JP5180623B2 - スペーサ用感光性樹脂組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

スペーサ用感光性樹脂組成物およびカラーフィルタ Download PDF

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本発明は、密着性および現像性に優れたスペーサ用感光性樹脂組成物に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶ディスプレイ(表示装置)の需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶ディスプレイの市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶ディスプレイは大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。
ここで、液晶表示装置は、カラーフィルタ基板と液晶駆動側基板(対向基板)とを対向させ、両者の間に液晶化合物を封入して薄い液晶層を形成し、液晶駆動側基板により液晶層内の液晶配列を電気的に制御して表示側基板の透過光の量を選択的に変化させることによって表示を行う。
このような液晶表示装置において、上記カラーフィルタ基板と対向基板との間隙(セルギャップ)は液晶層の厚さそのものであり、色ムラやコントラストムラといった表示ムラを防止し、均一な表示、高速応答性、高コントラスト比、広視野角等の良好な表示性能をカラー液晶表示装置に付与するためには、セルギャップを一定且つ均一に維持する必要がある。
セルギャップを維持する方法としては、上記間隙内にスペーサとしてガラス、アルミナ又はプラスチック等からなる一定サイズの球状又は棒状粒子を多数散在させる方法が用いられてきたが、スペーサとして粒子を散在させる方法では、スペーサの分布が偏り易い等の種々の問題点があった。
すなわち、スペーサとして微粒子を分散させる場合には、当該微粒子はランダムに分散する。微粒子が表示領域すなわち着色層に配置された場合、微粒子の部分をバックライトの光が透過し、また、微粒子周辺の液晶の配向が乱れ、表示画像の品位を著しく低下させる。そこで微粒子を分散させるかわりに、ブラックマトリクス上にセルギャップに対応する高さを有する柱状のスペーサを形成することが行われるようになってきた。
ここで、このような柱状のスペーサの形成方法としては、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法より、スペーサを形成する方法が開示されている。このような方法によれば、フォトマスクを介して所望の位置のみに、感光性樹脂からなるスペーサを形成することができる。
しかしながら、上記感光性樹脂の現像性が低い場合にはスペーサを所望の形状とすることができないといった問題や、着色層上に現像残渣が生じるといった問題があった。一方、上記感光性樹脂を現像性に優れたものとすると、密着性が低下し、形成したスペーサが剥離するといった問題があった。
このような問題に対して、特許文献1には、樹脂、モノマー、光重合開始剤、溶剤を主成分とする感光性樹脂組成物において、該モノマーとしてカルボキシル基を持つ特定構造の多官能アクリルモノマー及びカルボキシル基を持たない特定構造の多官能アクリルモノマーを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された感光性樹脂組成物も、現像性が充分なものとすることができないといった問題があった。
また、密着性等の向上を図る目的で、感光性樹脂組成物に、エポキシ基が導入されたアルカリ可溶性エポキシアクリレートを用いることが提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、このような方法であっても、現像性および密着性の両者に優れたものとすることは難しいといった問題があった。
特開2001−91954号公報 特開平6−184270号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、密着性および現像性に優れたスペーサ用感光性樹脂組成物を提供することを主目的とするものである。
本発明は、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、チオール化合物および溶剤を少なくとも有するスペーサ用感光性樹脂組成物であって、上記多官能性モノマーが、酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートを含むものであり、上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートが、固形分中に5質量%以上含有されることを特徴とするスペーサ用感光性樹脂組成物を提供する。
本発明によれば、上記多官能性モノマーとして酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートが固形分中に5質量%以上含有され、かつ、チオール化合物を有することにより、現像性および密着性に優れたものとすることができる。このため、現像残渣が少なく、任意の形状のスペーサを形成でき、高精細なパターンを形成することができる。また、このようなことから、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたスペーサを有するカラーフィルタをセルギャップの均一性に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの有機酸付加化合物であることが好ましい。上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの有機酸付加化合物であることにより、密着性および現像性により優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記光重合開始剤が、下記式(1)および下記式(2)の光重合開始剤を含むことが好ましい。上記光重合開始剤が、下記式(1)および下記式(2)の光重合開始剤を含むことにより、密着性および現像性により優れたものとすることができるからである。またその結果、高精細なパターンを形成することができるからである。
Figure 0005180623
Figure 0005180623
(式(1)中、Xは、塩素原子、水素原子、または、ビニル基であり、塩素原子、水素原子、および、ビニル基のそれぞれの結合数が、塩素原子が4〜6、水素原子が22〜25、ビニル基が1〜2である。
