JP5183916B2 - フェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ Download PDF

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Description

本発明は、自動車排気系部品、家電製品、給湯器、厨房機器等に適用される各種フェライト系ステンレス鋼の溶接部の溶接金属の耐食性および溶接に供される耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤに関わるものである。
フェライト系ステンレス鋼はオーステナイト系ステンレス鋼に比較して安価であり、塩化物環境での耐応力腐食割れ性の面で優れている。また、熱膨張係数も小さいことから自動車への適用が拡大している。
一方、溶接構造物として適用される場合、一般にはフェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤが使用され、その代表的なものはJIS Z 3321で規定されたY430であるが、溶接部の耐食性低下が問題となる。このような溶接部の耐食性低下を改善するため、CおよびN量を低く抑え、Tiの安定化元素を添加して高周波溶接したり(例えば下記特許文献1)、Ti、Nbの安定化元素の添加してTIG溶接(なめ付け)したり(例えば下記特許文献2)、更には、Cuを低く抑えたアーク溶接用ワイヤ(例えば下記特許文献3)が提案されている。一方、Cu,Mo,Ti等を添加して粒径を制御した耐割れを改善した溶接ワイヤ(例えば下記特許文献4)も提案されている。しかしながら、これら従来技術を用いても、自動車排気系環境などの厳しい腐食環境では耐食性不足が問題になることが多い。また、耐食性の観点からJIS Z 3321で規定されたY308LやY309Lなどのオーステナイト系ステンレス鋼溶接ワイヤも使用されるが、塩化物環境での応力腐食割れの発生や高温で繰り返し使用される環境での熱疲労の発生など溶接構造物の寿命低下が問題となることも多い。
自動車排気系部品、家電製品、給湯器、厨房機器などをはじめとするフェライト系ステンレス鋼の適用の拡大、そしてその溶接構造物の設計、デザインの多様化、さらに、これら溶接構造物が適用される使用環境の苛酷化に伴い、溶接部の耐食性向上が強く求められている。
特公昭55−47102号公報 特開平2−107744号公報 特許第2780287号公報 特開2006―231404号公報
本発明は、上記背景からなされたものであり、フェライト系ステンレス鋼を溶接ワイヤを用いて溶接する場合、従来より耐食性に優れた溶接金属が得られるフェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤを提供することを課題とする。
本発明者らは、種々の成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼ソリッドワイヤを用いてガスシールドアーク溶接試験を行い、耐食性に優れた溶接金属が得られる溶接ワイヤを鋭意検討した結果、溶接ワイヤの(Nb+Ti)/(C+N)やCu,Mo等の成分を規定すると共に、鋼線表面の付着した不純物を低減するために鋼線の表面性状,耐力を制御することで溶接部の耐食性に優れた安価な溶接ワイヤが得られることを見出した。 本発明は、かかる知見を基になされたものであって、その要旨とするところは下記の通りである。
(1)質量%で、C:0.003〜0.04%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜1.0%、Cr;13.0〜20.0%、N:0.003〜0.04%を含有し、P:0.04%以下、S:0.005%以下、O:0.010%以下に制限し、さらに、Nb:0.1〜0.8%、Ti:0.01〜0.5%の1種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、0.2%耐力が500〜1100MPa、表面粗さがRa<0.4μmであり、かつ、表面吸着成分も含めた合計の化学組成より計算される(Nb+Ti)/(C+N)が12以上、(C+N)が0.030%以下であることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
