JP5182742B2 - Nmr検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、NMR(核磁気共鳴)装置に用いられるNMR検出器に関し、特に、共振周波数において生じる磁場がサンプルコイルの中央で極大となるNMR検出器に関する。
この種のNMR検出器は特許文献1に開示されている。図25に同公報におけるNMR検出器の模式図を示す。このNMR検出器100はサンプルコイル101と、5つのインピーダンス素子102、103、104、105、106を備えた共振回路を有する。このうち、直列に接続するインピーダンス素子102及び103はサンプルコイル101の一端に接続され、同様に直列に接続するインピーダンス素子104及び105はサンプルコイル101の他端に接続されている。また、インピーダンス素子106はサンプルコイル101と並列に接続されている。より具体的には、インピーダンス素子102、103、104、105は伝送線であり、インピーダンス素子106はコンデンサー又はインダクタである。
図25において各インピーダンス素子102、103、104、105、106のインピーダンスは可変であり、第1の高周波(周波数f)および第2の高周波(周波数f、但しf<f)において多重共振するような共振回路となっている。インピーダンス素子102、103、104、105が伝送線である場合は、各伝送線の線路長を調整する。この調整によって、共振回路が第1の高周波で共振した場合、サンプルコイル101の中心で電場が極小となる。
上記文献によれば、この共振回路において、fおよびfの2つの周波数が同時に共振する場合、共振周波数fによる電場(電界)の極小点がサンプルコイル101の中心に生じる。
米国特許7187176号公報
NMRの実質的な測定対象は高周波磁界(磁場)によって励起された測定試料から放出される磁場である。従って、検出される磁場強度が励起時の磁場強度に依存することを考慮すれば、サンプルコイルに印加する高周波に対して大きい磁場が効率良く生じるのが望ましい。
しかしながら、上記文献で述べられたようなサンプルコイルの中心に電場の最小点が生じさせることと、同コイル内の試料の位置で生じる高周波磁界がNMR信号検出に十分な強さを生じさせることは等価ではない。
これについては図26及び図27を用いて説明する。図26は第1の高周波(周波数f)と第2の高周波(周波数f、但しf<f)で多重共振するNMR信号検出用共振回路の一例である。
図26に示すように、共振回路200は、サンプルコイル201と、2つの線路202、203と、3つのインピーダンス回路208、209、210と、第1の高周波用の整合回路211及びコネクタ212と、第2の高周波用の整合回路213及びコネクタ214と、を有する。
2つの線路202、203の一端はそれぞれ、サンプルコイル201の両端に接続する。2つの線路202、203の他端はそれぞれ、インピーダンス回路208、209に接続する。インピーダンス回路209は、線路202とインピーダンス回路208の接続点220と、線路203とインピーダンス回路209の接続点221との間を接続する。そして、第1の高周波用コネクタ211は、第1の高周波用の整合回路210を介して接続点220に接続し、第2の高周波用コネクタ214は、第1の高周波用の整合回路213を介して接続点221に接続する。3つのインピーダンス回路208、209、210は、2つの接続点220、221におけるインピーダンスを適切に保つ。
図27は、サンプルコイル201内に生じた電場分布と磁場分布の解析結果である。この図に示すサンプルコイル201はソレノイドコイルとし、このコイルの軸に沿った断面を表している。サンプルコイル201の両端から伸びる点線は引出し線215、216を表す。
図27において、実線で示したサイン波状の曲線217は周波数f(600MHz)における共振時の磁場強度分布、点線で示したサイン波状の曲線218は同周波数での共振時における電場強度分布を示す。この図から分かるように、サンプルコイル201内では電場の極小点Eと磁場の極大点Bとは一致しない。
また固体NMR検出回路では線路の軸に対してマジックアングルと呼ばれる角度にサンプルコイルおよびサンプルの軸を傾けて軸の周りに高速に回転させてNMR信号を取り出すことが効果的である。このためサンプルコイル左右の機械的な構造が異なることが普通である。サンプルコイルの左右の機械的な構造の違いは、サンプルコイル内部における電磁界分布に影響を与える。そのため、サンプルコイル内での電場の極小点と磁場の極大点は異なる位置に生じるようになる。
以上の説明からわかるように、電場の極小点をサンプルコイルの中心に生じさせるように回路を構成すると、サンプルの位置でNMR信号を適切に取り出すために必要となる均一で強い磁場が得られないという問題が起きる。
そこで本発明は、サンプルコイル内に配置したサンプルによって生じるNMR信号を得るための適当な磁場強度を生じるNMR検出器を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、第1の本発明のNMR検出器は、第1の高周波で共振する共振回路において、第1端部と第2端部を有し、導体からなるサンプルコイルと、一端が前記第1端部に接続され、他端が接地される第1伝送線と、一端が前記第2端部に接続され、他端が接地される第2伝送線と、を有する共振回路と、前記第1の高周波を入出力する第1コネクタと、前記第1コネクタと前記共振回路の間に設けられた第1整合回路と、を備え、前記共振回路に印加される前記第1の高周波の波長をλ、正の整数をnとするとき、前記サンプルコイルの前記導体と、前記第1伝送線と、前記第2伝送線の線路長の総和は、λ+(n−1)λ/2の定在波が生じる値に設定され、前記サンプルコイルは磁場が極大となる位置に設けられることを特徴とする。
第2の本発明のNMR検出器は、第1の高周波で共振する共振回路において、第1端部と第2端部を有し、導体からなるサンプルコイルと、一端が前記第1端部に接続され、他端が接地される第1伝送線と、一端が前記第2端部に接続され、他端が開放される第2伝送線と、を有する共振回路と、前記第1の高周波を入出力する第1コネクタと、前記第1コネクタと前記共振回路の間に設けられた第1整合回路と、を備え、前記共振回路に印加される前記第1の高周波の波長をλ、正の整数をnとするとき、前記サンプルコイルの前記導体と、前記第1伝送線と、前記第2伝送線の線路長の総和は、(3/4)λ+(n−1)λ/2の定在波が生じる値に設定され、前記サンプルコイルは磁場が極大となる位置に設けられることを特徴とする。
第3の本発明のNMR検出器は、第1の高周波で共振する共振回路において、第1端部と第2端部を有し、導体からなるサンプルコイルと、一端が前記第1端部に接続され、他端が開放される第1伝送線と、一端が前記第2端部に接続され、他端が開放される第2伝送線と、を有する共振回路と、前記第1の高周波を入出力する第1コネクタと、前記第1コネクタと前記共振回路の間に設けられた第1整合回路と、を備え、前記共振回路に印加される前記第1の高周波の波長をλ、正の整数をnとするとき、前記サンプルコイルの前記導体と、前記第1伝送線と、前記第2伝送線の線路長の総和は(n/2)λの定在波が生じる値に設定され、前記サンプルコイルは磁場が極大となる位置に設けられることを特徴とする。
第4の本発明のNMR検出器は、第1の高周波で共振する共振回路において、第1端部と第2端部を有し、導体からなるサンプルコイルと、一端が、前記第1端部に接続される第1伝送線と、
一端が、前記第2端部に接続される第2伝送線と、を有する共振回路と、前記第1の高周波を入出力する第1コネクタと、前記第1コネクタと前記共振回路の間に設けられた第1整合回路と、を備え、前記第1伝送線と前記第2伝送線のそれぞれの他端は互いに接続され、前記共振回路に印加される前記第1の高周波の波長をλ、正の整数をnとするとき、前記サンプルコイルの前記導体と、前記第1伝送線と、前記第2伝送線の線路長の総和は、nλの定在波が生じる値に設定され、前記サンプルコイルは磁場が極大となる位置に設けられることを特徴とする。
本発明のNMR検出器によれば、高周波の印加時において、サンプルコイルの中央で極大となる磁場を生じさせることが可能となる。従って、サンプルに対して適切な磁場を生じ、且つ高感度なNMR測定が可能となる。
