JP5181785B2 - ダイヤモンド多結晶基板の製造方法 - Google Patents

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本発明はダイヤモンド多結晶基板の製造方法及びダイヤモンド多結晶基板に関し、特に、紫外から赤外光、マイクロ波、高周波用の窓や、そのミラー、レンズ等の光学部品に適用可能な、大面積で高品質なダイヤモンド多結晶基板の製造法、及びダイヤモンド多結晶基板に関するものである。
ダイヤモンドはエックス線、紫外から赤外光、さらにマイクロ波領域にわたる広い波長領域で透明であり、常温での熱伝導率は現存する物質中最高である。さらにマイクロ波の誘電損失が小さく、かつ硬度・ヤング率が高く歪みにくいことから、特に熱的負荷の大きい赤外レーザーやマイクロ波用の透過窓として有望である。このような光学用途に適用される人工ダイヤモンドとしては、気相合成法で得られる大面積、厚板のダイヤモンド多結晶基板が必要である。ところが通常の気相合成条件で得られる500μm厚以上のダイヤモンド多結晶基板は、基板全体として褐色ないし黒色を呈し、吸収ロスや誘電損失のため光学部品用としての使用には適さない。これに対し、例えば特許文献1に例示するような方法により、紫外から赤外、さらにはマイクロ波領域まで透明で、高品質かつ厚板のダイヤモンド多結晶基板を得ることができる。
特許文献1には、モリブデン基体上に30日間連続してダイヤモンドを合成した例が示されている。これは、冷却時に熱応力で基体とダイヤモンドが分離するために、500μmの厚板を得るには必然的に連続合成が要求されるからである。適切な技術を用いずに途中で合成を終了すると、基体とダイヤモンドがきれいに分離できず、分解する等の問題がある。即ち、特許文献1のような長期間連続運転は、工業的な大量生産には適さず、歩留まり悪化や生産コスト上昇等の問題がある。
特開平10−067596号公報
本発明は前記問題を解決すべくなされたもので、連続運転不要な気相合成法により得られる、高品質で大面積のダイヤモンド多結晶基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は以下の態様を有する。
(1)気相合成法によるダイヤモンド多結晶基板の製造方法であって、ダイヤモンドと異なる成膜用種基板を用意し、気相合成法により厚さ500μm未満のダイヤモンド多結晶を成膜した後、ダイヤモンド多結晶と種基板を分離してダイヤモンド多結晶自立板とし、ダイヤモンド多結晶自立板上に、さらに気相合成法によりダイヤモンド多結晶を前記種基板から成長した面に追加成長して、板厚500μm以上のダイヤモンド多結晶基板とすることを特徴とする、ダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
(2)前記、成膜用種基板は珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、モリブデン及びタングステンから選択される1種であることを特徴とする、前記(1)に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
(3)前記、成膜用種基板の表面にはダイヤモンドの成膜前に、酸化珪素が成膜されていることを特徴とする、前記(2)に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
(4)前記、成膜用種基板の表面にはダイヤモンドの成膜前に、種基板と異なる金属の1種以上が成膜されていることを特徴とする、前記(2)に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
(5)前記、成膜用種基板上に成膜するダイヤモンド多結晶の厚さは150μm以上350μm以下であることを特徴とする、前記(1)から(4)いずれかに記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
(6)前記、ダイヤモンド多結晶自立基板のダイヤモンド成長側の面に、反応性イオンエッチング、ECRプラズマエッチング、及び水素/酸素雰囲気によるマイクロ波プラズマエッチングの1つ以上を行ってから、ダイヤモンド多結晶を追加成長することを特徴とする、前記(1)から(5)いずれかに記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