)質量%で、さらに、Cu:0.3〜1.0%を含有することを特徴とする()に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
)質量%で、さらに、Mo:0.2〜3.0%を含有することを特徴とする()または()に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
)焼鈍後に、乾式潤滑剤を用いた減面率50%以上の伸線加工と湿式潤滑剤を用いた減面率5%以上の伸線加工により製造され、かつ、表面吸着成分も含めた合計の化学組成より計算される(Nb+Ti)/(C+N)が12以上、(C+N)が0.030%以下であることを特徴とする()乃至()のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレ
ス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
(5)水素ガスを含む還元性ガス中でストランド焼鈍を施さないで製造され、かつ、表面吸着成分も含めた合計の化学組成より計算される(Nb+Ti)/(C+N)が12以上(C+N)が0.030%以下であることを特徴とする()乃至()のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
本発明によれば、自動車排気系部品、家電製品、給湯器、厨房機器などに適用されるフェライト系ステンレス鋼用の溶接部の溶接金属および溶接ワイヤに関し、特に耐食性に優れた溶接金属が得られるフェライト系ステンレス鋼用の溶接ワイヤを提供することができる。
したがって、自動車排気系部品、家電製品、給湯器、厨房機器などに使用されるフェライト系ステンレス鋼製構造体の信頼性を長期にわたって確保し、かつ溶接部のメンテナンス性改善による経済性効果など、本発明により民生分野の産業の発展に貢献するところは極めて大である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、溶接金属の成分組成とミクロ組織を以下のように限定する。なお、以下に示す「%」は、特に説明がない限り「質量%」を意味するものとする。
先ず、本発明において溶接金属の耐食性および機械的特性を向上させるための技術思想および溶接金属成分の基本設計について説明する。
本発明者らの実験などの検討によれば、フェライト系ステンレス鋼を共金系の溶接ワイヤにより溶接して溶接金属を形成する場合には、溶接金属成分により以下のように溶接金属の凝固・変態形態が変化し、最終的な室温での溶接金属組織および溶接金属の靱性および耐食性に大きく影響することを確認している。
つまり、溶接金属は、その成分組成に応じて、初晶フェライト相で凝固した後、そのままフェライト単相で室温まで持ち来たされるものと、冷却途中にオーステナイト相が析出し、そのオーステナイト相がさらに冷却されることによりマルテンサイト相に変態し、室温のミクロ組織がフェライト相+マルテンサイト相の二相になるものとに分類される。
これらの中で、溶接金属のミクロ組織がフェライト相+マルテンサイト相の二相になるものは、溶接金属の靱性は著しく低下するとともに耐食性も低下する。一方、ミクロ組織がフェライト単相になるものは、マルテンサイト相が析出するものに比べ、靱性および耐食性の低下は少ない。したがって、本発明では、溶接金属のミクロ組織をフェライト単相に規定した。
しかしながら、フェライト相はCやNの固溶度が小さいため、炭化物、窒化物が析出しやすく、特に、耐食性確保に寄与するCrと結合してCr炭化物、Cr窒化物を析出し、その結果、Cr炭窒化物の近傍にはCr欠乏層が形成され、耐食性が低下する。したがって、炭化物、窒化物となるCおよびNをできるだけ少なくすることが耐食性確保には効果的であり、本発明では、C+Nを0.035%未満に限定した。