また、式(2)中、Etはエチル基を表す。)
本発明においては、上記式(1)および式(2)の光重合開始剤の合計量が、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の固形分100重量部当り、0.05重量部〜10重量部の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、密着性および現像性により優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記チオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートであることが好ましい。上記チオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートであることにより、現像性および密着性により優れたものとすることができるからである。
本発明は、上述したスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたスペーサを有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、上記スペーサが、上述したスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたものであることから、セルギャップの均一性に優れたものとすることができる。
本発明は、密着性および現像性に優れたスペーサ用感光性樹脂組成物を提供できるといった効果を奏する。
本発明は、スペーサ用感光性樹脂組成物、および、それを用いたカラーフィルタに関するものである。以下、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物、および、カラーフィルタについて説明する。
A.スペーサ用感光性樹脂組成物
まず、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物について説明する。本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、チオール化合物および溶剤を少なくとも有するスペーサ用感光性樹脂組成物であって、上記多官能性モノマーが、酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートを含むものであり、上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートが、固形分中に5質量%以上含有されることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記多官能性モノマーに含まれる酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートが、酸性官能基を有するものであることにより、アルカリ現像時において用いられるアルカリ現像液への溶解性に優れたものとすることができる。また、多官能(メタ)アクリレートであるため、架橋後の硬化物を、密着性等に優れたものとすることができる。したがって、このような多官能性モノマーを所定量以上含有することにより現像性および密着性に優れたものとすることができる。
また、チオール化合物を含むことにより、架橋反応が促進され、上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートのような酸価の高い化合物とアルカリ水溶液に対して不溶性の化合物との架橋が促進される。このため、不溶性の化合物のアルカリ現像液への溶解性が向上し現像性が向上するのである。また、架橋反応が促進されることにより硬化性が向上し、それに伴い密着性も向上するのである。
このように、所定量以上の上記多官能性モノマーおよびチオール化合物を有することにより、現像性および密着性に優れたものとすることができる。その結果、現像残渣が少なく、任意の形状のスペーサを形成でき、高精細なパターンを形成することができる。また、このようなことから、所望の形状のスペーサを精度良く形成することができるため、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたスペーサを有するカラーフィルタをセルギャップの均一性に優れたものとすることができるのである。
本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、チオール化合物および溶剤を少なくとも有するものである。以下、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。
1.多官能性モノマー
本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物に含まれる多官能性モノマーは、酸性官能基および複数の(メタ)アクリル基を有する酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートを含むものである。また、上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートは、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の固形分中に5質量%以上含有されるものである。
上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートにおける酸性官能基は、アルカリ可溶性、すなわち、現像性に寄与する部位である。
この酸性官能基としては、アルカリ現像が可能なものであればよく、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。中でも、アルカリ現像性および本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の取り扱い性の点から、カルボキシル基が好ましい。
上記酸性官能基の含有割合は、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物に要求される現像性の程度により適宜調整される。
上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル基は、光硬化反応や、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の硬化後の膜強度、密着性等に寄与する部位である。