(第1実施形態)
本発明に係る一実施形態について図1〜図9を用いて説明する。
図1は第1実施形態に係るNMR検出器の構成図である。
図1に示すように、本実施形態のNMR検出器は第1の高周波(周波数f、波長λ)で共振する共振回路30を有する。この共振回路30は、引き出し線2、3を含むサンプルコイル1と、第1の線路(第1の伝送線)6と、第2の線路(第2の伝送線)7を備える。サンプルコイル1の第1端部1aには第1の線路6の一端が接続され、該サンプルコイル1の第2端部1bには第2の線路7の一端が接続される。さらに、第1の線路6と第2の線路7の他端は接地される。これら第1の線路6及び第2の線路7はリアクタンス素子(図示せず)を含めてもよい。なお、第1の高周波fの周波数はNMR測定における水素核の共鳴周波数を想定している。従って、現実的には数百MHzの周波数である。
さらに本実施形態のNMR検出器は、第1の高周波を入出力する第1コネクタ11と、第1コネクタと共振回路30の間に設けられる第1整合回路10を備える。共振回路30と第1整合回路10との接続方法には互いに直接結合する方法、または図23に示すような磁気結合用コイル62を用いて磁気的に結合する方法が挙げられる。
また、このNMR検出器は、開口部55を有する電磁シールド50を設けてもよい。この場合、第1・第2の線路6、7は平行となっている場合に限ることなく、直線状に配置されても良い。
サンプルコイル1の導体の線路長をL、第1の線路6の線路長をL、第2の線路7の線路長をL、これらの合計線路長をLとする。引き出し線2の線路長は線路長Lに含め、引き出し線3の線路長は線路長Lに含める。
合計線路長Lは共振回路30を第1の高周波fで共振させるために、
=λ+(n−1)×λ/2 ( n = 1、 2、 3、・・・) ・・・(1)
を満たす値に設定される。nは正の整数である。
なお、サンプルコイル1の線路長Lの算出に関して、サンプルコイル1がソレノイドコイルである場合、サンプルコイル1の線路長Lは3次元的にコイルの線に沿った長さとする。当該ソレノイドコイルの線路長に較べ線路の太さ又は幅が無視できない場合、若しくは線路が複数の経路に分かれている場合には、線路の導体の表面上の最短経路長とする。
図2(a)の上段に(1)式においてn=1としたときの共振回路30を示す。この図は図1に示した共振回路30を一直線上に展開した図である。なお、第1整合回路10及び第1コネクタ11は省略した。この共振回路30では線路長Lをλ/4、線路長Lと線路長Lの和を3/8λとした。なお、線路長Lをλ/4としたが、これに限定されるものではない。
また図2(a)の下段は、n=1としたときの共振回路30において第1の高周波fを入力したときの磁場分布及び電場分布を示す。同図において磁場の強度分布を実線で、電場の強度分布を点線で示し、磁場の極大点Bを示した。この図に示した電場の強度分布から判るように、サンプルコイル1の一端が+電位のとき、サンプルコイルの他端側は−電位となる。
上記の通り、共振回路30には高周波fの定在波が生じる。このとき、共振回路30内には定常的に磁場の極大点が現れる。従って、サンプルコイル1内に適切な磁場を得るには、サンプルコイル1の中心を磁場の極大点に配置すればよい。
この磁場が極大点となる位置はLが定まれば容易に特定できる。例えば、n=1の場合、Lはλとなるので、グランドに接地された点から(1/2)λの位置において磁場が極大となる。さらにnが2以上になれば、図2(b)、(c)に示すように共振回路30における磁場の極大点は複数になる。従って、サンプルコイル1の配置可能な場所が増えることになる。
なお、図2(a)に示した磁場分布によれば、サンプルコイル1の線路長Lをλ/4あるいはそれ以下にするとサンプルコイル内における磁場の変化が減少することがわかる。従って、サンプルコイル1の線路長Lの調整によって、該サンプルコイル1内の磁場を一様な分布を近づけることも可能である。
図2(b)、(c)は(1)式を満たす共振回路30において、それぞれn=2の場合、n=3の場合の共振回路の構成と磁場分布を示したものである。上述したように共振回路30における磁場の極大点はnに比例して増加する。
(1)式を満たす共振回路30において、磁場の極大点がサンプルコイル1の中央に位置するようにするためには、まず、合計線路長Lを定めて、回路上において磁場が極大となる位置、即ちサンプルコイル1の中心位置を決定する。次に回路のサンプルコイル1の線路長Lを定めて、その後(1)式を満たすように第1の線路6、第2の線路7の各線路長を算出し、両線路6、7をサンプルコイル1の両端に接続する。
このように共振回路30を構成すれば、NMR測定においてサンプルコイル1内に適切な強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
以下、本実施形態の変形例を述べる。
上述した共振回路30は、サンプルコイル1、第1の線路(第1の伝送線)6、第2の線路(第2の伝送線)7、グランドのそれぞれを直接接続した場合を想定して説明したが、これらを接続する結合回路やインピーダンス回路を設けても良い。
図3は本実施形態において、結合回路やインピーダンス回路を付加した構成図である。
図3に示すように、サンプルコイル1の第1端部1aと第1の線路6の間には、それぞれを結合するための結合回路(第1結合回路)4が設けられ、一方、サンプルコイル1の第2端部1bと第2の線路7の間には、それぞれを結合するための結合回路(第2結合回路)5が設けられる。更に、第1の線路6はインピーダンス回路(第1インピーダンス回路)8を介して接地され、第2の線路7はインピーダンス回路9(第2インピーダンス回路)を介して接地される。
第1及び第2結合回路4、5は共振回路30を第1の高周波f、又は第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に同調させるための可変インピーダンス素子や、サンプルコイル1を接続するコネクタなどを含むものである。
また、2つのインピーダンス回路8、9は第1の高周波や第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に対し低いインピーダンスを有する。従って、第1の線路6や第2の線路7が直接接地される場合と実質的に等価である。なお、第1及び第2結合回路4、5は全て付加されるものであっても良く、また何れか1つが付加されるものであっても良い。
結合回路4、5やインピーダンス回路8、9が付加された共振回路30の場合、それぞれの時間遅れ要素、インピーダンスなどの電気特性によって電気信号が通過する速度が変化する。このような場合は、その変化に応じた波長変化率に基づいて線路長L、L、Lを適宜補正する。そして、(1)式に従う合計線路長Lにすれば良い。共振回路30は(1)式に従う合計線路長Lを有するので、第1の高周波fで共振する。従って、NMR測定においてサンプルコイル1内に強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
また、本実施形態のNMR検出器において、第1の線路6と第2の線路7との間を接続する少なくとも1つのインピーダンス回路(第3インピーダンス回路)20を付加しても良い。図3の点線で示したインピーダンス回路20は、共振回路30を第1の高周波f、又は第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に同調させるためのインピーダンス素子を含む。この場合においてもインピーダンス回路20による時間遅れ要素、インピーダンスなどの電気特性を考慮して、線路長L、L、Lを適宜補正する。そして、(1)式に従う合計線路長Lにすれば良い。
