JP5183779B2 - 静電吸着電極の補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電吸着電極の補修方法に関し、詳細には、例えばフラットパネルディスプレイ(FPD)等の製造過程において、ガラス基板等の基板を吸着保持する為に使用される静電吸着電極の補修方法に関する。
FPDの製造過程では、被処理体であるガラス基板に対してドライエッチングやスパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等のプラズマ処理が行なわれる。例えば、チャンバー内に一対の平行平板電極(上部電極および下部電極)を配置し、下部電極として機能するサセプタ(基板載置台)にガラス基板を載置した後、処理ガスをチャンバー内に導入するとともに、電極の少なくとも一方に高周波電力を印加して電極間に高周波電界を形成し、この高周波電界により処理ガスのプラズマを形成してガラス基板に対してプラズマ処理を施す。この際、ガラス基板は、サセプタ上に設けられた静電吸着電極によって吸着固定される。
このような静電吸着電極としては、例えばアルミニウムなどの導電性材料により形成された基材の上に、絶縁層、電極層および絶縁層を順に積層した構造を有するものが知られており、この場合、該電極層に電圧を印加することによりクーロン力を発生させてガラス基板を吸着固定できるようになっている。
上記のような構造の静電吸着電極では、例えば絶縁破壊や器具の落下などよって静電吸着電極の表面や電極層にクラックや欠失などの破損が生じた場合に、そのまま放置すると吸着性能を大幅に低下させる原因になる。このため、静電吸着電極の電極層を複数に分離することによって、一部に絶縁破壊が生じた場合でも、吸着性能を確保できるようにする提案や、不良部分のみの部分交換を可能にする提案がなされている(例えば、特許文献1、2)。
しかし、現実には上記特許文献1、2のように予め電極層が分割形成された構成の静電吸着電極はほとんど実用化されていない。従って、静電吸着電極に破損が生じた場合には、静電吸着電極全体を交換することが通常であり、部分補修は行なわれていなかった。その理由として、部分補修の場合には、破損部位の補修が不適切である場合に静電吸着電極の機能回復が不十分になって満足のいく吸着保持性能が得られないだけでなく、補修箇所から異常放電が生じる可能性があることが挙げられる。
また、静電吸着電極の破損には、例えば浅いクラック、電極層に達する深いクラック、大きなクラック、広範囲に及ぶ多数の小さなクラック等の種々のパターンが存在することから、一つの補修方法によってこれら全てのパターンの破損への対応を図ることは困難であることも挙げられる。
以上のような理由から、従来は小さなクラック等が生じた場合でも、静電吸着電極全体の交換が行なわれており、静電吸着電極を配備したエッチング装置などの基板処理装置のメンテナンスコストを増加させる一因になっていた。
特開平5−291562号公報(図1など) 特開2005−51217号公報(図3など)
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、静電吸着電極の破損部位の補修を簡易かつ適切に行なうことができる補修方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の第の態様に係る静電吸着電極の補修方法は、基材と、該基材の上において、電極層と、該電極層より下層の第1の絶縁層と、前記電極層より上層の第2の絶縁層と、を含むように構成される被膜とからなり、前記電極層に電圧を印加することにより基板を吸着保持する静電吸着電極の補修方法であって、前記静電吸着電極の側部において前記電極層の端部を被覆する側部絶縁層の全周囲を除去する工程と、前記側部絶縁層が除去された部分に新たな側部絶縁層を溶射により形成する被膜再生工程と、を含む。
本発明の補修方法によれば、静電吸着電極の被膜に破損が生じた場合、簡易な方法で補修を行なうことができる。よって、静電吸着電極全体を交換する必要がなく、メンテナンスに伴うコストを低減できる。大型のFPD基板を吸着保持する静電吸着電極においては、全体交換によらず、補修を可能とすることによって節減できるコストも大きくなるため、特に有利である。