本発明においては、上記酸性官能基含有多官能モノマーが、一分子中に3つ以上の(メタ)アクリル基を有していることが好ましい。架橋密度をさらに向上させることができるからである。
このような酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートとしては、(1)水酸基含有多官能(メタ)アクリレートを二塩基酸無水物で変性することによりカルボキシル基を導入した水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの有機酸付加化合物、あるいは、(2)芳香族多官能(メタ)アクリレートを濃硫酸や発煙硫酸で変性することによりスルホン酸基を導入した多官能(メタ)アクリレート等を用いることができる。
上記水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1つ以上の水酸基と3つ以上の(メタ)アクリル基とを有する化合物が挙げられる。この化合物の具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールのトリ、テトラまたはペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二塩基酸無水物としては、例えばコハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチル−テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチル−ヘキサヒドロフタル酸無水物、フタル酸無水物、およびマレイン酸無水物等が挙げられる。
このような酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートとしては、下記式(3)、(4)で表されるものを挙げることができる。なお、式(3)、(4)において、TまたはGがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がR、XおよびWに結合する。
Figure 0005180623
ここで、式(3)中、nは0〜14であり、mは1〜8である。また、式(4)中、Wは式(3)と同様のRまたはXであり、6個のWのうち、3個以上のWがRである。pは0〜14であり、qは1〜8である。一分子内に複数存在するR、X、T、Gは、各々同一であっても、異なっていてもよい。
上記式(3)、(4)で表される酸性官能基含有(メタ)アクリレートとしては、具体的には、下記式(5)〜(10)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005180623
Figure 0005180623
上記式(3)、(4)で表される酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物を主成分とするTO−756、および、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物を含有するTO−1382が挙げられる。
本発明においては、なかでも、上記式(4)のWのうち5個がアクリル基(CH=CH−(C=O)−O−)であり、1個がXであるジペンタエリスリトールペンタアクリレートの有機酸付加化合物を好ましく用いることができる。密着性および現像性に優れたものとすることができるからである。
本発明に用いられる酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートの分子量は、通常、500以上、3,000未満である。
なお、分子量とは重量平均分子量のことであり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際の、ポリスチレン換算の値である。
また、上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートの酸価は、10mgKOH/g〜80mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、より好ましくは20mgKOH/g〜60mgKOH/gの範囲内である。酸価が低すぎると、現像性が悪くなったり、密着性が低くなったりする場合があるからである。一方、酸価が高すぎると、アルカリ可溶性が大きすぎてパターン露光時のパターン形状を制御しにくくなる場合があるからである。
なお、酸価は、JIS K 0070(1992)に準じる方法により測定することができる。具体的には、試料をアセトンに溶解し、指示薬としてブロモチモールブルーを用い、水酸化カリウムエタノール溶液で滴定することにより、酸価を測定することができる。
本発明における酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートの含有量は、固形分中に5質量%以上含有されるものであれば良いが、なかでも5質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましく、特に10質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、塗工適性を悪化させることなく、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の硬化時の架橋密度を向上させ、現像性および密着性に優れたものとすることができるからである。
なお、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を指すものである。
本発明における多官能性モノマーは、少なくとも上記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートを含むものであるが、必要に応じて上記酸性官能基を含まれない酸性官能基非含有多官能性モノマーを含むものとすることができる。
このような、酸性官能基非含有多官能性モノマーとしては、カラーフィルタの形成に一般的に用いられるものを用いることができ、通常、後述するバインダー樹脂と重合可能なものであるが、本発明においては、密着性を上げるために、重合性官能基を2個以上有するモノマーであることが好ましい。
2官能のモノマーとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール等のアルキレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート類等を挙げることができる。
