第1の発明は、室内空気を浄化する空気清浄機能を有する室内機を備えた空気調和機に、静電ミストを発生させる静電霧化装置と、室内機及び静電霧化装置を制御する制御手段と、室内空気の温度を検知する温度センサと、室内空気の湿度を検知する湿度センサを設け、室内空気の温度及び湿度に基づいて、静電霧化装置の運転を許可する運転許可領域及び該運転許可領域の内側に安定霧化領域とを設定し、温度センサにより検知された温度及び湿度センサにより検知された湿度が運転許可領域外の場合には、静電霧化装置の運転を禁止したので、静電霧化装置の無駄な運転や過負荷状態での運転が防止され、空気調和機の信頼性を維持することができる。また、安定霧化領域内の場合には、静電霧化装置を第1の所定時間連続運転あるいは間欠運転するとともに、運転許可領域内で安定霧化領域外の場合には、第1の所定時間の連続運転とは異なる連続運転を行うようにしたので、構成が簡素で安価にもかかわらず静電霧化装置の高寿命化あるいは省エネを達成することができる。
また、第1の所定時間の連続運転とは異なる連続運転が、第1の所定時間より長い第2の所定時間行う連続運転であり、これにより静電霧化装置の能力不足に基づく静電ミストの発生量の低下を極力防止することができ、室内を静電ミストで充満することができる。
さらに、第2の発明は、第1の所定時間の連続運転とは異なる連続運転が、静電霧化装置の能力を増大して行う連続運転であり、これにより静電ミストの発生量の低下を極力防止することができ、室内を静電ミストで充満することができる。
また、第3の発明は、室内ファンの回転数を検知する回転数検知手段をさらに設け、回転数検知手段により検知された回転数が第1の回転数以上の場合には、静電霧化装置を間欠運転する一方、第1の回転数未満の場合には、静電霧化装置を連続運転するようにしたので、静電霧化装置の高寿命化あるいは省エネに貢献することができる。
また、第4の発明は、回転数検知手段により検知された回転数が第1の回転数以上の場合における静電霧化装置の間欠運転が、第1の所定時間の間欠運転より静電霧化装置の能力を減少するものであり、静電霧化装置の不必要な能力運転を抑制して、静電霧化装置の高寿命化あるいは省エネに貢献することができる。
また、第5の発明は、回転数検知手段により検知された回転数が第1の回転数より低い第2の回転数未満の場合には、静電霧化装置の運転を停止するようにしたので、静電霧化装置の運転に起因する騒音を低減することができ、居住者に不快感を与えることがない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
空気調和機は、通常冷媒配管で互いに接続された室外機と室内機とで構成されており、図1及び図2は、本発明にかかる空気調和機の室内機を示している。
図1及び図2に示されるように、室内機は、本体2に室内空気を吸い込む吸込口として前面吸込口2a及び上面吸込口2bを有し、前面吸込口2aには開閉自在の可動前面パネル(以下、単に前面パネルという)4を有しており、空気調和機停止時は、前面パネル4は本体2に密着して前面吸込口2aを閉じているのに対し、空気調和機運転時は、前面パネル4は本体2から離反する方向に移動して前面吸込口2aを開放する。
本体2の内部には、前面吸込口2a及び上面吸込口2bの下流側に設けられ空気中に含まれる塵埃を除去するためのプレフィルタ5と、このプレフィルタ5の下流側に設けられ前面吸込口2a及び上面吸込口2bから吸い込まれた室内空気と熱交換するための熱交換器6と、熱交換器6で熱交換した空気を搬送するための室内ファン8と、室内ファン8から送風された空気を室内に吹き出す吹出口10を開閉するとともに空気の吹き出し方向を上下に変更する上下羽根12と、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右羽根14とを備えている。また、前面パネル4の上部は、その両端部に設けられた複数のアーム(図示せず)を介して本体2の上部に連結されており、複数のアームの一つに連結された駆動モータ(図示せず)を駆動制御することで、空気調和機運転時、前面パネル4は空気調和機停止時の位置(前面吸込口2aの閉塞位置)から前方に向かって移動する。上下羽根12も同様に、その両端部に設けられた複数のアーム(図示せず)を介して本体2の下部に連結されている。
また、室内機の一方の端部(室内機正面から見て左側端部で、後述する隔壁46cのバイパス流路22側)には、室内空気を換気するための換気ファンユニット16が設けられており、換気ファンユニット16の後方には、静電ミストを発生させて室内空気を浄化する空気清浄機能を有する静電霧化装置18が設けられている。
なお、図1は前面パネル4及び本体2を覆う本体カバー(図示せず)を取り除いた状態を示しており、図2は室内機本体2と静電霧化装置18との接続位置を明確にするために本体2の内部に収容されている静電霧化装置18を本体2とは分離した状態を示している。静電霧化装置18は実際には図3に示される形状を呈し、図1あるいは図4に示されるように、本体2の左側部に取り付けられている。
<静電霧化装置の構成>
図2乃至図4に示されるように、静電霧化装置18は、前面吸込口2a及び上面吸込口2bから熱交換器6、室内ファン8等を経由して吹出口10に連通する主流路20において、熱交換器6と室内ファン8とをバイパスするバイパス流路22の途中に設けられており、バイパス流路22の上流側に高電圧電源となる高電圧トランス24とバイパス送風ファン26が設けられ、バイパス流路22の下流側に静電霧化ユニット30の放熱を促進する放熱部28を有する静電霧化ユニット30とサイレンサ32が設けられている。したがって、上流側から順に高電圧トランス24、バイパス送風ファン26、放熱部28、静電霧化ユニット30、及びサイレンサ32が配置された状態で、バイパス流路22の一部を構成するケーシング34に収容されている。このようにケーシング34に収容することにより、組み立て性が向上し、ケーシング34で流路を形成するので、省スペース化を図るとともに、バイパス送風ファン26による空気の流れを、発熱部である高電圧トランス24や放熱部28に確実に当てて冷却することができるとともに、静電霧化ユニット30から発生した静電ミストを確実に空気調和機の吹出口10に導入することができ、発生した静電ミストを被空調室内に放出させることができる。
また、ケーシング34は、ケーシング34の内部を流れる空気流の方向が、主流路20を流れる空気流の方向に対して、室内機本体2の正面から見て平行にとなるように縦方向に配置されており、これにより室内機本体2の正面から見て換気ファンユニット16と重なる位置に隣接配置することができ、さらに省スペース化を達成している。
なお、高電圧トランス24は必ずしもケーシング34内に収容する必要はないが、バイパス流路の通風により冷却されるため、温度上昇の抑制あるいは省スペース化の点で、ケーシング34内に収容するのが好ましい。
ここで、従来公知の静電霧化ユニット30について図5及び図6を参照しながら説明する。
図5に示されるように、静電霧化ユニット30は、放熱面36aと冷却面36bとを有する複数のペルチェ素子36と、放熱面36aに熱的に密着して接続された上述した放熱部(例えば、放熱フィン)28と、冷却面36bに電気絶縁材(図示せず)を介して熱的に密着して立設された放電電極38と、この放電電極38に対し所定距離だけ離隔して配置された対向電極40とで構成されている。
