JP2018022101A - 評価装置、評価方法、及びコンバイナ - Google Patents

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Abstract

【課題】コンバイナの熱信頼性を評価する評価装置を提供する。【解決手段】評価装置の制御部60は、出力が第1の値P1である場合に、開口数の値NA及びクラッドモード除去(CMS)区間の第1の温度T1を取得する第1の取得部62と、出力が第2の値P2である場合にCMS区間の第2の温度T2を取得する第2の取得部63と、値P1,P2及び温度T1,T2に基づいて温度上昇係数の値CTを算出する算出部64と、温度上昇係数の値CTと開口数の値NAとに対応する点が帯状領域R1に含まれているか否かによって熱信頼性の良否を判定する判定部65とを含んでいる。【選択図】図3

Description

本発明は、コンバイナの熱信頼性を評価する評価装置及び評価方法に関する。また、自身の熱信頼性を評価する機能を有するコンバイナに関する。
複数台のレーザ装置の各々から出射されるレーザ光を1つの出射光にまとめるコンバイナが知られている。例えば特許文献1には、入射ファイバ束を構成する複数の光ファイバ(特許文献1における「入力用光ファイバ」)と、テーパ部を有する縮径部(特許文献1における「ブリッジファイバ」)と、複数(7本)の光ファイバと縮径部との間に介在するGIファイバ(特許文献1における「発散角低減部材」)と、出射ファイバ(特許文献1における「出力用光ファイバ」)と、を備えたコンバイナ(特許文献1における「光ファイバコンバイナ」)が記載されている(特許文献1の図1)。
このようなコンバイナは、例えばレーザ加工機(レーザシステム)の出力コンバイナに好適に用いることができる。レーザ加工機は、複数台のレーザ装置の各々から出射されるレーザ光を、このようなコンバイナを用いて1つの出射光にまとめることによって、1台のレーザ装置では得ることができない高出力な出射光を得ている。レーザ加工機は、このようにして得られた出射光を用いて高出力を要する加工用途、例えば、切断や溶接などに用いられている。
特開2013−190714号公報(2013年9月26日公開)
上述のようなコンバイナを備えたレーザ加工機の加工精度は、コンバイナから出射される出射光のビーム品質、換言すれば、出射光の開口数に大きく依存する。なお、出射光の開口数の値NAは、NA=sinθd(θd:出射光の発散角)で与えられる。したがって、コンバイナ製造の最終段階において、製造者は、各コンバイナの出射光の開口数を評価する。製造者は、出射光の開口数が基準を満たしたコンバイナを製品として出荷する。
しかし、本願の発明者らは、開口数に関する基準を満たしたコンバイナの中に、熱信頼性が低いコンバイナが混入している場合があることを見出した。熱信頼性の低いコンバイナは、良品とは呼べないコンバイナの一例であり、定格出力以下の出力で運用を続けた場合であっても、所定の運用期間を迎える前に所定の性能を発揮することができなくなる虞がある。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高出力な出射光を得られるコンバイナの熱信頼性を評価する評価装置及び評価方法を提供することである。また、その目的は、自身の熱信頼性を評価する機能を有するコンバイナを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る評価装置は、コンバイナの熱信頼性を評価する評価装置であって、評価対象であるコンバイナの入射ポートに結合されるレーザ装置と、前記コンバイナの出射ポートに結合されるクラッドモード除去区間(CMS区間)と、前記コンバイナからの出射光の出力及び前記出射光の開口数を検出する光検出器と、前記CMS区間の温度を測定する温度計と、前記レーザ装置を制御し、前記光検出器から前記出射光の出力及び前記出射光の開口数を取得し、且つ、前記温度計から前記CMS区間の温度を取得する制御部と、を備えている。
前記制御部は、前記出力が第1の値P1となるように前記レーザ装置を制御したうえで、前記光検出器から前記開口数の値NAを取得すると共に、前記温度計から前記CMS区間の第1の温度T1を取得する第1の取得部と、前記出力が第2の値P2となるように前記レーザ装置を制御したうえで、前記温度計から前記CMS区間の第2の温度T2を取得する第2の取得部と、前記第1の値P1、前記第1の温度T1、前記第2の値P2、及び前記第2の温度T2に基づいて温度上昇係数の値CT=(T1−T2)/(P1−P2)を算出する算出部と、前記温度上昇係数と前記開口数とにより定められるパラメータ空間において、前記温度上昇係数の値CTと前記開口数の値NAとに対応する点が所定の帯状領域に含まれているか否かによって熱信頼性の良否を判定する判定部と、を含んでいる。
上記の構成によれば、出射ファイバを伝播する光の出力を第1の値から第2の値に変化させた場合に生じるCMS区間の温度変化を観測する。その結果として得られる温度上昇係数の値CTと、前記第1の値に対応する開口数NAとを併せて用いることによって、評価対象であるコンバイナの熱信頼性の良否を評価することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る評価方法は、コンバイナの熱信頼性を評価する評価方法であって、評価対象であるコンバイナの出射ポートに、クラッドモード除去区間(CMS区間)を結合する結合工程と、前記コンバイナからの出射光の出力が第1の値P1である場合に、前記出射光の開口数の値NAと前記CMS区間の第1の温度T1とを測定する第1の測定工程と、前記出力が第2の値P2である場合に、前記CMS区間の第2の温度T2を測定する第2の測定工程と、前記第1の値P1、前記第1の温度T1、前記第2の値P2、及び前記第2の温度T2に基づいて温度上昇係数の値CT=(T1−T2)/(P1−P2)を算出する算出工程と、前記温度上昇係数と前記開口数とにより定められるパラメータ空間において、前記温度上昇係数の値CTと前記開口数の値NAとに対応する点が所定の帯状領域に含まれているか否かによって熱信頼性の良否を判定する判定工程と、を含んでいる。
