JP5177686B2 - 太陽電池、センサ、ダイオード及びその製造方法 - Google Patents
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そして、薄膜トランジスタは、ガラス基板上にシリコン薄膜を形成して、このシリコン薄膜にトランジスタのチャネル及びソース/ドレインを形成していた。
さらに、軽量化やコスト低減を図ることを目的として、薄膜トランジスタの基板にプラスチックを用いることが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、前述したように、提案されているシリコンナノチューブ(シリコンナノワイヤ)の構成は、シリコン基板上に形成されており、絶縁性基板を使用する装置には適用することができないので、太陽電池の大面積化が困難である。そのため、低いコストで安価に太陽電池を構成することができない。
多結晶シリコン層及びナノチューブの他端側の部分によって、ダイオードの不純物領域が構成されていることにより、ナノチューブの縦方向(上下方向)の結晶性が優れているので、キャリアの移動度が高くなり、またキャリアの寿命が長くなる。
また、ナノチューブによって縦方向(上下方向)にダイオードが形成されているので、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した構成と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができる。
多結晶シリコン層及びナノチューブの他端側の部分によって、ダイオードの不純物領域が構成されていることにより、ナノチューブの縦方向(上下方向)の結晶性が優れているので、キャリアの移動度が高くなり、またキャリアの寿命が長くなる。
また、ナノチューブによって縦方向(上下方向)にダイオードが形成されているので、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した構成と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができる。
多結晶シリコン層及びナノチューブの他端側の部分によって、ダイオードの不純物領域が構成されていることにより、ナノチューブの縦方向(上下方向)の結晶性が優れているので、キャリアの移動度が高くなり、またキャリアの寿命が長くなる。
また、ナノチューブによって縦方向(上下方向)にダイオードが形成されているので、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した構成と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができる。
また、多結晶シリコン層の各シリコン粒子からナノチューブを成長させて、このナノチューブの他端側の部分に、イオン注入によって多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物を導入することにより、多結晶シリコン層とナノチューブの他端側の部分により不純物領域が構成されたダイオードを製造することができる。
さらに、基板の材料にガラスやプラスチック等を使用すれば、太陽電池の大面積化を図ることが可能になる。
本発明の太陽電池の第1の実施の形態の概略構成図を、図1に示す。
下層の金属電極層2や上層の金属電極層6には、半導体装置等に一般的に使用されている金属電極材料を使用することができる。
透明電極層5には、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明な導電性材料を使用することができる。
そして、多結晶シリコン層3の各結晶粒子に、ナノチューブ4の一端(下端)が接続されている。また、多結晶シリコン層3には、n型不純物がドープされて、n+となっている。
多結晶シリコン層3の厚さは、100nm以下であることが好ましい。
多結晶シリコン層3のn型不純物の不純物濃度は、1×1015cm−2以上の高濃度であることが望ましい。
また、このナノチューブ4の上端部4pには、n型の多結晶シリコン層3とは反対導電型である、p型の不純物が導入されて、p+領域が形成されている。
ナノチューブ4の上端部4p以外の部分は、図示しないが、不純物が導入されていないi型半導体、もしくは、ごく低濃度のn型半導体となっている。
まず、図2Aに示すように、絶縁性基板1の上に、金属電極層2を形成する。
このシリコン層11を形成する際に、同時にn型不純物をドープしても構わない。
シリコン層11の形成時に同時にn型不純物をドープしていない場合には、続いて、イオン注入等により、シリコン層11にn型不純物をドープする。
なお、絶縁性基板1として、プラスチックを使用する場合には、シリコン層11をスパッタ法により形成する。これにより、シリコン層11を低温で形成することができるため、プラスチックへの熱に悪影響を及ぼすことがない。
なお、絶縁性基板1として、プラスチックを使用する場合には、スパッタ法によりナノチューブ4を成長させる。
スパッタ法を採用する場合には、スパッタ用Arガスの分圧及び流量を低めに設定することが好ましい。