また、図6に示されるように、静電霧化装置18,18Aは、換気ファンユニット16の近傍に配置された制御部42(図1参照)を有し、この制御部42にペルチェ駆動電源44と高電圧トランス24は電気的に接続されており、ペルチェ素子36及び放電電極38はペルチェ駆動電源44及び高電圧トランス24にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、静電霧化ユニット30として放電電極38から高電圧放電させて静電ミストを発生させるためには、対向電極40を設けなくても可能である。例えば、放電電極38に高電圧電源の一方の端子を接続し、他方の端子をフレーム接続するようにしておけば、フレーム接続された構造体の放電電極38に近接した部分と放電電極38との間で放電することとなる。そのような構成の場合には、そのフレーム接続された構造体を対向電極40と見なすことができる。
上記構成の静電霧化ユニット30において、制御部42によりペルチェ駆動電源44を制御してペルチェ素子36に電流を流すと、冷却面36bから放熱面36aに向かって熱が移動し、放電電極38の温度が低下することで放電電極38に結露する。さらに、制御部42により高電圧トランス24を制御して、結露水が付着した放電電極38に高電圧を印可すると、結露水に放電現象が発生して粒子径がナノメートルサイズの静電ミストが発生する。なお、本実施の形態においては、高電圧トランス24としてマイナス高電圧電源を用いているので、静電ミストは負に帯電している。
また、本実施の形態においては、図7に示されるように、主流路20は、本体2を構成する台枠46の後部壁46aと、この後部壁46aの両端部より前方に延びる両側壁(図7では左側壁のみ示す)46bと、台枠46の下方に形成されたリヤガイダ(送風ガイド)48の後部壁48aと、この後部壁48aの両端部より前方に延びる両側壁(図7では左側壁のみ示す)48bとで形成されており、台枠46の一方の側壁(左側壁)46bとリヤガイダ48の一方の側壁(左側壁)48bとでバイパス流路22を主流路20から分離する隔壁46cを構成している。さらに、台枠46の一方の側壁46bにバイパス流路22のバイパス吸入口22aが形成される一方、リヤガイダ48の一方の側壁48bにバイパス流路22のバイパス吹出口22bが形成されている。
空気調和機の場合、冷房時においては、室内機の熱交換器6を通過した低温の空気は相対湿度が高く、静電霧化装置18において、水分を補給するためにペルチェ素子36を備えた場合に、ペルチェ素子36のピン状の放電電極38のみならずペルチェ素子36全体に結露が発生しやすくなる。一方、暖房時においては、熱交換器6を通過した高温の空気は相対湿度が低いため、ペルチェ素子36の放電電極38に結露しない可能性が極めて高い。
そこで上記構成のように、主流路20とバイパス流路22を隔壁46cで分離し、静電ミストを発生させる静電霧化装置18をバイパス流路22に設けたことにより、熱交換器6を通過せず温湿度調整がなされていない空気が静電霧化装置18に供給される。これにより、冷房時においては静電霧化ユニット30のペルチェ素子36全体に結露が発生することを有効に防止することで安全性が向上する。また、暖房時においては静電ミストを確実に発生させることができる。
バイパス流路22は、バイパス吸入管22cとケーシング34とバイパス吹出管22dから構成されており、台枠側壁46bに形成されたバイパス吸入口22aに一端が接続されたバイパス吸入管22cは左方(左側壁46bに略直交し、前面パネル4に略平行な方向)に延びて、その他端はケーシング34の一端に接続され、さらにケーシング34の他端に一端が接続されたバイパス吹出管22dは下方に延びて右方に折曲され、その他端はリヤガイダ48の一方の側壁48bのバイパス吹出口22bに接続されている。このようにバイパス流路22の一部をケーシング34で構成することで、省スペース化を達成することができるとともに、これらを一連に構成することでバイパス吹出管22dを介して静電霧化ユニット18から静電ミストを主流路20に向けて確実に誘引することができ、静電ミストを被空調室内に放出させることができる。
バイパス吸入口22aはプレフィルタ5と熱交換器6との間、すなわちプレフィルタ5の下流側で熱交換器6の上流側に位置しており、前面吸込口2a及び上面吸込口2bより吸い込まれた空気に含まれる塵埃はプレフィルタ5により有効に除去されるので、静電霧化装置18に塵埃が侵入することを抑制できる。これにより、静電霧化ユニット30に塵埃が堆積することを有効に防止でき、静電ミストを安定的に放出することができる。
このように本実施の形態においては、プレフィルタ5で静電霧化装置18と主流路20のプレフィルタを兼ねる構成となっているが、これによりメンテナンスはプレフィルタ5のみを清掃すればよく、それぞれ別に手入れをする必要がないので、手入れを簡略化することができる。さらには、後述するようなプレフィルタ自動清掃装置を備えた空気調和機においては、プレフィルタ5に特別の手入れは必要なく、メンテンナンスフリー化を実現することができる。
一方、バイパス吹出口22bは熱交換器6及び室内ファン8の下流側で吹出口10の近傍に位置しており、バイパス吹出口22bから吐出された静電ミストが主流路20の空気流に乗って拡散し部屋全体に充満するように構成されている。このようにバイパス吹出口22bを熱交換器6の下流側に配置したのは、熱交換器6の上流側に配置すると、熱交換器6は金属製のため、荷電粒子である静電ミストは熱交換器6にその大部分(約8〜9割以上)が吸収されるからである。また、バイパス吹出口22bを室内ファン8の下流側に配置したのは、室内ファン8の上流側に配置すると、室内ファン8の内部には乱流が存在し、室内ファン8の内部を通過する空気が室内ファン8の様々な部位に衝突する過程で静電ミストの一部(約5割程度)が吸収されるからである。
また、バイパス吹出口22bを設けたリヤガイダ48の一方の側壁48bの主流路20側は、室内ファン8により空気流に所定の速度が付与されることで、側壁48bの主流路20側とバイパス流路22側において圧力差が生じ、バイパス流路22に対し主流路20側が相対的に低圧となる負圧部となっており、バイパス流路22から主流路20に向かって空気が誘引される。したがって、バイパス送風ファン26は小容量のもので済み、場合によってはバイパス送風ファン26を設けなくてもよい。
さらに、バイパス吹出管22dは、主流路20との合流点(バイパス吹出口22b)において主流路20内の空気流に対し略直交する方向に指向するように隔壁46c(リヤガイダ48の側壁48b)に接続されている。これは、静電霧化ユニット30は、上述したように放電現象を利用して静電ミストを発生させていることから、必然的に放電音を伴い、放電音には指向性があるからである。したがって、バイパス流路22と主流路20の合流点(バイパス吹出口22b)において、バイパス流路22を前面パネル4に略平行に接続することで、室内機の前方あるいは斜め前方にいる人に対して、放電音が極力指向しないように構成して騒音を低減することができる。
また、図8に示されるように、バイパス吹出管22dを主流路20との合流点において隔壁46cに対し傾斜させ、主流路20内の空気流に対し上流側に指向するように接続すると、より一層放電音による騒音の低減に効果がある。
