JP5177686B2 - 太陽電池、センサ、ダイオード及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池、センサ、ダイオード及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノチューブから成るダイオードを備えた、太陽電池やセンサに係わる。また、本発明は、ナノチューブから成るダイオード及びその製造方法に係わる。
一般的な半導体装置では、シリコン基板に、もしくは、シリコン基板上のシリコンエピタキシャル層に、ダイオードやトランジスタ等の能動素子を形成している。
これに対して、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置においては、大面積のディスプレイにトランジスタを形成するために、画素の駆動を薄膜トランジスタ(TFT)で行っている。
そして、薄膜トランジスタは、ガラス基板上にシリコン薄膜を形成して、このシリコン薄膜にトランジスタのチャネル及びソース/ドレインを形成していた。
さらに、軽量化やコスト低減を図ることを目的として、薄膜トランジスタの基板にプラスチックを用いることが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
プラスチック基板上に薄膜トランジスタを形成する方法としては、ガラス基板上に形成する場合と同様に、プラスチック基板の上に、SiO等の層を介して、薄膜トランジスタを構成するシリコン薄膜を形成していた。
ところで、一つのガラス基板上に、ディスプレイとしての画素及び周辺回路のみだけでなく、さらに、機能センサ、メモリ、A/D(Analog/Digital)、D/Aコンバータ、さらにはCPU(Central Processor Unit)等、様々な機能を有する回路素子を集積することが要望されてきている。
しかしながら、基板上に形成したシリコン薄膜に、それぞれの回路素子の不純物領域を形成すると、各不純物領域がシリコン薄膜の膜面方向に沿ってある程度の面積を必要とする。そのため、小さい面積内に多くの回路素子を集積することが難しく、集積化には限界がある。
また、薄膜トランジスタのシリコン薄膜は、アモルファス状態であるため、キャリアの移動度をあまり高くすることができない。
そこで、例えば、シリコンナノチューブ(シリコンナノワイヤ)を形成することにより、キャリアの移動度の高い回路素子を構成することが提案されている(例えば、特許文献2〜特許文献4を参照)。
特開2002−231654号公報 特開2006−225258号公報 特開2007−260896号公報 特表2007−501525号公報
しかしながら、提案されているシリコンナノチューブ(シリコンナノワイヤ)の構成は、シリコン基板上に形成されているので、ディスプレイ装置等、シリコン基板ではなく、絶縁性基板を使用する装置には適用することができない。
一方、太陽電池やセンサにおいては、光電変換の効率を高めることが求められるが、従来提案されているアモルファスシリコンを使用した太陽電池では、光電変換の効率をあまり高くすることができない。
アモルファスシリコンの代わりに、シリコンナノチューブを使用すれば、太陽電池等の光電変換の効率を高めることが可能であると期待できる。
しかしながら、前述したように、提案されているシリコンナノチューブ(シリコンナノワイヤ)の構成は、シリコン基板上に形成されており、絶縁性基板を使用する装置には適用することができないので、太陽電池の大面積化が困難である。そのため、低いコストで安価に太陽電池を構成することができない。
上述した問題の解決のために、本発明においては、ナノチューブを用いることにより光電変換の効率が高く、かつ、大面積化が可能である、太陽電池やセンサを提供するものである。また、ナノチューブを用いた、ダイオード及びその製造方法を提供するものである。
本発明の太陽電池は、ダイオードを含んで成り、基板上に形成されておりp型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、一端が多結晶シリコン層に接続され、多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、ナノチューブの他端側の部分に、多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、多結晶シリコン層と、ナノチューブの他端側の部分により、ダイオードの不純物領域が構成されているものである。
