以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるパチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図であり、図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図であり、図4は、演出表示基板48の電気的構成を示すブロック図であり、図5は、分割画像データ生成処理を示すフローチャートであり、図6は、分割画像データの生成処理を示す説明図であり、図7は、分割画像データ生成処理を示す説明図(横スクロール表示)である。
なお、本実施形態のパチンコ機1は、遊技盤2に設けられた液晶である上下一対の第1LCD24及び第2LCD25に一画面を表示できるものであって、第1LCD24と第2LCD25との間のフレーム枠30において上下に間延びしない自然な画像を表示できる点に特徴を有するものである。
はじめに、パチンコ機1の概略構造について説明する。まず、パチンコ機1の構造について説明する。図1に示すパチンコ機1はホールの島設備(図示外)に設置されるものである。パチンコ機1は外枠(図示外)と、該外枠の遊技者に対向する正面側に開閉可能に設けられた中枠5とを備えている。そして、中枠5の前面の上半分には、後述する発射ハンドル7の操作により、発射手段である発射機(図示外)から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が着脱可能に設けられている。さらに、中枠5の前面上半分には、ガラス枠13が開閉可能に設けられ、該ガラス枠13の略中央には、遊技盤2の前面に対向して配置される略円形のガラス窓(図示外)が設けられている。また、そのガラス窓の湾曲する上端部に沿って特定の遊技状態の時に点灯又は点滅させることができる発光部35が設けられている。さらに、ガラス枠13の右上及び左上のコーナ部分には、スピーカ32,32が設けられている。
また、ガラス枠13の下方には、前枠14が中枠5に対して開閉可能に設けられている。そして、その前枠14の上部には、遊技球を貯留し、かつ発射機に遊技球を供給するための上皿22が設けられている。さらに、上皿22の直下には、球抜きレバー22aを押下することによって、上皿22の球排出口(図示外)から抜き出される遊技球を受けるための下皿23が設けられている。さらに、その下皿23の右横には発射機による遊技球の発射を調整するための発射ハンドル7が設けられている。
なお、図示しないが、中枠5の背面には機構盤が組み付けられている。この機構盤には、図3に示す主基板41、電源基板42、演出表示基板48、音基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58等の各種基板の他に、遊技球樋(図示外)、賞品球払出装置49(図3参照)等の各種装置が配設されている。さらに、中枠5の背面上部には、島から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク(図示外)が設けられている。この遊技球タンクには、機構盤に組み付けられた遊技球樋が接続され、該遊技球樋には、賞球を払い出すための賞品球払出装置49(図3参照)が接続され、該賞品球払出装置49には上皿22に賞球を供給するための払出通路(図示外)が接続されている。このような構造によって、遊技球タンクに貯留された遊技球は、遊技球樋を流れて賞品球払出装置49に供給され、賞品球払出装置49によって払い出された賞球は、払出通路を流れて上皿22に供給される。
次に、遊技盤2について説明する。図2に示すように、遊技盤2は矩形状の板材である。遊技盤2の正面には、ガイドレール3に囲まれた円形の遊技領域4が設けられている。さらに、遊技領域4の中央には、図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8には、11インチの液晶である演出用図柄表示画面8aや、各種ランプ及びLED等が設けられている。さらに、図柄表示装置8の右側には、7インチの液晶である上下一対の第1LCD24及び第2LCD25が設けられている。なお、これら第1LCD24と第2LCD25との間にはフレーム枠30が介在している。つまり、第1LCD24と第2LCD25との間はフレーム幅(図6参照)だけ離間している。なお、図6に示すフレーム枠30が本発明の「仕切部」に相当する。
ところで、図柄表示装置8の下側には、特別図柄始動電動役物15が設けられ、この特別図柄始動電動役物15の左右には、普通入賞口19,20がそれぞれ設けられている。そして、普通入賞口19の左側方には、普通図柄始動ゲート11が設けられている。さらに、特別図柄始動電動役物15の下方には、大入賞口16が設けられている。そして、大入賞口16の下方には、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球が回収されるアウト口85が設けられている。
また、図柄表示装置8の上部には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部27が設けられている。この普通図柄表示部27には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。また、図柄表示装置8の演出用図柄表示画面8aの下側には4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60が設けられている。この特別図柄記憶数表示LED60には、特別図柄始動電動役物15に入賞し、特別図柄表示部28(図3参照)に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる特別図柄作動保留球数を4個までLEDの点灯で表示できるようになっている。