本実施形態のNMR検出器は、複数の高周波を共振させることも可能である。図3には第2の高周波fが入力されるコネクタ13と、コネクタ13と共振回路30の間に設けられる第2整合回路12を示した。一般的なNMR測定で用いられる第2の高周波の周波数は、第1の高周波fの周波数の数分の1程度であり、(1)式に従う共振回路30の構成に影響を及ぼすことはない。従って、第1の高周波が共振している状態で第2の高周波の印加は可能であり、第1及び第2の高周波を重畳させることができる。なお、図3では第1整合回路10が、第1の線路6とインピーダンス回路8の間の接続点に接続され、同様に第2整合回路12が第2の線路7とインピーダンス回路9の間の接続点に接続されているが、各整合回路10、12が接続する箇所はこの限りではない。例えば、第1整合回路10は第1の線路6、第2の線路7、インピーダンス回路8、インピーダンス回路9に接続しても良い。第2整合回路に関しても同様である。
また本実施形態のNMR検出器は、第1の線路6、第2の線路7が外部導体を有する同軸線を構成しても良い。図4は各線路6、7が同軸線である場合の構成図である。それぞれの同軸線の内部導体が第1の線路6及び第2の線路7に対応し、該同軸線の外部導体6a、7aの両端51、52、52、54で接地される。このとき、外部導体と内部導体によって生じるインピーダンス等の電気特性を考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを補正する。補正された線路長L、Lに(1)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成すればよい。
図4のようにコイルに接続される2つの同軸線6、7の内、片方から高周波を印加する場合は、同軸線路の外部導体6a、7aによって線路6と線路7の間の結合が阻止され、共振回路30の効率が上がりにくくなる。これを避けるため、外部導体6a、7aはつなぎ目の無い通常の形状だけでなく、一部に穴あるいはスリットが開いている構造であっても良い。これら外部導体の構造の一例を図7及び図8に示す。
このように第1の線路6及び第2の線路7に生じる電気特性の変化を考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを補正すれば、第1の高周波fが共振する共振回路30を構成することが出来る。
従って同軸線を利用した他の例として、第1の線路6を内部導体とし、第2の線路7を外部導体とする同軸線を用いても良い。この実施形態の一例を図5に示す。第1の線路6及び第2の線路7の一端は同軸線の端部52にて接地される。この例の場合も上記と同様に、外部導体と内部導体の間に生じる電気特性の変化を考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを補正する。補正された線路長L、Lに(1)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成すればよい。
同軸線の利用に併せて、複数の高周波を印加することも可能である。図6は本実施形態において、上述した第1の高周波f、第2の高周波fに加え、第3の高周波fを入力可能にした例である。
この例では、第1の線路6及び第2の線路7をそれぞれ外部導体6a、7aを有する同軸線とし、更に、第3の高周波fが入力されるコネクタ15と、該第3の高周波fを共振回路30に入力する第3整合回路15と、第1の線路6に接続するインピーダンス回路(第4インピーダンス回路)40と、第2の線路7に接続するインピーダンス回路(第5インピーダンス回路)41と、インピーダンス回路16とグランドの間を接続するインピーダンス回路(第6インピーダンス回路)42と、インピーダンス回路17とグランドの間を接続するインピーダンス回路(第7インピーダンス回路)43と、第3の高周波fが入力されるコネクタ15と、該第3の高周波fを共振回路30に入力する第3整合回路14が設けられている。
2つのインピーダンス回路40、41は第1の高周波が第2・3整合回路12、14へ侵入するのを防止する。第1・第2結合回路4、5は、第2の高周波f及び第3の高周波fが共振回路に印加されたとき、外部導体6a、7aを通過するような構成にする。
さらに、第1整合回路は、第1コネクタ11に対して第2の高周波f及び第3の高周波fの侵入を抑制するインピーダンスを有するような回路を構成しても良い。
図6に示す回路構成においても、第1の線路6及び第2の線路7に生じる電気特性の変化を考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを補正すれば、(1)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成することが出来る。
また図6の点線に示すように、第1コネクタ11から整合回路10を介して、線路6だけでなく線路7にも供給する構造としてもよい。この場合、印加される高周波は線路6及び線路7において略180°の位相差が生じるように供給される。
以上に述べた実施例において、サンプルコイル1の全体的な形状および導線の形状・材質は、線路長Lが求まるものであれば特に限定されない。サンプルコイル1の巻線の形状が円形あるいは楕円形状以外にも、例えば、図9(a)〜(c)に示すように、コイルの断面が四角形などの多角形であるものや、鞍形形状(サドルコイル、ヘルムホルツコイル)のものや、スクロールコイルであっても良い。
(第2実施形態)
本発明に係る一実施形態について図10〜図14を用いて説明する。
図10は第2実施形態に係るNMR検出器の構成図である。
この図に示すように、本実施形態のNMR検出器は第1の高周波f(波長λ)で共振する共振回路30を有する。この共振回路30は、サンプルコイル1と、第1の線路(第1の伝送線)6と、第2の線路(第2の伝送線)7を備える。サンプルコイル1の第1端部1aには第1の線路6の一端が接続され、同コイル1の第2端部1bには第2の線路7が一端が接続される。さらに、第1の線路6の他端は接地され、第2の線路7の他端は電気的に開放される。これら第1の線路6及び第2の線路7はリアクタンス素子(図示せず)を含めてもよい。なお、第1の高周波fの周波数はNMR測定における水素核の共鳴周波数を想定している。従って、現実的には数百MHz程度の周波数である。
さらに本実施形態のNMR検出器は、第1の高周波fが入力される第1コネクタ11と、第1の高周波fを共振回路30に入力する第1整合回路10を備える。共振回路30と第1整合回路10との接続方法は直接結合する方法、または図23に示すような磁気結合用コイル62を用いて磁気的に結合する方法が挙げられる。
また、このNMR検出器は第1実施形態と同様に、開口部55を有する電磁シールド50を設けてもよい。この場合、第1・第2の線路6、7は平行となっている場合に限ることなく、直線状に配置されても良い。
サンプルコイル1の導体の線路長をL、第1の線路6の線路長をL、第2の線路7の線路長をL、これらの合計線路長をLとする。引き出し線2の線路長は線路長Lに含め、引き出し線3の線路長は線路長Lに含める。
そして、この合計線路長Lは共振回路30を第1の高周波fで共振させるために、
=(3/4)×λ+(n−1)×λ (n=1、2、3、・・・) ・・・(2)
を満たす値に設定される。nは正の整数である。
なお、サンプルコイル1の線路長Lの算出に関して、サンプルコイル1がソレノイドコイルである場合、サンプルコイル1の線路長Lは3次元的にコイルの線に沿った長さを考慮する。当該ソレノイドコイルの線路長に較べ線路の太さ又は幅が無視できない場合、若しくは線路が複数の経路に分かれている場合には、線路の導体の表面上の最短経路長を考慮する。
図11(a)の上段に(2)式においてn=1としたときの共振回路を示す。この図は図10に示した共振回路30を一直線上に展開した図である。なお、第1整合回路10及び第1コネクタ11は省略した。この回路では、サンプルコイル1の線路長Lをλ/4とし、サンプルコイルに接続される線路の総線路長を1/2λとして、第1の線路6の一端を電気的に開放し、第2の線路7の一端を接地させている。なお、線路長Lをλ/4としたが、これに限定されるものではない。
また図11(a)の下段は、n=1としたときの共振回路30において第1の高周波fを入力したときの磁場分布を示す。
上記の通り、共振回路30には高周波fの定在波が生じる。このとき、共振回路30内には定常的に磁場の極大点が現れる。従って、サンプルコイル1の中心をこの磁場の極大点に配置するようにすればよい。