本発明の補修方法を適用可能な静電チャックが設けられたプラズマエッチング装置を示す断面図。 本発明の補修方法により補修可能な破損が生じた静電チャックの説明に供する断面図である。 本発明の第1実施形態に係る補修方法の工程手順を示す図面である。 本発明の第2実施形態に係る補修方法の工程手順を示す図面である。 静電チャックの表面に形成された凸部を説明する拡大図である。 本発明の第3実施形態に係る補修方法の工程手順を示す図面である。 本発明の第4実施形態に係る補修方法の工程手順を示す図面である。 側部絶縁層の補修態様を説明する図面であり、(a)は局所的補修後の状態を示す要部平面図、(b)は全周囲的補修後の状態を示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係る補修方法の工程手順を示す図面である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい形態について説明する。図1は、本発明の補修方法を適用可能な静電吸着電極を備えた基板処理装置の一例であるプラズマエッチング装置を示す断面図である。図1に示すように、プラズマエッチング装置1は、矩形をした被処理体であるFPD用ガラス基板などの基板Gに対してエッチングを行なう容量結合型平行平板プラズマエッチング装置として構成されている。ここで、FPDとしては、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネセンス(Electro Luminescence;EL)ディスプレイ、蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display;VFD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等が例示される。なお、本発明の基板処理装置は、プラズマエッチング装置にのみ限定されるものではない。
このプラズマエッチング装置1は、例えば表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる角筒形状に成形されたチャンバー2を有している。このチャンバー2内の底部には絶縁材料からなる角柱状の絶縁板3が設けられており、この絶縁板3の上には、基板Gを載置するためのサセプタ4が設けられている。基板載置台であるサセプタ4は、サセプタ基材4aと、サセプタ基材4aの上に設けられた静電吸着電極としての静電チャック40と、を有している。なお、サセプタ基材4aの外周は、絶縁材5により絶縁被覆されている。
静電チャック40は、平面視矩形をなしており、アルミニウムなどの導電性材料からなる基材41を有している。この基材41の上面には、下から順に、第1の絶縁層42、電極43および第2の絶縁層44が積層されている。この静電チャック40は、第1の絶縁層42と第2の絶縁層44との間の電極43に、直流電源26から給電線27を介して直流電圧を印加することにより、例えばクーロン力によって基板Gを静電吸着する。静電チャック40の上面(第2の絶縁層44の上面)には、基板Gを吸着保持する基板保持面50が形成されている(図2〜図8参照)。
前記絶縁板3およびサセプタ基材4a、さらには静電チャック40には、これらを貫通するガス通路9が形成されている。このガス通路9を介して伝熱ガス、例えばHeガスなどが被処理体である基板Gの裏面に供給される。
すなわち、ガス通路9に供給された伝熱ガスは、サセプタ基材4aと静電チャック40の基材41との境界に形成されたガス溜り9aを介して一旦水平方向に拡散した後、静電チャック40内に形成されたガス供給連通穴9bを通り、静電チャック40の表面から基板Gの裏側に噴出する。このようにして、サセプタ4の冷熱が基板Gに伝達され、基板Gが所定の温度に維持される。
サセプタ基材4aの内部には、伝熱媒体室10が設けられている。この伝熱媒体室10には、例えばフッ素系液体などの伝熱媒体が伝熱媒体導入管10aを介して導入され、かつ伝熱媒体排出管10bを介して排出されて循環することにより、例えばその冷熱がサセプタ基材4aから前記伝熱媒体を介して基板Gに対して伝熱される。
前記サセプタ4の上方には、このサセプタ4と平行に対向して上部電極として機能するシャワーヘッド11が設けられている。シャワーヘッド11はチャンバー2の上部に支持されており、内部に内部空間12を有するとともに、サセプタ4との対向面に処理ガスを吐出する複数の吐出孔13が形成されている。このシャワーヘッド11は接地されており、サセプタ4とともに一対の平行平板電極を構成している。
シャワーヘッド11の上面にはガス導入口14が設けられ、このガス導入口14には、処理ガス供給管15が接続されており、この処理ガス供給管15には、バルブ16およびマスフローコントローラ17を介して、処理ガス供給源18が接続されている。処理ガス供給源18からは、エッチングのための処理ガスが供給される。処理ガスとしては、例えばハロゲン系のガス、Oガス、Arガス等、通常この分野で用いられるガスを用いることができる。