本発明のセンサは、ダイオードを含んで成り、基板上に形成されておりp型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、一端が多結晶シリコン層に接続され、多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、ナノチューブの他端側の部分に、多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、多結晶シリコン層と、ナノチューブの他端側の部分により、ダイオードの不純物領域が構成されているものである。
本発明のダイオードは、基板上に形成されておりp型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、一端が多結晶シリコン層に接続され、多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、ナノチューブの他端側の部分に、多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、多結晶シリコン層と、ナノチューブの他端側の部分により、不純物領域が構成されているものである。
本発明のダイオードの製造方法は、基板上に、p型不純物又はn型不純物が導入されているアモルファスシリコン層を形成する工程と、このアモルファスシリコン層を加熱して結晶化することにより多結晶シリコン層を形成する工程と、この多結晶シリコン層上に、触媒金属膜を形成する工程と、多結晶シリコン層の各シリコン粒子からナノチューブを成長させる工程と、ナノチューブの他端側の部分に、イオン注入により、多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物を導入する工程とを有する。
上述の本発明の太陽電池の構成によれば、n型不純物が導入されている多結晶シリコン層に一端が接続された、ナノチューブの他端側の部分に、多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入され、多結晶シリコン層と、ナノチューブの他端側の部分により、ダイオードの不純物領域が構成されている。
多結晶シリコン層及びナノチューブの他端側の部分によって、ダイオードの不純物領域が構成されていることにより、ナノチューブの縦方向(上下方向)の結晶性が優れているので、キャリアの移動度が高くなり、またキャリアの寿命が長くなる。
また、ナノチューブによって縦方向(上下方向)にダイオードが形成されているので、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した構成と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができる。
上述の本発明のセンサの構成によれば、n型不純物が導入されている多結晶シリコン層に一端が接続された、ナノチューブの他端側の部分に、多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入され、多結晶シリコン層と、ナノチューブの他端側の部分により、ダイオードの不純物領域が構成されている。
多結晶シリコン層及びナノチューブの他端側の部分によって、ダイオードの不純物領域が構成されていることにより、ナノチューブの縦方向(上下方向)の結晶性が優れているので、キャリアの移動度が高くなり、またキャリアの寿命が長くなる。
また、ナノチューブによって縦方向(上下方向)にダイオードが形成されているので、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した構成と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができる。
上述の本発明のダイオードの構成によれば、n型不純物が導入されている多結晶シリコン層に一端が接続された、ナノチューブの他端側の部分に、多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入され、多結晶シリコン層と、ナノチューブの他端側の部分により不純物領域が構成されている。
多結晶シリコン層及びナノチューブの他端側の部分によって、ダイオードの不純物領域が構成されていることにより、ナノチューブの縦方向(上下方向)の結晶性が優れているので、キャリアの移動度が高くなり、またキャリアの寿命が長くなる。
また、ナノチューブによって縦方向(上下方向)にダイオードが形成されているので、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した構成と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができる。