上記の構成によれば、本発明の一態様に係る評価方法は、上述した評価装置と同様の効果を有する。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンバイナは、自身の熱信頼性を評価する機能を有するコンバイナであって、複数の入射ファイバからなる入射ファイバ束と、出射ファイバと、入射端面、及び、当該入射端面よりも面積が狭い出射端面を有し、前記入射端面に前記入射ファイバ束が結合され、且つ、前記出射端面に前記出射ファイバが結合された縮径部と、前記出射ファイバの出射端面に結合されたクラッドモード除去区間(CMS区間)と、前記CMS区間からの出射光の出力及び前記出射光の開口数を検出する光検出器と、前記CMS区間の温度を測定する温度計と、前記光検出器から前記出射光の出力及び前記出射光の開口数を取得し、且つ、前記温度計から前記CMS区間の温度を取得する制御部と、を備えている。
前記制御部は、前記出力が第1の値P1である場合に、前記光検出器から前記開口数の値NAを取得すると共に、前記温度計から前記CMS区間の第1の温度T1を取得する第1の取得部と、前記出力が第2の値P2である場合に、前記温度計から前記CMS区間の第2の温度T2を取得する第2の取得部と、前記第1の値P1、前記第1の温度T1、前記第2の値P2、及び前記第2の温度T2に基づいて温度上昇係数の値CT=(T1−T2)/(P1−P2)を算出する算出部と、前記温度上昇係数と前記開口数とにより定められるパラメータ空間において、前記温度上昇係数の値CTと前記開口数の値NAとに対応する点が所定の帯状領域に含まれているか否かによって熱信頼性の良否を判定する判定部と、を含んでいる。
上記の構成によれば、本発明の一態様に係るコンバイナは、上述した評価装置と同様の効果を有し、自身の熱信頼性を評価することができる。
また、本発明の一態様に係る評価装置において、前記CMS区間は、前記コンバイナの前記出射ポートに結合された光ファイバの一部区間に形成されており、前記光ファイバのコアの直径は、前記コンバイナの前記出射ポートのコアの直径以上である、ことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る評価方法において、前記CMS区間は、前記コンバイナの前記出射ポートに結合された光ファイバの一部区間に形成されており、前記光ファイバのコアの直径は、前記コンバイナの前記出射ポートのコアの直径以上である、ことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る評価方法において、前記CMS区間は、前記出射ファイバの前記出射端面に結合された光ファイバの一部区間に形成されており、前記光ファイバのコアの直径は、前記コンバイナの前記出射ファイバのコアの直径以上である、ことが好ましい。
これらの構成によれば、出射ファイバのクラッド領域への漏れ光発生のリスクを軽減できるため、光ファイバを伝播する光の全出力に対するクラッドモードの出力の割合を低減することができる。したがって、CMS区間の過剰な発熱を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る評価装置、評価方法、及びコンバイナの何れかにおいて、前記CMS区間は、前記光ファイバの前記一部区間の側面を樹脂層により覆うことによって形成されており、前記樹脂層を構成する樹脂の屈折率は、前記光ファイバのクラッドの屈折率よりも高い、ことが好ましい。
上記の構成によれば、クラッドモード光を効率よく樹脂層外部へ拡散できるため、CMS区間が光を熱に変換するクラッドモードの割合を高めることができる。
本発明は、高出力な出射光を得られるコンバイナの熱信頼性を評価する評価装置及び評価方法を提供することができる。また、自身の熱信頼性を評価する機能を有するコンバイナを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る評価装置のブロック図である。 図1に示した評価装置が備えているフィードファイバに挿入されたCMS区間の斜視図である。 図1に示した評価装置が備えている制御部の機能ブロック図である。 図2に示した制御部が含む算出部が算出する温度上昇係数を示すグラフである。 図2に示した制御部が含む判定部が用いるパラメータ空間を示すグラフである。 図1に示した評価装置を用いて評価するコンバイナの斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る評価方法のフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るコンバイナのブロック図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る評価装置10について、図1〜図6を参照して説明する。評価装置10は、高出力な出射光を得ることができるコンバイナの熱信頼性を評価するものである。
図1は、評価装置10の構成を示すブロック図である。図1には、評価対象であるコンバイナ110を併せて示している。図2は、評価装置10が備えているクラックモード除去区間(CMS区間)の斜視図である。図3は、評価装置10が備えている制御部60の機能ブロック図である。図4は、制御部60が含む算出部64が算出する温度上昇係数の値CTを示すグラフである。図5は、制御部60が含む判定部65が用いるパラメータ空間を示すグラフ(散布図)である。図6は、評価対象であるコンバイナ110の斜視図である。
〔コンバイナ110の概要〕
評価装置10の説明に先駆けて、熱信頼性を評価されるコンバイナ110について簡単に説明する。詳しくは、図6を参照して後述する。