前記チャンバー2の側壁下部には排気管19が接続されており、この排気管19には排気装置20が接続されている。排気装置20はターボ分子ポンプなどの真空ポンプを備えており、これによりチャンバー2内を所定の減圧雰囲気まで真空引き可能なように構成されている。また、チャンバー2の側壁には基板搬入出口21と、この基板搬入出口21を開閉するゲートバルブ22とが設けられており、このゲートバルブ22を開にした状態で基板Gが隣接するロードロック室(図示せず)との間で搬送されるようになっている。
サセプタ4には、高周波電力を供給するための給電線23が接続されており、この給電線23には整合器24および高周波電源25が接続されている。高周波電源25からは例えば13.56MHzの高周波電力がサセプタ4に供給される。
次に、このように構成されるプラズマエッチング装置1における処理動作について説明する。まず、被処理体である基板Gは、ゲートバルブ22が開放された後、図示しないロードロック室から基板搬入出口21を介してチャンバー2内へと搬入され、サセプタ4上に形成された静電チャック40上に載置される。この場合に、基板Gの受け渡しはサセプタ4の内部を挿通しサセプタ4から突出可能に設けられたリフターピン(図示せず)を介して行われる。その後、ゲートバルブ22が閉じられ、排気装置20によって、チャンバー2内が所定の真空度まで真空引きされる。
その後、バルブ16が開放されて、処理ガス供給源18から処理ガスがマスフローコントローラ17によってその流量が調整されつつ、処理ガス供給管15、ガス導入口14を通ってシャワーヘッド11の内部空間12へ導入され、さらに吐出孔13を通って基板Gに対して均一に吐出され、チャンバー2内の圧力が所定の値に維持される。
この状態で高周波電源25から高周波電力が整合器24を介してサセプタ4に印加され、これにより、下部電極としてのサセプタ4と上部電極としてのシャワーヘッド11との間に高周波電界が生じ、処理ガスが解離してプラズマ化し、これにより基板Gにエッチング処理が施される。この際、直流電源26から、静電チャック40の電極43に所定の電圧を印加することにより、基板Gが例えばクーロン力によって静電チャック40に吸着保持される。また、ガス通路9を介して伝熱ガスを基板Gの裏面側に供給することより、効率良く温度調節が行なわれる。
このようにしてエッチング処理を施した後、高周波電源25からの高周波電力の印加を停止し、ガス導入を停止した後、チャンバー2内の圧力を所定の圧力まで減圧する。そして、ゲートバルブ22が開放され、基板Gが基板搬入出口21を介してチャンバー2内から図示しないロードロック室へ搬出されることにより基板Gのエッチング処理が終了する。このように、静電チャック40により基板Gを静電吸着するとともに、温度調節しながら、基板Gのエッチング処理を行うことができる。
次に、図2〜図8を参照しながら、本発明の補修方法の詳細について説明を行なう。
<第1実施形態>
図2は、静電チャック40における破損状態を模式的に示している。図2において、符号Aで囲む部位は、第2の絶縁層44の表面付近に浅いクラック100が生じた状態を示している。また、符号Bで囲む部位は、第2の絶縁層44と電極43の境界にまで達するクラック100aが生じた状態を示している。このように、第2の絶縁層44内に止まる比較的軽度の破損が発生した場合には、補修の程度も軽微なものでよい。以下では、クラック100の補修を例に挙げて説明を行なう。
図3(a)〜(e)は、クラック100を補修するための工程手順を示している。図3(a)は、図2の符号Aの部分、つまりクラック100を拡大して示している。クラック100は静電チャック40表面の基板保持面50から基材41へ向けて第2の絶縁層44の厚み方向に形成されているが、電極43には達しておらず、第2の絶縁層44の途中で止まっている。このような破損(クラック100)の補修にあたっては、図3(b)に示すように、まずクラック100の周囲を例えば門型切削機などの切削手段201を用いて切削し、凹部51を形成する。この凹部51は、電極43に達しないように形成するともに、テーパー状(すり鉢状)に形成することが好ましい。
次に、図3(c)に示すように、溶射装置202を用いて凹部51を埋めるように絶縁物60を溶射する。この絶縁物60は、第2の絶縁層44と同じ絶縁材料例えばアルミナ(Al)などのセラミックスを用いることが好ましいが、第2の絶縁層44とは異なる種類の絶縁材料例えばエポキシ系、シリコーン系などの合成樹脂等を用いることも可能である。
