JP5180924B2 - 結晶方位解析方法 - Google Patents

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本発明は、EBSD(Electron Backscatter Diffraction:電子後方散乱回折)を用いて、多結晶材料の結晶方位を解析する方法に関する。
原子力発電所等において多用されるステンレス鋼やニッケル基合金では、塑性ひずみによって応力腐食割れの感受性が大きくなることが知られているが、その原因については明らかでない。応力腐食割れは、微小なき裂の発生、成長に端を発する局所破壊現象であることから、その発生に及ぼす塑性ひずみ影響を考察するには、不均一に分布する局所的な塑性ひずみを把握することが重要である。
電子後方散乱回折(EBSD)を用いることで、試料表面付近の結晶方位を50nm程度の分解能で測定できる。そして、測定データから局所的な結晶方位の変化(局所方位差)を算出することで、局所的なひずみ量を推定することができることが知られている(例えば、非特許文献1、特許文献1等)。
しかしながら、EBSDによる結晶方位の測定には、使用されるCCDカメラのピクセル数等の種々要因によって、0.1〜1°程度の誤差が含まれる。それに対し、隣接する測定点間の結晶方位差は0.1°を下まわる場合もあり、微小な方位差を測定する場合に方位測定値の誤差による影響が無視できなくなる。そのため、結晶方位測定値から得られる結晶方位差には多くの誤差が含まれ、この誤差のため、滑らかな方位差分布図が得られない。
滑らかな結晶方位差分布図を得るために、方位差の平均をとる方法が知られている。しかし、結晶方位差分布図が滑らかになっても、含まれる誤差が低減されるわけではない。その理由は、図15を参照して説明すると、一様な真の方位差分布に対してランダムな誤差が重畳されると、図に示すように同定される方位差はランダムに変化する。しかし、方位差は絶対値で算出されることから、その平均値は真の方位差より大きくなり、定量的な評価に用いることができない。したがって、方位差の平均をとるのみでは方位差に含まれる誤差を低減することができない。
そこで本発明者は、先に、測定領域を格子状のサブ領域に分割し、サブ領域毎に結晶方位測定値の平均値を算出し、次に、サブ領域毎に算出された平均化された結晶方位から局所方位差を算出する領域平均法を提案した(特許文献2)。領域平均法によれば、サブ領域毎に方位測定値の平均値を算出することにより、結晶方位測定時に発生する誤差を平均化し、方位差同定の精度を向上させることができる。
イー.エム.レホッケイ(E.M.Lehockey)、ワイ.リン(Y. Lin)及びオー.イー.レピク(O.E. Lepik)著、「電子後方散乱を用いた材料中の残留塑性変形のマッピング」("Mapping Residual Plastic Strain in Materials Using Electron Backscatter Diffraction"), エイ.ジェー.シュワルツ編集、「エレクトロン バックスキャター ディフラクション イン マテリアルズ サイエンス」(Electron Backscatter Diffraction in Material Science)、クルーワー アカデミック/プレナム(Kluwer Academic/Plenum)発行(米国)、2000年、247〜264頁 特開2007−322151号公報 特開2009−52993号公報
上記の領域平均法は、方位測定誤差を吸収できる点で優れているものの、精度のよい平均方位を得るには、測定点の数を増やさなければならず、測定時間が長くなるという問題があった。
