JP4402949B2 - 双極型静電チャックの再生方法 - Google Patents
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Description
D1判定値=D1−2×T ・・・(1)
H1判定値=H1−T ・・・(2)
H2判定値=H2−T ・・・(3)
D3判定値=D3−2×T ・・・(4)
H1判定値=H1−T ・・・(5)
H3判定値=H3−T ・・・(6)
D4判定値=D4−2×T ・・・(7)
H2判定値=H2−T ・・・(8)
本発明の判定工程において静電チャックを再生すると判定するための判定条件は、検査工程における静電チャックの寸法測定の測定結果から酸化皮膜の膜厚(T)測定結果を除いた値が再生する静電チャックに定められた規格寸法の範囲内であり、かつ、環状電極と基部電極との間の漏れ電流値が測定電圧直流700Vに対して10μA未満であるのがよい。これらの条件について、以下で具体的に説明する。
D1判定値=D1−2×T ・・・(1)
H1判定値=H1−T ・・・・・・(2)
H2判定値=H2−T ・・・・・・(3)
具体的には、先ず、検査工程における静電チャックの寸法測定結果である静電チャックの保護リングにおける環状リング部の外径寸法(D3)、基部電極におけるフランジ部上面から試料吸着面までの距離(H1)、及び円形突出部の上面から試料吸着面までの距離(H3)を用いて、先に説明した手段と同様にして下記式(4)〜(6)に示す判定値を求める。
D3判定値=D3−2×T ・・・・・・(4)
H1判定値=H1−T ・・・・・・・・・・(5)
H3判定値=H3−T ・・・・・・・・・・(6)
D4判定値=D4−2×T ・・・・・・(7)
H2判定値=H2−T ・・・・・・・・・・(8)
また、再生して得られた双極型静電チャックについて、酸化皮膜の電気的絶縁性、耐プラズマ性等の性能が再生する双極型静電チャックが未使用時(新品時)の状態で有していたものと同等の性能を有するようにすることができるため、得られた双極型静電チャックをプラズマエッチング装置等の装置で再利用しても、耐電圧の低下や絶縁抵抗性の低下等を引き起こすことがなく、発塵源となることもない。そのため、再生して得た双極型静電チャックを再生する前の未使用時に有していたものと同等の性能を備えたまま再び交換周期にあたる時間まで使用することができる。
更に、本発明では、再生処理に伴う双極型静電チャックの寸法減少量を最小限に制限するため、一度再生処理した双極型静電チャックを複数回再生処理する場合でも、再生が可能な回数を増加させることができ、双極型静電チャックを無駄なく効率的に再生して双極型静電チャックとし再利用することができる。
プラズマエッチング装置で使用された双極型静電チャック1について本発明における再生方法を用いて再生した。
図1にはこの双極型静電チャック1の断面図が示されている。この双極型静電チャック1はJIS A6061製の基部電極2と、JIS A6061製の環状電極3とから構成される。上記基部電極2は環状凹溝4を有し、この環状凹溝4には上記環状電極3が嵌め込まれて半導体ウエハー等の試料を載置する試料吸着面5を形成している。尚、この環状電極3はエポキシ系接着剤により環状凹溝4内に固着されている。また、基部電極2の外周面2bにはフランジ部6が突設されており、上記試料吸着面5と反対側の面にプラズマエッチング装置Mに載置するベース面7を形成している。また、上記基部電極2には、ベース面7側に環状凹溝4と貫通する開口部8が設けられており、この開口部8を介して環状電極3には接続端子9が取付けられている。
上記環状電極3は表面に酸化皮膜を有しており、基部電極2はベース面7を除いた表面に酸化皮膜を有しているため、環状電極3は環状凹溝4との間で電気的に絶縁されている。また、基部電極2はベース面7に酸化皮膜を有さず、プラズマエッチング装置Mとベース面7において電気的に接地されている。そして、上記環状電極3には接続端子9を介して直流電源10のプラス側が接続され、その結果、基部電極2と環状電極3の間には直流電源10に対応した電圧が印加されている。
先ず、この双極型静電チャック1を、アセトン浴中に浸漬させ、周波数40kHz、密度0.5W/cm2の超音波を照射して10分間超音波洗浄を行った。次に、アセトン浴から取り出した双極型静電チャック1に対して、直径0.1mm〜1mm程度に粉砕したドライアイスを30Paの圧縮空気に含め、照射量10sec/cm2の割合でドライアイスブラスト照射を行った。