図1に示すように、コンバイナ110は、入射ファイバ束112と出射ファイバ113とを備えている。入射ファイバ束112は、複数の入射ファイバ(本実施形態では7本のフューモードファイバ(FMF)121〜127)により構成されている。以下において、各FMF121〜127の入射端面のことをコンバイナ110の入射ポートとも称し、出射ファイバ113の出射端面のことを出射ポートとも称する。
コンバイナ110は、例えば、複数のファイバレーザ装置を備えたレーザ加工機の出力コンバイナとして好適に利用することができる。コンバイナ110は、複数のFMF121〜127の各々に結合された光(出力コンバイナにとっての複数の入射光)を1つにまとめることによって高い出力を有する出射光を生成する。
〔評価装置10の構成〕
図1に示すように、評価装置10は、CMS区間21と、サーマルセンサ30と、温度計であるサーモビューワ40と、ファイバレーザ装置50と、制御部60とを備えている。
(CMS区間21)
図2に示すように、CMS区間21は、フィードファイバ20(請求の範囲に記載の光ファイバ)の一部(本実施形態では中間)に形成されている。本実施形態では、フィードファイバ20として石英ガラス製のマルチモードファイバを採用している。フィードファイバ20の入射端面は、後述する出射ファイバ113(図6参照)の出射端面に接続されている。フィードファイバ20は、出射ファイバ113からの出射光(コンバイナ110からの出射光)を所望の場所へ導く。
CMS区間21は、フィードファイバ20の一部区間の側面22を樹脂層23により覆うことによって形成されている。
このように構成されたCMS区間21は、フィードファイバ20のクラッドを伝播する光のクラッドモードの一部を熱に変換し、フィードファイバ20の外部へ散逸させる機能、すなわち、排熱機能を有する。そのため、CMS区間21は、上述したクラッドモードの出力の大きさに応じて発熱する。すなわち、フィードファイバ20を伝播する光の出力に対するクラッドモードの出力の割合が高まれば高まるほどCMS区間21の温度は上昇する。
フィードファイバ20の一方の端面である入射端面は、コンバイナ110の評価を実施するのに先だって、コンバイナ110の出射ファイバ113の出射端面に結合(本実施形態では融着)される。換言すれば、コンバイナ110の評価を実施する時には、CMS区間21は、フィードファイバ20を介してコンバイナ110の出射ポートに結合されている。フィードファイバ20の他方の端面である出射端面は、後述するサーマルセンサ30の受光面と対向するように配置されている。
また、フィードファイバ20のコアの直径は、出射ファイバ113のコア113aの直径以上であることが好ましい。
この構成によれば、フィードファイバ20のコア光の出射ファイバ113のクラッド領域への漏れ光量を低減することができる。そのため、フィードファイバ20を伝播する光の出力に対するクラッドモードの出力の割合を低減することができる。したがって、CMS区間21が過剰に発熱することを防止することができる。
また、樹脂層23を構成する樹脂の屈折率は、フィードファイバ20のクラッドの屈折率よりも高いことが好ましい。この構成によれば、クラッドモード光を効率よく樹脂層外部へ拡散できるため、CMS区間21が熱に変換するクラッドモードの割合を高めることができる。
なお、フィードファイバ20の一部区間に形成されたCMS区間21の数は、1つに限定されるものではない。すなわち、フィードファイバ20の中途に複数のCMS区間21が形成されていてもよい。
(サーマルセンサ30)
サーマルセンサ30は、光のエネルギーを熱に変換して検出する光検出器の一態様である。サーマルセンサ30は、図1に図示しない受光面を備えている。サーマルセンサ30は、この受光面で受けた光のエネルギーを熱に変換することによって当該光の出力を検出することができる。サーマルセンサ30は、kWオーダーの高い出力を有する光の出力を検出するために好適に用いることができる。
本実施形態において、サーマルセンサ30は、その受光面がフィードファイバ20の出射端面と対向するように配置されている。したがって、サーマルセンサ30は、フィードファイバ20から出射される出射光の出力を検出することができる。
また、サーマルセンサ30は、受光した出射光のプロファイルを解析することにより、出射光の開口数を求めることができる。出射光の開口数の値NAは、NA=sinθd(θd:出射光の発散角)で与えられる。なお、本明細書において取り扱う出射光の開口数は、86.5%NAとして知られているものである。86.5%NAは、出射光の全出力のうち86.5%の出力が含まれている発散角を用いて算出された開口数であり、ビーム品質の一つの指標値である。
サーマルセンサ30は、出射光の出力の値すなわち出力値Pと、開口数の値NAとを制御部60に供給する。なお、以下において、開口数の値NAのことを単に開口数NAとも記載する。
(サーモビューワ40)
サーモビューワ40は、温度計の一態様である。サーモビューワ40は、図1に図示しない受光素子を備えている。サーモビューワ40は、この受光素子を用いて被測定物から発せられる赤外線を検出することによって、被測定物の温度を測定することができる。
本実施形態において、サーモビューワ40は、その受光素子がCMS区間21の方向を向くように配置されている。したがって、サーモビューワ40は、CMS区間21の温度を測定することができる。
サーモビューワ40は、測定したCMS区間21の温度を制御部60に供給する。
(ファイバレーザ装置50)
ファイバレーザ装置50は、高い出力を有する出射光を出射可能なレーザ装置である。ファイバレーザ装置50の定格出力は、1kWである。
ファイバレーザ装置50は、10個のレーザダイオードLD1〜LD10、ポンプコンバイナ51、高反射ファイバブラッググレーティング(FBG)54、ダブルクラッドファイバ(DCF)52、低反射ファイバブラッググレーティング(FBG)55、電流源56、及びデリバリファイバ53a(請求の範囲に記載の出射ファイバ)により構成されている。なお、レーザダイオードの数は10個に限定されるものではなく、任意である。