なお、バイパス吹出管22dの指向する方向が主流路20内の空気流の下流方向に指向して接続した場合においても、その延長線が吹出口10から外部に出ないようにしておけば、発生する放電音が吹出口10から直接外部に出る量が少なく、直接的に使用者の耳に入射することも少ないため、騒音低減効果を奏することができる。
以上説明したように、主流路20とバイパス流路22を隔壁46cで分離し、静電ミストを発生させる静電霧化装置18を熱交換器6をバイパスして主流路20に連通するバイパス流路22に設けたので、熱交換器6を通過せず温湿度調整がなされていない空気が静電霧化装置18に供給されるので、冷房時においては静電霧化ユニット30のペルチェ素子36全体に結露が発生することを有効に防止することで安全性が向上するとともに、暖房時においては静電ミストを確実に発生させることができ、空気調和機の運転モードに関わらず、すなわち、季節に関係なく静電ミストを安定的に発生させることができる。
次に、プレフィルタ5に付着した塵埃を吸引して除去する吸引装置を有するプレフィルタ自動清掃装置をさらに設けた空気調和機について説明する。図9を参照しながら換気ファンユニット16を説明すると、換気ファンユニット16は換気専用であっても、プレフィルタ自動清掃装置を有する室内機に設けられた吸引装置の給気用を兼ねるものであってもよい。図9に示される換気ファンユニット16は、隔壁46cのバイパス流路22側でプレフィルタ自動清掃装置の吸引装置58に組み込まれているが、プレフィルタ自動清掃装置は既に公知なので、図10を参照しながら簡単に説明する。プレフィルタ自動清掃装置の詳細な構造や運転方法については、特に限定されるものではない。
図10に示されるように、プレフィルタ自動清掃装置50は、プレフィルタ5の表面に沿って摺動自在の吸引ノズル52を備えており、吸引ノズル52はプレフィルタ5の上下端に設置された一対のガイドレール54により、プレフィルタ5と極めて狭い間隙を保って円滑に左右に移動することができ、プレフィルタ5に付着した塵埃は吸引ノズル52より吸引して除去される。また、吸引ノズル52には屈曲自在の吸引ダクト56の一端が連結され、吸引ダクト56の他端は吸引量可変の吸引装置58に連結されている。さらに、吸引装置58には排気ダクト60が連結され、室外へ導出されている。
また、吸引ノズル52の上下方向の周囲には吸引ノズル52に沿って摺動自在のベルト(図示せず)が巻回されており、吸引ノズル52のプレフィルタ5と対向する面には、プレフィルタ5の縦長さに略等しい長さのスリット状のノズル開口部が形成される一方、ベルトには、プレフィルタ5の縦長さの例えば1/4の長さのスリット状の吸引孔が形成されている。
上記構成のプレフィルタ自動清掃装置50は、必要に応じてプレフィルタ5の清掃範囲A,B,C,Dを順次清掃するが、範囲Aを吸引清掃する場合、ベルトを駆動してその吸引孔を範囲Aの位置に固定した状態で、吸引しながら吸引ノズル52をプレフィルタ5の右端から左端まで駆動することでプレフィルタ5の水平方向の範囲Aが吸引清掃される。
次に、ベルトを駆動してその吸引孔を範囲Bの位置に固定し、この状態で吸引しながら吸引ノズル52をプレフィルタ5の左端から右端まで駆動することで今度はプレフィルタ5の水平方向の範囲Bが吸引清掃される。同様に、プレフィルタ5の範囲C、Dも吸引清掃される。
プレフィルタ5に付着し、吸引ノズル52により吸引された塵埃は吸引ダクト56、吸引装置58、排気ダクト60を経由して室外へ排出される。
図9をさらに参照すると、吸引装置58の吸入路には開口部62が形成されるとともに、この開口部62を開閉するためのダンパ64が設けられており、換気ファンユニット16は、ダンパ64が開口部62を開いた時は換気用として、吸引清掃を行う場合はダンパ64により開口部62を閉じてベルトの吸引孔から塵埃を吸引する吸引用として使用される。すなわち、同じ吸引装置58を使用して吸引清掃機能と換気機能を実現させている。
なお、図9には排気ダクト60は図示されていないが、排気ダクト60は吸引装置58の排気口58aに接続されている。
図11はケーシング34を持たない静電霧化装置18Aを示しており、この静電霧化装置18Aは図12に示されるように室内機本体2に組み込まれる。あるいは、図12に示される破線領域18B(図9に示される静電霧化装置18においてバイパス流路22の下流側に設けられた静電霧化ユニット30とサイレンサ32と略同じ位置)に組み込まれる。これらは、静電霧化装置18Aを室内機の正面又は上面から見て換気ファンユニット16と重なる位置に配設するとともに、静電霧化装置18Aを換気ファンユニット16の開口部62及びダンパ64の近傍で、換気ファンユニット16による吸引空気が流れる部分に配置するものである。
さらに詳述すると、図11の静電霧化装置18Aは、放熱部28を有する静電霧化ユニット30とサイレンサ32が一体的に取り付けられ、放熱部28を除く静電霧化ユニット30部分とサイレンサ32はそれぞれのハウジング(ユニットハウジング66とサイレンサハウジング68)に収容され、サイレンサハウジング68にバイパス吹出管22dの一方が接続されて連通し、バイパス吹出管22dの他方が主流路20に接続されて連通している。この場合、隔壁46cにより主流路20から分離され、図示しない本体カバーの左側面との間に形成されて、換気ファンユニット16、静電霧化装置18A等が配設された収容部22eが前述したバイパス吸入管22cとケーシング34との代わりとなるとともに、バイパス吹出管22dまでも収容してバイパス流路22として構成することになる。
なお、バイパス吹出管22dは、主流路20の空気流に対して指向する向きで騒音低減が図れることは上述したとおりであるが、必ずしも必要というものではなく、サイレンサハウジング68を直接的にバイパス吹出口22bに接続してもよい。これにより、静電霧化装置18Aの構成をより簡素化することができる。ただし、騒音低減のために向きの配慮が必要なことはバイパス吹出管22dと同様である。
これにより、プレフィルタ5を介して本体2内に吸い込まれる空気は、プレフィルタ5の下流側のバイパス吸入口22aより収容部22eに吸い込まれ、その空気流の方向は、主流路20を流れる空気流の方向に対して、室内機本体2を正面から見て平行に収容部22e内を流れることになる。このように収容部22e内を流れた空気により放熱部28は冷却されるとともに、ユニットハウジング66に形成された開口部(図示せず)より静電霧化ユニット30に取り込まれる。
このように構成することで、室内機の正面又は上面から見て換気ファンユニット16と重なる換気ファンユニット16の周囲空間がバイパス流路22となり、換気ファンユニット16、静電霧化装置18A等の収容部22eを有効に活用して省スペース化を達成することができる。なお、この構成では、高電圧トランス24は換気ファンユニット16、静電霧化装置18A等の収容部22eにおける任意の部位に配置され、バイパス送風ファン26は設けられない。
また、このようにバイパス流路22を、主流路20を通過する空気流に対して、室内機本体2を正面から見て平行に空気流が流れるように構成することにより、上で詳述したように隔壁46cという簡略な構成で主流路20とバイパス流路22を分岐することができるため、容易にバイパス流路22が形成でき、部品点数を削減することができる。