さらに、普通図柄表示部27の下方に設けられた4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート11に入賞し、普通図柄表示部27に普通当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数同様4個まで、LEDの点灯で表示することができる。なお、遊技盤2には、上記以外にも、特別図柄表示部28(図3参照)、種々の電飾ランプ(図示外)、その他の電飾用のLED(図示外)、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について説明する。図3に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、演出表示基板48、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられ、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与える。このCPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41には、I/Oインタフェイス54が設けられ、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。さらに、音基板43、演出表示基板48及び電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は、賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。サブ統合基板58は、音基板43,演出表示基板48,電飾基板46の総合的な制御を行う。音基板43はパチンコ機1の効果音の発生の制御を行う。演出表示基板48は、演出用図柄表示画面8a、第1LCD24及び第2LCD25に表示されるキャラクタや、絵柄等の制御を行う。電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様の制御を行う。
一方、サブ統合基板58には、CPU581、RAM582及びROM583が設けられている。音基板43には、CPU43aや、図示外の入力インタフェイス、RAM及びROM等が内蔵されている。演出表示基板48には、CPU48aや、後述するVDP80、スケーラIC91,92等が内蔵されている。なお、この演出表示基板48の詳細な構成については後述する。払出制御基板45には、CPU45aや、図示外のRAM及びROM等が内蔵されている。電飾基板46にはCPU46aや、図示外のRAM及びROM等が内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。なお、図示しないが、遊技者が操作するスイッチ90も、サブ統合基板58に接続されている。
また、電飾基板46には、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、発光部35等が各々接続されている。演出表示基板48には、第1LCD24及び第2LCD25が各々接続されている。音基板43には一対のスピーカ32,32が接続されている。払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口19,20に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ76、普通図柄表示部27、特別図柄表示部28等が接続されている。なお、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口19,20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出されるようになっている。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、演出表示基板48、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58に各々接続され、直流の安定化した電力を各基板に供給する。なお、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等が各基板へ供給される。なお、主基板41、電源基板42、音基板43、演出表示基板48、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、すべてアースライン(図示外)で接続されている。また、主基板41には、管理者等がパチンコ機1を初期状態に戻す場合に押下するスイッチを備えたリセット部(図示外)が接続されている。
上記構成からなるパチンコ機1では、一定間隔の時間(本実施例では2ms)に割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号によって、主基板41のCPU51がメインルーチン処理を繰り返し実行しており、2ms以内に終了するようにプログラミングされている。このメインルーチン処理が繰り返し実行されることにより、パチンコ機1の主要動作が実施される。メインルーチン処理は主基板のCPU51が実施し、メインルーチン処理の中でサブ統合基板58のCPU581へ様々なコマンド(例えば、大入賞口16を開放するコマンドや閉鎖するコマンド等)を送信する。サブ統合基板58のCPU581では、主基板41のCPU51から送信されたコマンドに基づき、演出用図柄表示画面8aに表示する図柄を決定し、第1LCD24及び第2LCD25に表示するキャラクター、絵柄、それらの出現タイミングや動作等を決定し、スピーカ32から出力する効果音、その出力タイミング等を決定し、発光部35等を点滅させるタイミングを決定することによって、演出表示基板48のCPU48a、音基板43のCPU43a、電飾基板46のCPU46aに対して指示を行う。
次に、本発明の特徴である演出表示基板48の電気的構成について具体的に説明する。図4に示すように、演出表示基板48は、サブ統合基板58に接続されたCPU48aを備えている。このCPU48aには、第1LCD24及び第2LCD25に表示する一画像の画像データを生成するためのVDP80が接続されている。そして、このVDP80には、第1LCD24及び第2LCD25に表示するキャラクタや、絵柄等をキャラクタデータとして記憶するキャラクタROM81と、VDP80が生成した画像データを、仮想表示領域182(図6参照)に展開して記憶するVRAM82とが各々接続されている。本実施形態では、第1LCD24及び第2LCD25に表示する画像の描画処理を、CPU48aではなく、VDP80に行わせることによって、全体のパフォーマンス向上をはかっている。