そこで、本発明は、方位測定誤差を吸収できるとともに、測定点数の増加を招来しない効率の良いデータ処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、電子後方散乱回折により所定距離間隔の格子状測定点を測定した結晶方位データを、コンピュータによってデータ処理する結晶方位の解析方法であって、前記結晶方位データを用いて隣り合う測定点の方位差を演算し、得られた方位差を予め定められた閾値と比較することにより結晶粒界を求めるステップと、同一結晶粒内の前記結晶方位データを用いて、同一結晶粒内の各測定点について、各測定点の周囲の所定範囲内にある測定点との結晶方位データの平均を算出することにより、平均化された結晶方位データを求めるステップと、同一結晶粒内の前記平均化された結晶方位データを用いて、同一結晶粒内の方位差を演算するステップと、を含むことを特徴とする前記解析方法を提供する。
本発明によれば、同一結晶粒内において、対象となる測定点の周囲の結晶方位の平均を算出し、その方位とすることにより、一つの測定点について平均の算出に利用した結晶方位データは他の測定点においても平均の算出に利用されることになり、測定点数を増やすことなく、方位測定誤差を効率的に小さくすることができる。
EBSDを用いた結晶方位測定システムのシステム構成例を示す概略図である。 本発明に係る結晶方位解析方法を概略的に示すフロー図である。 方位差の定義を説明するための説明図である。 方位の平均化のための方法を説明するための説明図である。 方位の平均化のための方法を説明するための説明図である。 方位の平均化のための方法を説明するための説明図である。 EBSD装置により自動的に作成された結晶方位分布を表示したモニター画像である。 本発明方法による実施例の方位差分布を濃淡で表示したモニター画像である。 本発明方法による他の実施例の方位差分布を濃淡で表示したモニター画像である。 本発明方法による更に他の実施例の方位差分布を濃淡で表示したモニター画像である。 従来方法による比較例の方位差分布を濃淡で表示したモニター画像である。 図8と同じ実施例と、比較例との方位差を示すグラフである。 本発明実施例と、比較例との方位差平均を示すグラフである。 方位差平均と塑性歪みとの関係を示すグラフである。 結晶方位における誤差の影響を説明するための説明図である。
本発明について、以下に、図1〜14を参照して説明する。EBSDを用いた結晶方位測定システム(以下、「EBSD装置」と言う。)の一例の概略図を図1に示す。走査型電子顕微鏡1の鏡筒内にセットしたステージ2上の試料3に電子線を照射するとスクリーン4上に電子後方散乱回折像(Electron Backscatter Diffraction Pattern:EBSP)が投影される。この電子後方散乱回折像を、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)内蔵のCCU(カメラコントロールユニット)5を介して、CCD等の高感度カメラ6で撮影し、画像データとしてコンピュータ7に取り込む。カメラ5は、により制御される。ステージ2は、コンピュータと接続されたステージコントロールユニット8により制御される。走査型電子顕微鏡1は、コンピュータ7と接続されたSEMコントロールユニット9により制御される。コンピュータ7では画像解析が行われ、既知の結晶系を用いたシミュレーションによるパターンとの比較によって方位が決定される。測定された方位は、指数付けされた後、オイラー角(α、β、γ)のデータ等数値(結晶方位データ)に変換され、座標データとともに、ハードディスク等のデータ記憶装置7aに記憶される。試料への電子線の照射は、一定の領域内において、所定間隔で格子状の測定点について行われる。測定点の間隔(データ密度)は、例えば、0.2〜20μmに設定され得る。EBSD装置は、設定したデータ密度で自動的に電子線を走査しながら結晶方位を同定し、結晶方位分布図を自動的に作成し、モニター10に表示することができる。これらのプロセスは自動的に行われる。
本発明では、コンピュータ7によって、データ記憶装置7aに記憶されている結晶方位データ(α、β、γ)を読み込み、以下に説明する手順に従って、同じく記憶装置7aにインストールされたコンピュータプログラムによりデータ処理する。以下、本発明解析方法におけるデータ処理プロセスについて、図2のフローチャート及び関連する図面3〜14を参照して説明する。なお、前記プログラムは、DVDやCD−ROM等の記憶媒体に記録して提供される場合もある。