上述の本発明のダイオードの製造方法によれば、p型不純物又はn型不純物が導入されているアモルファスシリコン層を加熱して結晶化して多結晶シリコン層を形成するので、比較的大きい粒子を有し、不純物が導入された多結晶シリコンを形成することができる。
また、多結晶シリコン層の各シリコン粒子からナノチューブを成長させて、このナノチューブの他端側の部分に、イオン注入によって多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物を導入することにより、多結晶シリコン層とナノチューブの他端側の部分により不純物領域が構成されたダイオードを製造することができる。
上述の本発明の太陽電池の構成によれば、太陽電池を構成するダイオードのキャリアの移動度が高いので、太陽電池の光電変換効率を高めることができる。また、ダイオードが占める面積を少なくして太陽電池の集積度を高めることができる。これにより、太陽電池のセルの小型化を図ることができる。
さらに、基板の材料にガラスやプラスチック等を使用すれば、太陽電池の大面積化を図ることが可能になる。
上述の本発明のセンサの構成によれば、センサを構成するダイオードのキャリアの移動度が高く、またキャリアの寿命が長いので、センサの光電変換効率を高めてロスを少なくすることができるので、センサの感度を向上することができる。また、ダイオードが占める面積を少なくしてセンサの集積度を高めることができる。これにより、センサの小型化を図ることができる。
上述の本発明のダイオードの構成によれば、キャリアの移動度が高くなり、またキャリアの寿命が長くなることから、ダイオードに流れる電流量を増やすことや、ダイオードの動作を速くすることが可能になると考えられる。また、ダイオードが占める面積を少なくして、ダイオードを含む装置の集積度を高めることができるので、ダイオードを含む装置の小型化を図ることができる。
上述の本発明のダイオードの製造方法によれば、多結晶シリコン層とナノチューブの他端側の部分により不純物領域が構成されたダイオードを製造することができる。これにより、キャリアの移動度が高く、集積度を高めることができるダイオードを製造することができる。
本発明の太陽電池の第1の実施の形態の概略構成図である。 A〜D 図1の太陽電池の製造方法を示す製造工程図である。 E〜G 図1の太陽電池の製造方法を示す製造工程図である。 本発明の太陽電池の第2の実施の形態の概略構成図である。 本発明の太陽電池の第3の実施の形態の概略構成図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。
本発明の太陽電池の第1の実施の形態の概略構成図を、図1に示す。
この太陽電池10は、絶縁性基板1と、その上の金属電極層2と、その上の多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3から上方に伸びるナノチューブ4と、ナノチューブ4の上に形成された透明電極層5と、透明電極層5の一部上に形成された金属電極層6を含んで成る。
絶縁性基板1には、ガラスやプラスチック(樹脂)を使用することができる。プラスチックとしては、例えば、PES(ポリエーテルサルファイド)やPEN(ポリエチレンナフタレート)を使用することができる。
下層の金属電極層2や上層の金属電極層6には、半導体装置等に一般的に使用されている金属電極材料を使用することができる。
透明電極層5には、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明な導電性材料を使用することができる。
下層の金属電極層2は、反射層を兼ねており、入射した光を金属電極層2で反射させることによって光路長を伸ばして、そのため、下層の金属電極層2には、反射率の高い金属を使用することが望ましい。
多結晶シリコン層3は、比較的大きい粒子(例えば、粒径が100nm〜200nm)が形成されている。
そして、多結晶シリコン層3の各結晶粒子に、ナノチューブ4の一端(下端)が接続されている。また、多結晶シリコン層3には、n型不純物がドープされて、nとなっている。
多結晶シリコン層3の厚さは、100nm以下であることが好ましい。
多結晶シリコン層3のn型不純物の不純物濃度は、1×1015cm−2以上の高濃度であることが望ましい。
ナノチューブ4は、シリコン、もしくは、SiGe等のシリコンに他の元素が導入された材料で形成されている。
また、このナノチューブ4の上端部4pには、n型の多結晶シリコン層3とは反対導電型である、p型の不純物が導入されて、p領域が形成されている。