そして、VDP80には、VRAM82の仮想表示領域182に展開された画像データから、第1LCD24に表示する分割画像の分割画像データを生成するスケーラIC91と、第2LCD25に表示する分割画像の分割画像データを生成するスケーラIC92とが各々接続されている。さらに、スケーラIC91には、VRAM82の仮想表示領域182に展開された画像データを、自身の仮想表示領域194(図6参照)にそのまま展開して記憶するVRAM94と、スケーラIC91によって生成された分割画像データの画像信号に基づいて、第1LCD24に分割画像を表示させるLCD駆動回路97とが各々接続されている。また、スケーラIC92にも、VRAM82の仮想表示領域182に展開された画像データを、自身の仮想表示領域195(図6参照)にそのまま展開して記憶するVRAM95と、スケーラIC92によって生成された分割画像データの分割画像信号に基づいて、第2LCD25に分割画像を表示させるLCD駆動回路98とが各々接続されている。なお、図示しないが、演出表示基板48には、演出用図柄表示画面8aに対応するVDP、VRAM、LCD駆動回路等が設けられ、そのVDPはCPU48aに接続されている。
次に、演出表示基板48における分割画像データ生成処理について、図5のフローチャートと、図6の説明図とを参照して説明する。なお、この分割画像データ生成処理は、VDP80が生成した1個の画像データに基づいて、第1LCD24に表示させる分割画像データと、第2LCD25に表示させる分割画像データとを生成するハード的な処理である。はじめに、サブ統合基板58のCPU581(図3参照)の指示信号に基づき、CPU48aからVDP80に対して、第1LCD24,第2LCD25に表示させる一画像についての画像情報が入力される(S10)。この画像情報とは、第1LCD24,第2LCD25に表示させるキャラクタ等のオブジェクトや、そのオブジェクトのサイズ、移動態様(位置、速さ等)等を特定するものである。
VDP80に画像情報が入力されると、VDP80では、その入力された画像情報に応答して、キャラクタROM81から表示対象オブジェクトの画像データが読み出される(S11)。そして、その読み出された画像データは、VRAM82の仮想表示領域182に展開される(S12)。
ここで、仮想表示領域182における画像データの展開方法について説明する。図6に示すように、仮想表示領域182は、VGA(640×480ドット)に対応している。この仮想表示領域182は、上下2つの領域に分割され、第1LCD24に対応する第1領域182Aと、第2LCD25に対応する第2領域182Bとで構成されている。そして、これら第1領域182A及び第2領域182Bには、キャラクタROM81から読み出されたキャラクタの画像データが複製されてそれぞれ展開される。つまり、仮想表示領域182には、2つの同一の画像データがそれぞれ展開される。
一方、第1LCD24及び第2LCD25の解像度は320×240ドットである。これに対し、仮想表示領域182の解像度は640×480ドットである。つまり、第1LCD24及び第2LCD25の解像度は、仮想表示領域182の解像度の1/4である。そして、第1領域182Aの解像度は640×240ドットであり、第1LCD24の解像度の2倍に相当する。一方、第2領域182Bの解像度も640×240ドットであり、第2LCD25の解像度の2倍に相当する。さらに、第1LCD24と第2LCD25は同じ解像度であるので、第1領域182A及び第2領域182Bの解像度は、第1LCD24と第2LCD25とを合わせた解像度に相当する。つまり、第1領域182A及び第2領域182Bのドットサイズは、第1LCD24と第2LCD25とを上下に連結し、90°回転させた状態のドットサイズに相当する。よって、第1領域182A及び第2領域182Bには、第1LCD24及び第2LCD25に表示させる一画像の画像データが90°回転した状態で展開される。
そして、第1LCD24及び第2LCD25において、第1LCD24と第2LCD25との間に介在するフレーム枠30を除いた状態で表示させるために、第1領域182Aに展開された画像データに対して、第2領域182Bに展開される画像データは、仮想表示領域182の左方向(画像データの配列方向に直交する方向)にフレーム枠30の幅に対応するドット数(aドット)だけずらしている。例えば、第1領域182Aに展開された人物画像の画像データP1に対し、第2領域182Bには、画像データP1と同一の画像データP2を、仮想表示領域182の左方向にaドットだけずらした状態で展開する。これにより、後述するスケーラIC91,92による切出処理によって、フレーム枠30に相当する部分が除かれた分割画像データを生成できる。なお、スケーラIC91,92による切出処理については後述する。
次いで、スケーラIC91,92による切出処理を行うために、VRAM94の仮想表示領域194と、VRAM95の仮想表示領域195とにVRAM82の仮想表示領域182に展開された画像データP1,P2がそのまま展開される(S13)。仮想表示領域194,195のサイズは、VRAM82の仮想表示領域182と同じ解像度640×480ドットである。まず、仮想表示領域194は、上下2つの領域に分割され、第1LCD24に対応する第1領域194Aと、第2LCD25に対応する第2領域194Bとで構成されている。さらに、第1領域194A及び第2領域194Bは、それぞれ左右に2等分され、第1領域194Aは、A1領域とA2領域とで構成され、第2領域194Bは、B1領域とB2領域とで構成されている。そして、このような仮想表示領域194に、VRAM82の仮想表示領域182に展開された画像データP1,P2がそのままの状態で展開される。つまり、第1領域194Aには画像データP1が展開され、第2領域194Bには画像データP2が、画像データP1に対して仮想表示領域194の左方向にaドットずれて展開される。
