JP5182081B2 - 温度測定システム及び光ファイバ接続方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバを用いた温度測定システム及び光ファイバ接続方法に関し、光ファイバの接続にともなう測定ポイントのずれを防止できる温度測定システム及び光ファイバ接続方法に関する。
近年、顧客の情報を管理・運用するデータセンターや自社の多量のジョブ(JOB)を扱う計算機センターなど(以下、これらをまとめて「データセンター」という)のように、多数の計算機(サーバ等)を同一室内に設置して一括管理することが多くなっている。
データセンターでは、室内に多数のラックを設置し、各ラックに複数の計算機を収納している。このような状況下では、計算機から多量の熱が発生してラック内の温度が上昇し、誤動作や故障の原因となる。このため、ファン等により室内の冷気をラック内に取り込んで計算機を冷却しつつ、ラックから排出される熱により室内の温度が上昇しないように空調機を用いて室内の温度を管理している。
ところで、計算機の稼働状態によって計算機から発生する熱量は大幅に変動する。熱による計算機の誤動作や故障を確実に防止するためには、計算機から発生する熱の最大量に応じた冷却能力を有する冷却装置(空調機及びファン等)を使用する必要がある。
この場合、冷却能力が大きい冷却装置をその最大能力で常時稼働させることは、ランニングコストが高くなるというだけでなく、省エネルギー及びCO2削減の観点からも好ましくない。従って、データセンター内に設置された各ラックの温度をリアルタイムで測定し、その測定結果に基づいて冷却を最適化することが必要となる。従来から、データセンターの室内の温度分布を測定する際に、温度センサとして光ファイバを用いることが提案されている。
特開平3−61232号公報 特開平4−276531号公報 特開2003−14554号公報 特開平10−11681号公報 特開平7−55591号公報
データセンターの室内に配置されたラックの扉は、計算機の入れ替えやメンテナンス等で頻繁に開閉される。それにともない、ラック内に敷設された光ファイバが切断されることがある。このような場合、融着等の方法により切断された光ファイバを接続する作業が必要となる。また、データセンターでは、ラックの撤去や増設にともなって光ファイバを切断したり、接続したりする作業が必要となる。
しかし、光ファイバの接続作業を行うと、作業前と作業後とで光ファイバの長さが変わってしまう。そのため、実際に温度測定を行う位置(以下、「実際の測定ポイント」ともいう)と測定装置で認識される測定位置(以下、「見掛け上の測定ポイント」ともいう)とがずれてしまい、測定装置で検出した温度がどの部分の温度なのかがわからなくなってしまう。このような不都合を回避するために、光ファイバの接続作業を行った後には光ファイバの特定の位置を加熱装置により加熱し、温度測定装置で加熱位置を確認して見掛け上の測定ポイントの位置を補正するという煩雑な作業が必要となる。
以上から、光ファイバの接続作業を行っても加熱装置を用いた測定ポイントの補正が不要な温度測定システム及び光ファイバ接続方法を提供することを目的とする。
一観点によれば、レーザパルスを発生するレーザ光源と前記レーザ光源で発生したレーザパルスが導入される光ファイバと、前記光ファイバ内で発生したストークス光及び反ストークス光を入力する光検出部とを有し、前記光検出部は、前記レーザ光源から出射されるレーザパルスの発光間隔を規定する第1のクロック信号と前記第1のクロック信号よりも短い周期の第2のクロック信号とを発生し、前記第2のクロック信号の出力タイミングを遅延可能な制御部と、前記ストークス光及び前記反ストークス光の強度から前記ストークス光及び前記反ストークス光が発生した位置の温度を演算する温度演算部と、前記第2のクロック信号に同期したタイミングで前記ストークス光及び前記反ストークス光を前記温度演算部に伝達する同期回路と、前記第2のクロックの周期に応じて前記光ファイバの長さ方向に一定の間隔で設定される測定ポイントの数をカウントする測定ポイント数検出部とを備え、前記制御部は、前記測定ポイント数検出部の出力により前記光ファイバの切断の有無を検出し、前記光ファイバの切断を検出すると、前記測定ポイントのうち切断箇所に最も近い測定ポイントを特定し、前記第2のクロック信号の発生タイミングを前記測定ポイント数検出部により検出される測定ポイントの数が変化するまで遅延して切断箇所を特定し、前記切断箇所に最も近い測定ポイントの位置から前記切断箇所までの長さを演算する温度測定システムが提供される。
