接続される。これによって、半導体レーザ210は、キャリア230およびワイヤ211,232によって外部端子280Bに接続される。フォトダイオード220は、ワイヤ221によってキャリア230に接続される。これによって、フォトダイオード220は、キャリア230およびワイヤ221,231によって外部端子280Aに接続される。
半導体レーザ210の発振閾値以上の電流が外部端子280Aを介して半導体レーザ210へ注入されると、半導体レーザ210は、高次の横モードを抑制して単一横モードのレーザ光を発振し、その発振した単一横モードのレーザ光を端面5Bからレンズ250へ放射するとともに、単一横モードのレーザ光の一部を曲面11Aからフォトダイオード220へ放射する。
そして、フォトダイオード220は、半導体レーザ210の曲面11Aから放射された単一横モードのレーザ光の一部を受け、その受けたレーザ光の一部を電気信号に変換するとともに、その変換した電気信号を外部端子280Aを介して外部へ出力する。
また、レンズ250は、半導体レーザ210の端面5Bから放射された単一横モードのレーザ光を受け、その受けたレーザ光を集光して光ファイバ240の一方端へ入射する。そして、光ファイバ240は、レンズ250から入射されたレーザ光を伝搬させる。
上述したように、半導体レーザ210は、レーザ光の高出力化が可能であり、かつ、高信頼性を有する半導体レーザ10からなるので、バタフライ型モジュール200から出射される単一横モードのレーザ光の出力を高くできるとともに、バタフライ型モジュール200の信頼性を向上できる。
なお、バタフライ型モジュール200の半導体レーザ210は、半導体レーザ10に代えて半導体レーザ10A,10B,10Cのいずれかから構成されていてもよい。
図15は、図1に示す半導体レーザ10を備えたCANモジュールの断面図である。CANモジュール300は、支持台310と、固定部材320,330,340と、CANパッケージ350と、半導体レーザ360と、レンズ370と、光ファイバ380とを備える。
固定部材320は、CANパッケージ350を支持台310に固定する。固定部材330は、レンズ370を支持台310に固定する。固定部材340は、光ファイバ380を支持台310に固定する。
CANパッケージ350は、半導体レーザ360を収納する。そして、CANパッケージ350は、窓351を有する。半導体レーザ360は、図1に示す半導体レーザ10からなり、端面5BがCANパッケージ350の窓351に対向するようにCANパッケージ350内に固定される。
レンズ370は、半導体レーザ360から出射されたレーザ光を窓351を介して入射可能な位置に配置される。光ファイバ380は、レンズ370によって集光されたレーザ光を入射可能な位置に配置される。
半導体レーザ360の発振閾値以上の電流が半導体レーザ360へ注入されると、半導体レーザ360は、高次の横モードを抑制して単一横モードのレーザ光を発振し、その発振した単一横モードのレーザ光を端面5Bから窓351を介してレンズ370へ放射する。
そして、レンズ370は、半導体レーザ360の端面5Bから放射された単一横モードのレーザ光を受け、その受けたレーザ光を集光して光ファイバ380の一方端へ入射する。そして、光ファイバ380は、レンズ370から入射されたレーザ光を伝搬させる。
上述したように、半導体レーザ360は、レーザ光の高出力化が可能であり、かつ、高信頼性を有する半導体レーザ10からなるので、CANモジュール300から出射される単一横モードのレーザ光の出力を高くできるとともに、CANモジュール300の信頼性を向上できる。
この発明においては、9mmφのCANにヒートシンクを介して半導体レーザ360をボンディングしてCANモジュール300を作製した。この場合、半導体レーザ360の幅は、7μmまたは50μmである。
そして、室温パルス動作時に幅が7μmおよび50μmである2種類の半導体レーザ360(=半導体レーザ10)のしきい値電流を測定した結果、それぞれ、60mAおよび490mAであった。
また、半導体レーザ360(=半導体レーザ10)の単一横モードの発振を確認するために、出射ビームの遠視野像を観測した。比較例として、両端面がへき開ミラーからなるファブリーペロー型の半導体レーザの出射ビームの遠視野像を観測した。
その結果、半導体レーザ360(=半導体レーザ10)においては、遠視野像の半値全幅が6.7°の単峰性のパターン(ピークが1個のパターン)であるのに対し、高次の横モードが誘発される比較例では、遠視野像の半値全幅が5.5°であり、単峰性は確認できなかった。
一方、半導体レーザ360(=半導体レーザ10)に関し、レーザ光の出力が5mWである場合、遠視野像は、単峰性のパターンを示しおり、単一横モードの制御が行なわれていることが確認できた。この場合、幅が7μmの半導体レーザ360(=半導体レーザ10)および幅が50μmの半導体レーザ360(=半導体レーザ10)の遠視野像の半値全幅は、それぞれ、9°および6.4°であった。
なお、CANモジュール300の半導体レーザ360は、半導体レーザ10に代えて半導体レーザ10A,10B,10Cのいずれかから構成されていてもよい。
また、CANモジュール300は、半導体レーザ360の曲面11A側に半導体レーザ360から出射されたレーザ光をモニターするための受光素子を備えていてもよい。