さらに、本構成とすることで、静電霧化装置18Aのプレフィルタと主流路20のプレフィルタをプレフィルタ5で共有化することができる。共有化の効果については、先述の通りであるので、ここでは詳細は省略する。
なお、換気ファンユニット16の後部にあたる台枠46の下部近傍において、室内機と室外機とを接続する配管(図示せず)を引き出せるように開口46dを形成してもよい。上述したバイパス吸入口22aは、収容部22eに空気を吸い込むために隔壁46c(台枠側壁46b)に形成された収容部22eにおける1つの開口であり、室内機の外部とはプレフィルタ5を通して連通していたが、台枠46の下部に形成された開口46dにおいては、収容部22eが室内機の外部と直接連通して周囲の空気を吸い込む開口となる。このような場合には、収容部22eはプレフィルタ5をもバイパスするバイパス流路となる。したがって、静電霧化装置18Aに吸い込まれる空気は開口46dから流入したものとなってプレフィルタ5を通過しないことになるので、必要に応じて別途静電霧化装置18A用のプレフィルタを設ければよい。また、開口46dを形成した構成でも室内機の正面又は上面から見て換気ファンユニット16と重なる位置に静電霧化装置18Aが配設されていることは変わらず、収容部22eを有効に活用して省スペース化を達成することができるのは同様である。
上述したように、バイパス吹出口22bの主流路20側は、室内ファン8により空気流に所定の速度が付与されることで圧力差が発生して誘引される負圧部となっているので、バイパス送風ファン26は設けなくても、バイパス吹出管22dを介してバイパス流路である収容部22eから主流路20に向かって誘引される空気により放熱部28は冷却され、静電霧化ユニット30により発生した静電ミストが主流路20に誘引され、被空調室内に放出させることができる。また、放熱部28は、破線領域18Bのように開口部62及びダンパ64の近傍で、開口部62に吸い込まれる空気が流れる部分に配置したことから換気ファンユニット16による吸引空気によっても冷却される。
なお、図12に示されるように、静電霧化装置18Aの放熱部28を吸引装置58に設けられた開口部62に近接して配置することで、開口部62に吸い込まれる空気により放熱部28がより冷却され、静電霧化ユニット30からの放熱が促進される。また、換気ファンユニット16として換気専用のファンを使用した場合、ダンパ64は設けられることがないので、換気ファンユニット16の吸込口に放熱部28を近接配置することで、放熱部28は効率よく冷却される。
以上説明したように、上記構成によれば、主流路20とバイパス流路となる収容部22eとを隔壁46cで分離し、静電ミストを発生させる静電霧化装置18Aを収容部22eに設けたので、熱交換器6を通過せず温湿度調整がなされていない空気が静電霧化装置18Aに供給されるので、冷房時においては静電霧化ユニット30のペルチェ素子36全体に結露が発生することを有効に防止することで安全性が向上するとともに、暖房時においては静電ミストを確実に発生させることができ、空気調和機の運転モードに関わらず、すなわち、季節に関係なく静電ミストを安定的に発生させることができる。
<室内の温湿度に基づく静電霧化装置の運転制御>
この制御は、静電霧化装置18,18Aの運転条件として複数のパラメータを設定し、これらのパラメータに基づいて静電霧化装置18,18Aを制御することで、被空調室内に静電ミストを充満させて室内空気を浄化し、居住者の快適環境を維持するためのものであり、加えて、省エネあるいはペルチェ素子36等の寿命の観点から静電霧化装置18,18Aの不要な運転を防止するためのものである。
本実施の形態では、運転許可条件として次のようなパラメータが設定されている。
(i)室内空気の温度
(ii)室内空気の湿度
(iii)室内ファン8の回転数
室内機には、吸い込まれる空気の温度を検知する吸込温度センサ72(図14参照)が吸込口(前面吸込口2aあるいは上面吸込口2b)の近傍に設けられ、吸い込まれる空気の湿度を検知する湿度センサ74(図14参照)が、例えば室内機の電源基板に設けられており、室内機に吸い込まれる空気の温度と湿度に基づいて設定された静電霧化装置18,18Aの運転許可領域及び安定霧化領域が室内機の制御部70(図14参照)に記憶されている。これらの領域について、図13のグラフを参照しながらまず説明する。
図13に示されるように、室内機に吸い込まれる空気の温度と湿度に基づいて、過剰結露領域と第1の性能外領域と氷点下領域が設定され、これらの領域を除く領域が運転許可領域として設定されている。過剰結露領域とは、湿度が高く(第1の所定値以上)、放電電極38に結露した水と対向電極40との距離が短くなることで短絡に近い状態となり、短絡電流により異音が発生したり、所望の粒子径を有する静電ミストが発生しなくなったりする領域である。また、第1の性能外領域とは、湿度が低く(前記第1の所定値より小さい第2の所定値以下)、ペルチェ素子36が最大能力を発揮しても露点温度まで到達できない領域のことであり、結露水と対向電極40との間の放電ではなく、放電電極38と対向電極40との間の放電となるためオゾンが発生する虞がある。さらに、氷点下領域とは、湿り空気線図から求められる露点温度が氷点下となる領域のことである。
すなわち、過剰結露領域を設定して静電霧化装置18,18Aの運転を禁止することによって、室内の湿度が高く、高電圧電極に過剰に結露した水と対向電極との距離が短くなることに伴って異音が発生してしまうことや、所望の粒子径を有する静電ミストが発生しなくなってしまうことを防止することができる。
また、第1の性能外領域を設定して静電霧化装置18,18Aの運転を禁止することによって、室内の湿度が低く、ペルチェ素子36が最大能力を発揮しても露点温度まで到達できずにオゾンが発生してしまうことを防止することができる。
また、氷点下領域を設定して静電霧化装置18,18Aの運転を禁止することによって、露点温度が氷点下の領域でも不必要に動作し、静電霧化装置18,18Aの寿命が短くなったり、省エネを達成できなくなったりしてしまうことを防止することができる。
なお、図13のグラフにおいて、上限温度が設定されているが、この上限温度以上の領域は放熱部28のサイズに依存するので、この領域は第2の性能外領域ということができる。すなわち、上述したように、ペルチェ素子36に電流を流すと、冷却面36bから放熱面36aに向かって熱が移動し、放電電極38の温度が低下することで放電電極38に結露し、放熱面36aに移動した熱は放熱部28から放熱するが、静電霧化ユニット30の収納性の点から放熱部28のサイズには制約がある。放熱部28のサイズは、少なくとも暖房運転時の最高設定温度(例えば、30℃)では確実に正常動作することを考慮して設定され、この最高設定温度以上の温度(例えば、32〜35℃)でも静電霧化ユニット30がおおむね正常に動作するようには設定されている。しかしながら、この最高設定温度以上になると温度が高くなるにつれて正常な動作が妨げられる可能性も高くなってくる。したがって、検知温度が上限温度としての暖房運転時の最高設定温度を超えると、静電霧化ユニット30の正常な動作が妨げられる第2の性能外領域と見なしている。なお、冷房運転においても放熱部28のサイズに制約されるのは同様であり、例えばここでの上限温度である30℃以下にまで室内温度が低下してから静電霧化装置18,18Aが動作することになる。