(7)気相合成法によるダイヤモンド多結晶基板の製造方法であって、ダイヤモンドと異なる成膜用種基板を用意し、気相合成法により厚さ500μm未満のダイヤモンド多結晶を成膜した後、ダイヤモンド多結晶と種基板を分離してダイヤモンド多結晶自立板とし、前記ダイヤモンド多結晶自立基板の成膜用種基板の存在した側の面に、1μm以上100μm以下のエッチング厚さで反応性イオンエッチング、ECRプラズマエッチング、及びマイクロ波プラズマエッチングの一つ以上を行ってから、ダイヤモンド多結晶を追加成長して、板厚500μm以上のダイヤモンド多結晶基板とすることを特徴とする、ダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
(8)前記、ダイヤモンド多結晶を追加成長する工程は、2回以上繰り返すことを特徴とする、前記(1)から(7)いずれかに記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
本発明のダイヤモンド多結晶基板の製造方法を用いれば、紫外から赤外光、マイクロ波、高周波用の窓や、そのミラー、レンズ等の光学部品に適用可能な、大面積で高品質なダイヤモンド多結晶基板を、長時間の連続合成をしないで得ることができる。
本発明者らは特許文献1の問題を解決するため、まず、シリコン基板上にダイヤモンドを断続的に成長させる実験を行った。シリコン基板以外の合成条件は特許文献1を模した条件として、合計4回、延べ30日間の追加合成を行い、合成後にシリコン基板をフッ硝酸でエッチング除去して、ダイヤモンド多結晶自立基板を得た。そして、このダイヤモンド多結晶自立基板の両面を機械的に研磨した結果、部分的には透明であったものの、顕微鏡観察によりダイヤモンド基板内部に図1に例示するような黒色の斑点2が多数認められた。次に、比較としてマイクロ波プラズマCVD法による同様のガス条件で、シリコン基板上に連続的にダイヤモンド多結晶を成長させる実験を行った。30日間の連続合成後、同様に処理して基板内部を観察した結果、内部には断続合成時と同様の黒色の斑点が多数認められた。
この黒色の斑点を詳細に観察すると、ダイヤモンド多結晶の結晶粒界及び結晶粒内に、直径10から500μm程度の微小な割れがあり、この割れ領域で光を吸収して黒い斑点となっていることがわかった。また、先に実施した断続成長の例では、追成長の境界面に埋め込まれたゴミ等が存在し、これらも黒色斑点となっていることがわかった。本発明者らは、この微小な割れは、ダイヤモンド多結晶内部に応力が蓄積されたことが原因と考え、本発明を想起するに至った。
すなわち本発明では、ダイヤモンドと異なる成膜用種基板を用意し、気相合成法により厚さ500μm未満のダイヤモンド多結晶を成膜した後、ダイヤモンド多結晶と種基板を分離してダイヤモンド多結晶自立板とし、ダイヤモンド多結晶自立板上に、さらに気相合成法によりダイヤモンド多結晶を追加成長して、板厚500μm以上のダイヤモンド多結晶基板とすることを特徴とする。ダイヤモンド多結晶内部の応力は、主としてダイヤモンドと種基板の熱膨張係数差により、合成時の温度(約900℃)から常温に冷却する際に不可避的に生じる。この内部応力がダイヤモンドの弾性限度を超えたとき、塑性変形と共に微小割れとして黒色斑点が発生する。本発明らは、ダイヤモンド多結晶の板厚と、黒色斑点の生成率、サイズを詳細に調査した結果、成長の板厚が500μm未満であれば、黒色斑点が生じないか、生じても光学部品等として実用上問題ないレベルであることを突き止めた。本発明で言う黒色斑点とは、基板中の微小な割れや、成長界面におけるゴミ等を総称したものであり、厳密な黒色でなく褐色や灰色等を呈していても、成因が同一であれば同じものとする。
種基板を分離する前のダイヤモンド多結晶層の厚さは、500μm未満であればよいが、好ましくは150μm以上350μm以下が望ましい。これにより、微小割れが少なく、かつ種基板分離後の取扱も容易で、ダイヤモンド多結晶の追成長がしやすくなる。この、500μm未満のダイヤモンド多結晶層は連続的に1回で成長しても、断続的に数回追成長してもよい。断続的に追成長で得る場合には、追成長前に反応性イオンエッチング、ECRプラズマエッチング、又はマイクロ波プラズマエッチングで表面層をエッチングする方がよい。ダイヤモンド多結晶を得るための気相合成法は、熱フィラメント法、直流プラズマ法、アークジェット法等、公知の技術いずれもが利用できるが、好ましくは大面積で高品質、かつ、連続運転安定性に優れる、マイクロ波プラズマ法が望ましい。
成膜用種基板は、珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、モリブデン及びタングステンの中から選択することが望ましい。これらの材料を種基板に用いることにより、ダイヤモンドと適度な密着性を持ち、内部応力が少ないダイヤモンド多結晶層を成長することができる。そして、ダイヤモンド多結晶の耐剥離性や成長初期のダイヤモンド核発生を考慮し、ダイヤモンド成長前の表面に酸化珪素、又は異種金属の中から1種類以上が成膜されていることが望ましい。