CVD法を採用する場合には、高い到達真空度にした後に、微量のSiH4ガスを流してナノチューブ4を成長させる。このとき、300℃〜400℃で加熱させながら、ナノチューブ4を成長させることにより、結晶性に優れたナノチューブを形成することができる。プラスチック基板上に形成する場合には、最近は300℃以上の耐熱性の樹脂も開発されつつあるが、できるだけ基板に損傷を与えないで成長を促進するために、IR(赤外線)パルス加熱CVD法やパルスレーザアニール法を採用すると、プロセスの低温化にさらに有効になる。
その後、熱アニールやRTA、レーザアニール等により、導入した不純物を活性化させる。
さらに、必要に応じて、水素雰囲気中でアニールを行い、欠陥部を改善させる。この工程は、例えば、RTA法の窒素の代わりに水素を使用して行ってもよく、水素イオンのイオン注入を行った後に水素が再放出されない温度で熱処理して行ってもよい。
さらに、透明電極層5の上に金属電極層6を形成した後、金属電極層6をパターニングして、金属電極層6が透明電極層5の一部上に残るようにする。
このようにして、図1に示した太陽電池10を製造することができる。
多結晶シリコン層3のシリコン粒子の表面が(110)面である場合には、ナノチューブが斜めに成長する。
従って、上述の製造方法において、多結晶シリコン層3のシリコン粒子の表面の面方位を(111)面に揃えておくと、ほとんどのナノチューブ4が多結晶シリコン層3の表面に垂直に成長する。レーザ結晶化の条件等により、(111)面が優先方位となるように、多結晶シリコン層3を形成することが可能であるが、例えば、アモルファスシリコン層の狭い領域(約0.3μm以下)を局所的に加熱結晶化すると、その領域の表面が(111)面になる。その後、加熱して全体を結晶化すると、他の部分も表面が(111)面に揃う。
シリコン層11にp型不純物が導入されている場合にも、n型不純物が導入されている場合と同様に、結晶化によって、比較的大きい粒子から成る多結晶シリコン層3を形成することができる。
従って、太陽電池10のセルの小型化を図ることができる。
さらに、絶縁性基板1として、例えばガラスやプラスチックを使用すれば、太陽電池10の大面積化を図ることが可能になる。
この第2の実施の形態の太陽電池20では、絶縁性基板1と金属電極層2との間に、酸化シリコン層7が形成されている。
その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態の太陽電池10と同様であるので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
この第3の実施の形態の太陽電池20では、ナノチューブ4の上端部と、上層の透明電極との間に、アモルファスシリコン層8が形成されている。そして、アモルファスシリコン層8の下部にはn型の不純物が導入されており、アモルファスシリコン層8の上部にはp型の不純物が導入されており、アモルファスシリコン層8全体によってPIN型ダイオードが構成されている。
その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態の太陽電池10と同様であるので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
このようなタンデム構造とすることにより、アモルファスシリコン層8と、結晶性シリコンから成るナノチューブ4とで禁制帯幅が異なるので、吸収可能な波長帯域を広げて、光電変換のエネルギー変換効率をさらに上げることが可能になる。また、開放端電圧(VOC)を高くすることが可能になる。
なお、本実施の形態において、タンデム構造の2段のダイオードの全体の薄膜の厚さ(ナノチューブ及び薄膜アモルファスシリコンの合計の厚さ)を3μm以下(例えば、2μm)とすることが望ましく、さらに2μm以下とすることがより望ましい。
例えば、ナノチューブ側をSiGeとして、アモルファス層をSiとすると、これらの吸収波長域が異なるので、吸収可能な波長帯域を広げて、光電変換の効率をさらに上げることが可能になる。
例えば、ナノチューブを成長する工程で、多結晶シリコン層と同じ導電型の不純物を導入して、さらに、上端部から導入する不純物の導電型を多結晶シリコン層とは反対導電型に切り替える方法や、ナノチューブを成長させた後に、上端部に多結晶シリコン層とは反対導電型の不純物を高濃度でイオン注入する方法等により、ナノチューブにPN型ダイオードを形成することが可能である。
従って、上述した本発明の太陽電池の各実施の形態と同様の層構造によって、センサを構成することが可能である。
本発明のセンサは、多結晶シリコン層とその上のナノチューブによりダイオードが構成されているので、ナノチューブが縦方向の結晶性に優れ、キャリアの移動度が高いことから、光電変換の効率を高めてロスを少なくすることができるので、センサの感度を向上することができる。
なお、センサは、その用途によって、必要とされる光電変換効率や感度が異なるため、太陽電池と比較して、光電変換効率や感度が低くても構わない場合がある。その場合、例えば、下層の電極層の反射率を高くする必要がない等、太陽電池とは若干構成が変わることがある。
本発明のダイオードは、多結晶シリコン層とその上のナノチューブにより構成されているので、ナノチューブが縦方向の結晶性に優れ、キャリアの移動度が高いことから、ダイオードに流れる電流量を増やすことや、ダイオードの動作を速くすることが可能になると考えられる。