光ファイバを用いた温度測定装置では、所定のクロック信号に同期したタイミングでストークス光及び反ストークス光を取り込んで光ファイバの各測定ポイントの温度を測定する。測定ポイントの位置はクロック信号の周期により決定され、測定ポイントの数は光ファイバの長さに関係する。従って、測定ポイントの数の変化(減少)を監視することにより、光ファイバの切断を検知することができる。
上記一観点に係る温度測定装置では、光ファイバの切断を検知した場合に、測定ポイントの数をカウントし、切断箇所に最も近い測定ポイントを確定する。その後、ストークス光及び反ストークス光の取り込みに使用するクロック信号を徐々に遅延し、測定ポイントの数の変化を監視する。切断箇所に最も近い測定ポイントから切断箇所までの距離に対応する時間だけクロック信号を遅延すると、測定ポイントの数が1だけ減少する。これにより、切断箇所が特定され、切断箇所に最も近い測定ポイントから切断箇所までの距離が判明する。
温度測定装置に接続された光ファイバに他の光ファイバを接続する場合、両方の測定ポイントの位置を整合させる必要がある。上述したようにして既設の光ファイバの測定ポイントから切断箇所までの距離が判明すれば、増設する光ファイバの切断位置を決定することができる。これにより、光ファイバの増設後に加熱装置を用いて測定ポイントの位置を補正する作業が不要になる。
以下、実施形態について添付の図面を参照して説明する。
図1は光ファイバを用いた温度測定システムの概要を示す模式図である。また、図2は後方散乱光のスペクトルを示す図、図3は光検出器26で検出されるラマン散乱光の強度の時系列分布を示す図である。
図1に示すように、温度測定装置20は、レーザ光源21と、レンズ22a,22bと、ビームスプリッタ23と、光ファイバ24と、波長分離部25と、光検出器26とを有している。
レーザ光源21からは、所定のパルス幅(例えば10nsec)のレーザ光が一定の周期で出力される。このレーザ光は、レンズ22a、ビームスプリッタ23及びレンズ22bを通って光ファイバ24の光源側端部から光ファイバ24内に進入する。なお、図1において、24aは光ファイバ24のコアを示し、24bは光ファイバ24のクラッドを示している。
光ファイバ24内に侵入した光の一部は、光ファイバ24を構成する分子により後方散乱される。後方散乱光には、図2に示すように、レイリー(Rayleigh)散乱光と、ブリルアン(Brillouin)散乱光と、ラマン(Raman)散乱光とが含まれる。レイリー散乱光は入射光と同一波長の光であり、ブリルアン散乱光及びラマン散乱光は入射波長からシフトした波長の光である。
ラマン散乱光には、入射光よりも長波長側にシフトしたストークス光と、入射光よりも短波長側にシフトした反ストークス光とがある。ストークス光及び反ストークス光のシフト量は、レーザ光の波長や光ファイバ24を構成する物質等に依存するが、通常50nm程度である。また、ストークス光及び反ストークス光の強度はいずれも温度により変化するが、ストークス光は温度による変化量が小さく、反ストークス光は温度による変化量が大きい。すなわち、ストークス光は温度依存性が小さく、反ストークス光は温度依存性が大きいということができる。
これらの後方散乱光は、図1に示すように、光ファイバ24を戻って光源側端部から出射する。そして、レンズ22bを透過し、ビームスプリッタ23により反射されて、波長分離部25に進入する。
波長分離部25は、波長に応じて光を透過又は反射するビームスプリッタ31a,31b,31cと、特定の波長の光のみを透過する光学フィルタ33a,33b,33cと、光学フィルタ33a,33b,33cを透過した光をそれぞれ光検出器26の受光部26a,26b,26cに集光する集光レンズ34a,34b,34cとを有している。
波長分離部25に入射した光は、ビームスプリッタ31a,31b,31c及び光学フィルタ33a,33b,33cによりレイリー散乱光、ストークス光及び反ストークス光に分離され、光検出器26の受光部26a,26b,26cに入力される。その結果、受光部26a,26b,26cからはレイリー散乱光、ストークス光及び反ストークス光の強度に応じた信号が出力される。光検出器26はその内部にマイクロコンピュータを有しており、プログラムに従い受光部26a,26b,26cから出力された信号を処理して、光ファイバ24の所望の位置の温度を算出する。光検出器26の構成については後述する。