すなわち、第2の性能外領域を設定することによって、上限温度を超えてペルチェ素子36の動作が不安定な状態で静電霧化装置18,18Aを運転してしまうことを防止することができる。
1例として、運転許可領域は次のように設定される。
・温度=5〜30℃
・相対湿度=30〜85%
・露点温度=2℃以上
一方、静電霧化装置18,18Aの安定霧化領域は運転許可領域の内側に設定され、放電電極38において所望の結露が得られる領域である。したがって、運転許可領域内ではあるが安定霧化領域外の温湿度では、放電電極38に結露は発生するものの、水分量が不足することがあり、十分な静電ミストが放出されない可能性もある。
1例として、安定霧化領域は次のように設定される。
・温度=10〜25℃
・相対湿度=40〜70%
・露点温度=5℃以上
次に、室内ファン8の回転数について説明する。
ペルチェ素子36の冷却面36bから放熱面36aに向かって移動した熱は放熱部28で放熱するが、回転数検知手段76(図14参照)により検知された室内ファン8の回転数が所定回転数(例えば、700rpm)に満たない場合、放熱部28における放熱が不十分となり、ペルチェ素子36により所望の冷却性能を発揮できない。そこで、室内ファン8の回転数に応じて静電霧化装置18,18Aの運転状態を変更する制御を行っている。
また、室内ファン8の回転数が前記所定回転数よりさらに低くなると(例えば、500rpm未満)、静電霧化装置18,18Aの放電音が目立つこともあり、この場合には静電霧化装置18,18Aの運転を停止することで、そのような騒音の発生を回避するようにしている。
図14は室内機の制御部70と静電霧化装置18,18Aの制御部42の信号の授受を示すブロック図である。
図14に示されるように、吸込温度センサ72の出力、湿度センサ74の出力及び回転数検知手段76の出力は室内機の制御部70に入力されるとともに、静電霧化装置18,18Aの制御部42は高電圧トランス24の出力値及びペルチェ駆動電源44の出力値を監視している。また、室内機の制御部70と静電霧化装置18,18Aの制御部42とは、電源電圧線と運転許可信号線と異常信号線により電気的に接続されている。ここで、吸込温度センサ72及び湿度センサ74は、冷暖房や除湿の空調運転における冷凍サイクルの制御に用いられているものを使用している。
また、室内機内の電源電圧線には、静電霧化装置18,18Aの待機時の消費電力を抑制するための開閉手段78が設けられており、静電霧化装置18,18Aの運転時には、室内機の制御部70より開閉手段78を介して静電霧化装置18,18Aの制御部42に電源電圧が印可される。
静電霧化装置18,18Aは、冷暖房時の空気調和機の運転と同時に運転されるが、リモコン(遠隔操作装置)を使用して居住者の好みに応じて単独運転することもできるように設定されている。
静電霧化装置18,18Aの運転制御について、図15のフローチャートを参照しながら詳述する。
図15のフローチャートに示されるように、まずステップS1において、空気調和機の冷房または暖房運転指令あるいは静電霧化装置18,18Aの単独運転指令が室内機の制御部70に入力されると、ステップS2において、吸込温度センサ72により検知された温度と湿度センサ74により検知された湿度に基づいて運転許可領域かどうかを判定する。運転許可領域外と判定されると、所望の静電ミストが得られなかったり過負荷状態での運転となる可能性が高いので、ステップS3において静電霧化装置18,18Aの運転を禁止し、運転許可領域内と判定されると、ステップS4において安定霧化領域かどうかを判定する。
ステップS4において安定霧化領域内と判定されると、ステップS5において第1の所定時間(例えば、3時間)パワフル運転(連続運転)を行う一方、安定霧化領域外と判定されると、放電電極38における結露水が減少し静電ミストの発生量が不足する虞があるので、ステップS6において第1の所定時間より長い第2の所定時間(例えば、5時間)パワフル運転を行うか、あるいは、第1の所定時間静電霧化装置18,18Aの能力を増大して(例えば、120%)にして、部屋全体に充満できる静電ミストを供給し、ステップS7に移行する。
なお、ここでいう静電霧化装置18,18Aの能力とは、出力電圧のことを意味しており、定常状態(100%の能力運転)での出力電圧が5kVの場合、120%の能力運転では、出力電圧を6kVまで増大する。
ステップS7においては、室内ファン8の回転数が第1の回転数(例えば、700rpm)より高いかどうかを判定し、第1の回転数以上と判定されると、ステップS8において静電霧化装置18,18Aの能力を75%まで減少したデューティ運転を行って、ペルチェ素子36、放電電極38等の高寿命化を図る一方、第1の回転数未満と判定されると、低回転数時の放熱低下により結露水が不足して静電ミストの発生量が低下する虞があるので、ステップS9においてパワフル運転を行って、ステップS10に移行する。
ステップS10においては、室内ファン8の回転数が第1の回転数より低い第2の回転数(例えば、500rpm)より高いかどうかを判定し、第2の回転数以上と判定されると、ステップS7に戻る一方、第2の回転数回転数未満と判定されると、ステップS11において静電霧化装置18,18Aの運転を停止し、低回転数時の静穏状態において静電霧化装置18,18Aの運転による騒音発生を防止し、居住者に不快感を与えないようにしている。ステップS11において静電霧化装置18,18Aの運転を停止後、ステップS7に戻る。
図16は、静電霧化装置18,18Aの運転開始後の運転状態を示すタイミングチャートであり、同図におけるAはステップS5におけるパワフル運転を、BはステップS6における100%のパワフル運転を、CはステップS6における120%のパワフル運転を、DはステップS8におけるデューティ運転をそれぞれ示している。なお、図16に示されるデューティ運転は、デューティ比を0.5に設定し、静電霧化装置18,18Aの運転、停止を10分毎に繰り返すようにしている。
なお、静電霧化装置18,18Aの運転開始直後のパワフル運転に代えて、ステップS8のデューティ運転における静電霧化装置18,18Aの能力より大きい能力のデューティ運転を行うようにしてもよく、ステップS8のデューティ運転の運転率より大きい運転率のデューティ運転(デューティ比>0.5)で)を行うようにしてもよい。
<汚れ検知手段の出力に基づく静電霧化装置の運転制御>
上述した室内の温湿度に基づく静電霧化装置の運転制御に代えて、汚れ検知手段の出力に基づいて静電霧化装置18,18Aを運転制御することもできる。
空気調和機運転中には被空調室内を脱臭、浄化するため静電霧化装置18,18Aをできるだけ運転するのが好ましいが、静電ミストによる空気清浄効果や付着臭除去効果と、静電霧化装置の長寿命化を両立することを目的にこの制御は行われる。すなわち、この制御には、静電霧化装置18,18Aの連続運転モードと間欠運転モードが設けられており、間欠運転モードを標準モードに設定して静電霧化装置の長寿命化を図るとともに、静電ミストによる脱臭清浄効果を最大限発揮したい場合に連続運転モードに切り替えるようにしている。