各レーザダイオードLD1〜LD10は、ポンプ光を生成するための構成であり、電流源56から供給される駆動電流により駆動される。電流源56は、後述するように制御部60により制御されている。各レーザダイオードLD1〜LD10は、ポンプコンバイナ51の入力ポートに接続されており、各レーザダイオードLD1〜LD10にて生成されたポンプ光は、ポンプコンバイナ51に入力される。
ポンプコンバイナ51は、レーザダイオードLD1〜LD10の各々にて生成されたポンプ光を合波することによって、合成ポンプ光を得るための構成である。ポンプコンバイナ51の出力ポートは、高反射FBG54を介してDCF52に接続されている。ポンプコンバイナ51にて得られた合成ポンプ光は、高反射FBG54を透過した後、DCF52のインナークラッドに入力される。
DCF52は、ポンプコンバイナ51にて合波されたポンプ光をレーザ光に変換するための構成である。DCF52のコアには、Yb等の希土類元素が添加されており、ポンプコンバイナ51にて得られた合成ポンプ光は、この希土類元素を反転分布状態に維持するために利用される。DCF52は、入射端面に接続された高反射FBG54及び出射端面に接続された低反射FBG55と共に共振器を構成している。DCF52のコアにおいては、反転分布状態に維持された希土類元素が誘導放出を繰り返すことにより、レーザ光が生成される。
DCF52の出射端面は、低反射FBG55を介してコンバイナ110の入射ファイバ束112を構成するFMF121〜127の何れか1本(図1に示した状態ではFMF121)に接続されている。DCF52にて生成されたレーザ光のうち、低反射FBG55を透過したレーザ光は、ファイバレーザ装置50に接続されたデリバリファイバ53aに入力され、ひいては、FMF121に入力される。
FMF121に入力された光(コンバイナ110の入射光)は、出射ファイバ113を介してフィードファイバ20の入射端面に結合され、CMS区間を伝播した後に、フィードファイバ20の出射端面から出射される。フィードファイバ20の出射端面から出射された出射光は、サーマルセンサ30の受光面に照射される。
(制御部60)
制御部60は、(1)ファイバレーザ装置50(より詳しくは電流源56)を制御し、(2)サーマルセンサ30から出射光の出力を示す出力値Pと、開口数NAとを取得し、且つ(3)サーモビューワ40から、熱平衡に達した状態のCMS区間21の温度を取得し、(4)コンバイナ110の熱信頼性の良否を判定する機能を有する。以下において、サーモビューワ40を用いて測定する温度は、何れもCMS区間21が熱平衡に達した状態における温度である。
図3に示すように、制御部60は、電流源制御部61、第1の取得部62、第2の取得部63、算出部64、及び判定部65の各機能ブロックを含んでいる。
(電流源制御部61)
電流源制御部61は、ファイバレーザ装置50の電流源56を制御することによって、ファイバレーザ装置50が生成するレーザ光の強度を調節する。
(第1の取得部62)
第1の取得部62は、サーマルセンサ30から取得した出射光の出力値Pが所定の出力値P1(請求の範囲に記載の第1の値P1)と等しくなるように、電流源制御部61を介して電流源56をフィードバック制御する。換言すれば、第1の取得部62は、出力値Pが所定の出力値P1となるようにファイバレーザ装置50を制御する。
なお、出力値P1は、任意に定めることができる。しかし、コンバイナ110がレーザ加工機に搭載された場合に1つの入射ポート(例えばFMF121の入射端面)に入力されるレーザ光の出力に近い値であることが好ましい。レーザ加工機として実際に運用される状態にできるだけ近い状態において、コンバイナ110の熱信頼性を評価することができるためである。
また、第1の取得部62は、出力値Pが出力値P1と等しくなった場合に、サーマルセンサ30から出射光の開口数NAを取得するとともに、サーモビューワ40からCMS区間21の温度の値を取得する。ここで第1の取得部62が取得したCMS区間21の温度の値を第1の温度T1とする。
(第2の取得部63)
第2の取得部63は、出力値Pが出力値P1とは異なる出力値P2(請求の範囲に記載の第2の値P2)と等しくなるように、電流源制御部61を介して電流源56をフィードバック制御する。換言すれば、第2の取得部63は、出力値Pが出力値P2となるようにファイバレーザ装置50を制御する。出力値P2は、出力値P1と異なっていればよい。
また、第2の取得部63は、出力値Pが出力値P2と等しくなった場合に、サーモビューワ40からCMS区間21の温度の値を取得する。ここで第2の取得部63が取得したCMS区間21の温度の値を第2の温度T2とする。
なお、後述する出力値P1における温度上昇係数の値CTをより正確に算出するために、出力値P1と出力値P2との差分ΔPは、1℃以上の差分ΔT(温度T1と温度T2との差分)が得られるように定められていることが好ましい。
(算出部64)
算出部64は、出力値P1、温度T1、出力値P2、及び温度T2に基づいて、以下のように温度上昇係数の値CTを算出する。なお、以下において温度上昇係数の値CTのことを単に温度上昇係数CTとも記載する。
図4に示す点aは、第1の取得部62が取得した出力値P1と温度T1とに対応する点である。図4に示す点bは、第2の取得部63が取得した出力値P2と温度T2とに対応する点である。温度上昇係数CTは、点aと点bとを結ぶ直線の傾きである。すなわち、温度上昇係数CTは、CT=ΔT/ΔP=(T1−T2)/(P1−P2)で定義される。
(判定部65)
判定部65は、第1の取得部62が取得した出射光の開口数NAと、算出部64が算出した温度上昇係数CTとを取得する。
判定部65は、温度上昇係数と開口数とにより定められるパラメータ空間(図5参照)において、温度上昇係数CTと開口数NAとに対応する点が所定の帯状領域に含まれているか否かによって、コンバイナ110の熱信頼性の良否を判定する。