一方、仮想表示領域195も同様に、上下2つの領域に分割され、第1LCD24に対応する第1領域195Aと、第2LCD25に対応する第2領域195Bとで構成されている。さらに、第1領域195A及び第2領域195Bは、それぞれ左右に2等分され、第1領域195Aは、A1領域とA2領域とで構成され、第2領域195Bは、B1領域とB2領域とで構成されている。そして、このような仮想表示領域195において、VRAM82の仮想表示領域182に展開された画像データP1,P2がそのままの状態で展開される。つまり、第1領域195Aには画像データP1が展開され、第2領域195Bには画像データP2が、画像データP1に対して仮想表示領域195の左方向にaドットずれて展開される。
次いで、スケーラIC91,92による切出処理が実行される(S14)。スケーラIC91は、VRAM94の仮想表示領域194に展開された画像データP1の切出処理を行い、スケーラIC92は、VRAM95の仮想表示領域195に展開された画像データP2の切出処理を行う。ここで、スケーラIC91,92による仮想表示領域194,195の切出位置について説明する。まず、スケーラIC91による仮想表示領域194の切出位置はA1領域に相当する部分である。一方、スケーラIC92による仮想表示領域195の切出位置はB2領域に相当する部分である。つまり、スケーラIC91による切出位置と、スケーラIC92による切出位置とは、仮想表示領域194,195において同一対角線上に位置している。なお、この対角線とは、仮想表示領域194,195における2本の対角線のうち、画像データの配列方向の上流側から下流側に向かって、画像データをずらす方向とは反対側に向かって斜めに延びる対角線である。
さらに、仮想表示領域194,195では、画像データP2は、画像データP1に対してaドットだけ左方向にずれて展開されているので、画像データP2におけるフレーム枠30に相当する部分はB1側にずれて配置されている。つまり、フレーム枠30に相当する部分はB2領域にはないので、スケーラIC92によって切り出される分割画像データからフレーム枠30に相当する部分を除くことができる。こうして、スケーラIC91によって、第1LCD24に表示させる分割画像の分割画像データが切り出され、スケーラIC92によって、第2LCD25に表示させる分割画像の分割データが切り出され、2つの分割画像データが作成されることになる。
次いで、図4に示すように、スケーラIC91によって切り出された分割画像データは、分割画像信号としてLCD駆動回路97に出力され、スケーラIC92によって切り出された分割画像データは、分割信号としてLCD駆動回路98に出力される(S15)。そして、LCD駆動回路97では、スケーラIC91から入力された分割画像信号に基づいて、第1LCD24に分割画像を表示させる(S16)。一方、LCD駆動回路98では、スケーラIC92から入力された分割画像信号に基づいて、第2LCD25に分割画像を表示させる(S16)。このように、VDP80によって作成された1個の画像データを元にして、スケーラIC91,92が分割画像データを切り出すので、第1LCD24,第2LCD25の表示タイミングを確実に合わせることができる。さらに、第1LCD24及び第2LCD25において、フレーム枠30に相当する部分が表示されないので、フレーム枠30おいて上下に間延びしない自然な人物画像を表示することができる。
なお、本実施形態のように、分割画像データのサイズ(解像度)が、第1LCD24,第2LCD25のサイズと同じである場合は、分割画像データを変えることなく、そのままのサイズで第1LCD24,第2LCD25に出力することができるが、分割画像データのサイズと、第1LCD24,第2LCD25のサイズとが異なる場合がある。この場合、スケーラIC91,92によるスケーリング処理(拡大縮小処理)を実行することによって、分割画像データの解像度を、第1LCD24,第2LCD25の解像度に対応させることができる。
しかしながら、画像データP1に対する画像データP2のずれ幅を、フレーム枠30の幅に対応するドット数にしてしまうと、分割画像データのサイズと、第1LCD24,第2LCD25のサイズとが異なっているので、分割画像データから、フレーム枠30の幅に対応する部分を正確に取り除くことができない。そこで、フレーム枠30の幅に対応するドット数に対して、第1LCD24,第2LCD25のドット数を分割画像データのドット数で割った数の逆数を乗じて得られるドット数だけ、画像データP2をずらせばよい。これにより、スケーラIC92によって切り出される分割画像データから、フレーム枠30の幅に対応する部分を正確に取り除くことができる。
次に、スケーラIC91,92による切出位置を対角配置することの特有の効果について説明する。上記説明したように、VRAM94,95の仮想表示領域194,195において、スケーラIC91,92によって切り出される一対の切出位置は互いに対角配置されている。これにより、主に2つの特有の効果を発揮できる。
1つ目は、仮想表示領域を有効に活用できる点にある。例えば、第1LCD24及び第2LCD25に分割画像を各々表示させる場合、各切出位置を対角配置ではなく、同じ側(例えば、A1領域とB1領域)に配置させることも可能ではある。しかしながら、同じ側に配置した場合、第1LCD24及び第2LCD25に一画像が正確に分割されてそれぞれ表示されるように、画像データP1,P2を仮想表示領域182にそれぞれ展開しなければならない。この場合、画像データP1,P2は仮想表示領域182の左右に互いに大きくずらして展開しなければならない。さらに、フレーム枠30のフレーム幅を考慮すると、画像データP1,P2をさらにずらさなければならない。このため、仮想表示領域182に画像データP1,P2を描画しきれなくなる不具合が生じる。これに対し、各切出位置を互いに対角配置することで、仮想表示領域182には画像データP1,P2をそれぞれ並べて展開するだけで足り、フレーム枠30のフレーム幅を考慮する場合にだけ一方向に所定幅だけずらせばよい。つまり、仮想表示領域182を有効に活用できるという特有の効果を発揮することができる。