一方、CrよりCおよびNと親和力の大きいNbやTiが添加されるとCr炭窒化物より早くNbおよびTiの炭窒化物が析出するため、Cr欠乏層が形成されず、耐食性の低下が抑えられる。本発明者ら実験などの検討から、ミクロ組織がフェライト単相となるフェライト系ステンレス鋼溶接金属の耐食性は、溶接金属中のC+N量に対するNb+Ti量に依存することを確認し、本発明では、(Nb+Ti)/(C+N)を8以上に限定した。好ましくは、10以上である。
次に、本発明における溶接金属の成分組成の限定理由を以下に説明する。
Cr:Crはフェライト生成元素であり、溶接金属に耐食性を付与する主要元素である。10.5%未満では十分な耐食性が得られず、一方、23.0%超では溶接金属の靱性が低下するため、10.5〜23.0%に限定した。
Si+Mn:SiおよびMnは脱酸元素として合計で0.1%以上添加されるが、合計で1.0%超では衝撃靱性が大きく低下するため、0.1〜1.0%に限定した。
Nb+Ti:NbおよびTiは、CおよびNと結合して、溶接金属中のCr炭窒化物の析出を抑えて耐食性を向上させる。合計で0.01%以上の添加が有効であるが、合計で1.0%超の添加は靱性を低下させるため、0.01〜1.0%に限定した。
Cu:Cuは、特に中性酸環境下での耐食性を高めるのに非常な有効な元素である。その効果は0.3%で著しいが、1.0%を超えて添加しても、その効果は飽和するし、靱性が低下する。そのため、必要に応じて、0.3〜1.0%を添加する。
Mo:Moは、溶接部の耐食性を高めるのに極めて有効な元素である。しかしながら、0.2%未満ではその効果は不十分である。一方、3.0%を超えるとシグマ相などの脆い金属化合物が生成して溶接金属の靱性が低下する。そのため、必要に応じて、0.2〜3.0%を添加する。
次に本発明は、溶接ワイヤの成分組成と製造方法を以下のように限定する。
先ず、本発明において溶接金属の耐食性を向上させるための溶接ワイヤに対する技術思想および溶接ワイヤ成分の基本設計について説明する。
本発明者らの実験などの検討によれば、溶接金属の成分組成とミクロ組織を上記のように規定するためには、溶接ワイヤの成分と共に、その製造方法にも依存していることを確認している。
つまり、溶接金属の耐食性確保には、C+N:0.035%未満、(Nb+Ti)/(C+N):8以上(好ましくは10以上)が必要であるが、溶接時の空気の巻き込み、あるいは、開先に付着した油分などから、溶接金属中のCおよびNが増加する。したがって、溶接ワイヤのC+N量および(Nb+Ti)/(C+N)の値は溶接金属より厳しく規定する必要がある。検討の結果、溶接金属のC+N<0.035%を満足するには、溶接ワイヤのC+N量を0.030%以下にする必要があり、また、溶接金属の(Nb+Ti)/(C+N)≧8を満足するには、溶接ワイヤの(Nb+Ti)/(C+N)を12以上にする必要があることを確認した。したがって、本発明では、溶接ワイヤのC+N量を0.030%以下、(Nb+Ti)/(C+N)を12以上に限定した。好ましくは、溶接ワイヤのC+N量を0.025%以下、(Nb+Ti)/(C+N)を15以上である。
次に、Nb、Tiを添加したフェライト系ステンレス鋼は軟質なため、伸線工程でワイヤに表面疵が発生しやすく、その表面疵に潤滑剤等が侵入し、CやNがピックアップされる。また、伸線前の焼鈍工程においても、水素ガスを含む還元性ガス中での焼鈍では、ワイヤ表層にCやNがピックアップされる。このようにワイヤ表面に吸着したCやNは溶接時に溶接金属中に混入し、溶接金属の耐食性を低下させる。
したがって、溶接金属の耐食性の低下を抑制するには、フェライト系ステンレス鋼素材のC+N量および(Nb+Ti)/(C+N)を規定すると共に、伸線工程や焼鈍工程にワイヤ表面にピックアップするCやNを考慮して、表面吸着成分も含めて溶接ワイヤのC+N量および(Nb+Ti)/(C+N)を規定する必要がある。そこで、本発明では、表面吸着成分も含めた合計の化学組成より計算される溶接ワイヤのC+N量を0.030%以下、(Nb+Ti)/(C+N)を12以上に限定した。好ましくは、C+N量を0.025%以下、(Nb+Ti)/(C+N)を15以上である。