図5に示すパラメータ空間において、帯状領域R1が予め定められている。帯状領域R1は、熱信頼性が基準を満たすことが確認されている複数のコンバイナの温度上昇係数CTと開口数NAとを事前に取得しておくことによって定めることができる。図5に示す点群Aは、熱信頼性が基準を満たすことが確認されている複数のコンバイナを用いて取得した温度上昇係数CTと開口数NAとに対応する点のグループである。
二点鎖線L1は、点群Aの回帰直線である。一点鎖線L2,L3は、二点鎖線L1に平行であり、且つ、点群Aを包含するように定められた直線である。以上のように、温度上昇係数と開口数とにより定められるパラメータ空間において、帯状領域R1は、一点鎖線L2と一点鎖線L3とに挟まれた領域である。
第1の取得部62が取得した開口数NAと、算出部64が算出した温度上昇係数CTとに対応する点が帯状領域R1に含まれている場合、判定部65は、コンバイナ110の熱信頼性を「良」すなわち「基準を満たしている」と判定する。
一方、開口数NAと温度上昇係数CTとに対応する点が帯状領域R1に含まれていない場合(図5に示す点B1や点B2などの場合)、判定部65は、コンバイナ110の熱信頼性を「否」すなわち「基準を満たしていない」と判定する。
以上のように、評価装置10は、高出力な出射光を得られるコンバイナの熱信頼性を評価することができる。
なお、本実施形態では帯状領域R1のことを図5に示した散布図を用いて説明した。しかし、散布図を用いなくても帯状領域R1を定めることは可能である。
一点鎖線L2,L3は、温度上昇係数CTを変数とする関数で表すことができる。ここで、一点鎖線L2を表す関数を関数F(x)、一点鎖線L3を表す関数を関数G(x)とする。すると、帯状領域R1は、関数G(x)以上関数F(x)以下の領域といえる。
判定部65は、(1)取得した温度上昇係数CTを関数F(x)に代入することによってF(CT)を算出し、(2)取得した温度上昇係数CTを関数G(x)に代入することによってG(CT)を算出し、(3)取得した開口数NAがG(CT)以上F(CT)以下の範囲内に含まれるか否かを判定すればよい。
開口数NAがG(CT)以上F(CT)以下の範囲内に含まれる場合、温度上昇係数CTと開口数NAとに対応する点は、帯状領域R1に含まれている。一方、開口数NAがG(CT)以上F(CT)以下の範囲内に含まれていない場合、温度上昇係数CTと開口数NAとに対応する点は、帯状領域R1に含まれていない。
なお、点群Aのうち#1〜#3のプロットは、フィードファイバ20のコアの直径として、出射ファイバ113のコアの直径より大きな値を採用した場合に得られた点の集合である。点群Aのうち#4〜#6のプロットは、フィードファイバ20のコアの直径として、出射ファイバ113のコアの直径より小さな値を採用した場合に得られた点の集合である。
#1〜#3のプロットと#4〜#6のプロットとを比較した場合、#4〜#6のプロットの方が、すなわち、フィードファイバ20のコアの直径を出射ファイバ113のコアの直径より小さな値を採用した方が、温度上昇係数CT及び開口数NAの双方が大きくなる傾向が認められた。ただし、フィードファイバ20のコアの直径を変更した場合であっても、#1〜#6の各プロットは、1つの帯状領域R1のなかに含まれることがわかる。
〔変形例〕
第1の実施形態に係る評価装置10の変形例である評価装置について説明する。変形例の評価装置が備えている制御部は、図3に図示した電流源制御部61、第1の取得部62、第2の取得部63、算出部64、及び判定部65の各機能ブロックに加えて、同定部を更に備えている。
上記同定部は、(1)所定の出力値P1と、第1の取得部62が取得した第1の温度T1(出力値P1に対応するCMS区間21の温度の値)とを取得するとともに、(2)所定の出力値P2と、第2の取得部63が取得した第2の温度T2(出力値P2に対応するCMS区間21の温度の値)とを取得する。さらに、同定部は、出力PがP=P1である場合について、予め定められている第1の温度T1と第2の温度T2との差分ΔT(=T1−T2)と、開口数の値NAとの相関関係に基づき、差分ΔTに対応する開口数の値NAを同定する。
上述した、予め定められている差分ΔTと開口数の値NAとの相関関係は、次の工程によって定めることができる。
(第1の工程)
事前に、コンバイナ110と同型のコンバイナを多数(例えば100個以上)用意し、それらを相関関係取得のためのコンバイナとして、出力PがP=P1及びP=P2である場合における、各コンバイナの第1の温度T1及び開口数の値NA、並びに、各コンバイナの第2の温度T2を蓄積しておく。なお、相関関係取得のための各コンバイナとしては、熱信頼性が良いと判定されているコンバイナを用いる。
(第2の工程)
第1の工程において蓄積した相関関係取得のための各コンバイナの差分ΔT及び開口数の値NAを、例えば最小自乗法などの統計的な手法を用いて解析することによって、差分ΔTと開口数の値NAとの相関関係を取得する。
以上の第1の工程及び第2の工程を実施することによって、評価対象となるコンバイナにおける差分ΔTと開口数の値NAとの相関関係を予め定めておくことができる。
本変形例の評価装置によれば、(1)評価対象であるコンバイナについて取得した出力PがP=P1及びP=P2である場合の差分ΔTと、(2)予め定められている差分ΔTと開口数の値NAとの相関関係とに基づいて、評価対象であるコンバイナが出射する出射光の開口数の値NAを同定することができる。
また、評価対象であるコンバイナが出荷された後であっても、本変形例の評価装置を用いて出射光の開口数の値NAを同定することによって、そのコンバイナの出射光のビーム品質が経時的な要因により低下していないか否かを確認することができる。
〔コンバイナ110の構成〕
図6に示すように、コンバイナ110は、縮径部111と、入射ファイバ束112と、出射ファイバ113とを備えている。
縮径部111は、光学ガラスによって構成された光学部材であり、例えば石英ガラス製である。縮径部111は、入射端面111aが一方の底面を構成し、出射端面111bが他方の底面を構成する円柱状の光学部材である。出射端面111bの面積は、入射端面111aの面積と比較して狭い。したがって、縮径部111の形状は、円錐台である。入射端面111aには、入射ファイバ束112が結合されている。出射端面111bには、出射ファイバ113が結合されている。