この後、種基板上に成長したダイヤモンド多結晶基板を分離する際、選択的に種基板を取り除く方法として、電解エッチング、酸エッチング、研削加工、レーザー加工及びドライエッチング等の公知の方法が利用できる。種基板を分離後のダイヤモンド多結晶基板は、引き続き所望の厚さまで気相合成法で追成長することができる。追成長を行う面は、ダイヤモンド多結晶基板の上下どちらの面に対しても行うことができる。この時、種基板によるダイヤモンドの拘束がないので、本質的に熱応力が生じず、従って微小割れを生じることもない。この結果、従来技術では黒色斑点が生じる厚さまでダイヤモンド多結晶基板を厚くした時でも、本発明技術では黒色斑点が生じないか、生じても光学部品等に実用上問題ないレベルである。一例として、黒色斑点の大きさは直径50μm未満、より好ましくは10μm未満となる。黒色斑点の大きさが直径50μmとは、黒色斑点の中心を円の中心と仮定した直径50μmの円の範囲内に黒色斑点が存在することを意味する。
黒色斑点は微小割れだけでなく、追成長時の表面ゴミ等も原因となる。この影響を排除するため、追成長前にダイヤモンド多結晶自立板のダイヤモンド成長側の面(表面)に対して、反応性イオンエッチング、ECRプラズマエッチング、又はマイクロ波プラズマエッチングをする方がよい。表面側のエッチング厚さは、10nm以上5μm以下が望ましい。この程度の厚さでエッチングすることにより、ゴミの影響だけでなく、追成長前の表面変質層の除去が可能になり、ダイヤモンド成長時の内部応力を低減することができる。更に、成膜用種基板の存在した側の面(裏面)に対しても、上記のエッチングをすることが望ましい。裏面側のエッチング厚さは、1μm以上100μm以下が望ましい。裏面側は、種基板に依存したダイヤモンドの核生成バラツキが発生するため、その初期成長層にはバラツキが存在する。このバラツキが追成長時に内部応力の原因となる場合があるため、予め前記厚さのエッチングを施すことにより、黒色斑点の生成を抑制することができる。
追成長は所望の厚さまで2回以上繰り返しても問題がない。これにより、任意の時間に成長を停止、再開することができ、従来技術のような成長時間の拘束が少なく、生産性が向上する。2回以上繰り返す場合でも、それぞれの追成長前には前記エッチングをすることが望ましい。種基板分離前と、分離後の追成長では、同じ合成装置でダイヤモンド多結晶を合成することが望ましいが、別の合成装置で追成長してもよい。追成長の面は、元々の種基板から成長した面にそのまま追成長することが好ましいが、反対面(種基板側の面)に追成長することもできる。
こうして得られたダイヤモンド多結晶基板は、その後、両面を機械的に研磨することで光学板として利用したり、ドライエッチングやレーザー加工等を施してミラー、レンズとして利用できる。その際には、両面研磨後の波長400nmの光透過率が35%以上、好ましくは50%以上あることが望ましい。この方法で得られたダイヤモンド多結晶基板は、その成長側面又は断面を観察することで容易に追成長の有無を判断できる。例えば、レーザー等で多結晶基板を割断して断面を研磨した後に、水素雰囲気のマイクロ波プラズマでエッチング処理をする。この面を光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡で観察すると、図2に例示するように、追成長境界面3が明確に現れることで判断できる。
本発明のダイヤモンド多結晶基板について、実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
まず、直径50mm、厚さ3mmの多結晶シリコン基板をダイヤモンド成長用種基板として用意した。シリコン基板表面はラッピング済みであり、この表面に対して、#800のダイヤモンド砥粒で傷つけ処理を行った。次に、公知のマイクロ波プラズマCVD装置内にシリコン基板を配置した。そして、この種基板上にマイクロ波プラズマ合成法でダイヤモンド多結晶を成長させた。成長条件を表1に示す。
Figure 0005181785
この成長により、図3に模式的に示すような、ダイヤモンド多結晶5がシリコン種基板4上に成長した基板が得られた。気相合成ダイヤモンド多結晶層の厚さは210μmであった。次に、成長表面を機械的に鏡面研磨して、フッ硝酸によりシリコン基板をエッチング除去した(図4)。得られたダイヤモンド多結晶自立基板6は目視で透明であり、光学顕微鏡で内部を観察した結果、直径10μm以上の黒色斑点は1つも観察されなかった。