この磁場が極大点となる位置はLが定まれば容易に特定できる。例えば、n=1の場合、Lはλとなるので、グランドに接地された点から(1/2)λの位置において磁場が極大となる。さらにnが2以上になれば、共振回路における磁場の極大点は複数になる。従って、サンプルコイル1の配置可能な場所が増えることになる。
なお、図11(a)に示した磁場分布によれば、サンプルコイル1の線路長Lをλ/4あるいはそれ以下にするとサンプルコイル内における磁場の変化が減少することがわかる。従って、サンプルコイル1の線路長Lの調整によって、該サンプルコイル1内の磁場を一様な分布を近づけることも可能である。
図11(b)、(c)は(2)式を満たす共振回路30において、それぞれn=2の場合、n=3の場合の共振回路の構成と磁場分布を示したものである。上述したように共振回路30における磁場の極大点の数はnに比例して増加する。
(2)式を満たす共振回路30において、磁場の極大点がサンプルコイル1の中央に位置するようにするためには、まず、合計線路長Lを定めて、回路上において磁場が極大となる位置、即ちサンプルコイル1の中心位置を決定する。次に回路のサンプルコイル1の線路長Lを定めて、その後(2)式を満たすように第1の線路6、第2の線路7の各線路長を算出し、両線路6、7をサンプルコイル1の両端に接続する。
このように共振回路30を構成すれば、NMR測定においてサンプルコイル1内に強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
上述した共振回路30は、サンプルコイル1、第1の線路(第1の伝送線)、第2の線路(第2の伝送線)7、グランドのそれぞれを直接接続した場合を想定して説明したが、これらを接続する結合回路やインピーダンス回路を設けても良い。
図12は本実施形態において、結合回路やインピーダンス回路を付加した構成図である。
図12に示すように、サンプルコイル1の第1端部1aと第1の線路6の間には、それぞれを結合するための第1結合回路4が設けられ、一方、サンプルコイル1の第2端部1bと第2の線路7の間には、それぞれを結合するための第2結合回路5が設けられる。更に、第1の線路6はインピーダンス回路(第1インピーダンス回路)8を介して接地される。
第1及び第2結合回路4、5は共振回路30を第1の高周波f、又は第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に同調させるための可変インピーダンス素子や、サンプルコイル1を接続するコネクタなどを含むものである。
また、インピーダンス回路8は第1の高周波や第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に対し低いインピーダンスを有する。従って、第1の線路6が直接接地される場合と実質的に等価である。なお、第1及び第2結合回路4、5は全て付加されるものであっても良く、また何れか1つが付加されるものであっても良い。
結合回路4、5が付加された共振回路30の場合、各回路4、5のそれぞれのインピーダンスを考慮して、サンプルコイル1の導体の線路長L、第1の線路の線路長L、第2の線路長Lを適宜補正する。そして、(1)式に従う合計線路長Lにすれば良い。
共振回路30は(1)式に従う合計線路長Lを有するので、第1の高周波fで共振する。従って、NMR測定においてサンプルコイル1内に強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
また、本実施形態のNMR検出器において、第1の線路6と第2の線路7との間を接続する少なくとも1つのインピーダンス回路(第3インピーダンス回路)20を付加しても良い。図12の点線で示したインピーダンス回路20は、共振回路30を第1の高周波f、又は第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に同調させるためのインピーダンス素子を含む。この場合においてもインピーダンス回路20のインピーダンスを考慮して、サンプルコイル1の導体の線路長L、第1の線路の線路長L、第2の線路長Lを適宜補正する。そして、(1)式に従う合計線路長Lにすれば良い。
本実施形態のNMR検出器は、第2の高周波fが入力されるコネクタ13と、該第2の高周波fを共振回路30に入力する第2整合回路12を備えても良い。これらは図12において点線で示した。一般的なNMR測定で用いられる第2の高周波の周波数は、第1の高周波fの周波数の数分の1程度であり、(1)式に従う共振回路30の構成に影響を及ぼすことはない。従って、第1の高周波が共振している状態で、第2の高周波を印加することは可能であり、共振回路30に第1及び第2の高周波を重畳させることができる。
また、第1コネクタ11から整合回路10を介して、線路6だけでなく線路7にも供給する構造としてもよい。この場合、線路6及び線路7に印加される高周波は略180°の位相差をもたせるようにする。
また本実施形態のNMR検出器は、第1の線路6、第2の線路7が外部導体を有する同軸線であっても良い。図13は各線路6、7が同軸線である場合の構成図である。それぞれの同軸線の内部導体が第1の線路6及び第2の線路7に対応し、該同軸線の外部導体6a、7aの端部51、52、53、54は接地される。このとき、外部導体と内部導体によって生じる電気特性の変化を考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを補正する。補正された線路長L、Lに(2)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成すればよい。
図13のようにコイルに接続される2つの同軸線6、7の内、片方から高周波を印加する場合は、第1実施形態で述べたように、同軸線路の外部導体6a、7aによって線路6と線路7の間の結合が阻止され、共振回路30の効率が上がりにくくなる。これを避けるため、外部導体6a、7aはつなぎ目の無い通常の形状だけでなく、一部に穴60あるいはスリット61を設けた構造であっても良い。これら外部導体の構造の一例は第1実施形態で示した図7及び図8と同様である。
また、第1コネクタ11から整合回路10を介して、線路6だけでなく線路7にも供給する構造としてもよい。この場合、印加される高周波は線路6及び線路7において略180°の位相差が生じるように供給される。
このように第1の線路6及び第2の線路7に生じる電気特性の変化を考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを求めれば、(2)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成することが出来る。
従って、同軸線を利用した他の例として、第1の線路6を内部導体とし、第2の線路7を外部導体とする同軸線を用いても良い。この実施形態の一例を図14に示す。この場合、第1の線路6の一端はがサンプルコイル1に接続され、その他端は開放される。また、第2の線路7の一端は佐プルコイル1に接続され、その他端は同軸線の端部52として接地される。この例の場合も上記と同様に、外部導体と内部導体の間に生じる電気特性の変化を考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを補正する。補正された線路長L、Lに(2)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成すればよい。
以上に述べた実施例において、サンプルコイル1の全体的な形状および導線の形状・材質は、線路長Lが求まるものであれば特に限定されない。サンプルコイル1の巻線の形状が円形あるいは楕円形状以外にも、例えば、第1実施形態で述べた図9(a)〜(c)のように、コイルの断面が四角形などの多角形であるものや、鞍形形状(サドルコイル、ヘルムホルツコイル)のものや、スクロールコイルであっても良い。
(第3実施形態)
本発明に係る一実施形態について図15〜図19を用いて説明する。
図15は第3実施形態に係るNMR検出器の構成図である。