さらに、溶接金属の耐食性の低下を抑制するには、伸線工程および焼鈍工程でのワイヤ表面へのCやNのピックアップを防止することが重要であるため、以下のように伸線工程、焼鈍工程を規定した。
表面疵への潤滑剤等の侵入によるC、Nのピックアップを検討した結果、ワイヤの表面粗さRaが0.4μm以上では潤滑剤等がワイヤ表面に押し込まれて残留量が多くなり、その結果、多くのC、Nがピックアップされて溶接金属の耐食性低下を招く。一方、表面粗さRaが0.4μm未満ではC、Nのピックアップも少なくなり、溶接金属の耐食性低下は抑制される。よって、本発明では、溶接ワイヤの表面粗さRaを0.4μm未満に規定した。好ましくは、0.3μm以下である。
次に、表面粗さを含む表面性状を良好にする伸線工程を検討した結果、焼鈍後の乾式伸線+湿式伸線仕上げが有効であることが確認された。また、乾式伸線の減面率が50%未満、もしくは、湿式伸線の減面率が5%未満の場合、ワイヤの加工硬化が十分ではなく、ワイヤの表面粗さRaが0.4μm以上となり、上記のようにC、Nのピックアップが多く、溶接金属の耐食性が低下する。したがって、本発明では、溶接ワイヤの焼鈍後の伸線工程を、乾式潤滑剤を用いた減面率50%以上の伸線加工と湿式潤滑剤を用いた減面率5%以上の伸線加工をすることに規定した。
また、伸線工程前の焼鈍工程において、水素ガスを含む還元性ガス中でストランド焼鈍を施した場合、ワイヤ表層へのC、Nの吸着が多くなり、溶接金属の耐食性が低下することが確認された。そこで、本発明では、水素ガスを含む還元性ガス中でストランド焼鈍を施さないで焼鈍する、または、ストランド焼鈍を施さないことに規定した。
さらに、このようにして製造した溶接ワイヤの0.2%耐力が500MPa未満の場合、溶接ワイヤが軟らかく溶接時の送給性が悪くなる。また、1100MPa超の場合は、溶接ワイヤのスプリングバックが大きく、溶接時のワイヤ狙いが困難になる。そこで、本発明では、溶接ワイヤの0.2%耐力を500〜1100MPaに限定する。
次に、本発明の請求項4に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤの成分組成の限定理由を以下に説明する。
C:Cは耐食性に有害であるが、強度確保の観点からある程度の含有が必要であるため、0.003%以上添加する。また、CはNbおよびTiと共存するとNb炭化物、Ti炭化物を形成するが、その含有量が0.04%超ではCrと結合してCr炭化物を析出し、溶接金属の耐粒界腐食性が著しく劣化するとともに、溶接金属の靱性、延性が著しく低下するため、その含有量を0.003〜0.04%に限定した。
Si:Siは脱酸元素および溶滴の表面張力を抑える元素として添加されるが、0.05%未満ではその効果が十分でなく、一方、その含有量が1.0%超では溶接金属の延性低下に伴い、靱性が大きく低下するとともに、溶接時の溶融溶込みも減少し、実用溶接上の問題になる。したがって、その含有量を0.05〜1.0%に限定した。
Mn:Mnは脱酸元素として添加するが、その含有量が0.05%未満では効果が十分でなく、一方、1.0%を越えて添加すると溶接金属の延性が低下するのでその含有量を0.05〜1.0%に限定した。
Cr:Crはフェライト生成元素であり、不働態皮膜を形成し溶接金属に耐食性を付与する主要元素である。13.0%未満では十分な耐食性は得られず、一方、20.0%超では溶接ワイヤ用の線材圧延宙に再結晶し難くなり、表面疵が多発するため、その含有量を13.0〜20.0%に限定した。
N:Nは強度確保の観点からある程度の含有が必要であるため、0.003%以上添加する。また、NはNbおよびTiと共存するとNb窒化物、Ti窒化物を形成するが、その含有量が0.04%超ではCrと結合してCr窒化物を析出し、溶接金属の耐食性が著しく劣化するとともに、溶接金属の靱性、延性が著しく低下するため、その含有量を0.003〜0.04%に限定した。