ナノチューブ4の上端部4p以外の部分は、図示しないが、不純物が導入されていないi型半導体、もしくは、ごく低濃度のn型半導体となっている。
そして、n型の多結晶シリコン層3とナノチューブ4とナノチューブ4の上端部(p型の部分)4pとにより、PIN型のダイオードが構成されている。
PIN型のダイオードを構成する、n型の多結晶シリコン層3及びナノチューブ4は、合わせた高さ(ダイオードの厚さ)が3μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以下とする。この範囲内の高さであれば、充分に高い光電変換効率を得ることができる。
図1の太陽電池10は、例えば次のようにして、製造することができる。
まず、図2Aに示すように、絶縁性基板1の上に、金属電極層2を形成する。
次に、図2Bに示すように、金属電極層2の上に、スパッタ法(RFスパッタ法やDCスパッタ法)、又はCVD法(熱CVD法、CATCVD法、PECVD法、UHVCVD法等)によって、アモルファスのシリコン層11を形成する。シリコン層11の厚さは、100nm以下とすることが好ましい。
このシリコン層11を形成する際に、同時にn型不純物をドープしても構わない。
シリコン層11の形成時に同時にn型不純物をドープしていない場合には、続いて、イオン注入等により、シリコン層11にn型不純物をドープする。
なお、絶縁性基板1として、プラスチックを使用する場合には、シリコン層11をスパッタ法により形成する。これにより、シリコン層11を低温で形成することができるため、プラスチックへの熱に悪影響を及ぼすことがない。
次に、レーザアニール法、例えばELA(エキシマレーザアニール)法により、シリコン層11を結晶化させる。シリコン層11にn型不純物が導入されているので、図2Cに示すように、比較的大きい粒子から成る多結晶シリコン層3を形成することができる。
次に、図2Dに示すように、多結晶シリコン層3の上に薄く(例えば膜厚30nm以下で)、触媒金属膜12、例えばAu膜を、例えば蒸着法により形成する。
次に、スパッタ法(RFスパッタ法やDCスパッタ法)、又はCVD法(熱CVD法、CATCVD法、PECVD法、UHVCVD法等)によって、図3Eに示すように、ナノチューブ4を成長させる。
なお、絶縁性基板1として、プラスチックを使用する場合には、スパッタ法によりナノチューブ4を成長させる。
スパッタ法を採用する場合には、スパッタ用Arガスの分圧及び流量を低めに設定することが好ましい。
CVD法を採用する場合には、高い到達真空度にした後に、微量のSiHガスを流してナノチューブ4を成長させる。このとき、300℃〜400℃で加熱させながら、ナノチューブ4を成長させることにより、結晶性に優れたナノチューブを形成することができる。プラスチック基板上に形成する場合には、最近は300℃以上の耐熱性の樹脂も開発されつつあるが、できるだけ基板に損傷を与えないで成長を促進するために、IR(赤外線)パルス加熱CVD法やパルスレーザアニール法を採用すると、プロセスの低温化にさらに有効になる。
なお、ナノチューブ4の成長を終了させたときに、触媒金属膜12のAu等が残っていることがある。成長方法によって、ナノチューブ4の根元に残る場合と、ナノチューブ4の上端に残る場合とがある。ナノチューブ4の上端にAu等が残っている場合には、上端部に不純物を導入する際の妨げにならないように、必要に応じて、ナノチューブ4の上端に残ったAu等を除去しておく。
次に、図3Fに示すように、ナノチューブ4の上端部4pに、イオン注入13によりp型不純物(ホウ素等)を導入する。p型不純物の濃度は、好ましくは1×1015〜1×1017cm−2の範囲内とする。
その後、熱アニールやRTA、レーザアニール等により、導入した不純物を活性化させる。
さらに、必要に応じて、水素雰囲気中でアニールを行い、欠陥部を改善させる。この工程は、例えば、RTA法の窒素の代わりに水素を使用して行ってもよく、水素イオンのイオン注入を行った後に水素が再放出されない温度で熱処理して行ってもよい。
次に、図3Gに示すように、ナノチューブ4上に、ITO等の透明電極層5を形成する。
さらに、透明電極層5の上に金属電極層6を形成した後、金属電極層6をパターニングして、金属電極層6が透明電極層5の一部上に残るようにする。
このようにして、図1に示した太陽電池10を製造することができる。
ところで、多結晶シリコン層3のシリコン粒子の表面の面方位が(111)面であると、ナノチューブ4が多結晶シリコン層3の表面に垂直に成長する。
多結晶シリコン層3のシリコン粒子の表面が(110)面である場合には、ナノチューブが斜めに成長する。