また、凹部51内に例えば手作業によって絶縁物60を充填することもできる。この場合、絶縁性と接着性とを両方備えた絶縁材料を用いることが好ましく、例えばエポキシ系、シリコーン系などの合成樹脂を用いることが好ましい。凹部51に接着性を有する合成樹脂などの絶縁物を充填することによって、プラズマエッチング装置1の使用現場での応急処置を行なうことが可能であり、静電チャック40の不良に起因するプラズマエッチング装置1のダウンタイムを極力削減できる。このように凹部51に絶縁物60を埋め込む補修方法は、プラズマエッチング装置1の使用現場での応急処置として利用価値が高いが、応急処置以外にも例えば補修箇所の面積が比較的小さい場合などに適用可能である。
次に、図3(d)に示すように、凹部51が埋め込まれた後で、溶射により形成された絶縁物60の盛り上がり部分を、切削手段201などを用いて表面平坦化する。これにより、図3(e)に示すように第2の絶縁層44の表面と略面一な補修被膜61が形成され、破損部位の補修が完了する。なお、補修被膜61の表面は、第2の絶縁層44の表面より突出していなければよい。
本実施形態によれば、不良部位の切削による除去と補修被膜61の形成という簡易な方法によって、静電チャック40の部分補修が可能になる。従って、部分的な不良によって静電チャック40の全体を交換する必要がなくなり、メンテナンスコストを大幅に低減できる。
また、本実施形態の補修方法を、プラズマエッチング装置1の使用現場での応急的な補修に利用することにより、静電チャック40を配備したエッチング装置などの基板処理装置のダウンタイムを極力削減できる。
なお、第2の絶縁層44と電極43の境界にまで達するクラック101a(図2の符号B)を補修する場合には、図3(b)において凹部51の底に電極43が露出するまで切削を行なえばよく、その場合の形状としては、切削部分(凹部51)の壁が垂直にならず、かつ電極43から第2の絶縁層44の表面へかけての距離が長く形成され、十分な絶縁性能を確保できる形状に切削することが好ましい。上記以外は、図3(b)から(e)の手順に従って補修を行なうことができる。
<第2実施形態>
図4(a)は、図2において符号Cで囲む範囲の拡大図であり、第2の絶縁層44の表面から、電極43を介して第1の絶縁層42に達する深さでクラック101が生じた状態を示している。なお、第1の絶縁層42において耐圧不良が発生した場合も同様である。
電極43を貫通して第1の絶縁層42に達する深さのクラック101が生じた場合には、図4(b)に示すように、切削手段201を用い、表面から第2の絶縁層44、電極43、さらに第1の絶縁層42にかけて切削を行なうことにより凹部52を形成する。この凹部52は、第1実施形態の補修方法に係る凹部51よりも深く、かつ大径に形成される。なお、クラック101がさらに深く形成され、第1の絶縁層42の厚み方向全部にわたって形成されている場合には、凹部52の底に基材41が露出するまで切削を行なってもよい。
切削加工により凹部52を形成する際は、凹部52がその底部から第2の絶縁層44の表面側へ向けて拡開するように、全体としてテーパー状(すり鉢状)に形成することが好ましい。つまり、凹部52の側壁52aが凹部52の底から垂直に立ち上がるのではなく、90度を超える所定角度θで斜めに形成されるようにする。この角度θは、凹部52の深さによっても異なるが、例えば約135度とすることが好ましい。このように凹部52の側壁52aを傾斜させることにより、側壁52aの距離(つまり、電極43の側から静電チャック40の表面へ向かう長さ)を十分にとることができるので、補修箇所の絶縁耐性を向上させることができる。なお、凹部52は全体としてテーパー形状になっていればよく、例えば傾斜した側壁52aの途中に水平に切削された部分を有していてもよい。
次に、図4(c)に示すように、溶射装置202を用いて凹部52を埋めるように絶縁物62、導電性膜63、絶縁物64を順次溶射して積層溶射膜を形成する。この際、絶縁物62,64には、第1の絶縁層42および第2の絶縁層44と同じ材料、例えばアルミナ(Al)などのセラミックスを用いることができるが、第1の絶縁層42や第2の絶縁層44とは異なる種類の絶縁材料例えばジルコニア(ZrO)、2マグネシアシリカ(M2S;2MgO・SiO)、フッ化イットリウム(YF)等を用いることも可能である。また、導電性膜63としては、電極43と同じ材料例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)などを用いることができる。