先ず、オイラー角で表示される結晶方位データ(α、β、γ)を用いて、隣り合う測定点の方位差Δδが演算される(図2のステップS1)。方位差は、図3に示すように、格子状の測定点について、例えば測定点Pを中心とする周囲4点の測定点P〜Pとの間で演算され、方位差が予め定められた閾値以上、例えば5°以上(即ち、Δδ≧5°)の場合には粒界が存在すると定義し、結晶粒界Bを求める(ステップS2)。
上記のようにして粒界が求まれば、図4に示すように、結晶粒界Bで囲まれた領域を結晶粒と判定し(S3)、同一結晶粒内の各測定点における結晶方位データを用いて、同一結晶粒内の各測定点について、各測定点の周囲の測定点との結晶方位データの平均を算出することにより、平均化された結晶方位データを求める(ステップS4)。
例えば、図4において、測定点Pについて、測定点Pを中心とする周囲の8個測定点の方位データを用いて、中心となる測定点Pとその周囲8個の測定点の、合計9個の測定点の方位の平均(「平均方位」と言う。)を算出する。こうして算出された平均方位データを、中心の測定点Pの方位と見なす。平均化する範囲は、図4示例のように、対象となる測定点を含みその周囲の3×3個の範囲とする他、5×5の25個(図5)、7×7の49個(図6)等、測定精度や測定条件などに応じて、適宜選択することができる。
同一結晶粒内の全ての測定点について、上記した方位の平均化処理が行われる。図4の測定点Pのように同一結晶粒内に測定点Pの周囲を囲む測定点が3個しかない場合は、同一結晶粒内にある測定点P、P、P、Pの4個の結晶方位データを用いて、方位の平均化処理が行われ、得られた平均方位を測定点Pの方位とみなす。
上記のようにして同一結晶粒内の各測定点について、平均化した方位を各測定点の方位と見なすことにより、方位の誤差を小さくすることができる。また、図4において例えば測定点P、Pの平均方位を算出する際に測定点Pの方位が重複して利用されていることから分かるように、方位の平均を演算する際に、一つの方位データを複数回利用するので、測定点の数を増やさずに効率的に方位誤差を低減することができる。なお、方位差は測定点間の距離に依存することから平均値を算出する場合は対象となる測定点間の距離を一致させる必要があるため、例えば、平均化する範囲が3×3の場合は中心から同じ距離にある4個の測定点間の方位差の平均しかとることができないが、方位の平均をとる場合は、3×3=9個の平均を用いることができるので、方位差の平均をとる場合に比べて、平均化の効果がより大きくなると考えられる。
結晶方位の自由度は3で、さらに立方晶の場合には等価な24通りの角度変数の組み合わせが存在することから、結晶方位の平均値算出には工夫を要する。本発明では、一例として、以下の算出方法を利用した。
一般に結晶方位の平均を求めることは困難であるが、例えば4元法算法を用いて方位の平均を求めることができる。まず、4次元関数qを次式(1)のように定義する。
ここで、
ρは共通回転軸を表わす単位ベクトルである。また、ωは回転角度であり、下記式の関係が成立する。
結晶方位の平均mは、次式(3)で求まる。
ここでNはデータ数である。ただし、立方晶は24通りの等価な方位を有することから、(3)式の計算にどの等価方位を用いるかが問題となる。そこで、24通りすべての等価方位に関して、次式(4)によってi−1番目の方位変化を計算する。
そして、24通りの中で最も小さいdmを取る方位のqを用いて(3)式を計算する。これにより、結晶方位の平均を計算することが可能となる。
こうして各測定点について得られた平均方位mを用いて、次式(5)で定義した方位差Mを算出する(ステップS5)。
ここで、δ(m,m)は、図3の隣接する測定点Pの平均方位mとPの平均方位mの方位差を示す。方位差δ(m、m)が所定の閾値(例えば5°)以上と判定した場合は結晶粒界と見なし、同一結晶粒の外にある測定点の方位を上式(5)で定義される方位差の計算から除外する。すなわち、図3(a)に示すように測定点Pと隣接する測定点Pとの間に結晶粒界が存在しないと判定した場合は下記式(6)により方位差が求められ、測定点Pと隣接する測定点P、Pとの間に結晶粒界が存在すると判定した場合は下記式(7)により方位差が求められる。