なお、光検出器26に入力される後方散乱光のパルス幅は光ファイバ24の長さに関係する。このため、レーザ光源21から出力されるレーザパルスの間隔は、各レーザパルスによる後方散乱光が重ならないように設定される。また、レーザ光のパワーが高すぎると誘導ラマン散乱状態になって正しい計測ができなくなる。このため、誘導ラマン散乱状態にならないようにレーザ光源21のパワーを制御することが重要である。
ところで、光ファイバ24内で発生した後方散乱光は、光ファイバ24を戻る間に減衰する。そのため、後方散乱が発生した位置における温度を正しく評価するためには、光の減衰を考慮することが必要である。
図3は、横軸に時間をとり、縦軸に光検出器の受光部から出力される信号強度をとって、ラマン散乱光の強度の時系列分布の一例を示す図である。光ファイバにレーザパルスを入射した直後から一定の間、光検出器にはストークス光及び反ストークス光が検出される。光ファイバの全長にわたって温度が均一の場合、レーザパルスが光ファイバに入射した時点を基準とすると、信号強度は時間の経過とともに減少する。この場合、横軸の時間は光ファイバの光源側端部から後方散乱が発生した位置までの距離を示しており、信号強度の経時的な減少は光ファイバによる光の減衰を示している。
光ファイバの長さ方向にわたって温度が均一でない場合、例えば長さ方向に沿って高温部及び低温部が存在する場合は、ストークス光及び反ストークス光の信号強度は一様に減衰するのではなく、図3に示すように信号強度の経時変化を示す曲線に山及び谷が現れる。図3において、ある時間tにおける反ストークス光の強度をI1、ストークス光の強度をI2とする。
図4は、図3のラマン散乱光の強度の時系列分布を基にI1/I2比を時間毎に計算し、且つ図3の横軸(時間)を距離に換算し、縦軸(信号強度)を温度に換算した結果を示す図である。この図4に示すように、反ストークス光とストークス光との強度比(I1/I2)を計算することにより、光ファイバの長さ方向における温度分布を測定することができる。
なお、後方散乱が発生した位置におけるラマン散乱光(ストークス光及び反ストークス光)の強度は温度により変化するが、レイリー散乱光の強度の温度依存性は無視することができるほど小さい。従って、レイリー散乱光の強度から後方散乱が発生した位置を特定し、その位置に応じて光検出器で検出したストークス光及び反ストークス光の強度を補正することが好ましい。
本実施形態では、温度測定装置として、ダブルループ(ダブルエンド)方式の光ファイバ検出器を使用する。図5は、ダブルループ方式の光ファイバ検出器を示す模式図である。なお、図5において、測定装置本体40は図1に示す温度測定装置20に対応し、温度測定装置20と同様の構成を有している。
ダブルループ方式の光ファイバ検出器では、この図5に示すように、測定装置本体40と光ファイバ24との間に光スイッチ37が設けられている。光スイッチ37の一方の側には光ファイバ接続部が1つだけ設けられており、測定装置本体40と光ファイバ36で接続される。また、光スイッチ37の他方に側には光ファイバ接続部が2つ設けられており、これら2つの光ファイバ接続部には光ファイバ24の両端が接続される。
光スイッチ37は、測定装置本体40から出力される光スイッチ切替え信号に応じて、測定装置本体40と光ファイバ24のそれぞれの端部との間を高速でスイッチングする。ここでは、説明の便宜上、光ファイバ24の一方の端部が接続される光ファイバ接続部をCh1、光ファイバ24の他方の端部が接続される光ファイバ接続部をCh2と呼ぶ。
例えば、あるタイミングでは、測定装置本体40のレーザ光源(図1参照)から出射されたレーザパルスが、光スイッチ37を介して光ファイバ24の一方の端部(Ch1)から光ファイバ24内に入射する。そして、光ファイバ24内で後方散乱された光は、光ファイバ24の一方の端部(Ch1)から光スイッチ37を介して測定装置本体40に入射し、測定装置本体40内の光検出器(図1参照)で検出される。
また、別のタイミングでは、測定装置本体40のレーザ光源から出射されたレーザパルスが、光スイッチ37を介して光ファイバ24の他方の端部(Ch2)から光ファイバ24内に入射する。そして、光ファイバ24内で後方散乱された光は、光ファイバ24の他方の端部(Ch2)から光スイッチ37を介して測定装置本体40に入射し、測定装置本体40内の光検出器で検出される。