また、導電性膜63を形成することなく、凹部52内に例えば手作業によって絶縁物のみを充填することもできる。この場合、絶縁性と接着性とを両方備えた絶縁材料を用いることが好ましく、例えばエポキシ系、シリコーン系などの合成樹脂を用いることが好ましい。このように絶縁物のみを埋め込む補修方法は、プラズマエッチング装置1の使用現場での応急処置として利用価値が高いが、応急処置以外にも例えば補修箇所の面積が比較的小さい場合などに適用可能である。
次に、凹部52が埋め込まれた後は、図4(d)に示すように、第2の絶縁層44の上面よりも盛り上がった絶縁物64を切削手段201により切削して表面平坦化する。これにより、図4(e)に示すように第2の絶縁層44の表面と略面一に補修被膜65が形成され、破損部位の補修が完了する。なお、補修被膜65の表面は、第2の絶縁層44の表面より突出していなければよい。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、不良部位の切削による除去と補修被膜の形成という簡易な方法によって、静電チャック40の部分補修を行なうことが可能になるので、部分的な不良によって静電チャック40の全体を交換する必要がなくなり、メンテナンスコストを大幅に低減できる。また、凹部52に絶縁物を充填することによって、プラズマエッチング装置1の使用現場での応急処置を行なうことも可能であり、静電チャック40の不良に起因するプラズマエッチング装置1のダウンタイムを極力削減できる。
なお、上記第1実施形態および第2実施形態において、静電チャック40の基板保持面50(第2の絶縁層44の表面)に、基板Gの下面を支持するために多数の凸部(小突起)53が形成されている場合には、図5に示すように、新たに形成された補修被膜61(あるいは補修被膜65)における凸部54の高さhは、第2の絶縁層44の表面に元から形成されていた凸部53の高さhよりも低く形成することが好ましい。これは、補修により新たに形成された凸部54の高さhが、周辺の補修されていない領域に形成された凸部53の高さhよりも高いと、基板Gの下面の支持高さが不均一になって、エッチングむらなどの処理内容の不均一を引き起こす可能性があるためである。
<第3実施形態>
図6(a)は、静電チャック40における破損の別の例に関するものであり、第2の絶縁層44の表面付近の広い範囲(同図中、符号Dで示す部位)に複数の浅いクラック102が発生した状態を示している。このような場合には、図6(b)に示すように、第2の絶縁層44の表面から全体的に切削を行い、クラック102が形成された第2の絶縁層44の表面層を所定の厚さで除去する。
次に、図6(c)に示すように、第2の絶縁層44の表面層が除去された後の表面に対して溶射装置202を用いて溶射を行い、第2の絶縁層44の表面に新しく補修被膜66を形成することにより補修が完了する。この際の溶射材料としては、第2の絶縁層44と同様の材質の絶縁材料例えばアルミナ(Al)などのセラミックスを用いることが好ましい。また、溶射材料として、第2の絶縁層44とは異なる種類の絶縁材料例えばジルコニア(ZrO)、2マグネシアシリカ(M2S;2MgO・SiO)、フッ化イットリウム(YF)等を用いることも可能である。
本実施形態においても、第2の絶縁層44の表面層の切削による除去と溶射による補修被膜の形成という簡易な方法によって、静電チャック40の部分補修が可能になるので、静電チャック40の全体を交換する必要がなくなり、メンテナンスコストを大幅に低減できる。
<第4実施形態>
図7(a)は、静電チャック40における破損状態の別の例に関するものであり、静電チャック40の側部(同図において符号E、符号Fで示す部位)を被覆する側部絶縁層45にクラック103a,103bが生じた状態を示している。側部絶縁層45にクラック103a,103bが発生した場合には、図7(b)に示すように、切削手段201を用いて側部絶縁層45を全周囲的に切削し、クラック103a,103bが形成された部位を含む静電チャック40の側部の被膜全体を除去する。
次に、図7(c)に示すように、溶射装置202を用いて、側部絶縁層45が除去された静電チャック40に対して溶射を行い、新しく側部絶縁層67を形成することにより補修が完了する。この側部絶縁層67を形成する際の溶射材料としては、元の側部絶縁層45と同様の材質の絶縁材料例えばアルミナ(Al)などのセラミックスを用いることが好ましい。また、溶射材料として、元の側部絶縁層45とは異なる種類の絶縁材料例えばジルコニア(ZrO)、2マグネシアシリカ(M2S;2MgO・SiO)、フッ化イットリウム(YF)等を用いることも可能である。