入射ファイバ束112は、7本の入射ファイバであるFMF121〜FMF127によって構成されている。また、出射ファイバ113は、1本のマルチモードファイバ(MMF)によって構成されている。FMF121〜FMF127の各々、及び、出射ファイバ113は、例えば石英ガラス製である。
FMF121は、コア121aとクラッド121bとを備えている。同様に、FMF122〜127の各々は、コア122a〜127aとクラッド122b〜127bとを備えている。FMF121〜127は、FMF122を中心として、その周囲をFMF121及びFMF123〜127が等方的に取り囲み、正六角形を成すように配置されている。本実施形態において、FMF121〜127の各々の端面は、入射端面111aに対して融着されている。
出射ファイバ113は、コア113aとクラッド113bとを備えている。コア113aの直径は、縮径部111の出射端面の直径と等しくなるように構成されている。本実施形態において、出射ファイバ113の端面は、出射端面111bに対して融着されている。
〔評価装置10の効果〕
コンバイナ110が設計通りに製造されている場合、フィードファイバ20を伝播する光の出力に対するクラッドモード光の割合は所望の範囲内になる。この場合、温度上昇係数CTは、所定の領域(帯状領域)内に含まれる。
一方、コンバイナ110が設計通りに製造されていない場合、フィードファイバ20を伝播する光の出力に対するクラッドモードの出力の割合は、設計通りに製造されている場合と比較して大きくなり得る。原因として、FMF121〜127の何れかの出射端面と縮径部111の入射端面111aとの融着不良、及び、縮径部111の出射端面111bと出射ファイバ113の入射端面との融着不良が挙げられる。また、縮径部111の表面に異物が付着している場合も設計通りに製造されていない場合に含まれる。
コンバイナ110に融着不良がある場合、FMF121〜127の何れかと縮径部111との融着部、又は、縮径部111と出射ファイバ113との融着部は、過剰な発熱の原因になりやすい。また、コンバイナ110の縮径部111に異物が付着している場合、異物は、クラッドモードを吸収するため過剰な発熱の原因になりやすい。
このような設計時に想定していない過剰な発熱は、運用期間が短期間である場合には問題にならなかったとしても、運用期間が長期間になった場合、特に被覆樹脂やファイバ補強用の樹脂等の塑性変形や構造変化による耐熱性の変化により、故障の原因になり得る。このような、設計時に想定していない過剰な発熱を伴うコンバイナは、いわゆる熱信頼性の低いコンバイナである。
上述したように、評価装置10は、フィードファイバ20を伝播する光の出力を変化させた場合に生じるCMS区間21の温度変化を観測し、その結果として得られる温度上昇係数CTと開口数NAとを併せて用いることによって、コンバイナ110の熱信頼性の良否を評価することができる。
例えば、ファイバレーザ装置50をFMF121に接続することによって、FMF121と縮径部111との融着部、及び、縮径部111と出射ファイバ113との融着部を含むコンバイナ110の熱信頼性を評価することができる。
また、ファイバレーザ装置50を接続するFMF121からFMF122に変更することによって、FMF122と縮径部111との融着部、及び、縮径部111と出射ファイバ113との融着部を含むコンバイナ110の熱信頼性を評価することができる。同様に、ファイバレーザ装置50を接続するFMFをFMF123〜127の各々に順次変更することによって、コンバイナ110を構成する全ての部材の熱信頼性を評価することができる。
なお、ファイバレーザ装置50を接続するFMFを変更することによって得られた7つの評価結果を解析することにより、仮に熱信頼性が低いと評価された場合の不具合箇所の特定が容易になる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る評価方法M10について、図7を参照して説明する。図7は、評価方法M10のフローチャートである。評価方法M10は、コンバイナの熱信頼性を評価する評価方法である。評価方法M10は、第1の実施形態に係る評価装置10に対応する評価方法であり、評価装置10が実行する処理を評価方法として表現したものである。本実施形態では、図1に示した評価装置10の構成を用いて評価方法M10を説明する。
図7に示すように、評価方法M10は、結合工程S10と、第1の測定工程S12と、第2の測定工程S14と、算出工程S16と、判定工程S18とを含んでいる。
結合工程S10は、評価対象であるコンバイナ110の出射ポート(出射ファイバ113の出射端面)に、クラッドモード除去区間(CMS区間)21を結合する工程である。
第1の測定工程S12は、コンバイナ110からの出射光の出力(出力値P)が第1の値P1である場合に、前記出射光の開口数の値NAと前記CMS区間の温度の値である第1の温度T1とを測定する工程である。
第2の測定工程S14は、出力値Pが第2の値P2である場合に、CMS区間21の温度の値である第2の温度T2を測定する。
算出工程S16は、第1の値P1、第1の温度T1、第2の値P2、及び第2の温度T2に基づいて温度上昇係数の値CT=(T1−T2)/(P1−P2)を算出する工程である。
判定工程S18は、前記温度上昇係数と前記開口数とにより定められるパラメータ空間において、温度上昇係数の値CTと前記開口数の値NAとに対応する点が所定の帯状領域に含まれているか否かによって熱信頼性の良否を判定する工程である。
評価方法M10は、評価装置10と同様の効果を奏する。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態に係るコンバイナ10Aについて、図8を参照して説明する。図8は、コンバイナ10Aのブロック図である。コンバイナ10Aは、自身の熱信頼性を評価する機能を有するコンバイナである。