次に、この双極型静電チャック1について三次元測定器により寸法測定を行った。その結果、基部電極2における試料吸着面5の直径寸法(D1)が196.20mm、基部電極2におけるフランジ部6の外径寸法(D2)が245.18mm、フランジ部上面6aから試料吸着面5までの距離(H1)が12.05mm、双極型静電チャック1の高さ寸法(H2)が27.14mmであった。また、基部電極2と環状電極3との電極間の漏れ電流値について高抵抗用電流計を用いて測定したところ、測定電圧直流700Vに対して2.3μAであった。また、この双極型静電チャック1の露出面における酸化皮膜の膜厚(T)について静電容量式膜厚計を用いて測定した。測定した個所は、試料吸着面5を形成する環状電極上面3a、試料吸着面5を形成する基部電極上面2a、基部電極2におけるフランジ部上面6aの各表面であり、測定結果は順に、52μm、53μm、51μmであり、これらの平均値は52μmであった。更に、双極型静電チャック1の表面粗さ(Ry)について表面粗さ計を用いて測定した。測定した個所は、試料吸着面5を形成する環状電極上面3a、試料吸着面5を形成する基部電極上面2aの各表面であり、その結果はRy1.6μm、Ry2.1μmであった。これらの結果を表1に示す。
上記検査工程で得られた結果を用いて、この双極型静電チャック1が再生することにより再利用が可能かどうかについて判定した。
先ず、検査工程にて得られた双極型静電チャックの寸法測定及び双極型静電チャック露出面の酸化皮膜の膜厚(T)測定の結果を用い、各寸法測定による値から酸化皮膜の膜厚分の厚みを除いた値(判定値)が、表1に記したこの双極型静電チャック1の規格値として定められた規格寸法の範囲内であるかどうかで判定した。具体的には、下記の式(9)〜(12)に表わされた各判定値がそれぞれの測定個所における規格寸法としての値の範囲内であるかどうかで判定した。
D1判定値=D1−2×T …(9)
D2判定値=D2−2×T …(10)
H1判定値=H1−T ………(11)
H2判定値=H2−T ………(12)
D1判定値について式(9)に検査工程で得られた測定結果をあてはめると、196.20−2×0.052=196.096であってD1の規格寸法としての値の範囲内(196.00〜196.20)である。同様に、D2判定値について式(10)から得られた値は245.076、H1判定値について式(11)から得られた値は11.998、H2判定値について式(12)から得られた値は27.088であり、いずれも各測定個所における規格寸法の範囲内であった。
そこで、この双極型静電チャック1を濃度5wt%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させ、浴温度45℃で浸漬時間5分のエッチングを行い、この双極型静電チャック1の表面に付された酸化皮膜の除去を行った。エッチング終了後の双極型静電チャック1を3次元形状測定器によって再生前後における上記D1、D2、H1及びH2の寸法変化量を調べたところ、酸化皮膜の除去とともに表面において取り除かれた母材のアルミニウム材であるJIS A6061の厚み(減少量)は、最大部分が8μm、最小部分が5μmであった。
次に、上記皮膜除去工程で酸化皮膜を除去した双極型静電チャック1について、粒度600番の研摩布を用いた研摩を行い、その表面粗さがRy0.8μmとなるように双極型静電チャック1の表面を研摩した。この研摩によって母材であるJIS A6061の表面において除去する厚み(減少量)は、試料吸着面5、基部電極外周面2b、基部電極2におけるフランジ部上面6a、フランジ部側面6bの各表面における厚さで5μm以下となるようにした。また、この双極型静電チャック1が試料吸着面5に工具による打痕と思われる図示外の表面凹凸については、その角部に対し、先ず粒度180番の研摩紙で粗研摩を行い、次いで粒度600番の研摩布を用いて仕上げ研摩を施し、傷の角部が曲率半径R0.3mm程度になるようになめらかな丸みを帯びさせた。
そして、上記研摩工程で得られた双極型静電チャック1について、硫酸浴を用い、浴濃度15wt%、浴温度2℃、定電流(電流密度)3A/dm2、時間30分の条件で陽極酸化処理を行い、この双極型静電チャック1の露出する面に陽極酸化皮膜を形成した。尚、ベース面7についてはマスキング処理を行い酸化皮膜が形成されないようにした。