上記においては、曲面11A,18Aは、活性層5に向かって凸になる形状を有すると説明したが、この発明においては、これに限らず、曲面11A,18Aは、活性層5に向かって凹になる形状であってもよい。そして、半導体レーザ10Cにおいては、曲面11A,18Aは、異なる形状からなっていてもよい。
また、上記においては、多層反射膜15は、980nmにおいて90%の反射率を有すると説明したが、この発明においては、これに限らず、多層反射膜15は、基準値以上の反射率を有していればよく、反射率は、使用されるシステムの要求に応じて最適化される。そして、多層反射膜15は、「高反射膜」を構成する。
更に、上記においては、低反射膜16は、2%の反射率を有すると説明したが、この発明においては、これに限らず、低反射膜16は、高反射膜と同様に要求仕様に応じて最適化される。
更に、上記においては、半導体レーザ10,10A,10B,10Cは、GaAsからなる基板上に形成されたAlGaAs/GaInAs系の半導体材料からなると説明したが、この発明においては、これに限らず、半導体レーザ10,10A,10B,10Cは、InPからなる基板上に形成された(Al)GaInAsPまたはGaInAs、GaAsからなる基板上に形成されたAlGaInPまたはAlGaAsまたはGaInNAsまたはGaInNAsSbまたはAlGaInNを用いて形成されてもよい。
更に、上記においては、半導体レーザ10,10A,10B,10Cを構成する半導体材料は、MOCVD法を用いて形成されると説明したが、この発明においては、これに限らず、半導体レーザ10,10A,10B,10Cを構成する半導体材料は、ガスソースまたは固体ソースの分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)または化学線エピタキシーを用いて形成されてもよい。
更に、上記においては、窓部材11,17,18は、Siを拡散させて混晶化領域を作製することによって形成されると説明したが、この発明においては、これに限らず、窓部材11,17,18は、Siをイオン注入して混晶化領域を作製することによって形成されてもよい。
更に、窓部材11,17,18は、バッドジョイント結晶成長によって形成されてもよい。このバッドジョイント結晶成長法は、次の方法からなる。バッファ層2、クラッド層3、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6、クラッド層7およびコンタクト層8となるp+GaAsを基板1上に順次結晶成長した後、試料全面を絶縁膜で覆い、半導体レーザ10,10A,10B,10Cの出射面5Aが形成される領域の近傍に形成された絶縁膜を除去する。
そして、ウェットエッチングまたはドライエッチングによって、露出した半導体層(=バッファ層2、クラッド層3、光閉じ込め層4、活性層5、光閉じ込め層6、クラッド層7およびコンタクト層8となるp+GaAs)を基板1に達する程度にエッチングする。
その後、MOCVD法等を用いて発振波長に相当するエネルギーバンドギャップよりも大きいエネルギーバンドギャップを有する半導体材料を、エッチングした領域に再成長する。これによって、窓部材11,17,18が活性層5に隣接して形成される。
発振波長に相当するエネルギーバンドギャップよりも大きいエネルギーバンドギャップを有する半導体材料は、例えば、GaInAsP/InP系の長波長帯の半導体レーザでは、InPまたはGaInAsPからなる。
また、再成長する領域は、クラッド層とコア層からなる多層構造の導波路層であってもよい。
更に、再成長領域とレーザ発振領域とでは、屈折率が異なるため、界面での反射が生じる可能性がある。従って、これを抑制するために界面が半導体レーザ10,10A,10B,10Cの軸方向に対して傾斜していることが好ましい。
更に、Alを含んだAlGaAs/GaInAs系の半導体レーザの場合は、Alの酸化によって半導体表面が酸化され、エピタキシャル成長が困難になることが懸念されるが、再成長前に結晶成長装置内でin−situのエッチングを行ない、酸素濃度の低い条件で再成長する。この場合、GaAsまたはGaInPが再成長される。
更に、上記においては、半導体レーザ10,10A,10B,10Cは、n型基板上に結晶成長された半導体材料を用いて作製されると説明したが、この発明においては、これに限らず、半導体レーザ10,10A,10B,10Cは、p型基板上に結晶成長された半導体材料を用いて作製されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基板、2 バッファ層、3,7 クラッド層、4,6 光閉じ込め層、5 活性層、5A 出射面、5B,17A 端面、8 コンタクト層、9,14 絶縁膜、10,10A,10B,10C,210,360 半導体レーザ、11,17,18 窓部材、11A,18A,61A,70A 曲面、12 正極電極、13 負極電極、15 多層反射膜、16 低反射膜、20 Si薄膜、30,151,153,155,157,159,161,163 SiO2膜、40,41 混晶領域、50,70,80 フォトレジスト、60,61 SiNx膜、152,154,156,158,160,162,164 アモルファスSi膜、200 バタフライ型モジュール、211,221,231,232 ワイヤ、220 フォトダイオード、230 キャリア、240,380 光ファイバ、250,370 レンズ、260 バタフライパッケージ、270 ベース、280A,280B 外部端子、300 CANモジュール、310 支持台、320,330,340 固定部材、350 CANパッケージ、611 開口部。