2つ目は、スクロール表示が簡単にできる点にある。スクロール表示とは、第1LCD24及び第2LCD25において、あるオブジェクトを縦方向、又は横方向に移動させながら表示することを言う。まず、縦方向スクロール表示について説明する。例えば、図6に示す人物オブジェクトを第1LCD24、第2LCD25の上方向に向かってスクロール表示させる場合、人物オブジェクトは、第1LCD24と第2LCD25との間をまたがって移動する。つまり、第1LCD24、第2LCD25にそれぞれ対応する画像データを用意しなければならないので、VRAM82の仮想表示領域182には、画像データP1,P2が展開される。
そして、画像データP1、P2は、互いの距離を保ったまま仮想表示領域182の左側に移動して随時展開される。さらに、VRAM94,95の仮想表示領域194,195においても同様にそのまま展開される。そして、画像データP1,P2のうち、スケーラIC91,92によってそれぞれ切り出されるのは、A1領域と、B2領域とに位置する部分である。こうして、第1LCD24と第2LCD25とにまたがって表示される人物オブジェクトが上方向に移動するように表示される。
次に、横方向スクロール表示について説明する。横方向スクロール表示は、第1LCD24と第2LCD25との間をまたがらずに、第1LCD24及び第2LCD25のそれぞれに表示された画像オブジェクトを横スクロールさせる場合に有効である。例えば、図7に示すように、第1LCD24に横並びの「1」、「2」、「3」からなる数列を左方向にスクロール表示させ、第2LCD25に横並びの「4」、「5」、「6」からなる数列を右方向にスクロール表示させる場合は以下の通りである。まず、画像オブジェクトである「1」、「2」、「3」は第1LCD24にのみ表示され、画像オブジェクトである「4」、「5」、「6」は第2LCD25にのみ表示される。この場合、VRAM82の仮想表示領域182の左半分の領域には、「1」、「2」、「3」の画像データが、90°回転した状態で、仮想表示領域182の縦方向(上から下)に並んで展開され、仮想表示領域182の右半分の領域には、「4」、「5」、「6」の画像データが、90°回転した状態で、仮想表示領域182の縦方向(上から下)に並んで展開される。つまり、各画像データは、第1LCD24と第2LCD25との間をまたがって移動しないので、VRAM82の仮想表示領域182には、縦スクロール表示のように、画像をコピーして展開する必要はない。
次いで、VRAM94,95の仮想表示領域194,195においても同様にそのまま展開される。そして、画像データ「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」のうち、スケーラIC91,92によってそれぞれ切り出されるのは、上記実施例と同様にA1領域と、B2領域とに位置する部分である。こうして、第1LCD24及び第2LCD25には、A1領域と、B2領域とに対応する部分が表示される。これに続いて、「1」、「2」、「3」の画像データは、VRAM82の仮想表示領域182の左半分の領域において、下方向に随時移動して展開され、「4」、「5」、「6」の画像データは、VRAM82の仮想表示領域182の右半分の領域において、上方向に随時移動して展開される。このとき、VRAM94,95の仮想表示領域194,195では、「1」、「2」、「3」の画像データの一部はB1領域内にかかり、「4」、「5」、「6」の画像データの一部はA2領域内にかかるが、B1領域、A2領域はスケーラIC91,92によって切り出されず、A1領域と、B2領域とに対応する部分が切り出されて表示される。これにより、第1LCD24では、「1」、「2」、「3」が左方向にスクロールし、第2LCD25では、「4」、「5」、「6」が右方向にスクロールするように表示される。
つまり、VRAM94,95の仮想表示領域194,195において、「1」、「2」、「3」の画像データは、B1領域内に移動してもB2領域内に移動することはなく、「4」、「5」、「6」の画像データも、A2領域内に移動してもA1領域内に移動することはないので、互いの領域に影響のない表示を容易に行うことができる。以上のことから、縦スクロール表示及び横スクロール表示の何れの場合においても、スケーラIC91,92による切出位置を変更せずに、A1領域及びB2領域の互いの領域に影響のない表示を行うことができるという特有の効果を発揮することができる。
なお、上記した表示態様の他にも、第1LCD24と第2LCD25とにおいて、それぞれ独立した演出を行う場合がある。この場合、第1LCD24に表示する画像の画像データは、仮想表示領域194のA1領域に配置されるように展開されるが、A2領域、B1領域にはみ出して展開されたとしても、A2領域及びB1領域に位置する部分は表示されない。一方、第2LCD25に表示する画像の画像データも、仮想表示領域195のB2領域に配置されるように展開されるが、A2領域、B1領域にはみ出して展開されたとしても、A2領域及びB1領域に位置する部分は表示されない。つまり、A1領域とB2領域とが互いに対角配置されていることによって、A1領域に展開された画像データや、B2領域に展開された画像データが仮想表示領域194,195の上下方向、又は左右方向に移動して展開されたとしても、A1領域又はB2領域からはみ出るだけで、互いの領域A1領域又はB2領域にはみ出ることがない。よって、互いの領域に影響のない表示を容易に行うことができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1では、遊技盤2に設けられた液晶である上下一対の第1LCD24及び第2LCD25に一画面を表示することができる。このパチンコ機1は、第1LCD24及び第2LCD25に表示させる画像を制御する演出表示基板48を備え、演出表示基板48には、CPU48aと、該CPU48aから入力される画像情報に基づいて画像データを生成するVDP80と、該VDP80が生成した画像データを展開して記憶するVRAM82と、該VRAM82の仮想表示領域182に展開された画像データから分割画像を切り出して、第1LCD24,25に分割画像信号を出力するスケーラIC91,92等が設けられている。