上記のようにして再生した双極型静電チャック1をプラズマエッチング装置に搭載し、通常行なう条件と同じにして、タングステンエッチングを行ったところ、このプラズマエッチング装置に未使用の新品双極型静電チャックを使用した場合の交換周期にあたる高周波印加時間の積算500時間まで吸着能力に支障をきたすことなく使用することができた。この再生した双極型静電チャック1を用いてタングステンエッチングを行った場合、プラズマエッチング装置における高周波電力に対するインピーダンスについては、新品の双極型静電チャックを用いた場合と同等の性能を示すことができた。また、エッチング加工中のパーティクルの発生状況についても8インチウエハー面上に0.2μm以上のパーティクルが50個以下であり、新品の双極型静電チャックの場合と同等の性能を示すことが分かった。
過去に本発明における再生方法で再生した履歴がある以外は実施例1と同様の双極型静電チャックについて本発明における再生方法を用いて再生した。尚、実施例1と同様にこの双極型静電チャックに定められた規格値を表2に記した。
洗浄工程は、実施例1と同様の条件で行った。
次に、実施例2における双極型静電チャックの寸法測定について実施例1と同様にして行った結果、基部電極における試料吸着面の直径寸法(D1)が196.09mm、基部電極におけるフランジ部の外径寸法(D2)が245.08mm、フランジ部上面から試料吸着面までの距離(H1)が11.98mm、双極型静電チャックの高さ寸法(H2)が27.09mmであった。また、基部電極と環状電極との電極間の漏れ電流値を実施例1と同様にして測定した結果、測定電圧直流700Vに対して0.5μAであった。また、この双極型静電チャックが有する酸化皮膜の膜厚については、実施例1と同様に測定した。測定した個所についても実施例1と同様に試料吸着面を形成する環状電極上面、試料吸着面を形成する基部電極上面、基部電極におけるフランジ部上面の各表面であり、測定結果は順に、53μm、55μm、52μmであり、これらの平均値は53μmであった。更に、双極型静電チャックの表面粗さ(Ry)については、実施例1と同様に測定し、試料吸着面を形成する環状電極上面、試料吸着面を形成する基部電極上面の各表面についての測定結果がRy2.1μm、Ry1.9μmであった。これらの結果を表2に示す。
上記検査工程で得られた結果を用いて、この双極型静電チャックが再生することにより再利用が可能かどうかについて判定した。
判定条件については、上記実施例1と同様にして行なった。すなわち、検査工程にて得られた双極型静電チャックの寸法測定及び双極型静電チャック露出面の酸化皮膜の膜厚(T)測定の結果を用い、各寸法測定で得られた値から酸化皮膜の膜厚分の厚みを除いた値が表2に記した双極型静電チャックに定められた規格寸法の範囲内であるかについて実施例1に示した式(9)〜(12)を利用して判定した。式(9)から得られたD1判定値は196.09−2×0.053=195.984であり、式(10)から得られたD2判定値は245.08−2×0.053=244.974であり、式(11)から得られたH1判定値は11.927であり、式(12)から得られた判定値は27.037であることから、D1判定値とD2判定値が規格寸法の範囲から外れることが分かる。したがって、この双極型静電チャックを再生しても、再生して得られる双極型静電チャックの寸法が小さくなりすぎるため、再生を行なわないと判定した。
プラズマエッチング装置で使用された双極型静電チャック11を本発明における再生方法を用いて再生した。
図2にはこの双極型静電チャック11の断面図が示されている。この双極型静電チャック11はJIS A6061製の基部電極12と、JIS A6061製の環状電極13と、JIS A6061製の保護リング14とから構成される。上記基部電極12は環状凹溝15を有し、この環状凹溝15には上記環状電極13が嵌め込まれて半導体ウエハー等の試料を載置する試料吸着面16を形成している。尚、この環状電極13はエポキシ系接着剤により環状凹溝15内に固着されている。また、基部電極12の外周面12bにはフランジ部17が突設されており、上記試料吸着面16と反対側の面にプラズマエッチング装置Mに載置するベース面18を形成している。また、上記基部電極12には、ベース面18側に環状凹溝15と貫通する開口部19が設けられており、この開口部19を介して環状電極13には接続端子20が取付けられている。また、上記保護リング14は、基部電極2の外周面12bと接する環状リング部21と、この環状リング部21の外周面21bから突出して基部電極12におけるフランジ部17の上面17aと接すると共にこのフランジ部17の外径より小さい円形突出部22とから形成され、かつ、この保護リングにおける環状リング部の上面21aが上記試料吸着面16と面一となるように基部電極12と嵌合している。