次に、このダイヤモンド多結晶自立基板6を最初の成長と同じマイクロ波プラズマCVD装置内に配置し、表1と同様の条件でダイヤモンド多結晶の追成長を行った。但し、ダイヤモンド基板の反り等による温度変化を排除するため、ダイヤモンド基板を配置する保持台の熱抵抗を変化させて、前記シリコン基板上への成長の時と同じ基板表面温度となるように制御した。追成長時間は350時間とした。この結果、合計板厚550μmのダイヤモンド多結晶自立基板が得られた(図5)。そして、この多結晶基板の両面を機械的に研磨し、板厚510μmの両面鏡面自立基板(図6)として、内部を評価したところ、直径10μm以上の黒色斑点は1つも観察されなかった。波長400nmにおける光透過率は60%で、紫外〜赤外用の光学部品として利用可能な良好な特性を示した。
(比較例1)
本比較例では、使用する種基板や成長条件等は実施例1と同様とし、合成時間を550時間として連続的にダイヤモンド多結晶を成長した。成長後のダイヤモンド多結晶の板厚は560μmであった。成長面を研磨後、シリコン基板を酸エッチング除去し、さらに基板面も機械的に研磨した結果、結晶内部には図1に示すような直径50μm以上の黒色斑点が多数認められた。黒色斑点部分以外は透明であったが、黒色斑点の影響のため、波長400nmにおける基板全体の平均的な光透過率は30%と、光学部品として利用するには不十分な値であった。
本実施例では、ダイヤモンド多結晶成膜用種基板として直径30mm、厚さ5mmのタングステン基板を用意し、まず、このタングステン基板の表面に公知のマグネトロンスパッタ装置により酸化珪素を500nmに厚みに成膜した。この種基板に、実施例1と同じダイヤモンド合成装置を用いてダイヤモンド多結晶を成長した。成長条件は表2の通りである。
Figure 0005181785
成長後、ダイヤモンド多結晶基板は基板冷却時に酸化珪素膜とタングステン基板の界面で分離した。分離した際もダイヤモンドは一体を維持していた。その後、フッ酸で酸化珪素膜をエッチング除去し、ダイヤモンド多結晶自立基板として板厚を評価したところ340μmであった。引き続き、この自立基板表面をダイヤモンド合成装置内に配置して、表2と同じ条件でダイヤモンド多結晶を追加成長した。但し、成長は100時間ごとに装置を停止して、一旦取り出しと評価を行い、これを7回繰り返した。なお、それぞれの成長前には1時間、表2の条件からCHを除いた水素/酸素雰囲気のエッチング条件で表面をエッチングした。この結果、合計板厚1050μmのダイヤモンド多結晶自立基板が得られた。この両面を機械的に研磨し、評価したところ、板厚は1000μmで基板内部には直径50μm以上の黒色斑点は存在せず、大部分は透明であった。また、波長400nmにおける光透過率は42%と、光学部品として使用に耐える値であった。この基板をレーザーで割断後、断面を研磨し、さらに水素雰囲気のマイクロ波プラズマ処理を行って走査型電子顕微鏡で断面を評価したところ、7回の追成長界面が明暗差となって現れ、追成長基板であることを確認できた。
本実施例では種々の種基板を用意し、種基板上への成長、自立基板後の成長それぞれの合成時間を変化させた例を述べる。種基板サイズはいずれも直径50mm、厚さ3mmである。合成装置は先の実施例1,2と同様とし、合成条件は実施例1と同じとした。追成長を行う際には、合成前に全て実施例2と同様の、水素/酸素雰囲気による表面エッチングを行った。それぞれの評価結果を表3に示す。なお、表3の窒化珪素+Mo200nm成膜とは、窒化珪素の基板に、スパッタにより、Moを200nmの厚みに成膜したものである。
Figure 0005181785
表3のように、得られたダイヤモンド多結晶基板の黒色斑点や400nm透過率は、種基板や成長繰り返し時間、板厚によりまちまちであるが、いずれもダイヤモンド光学部品として使用に耐える結果となり、これは使用目的の用途に応じて使い分けることができる。
本実施例では、直径25mm、厚さ2mmの研磨済み多結晶炭化珪素基板をダイヤモンド成長用種基板として用意した。この多結晶炭化珪素基板の表面を500番のダイヤモンド粉末で傷付け処理を行い、その後、表2と同様のダイヤモンド成長条件でダイヤモンド多結晶を成長した。
成長後、炭化珪素基板部分を研削除去し、ダイヤモンド多結晶自立基板として板厚を評価したところ、400μmであった。この種基板を除去した面(裏面)を、市販の反応性イオンエッチング装置を用いて、エッチングを行った。エッチングガスは酸素で、裏面のエッチング厚さは50μmになるようにエッチング時間を調整した。エッチング後、この裏面側が追加成長面になるようにダイヤモンドの合成装置内に配置し、表2と同じ条件でダイヤモンド多結晶を追加成長した。但し、成長は200時間ごとに装置を停止して、一旦取り出しと評価を行い、これを4回繰り返した。なお、それぞれの追加成長前には前記反応性イオンエッチングにより追加成長側の面を1μmエッチングした。この結果、合計板厚1100μmのダイヤモンド多結晶自立基板が得られた。この両面を機械的に研磨し、評価したところ、板厚が1050μmで、基板内部には直径10μm以上の黒色斑点は存在せず、全面透明であった。波長400nmにおける光透過率は62%で、紫外から赤外光までの広い波長用の光学部品として利用可能な良好な特性を示した。