なお、粒界の存在を判定するための前記閾値は、材料の結晶構造、塑性ひずみの大きさを考慮して、5〜15°の範囲において適宜決定される。
本発明によれば、方位差を算出するための結晶方位データに含まれる誤差を効率的に小さくすることにより、結晶方位差の誤差を効率的に低減できる。
結晶方位測定装置のデータ処理プログラムに本発明方法を追加することで、結晶方位差(結晶回転量)の滑らかで誤差の少ない方位差分布図を効率的に得ることができ、多結晶材料の局所歪みの推定に役立つ。
なお、上記方位差の算出にあたっては隣接する測定点間の方位差を算出したが、上記した平均化された方位を用いて、結晶粒内の中心方位を求めて同一結晶粒内の他の測定点の方位との方位差を算出することもできる。
以下、本発明について、実施例に基づき詳細に説明する。
試料は、容体化処理した316ステンレス鋼(化学組成を下記表1に示す。)とし、平板型試験片(ゲージ長さ20mm、断面2×4mm)に加工し、0%、4.9%、10.3%、15.2%の公称永久歪みが生じるまで引張荷重を負荷した4種類を用意した。引張時の変形速度は毎分1mmとし、塑性歪みは、試験片表面の長手方向に印した2つのビッカーズ圧痕間距離の変化を測定顕微鏡で測定することにより算出した。塑性歪み負荷後、試験片中央部の10mmの区間を切り出した。そして表面を最終3μmのダイヤモンドスラリーで鏡面に研磨した後、コロイダルシリカによる研磨をおこなった。
作成した試料の結晶方位を測定した。結晶方位の測定には、電界放射型電子銃を装備したSEM(Carl Zeiss製ULTRA55)に設置されたEBSD装置(株式会社TSLソリューションズ製EBSD system)を用いた。EBSD装置に搭載されているCCDカメラの画素数は、640×480であった。EBSD装置は、水平から70°傾けた試料表面の矩形領域を、設定したデータ密度で自動的に電子線を走査しながら結晶方位を同定し、それぞれの測定点に相当するピクセルを対応する色で塗り分けることによって、結晶方位分布図を自動的に作成し、モニターに表示することができる。EBSD装置によって測定された結晶方位データは、座標データとともに、EBSD装置の内部記憶装置に記録される。
結晶方位の測定は、250μm×250μmの範囲に対し、測定点間隔(d)を、0.5μm間隔でシフトしながら走査するようにして方位測定を実施した。
一つの方位部分図あたりのデータ点数は、251001点(501×501点)であった。電子線の条件は、加速電圧20kV、電流値は一定の値とした。図7は、EBSD装置によって自動的に作成し、表示された結晶方位分布図である。なお、図7はグレースケールで表示されているが、実際にはカラー表示である。
EBSD装置により記憶装置に記憶された方位データを、EBSD装置の記憶装置にインストールされたソフトウェア(コンピュータプログラム)により、以下のようにデータ処理した。
先ず、コンピュータは、EBSD装置により測定され内部記憶装置に記録された方位データ(座標データを含む。)から、隣り合う測定点間の方位差を演算し、求めた方位差が5°以上の場合を結晶粒界と定め、測定点同士の方位差が5°以上の境界が閉じた領域を形成したものを結晶粒として認識し、結晶粒界で囲まれる同一結晶粒内の測定点を特定する。
次に、コンピュータは、同一結晶粒内にある各測定点について、同一結晶粒内にある各測定点の方位を用いて、上式(3)により、方位の平均を演算する。上で説明したように、平均化する範囲を、3×3、5×5、及び7×7の3パターンで行った。
そして、コンピュータは、各測定点について得られた方位の平均(平均方位)を、各測定点の方位として測定点毎に座標とともに記憶装置に記憶させる。
次いで、コンピュータは、記憶装置に記憶された前記平均方位を用いて上式(5)により方位差を演算し、得られた方位差を座標データとともに記憶装置に記憶する。