汚れ検知手段としては、室内空気の汚れ度を直接検知するガスセンサ、光学式ホコリセンサ等が使用される。ガスセンサは臭気ガス、CO2、水蒸気などの各種のガス成分を直接検知することができるものである。例えば、被空調室内の在室者が喫煙をおこなった際は臭気ガスと同時に煙草の煙、ヤニなどの粒子状物質が放出され、また在室者が調理をおこなった際は臭気ガス、水蒸気などと同時に調理に伴う油煙など各種の粒子状物質が放出されるため、ガスセンサの出力と被空調室内空気中の粒子状物質濃度の相関は極めて高い。このため、通常の生活環境においては、ガスセンサにより直接的に粒子状物質の有無を精度良く検出することができる。このようなガスセンサは、例えば室内機の電源基板に実装してもよく、あるいは室内機のリモコン受光部の近傍に取り付けられる。
このガスセンサを汚れ検知手段として使用した場合について、図17のブロック図及び図18のフローチャートを参照しながら説明する。
図17に示されるように、ガスセンサ(以下、汚れセンサという)80は室内機の制御部70に駆動回路84を介して接続され、制御部70にはさらに表示部86が接続されている。制御部70は記憶部88を有し、記憶部88には汚れ度の第1の閾値及び第2の閾値が設定されている。また、表示部86には空気の汚れ度を表示し、例えばLED表示を用いて空気の汚れ度が大きい方から順に赤(大)、橙(中)、緑(清浄)のような複数色で表示したり、LEDの点灯数によって表示したりされるので、居住者はこの表示部86を確認して空気の汚れ度の状態を容易に知ることができる。
汚れセンサ80により検知された室内の汚れ度は駆動回路84を介して制御部70に入力され、記憶部88に設定された第1の閾値あるいは第2の閾値と比較され、比較結果に応じて静電霧化装置18,18Aの能力が制御される。
図18のフローチャートを参照しながらさらに詳述すると、ステップS21において空気調和機が運転を開始すると同時に、間欠運転モードが選択されて静電霧化装置18,18Aが間欠運転され、ステップS22において、汚れセンサ80により室内の汚れ度が検知される。次のステップS23において、検知された室内空気の汚れ度が第1の閾値と比較され、第1の閾値より小さい場合には、室内空気は「清浄」と判定して、ステップS24において、静電霧化装置18,18Aの間欠運転が継続され、表示部86に「緑」が点灯する。この場合、静電霧化装置18,18Aの能力は、例えば運転率50%に設定され、約10分間の運転と約10分間の停止を繰り返すことになり、静電霧化装置18,18Aが発生した静電ミストの効果(脱臭浄化効果)と静電霧化装置18,18Aの長寿命化を両立させている。
一方、ステップS23において、検知された室内空気の汚れ度が第1の閾値以上と判定されると、連続運転モードが選択されるとともに、ステップS25に移行し、検知された室内空気の汚れ度が第1の閾値より大きい第2の閾値と比較される。第2の閾値より小さい場合には、室内空気の汚れ度は「中(普通)」と判定して、ステップS26において、静電霧化装置18,18Aが第1の所定時間連続運転されるとともに、表示部86に「橙」が点灯する。
一方、ステップS25において、検知された室内空気の汚れ度が第2の閾値以上の場合は、室内空気の汚れ度は「大」と判定して、ステップS27において、静電霧化装置18,18Aが第2の所定時間連続運転されるとともに、表示部86に「赤」が点灯する。
なお、第1の所定時間及び第2の所定時間は、室内空気の汚れ検知を起点として清浄になると想定される時間よりも長く設定され、連続運転モードから間欠運転モードへの復帰のタイミングは、次のように設定される。室内空気が清浄となった後も静電霧化装置18,18Aを運転するのは、室内空気が清浄となっても、汚れの原因となる臭気ガスは室内の一部(例えば、天井、カーテン等)に依然として付着しており、この臭気ガスを確実に除去するためである。
(i)第1の所定時間と第2の所定時間を同じ時間(例えば、1時間あるいは1.5時間)に設定する。第1の所定時間と第2の所定時間を同じにすると、制御が簡素である。
図19は、空気が清浄な状態から静電霧化装置18,18Aの連続運転を行う第1の所定時間と第2の所定時間を共に1時間に設定した場合のタイミングチャートを示しており、静電霧化装置18,18Aの連続運転を1時間継続した後、間欠運転モードに復帰する。
(ii)第1の所定時間を1時間に設定し、第2の所定時間を第1の設定時間より長く(例えば、2時間)設定する。この設定も制御が簡素であり、室内空気の汚れ度に応じて付着臭気を除去できる。
(iii)室内空気が汚れた状態から清浄になった後所定時間(例えば、1時間)経過したとき。この設定により、付着臭気を確実に除去できる。
(iv)前記(i)あるいは(iii)のいずれか長い時間を設定する。この設定により、付着臭気をより確実に除去できる。
(v)第1の所定時間と第2の所定時間を可変設定する。具体的には、室内の汚れ度及び汚れ継続時間(表示部86における「橙」あるいは「赤」の点灯時間)に基づく次の算出式を使用して、第1の所定時間及び第2の所定時間を算出する。
T=N×t×α
T:第1の所定時間あるいは第2の所定時間
N:汚れ度を示しており、汚れ度が「清浄」の場合は0、汚れ度が「中」の場合は1、汚れ度が「大」の場合は2
t:汚れ継続時間
α:定数
1例として、α=5に設定し、表示部86に「赤」が点灯し、汚れ継続時間が10分の場合を考えると、室内の汚れ度は「大」なので、N=2となり、
T=2×10×5=100(分)
となる。したがって、表示部86に「赤」が点灯した後、1時間40分の間、静電霧化装置18,18Aが連続運転されることになる。
前記算出式によれば、静電霧化装置18,18Aの連続運転時間がかなり短い場合(例えば、30分)も想定されるので、連続運転時間Tに最小値(例えば、1時間)を設定することもできる。
この設定により、汚れ度に応じた最適連続運転を行うことができる。
(vi)室内空気が汚れた状態から清浄になった時を起点として前記(v)の算出式に基づいて静電霧化装置18,18Aの連続運転時間を算出する。
また、静電霧化装置18,18Aの連続運転モードにおいては、室内ファン8の回転数を空気調和機の通常運転時の回転数(例えば、500〜1200rpm)より高く(例えば、1300〜1500rpm)設定すると、静電ミストの誘因が促進され静電ミストの放出量が増大するばかりでなく、風量が増大することで室内のすみずみまで静電ミストが行き渡ることになる。
上述したように、バイパス送風ファン26の設置は必須ではないが、バイパス送風ファン26が設けられている場合には、静電霧化装置18,18Aの連続運転モードにおいては、バイパス送風ファン26の回転数を高く設定すると、静電ミストの誘因が促進され静電ミストの放出量が増大する。例えば、バイパス送風ファン26としてプロペラファンを採用した場合、静電霧化装置18,18Aの間欠運転モードにおいては、バイパス送風ファン26の回転数は約2000rpm程度に設定されるが、連続運転モードにおいては、約3000rpm程度に設定することもできる。
さらに、バイパス送風ファン26が設けられている場合には、室内ファン8に加えてバイパス送風ファン26の回転数を高く設定してもよいが、少なくとも一方のファンの回転数を高く設定すればよい。