先ず、この双極型静電チャック11を、実施例1と同様な方法で洗浄処理を行った。
次に、この双極型静電チャック11の寸法測定について三次元測定器を用いて行った。その結果、保護リング14の環状リング部21の外径寸法(D3)が196.17mm、保護リング14の円形突出部22の外径寸法(D4)が225.20mm、基部電極12におけるフランジ部17の外径寸法(D2)が245.18mm、フランジ部上面17aから試料吸着面16までの距離(H1)が12.04mm、保護リング14における円形突出部上面22aから試料吸着面16までの距離(H3)が7.10mm、双極型静電チャック11の高さ寸法(H2)が27.19mmであった。また、基部電極12と環状電極13との間の漏れ電流値について高抵抗用電流計を用いて測定したところ、測定電圧直流700Vに対して0.8μAであった。また、この双極型静電チャック11が有する酸化皮膜の膜厚(T)について渦電流式膜厚計により測定した。測定した個所は、試料吸着面16を形成する環状電極上面13a、試料吸着面16を形成する基部電極上面12a、保護リング14における円形突出部上面22aの各表面であり、測定結果は順に、51μm、50μm、52μmであり、平均は51μmであった。更に、双極型静電チャック11の表面粗さ(Ry)については、表面粗さ計により測定した。測定した個所は、試料吸着面16を形成する環状電極上面13a、試料吸着面16を形成する基部電極上面12aの各表面であり、その結果は順に、Ry2.8μm、Ry1.6μmであった。これらの結果を表3に示す。
上記検査工程で得られた結果を用いて、この双極型静電チャック11が再生することにより再利用が可能かどうかについて判定した。
先ず、検査工程にて得られた双極型静電チャックの寸法測定及び双極型静電チャック露出面の酸化皮膜の膜厚(T)測定の結果を用い、各寸法測定による値から酸化皮膜の膜厚分の厚みを除いた値が、表3に記した双極型静電チャック11に定められた規格寸法の範囲内であるかどうかで判定した。具体的には、次の式(13)〜(18)から得られた値がそれぞれの個所における規格寸法としての値の範囲内であるかどうかで判定した。
D3判定値=D3−2×T …(13)
D4判定値=D4−2×T …(14)
D2判定値=D2−2×T …(15)
H1判定値=H1−T ………(16)
H2判定値=H2−T ………(17)
H3判定値=H3−T ………(18)
そこで、上記双極型静電チャック11を実施例1と同様なエッチング処理により酸化皮膜の除去を行った。エッチング終了後の双極型静電チャック11を3次元形状測定器により、再生前後におけるこの実施例における上記D2、D3、D4、H1、H2、H3の変化量を調べたところ、酸化皮膜の除去とともに表面において取り除かれた母材のアルミニウム材であるJIS A6061の厚み(減少量)は、最大部分が9μm、最小部分が6μmであった。
次に、上記皮膜除去工程で酸化皮膜を除去した双極型静電チャック11について、実施例1と同様な研摩処理を行った。この研摩によって母材のアルミニウム材であるJIS A6061の表面を取り除く厚み(減少量)については、試料吸着面16、保護リング14における環状リング部上面21a、環状リング部外周面21b、基部電極12におけるフランジ部上面17a、形フランジ部側面17b、保護リング14における円形突出部上面22aの各表面において、厚さで5μm以下となるようにした。
そして、上記研摩工程で得られた双極型静電チャック11について、実施例1と同様に、硫酸浴を用いて陽極酸化処理を行なった。陽極酸化の際には、保護リング14における環状リング部外周面21bに雌ねじ部24を形成し、この雌ねじ部24に雄ねじ25を螺着させ、保護リング14を形成する母材であるJIS A6061と通電可能な状態として、陽極酸化における電極の一部として陽極酸化処理を行った。尚、陽極酸化後には、雄ねじ25を取り外し、雌ねじ部24に図示外のポリイミド又はエポキシ樹脂製の封止ねじを取付け、環状リング部外周面21bにおける封止ねじと雌ねじ部24との界面及び、この封止ねじの頭部にエポキシ樹脂等の充填材を埋め込み、絶縁処理を施した。
また、再生後の酸化皮膜の膜厚(T)は、試料吸着面16を形成する環状電極上面13a、試料吸着面16を形成する基部電極上面12a、保護リング14における円形突出部上面22aの各表面において、それぞれ順に、54μm、52μm、53μmであり、平均で53μmであった。