図6はダブルループ方式の光ファイバ検出器を用いた温度分布の測定例を示しており、光ファイバの特定の1箇所のみが加熱されている場合を示している。なお、図6において、横軸は光ファイバ検出器で認識される測定ポイントを示している。光ファイバ検出器では、光ファイバの長さ方向に沿って一定の間隔毎に測定ポイントが認識される。
この図6に示すように、Ch1から光ファイバ24にレーザパルスを入射した場合と、Ch2から光ファイバ24にレーザパルスを入射した場合とでは、温度分布のピーク位置が一致しないことがある。測定装置本体40内では、ピーク位置が一致するように測定ポイントの位置の補正を行う。
ダブルループ方式の光ファイバ検出器では、光ファイバが何らかの原因で切断されても、温度分布の測定を継続できるという利点がある。
図7は、図1に示す光検出器26の主要部の構成を示すブロック図である。この図7に示すように、光検出器26は、制御部41、同期回路(ウインドウ)43a,43b、温度演算部44及び測定ポイント数検出部45を有している。
制御部41は、レーザ光源21に対しレーザパルスの間隔を規定する発光クロック信号(第1のクロック信号)を発生するとともに、光スイッチ37をスイッチングさせる光スイッチ切替え信号や、ストークス光及び反ストークス光のサンプリング時間を決定するクロックST信号及びクロックAST信号(第2のクロック信号)等を発生する。なお、制御部41にはクロックST信号及びクロックAST信号を出力するタイミングを変更(遅延)する遅延部42a,42bが設けられている。この遅延部42a,42bは、後述するように光ファイバの接続(増設モード)のときに使用する。
同期回路43aは、クロックST信号に同期したタイミングでストークス光(受光部26aの出力)を取り込み、温度演算部44に出力する。これと同様に、同期回路43bは、クロックAST信号に同期したタイミングで反ストークス光(受光部26cの出力)を取り込み、温度演算部44に出力する。なお、クロックST信号及びクロックAST信号の周期により見掛け上の測定ポイント(温度測定装置20で認識される測定ポイント)間の間隔が決まる。ここでは、見掛け上の測定ポイント間の間隔が50cmとなるようにクロックST信号及びクロックAST信号の周期が設定されているものとする。
温度演算部44は、同期回路42,43から出力される信号の強度比、すなわちストークス光と反ストークス光との強度比(I1/I2)を演算し、更にその演算結果を基にストークス光及び反ストークス光が発生した位置の温度を演算により求める。温度演算部44で求めた温度は、制御部41に出力される。
制御部41は、発光クロック信号を出力する発生タイミングとクロックST信号及びクロックAST信号を出力するタイミングとの時間差からストークス光及び反ストークス光が発生した位置(すなわち、見掛け上の測定ポイントの位置)を特定し、その位置に関連付けて温度演算部44で求めた温度を記憶する。このようにして、制御部41には各測定ポイント(見掛け上の測定ポイント)毎の温度が記憶される。
温度演算部44は、クロックST信号及びクロックAST信号に同期したタイミングで取り込んだストークス光及び反ストークス光の強度があるレベル以上のときは、上述したように温度を演算するとともに、測定ポイント数検出部45に測定ポイント検出信号を出力する。しかし、ストークス光及び反ストークス光の強度があるレベルよりも低い場合は、温度の演算を中止し、測定ポイント検出信号を出力しない。
測定ポイント数検出部45は、発光クロック信号の1周期分の時間に温度演算部44から出力される測定ポイント検出信号をカウントし、その結果を測定ポイントの数として制御部41に出力する。
以下、実施形態に係る光ファイバ接続方法について、図8(a),(b)及び図9を参照して説明する。なお、図8(a),(b)では、光スイッチの図示を省略している。
図8(a)は既設の温度測定システムを示しており、既設のラック11と、それらのラック11内を通るように敷設された光ファイバ24と、光ファイバ24が接続された温度測定装置20とを示している。図8(a)に示す既存の温度測定システムでは、温度測定装置20からラック11までの光ファイバ24の長さ、各ラック11内の光ファイバ24の長さ、及び各ラック11間の光ファイバ24の長さが、ラック11内の温度を測定すべき測定ポイント(実際の測定ポイント)の位置と温度測定装置20により認識される測定ポイント(見掛け上の測定ポイント)の位置とが一致するように設定されている。