そして、VRAM82の仮想表示領域182には、第1LCD24と第2LCD25に対応する一対の同一の画像データが展開され、それら画像データは、スケーラIC91,92の作業領域となるVRAM94,95の仮想表示領域194,195にそのまま展開される。そして、スケーラIC91は、VRAM94の仮想表示領域194に展開された画像データの切出処理を行い、スケーラIC92は、VRAM95の仮想表示領域195に展開された画像データの切出処理を行う。ここで、仮想表示領域194,195におけるスケーラIC91による切出位置と、スケーラIC92による切出位置とは、互いに対角配置されている。これにより、仮想表示領域194,195に展開された各画像データから、スケーラIC91,92によって、第1LCD24,第2LCD25に対応する各分割画像データが切り出されるので、第1LCD24,第2LCD25に表示させる分割画像データを容易に作成することができる。そして、画像表示手段と同数のスケーラICを備えることによって、高価なVDP80は一個で足りるので、部品コストの低減を図ることができる。さらに、VDP80によって生成される画像データを元にして、スケーラIC91,92によって分割画像データが生成されるので、第1LCD24,第2LCD25の表示タイミングを確実に合わせることができる。
さらに、第1LCD24と第2LCD25との間にフレーム枠30が介在する場合、VRAM82の仮想表示領域182には、第1LCD24と第2LCD25に対応する一対の画像データが、フレーム枠30のフレーム幅に対応するドット数だけずれて展開される。つまり、フレーム幅に対応する部分がずれることによって、スケーラIC92の切出位置から外れる。よって、スケーラIC92によって切り出される分割画像データには、フレーム枠30に相当する部分がないので、第1LCD24と第2LCD25との間のフレーム枠30において上下に間延びしない自然な画像を表示することができる。
以上説明において、図4に示す第1LCD24、第2LCD25が本発明の「画像表示手段」に相当し、図4に示すVDP80が本発明の「画像データ作成手段」に相当し、スケーラIC91,92が本発明の「分割画像切出手段」に相当し、VRAM82が本発明の「第1記憶手段」に相当し、VRAM94,95が本発明の「第2記憶手段」に相当し、仮想表示領域182が本発明の「第1仮想表示領域」に相当し、仮想表示領域194,195が「第2仮想表示領域」に相当し、LCD駆動回路97,98が本発明の「画像出力手段」に相当する。
なお、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、上下に2つの画像表示手段(第1LCD24,第2LCD25)を設けた遊技盤2を備えるパチンコ機1について説明したが、上下に3つの画像表示手段(第1LCD24,第2LCD25,第3LCD26)を備えたパチンコ機にも適用可能である。
次に、3つの画像表示手段を備えたパチンコ機の第1変形例について説明する。図8は、演出表示基板148の電気的構成を示すブロック図(第1変形例)であり、図9は、VRAM82の仮想表示領域282における画像データの展開方法について示す説明図(第1変形例)であり、図10は、分割画像データ生成処理を示す説明図(第1変形例)である。なお、上記実施形態と同じ構成部分については、上記実施形態と同じ符号を付して説明する。
このパチンコ機の遊技盤には、図10に示す上下方向に並んだ第1LCD24,第2LCD25,第3LCD26の画像表示手段が設けられている。これら第1LCD24〜第3LCD26の周囲は、フレーム枠230によって取り囲まれ、第1LCD24と第2lCD25との間はフレーム幅F1だけ上下に離間し、第2LCD25と第3LCD26との間はフレーム幅F2だけ上下に離間している。なお、フレーム幅F1とフレーム幅F2とは互いに同じ長さである。
また、このパチンコ機は、上記実施形態と同様の電気的構成を備え、図8に示す演出表示基板148を備えている。この演出表示基板148には、上記実施形態の演出表示基板48と同様のCPU48a、VDP80、スケーラIC91,92等に加え、第3LCD26に表示させる分割画像の分割画像データを生成するためのスケーラIC93が設けられている。このスケーラIC93はVDP80に接続され、スケーラIC93には、第3LCD26に分割画像を表示するLCD駆動回路99が接続されている。また、VDP80のVRAM82には、3つの画像データを展開するための仮想表示領域282(図9参照)が設けられている。なお、図示しないが、演出表示基板148にも、演出用図柄表示画面8aに対応するVDP、VRAM、LCD駆動回路等が設けられ、そのVDPはCPU48aに接続されている。
次に、VDP82の仮想表示領域282における画像データの展開方法について説明する。図9に示すように、仮想表示領域282には、第1LCD24に対応する第1領域282Aと、第2LCD25に対応する第2領域282Bと、第3LCD26に対応する第3領域282Cとが上下方向に並んで設けられている。そして、第1領域282A、第2領域282B、第3領域282Cには、キャラクタROMから読み出される同一キャラクタの画像データが上記実施形態と同様の方法でそれぞれ展開される。なお、画像表示手段が4つ以上である場合には、第3領域282Cに続いて、第4領域、第5領域等が設けられる。
さらに、第2領域282Bに展開される画像データは、第1領域282Aに展開された画像データに対して、仮想表示領域282の左方向にフレーム枠230のフレーム幅F1,F2に対応するドット数(bドット)だけずれて展開され、第3領域282Cに展開される画像データは、第2領域282Bに展開された画像データに対して、仮想表示領域282の左方向にbドットずれて展開される。例えば、第1領域282Aに人物の画像データQ1が展開されると、第2領域282Bには、同一の画像データQ2が、第1領域282Aに展開された画像データQ1に対して、仮想表示領域282の左方向にbドットずれて展開され、第3領域282Cには、同一の画像データQ3が、第2領域282Bに展開された画像データQ2に対して、仮想表示領域282の左方向にbドットずれて展開される。