この図に示すように、本実施形態のNMR検出器は第1の高周波f(波長λ)で共振する共振回路30を有する。この共振回路30は、サンプルコイル1と、第1の線路(第1の伝送線)6と、第2の線路(第2の伝送線)7を備える。サンプルコイル1の第1端部1aには第1の線路6の一端が接続され、同コイル1の第2端部1bには第2の線路7が一端が接続される。さらに、第1の線路6及び第2の線路7の他端は電気的に開放される。これら第1の線路6及び第2の線路7はリアクタンス素子(図示せず)を含めてもよい。なお、第1の高周波fの周波数はNMR測定における水素核の共鳴周波数を想定している。従って、現実的には数百MHz程度の周波数である。
さらに本実施形態のNMR検出器は、第1の高周波fが入力される第1コネクタ11と、第1の高周波fを共振回路30に入力する第1整合回路10を備える。共振回路30と第1整合回路10との接続方法は直接結合する方法、または図23に示すような磁気結合用コイル62を用いて磁気的に結合する方法が挙げられる。
また、このNMR検出器は第1実施形態と同様に、開口部55を有する電磁シールド50を設けてもよい。この場合、第1・第2の線路6、7は平行となっている場合に限ることなく、直線状に配置されても良い。
サンプルコイル1の導体の線路長をL、第1の線路6の線路長をL、第2の線路7の線路長をL、これらの合計線路長をLとする。引き出し線2の線路長は線路長Lに含め、引き出し線3の線路長は線路長Lに含める。
そして、この合計線路長Lは共振回路30を第1の高周波fで共振させるために、
=n×λ/2 (n=1、2、3、・・・) ・・・(3)
を満たす値に設定される。nは正の整数である。
なお、サンプルコイル1の線路長Lの算出に関して、サンプルコイル1がソレノイドコイルである場合、サンプルコイル1の線路長Lは3次元的にコイルの線に沿った長さを考慮する。当該ソレノイドコイルの線路長に較べ線路の太さ又は幅が無視できない場合、若しくは線路が複数の経路に分かれている場合には、線路の導体の表面上の最短経路長を考慮する。
図16の上段に(3)式においてn=1としたときの共振回路を示す。この図は図15に示した共振回路30を一直線上に展開した図である。なお、第1整合回路10及び第1コネクタ11は省略した。この回路では、サンプルコイル1の線路長Lをλ/4とし、サンプルコイルに接続される線路の総線路長を1/2λとして、第1の線路6及び第2の線路7の一端を電気的に開放している。なお、線路長Lをλ/4としたが、これに限定されるものではない。
また図16(a)の下段は、上記共振回路おいて第1の高周波fを入力したときの磁場分布を示す。
上記の通り、共振回路30には高周波fの定在波が生じる。このとき、共振回路30内には定常的に磁場の極大点が現れる。従って、サンプルコイル1の中心をこの磁場の極大点に配置するようにすればよい。
この磁場が極大点となる位置はLが定まれば容易に特定できる。例えば、n=1の場合、Lはλとなるので、第1の線路6或いは第2の線路の開放端から(1/2)λの位置において磁場が極大となる。さらにnが2以上になれば、共振回路における磁場の極大点は複数になる。従って、サンプルコイル1の配置可能な場所が増えることになる。
なお、図16(a)に示した磁場分布によれば、サンプルコイル1の線路長Lをλ/4あるいはそれ以下にするとサンプルコイル内における磁場の変化が減少することがわかる。従って、サンプルコイル1の線路長Lの調整によって、該サンプルコイル1内の磁場を一様な分布を近づけることも可能である。
図16(b)、(c)は(3)式を満たす共振回路30において、それぞれn=2の場合、n=3の場合の共振回路の構成と磁場分布を示したものである。上述したように共振回路30における磁場の極大点の数はnに比例して増加する。
(3)式を満たすの共振回路30において、磁場の極大点がサンプルコイル1の中央に位置するようにするためには、まず、合計線路長Lを定めて、回路上において磁場が極大となる位置、即ちサンプルコイル1の中心位置を決定する。次に回路のサンプルコイル1の線路長Lを定めて、その後(3)式を満たすように第1の線路6、第2の線路7の各線路長を算出し、両線路6、7をサンプルコイル1の両端に接続する。
このように共振回路30を構成すれば、NMR測定においてサンプルコイル1内に強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
上述した共振回路30は、サンプルコイル1、第1の線路(第1の伝送線)、第2の線路(第2の伝送線)7のそれぞれを直接接続した場合を想定して説明したが、これらを接続する結合回路やインピーダンス回路を設けることも可能である。
図17は本実施形態において、結合回路やインピーダンス回路を付加した構成図である。
図17に示すように、サンプルコイル1の第1端部1aと第1の線路6の間には、それぞれを結合するための第1結合回路4が設けられ、一方、サンプルコイル1の第2端部1bと第2の線路7の間には、それぞれを結合するための第2結合回路5が設けられる。
第1及び第2結合回路4、5は共振回路30を第1の高周波f、又は第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に同調させるための可変インピーダンス素子や、サンプルコイル1を接続するコネクタなどを含むものである。なお、第1及び第2結合回路4、5は全て付加されるものであっても良く、また何れか1つが付加されるものであっても良い。
このような回路4、5が付加された共振回路30の場合、各回路4、5のそれぞれのインピーダンスを考慮して、サンプルコイル1の導体の線路長L、第1の線路の線路長L、第2の線路長Lを適宜調整する。そして、(3)式に従う合計線路長Lにすれば良い。
共振回路30は(3)式に従う合計線路長Lを有するので、第1の高周波fで共振する。従って、NMR測定においてサンプルコイル1内に強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
また、本実施形態のNMR検出器において、第1の線路6と第2の線路7との間を接続する少なくとも1つのインピーダンス回路(第3インピーダンス回路)20を付加しても良い。図17の点線で示したインピーダンス回路20は、共振回路30を第1の高周波f、又は第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に同調させるためのインピーダンス素子を含むものである。この場合においても第3インピーダンス回路20のインピーダンスを考慮して、サンプルコイル1の導体の線路長L、第1の線路の線路長L、第2の線路長Lを適宜調整する。そして、(3)式に従う合計線路長Lにすれば良い。
本実施形態のNMR検出器は、第2の高周波fが入力されるコネクタ13と、該第2の高周波fを共振回路30に入力する第2整合回路12を備えても良い。これらは図17において点線で示した。一般的なNMR測定で用いられる第2の高周波の周波数は、第1の高周波fの周波数の数分の1程度であり、(3)式に従う共振回路30の構成に影響を及ぼすことはない。従って、第1の高周波が共振している状態で、第2の高周波を印加することは可能であり、共振回路30に第1及び第2の高周波を重畳させることができる。
また、第1コネクタ11から整合回路10を介して、線路6だけでなく線路7にも供給する構造としてもよい。この場合、線路6及び線路7に印加される高周波は略180°の位相差をもたせるようにする。
また本実施形態のNMR検出器は、第1の線路6、第2の線路7が外部導体を有する同軸線であっても良い。図18は各線路6、7が同軸線である場合の構成図である。それぞれの同軸線の内部導体が第1の線路6及び第2の線路7に対応し、該同軸線の外部導体6a、7aはそれぞれの両端51、52、53、54で接地される。このとき、外部導体と内部導体によって生じるリアクタンスを考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを求める。求めた線路長L、Lに(3)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成すればよい。