ここでは、図8(a)のように複数列に配置されたラック11を通るように敷設された光ファイバ24の一部を切断し、図8(b)に示すように1列分追加されたラック51に敷設された光ファイバ54と接続する場合について説明する。なお、増設する光ファイバ54の端部近傍には基準マーカ53が設けられている。基準マーカ53から各ラック51内の測定ポイント(実際の測定ポイント)の位置までの距離(光ファイバ54の長さ)は温度測定装置20(クロックST信号及びクロックAST信号の周期)に応じて設定されている。すなわち、増設する光ファイバ54の基準マーカ53の位置を既設の光ファイバ24の測定ポイント(見掛け上の測定ポイント)の位置に整合するように、光ファイバ24と光ファイバ54とを接続する必要がある。
図9は温度測定装置の動作を示すフローチャートである。
データセンターの室内の温度分布を測定する場合、温度測定装置20は通常モードで運転される(ステップS11)。通常モードでは、温度測定装置20は、前述したようにレーザパルスを発光した後、クロックST信号及びクロックAST信号に同期したタイミングでストークス光及び反ストークス光を取り込み、各測定ポイントの温度を演算する。このとき同時に、温度測定装置20では測定ポイント数検出部45において測定ポイントの数をカウントし、その結果に基づいて光ファイバ24の断線の有無を判定する。すなわち、何らかの原因により光ファイバ24が断線すると、温度測定装置20で認識される測定ポイントの数が減少する。通常モードで運転中に測定ポイントの数の減少を検出すると、温度測定装置20は例えば警報を発生して、オペレータに光ファイバ24の断線を知らせる。
図8(b)に示すようにラック11の増設を行う場合、オペレータは、温度測定装置20の設定を通常モードから増設モードに変更する(ステップS12)。その後、オペレータは、既設の光ファイバ24を例えば図8(a)中の×印で示す部分で切断する(ステップS13)。
光ファイバ24が切断されると、測定ポイントの数が変化(減少)するので、温度計測装置20では光ファイバ24が切断されたことを検知できるとともに、光ファイバ24が切断されたおおよその位置を判断することができる。増設モードで光ファイバ24の切断を検出すると、温度測定装置20は、光ファイバ切断後の測定ポイントの数をカウントして記憶する。ここでは、光ファイバ切断後の測定ポイントの数をN個とする。この場合N番目の測定ポイントが切断箇所に最も近い測定ポイントとなる(ステップS14)。
次に、温度計測装置20は、遅延部42a,42bを用いてクロックST信号及びクロックAST信号を出力するタイミングを1遅延時間(例えば5cmに相当する時間τ)だけ遅らす(ステップS15)。そして、光ファイバ24にレーザパルスを入射し、測定ポイント数検出部45で測定ポイントの数をカウントする(ステップS16)。測定ポイントの数に変化がない場合は、クロックST信号及びクロックAST信号を出力するタイミングを更に1遅延時間(合計2τ)分遅らして、測定ポイントの数をカウントする。このようにして、温度測定装置20は、測定ポイントの数が変化するまでクロックST信号及びクロックAST信号を出力するタイミングをτずつ遅延させ、切断箇所を特定する(ステップS17)。
図10に示すように、クロックST信号及びクロックAST信号を出力するタイミングをτずつ変化させることにより、温度測定装置20で認識されるN番目の測定ポイントの位置は本来の位置から徐々に遠くなる。但し、温度測定装置20で認識されるN番目の測定ポイントの位置が切断箇所(×印で示す)よりも内側にある場合は、測定ポイント数検出部45で検出される測定ポイントの数は変化しない。
一方、温度測定装置20で認識されるN番目の測定ポイントの位置が切断箇所を超えると、温度測定装置20(測定ポイント数検出部45)でカウントされる測定ポイントの数が1つ減少する。ここでは、4回目の遅延により測定ポイントの数が減少したものとする。この場合、本来のN番目の測定ポイント(実際の測定ポイント)の位置から切断箇所までの長さ(余長)は、15cmから20cmまでの間にあると考えることができる。温度測定装置10は、その中間の長さ(すなわち17.5cm)を推定余長とする(ステップS18)。この場合、推定余長と実際の余長との誤差Δは±2.5cm以内となる。
このようにして切断箇所を推定した後、温度測定装置20は、光ファイバ54の切断位置、すなわち基準マーカ53から切断位置までの長さを計算する(ステップS19)。この例では、図11に示すように光ファイバ24のN番目の測定ポイントから切断箇所までの長さ(余長)が17.5cmであり、温度測定装置20により決まる測定ポイント間の距離が50cmであるので、光ファイバ54の基準マーカ53から光ファイバ54の切断位置までの長さを32.5cm(=50cm−17.5cm)とすればよいことがわかる。但し、実際には融着作業によるロス分(端面カットによるロス分等)が数mmから数cm必要であり、その分を考慮して切断位置を決定してもよい。