図8に示すように、コンバイナ10Aは、図1に示した評価装置10及びコンバイナ110の各構成のうち、縮径部111と、入射ファイバ束112と、出射ファイバ113と、CMS区間21と、サーマルセンサ30と、サーモビューワ40と、制御部60とを備えている1つの装置として表現しなおしたものである。
縮径部111、入射ファイバ束112、出射ファイバ113、CMS区間21、サーマルセンサ30、サーモビューワ40、及び制御部60の構成は、第1の実施形態において説明した通りである。したがって、本実施形態では、その説明を省略する。
コンバイナ10Aは、評価装置10と同様の効果を奏する。そのうえで、コンバイナ10Aをファイバレーザシステムに搭載する場合のメリットについて以下に説明する。コンバイナ10Aは、例えばファイバレーザシステムの一態様であるレーザ加工機の出力コンバイナとして好適に用いることができる。本実施形態では、レーザ加工機1の出力コンバイナとしてコンバイナ10Aを採用した場合を例にして、コンバイナ10Aについて説明する。
レーザ加工機1の出力コンバイナとして、コンバイナ10Aを用いる場合、コンバイナ10Aの各入射ポート、すなわち、FMF121〜127の各々の入射端面には、ファイバレーザ装置50が1台ずつ接続される。図8では、図面が煩雑になるのを避けるため、FMF122〜127の各々に接続されたファイバレーザ装置50を省略している。
レーザ加工機1は、フィードファイバ20の出射端面からの出射光を用いて被加工物を加工する。したがって、レーザ加工機1を用いて加工を行う場合には、サーマルセンサ30は、フィードファイバ20の出射端面とは対向しない位置に待避されている。
レーザ加工機1を長期間に亘って運用する場合、FMF121〜127の各々と縮径部111との融着部、或いは、縮径部111と出射ファイバ113との融着部の経時変化、又は、縮径部111に付着した異物などを原因としてコンバイナ10Aの熱信頼性が低下することがある。そこで、コンバイナ10Aの熱信頼性を定期的に評価することが好ましい。
コンバイナ10Aの熱信頼性を評価する場合、レーザ加工機1の使用者は、サーマルセンサ30を所定の位置に配置すればよい。所定の位置とは、その受光面とフィードファイバ20の出射端面とが対向する位置である(図8参照)。
コンバイナ10Aの制御部60は、図8に示すように1台のファイバレーザ装置50を個別に制御してもよいし、7台のファイバレーザ装置50(FMF121〜127に接続された各ファイバレーザ装置)をまとめて制御してもよい。
制御部60が個別のファイバレーザ装置50を制御する構成を採用した場合、コンバイナ10Aは、1本のFMF(例えばFMF121)と縮径部111との融着部の熱信頼性を、他のFMF(例えばFMF122〜127)と縮径部111との融着部の熱信頼性と区別して評価することができる。制御部60が制御するファイバレーザ装置を切り替えることによって、他のFMF(例えばFMF122〜127)の何れかと縮径部111との融着部の熱信頼性を評価することができる。
制御部60が7個のファイバレーザ装置50をまとめて制御する構成を採用した場合、コンバイナ10Aは、実際に加工を行う場合に準じた、高出力な出射光を出射している状態における、自身の熱信頼性を評価することができる。
なお、コンバイナ10Aにおいても、評価装置10の場合と同様に、フィードファイバ20のコアの直径は、出射ファイバ113のコア113aの直径以上であることが好ましい。また、樹脂層23を構成する樹脂の屈折率は、フィードファイバ20のクラッドの屈折率よりも高いことが好ましい。また、フィードファイバ20の一部区間に形成されたCMS区間21の数は、1つに限定されるものではない。
なお、コンバイナ10Aが備えている制御部60は、第1の実施例に係る評価装置10の変形例の場合と同様に、同定部を備えていてもよい。例えば、レーザ加工機1を長期間に亘って運用していると、ワークに対して切断や溶接などの加工を施したあとに形成される加工痕の形状が所定の形状から変化することが考えられる。このような場合に、コンバイナ10Aが同定部を備えていることによって、コンバイナ10Aのユーザは、コンバイナ10Aから出射される出射光の開口数の値NAを容易に同定することができる。したがって、コンバイナ10Aのユーザは、加工痕における該形状の変化の原因がコンバイナ10Aに起因するものなのか、コンバイナ10A意外に起因するものなのかを容易に判断することができる。
本変形例の評価装置によれば、(1)評価対象であるコンバイナについて取得した出力PがP=P1及びP=P2である場合の差分ΔTと、(2)予め定められている差分ΔTと開口数の値NAとの相関関係とに基づいて、評価対象であるコンバイナが出射する出射光の開口数の値NAを同定することができる。
また、評価対象であるコンバイナが出荷された後であっても、本変形例の評価装置を用いて出射光の開口数の値NAを同定することによって、そのコンバイナの出射光のビーム品質が経時的な要因により低下していないか否かを確認することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10 評価装置
20 フィードファイバ(光ファイバ)
21 クラッドモード除去区間(CMS区間)
22 側面
23 樹脂層
30 サーマルセンサ(光検出器)
40 サーモビューワ(温度計)
60 制御部
61 電流源制御部
62 第1の取得部
63 第2の取得部
64 算出部
65 判定部
10A コンバイナ
111 縮径部
111a 入射端面
111b 出射端面
121〜127 フューモードファイバ(入射ファイバ)
112 入射ファイバ束
113 出射ファイバ

Claims (9)

  1. コンバイナの熱信頼性を評価する評価装置であって、
    評価対象であるコンバイナの入射ポートに結合されるレーザ装置と、