従って、上述の製造方法において、多結晶シリコン層3のシリコン粒子の表面の面方位を(111)面に揃えておくと、ほとんどのナノチューブ4が多結晶シリコン層3の表面に垂直に成長する。レーザ結晶化の条件等により、(111)面が優先方位となるように、多結晶シリコン層3を形成することが可能であるが、例えば、アモルファスシリコン層の狭い領域(約0.3μm以下)を局所的に加熱結晶化すると、その領域の表面が(111)面になる。その後、加熱して全体を結晶化すると、他の部分も表面が(111)面に揃う。
また、多結晶シリコン層3の表面上の規則的な位置に一定の間隔で、表面に垂直に伸びるナノチューブ4を形成することも可能である。そのためには、例えば、COLNA(Compulsive Localized Nucleation of grains in Sifilm by Excimer Laser Annealing)法によって、シリコン層11を結晶化させて、さらにシリコン層11が溶融しない条件でELA法を行えばよい(例えば、T. Noguchi and Y. Ikeda,Proc. of Sony Research Forum,p.200,1992を参照)。
なお、図1では、多結晶シリコン層3がn型で、ナノチューブ4の上端部4pがp型となっているが、これらを逆導電型にして、多結晶シリコン層をp型、ナノチューブの上端部をn型としても構わない。
シリコン層11にp型不純物が導入されている場合にも、n型不純物が導入されている場合と同様に、結晶化によって、比較的大きい粒子から成る多結晶シリコン層3を形成することができる。
上述の本実施の形態の太陽電池10の構成によれば、多結晶シリコン層3及びナノチューブ4によってPIN型ダイオードが構成されている。これにより、ナノチューブ4の縦方向(上下方向)の結晶性が優れているので、キャリアの移動度が高く、太陽電池10の光電変換効率を高めることができる。
また、本実施の形態の太陽電池10の構成によれば、ナノチューブ4によって縦方向にダイオードが形成されている。これにより、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した構成と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができるため、太陽電池10の集積度を高めることができる。
従って、太陽電池10のセルの小型化を図ることができる。
さらに、絶縁性基板1として、例えばガラスやプラスチックを使用すれば、太陽電池10の大面積化を図ることが可能になる。
なお、ナノチューブ4を、シリコンにGeを混入させたSiGeにより形成した場合には、Geが大きい吸収係数と狭いバンドギャップを有しているので、Geを混入させることにより、キャリア移動度を高くして、またキャリアの寿命を向上させることができる。この場合、より薄い膜厚の条件下で、また、太陽電池10の変換効率や光センサの感度を向上することができる。
本発明の太陽電池の第2の実施の形態の概略構成図を、図4に示す。
この第2の実施の形態の太陽電池20では、絶縁性基板1と金属電極層2との間に、酸化シリコン層7が形成されている。
その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態の太陽電池10と同様であるので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施の形態では、絶縁性基板1と金属電極層2との間に酸化シリコン層7を形成している。これにより、多結晶シリコン層3の結晶化の際の熱が、絶縁性基板1に伝わりにくくなる。
本発明の太陽電池の第3の実施の形態の概略構成図を、図5に示す。
この第3の実施の形態の太陽電池20では、ナノチューブ4の上端部と、上層の透明電極との間に、アモルファスシリコン層8が形成されている。そして、アモルファスシリコン層8の下部にはn型の不純物が導入されており、アモルファスシリコン層8の上部にはp型の不純物が導入されており、アモルファスシリコン層8全体によってPIN型ダイオードが構成されている。
その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態の太陽電池10と同様であるので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施の形態では、ナノチューブ4の上に、PIN型ダイオードが構成されているアモルファスシリコン層8が形成されているので、ナノチューブ4のPIN型ダイオードと合わせて、いわゆるタンデム構造となっている。