温度測定装置20は、例えば表示部(図示せず)に光ファイバ54の基準マーカ53から切断位置までの長さ(計算結果)を表示する。オペレータは、この表示に従って光ファイバ54を切断し、図12に示すように融着等の方法により既設分の光ファイバ24と接合する(ステップS20)。なお、図12において、符号57は光ファイバ24と光ファイバ54との接続部を示している。光ファイバ54の他方の端部も、上記と同様にして既設の光ファイバ24と接続する。
上述したように、本実施形態に係る温度測定システムでは、温度測定装置20により光ファイバ24の余長を自動的に検出し、その結果から光ファイバ54の切断位置を算出してオペレータに知らせる。そのため、オペレータは温度測定装置20の指示に応じて光ファイバ54を切断し、光ファイバ24と融着等の方法により接続すればよい。これにより、実際の測定ポイントの位置と温度測定装置20で認識される測定ポイントの位置とのずれが防止でき、加熱装置を用いた測定ポイントの補正等の作業が不要であり、光ファイバの接続作業が容易になるという効果を奏する。
なお、温度測定装置で測定した各測定ポイントの温度は、測定ポイント毎に固有の番地(又はIDコード等:以下、単に「番地」という)に関連付けて管理される。この番地により、対象とする測定ポイントの位置(どのラックのどの位置に配置された測定ポイントか)を容易に知ることができる。
上述の増設モードの場合、新たな測定ポイントに単に新たな番地を付与するのではなく、例えば新たな測定ポイントの番地が既存の測定ポイントの番地に続くように(すなわち、光ファイバの長さ方向に沿って連番となるように)番地の付け直しを行うことが好ましい。このように番地の付け直しを行うことにより、ラックが配置された位置と番地との関係を単純明確化することができる。
また、このような増設ではなく、事故等により切断された光ファイバを修復する場合、上述の実施形態により光ファイバ長を調節して修復を行うと、測定ポイントが例えば1つ消失する。この場合、各測定ポイントの番地を連番となるように付け直すことも考えられるが、そうすると後でどの個所を修復したのかがわからなくなってしまう。従って、光ファイバの修復により測定ポイントが消失した場合は、消失した測定ポイントの番地を空き番地として残しておくことが好ましい。これにより、どの測定ポイントが消失したのかをオペレータが容易に把握することができる。また、番地とは別にどの測定ポイントが消失したのかの履歴を残す必要がないため、保存データ量を削減することもできる。
図1は、光ファイバを用いた温度測定システムの概要を示す模式図である。 図2は、後方散乱光のスペクトルを示す図、 図3は、光検出器で検出されるラマン散乱光の強度の時系列分布を示す図である。 図4は、図3のラマン散乱光の強度の時系列分布を基にI1/I2比を時間毎に計算し、且つ図3の横軸(時間)を距離に換算し、縦軸(信号強度)を温度に換算した結果を示す図である。 図5は、ダブルループ方式の光ファイバ検出器を示す模式図である。 図6は、ダブルループ方式の光ファイバ検出器を用いた温度分布の測定例を示す図である。 図7は、光検出器の主要部の構成を示すブロック図である。 図8(a)は既設の温度測定システムを示す図であり、図8(b)は増設するラックに敷設された光ファイバを示す図である。 図9は、温度測定装置の動作を示すフローチャートである。 図10は、切断箇所を特定する過程を示す模式図である。 図11は、増設する光ファイバの切断位置の決定方法を示す模式図である。 図12は、既設光ファイバと接続された増設光ファイバを示す模式図である。
符号の説明
11…ラック、20…温度測定装置、21…レーザ光源、22a,22b…レンズ、23…ビームスプリッタ、24…光ファイバ、25…波長分離部、26…光検出器、26a,26b,26c…受光部、31a,31b,31c…ビームスプリッタ、33a,33b,33c…光学フィルタ、34a,34b,34c…集光レンズ、36…光ファイバ、37…光スイッチ、40…測定装置本体(温度測定装置)、41…制御部、42a,42b…遅延部、43a,43b…同期回路、44…温度演算部、45…測定ポイント数検出部、51…ラック、53…基準マーカ、54…光ファイバ。