    前記コンバイナの出射ポートに結合されるクラッドモード除去区間(CMS区間)と、
    前記コンバイナからの出射光の出力及び前記出射光の開口数を検出する光検出器と、
    前記CMS区間の温度を測定する温度計と、
    前記レーザ装置を制御し、前記光検出器から前記出射光の出力及び前記出射光の開口数を取得し、且つ、前記温度計から前記CMS区間の温度を取得する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記出力が第1の値P1となるように前記レーザ装置を制御したうえで、前記光検出器から前記開口数の値NAを取得すると共に、前記温度計から前記CMS区間の第1の温度T1を取得する第1の取得部と、
    前記出力が第2の値P2となるように前記レーザ装置を制御したうえで、前記温度計から前記CMS区間の第2の温度T2を取得する第2の取得部と、
    前記第1の値P1、前記第1の温度T1、前記第2の値P2、及び前記第2の温度T2に基づいて温度上昇係数の値CT=(T1−T2)/(P1−P2)を算出する算出部と、
    前記温度上昇係数と前記開口数とにより定められるパラメータ空間において、前記温度上昇係数の値CTと前記開口数の値NAとに対応する点が所定の帯状領域に含まれているか否かによって熱信頼性の良否を判定する判定部と、を含んでいる、
    ことを特徴とする評価装置。
  2. 前記CMS区間は、前記コンバイナの前記出射ポートに結合された光ファイバの一部区間に形成されており、
    前記光ファイバのコアの直径は、前記コンバイナの前記出射ポートのコアの直径以上である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  3. 前記CMS区間は、前記光ファイバの前記一部区間の側面を樹脂層により覆うことによって形成されており、前記樹脂層を構成する樹脂の屈折率は、前記光ファイバのクラッドの屈折率よりも高い、
    ことを特徴とする請求項2に記載の評価装置。
  4. コンバイナの熱信頼性を評価する評価方法であって、
    評価対象であるコンバイナの出射ポートに、クラッドモード除去区間(CMS区間)を結合する結合工程と、
    前記コンバイナからの出射光の出力が第1の値P1である場合に、前記出射光の開口数の値NAと前記CMS区間の第1の温度T1とを測定する第1の測定工程と、
    前記出力が第2の値P2である場合に、前記CMS区間の第2の温度T2を測定する第2の測定工程と、
    前記第1の値P1、前記第1の温度T1、前記第2の値P2、及び前記第2の温度T2に基づいて温度上昇係数の値CT=(T1−T2)/(P1−P2)を算出する算出工程と、
    前記温度上昇係数と前記開口数とにより定められるパラメータ空間において、前記温度上昇係数の値CTと前記開口数の値NAとに対応する点が所定の帯状領域に含まれているか否かによって熱信頼性の良否を判定する判定工程と、を含んでいる、
    ことを特徴とする評価方法。
  5. 前記CMS区間は、前記コンバイナの前記出射ポートに結合された光ファイバの一部区間に形成されており、
    前記光ファイバのコアの直径は、前記コンバイナの前記出射ポートのコアの直径以上である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の評価方法。
  6. 前記CMS区間は、前記光ファイバの前記一部区間の側面を樹脂層により覆うことによって形成されており、前記樹脂層を構成する樹脂の屈折率は、前記光ファイバのクラッドの屈折率よりも高い、
    ことを特徴とする請求項5に記載の評価方法。
  7. 自身の熱信頼性を評価する機能を有するコンバイナであって、
    複数の入射ファイバからなる入射ファイバ束と、
    出射ファイバと、
    入射端面、及び、当該入射端面よりも面積が狭い出射端面を有し、前記入射端面に前記入射ファイバ束が結合され、且つ、前記出射端面に前記出射ファイバが結合された縮径部と、
    前記出射ファイバの出射端面に結合されたクラッドモード除去区間(CMS区間)と、
    前記CMS区間からの出射光の出力及び前記出射光の開口数を検出する光検出器と、
    前記CMS区間の温度を測定する温度計と、
    前記光検出器から前記出射光の出力及び前記出射光の開口数を取得し、且つ、前記温度計から前記CMS区間の温度を取得する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記出力が第1の値P1である場合に、前記光検出器から前記開口数の値NAを取得すると共に、前記温度計から前記CMS区間の第1の温度T1を取得する第1の取得部と、
    前記出力が第2の値P2である場合に、前記温度計から前記CMS区間の第2の温度T2を取得する第2の取得部と、
    前記第1の値P1、前記第1の温度T1、前記第2の値P2、及び前記第2の温度T2に基づいて温度上昇係数の値CT=(T1−T2)/(P1−P2)を算出する算出部と、
    前記温度上昇係数と前記開口数とにより定められるパラメータ空間において、前記温度上昇係数の値CTと前記開口数の値NAとに対応する点が所定の帯状領域に含まれているか否かによって熱信頼性の良否を判定する判定部と、を含む、
    ことを特徴とするコンバイナ。
  8. 前記CMS区間は、前記出射ファイバの前記出射端面に結合された光ファイバの一部区間に形成されており、
    前記光ファイバのコアの直径は、前記コンバイナの前記出射ファイバのコアの直径以上である、
    ことを特徴とする請求項7に記載のコンバイナ。
  9. 前記CMS区間は、前記光ファイバの前記一部区間の側面を樹脂層により覆うことによって形成されており、前記樹脂層を構成する樹脂の屈折率は、前記光ファイバのクラッドの屈折率よりも高い、
    ことを特徴とする請求項8に記載のコンバイナ。
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