P、S、Oは溶接ワイヤにおいて不可避成分であり、以下の理由で少なく制限する。
P:Pは溶接ワイヤの冷間加工性を低下させるとともに、溶接金属の靱性を低下させるので少ない方が望ましく、その含有量の上限を0.04%とした。
S:Sも溶接ワイヤの冷間加工性を低下させるとともに、溶接金属の靱性を低下させるので少ない方が望ましく、その含有量の上限を0.005%とした。
O:Oは酸化物を生成し、過剰な含有は溶接ワイヤおよび溶接金属の靱性を著しく低下させるため、その含有量の上限を0.010%とした。
Nb:NbはCと結合して炭化物を形成し、Cを固定することでCr炭化物の析出を抑え、溶接金属の耐食性を向上させる作用を有する。その効果を得るために0.1%以上の添加が有効であるが、0.8%超の添加は溶接金属の延性、靱性を低下させるので、添加する場合は、その含有量を0.1〜0.8%とする。
Ti:TiもNbと同様に、Cと結合して炭化物を形成し、Cを固定することでCr炭化物の析出を抑え、溶接金属の耐食性を向上させる作用を有する。その効果を得るために0.01%以上の添加が有効であるが、0.5%超の添加は溶接金属の延性、靱性を低下させるので、添加する場合は、その含有量を0.01〜0.5%とする。
次に、本発明の請求項5に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤの成分限定理由について述べる。
Cu:Cuは強度と耐食性を高めるのに非常に有効な元素であり、特に中性酸環境下で優れた耐食性を示す。その効果は0.3%以上で著しいが、1.0%を越えて添加してもその効果は飽和するとともに靱性が低下するので、添加する場合は、その含有量を0.3〜1.0%とする。
次に、本発明の請求項6に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤの成分限定理由について述べる。
Mo:Moは不働態皮膜を安定化して高い耐食性を得るのに極めて有効な元素である。特に塩化物環境での耐孔食性向上は顕著であるが、0.2%未満ではその効果は不十分である。また、その含有量が3.0%を越えるとシグマ相など脆い金属間化合物を生成して溶接金属の靱性が低下するため、添加する場合は、その含有量を0.2〜3.0%とする。
本発明では、フェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤとして、上述のように成分含有量および製造方法を規定したソリッドワイヤを用いてフェライト系ステンレス鋼を溶接することにより、優れた耐食性を有する溶接金属が得られる。
なお、本発明のフェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤは、溶接方法として、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接、サブマージアーク溶接の際に使用される他、被覆アーク溶接棒の芯線としても使用することができる。さらに、当該溶接ワイヤは、溶接構造物の製作に適用するとともに、それら構造物の補修溶接あるいは肉盛りなどにも適用できる。
以下、実施例にて本発明を説明する。
表1に作製した溶接用ソリッドワイヤの組成および製造方法、表面粗さ、0.2%耐力を示す。これらの溶接ワイヤは、100kg真空溶解炉にて溶解し、鋳片を5.5mmφまで熱間の線材圧延を行った後、3.85〜3.15mmφまで冷間伸線加工を施した。その後、一部を1050℃でストランド焼鈍を行った後、乾式および湿式の冷間伸線加工で、1.2mmφの溶接ワイヤを作製した。作製した溶接ワイヤで分析・測定した化学組成、表面粗さ、0.2%耐力を表1に示す。溶接ワイヤの分析は、表面を脱脂・洗浄せずに、ルツボに入れてガス機器分析を実施した。なお、この時測定したCとNは表面吸着成分を含んでいるため、吸着成分を含んだ(C+N)および(Nb+Ti)/(C+N)の欄の値であり、化学組成欄のC,Nは鋳片の段階でガス機器分析された値としている。表1に示す組成の残部は鉄と不可避的不純物である。また、表1の焼鈍欄は、水素ガスを含む還元性ガス中でストランド焼鈍したものをH、それ以外のガス中でストランド焼鈍したものをN、ストランド焼鈍を施さないものを−で示す。さらに、乾式および湿式の冷間伸線加工の減面率を表1に併せて示す。