また、ナノチューブが縦方向に伸びているので、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した場合や、シリコン基板にダイオードを形成した場合と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができる。これにより、ダイオードを含む装置を集積化することができ、ダイオードを含む装置の小型化を図ることが可能になる。
例えば、ナノチューブの成長工程において多結晶シリコンとは逆導電型の不純物をドープし、その後、ナノチューブの上端部に多結晶シリコン層と同じ導電型の不純物をイオン注入することにより、MOS型トランジスタのチャネル領域とソース・ドレイン領域とを形成することが可能である。
そして、前記特許文献2等に記載されている方法によって、ナノチューブの側面に絶縁膜(酸化膜や窒化膜)を形成することにより、ゲート絶縁膜を形成することができる。
さらに、この絶縁膜の外側にゲート電極となる電極層を形成することにより、MOS型トランジスタを製造することができる。
例えば、上述した第2の実施の形態の絶縁性基板1を、導電性材料や半導体材料から成る基板に変えた構成では、酸化シリコン層7で基板と金属電極層2とを絶縁することができる。
例えば、全体を薄くして効率を良くするために、ナノチューブの上に薄膜アモルファスシリコン(si:H)によるPINダイオード素子を2段で積層させれば良い。このとき、ナノチューブも含む3段のダイオードの全体の薄膜の厚さ(ナノチューブ及び薄膜アモルファスシリコンの合計の厚さ)を3μm以下(例えば、2μm)とすることが望ましく、さらに2μm以下とすることがより望ましい。このように2段のPINダイオード素子を有するタンデム構造を形成することにより、開放端電圧を大きくすることができ、かつ短絡電流を増やすことができる。また、赤色光や赤外領域の光もうまく吸収することができるため、変換効率を大きくすることができる。なお、1段の薄膜アモルファスシリコン(si:H)の膜厚は0.5μm程度でよい。
Claims (7)
- ダイオードを含んで成る太陽電池であって、
基板上に形成され、p型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、
一端が前記多結晶シリコン層に接続され、前記多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、
前記ナノチューブの他端側の部分に、前記多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、
前記多結晶シリコン層と、前記ナノチューブの他端側の部分により、前記ダイオードの不純物領域が構成されている
ことを特徴とする太陽電池。 - 前記基板上の前記ダイオードの全体の厚さが3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
- ダイオードを含んで成るセンサであって、
基板上に形成され、p型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、
一端が前記多結晶シリコン層に接続され、前記多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、
前記ナノチューブの他端側の部分に、前記多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、
前記多結晶シリコン層と、前記ナノチューブの他端側の部分により、前記ダイオードの不純物領域が構成されている
ことを特徴とするセンサ。 - 基板上に形成され、p型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、
一端が前記多結晶シリコン層に接続され、前記多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、
前記ナノチューブの他端側の部分に、前記多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、
前記多結晶シリコン層と、前記ナノチューブの他端側の部分により、不純物領域が構成されている
ことを特徴とするダイオード。 - 前記多結晶シリコン層は、各粒子の表面が(111)面にほぼ揃っており、前記ナノチューブが前記多結晶シリコン層の表面に対してほぼ垂直に伸びていることを特徴とする請求項4に記載のダイオード。
- 基板上に、p型不純物又はn型不純物が導入されているアモルファスシリコン層を形成する工程と、
前記アモルファスシリコン層を加熱して結晶化することにより多結晶シリコン層を形成する工程と、
前記多結晶シリコン層上に、触媒金属膜を形成する工程と、
前記多結晶シリコン層の各シリコン粒子からナノチューブを成長させる工程と、
前記ナノチューブの他端側の部分に、イオン注入により、前記多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物を導入する工程とを有する
ことを特徴とするダイオードの製造方法。 - 前記アモルファスシリコン層の狭い領域を局所的に加熱結晶化して、その領域の表面を(111)面にした後に、加熱して前記アモルファスシリコン層全体を結晶化することにより、各粒子の表面が(111)面にほぼ揃った多結晶シリコン層を形成することを特徴とする請求項6に記載のダイオードの製造方法。
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