このようなタンデム構造とすることにより、アモルファスシリコン層8と、結晶性シリコンから成るナノチューブ4とで禁制帯幅が異なるので、吸収可能な波長帯域を広げて、光電変換のエネルギー変換効率をさらに上げることが可能になる。また、開放端電圧(VOC)を高くすることが可能になる。
なお、本実施の形態において、タンデム構造の2段のダイオードの全体の薄膜の厚さ(ナノチューブ及び薄膜アモルファスシリコンの合計の厚さ)を3μm以下(例えば、2μm)とすることが望ましく、さらに2μm以下とすることがより望ましい。
なお、本実施の形態において、ナノチューブやアモルファス層を、Geを含有するSiGeによって形成しても構わない。
例えば、ナノチューブ側をSiGeとして、アモルファス層をSiとすると、これらの吸収波長域が異なるので、吸収可能な波長帯域を広げて、光電変換の効率をさらに上げることが可能になる。
また、本実施の形態において、導入する不純物の組み合わせを図5とは逆導電型(多結晶シリコン層3からp型・n型・p型・n型の順序)としても、構わない。
上述の各実施の形態では、ナノチューブ4にPIN型ダイオードを形成していたが、ナノチューブにPN型ダイオードを形成することも可能である。
例えば、ナノチューブを成長する工程で、多結晶シリコン層と同じ導電型の不純物を導入して、さらに、上端部から導入する不純物の導電型を多結晶シリコン層とは反対導電型に切り替える方法や、ナノチューブを成長させた後に、上端部に多結晶シリコン層とは反対導電型の不純物を高濃度でイオン注入する方法等により、ナノチューブにPN型ダイオードを形成することが可能である。
本発明のセンサは、本発明の太陽電池と同様の構成のダイオードを備えている。
従って、上述した本発明の太陽電池の各実施の形態と同様の層構造によって、センサを構成することが可能である。
本発明のセンサは、多結晶シリコン層とその上のナノチューブによりダイオードが構成されているので、ナノチューブが縦方向の結晶性に優れ、キャリアの移動度が高いことから、光電変換の効率を高めてロスを少なくすることができるので、センサの感度を向上することができる。
なお、センサは、その用途によって、必要とされる光電変換効率や感度が異なるため、太陽電池と比較して、光電変換効率や感度が低くても構わない場合がある。その場合、例えば、下層の電極層の反射率を高くする必要がない等、太陽電池とは若干構成が変わることがある。
本発明のダイオードは、本発明の太陽電池や本発明のセンサを構成するダイオードと、同様の構成である。
本発明のダイオードは、多結晶シリコン層とその上のナノチューブにより構成されているので、ナノチューブが縦方向の結晶性に優れ、キャリアの移動度が高いことから、ダイオードに流れる電流量を増やすことや、ダイオードの動作を速くすることが可能になると考えられる。
また、ナノチューブが縦方向に伸びているので、薄膜トランジスタのシリコン層にダイオードを形成した場合や、シリコン基板にダイオードを形成した場合と比較して、ダイオードが占める面積を低減することができる。これにより、ダイオードを含む装置を集積化することができ、ダイオードを含む装置の小型化を図ることが可能になる。
本発明のダイオードの製造方法は、前述した太陽電池の第1の実施の形態の製造方法と同様に、基板上に形成した、不純物をドープしたシリコン層を結晶化して、比較的粒子の大きい多結晶シリコン層を形成し、その上にナノチューブを成長させる。そして、ナノチューブの上端部に多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物をイオン注入する。これにより、キャリアの移動度が高く、占有する面積の小さいダイオードを製造することができる。
なお、本発明のダイオードの製造方法を応用して、トランジスタを製造することも可能である。
例えば、ナノチューブの成長工程において多結晶シリコンとは逆導電型の不純物をドープし、その後、ナノチューブの上端部に多結晶シリコン層と同じ導電型の不純物をイオン注入することにより、MOS型トランジスタのチャネル領域とソース・ドレイン領域とを形成することが可能である。
そして、前記特許文献2等に記載されている方法によって、ナノチューブの側面に絶縁膜(酸化膜や窒化膜)を形成することにより、ゲート絶縁膜を形成することができる。
さらに、この絶縁膜の外側にゲート電極となる電極層を形成することにより、MOS型トランジスタを製造することができる。
上述した各実施の形態では、絶縁性基板1上にナノチューブを形成していたが、本発明の太陽電池、センサ、並びに、ダイオードでは、絶縁性基板に限らず、任意の基板を使用することが可能である。例えば、金属製基板等の導電性材料から成る基板や、半導体材料から成る基板も、使用することが可能である。