上記実施の形態において、室内空気の汚れ度に二つの閾値を設け、室内空気の汚れ度に応じて静電霧化装置18,18Aの間欠運転モードあるいは連続運転モードを選択するとともに連続運転モードにおける運転時間を設定するようにしたが、室内空気の汚れ度に一つの閾値を設け、室内空気の汚れ度に応じて静電霧化装置18,18Aの運転モードのみ選択するように制御することもできる。この場合、表示部86には室内空気の汚れ度が2色で表示される。また、三つ以上の閾値を設け、静電霧化装置18,18Aの連続運転時間をさらに細かく制御するようにしてもよく、この場合、表示部86には室内空気の汚れ度が4色以上で表示される。
このように閾値の数は任意に設定できるが、数が少ないほど静電霧化装置18,18Aによる空気清浄のきめ細かい制御は低下するが簡易な構成でコストの上昇を抑制することが可能となり、数が多いほど構成が複雑になるが静電霧化装置18,18Aによる空気清浄のきめ細かい制御が可能となる。
以上説明したように、汚れ検知手段が検知した室内空気の粒子状物質の多寡、すなわち汚れ度に応じて静電霧化装置18,18Aの能力を制御し、例えば汚れ度が小さい場合は静電霧化装置18,18Aを間欠運転する一方、汚れ度が大きい場合は静電霧化装置18,18Aの能力を増大して運転するようにしたので、長期に渡り静電霧化装置18,18Aを正常運転することができるとともに、静電ミストによる脱臭などの空気浄化機能を維持継続することができる。
<静電霧化装置のクリーニング運転制御>
室内で煙草を吸ったり肉や魚を焼いた後、しばらくして空気調和機を停止して退室すると、煙草や焼き肉あるいは焼き魚等の臭いが室内に残り天井や壁面等に付着したりする。このクリーニング制御は、退室後に静電霧化装置18,18Aを継続して運転することにより室内に残存する臭いや天井あるいは壁面等の付着臭を除去するために行うものである。
さらに詳述すると、静電霧化装置18,18Aを運転するクリーニングボタンと複数の時間設定ボタンをリモコンに設け、空気調和機の運転中にクリーニングボタンを押下することにより退室時等の空気調和機の運転停止後も静電霧化装置18,18Aを所定時間延長運転して、室内の脱臭浄化を行うことができる。静電霧化装置18,18Aの運転時間は、複数の時間設定ボタンのいずれかを押下することにより設定することができ、時間設定ボタンとして「2時間」「4時間」「8時間」等の設定ボタンを設ければよい。また、クリーニングボタンは、空気調和機の運転を行わない場合に静電霧化装置18,18Aを単独運転したい場合にも使用される。
空気調和機の運転中にクリーニングボタンが押下され、複数の時間設定ボタンのいずれかが押下されると、空気調和機の運転停止後も静電霧化装置18,18Aの運転は、押下された時間設定ボタンの設定時間だけ延長される。この時、室内ファン8の回転数は、所定の回転数(例えば、冷暖房運転中における最大回転数、1100〜1200rpm)に設定され、上下羽根12は水平よりやや上向きに設定されて、吹き出し空気を室内上方に到達させ(天井気流)、室内のすみずみまで静電ミストを到達させる。
また、左右羽根14は、例えば9枚で構成されるとともに、左側3枚、中央3枚、右側3枚をそれぞれ一つのブロックとする三つのブロックに分割され、ブロック毎に独立して左右羽根14の角度を変更することができる構成の場合、全てのブロックの左右羽根14の角度を室内機の正面に向かって風を吹き出すように設定してもよく、室内機の両側に風を吹き出すように設定してもよく、左右にスイング(揺動)するように設定してもよい。
同時に、換気ファンユニット16を運転して、室内の空気を室外に排出することにより換気量を増大し、脱臭浄化効果を向上させるのが好ましい。
また、静電霧化装置18,18Aが運転中であることを示すLED等の点灯素子を表示部86に設けることにより、クリーニング運転中は、空気調和機が停止しているにもかかわらず静電霧化装置18,18Aの運転が継続していることを居住者に報知するようにしている。
さらに、室内機に人体検知センサを設けた空気調和機のクリーニング運転について説明する。
室内機に人体検知センサを一つ設け、室内における人の在否のみを検知する構成の場合、空気調和機の運転を停止しても室内に人がいることを人体検知センサが検知すると、室内ファン8は、上述した所定の回転数より低い回転数(例えば、空気調和機の停止前の設定回転数)に設定され、上下羽根12及び左右羽根14は上述したクリーニング運転と同様に制御される。
このクリーニング運転中に、人が退室し人体検知センサにより人を検知しなくなると、上述したクリーニング運転時の設定に戻る。
次に、室内機に複数の人体検知センサを設けた構成のクリーニング運転について説明する。
図20は、前面パネル4の上部に取り付けられた五つの人体検知センサ90,92,94,96,98を有する室内機を示しており、図20(a)はセンサカバー99を取り外した状態を、図20(b)はセンサカバー99を取り付けた状態をそれぞれ示している。
人体検知センサ90は、回路基板と、回路基板に取り付けられたレンズと、レンズの内部に実装された人体検知センサとで構成されており、この構成は、他の人体検知センサ92,94,96,98についても同様である。さらに、人体検知センサ90,92,94,96,98は、例えば人体から放射される赤外線を検知することにより人の在否を検知する赤外線センサにより構成されており、赤外線センサが検知する赤外線量の変化に応じて出力されるパルス信号に基づいて回路基板により人の在否が判定される。
図21は、人体検知センサ90,92,94,96,98で検知される人体位置判別領域を示しており、人体検知センサ90,92,94,96,98は、それぞれ次の領域に人がいるかどうかを検知することができる。
人体検知センサ90:領域A+C+D
人体検知センサ92:領域B+E+F
人体検知センサ94:領域C+G
人体検知センサ96:領域D+E+H
人体検知センサ98:領域F+I
すなわち、人体検知センサ90,92で検知できる領域と、人体検知センサ94,96,98で検知できる領域が一部重なっており、領域A〜Iの数よりも少ない数の人体検知センサ90,92,94,96,98を使用して各領域A〜Iにおける人の在否を検知するようにしている。なお、各領域A〜Iにおける人の在否推定については、本願出願人が既に提案しているので(例えば、特許第3963935号公報参照)、その説明は割愛する。
このように、室内機に複数の人体検知センサ90,92,94,96,98を設けた場合、室内における人の在否のみならず人がいる位置も判別できるので、この場合のクリーニング運転時の上下羽根12、左右羽根14の制御は、人に風を当てない設定と、人に直接風を当てないが人の近傍に風を到達させることで静電ミストによる除菌作用を行う設定のいずれかを行うものとする。
人に風を当てない設定では、上下羽根12は水平よりやや上向きに設定されて、吹き出し空気を室内上方に到達させ、左右羽根14は、上述したクリーニング運転と同様に設定される。
一方、人の近傍に風を到達させる設定では、上下羽根12は人がいる領域の前縁(室内機側の縁部)を狙って設定され、左右羽根14は人がいる領域を狙って設定される。
<断線検知制御>
この制御は、静電霧化装置18,18Aの運転時に、室内機の制御部70と静電霧化装置18,18Aの制御部42との間の断線、コネクタの外れ等の非接続状態を検知するためのものである。