次に、VRAM94,95,96における画像展開方法と、スケーラIC91,92,93による切出処理について説明する。図10に示すように、VRAM94の仮想表示領域294、VRAM95の仮想表示領域295、VRAM96の仮想表示領域296には、VRAM82の仮想表示領域282に展開された画像データQ1,Q2,Q3がそのまま展開される。ここで、仮想表示領域294,295,296について説明する。仮想表示領域294には、縦×横が3×3の格子状に配列された9つの領域からなる表示領域が設けられている。
この表示領域の上段には、仮想表示領域294の左側から右側に向かって並んだA1領域、A2領域、A3領域からなる第1領域294Aが設けられ、中段には、仮想表示領域294の左側から右側に向かって並んだB1領域、B2領域、B3領域からなる第2領域294Bが設けられ、下段には、仮想表示領域294の左側から右側に向かって並んだC1領域、C2領域、C3領域からなる第3領域294Cが設けられている。そして、第1領域294Aは、第1LCD24に対応し、第2領域294Bは、第2LCD25に対応し、第3領域294Bは、第3LCD26に対応している。なお、仮想表示領域295にも同様の領域が設けられ、A1領域、A2領域、A3領域からなる第1領域295Aと、B1領域、B2領域、B3領域からなる第2領域295Bと、C1領域、C2領域、C3領域からなる第3領域295Cとが設けられている。仮想表示領域296にも、A1領域、A2領域、A3領域からなる第1領域296Aと、B1領域、B2領域、B3領域からなる第2領域296Bと、C1領域、C2領域、C3領域からなる第3領域296Cとが設けられている。
そして、このような仮想表示領域294,295,296において、VRAM82の仮想表示領域282に展開された画像データQ1,Q2,Q3がそのままの状態で展開される。つまり、仮想表示領域294においては、第1領域294Aに画像データQ1が展開され、第2領域294Bに、画像データQ1に対して仮想表示領域294の左方向にbドットずれて画像データQ2が展開され、第3領域294Cに、画像データQ2に対して仮想表示領域294の左方向にbドットずれて画像データQ3が展開される。なお、仮想表示領域295,296においても同様に展開される。
次に、スケーラIC91,92,93による切出処理について説明する。図10に示すように、スケーラIC91は、VRAM94の仮想表示領域294に展開された画像データQ1の切出処理を行い、スケーラIC92は、VRAM95の仮想表示領域295に展開された画像データQ2の切出処理を行い、スケーラIC93は、VRAM96の仮想表示領域296に展開された画像データQ3の切出処理を行う。
ここで、スケーラIC91,92,93の仮想表示領域294,295,296における切出位置について説明する。まず、仮想表示領域294上のスケーラIC91による切出位置はA1領域に相当する部分である。そして、仮想表示領域295上のスケーラIC92による切出位置はB2領域に相当する部分である。さらに、仮想表示領域296上のスケーラIC93による切出位置はC3領域に相当する部分である。つまり、スケーラIC91による切出位置と、スケーラIC92による切出位置と、スケーラIC93による切出位置とは、仮想表示領域294,295,296において一対角線上に位置する関係となっている。なお、この対角線とは、仮想表示領域294,295,296における2つの対角線のうち、画像データの配列方向の上流側から下流側に向かって、画像データをずらす方向とは反対側に向かって斜めに延びる対角線である。
そして、仮想表示領域294,295,296において、画像データQ2は、画像データQ1に対してbドットずれて展開され、画像データQ3は、画像データQ2に対してbドットずれて展開されているので、画像データQ2におけるフレーム幅F1に相当する部分はB1領域側にずれている。さらに、画像データQ3におけるフレーム幅F2に相当する部分はC2領域側にずれている。よって、フレーム枠230のフレーム幅F1に相当する画像データQ2の部分はB2領域にはなく、フレーム枠230のフレーム幅F2に相当する画像データQ3の部分はC3領域にはない。よって、スケーラIC92によって切り出される分割画像データにフレーム幅F1に相当する部分は含まれず、スケーラIC93によって切り出される分割画像データにフレーム幅F2に相当する部分は含まれない。
こうして、スケーラIC91によって切り出された分割画像データは、分割画像信号としてLCD駆動回路97に出力され、スケーラIC92によって切り出された分割画像データは、分割信号としてLCD駆動回路98に出力され、スケーラIC93によって切り出された分割画像データは、分割信号としてLCD駆動回路99に出力される。なお、スケーラIC91,92,93は、切り出した分割画像データが、第1LCD24,第2LCD25,第3LCD26のサイズに合うように、拡大縮小処理を行う。すると、第1LCD24,第2LCD25,第3LCD26において、フレーム枠230のフレーム幅F1に相当する部分と、フレーム幅F2に相当する部分とを除いた状態で人物画像を表示することができる。これにより、第1LCD24,第2LCD25,第3LCD26において、フレーム枠230おいて上下に間延びしない自然な人物画像を表示させることができる。
なお、この第1変形例では、3つの画像表示手段を備えたパチンコ機について説明したが、本発明は3つ以上の画像表示手段を備えた場合についても適用可能である。つまり、画像表示手段の数に対応するスケーラICを設け、VDPによって生成された画像データから分割画像データを各々切り出すことによって、複数の画像表示手段に対して容易に分割画像を表示させることができる。
ところで、上記実施形態のパチンコ機1及び第1変形例のパチンコ機では、VRAM82の仮想表示領域182,282の一対角線上に複数の画像データを斜めに並べて展開したが、分割画像を表示させる画像表示手段のサイズに対して、仮想表示領域のサイズに余裕がある場合は、遊技盤上の画像表示手段の配置態様そのものを、仮想表示領域に展開してもよい。