ここで、側部絶縁層45を全周囲的に除去して、側部絶縁層67を形成する理由は以下の通りである。図8(a)は、図7(a)における符号Eおよび符号Fで示す部位のクラック103a,103bを、部分的な溶射や絶縁物の埋込みなどの局所的補修方法で補修した場合の補修後の状態を模式的に示す要部平面図である。この図8(a)に示すように、側部絶縁層45においてクラック103a,103bの局所的補修を行なった場合には、絶縁物60aとその周囲の未補修の側部絶縁層45との間に境界Lが形成される。このように電極43の側から静電チャック40の外部へ向けて境界Lが形成されると、この境界Lに沿って電気的リークが発生しやすくなる。従って、このような境界Lが形成されない補修方法を選択することが好ましく、それ故、本実施形態では、側部絶縁層45について局所的な補修を行なうことなく、一旦側部絶縁層45を全周囲的に剥離した後、図8(b)に網掛け模様で示すように、新しく側部絶縁層67を形成し直す方法を採用した。
本実施形態においても、側部絶縁層45の切削による除去と溶射による新たな側部絶縁層67の形成という簡易な方法によって、静電チャック40の部分補修が可能になるので、静電チャック40の全体を交換する必要がなくなり、メンテナンスコストを大幅に低減できる。
<第5実施形態>
図9(a)は、静電チャック40における破損の別の例に関するものであり、静電チャック40の被覆層全体、つまり、第1の絶縁層42、電極43、第2の絶縁層44および側部絶縁層45の全体にわたって多数のクラック104が生じた状態を示している。このように、静電チャック40の被覆層全体に広範囲にわたって多数のクラックが発生した場合には、図9(b)に示すように、切削手段201を用いて基材41が露出するまで被覆層を切削し、被覆層を全て除去する。
次に、図9(c)に示すように、溶射装置202を用いて被覆層が全部除去された基材41に対して溶射を行い、基材41の表面に新しく被覆層を形成する。すなわち、基材41の上面に、新しく第1の絶縁層68、電極69、第2の絶縁層70をそれぞれ順次溶射して積層形成し、さらに側部絶縁層71を形成することによって補修が完了する。なお、新しく形成された電極69には直流電源26から給電線27を配設する。この際、第1の絶縁層68、第2の絶縁層70、側部絶縁層71の形成に用いる溶射材料としては、元の各絶縁層と同様の材質の絶縁材料例えばアルミナ(Al)などのセラミックスを用いることが好ましい。また、溶射材料として、他の種類の絶縁材料例えばジルコニア(ZrO)、2マグネシアシリカ(M2S;2MgO・SiO)、フッ化イットリウム(YF)等を用いることもできる。
本実施形態においても、上記手順で被覆層を再生することにより静電チャック40の全体を交換する必要がなくなり、基材41を再利用できるので、全体を交換する場合に比べてメンテナンスコストを削減することが可能になる。
以上、いくつかの実施形態を挙げ、本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明の処理装置については、下部電極に高周波電力を印加するRIEタイプの容量結合型平行平板プラズマエッチング装置を例示して説明したが、上部電極に高周波電力を供給するタイプであっても、また容量結合型に限らず誘導結合型であってもよい。また、エッチング装置に限らず、例えばアッシング、CVD成膜等を行なう他の種類のプラズマ処理装置にも適用することができる。
また、被処理基板は、FPD用ガラス基板に限らず半導体ウエハであってもよい。
1 プラズマエッチング装置
2 チャンバー
3 絶縁板
4 サセプタ
5 絶縁材
11 シャワーヘッド
20 排気装置
25 高周波電源
40 静電チャック
41 基材
42 第1の絶縁層
43 電極
44 第2の絶縁層
45 側部絶縁層
50 基板保持面
60,60a 絶縁物
61,65,66,67,68,69,70,71 補修被膜
100,100a,101,102,103a,103b,104 クラック

Claims (2)

  1. 基材と、該基材の上において、電極層と、該電極層より下層の第1の絶縁層と、前記電極層より上層の第2の絶縁層と、を含むように構成される被膜とからなり、前記電極層に電圧を印加することにより基板を吸着保持する静電吸着電極の補修方法であって、
    前記静電吸着電極の側部において前記電極層の端部を被覆する側部絶縁層の全周囲を除去する工程と、
    前記側部絶縁層が除去された部分に新たな側部絶縁層を溶射により形成する被膜再生工程と、
    を含むことを特徴とする静電吸着電極の補修方法。
  2. 前記電極層の端部から前記側部絶縁層の側部表面に達する、前記側部絶縁層の補修部と未補修部との間の境界が存在しないことを特徴とする請求項1に記載の静電吸着電極の補修方法。
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