また、3官能のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等の3価以上の多価アルコールのトリアクリレート又はトリメタクリレート類等を挙げることができる。
また、4官能のモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、3官能以上のモノマーであることが好ましく、特にジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであることがこのましい。密着性および現像性に優れたものとすることができるからである。
これらの酸性官能基非含有多官能性モノマーは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
2.チオール化合物
本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物に含まれるチオール化合物は、分子内にメルカプト基(−SH)を少なくとも2つ、好ましくは3つ以上、さらに好ましくは4つ以上有する化合物である。本発明においては上記チオール化合物を含むことにより、現像性および密着性の向上を図ることができる。
上記チオール化合物として具体的には、エチレングリコールビスチオプロピオネート(EGTP)、ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTP)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)、下記式(11)で表されるTHEIC−BMPA等のメルカプトプロピオン酸誘導体;エチレングリコールビスチオグリコレート(EGTG)、ブタンジオールビスチオグリコレート(BDTG)、ヘキサンジオールビスチオグリコレート(HDTG)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート(TMTG)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(PETG)等のチオグリコール酸誘導体;1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサメチレンジチオール、2,2'−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、meso−2,3−ジメルカプトコハク酸、p−キシレンジチオール、m−キシレンジチオール等のチオール類;ジ(メルカプトエチル)エーテル等のメルカプトエーテル類を例示することができる。
Figure 0005180623
本発明においては、なかでも、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)が好ましい。現像性および密着性に優れたものとすることができるからである。
本発明に用いられるチオール化合物の含有量としては、所望の現像性および密着性を発揮するものとすることができるものであれば良く、固形分100重量部当り、0.1重量部〜10重量部の範囲内であることが好ましく、さらには0.1重量部〜5重量部の範囲内であることが好ましい。上記範囲より多いと、保存安定性が悪くなったり、臭気が強くなったりするからである。また、上記範囲より少ないと、現像性および密着性が低いものとなるおそれがあるからである。
3.光重合開始剤
本発明に用いられる光重合開始剤は、一般的にカラーフィルタの製造に用いられるものを使用することができる。
このような光重合開始剤としては、具体的には、紫外線のエネルギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、ベンゾイン、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体、または、それらのエステルなどの誘導体;キサントンおよびチオキサントン誘導体;クロロスルフォニル、クロロメチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合物、クロロメチルベンゾフェノン類などの含ハロゲン化合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;有機硫黄化合物;過酸化物などが挙げられる。
また、3級アミン構造を有する光重合開始剤を用いることができる。3級アミン構造を有する光重合開始剤は、分子内に酸素クエンチャーである3級アミン構造を有するため、光重合開始剤から発生したラジカルが酸素により失活し難く、感度を向上させることができるといった利点を有する。
上記3級アミン構造を有する光重合開始剤の市販品としては、例えば、イルガキュア907、イルガキュア369(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ハイキュアABP(川口薬品製)、ビイミダゾール(黒金化成製)などが挙げられる。
また、オキシムエステル系開始剤やビイミダゾール系開始剤を用いることができる。
本発明においては、なかでも、オキシムエステル系開始剤とビイミダゾール系開始剤との両者を含むものであることが好ましい。両者を含むものであることにより、密着性および現像性に優れたものとすることができるからである。
また、本発明においては、特に、下記式(1)に示されるビイミダゾール系開始剤と、下記式(2)で示されるオキシムエステル系開始剤とを組み合わせたものを含むものであることが好ましい。上記密着性および現像性が著しく発揮され、高精細なパターンを形成することができるからである。
Figure 0005180623
Figure 0005180623
(式(1)中、Xは、塩素原子、水素原子、または、ビニル基であり、塩素原子、水素原子、および、ビニル基のそれぞれの結合数が、塩素原子が4〜6、水素原子が22〜25、ビニル基が1〜2である。
また、式(2)中、Etはエチル基を表す。)
ここで、上記光重合開始剤が、上記式(1)および上記式(2)の光重合開始剤を含むことにより、上述した効果が得られる理由については、以下のように推察される。
すなわち、従来、上記式(1)の光重合開始剤のうち、置換基としてビニル基を含まない光重合開始剤について知られていた。このような光重合開始剤は、感光性に優れるが、溶剤への溶解性が低いため、十分な量を添加することができず、十分に硬化させることはできなかった。