図22は、図14における室内機の制御部70と静電霧化装置18,18Aの制御部42間の異常信号線を示す詳細ブロック図である。図22に示されるように、異常信号線は、静電霧化装置18,18Aの制御部42の異常出力部と室内機の制御部70の異常入力部とを接続しており、室内機においては抵抗100を介して電源電圧に接続される一方、静電霧化装置18,18Aにおいてはトランジスタ102と二つの抵抗104,106に接続されている。
図23(a)に示されるように、室内機の制御部70と静電霧化装置18,18Aの制御部42との間の複数の接続線に断線等がなく正常な場合には、静電霧化装置18,18Aの運転開始時に、開閉手段78がまずONになり、室内機の制御部70より静電霧化装置18,18Aの制御部42に電源電圧が印可される。電源電圧の印可直後における発振安定待ち、イニシャライズ等の所定期間は、静電霧化装置18,18Aの制御部42の異常出力部の電圧レベルはLoレベル状態で、この所定期間が経過して初めてHiレベルが確定する。
一方、室内機の制御部70の異常入力部は、静電霧化装置18,18Aの制御部42における異常出力部のHiレベルが確定するまでは、電圧レベルが不定のためHiレベル状態にあり、異常出力部のHiレベル確定後、Loレベルに変化する。
本実施の形態においては、発振安定待ち、イニシャライズ等の所定期間経過後に所定の断線検知期間(非接続状態検知期間)を設けており、室内機の制御部70は、この断線検知期間に異常入力部がHiレベルからLoレベルに変化すると正常(断線なし)と判定し、断線検知期間経過後に静電霧化装置18,18Aの制御部42に運転許可信号を出力する。
一方、図23(b)に示されるように、発振安定待ち、イニシャライズ等の所定期間を経て断線検知期間中も異常入力部が継続してHiレベル状態に維持されると、室内機の制御部70は断線等の非接続状態と判定し、断線検知期間経過後に開閉手段78をOFFにして、運転許可信号の出力を停止する。
なお、上述した断線検知制御において、図14に示される吸込温度センサ72、湿度センサ74、回転数検知手段76等は必須の構成ではなく、室内機の制御部70とは別に静電霧化装置18,18Aの制御部42を設ける構成であれば、この断線検知制御を採用することができる。
<静電霧化装置の異常検知制御>
この制御は、上述した断線検知制御の後に行われ、静電霧化装置18,18Aにおける放電電流の異常を検知するためのものである。
上述したように、図13に示される過剰結露領域では、放電電極38に結露した水と対向電極40との距離が短くなることで短絡に近い状態となり、短絡電流により異音が発生したり、所望の粒子径を有する静電ミストが発生しなくなることがあるが、これは放電電極38の過剰結露水に限ったことではなく、対向電極40に塵埃や煙草のヤニ等の異物が付着した場合にも発生する現象である。
しかしながら、これら二つの現象には、静電霧化装置18,18Aの復帰の可否において大きな差異がある。すなわち、放電電極38の過剰結露水は室内環境に依存し、湿度が高い場合に発生する現象で、室内環境が変われば(湿度が下がれば)静電霧化装置18,18Aは正常状態に復帰可能であるのに対し、対向電極40の異物付着は、異物の付着程度にもよるが、異物が自然に取れない場合、静電霧化装置18,18Aは正常状態に復帰不可能となり故障と判定すべき現象である。
そこで、本実施の形態においては、室内機の制御手段70に放電電流の異常回数をカウントするカウンタを設け、静電霧化装置18,18Aの制御部42で検知した復帰できない可能性のある異常を室内機の制御部70に報知し、カウンタによりカウントした異常回数が所定の回数(例えば、24回)連続した場合に、静電霧化装置18,18Aの故障と判定するようにしている。
以下、図24を参照しながら異常検知方法について詳述する。
図24(a)に示されるように、室内機の制御部70より開閉手段78を介して静電霧化装置18,18Aの制御部42に電源電圧が印可されると、静電霧化ユニット30における放電電流が高電圧トランス24から制御部42にフィードバックされる。放電電流が閾値以下の場合には、制御部42の異常出力部の電圧レベルはHiレベルに維持され、室内機の制御部70の異常入力部の電圧レベルはLoレベルに維持される。したがって、制御部70は放電電流は正常と判定して、静電霧化装置18,18Aの制御部42に運転許可信号を出力し、静電霧化装置18,18Aが運転される。
一方、静電霧化装置18,18Aの運転中に、放電電流が前記所定の閾値を超える異常が検知された場合には、静電霧化装置18,18Aの制御部42の異常出力部がHiレベルからLoレベルに変わり、室内機の制御部70の異常入力部はLoレベルからHiレベルに変わる。制御部70の異常入力部のHiレベル状態が、第1の所定時間(例えば、5秒)継続すると、制御部70は放電電流の異常と判定し、第1の所定時間経過後に室内機の制御部70からの運転許可信号の出力を停止する。同時に、カウンタにより異常カウント(1回目のカウント)を行うとともに、第1の所定時間経過後の第2の所定時間(例えば、15秒)、運転OFF処理を行って、第2の所定時間経過後に開閉手段78をOFFにする。開閉手段78のOFF状態は、第3の所定時間(例えば、30分)継続され、第3の所定時間が経過するまで静電霧化装置18,18Aの運転は禁止される。
第3の所定時間が経過すると、室内機の制御部70より開閉手段78を介して静電霧化装置18,18Aの制御部42に電源電圧が再び印可され、静電霧化ユニット30における放電電流が正常の場合には、静電霧化装置18,18Aは再び運転される。
静電霧化装置18,18Aの再運転中に、放電電流の異常が検知された場合には、第1の所定時間経過後に室内機の制御部70からの運転許可信号の出力を停止し、カウンタにより異常カウント(2回目のカウント)を行うとともに、第2の所定時間の運転OFF処理を経て開閉手段78はOFF状態となり、第3の所定時間が経過するまで静電霧化装置18,18Aの運転は禁止される。
空気調和機の一回の運転で、同様の放電電流異常が連続して所定回数(例えば、24回)発生した場合には、室内機の制御部70は静電霧化装置18,18Aの故障と判定して、制御部に設けられた表示部(図示せず)にLED等の点灯素子による表示を行う。
また、図24(b)に示されるように、空気調和機の一回の運転で、放電電流異常が連続して前記所定回数に達するまでに、第4の所定時間(例えば、10分)放電電流異常が検知されない場合には、異常回数をカウントするカウンタをクリアしリセットする。
なお、第3の所定時間を30分に設定し、放電電流異常の連続カウント回数を24回に設定した場合、空気調和機の一回の運転を少なくとも12時間継続しなければ、静電霧化装置18,18Aの故障は検知されないことになるが、空気調和機の運転回数に関係なく放電電流異常のカウント回数を累積し、所定の回数を超えた場合に、静電霧化装置18,18Aの故障と判定するようにしてもよい。
さらに、制御部42にフィードバックすることができる静電霧化装置18,18Aの異常としては、図14のブロック図からもわかるとおり、放電電流の異常の他に、高圧トランス24の印可電圧の異常や、ペルチェ駆動電圧及び電流の異常、ペルチェ素子36の異常などがある。これらの異常についても、上記放電電流の異常と同じように異常回数をカウントすることによって静電霧化装置18,18Aの故障と判定するようにしてもよい。