図18のようにコイルに接続される2つの同軸線6、7の内、片方から高周波を印加する場合は、第1実施形態で述べたように、同軸線路の外部導体6a、7aによって線路6と線路7の間の結合が阻止され、共振回路30の効率が上がりにくくなる。これを避けるため、外部導体6a、7aはつなぎ目の無い通常の形状だけでなく、一部に穴60あるいはスリット61を設けた構造であっても良い。これら外部導体の構造の一例は第1実施形態で示した図7及び図8と同様である。或いは、第1コネクタ11から整合回路10を介して、線路6だけでなく線路7にも供給する構造としてもよい。この場合、印加される高周波は線路6及び線路7において略180°の位相差が生じるように供給される。
このように第1の線路6及び第2の線路7に生じるリアクタンスを考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを求めれば、(3)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成することが出来る。
従って、同軸線を利用した他の例として、第1の線路6を内部導体とし、第2の線路7を外部導体とする同軸線を用いても良い。この実施形態の一例を図19に示す。第1の線路6及び第2の線路7のそれぞれの一端はサンプルコイル1に接続され、またそれぞれの他端は開放される。この例の場合も上記と同様に、外部導体と内部導体の間に生じる電気特性の変化を考慮して、第1の線路6及び第2の線路7の各線路長L、Lを求める。求めた線路長L、Lに(3)式を適用して第1の高周波fが共振する共振回路30を構成すればよい。
以上に述べた実施例において、サンプルコイル1の全体的な形状および導線の形状・材質は、線路長Lが求まるものであれば特に限定されない。サンプルコイル1の巻線の形状が円形あるいは楕円形状以外にも、例えば、図9(a)〜(c)に示すように、コイルの断面が四角形などの多角形であるものや、鞍形形状(サドルコイル、ヘルムホルツコイル)のものや、スクロールコイルであっても良い。
(第4実施形態)
本発明に係る一実施形態について図20〜図24を用いて説明する。
図20は第4実施形態に係るNMR検出器の構成図である。
この図に示すように、本実施形態のNMR検出器は第1の高周波f(波長λ)で共振する共振回路30を有する。この共振回路30は、サンプルコイル1と、第1の線路(第1の伝送線)6と、第2の線路(第2の伝送線)7を備える。サンプルコイル1は、ソレノイドコイルや、鞍形形状のコイル(所謂サドルコイル、ヘルムホルツコイル)或いは箔状のサンプルコイル(所謂スクロールコイル)等が用いられる。
サンプルコイル1の第1端部1aには第1の線路6の一端が接続され、同コイル1の第2端部1bには第2の線路7の一端が接続される。さらに、第1の線路6及び第2の線路7の他端は互いに接続され、サンプルコイル1、は第1の線路6、第2の線路7で環状回路を形成する。なお、第1の線路6及び第2の線路7はリアクタンス素子(図示せず)を含めてもよい。また、第1の高周波fの周波数はNMR測定における水素核の共鳴周波数を想定している。従って、現実的には数百MHz程度の周波数である。
さらに本実施形態のNMR検出器は、第1の高周波fが入力される第1コネクタ11と、第1の高周波fを共振回路30に入力する第1整合回路10を備える。共振回路30と第1整合回路10との接続方法は、一例として、図23に示すような磁気結合用コイル62を用いて磁気的に結合する方法が挙げられる。他の接続方法としては、共振回路30が第1の高周波fで共振している状態で、図23に示す方向I1、I2に電流が流れるようになる方法であればよい。つまり、共振回路30において磁気結合用コイル62が近接する箇所に流れる電流が、磁気結合用コイル62両側で同じ方向に電流が流れるような接続方法であればよい。
なお、第1実施形態の説明で述べた開口部を有する電磁シールドを、共振回路30の外周に設けても良い。
サンプルコイル1の導体の線路長をL、第1の線路6の線路長をL、第2の線路7の線路長をL、これらの合計線路長をLとする。引き出し線2の線路長は線路長Lに含め、引き出し線3の線路長は線路長Lに含める。
そして、この合計線路長Lは共振回路30を第1の高周波fで共振させるために、
=n×λ (n=1、2、3、・・・ ) ・・・(4)
を満たす値に設定される。nは正の整数である。
なお、サンプルコイル1の線路長Lの算出に関して、サンプルコイル1がソレノイドコイルである場合、サンプルコイル1の線路長Lは3次元的にコイルの線に沿った長さを考慮する。当該ソレノイドコイルの線路長に較べて、線路の太さ又は幅が無視できない場合、若しくは線路が複数の経路に分かれている場合には、線路の導体の表面上の最短経路長を考慮する。
図21(a)に、(4)式においてn=1としたときの共振回路30を示す。この図の左図は図20に示した共振回路30を環状に展開した図である。なお、第1・第2整合回路10、12及び第1・第2コネクタ11、13は省略した。この回路では、サンプルコイル1の線路長Lをλ/4とし、サンプルコイルに接続される線路の総線路長を(3/4)λとした。なお、線路長Lをλ/4としたが、これに限定されるものではない。
また図21(a)の右図は、上記共振回路おいて第1の高周波fを入力したときの磁場分布である。この図において一点鎖線は共振回路30の位置を表し、磁場分布を実線で表した。
なお、図21(a)に示した磁場分布によれば、サンプルコイル1の線路長Lをλ/4あるいはそれ以下にするとサンプルコイル内における磁場の変化が減少することがわかる。従って、サンプルコイル1の線路長Lの調整によって、該サンプルコイル1内の磁場を一様な分布を近づけることも可能である。
図21(b)、(c)は(4)式を満たす共振回路30において、それぞれn=2の場合、n=3の場合の共振回路の構成と磁場分布を示したものである。このように、nが2以上になれば、共振回路における磁場の極大点は複数になる。
上記の通り、共振回路30には第1の高周波fの定在波が生じる。このとき、共振回路30内には電場の極小点が現れ、この点では逆に磁場の極大点となる。従って、サンプルコイル1の中心をこの磁場の極大点に配置するようにすればよい。ただし、本実施形態の環状回路からなるので、磁場の極大点が定まらない。そこで共振回路30内の所定の位置に磁場の極大点を固定させるためには、共振回路とグランドの間を接続するインピーダンス回路27(第1インピーダンス回路)を接続すればよい。インピーダンス回路27は時間遅れ要素を含む任意のインピーダンスを有し、例えば、リード線や容量素子等が用いられる。ただし、サンプルコイル1の中心で磁場の極大点が安定的に定まる場合、インピーダンス回路27は不要である。
この磁場が極大点となる位置はLが定まれば容易に特定できる。例えば、n=1の場合、Lはλとなるので、共振回路30とインピーダンス回路27との接続点から(1/2)λの位置において磁場が極大となる。さらにnが2以上になれば、共振回路における磁場の極大点は複数になる。従って、サンプルコイル1の配置可能な場所は増加する。
(4)式を満たす共振回路30において、磁場の極大点がサンプルコイル1の中心に位置するようにするためには、まず、合計線路長Lを定めて、回路上において磁場が極大となる位置、即ちサンプルコイル1の中心位置を決定する。次に回路のサンプルコイル1の線路長Lを定めて、(4)式を満たすように第1の線路6、第2の線路7の各線路長を算出し、両線路6、7をサンプルコイル1の両端に接続する。さらに、第1の線路6、第2の線路7を互いに接続し、第1の線路6或いは第2の線路7と、グランドとの間にインピーダンス回路27を接続する。
このように共振回路30を構成すれば、NMR測定においてサンプルコイル1内に強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
上述した共振回路30は、サンプルコイル1、第1の線路(第1の伝送線)、第2の線路(第2の伝送線)7のそれぞれを直接接続した場合を想定して説明したが、これらを接続する結合回路やインピーダンス回路を設けることも可能である。
図22は本実施形態において、結合回路やインピーダンス回路を付加したNMR検出器の構成図である。図22に示すように、サンプルコイル1の第1端部1aと第1の線路6の間には、それぞれを結合するための第1結合回路4が設けられ、一方、サンプルコイル1の第2端部1bと第2の線路7の間には、それぞれを結合するための第2結合回路5が設けられる。更に、第1の線路6或いは第2の線路7とグランドの間にインピーダンス回路27を接続する。