コンピュータは、塑性歪みが4.9%の試料について、得られた方位差を、方位差の値が大きくなるにつれて濃くなるように、濃淡に対応させて可視化した局所方位差分布をモニターに画像表示させる。局所方位差分布の結果を図8〜図10に示す。図8は方位を平均化した範囲が3×3個の測定点数であり、図9は方位を平均化した範囲が5×5個の測定点数であり、図10は方位を平均化した範囲が7×7個の測定点数である。
比較例として、同じく塑性歪みが4.9%の試料について、方位の平均をとらずに、EBSD装置で測定された方位を直接利用して、隣り合う測定点の方位差を演算し、得られた方位差に対して実施例と同等の濃淡を与えて画像表示させた局所方位差分布の結果を図11に示す。
図8〜図11の局所方位差分布から、図8〜図10の実施例の画像が滑らかな分布を表示しているのに対し、図11の比較例の画像は粗く表示されていることが分かる。なお、図8〜図11において結晶粒界は実線で表示されている。
図12(b)は、図12(a)の直線Lに沿った方位差分布を示しており、塑性歪みが4.9%の試料についての実施例(平均化範囲3×3)を実線で表示し、比較例を破線で表示した。実施例に比べ、方位の平均化処理を施さない比較例は、局所方位差が細かく変化していることが分かる。比較例のこのような変化は、方位の誤差によってもたらされるもので、実際の方位差の変化を示すものではない。これに対し、実施例では、方位差分布が滑らかになり、かつその絶対値は小さくなっている。これは、方位の誤差が低減されたことによるもので、方位差の平均をとっても誤差が低減されることはないことが分かる。
定量的な評価を行うために、次式(8)で定義する局所方位差平均Maveを算出する。
ここで、Nは分布図中のデータ数である。Mの度数分布は対数正規分布に従うことから、Maveはその対数平均を示す。図13に示すように、Maveは、比較例に比べて実施例の方が低減するものの、平均化する範囲に殆ど依存しないことが分かる。方位の誤差の影響を少なくするためには、9個の結晶方位の平均で十分であることが分かる。
aveは、塑性歪み量とよい相関関係を示すことが分かっている。図14は、平均化の範囲が3×3個の場合の実施例について、測定点間隔dを0.5μm、1μm、1.5μm、2μmとした場合の方位の平均mによる局所方位差Maveと塑性歪みεの関係を示している。図14に示されている直線は、局所方位差Maveと塑性歪みεとの相関関係を示し、次式(9)で与えられる。
式(9)の単位は、歪みが%、測定点間距離dはμmである。図14から、d=0.5μm以上で、局所方位差Maveと塑性歪みεとの相関関係が成立することが分かる。したがって、結晶方位差(結晶回転量)の局所分布観察の空間分解能を向上させることができ、塑性ひずみなどの物理量の定量測定に用いることができる。
本発明は、多結晶材料の結晶方位回転量の分布を測定するニーズのある全ての分野に利用可能である。
1 走査型電子顕微鏡
2 ステージ
3 試料
4 スクリーン
5 カメラコントロールユニット
6 高感度カメラ
7 コンピュータ
7a 記憶装置
8 ステージコントロールユニット
9 SEMコントロールユニット
10 モニター
B 結晶粒界
P 測定点

Claims (1)

  1. 電子後方散乱回折により所定距離間隔の格子状測定点を測定した結晶方位データを、コンピュータによってデータ処理する結晶方位の解析方法であって、
    前記結晶方位データを用いて隣り合う測定点の方位差を演算し、得られた方位差を予め定められた閾値と比較することにより結晶粒界を求めるステップと、
    同一結晶粒内の前記結晶方位データを用いて、同一結晶粒内の各測定点について、各測定点の周囲の所定範囲内にある測定点との結晶方位データの平均を算出することにより、平均化された結晶方位データを求めるステップと、
    同一結晶粒内の前記平均化された結晶方位データを用いて、同一結晶粒内の方位差を演算するステップと、
    を含むことを特徴とする前記解析方法。
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