以上説明したように、本発明のダイヤモンド多結晶基板の製造方法を用いれば、紫外〜赤外光、マイクロ波、高周波用の窓や、そのミラー、レンズ等の光学部品に適用可能な、大面積で高品質なダイヤモンド多結晶基板を、連続合成不要で得ることができる。
ダイヤモンド多結晶自立基板主面から見た黒色斑点の模式図である。 追成長を行ったダイヤモンド多結晶自立基板断面の走査型電子顕微鏡写真である。 シリコン基板上にダイヤモンド多結晶基板を成長したときの側面図である。 ダイヤモンド多結晶層表面を研磨後、シリコン基板と分離して自立基板とした側面図である。 ダイヤモンド多結晶上にダイヤモンド多結晶を追成長した後の側面図である。 ダイヤモンド多結晶自立基板の両面を研磨後の側面図である。
符号の説明
1 黒色斑点含有ダイヤモンド多結晶基板
2 黒色斑点
3 ダイヤモンド多結晶追成長界面
4 シリコン基板
5 ダイヤモンド多結晶層
6 ダイヤモンド多結晶基板
7 ダイヤモンド多結晶追成長層

Claims (8)

  1. 気相合成法によるダイヤモンド多結晶基板の製造方法であって、ダイヤモンドと異なる成膜用種基板を用意し、気相合成法により厚さ500μm未満のダイヤモンド多結晶を成膜した後、ダイヤモンド多結晶と種基板を分離してダイヤモンド多結晶自立板とし、該ダイヤモンド多結晶自立板上に、さらに気相合成法によりダイヤモンド多結晶を前記種基板から成長した面に追加成長して、板厚500μm以上のダイヤモンド多結晶基板とすることを特徴とする、ダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
  2. 前記成膜用種基板は珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、モリブデン及びタングステンから選択される1種であることを特徴とする、請求項1に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
  3. 前記成膜用種基板の表面にはダイヤモンドの成膜前に、酸化珪素が成膜されていることを特徴とする、請求項2に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
  4. 前記成膜用種基板の表面にはダイヤモンドの成膜前に、種基板と異なる金属の1種以上が成膜されていることを特徴とする、請求項2に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
  5. 前記成膜用種基板上に成膜するダイヤモンド多結晶の厚さは150μm以上350μm以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
  6. 前記ダイヤモンド多結晶自立基板のダイヤモンド成長側の面に、反応性イオンエッチング、ECRプラズマエッチング、及び水素/酸素雰囲気によるマイクロ波プラズマエッチングの一つ以上を行ってから、ダイヤモンド多結晶を追加成長することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
  7. 気相合成法によるダイヤモンド多結晶基板の製造方法であって、ダイヤモンドと異なる成膜用種基板を用意し、気相合成法により厚さ500μm未満のダイヤモンド多結晶を成膜した後、ダイヤモンド多結晶と種基板を分離してダイヤモンド多結晶自立板とし、前記ダイヤモンド多結晶自立基板の成膜用種基板の存在した側の面に、1μm以上100μm以下のエッチング厚さで反応性イオンエッチング、ECRプラズマエッチング、及びマイクロ波プラズマエッチングの一つ以上を行ってから、ダイヤモンド多結晶を追加成長して、板厚500μm以上のダイヤモンド多結晶基板とすることを特徴とする、ダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
  8. 前記ダイヤモンド多結晶を追加成長する工程は、2回以上繰り返すことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のダイヤモンド多結晶基板の製造方法。
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