一方、上述したように、上記式(1)の光重合開始剤には、置換基としてビニル基を有することにより、溶剤への溶解性に優れたものとすることができる。このため、感光性に優れ、かつ、十分な量を含むことができ、硬化性に優れたものとすることができる。また、式(1)の光重合開始剤に含まれるビイミダゾールのような複素環芳香族の構造は、露光され、光重合開始剤としての機能を発揮した後に、反応残基が、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の硬化物と、カラーフィルタにおける遮光部、着色層およびガラス基板の表面の官能基とに相互作用し、密着性を大きく向上させることができる。さらに、非露光部の未反応の上記光重合開始剤は、上述した相互作用が比較的弱く、かつ、上記置換基が現像液中の界面活性剤と相互作用するため現像液側に比較的分散しやすいため、現像性を向上することができるのである。
また、上記式(2)の光重合開始剤は、感光性および溶剤への溶解性に優るものであるため、硬化性に優れたものとすることができる。また、現像液への分散性が非常に優れるものであるため、現像性を大きく向上させることができる。
このため、上記式(1)および式(2)の光重合開始剤を同時に含むことで、硬化性に優れたものとすると同時に、上記式(1)の光重合開始剤が有する露光箇所での密着性を大きく向上させる効果、および、上記式(2)の光重合開始剤が有する現像性を大きく向上させる効果を発揮することができるものとすることができる。
また、このようなことより、上記式(1)または式(2)の光重合開始剤を単独で使用した場合と比較し、高精細なパターンを有するスペーサを形成することができる。
本発明において、上記式(1)における塩素原子、水素原子、および、ビニル基の結合位置としては、塩素原子、水素原子、および、ビニル基が、上述した結合数で結合できる位置であれば良い。
本発明に用いられる上記式(1)および式(2)の光重合開始剤の合計量としては、精度良くスペーサを形成することができるものであれば良いが、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の固形分100重量部当り、0.05重量部〜10重量部の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.1重量部〜8重量部の範囲内であることが好ましく、特に、0.5重量部〜6重量部の範囲内であることが好ましい。上記範囲より少ないと、ラジカル重合を十分に進行させることができず、硬化が不十分となり、硬化性が低下する恐れがあるからである。また、上記範囲より多いと副反応が起こりやすく経時安定性を損なう恐れがあるからである。
本発明における、上記式(1)および式(2)の光重合開始剤の合計量に占める上記式(1)の光重合開始剤の割合(式(1)の光重合開始剤/(式(1)の光重合開始剤+式(2)の光重合開始剤))としては、0.4〜0.9の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.5〜0.8の範囲内であることが好ましく、特に0.55〜0.71の範囲内であることが好ましい。上記式(1)が、上記範囲にあることで、密着性および硬化性が最も発揮されるからである。すなわち、上記式(1)の含有割合が、上記範囲より大きくなると現像性が悪化し、パターニングの形成が困難になるからであり、上記範囲より小さくなると、密着性および硬化性が低下する可能性があるからである。
4.バインダー樹脂
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カラーフィルタの製造に用いられることから、耐熱性および、製造工程において使用される有機溶剤への耐性を有する樹脂であることが好ましい。具体的には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの感光性または非感光性の樹脂を挙げることができる。
上述したなかでも、特に好ましい樹脂としては、カルボキシル基等の酸性官能基を有するアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基含有不飽和単量体と、他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体が好ましく、さらに分子内にエポキシ基と、エチレン性不飽和基とを併せ持つ化合物、例えばグリシジル(メタ)アクリレートなどを付加させ、側鎖にエチレン性不飽和基を導入したものも好ましい。
カルボキシル基不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。なお、カルボキシル基含有不飽和単量体は、単独もしくは数種類を組み合わせることができる。
エチレン性不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシル(メタ)エチルアクリレート等、および、これらのマクロモノマー類;N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド等のN置換マレイミド類等を挙げることができる。なお、エチレン性不飽和単量体は、単独もしくは数種類を組み合わせることができる。
上記バインダー樹脂の含有量は、固形分の100重量部当り、通常、13重量部〜37重量部の範囲内であることが好ましく、なかでも18重量部〜32重量部の範囲内であることが好ましい。上記範囲より少ないと、充分な光硬化性が得られない場合が生じるからである。また、上記範囲より多いと、現像不良や硬化不良を生じるからである。
5.溶剤
本発明に用いられる溶剤としては、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは均一に分散可能な有機溶剤であれば良い。具体的には、シクロヘキシルアセテート;メトキシブチルアセテート(MBA);エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン、3−メトキシブタノール等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明に用いられる溶剤の含有量としては、本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物を均一な膜厚で塗工し、カラーフィルタのスペーサを形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、上記スペーサ用感光性樹脂組成物に、45質量%〜85質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも50質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。
6.スペーサ用感光性樹脂組成物