第1及び第2結合回路4、5は、共振回路30を第1の高周波f、又は第2・第3の高周波f、f(何れも後述)に同調させるための可変インピーダンス素子や、サンプルコイル1を接続するコネクタなどを含むものである。なお、第1及び第2結合回路4、5は全て付加されるものであっても良く、また何れか1つが付加されるものであっても良い。
第1及び第2結合回路4、5が付加された共振回路30の場合、各結合回路4、5のそれぞれのインピーダンスを考慮して、サンプルコイル1の導体の線路長L、第1の線路の線路長L、第2の線路長Lを適宜補正する。そして、(4)式に従う合計線路長Lにすれば良い。
共振回路30は(4)式に従う合計線路長Lを有するので、第1の高周波fで共振する。従って、NMR測定においてサンプルコイル1内に強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
本実施形態のNMR検出器は、第2の高周波fが入力されるコネクタ13と、該第2の高周波fを共振回路30に入力する第2整合回路12を備えても良い。これらを図20において点線で示した。一般的なNMR測定で用いられる第2の高周波fの周波数は、第1の高周波fの周波数の数分の1程度であり(4)式に従う共振回路30の構成に影響を及ぼすことはない。従って、第1の高周波fが共振している状態で、第2の高周波fを印加することは可能であり、共振回路30に第1及び第2の高周波f、fを重畳させることができる。第2整合回路12の共振回路30に対する接続方法は前述した第1整合回路10の接続方法を用いる。
また本実施形態のNMR検出器は、第1の線路6、第2の線路7が外部導体を有する同軸線であっても良い。図24は各線路6、7が同軸線である場合の構成図である。それぞれの同軸線の内部導体が第1の線路6及び第2の線路7に対応する。第1の線路6の一端は第1結合回路4を介してサンプルコイルの第1端部1aに接続する。一方、第2の線路7の一端は第2結合回路5を介してサンプルコイルの第2端部1bに接続する。更に第1の線路及び第2の線路7の各他端は互いに接続する。これらの接続により環状回路となる共振回路30が形成される。
さらに、共振回路30には第1の線路6と第2の線路の接続部10c或いはその近傍に第1の高周波fを入出力させるための第1整合回路10と該整合回路に接続する第1コネクタ11が設けられる。第1整合回路10は、インピーダンス変換を行って共振回路30と第1コネクタ11を整合させる。
共振回路30と第1整合回路10との接続方法は、図23に示すような磁気結合用コイル62を用いて磁気的に結合する方法が挙げられる。他の接続方法も、上述したように、共振回路30において磁気結合用コイル62近接する箇所に流れる電流が、磁気結合用コイル62の両側で同じ方向に流れるような接続方法であればよい。
上記同軸線において外部導体6aの一端は第1の高周波fの通過を阻止する高周波素子回路31を介して、インピーダンス回路16に接続される。一方、外部導体7aの一端は第1の高周波fの通過を阻止する高周波素子回路32を介して、インピーダンス回路17に接続される。
第2の高周波fは第2コネクタ13及び第2整合回路12を介してインピーダンス回路16に接続される。第2の高周波fが第2コネクタ13から入力された場合、これらを介して高周波素子回路31を通過し、外部導体7aに至る。
第3の高周波fは第3コネクタ15及び第3整合回路14を介してインピーダンス回路17に接続される。第3の高周波fが第3コネクタ15から入力された場合、これらを介して高周波素子回路32を通過し、外部導体6aに至る。
第2整合回路12とインピーダンス回路16は、第2の高周波fに対する第2コネクタ15のインピーダンスが50Ωになるように整合する。第3整合回路14とインピーダンス回路17は、第3の高周波fに対する第3コネクタ15のインピーダンスが50Ωになるように整合する。
また、第1・第2の結合回路4、5はそれぞれ、第2の高周波fを外部導体7aに、第3の高周波fを外部導体6aに通過させる。
外部導体6a、7aはつなぎ目の無い通常の形状だけでなく、一部に穴あるいはスリットが開いている構造であっても良い。これら外部導体の構造の一例を図7及び図8に示す。
上記の構成においても、第1・第2結合回路4、5のインピーダンスや、不連続になった線路の断面構造を考慮して、サンプルコイル1の導体の線路長L、第1の線路の線路長L、第2の線路長Lを適宜補正する。そして、(4)式に従う合計線路長Lにすれば良い。
共振回路30は(4)式に従う合計線路長Lを有するので、第1の高周波fで共振する。従って、NMR測定においてサンプルコイル1内に強い磁場を生じさせ、且つ試料から生じる磁場を感度良く検出することができる。
以上に述べた実施例において、サンプルコイル1の全体的な形状および導線の形状・材質は、線路長Lが求まるものであれば特に限定されない。サンプルコイル1の巻線の形状が円形あるいは楕円形状以外にも、例えば、図9(a)〜(c)に示すように、コイルの断面が四角形などの多角形であるものや、鞍形形状(サドルコイル、ヘルムホルツコイル)のものや、スクロールコイルであっても良い。
本発明の第1実施形態に係るNMR検出器の構成図である。 本発明の第1実施形態に係るNMR検出器の動作原理を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係るNMR検出器であり、結合回路、インピーダンス回路、整合回路が付加された構成図である。 本発明の第1実施形態に係るNMR検出器であり、同軸線を用いた一例である。 本発明の第1実施形態に係るNMR検出器であり、同軸線を用いた一例である。 本発明の第1実施形態に係るNMR検出器であり、複数の高周波を多重共振させる構成の一例である。 本発明の全ての実施形態に係るNMR検出器において、該検出器に用いられる同軸線の形状の一変更例である。 本発明の全ての実施形態に係るNMR検出器において、該検出器に用いられる同軸線の形状の一変更例である。 本発明の全ての実施形態に係るNMR検出器において、該検出器に用いられるサンプルコイルの一例である。 本発明の第2実施形態に係るNMR検出器の構成図である。 本発明の第2実施形態に係るNMR検出器の動作原理を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るNMR検出器であり、結合回路、インピーダンス回路、整合回路が付加された構成図である。 本発明の第2実施形態に係るNMR検出器であり、同軸線を用いた一例である。 本発明の第2実施形態に係るNMR検出器であり、同軸線を用いた一例である。 本発明の第3実施形態に係るNMR検出器の構成図である。 本発明の第3実施形態に係るNMR検出器の動作原理を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係るNMR検出器であり、結合回路、インピーダンス回路、整合回路が付加された構成図である。 本発明の第3実施形態に係るNMR検出器であり、同軸線を用いた一例である。 本発明の第3実施形態に係るNMR検出器であり、同軸線を用いた一例である。 本発明の第4実施形態に係るNMR検出器の構成図である。 本発明の第4実施形態に係るNMR検出器の動作原理を示す説明図である。 本発明の第4実施形態に係るNMR検出器であり、結合回路、インピーダンス回路、整合回路が付加された構成図である。 本発明の全ての実施形態に係るNMR検出器において、磁気結合による高周波の印加又は取出し方法を示す模式図である。 本発明の第4実施形態に係るNMR検出器であり、同軸線を用いた一例である。 従来のNMR検出器の構成図である。 従来のNMR検出器の構成図である。 従来のNMR検出器のサンプルコイル内に生じる電場及び磁場分布図である。
符号の説明
1:サンプルコイル
2、3:引き出し線
4、5:結合回路
6:第1の線路
7:第2の線路
6a、7a:外部導体
8、9:インピーダンス回路
10、12:整合回路
11、13:コネクタ
20:インピーダンス回路
30:共振回路
50:電磁シールド
:サンプルコイルの導体の線路長
:第1の線路の線路長