表2に組成を示す板厚2mmのフェライト系ステンレス鋼を母材とし、表1の溶接ワイヤを用いて突き合わせTIG溶接および突き合わせMIG溶接を行った。溶接条件は、TIG溶接の場合は、溶接電流:150A、アーク電圧:10V、溶接速度:10cm/min、100%Arシールドガス流量:10リットル/minとし、MIG溶接の場合は、溶接電流:150〜200A、アーク電圧:23〜31V、溶接速度:30〜40cm/min、98%Ar+2%Oシールドガス流量:20リットル/minとした。
次に、それぞれの溶接継手から、分析試験片、ミクロ試験片、腐食試験片を採取し、試験、評価を行った。腐食試験は、溶接部が試験片中央に位置するように採取し、全表面を400番エメリー紙で湿式研磨した後、JIS Z 2371の塩水噴霧試験に従い、100時間噴霧試験を実施し、溶接金属が発銹するか否かで評価した。表3に溶接金属の分析結果、ミクロ組織、耐食性評価結果を示す。表3の耐食性評価は、溶接金属に無発銹もののみを○とし、組織はフェライト単相の場合はF、フェライト+マルテンサイト二相の場合はF+Mとした。靭性はJIS Z 3128の衝撃試験方法に従い、切り欠き位置を溶接金属とした2mmサブサイズ試験片を用いて常温でシャルピー試験を実施し、吸収エネルギーが10Jを超えるものを○、10J以下を×として評価した。
溶接記号AA〜APが本発明例であり、表1における本発明例のワイヤ1〜13を用いてTIG溶接、MIG溶接を実施したものである。いずれも、良好な耐食性を有し、かつ、靱性、溶接性の良好な溶接金属が得られている。
一方、比較例の溶接ワイヤ14〜34を用いた比較例BA〜BWの溶接では、耐食性、靱性、溶接性のいずれか一つ以上に不適があり、総合評価として不合格となる。
ワイヤNo.14および15は、CまたはNが本発明の成分範囲を超えているため、C+N、(Nb+Ti)/(C+N)も本発明の範囲外となり、その結果、溶接No.BA〜BDの溶接金属のC+N、(Nb+Ti)/(C+N)も本発明の範囲外となって、耐食性が劣っている。ワイヤNo.16〜20は、Si、Mn、P、S、Oのいずれか一つが本発明の成分範囲を超えているため、その結果、溶接No.BE〜BIの溶接金属では、耐食性は良好であるが、靱性が劣っている。また、ワイヤNo.19(溶接No.BH)ではワイヤの0.2%耐力が本発明の範囲を超えているため、溶接時のワイヤ狙いが困難となり、溶接作業性に劣る。ワイヤNo.21は、Crが本発明の成分範囲未満であるため、その結果、溶接No.BJの溶接金属では、Crが本発明の成分範囲未満となり、溶接金属組織もフェライト+マルテンサイトの二相になって耐食性が劣っている。ワイヤNo.22は、Crが本発明の成分範囲を超えているため、その結果、溶接No.BKの溶接金属では、Crが本発明の成分範囲を超え、耐食性は良好であるが、靱性が劣っている。ワイヤNo.23は、Nbが本発明の成分範囲未満のため、(Nb+Ti)/(C+N)も本発明の範囲外となり、その結果、溶接No.BLの溶接金属でも(Nb+Ti)/(C+N)が本発明の範囲外となって耐食性が劣っている。ワイヤNo.24および25は、NbまたはTiが本発明の成分範囲を超えているため、その結果、溶接No.BMおよびBNの溶接金属では、Nb+Tiが本発明の成分範囲を超え、耐食性は良好であるが、靱性が劣っている。ワイヤNo.26および27は、CuまたはMoが本発明の成分範囲を超えているため、その結果、溶接No.BOおよびBPの溶接金属では、耐食性は良好であるが、靱性が劣っている。ワイヤNo.28は、C+Nが本発明の範囲を超えているため、その結果、溶接No.BQの溶接金属では、C+N、(Nb+Ti)/(C+N)も本発明の範囲外となって、耐食性が劣っている。ワイヤNo.29は、(Nb+Ti)/(C+N)が本発明の範囲外となっているため、その結果、溶接No.BRの溶接金属でも、(Nb+Ti)/(C+N)も本発明の範囲外となって耐食性が劣っている。