そこで、遊技盤上の画像表示手段の配置態様をそのまま、仮想表示領域に展開して画像処理を行うパチンコ機の第2変形例について説明する。図11は、仮想表示領域382における画像データの展開方法について示す説明図(第2変形例)であり、図12は、分割画像データ生成処理を示す説明図(第2変形例)である。例えば、パチンコ機の遊技盤には、図12の下側に示す縦×横が3×3のマトリックス状に配置された第1LCD124〜第9LCD132が設けられている。これら第1LCD124〜第9LCD132には、上記実施形態と同様に一画像が表示される。これら第1LCD124〜第9LCD132は、フレーム枠230によってその外周が取り囲まれ、各LCDの間はフレーム幅だけ離間している。なお、図示しないが、このパチンコ機には、上記実施形態と同様の演出表示基板が設けられ、該演出表示基板には、上記実施形態の演出表示基板48と同様のCPU48a、VDP80等に加え、第1LCD124〜第9LCD132に対応する9つのスケーラICが設けられている。そして、各スケーラICには、分割画像データの切出処理を行うためのVRAMが各々接続されている。
図11に示すように、VDPに接続されたVRAMの仮想表示領域382には、第1LCD124〜第9LCD132に表示させる一画像の画像データを展開するための展開領域482が設けられている。この展開領域482は、第1LCD124〜第9LCD132に表示させる一画像のサイズと同じサイズに調整されている。つまり、ブロック状に集合する第1LCD124〜第9LCD132を取り囲むフレーム枠230の外周部分を除いたサイズにそのまま対応させている。そして、この展開領域482には、第1LCD124〜第9LCD132に表示させる一画像の画像データが展開される。また、各スケーラICに接続されたVRAMには仮想表示領域が設けられ、その仮想表示領域には、VDPに接続されたVRAMの仮想表示領域382に展開された画像データがそのまま展開されるようになっている。
そして、図12に示すように、例えば、第1LCD124に対応するスケーラICに接続されたVRAMの仮想表示領域394には、仮想表示領域382の展開領域482に展開された画像データがそのまま展開される展開領域494が設けられている。この展開領域494は、第1LCD124〜第9LCD132の遊技盤上の配置態様に合わせて、9つの領域に分割され、第1領域A、第2領域B、第3領域C、第4領域D、第5領域E、第6領域F、第7領域G、第8領域H、第9領域Iが各々設けられている。そして、第1領域Aは第1LCD124に対応し、第2領域Bは第2LCD125に対応し、第3領域Cは第3LCD126に対応し、第4領域Dは第4LCD127に対応し、第5領域Eは第5LCD128に対応し、第6領域Fは第6LCD129に対応し、第7領域Gは第7LCD130に対応し、第8領域Hは第8LCD131に対応し、第9領域Iは第9LCD132に対応している。さらに、第1領域A、第2領域B、第3領域C、第4領域D、第5領域E、第6領域F、第7領域G、第8領域H、第9領域Iは、互いにフレーム枠230のフレーム幅に対応するドット数(cドット)だけ離間している。なお、図示しないが、第2LCD125〜第9LCD132に対応する各スケーラICに接続された各VRAMの仮想表示領域にも同様の展開領域が設けられ、該展開領域には、第1領域A、第2領域B、第3領域C、第4領域D、第5領域E、第6領域F、第7領域G、第8領域H、第9領域Iが各々設けられている。
そして、第1LCD124に対応するスケーラICは、仮想表示領域394の第1領域Aから分割画像データを切り出し、第2LCD125に対応するスケーラICは、仮想表示領域の第2領域Bから分割画像データを切り出し、第3LCD126に対応するスケーラICは、仮想表示領域の第3領域Cから分割画像データを切り出し、第4LCD127に対応するスケーラICは、仮想表示領域の第4領域Dから分割画像データを切り出し、第5LCD128に対応するスケーラICは、仮想表示領域の第5領域Eから分割画像データを切り出し、第6LCD129に対応するスケーラICは、仮想表示領域の第6領域Fから分割画像データを切り出し、第7LCD130に対応するスケーラICは、仮想表示領域の第7領域Gから分割画像データを切り出し、第8LCD131に対応するスケーラICは、仮想表示領域の第8領域Hから分割画像データを切り出し、第9LCD132に対応するスケーラICは、仮想表示領域の第9領域Iから分割画像データを切り出す。
つまり、第1領域A〜第9領域Iは、予め、フレーム枠230のフレーム幅を考慮して配置されているので、第1領域A〜第9領域Iから切り出された9つの分割画像データから、フレーム幅に相当する部分はない。これにより、第1LCD124〜第9LCD132に表示される一画像において、フレーム幅に相当する部分を表示させないことができる。このような方法においても、フレーム枠230の部分で間延びしない自然な画像を表示することができる。
以上説明した第2変形例では、本実施形態、第1変形例とは異なり、VDPに接続されたVRAMの仮想表示領域382には1つの画像データを展開するだけであるので、仮想表示領域382における描画が極めて容易である。さらに、その1つの画像データを元にして、第1LCD124〜第9LCD132に表示させるための分割画像データを、フレーム枠230のフレーム幅を考慮しつつ各々切り出すので、フレーム枠230の部分で間延びしない自然な画像を簡単に表示することができる。
なお、本発明は、上記実施形態、第1変形例、第2変形例の他にも、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、VDP80は、VGA(640×480)の解像度で画像データを作成したが、SVGA、XGA、若しくはUXGA等の解像度で画像データを作成してもよい。
さらに、上記実施形態では、第1LCD24,第2LCD25は上下に配置されているが、左右に配置させた場合にも適用可能である。
また、上記実施形態は遊技機として、遊技機の一種であるパチンコ機1を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機およびスロット等の各種遊技機に適用可能である。