Claims (7)

  1. レーザパルスを発生するレーザ光源と
    前記レーザ光源で発生したレーザパルスが導入される光ファイバと、
    前記光ファイバ内で発生したストークス光及び反ストークス光を入力する光検出部とを有し、
    前記光検出部は、
    前記レーザ光源から出射されるレーザパルスの発光間隔を規定する第1のクロック信号と前記第1のクロック信号よりも短い周期の第2のクロック信号とを発生し、前記第2のクロック信号の出力タイミングを遅延可能な制御部と、
    前記ストークス光及び前記反ストークス光の強度から前記ストークス光及び前記反ストークス光が発生した位置の温度を演算する温度演算部と、
    前記第2のクロック信号に同期したタイミングで前記ストークス光及び前記反ストークス光を前記温度演算部に伝達する同期回路と、
    前記第2のクロックの周期に応じて前記光ファイバの長さ方向に一定の間隔で設定される測定ポイントの数をカウントする測定ポイント数検出部とを備え、
    前記制御部は、前記測定ポイント数検出部の出力により前記光ファイバの切断の有無を検出し、
    前記光ファイバの切断を検出すると、前記測定ポイントのうち切断箇所に最も近い測定ポイントを特定し、
    前記第2のクロック信号の発生タイミングを前記測定ポイント数検出部により検出される測定ポイントの数が変化するまで遅延して切断箇所を特定し、
    前記切断箇所に最も近い測定ポイントの位置から前記切断箇所までの長さを演算することを特徴とする温度測定システム。
  2. 前記制御部は、前記光ファイバの切断箇所と前記測定ポイント間の間隔とから、前記光ファイバに接続する他の光ファイバの切断位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の温度測定システム。
  3. 前記他の光ファイバには、その長さ方向に沿って設定される測定ポイントの位置の基準となる基準マーカが設けられており、前記制御部は前記基準マーカから切断位置までの距離を算出することを特徴とする請求項2に記載の温度測定システム。
  4. 前記光ファイバの両端が光スイッチに接続され、該光スイッチは前記レーザ光源及び前記光検出部と前記光ファイバの両端との間の光接続を一定の周期で切替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の温度測定システム。
  5. 第1の光ファイバにレーザパルスを導入し、前記第1の光ファイバ内で発生するストークス光及び反ストークス光の強度により前記ストークス光及び反ストークス光が発生した位置の温度を演算する温度測定装置の光ファイバ接続方法において、
    前記温度測定装置は、前記第1の光ファイバが切断されると前記ストークス光及び前記反ストークス光の取り込みに用いるクロックの周期により決まる測定ポイントのうち切断箇所に最も近い測定ポイントを特定するとともに、測定ポイントの数をカウントし、
    次に、前記測定ポイントの数が変化するまで前記ストークス光及び前記反ストークス光を取り込むタイミングを順次ずらして前記第1の光ファイバの切断箇所を特定し、
    次に、前記切断箇所に最も近い測定ポイントから前記第1の光ファイバの切断箇所までの距離を演算し、その結果に基づいて前記第1の光ファイバに接続する第2の光ファイバの基準マーカの位置から前記第2の光ファイバを切断する位置までの長さを算出してオペレータに知らせ、
    前記オペレータが前記温度測定装置の知らせに基づいて前記第2の光ファイバを切断し、前記第1の光ファイバと接続することを特徴とする光ファイバ接続方法。
  6. 前記第1の光ファイバの各測定ポイントには長さ方向に沿って順番に番地が付与されており、前記第2の光ファイバの接続後に光ファイバの長さ方向に沿って順番に番地の付け直しを行うことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバの接続方法。
  7. 前記第1及び第2の光ファイバの各測定ポイントには番地が付与されており、前記第1及び第2の光ファイバの接続により消失した測定ポイントの番地は空き番地として残すことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバの接続方法。
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