本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、チオール化合物および溶剤を少なくとも含むものであり、必要に応じて、他の添加剤を含むものであっても良い。
このような他の添加剤としては、増感剤、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
上記増感剤としては、カラーフィルタのスペーサの形成に一般的に用いられるものを使用することができ、例えば脂肪族あるいは芳香族の単官能、多官能チオール化合物や芳香族アミン系化合物等を挙げることができる。このような増感剤の含有量としては、上記スペーサ用感光性樹脂組成物の固形分100重量部当り、0.01重量部〜2重量部の範囲内であることが好ましく、なかでも0.7重量部〜1.2重量部の範囲内であることが好ましい。
本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の製造方法としては、上述したバインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、チオール化合物および溶剤を均一に混合することができる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の混合手段を用いることができる。
本発明のスペーサ用感光性樹脂組成物の用途としては、スペーサをフォトリソグラフィー法を用いて形成する際に用いられるスペーサ用感光性樹脂組成物を挙げることができる。なかでも、高精細で、かつ、密着性に優れたスペーサとすることが要求されるスペーサ用感光性樹脂組成物に好適に用いられる。
B.カラーフィルタ
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上述したスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたスペーサを有することを特徴とするものである。
このような本発明のカラーフィルタを図を参照して説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板1と、上記透明基板1上に形成され、開口部を備えるブラックマトリクス2と、上記開口部に形成され、R(赤),G(緑),B(青)の3色の着色層3とを有し、さらに上記ブラックマトリクス2上に形成されたスペーサ4を有するものである。
ここで、上記スペーサ4は、上述したスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
本発明によれば、上記スペーサが、上述したスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたものであることから、高精細で、かつ、密着性に優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルタは、少なくともスペーサを有するものである。
以下、このような本発明のカラーフィルタの各構成について詳細に説明する。
1.スペーサ
本発明に用いられるスペーサは、上述したスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
本発明に用いられるスペーサの形成位置としては、所望のセルギャップを形成することができるものであれば良いが、通常、ブラックマトリクス上に形成される。
このような本発明に用いられるスペーサの形状としては、セルギャップを均一なものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、円柱状、円錐台状、角柱状等とすることができる。
上記スペーサの厚みとしては、所望のセルギャップを形成することができるものであれば良いが、通常、1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、なかでも2μm〜8μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、精度良く形成することができるからである。
なお、上記スペーサの厚みとは、上記スペーサの底辺から垂直方向に、頂部までの距離をいうものである。
なお、これらのスペーサは、形状、厚み等が単一であっても良く、2種以上を組み合わせても良い。
上記スペーサの形成方法としては、上記スペーサ用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法により形成する方法であれば特に限定されるものではなく、カラーフィルタの一般的な製造方法を用いることができる。
2.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、上記スペーサ以外に、通常、透明基板と、開口部を備えるブラックマトリクスと、上記開口部に形成された着色層とを少なくとも有するものである。このような透明基板、ブラックマトリクスおよび着色層としては、一般的なカラーフィルタに使用されるものを用いることができる。また、必要に応じて、上記着色層上に透明保護層が形成されたものとしても良い。
なお、カラーフィルタの方式としては、TN方式、IPS方式等のいずれの方式であっても良い。
本発明のカラーフィルタの製造方法としては、上記スペーサ用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法によって、上記スペーサを形成するものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタの製造方法を用いることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例2、4、10〜11、参考例1、3、5〜9、12〜13、比較例1〜7
1.スペーサ用感光性樹脂組成物の調製
バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、チオール化合物および溶剤を下記表1および表2に示すように配合するスペーサ用感光性樹脂組成物を調製した。なお、表1および表2中の数値は、配合の割合を重量部で表したものである。
この際、バインダー樹脂として、アクリル樹脂(東亞合成(株)製 アロンTS−21)、アクリル系コポリマー(新中村化学(株)製 NKポリマーB7500)、カルド樹脂(ナガセケムテックス(株)製 INR−16M)を用いた。なお、上記バインダー樹脂の固形分率は、TS−21が35.2%、B7500が24.2%、INR−16Mが54.6%であった。