また、基部電極12と環状電極13との間の漏れ電流値は、測定電圧直流700Vに対して0.3μAであった。これらの値は、この双極型静電チャック11に定められた製品規格値の範囲内であった。また、再生後の双極型静電チャック11における試料吸着面16の全体の表面粗さについては、Ry1.9μmで、この双極型静電チャック11が未使用時に有していた表面粗さ(1.6〜2.8μm)と同程度のものが得られた。
Claims (16)
- アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材で形成された円盤状の基部電極と、上記アルミニウム材で形成された環状電極とから構成され、
上記基部電極が、環状電極を嵌め込む環状凹溝を有してこの環状凹溝に嵌め込まれた環状電極と共に試料を吸着する試料吸着面を形成し、この基部電極の外周面にはフランジ部が突設されて上記試料吸着面と反対側の面にフランジ部と共にベース面を形成し、
また、上記環状電極が表面に酸化皮膜を有し、上記基部電極がベース面を除いた表面に酸化皮膜を有した双極型の静電チャックについて、
この静電チャックを再生する再生方法であって、
上記静電チャックを再生するかどうかを判定するための検査を行なう検査工程と、この検査工程で得られた検査結果から静電チャックを再生するかどうかを判定する判定工程と、この判定工程で再生すると判定した場合に上記静電チャックの露出面における酸化皮膜を除去する皮膜除去工程と、この皮膜除去工程で得られた静電チャックを研摩する研摩工程と、この研摩工程で得られた静電チャックに酸化皮膜を形成する皮膜再生工程とを含み、
検査工程における検査が、試料吸着面の直径寸法(D1)、基部電極におけるフランジ部上面から試料吸着面までの距離(H1)、及び静電チャックの高さ寸法(H2)を測定する静電チャックの寸法測定と、静電チャックの露出面における酸化皮膜の膜厚(T)測定と、環状電極と基部電極との間の漏れ電流値測定とを含み、
判定工程において静電チャックを再生すると判定する判定条件が、上記検査工程で得られた測定結果に基づき、下記式(1)〜(3)から得られるD1判定値、H1判定値、及びH2判定値が、それぞれ再生する静電チャックに定められた規格寸法の範囲内であり、かつ、環状電極と基部電極との間の漏れ電流値が測定電圧直流700Vに対して10μA未満であることを特徴とする双極型静電チャックの再生方法。
D1判定値=D1−2×T ・・・(1)
H1判定値=H1−T ・・・(2)
H2判定値=H2−T ・・・(3) - 静電チャックが表面凹凸を有する場合であって、静電チャックの寸法測定が、表面凹凸の最大幅寸法測定及び最大深さ寸法測定を含む請求項1に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 静電チャックが表面凹凸を有する場合であって、判定工程において静電チャックを再生すると判定する判定条件が、表面凹凸の最大幅寸法が10mm未満及び最大深さ寸法が0.5mm未満である条件を含む請求項2に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 皮膜除去工程において、酸化皮膜の除去と共にアルミニウム材表面の厚みを5〜50μmの範囲で除去する請求項1に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 皮膜除去工程が、エッチング処理を行なうエッチング工程である請求項4に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 研摩工程において、静電チャックの表面粗さ(Ry)を5μm以下に制御する請求項1に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 静電チャックが表面凹凸を有する場合であって、研摩工程において静電チャックの表面粗さ(Ry)を5μm以下に制御すると共に上記表面凹凸の角部を曲率半径(R)0.2mm以上に制御する請求項1に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 研摩工程において、研摩によりアルミニウム材の表面を厚さ10μm以下の範囲で除去する請求項6又は7に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 研摩工程が、粒度80〜1200番の研磨材を用いて研摩する研摩工程である請求項6〜8のいずれかに記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 