:第2の線路の線路長

Claims (23)

  1. NMR検出器であって、第1の高周波で共振する共振回路において、第1端部と第2端部を有し、導体からなるサンプルコイルと、一端が前記第1端部に接続され、他端が接地される第1伝送線と、一端が前記第2端部に接続され、他端が接地される第2伝送線と、を有する共振回路と、前記第1の高周波を入出力する第1コネクタと、前記第1コネクタと前記共振回路の間に設けられた第1整合回路と、を備え、前記共振回路に印加される前記第1の高周波の波長をλ、正の整数をnとするとき、前記サンプルコイルの前記導体と、前記第1伝送線と、前記第2伝送線の線路長の総和は、λ+(n−1)λ/2の定在波が生じる値に設定され、前記サンプルコイルはその線路長がλ/4以下となる長さに設定され、且つ、前記共振回路に発生する定在波によって生じる高周波磁場が極大となる位置に設けられることを特徴とするNMR検出器。
  2. NMR検出器であって、第1の高周波で共振する共振回路において、第1端部と第2端部を有し、導体からなるサンプルコイルと、一端が前記第1端部に接続され、他端が接地される第1伝送線と、一端が前記第2端部に接続され、他端が開放される第2伝送線と、を有する共振回路と、前記第1の高周波を入出力する第1コネクタと、前記第1コネクタと前記共振回路の間に設けられた第1整合回路と、を備え、前記共振回路に印加される前記第1の高周波の波長をλ、正の整数をnとするとき、前記サンプルコイルの前記導体と、前記第1伝送線と、前記第2伝送線の線路長の総和は、(3/4)λ+(n−1)λ/2の定在波が生じる値に設定され、前記サンプルコイルはその線路長がλ/4以下となる長さに設定され、且つ、前記共振回路に発生する定在波によって生じる高周波磁場が極大となる位置に設けられることを特徴とするNMR検出器。
  3. NMR検出器であって、第1の高周波で共振する共振回路において、第1端部と第2端部を有し、導体からなるサンプルコイルと、一端が前記第1端部に接続され、他端が開放される第1伝送線と、一端が前記第2端部に接続され、他端が開放される第2伝送線と、を有する共振回路と、前記第1の高周波を入出力する第1コネクタと、前記第1コネクタと前記共振回路の間に設けられた第1整合回路と、を備え、前記共振回路に印加される前記第1の高周波の波長をλ、正の整数をnとするとき、前記サンプルコイルの前記導体と、前記第1伝送線と、前記第2伝送線の線路長の総和は、(n/2)λの定在波が生じる値に設定され、前記サンプルコイルはその線路長がλ/4以下となる長さに設定され、且つ、前記共振回路に発生する定在波によって生じる高周波磁場が極大となる位置に設けられることを特徴とするNMR検出器。
  4. NMR検出器であって、第1の高周波で共振する共振回路において、第1端部と第2端部を有し、導体からなるサンプルコイルと、一端が、前記第1端部に接続される第1伝送線と、一端が、前記第2端部に接続される第2伝送線と、を有する共振回路と、前記第1の高周波を入出力する第1コネクタと、前記第1コネクタと前記共振回路の間に設けられた第1整合回路と、を備え、前記第1伝送線と前記第2伝送線のそれぞれの他端は互いに接続され、前記共振回路に印加される前記第1の高周波の波長をλ、正の整数をnとするとき、前記サンプルコイルの前記導体と、前記第1伝送線と、前記第2伝送線の線路長の総和は、nλの定在波が生じる値に設定され、前記サンプルコイルはその線路長がλ/4以下となる長さに設定され、且つ、前記共振回路に発生する定在波によって生じる高周波磁場が極大となる位置に設けられることを特徴とするNMR検出器。
  5. 第1インピーダンス回路と、を更に備え、前記第1伝送線の前記他端は、前記第1インピーダンス回路を介して接地されることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項4の何れかに記載のNMR検出器。
  6. 第2インピーダンス回路と、を更に備え、前記第2伝送線の前記他端は、前記第2インピーダンス回路を介して接地されることを特徴とする請求項1に記載のNMR検出器。
  7. 第1結合回路と、第2結合回路と、を更に備え、前記第1結合回路は、前記サンプルコイルの前記第1端部と前記第1伝送線の前記一端との間を結合し、前記第2結合回路は、前記サンプルコイルの前記第2端部と前記第2伝送線の前記一端との間を結合することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のNMR検出器。
  8. 前記第1伝送線と前記第2伝送線の間を接続する少なくとも1つの第3インピーダンス回路を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のNMR検出器。
  9. 前記第1伝送線と、前記第2伝送線の内の少なくとも1つは、リアクタンス素子を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載のNMR検出器。
  10. 第2の高周波を入出力する第2コネクタと、前記第2コネクタと前記共振回路の間に設けられた第2整合回路と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載のNMR検出器。
  11. 第3の高周波を入出力する第3コネクタと、前記第3コネクタと前記共振回路の間に設けられた第3整合回路と、を更に備えることを特徴とする請求項10に記載のNMR検出器。
  12. 前記第1整合回路は磁気的結合によって接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載のNMR検出器。
  13. 前記第1整合回路と、前記第2整合回路のうち少なくとも1つは磁気的結合によって接続されることを特徴とする請求項10に記載のNMR検出器。
  14. 前記第1整合回路と、前記第2整合回路と、前記第3整合回路のうち少なくとも1つは磁気的結合によって接続されることを特徴とする請求項11に記載のNMR検出器。
  15. 前記サンプルコイルの前記導体の線路長は、前記第1の高周波の1/4波長以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れかに記載のNMR検出器。
  16. 前記第1伝送線と前記第2伝送線は平行線路であることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れかに記載のNMR検出器。
  17. 前記第1伝送線と前記第2伝送線の少なくとも一方は外部導体を有する同軸線であることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れかに記載のNMR検出器。
  18. 同軸線を備え、
    前記第1伝送線と前記第2伝送線の何れか一方が前記同軸線の内部導体であり、
    前記第1伝送線と前記第2伝送線の何れか他方が前記同軸線の外部導体であることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れかに記載のNMR検出器。
  19. 前記サンプルコイルは、筒型コイルであることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れかに記載のNMR検出器。
  20. 前記サンプルコイルは、サドルコイルであることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れかに記載のNMR検出器。
  21. 前記サンプルコイルは、スクロールコイルであることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れかに記載のNMR検出器。
  22. 前記サンプルコイルの前記導体の断面は略円形であることを特徴とする請求項18又は請求項19の何れかに記載のNMR検出器。
  23. 前記サンプルコイルの前記導体の断面は略四角形であることを特徴とする請求項18又は請求項19の何れかに記載のNMR検出器。
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