ワイヤNo.30は、ワイヤ表面に吸着した成分を含めたC+N、(Nb+Ti)/(C+N)が本発明の範囲外となっているため、その結果、溶接No.BSの溶接金属でも、(Nb+Ti)/(C+N)も本発明の範囲外となって耐食性が劣っている。ワイヤNo.31は、水素ガスを含む還元性ガス中でストランド焼鈍を行ったため、ワイヤ表層へのC、Nの吸着が多く、ワイヤ表面に吸着した成分を含めたC+N、(Nb+Ti)/(C+N)が本発明の範囲外となるため、その結果、溶接No.BTの溶接金属でも、C+N、(Nb+Ti)/(C+N)も本発明の範囲外となって耐食性が劣っている。ワイヤNo.32〜34は、伸線工程の乾式伸線あるいは湿式伸線の少なくともどちらか一方の減面率が本発明の規定範囲未満であるため、表面粗さも大きくなり、ワイヤ表面へのC、Nのピックアップが多く、ワイヤ表面に吸着した成分を含めたC+N、(Nb+Ti)/(C+N)が本発明の範囲外となるため、その結果、溶接No.BU〜BWの溶接金属でも、C+N、(Nb+Ti)/(C+N)も本発明の範囲外となって耐食性が劣っている。また、ワイヤNo.34(溶接No.BW)ではワイヤの0.2%耐力が本発明の範囲未満であるため、溶接時のワイヤ送給性が悪く溶接作業性に劣る。
以上のように、本発明の溶接ワイヤを用いた溶接によれば、耐食性に優れた溶接金属が得られ、かつ、良好な靱性と溶接作業性が得られ、本発明の効果が確認された。
Figure 0005183916
Figure 0005183916
Figure 0005183916

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.003〜0.04%、
    Si:0.05〜1.0%、
    Mn:0.05〜1.0%、
    Cr;13.0〜20.0%、
    N:0.003〜0.04%を含有し、
    P:0.04%以下、S:0.005%以下、O:0.010%以下に制限し、
    さらに、Nb:0.1〜0.8%、Ti:0.01〜0.5%の1種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、0.2%耐力が500〜1100MPa、表面粗さがRa<0.4μmであり、かつ、表面吸着成分も含めた合計の化学組成より計算される(Nb+Ti)/(C+N)が12以上、(C+N)が0.030%以下であることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
  2. 質量%で、さらに、
    Cu:0.3〜1.0%を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
  3. 質量%で、さらに、
    Mo:0.2〜3.0%を含有することを特徴とする請求項または請求項に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
  4. 焼鈍後に、乾式潤滑剤を用いた減面率50%以上の伸線加工と湿式潤滑剤を用いた減面率5%以上の伸線加工により製造され、かつ、表面吸着成分も含めた合計の化学組成より計算される(Nb+Ti)/(C+N)が12以上、(C+N)が0.030%以下であることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレ
    ス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
  5. 水素ガスを含む還元性ガス中でストランド焼鈍を施さないで製造され、かつ、表面吸着成分も含めた合計の化学組成より計算される(Nb+Ti)/(C+N)が12以上(C+N)が0.030%以下であることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用ソリッドワイヤ。
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