皮膜再生工程において静電チャックに形成する酸化皮膜の膜厚を、再生する静電チャックが未使用時に有した酸化皮膜の膜厚の80〜120%の範囲に制御する請求項1に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 皮膜再生工程が、陽極酸化処理により酸化皮膜を形成する陽極酸化工程である請求項1に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 皮膜除去工程及び研摩工程において静電チャックの表面を除去した厚みの合計(A)と、研摩工程終了後の静電チャックの表面を再生基準面として皮膜再生工程においてこの再生基準面より上方に形成した酸化皮膜の厚み(B)との差(A−B)を、再生する静電チャックが未使用時に有した酸化皮膜の膜厚の50〜100%の範囲に制御する請求項1〜11のいずれかに記載の双極型静電チャックの再生方法。
- アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材で形成された円盤状の基部電極と、上記アルミニウム材で形成された環状電極と、上記アルミニウム材で形成された保護リングとから構成され、
上記基部電極が、環状電極を嵌め込む環状凹溝を有してこの環状凹溝に嵌め込まれた環状電極と共に試料を吸着する試料吸着面を形成し、この基部電極の外周面にはフランジ部が突設されて上記試料吸着面と反対側の面にフランジ部と共にベース面を形成し、
また、上記保護リングが、上記基部電極の外周面と接する環状リング部と、この環状リング部の外周面から突出して上記基部電極におけるフランジ部の上面と接すると共にこのフランジ部の外径より小さい外径を有する円形突出部とから形成され、かつ、試料吸着面と面一となるように基部電極に嵌合されており、
また、上記環状電極が表面に酸化皮膜を有し、上記基部電極がベース面を除いた表面に酸化皮膜を有し、上記保護リングが表面に酸化皮膜を有した双極型の静電チャックについて、
この静電チャックを再生する再生方法であって、
上記静電チャックを再生するかどうかについて判定するための検査を行なう検査工程と、この検査工程で得られた検査結果から上記静電チャックを再生するかどうかを判定する判定工程と、この判定工程で再生すると判定した場合に上記静電チャックの露出面における酸化皮膜を除去する皮膜除去工程と、この皮膜除去工程で得られた静電チャックを研摩する研摩工程と、この研摩工程で得られた静電チャックに酸化皮膜を形成する皮膜再生工程とを含み、
検査工程における検査が、保護リングにおける環状リング部の外径寸法(D3)、保護リングにおける円形突出部上面から試料吸着面までの距離(H3)、基部電極におけるフランジ部上面から試料吸着面までの距離(H1)、静電チャックの高さ寸法(H2)、及び保護リングにおける円形突出部の外径寸法(D4)を測定する静電チャックの寸法測定と、静電チャックの露出面における酸化皮膜の膜厚(T)測定と、環状電極と基部電極との間の漏れ電流値測定とを含み、
判定工程において静電チャックを再生すると判定する判定条件が、上記検査工程で得られた測定結果に基づき、下記式(4)〜(8)から得られるD3判定値、H1判定値、H3判定値、D4判定値、及びH2判定値が、それぞれ再生する静電チャックに定められた規格寸法の範囲内であり、かつ、環状電極と基部電極との間の漏れ電流値が測定電圧直流700Vに対して10μA未満であることを特徴とする双極型静電チャックの再生方法。
D3判定値=D3−2×T ・・・(4)
H1判定値=H1−T ・・・(5)
H3判定値=H3−T ・・・(6)
D4判定値=D4−2×T ・・・(7)
H2判定値=H2−T ・・・(8) - 皮膜再生工程において、上記保護リングに電極部を設けて陽極酸化処理を行なう請求項13に記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 検査工程に先駆けて、前処理として静電チャックの洗浄処理を行なう洗浄工程を含む請求項1〜14のいずれかに記載の双極型静電チャックの再生方法。
- 洗浄工程における洗浄処理が、静電チャックを有機溶剤浴に浸漬して行なう超音波洗浄及び/又は静電チャックにドライアイスブラストを照射して行なうドライアイスブラスト照射洗浄である請求項15に記載の双極型静電チャックの再生方法。
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