また、多官能性モノマーとして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの二塩基酸無水物付加物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート=3:7の混合物(東亞合成(株)製 アロニックスTO1382)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株)製 アロニックスM305)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物(東亜合成(株)製 アロニックスM402)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物(東亜合成(株)製 アロニックスM403)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社製 サートマーSR399E)を用いた。
また、光重合開始剤として、2-メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア907)(Irg907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア369)(Irg369)、日本シーベルヘグナー製1311A(上記式(1)の光重合開始剤)、ADEKA製N−1919(上記式(2)の光重合開始剤)を用いた。
チオール化合物として、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)(淀化学(株)製)を用いた。
添加剤として、大日本インキ化学(株)製フッ素系レベリング剤(R08MH)を用いた。なお、R08MHの固形分率は9.47%であった。
溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を用いた。
Figure 0005180623
Figure 0005180623
[評価]
実施例2、4、10〜11、参考例1、3、5〜9、12〜13、比較例1〜7で得られたスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて、スペーサの形成を行い、現像性および密着性について評価を行った。
1.スペーサの形成
ガラス基板(100mm×100mm)に上記スペーサ用感光性樹脂組成物をスピンコーターを用いて塗布した後、真空度が0.2torrに到達するまで真空乾燥を行なって、膜厚3.8μmの塗膜を形成した。
その後、減圧乾燥を行い、100℃のホットプレート上で3分間加熱しプリベイクを行った。
次いで、乾燥後の上記スペーサ形成用層を、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cmでマスク露光し硬化させた。
次いで、スピン現像し0.05wt%水酸化カリウム(KOH)からなる現像液に60秒間接液させた後に純水で洗浄することで現像処理を行い、さらにパターン形成された基板を230℃のオーブン内で30分間ポストベイクした。
このようにして、直径、20μm〜30μmで、高さ、3.5μmのスペーサを形成した。
2.評価
形成されたスペーサについて、現像性および密着性の評価を行なった。
(1)現像性
上記スペーサ形成後のガラス基板の表面から投光器により光を照射した状態で、目視観察し、未露光箇所における残渣の有無(投光器による目視)を確認した。結果を、下記表3に示す。ここで、上記ガラス基板上に白化が全く見られない場合には残渣がないと判断し○とし、上記ガラス基板表面に白化が見られた場合には残渣があると判断し×とした。
(2)密着性
直径7μmのスペーサが現像後に溶解されずに密着しているかを確認することにより評価を行った。密着している場合には、○、密着していない場合には×とした。なお、観察には、半導体顕微鏡(OLYMPUS製、MX50)を用いた。結果を表3に示す。
Figure 0005180623
表3より、実施例では、密着性、現像性に優れたものであることが確認できた。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1…透明基板
2…ブラックマトリクス
3…着色層
4…スペーサ
10…カラーフィルタ

Claims (5)

  1. バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、チオール化合物および溶剤を少なくとも有するスペーサ用感光性樹脂組成物であって、
    前記多官能性モノマーが、酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートを含むものであり、前記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートが、固形分中に5質量%以上含有され
    前記光重合開始剤が、下記式(1)および下記式(2)の光重合開始剤を含むことを特徴とするスペーサ用感光性樹脂組成物。
    Figure 0005180623
    Figure 0005180623
    (式(1)中、Xは、塩素原子、水素原子、または、ビニル基であり、塩素原子、水素原子、および、ビニル基のそれぞれの結合数が、塩素原子が4〜6、水素原子が22〜25、ビニル基が1〜2である。
    また、式(2)中、Etはエチル基を表す。)
  2. 前記酸性官能基含有多官能(メタ)アクリレートが、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの有機酸付加化合物であることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ用感光性樹脂組成物。
  3. 前記式(1)および式(2)の光重合開始剤の合計量が、固形分100重量部当り、0.05重量部〜10重量部の範囲内であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスペーサ用感光性樹脂組成物。
  4. 前記チオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のスペーサ用感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のスペーサ用感光性樹脂組成物を用いて形成されたスペーサを有することを特徴とするカラーフィルタ。
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