例えば、上述した第2の実施の形態の絶縁性基板1を、導電性材料や半導体材料から成る基板に変えた構成では、酸化シリコン層7で基板と金属電極層2とを絶縁することができる。
上述した本発明の太陽電池の第3の実施の形態では、ナノチューブ4の上にアモルファスシリコン層8を形成したタンデム構造であった。本発明の太陽電池の構成、本発明のダイオードの構成及びダイオードの製造方法は、さらに変換効率を上げるために、2段のタンデム構造にも適用することが可能である。
例えば、全体を薄くして効率を良くするために、ナノチューブの上に薄膜アモルファスシリコン(si:H)によるPINダイオード素子を2段で積層させれば良い。このとき、ナノチューブも含む3段のダイオードの全体の薄膜の厚さ(ナノチューブ及び薄膜アモルファスシリコンの合計の厚さ)を3μm以下(例えば、2μm)とすることが望ましく、さらに2μm以下とすることがより望ましい。このように2段のPINダイオード素子を有するタンデム構造を形成することにより、開放端電圧を大きくすることができ、かつ短絡電流を増やすことができる。また、赤色光や赤外領域の光もうまく吸収することができるため、変換効率を大きくすることができる。なお、1段の薄膜アモルファスシリコン(si:H)の膜厚は0.5μm程度でよい。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
1 絶縁性基板、2 金属電極層、3 多結晶シリコン層、4 ナノチューブ、5 透明電極層、6 金属電極層、7 酸化シリコン層、8 アモルファスシリコン層、10,20,30 太陽電池

Claims (7)

  1. ダイオードを含んで成る太陽電池であって、
    基板上に形成され、p型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、
    一端が前記多結晶シリコン層に接続され、前記多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、
    前記ナノチューブの他端側の部分に、前記多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、
    前記多結晶シリコン層と、前記ナノチューブの他端側の部分により、前記ダイオードの不純物領域が構成されている
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 前記基板上の前記ダイオードの全体の厚さが3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. ダイオードを含んで成るセンサであって、
    基板上に形成され、p型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、
    一端が前記多結晶シリコン層に接続され、前記多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、
    前記ナノチューブの他端側の部分に、前記多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、
    前記多結晶シリコン層と、前記ナノチューブの他端側の部分により、前記ダイオードの不純物領域が構成されている
    ことを特徴とするセンサ。
  4. 基板上に形成され、p型不純物又はn型不純物が導入されている多結晶シリコン層と、
    一端が前記多結晶シリコン層に接続され、前記多結晶シリコン層の各シリコン粒子から伸びて形成されたナノチューブを含み、
    前記ナノチューブの他端側の部分に、前記多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物が導入されており、
    前記多結晶シリコン層と、前記ナノチューブの他端側の部分により、不純物領域が構成されている
    ことを特徴とするダイオード。
  5. 前記多結晶シリコン層は、各粒子の表面が(111)面にほぼ揃っており、前記ナノチューブが前記多結晶シリコン層の表面に対してほぼ垂直に伸びていることを特徴とする請求項4に記載のダイオード。
  6. 基板上に、p型不純物又はn型不純物が導入されているアモルファスシリコン層を形成する工程と、
    前記アモルファスシリコン層を加熱して結晶化することにより多結晶シリコン層を形成する工程と、
    前記多結晶シリコン層上に、触媒金属膜を形成する工程と、
    前記多結晶シリコン層の各シリコン粒子からナノチューブを成長させる工程と、
    前記ナノチューブの他端側の部分に、イオン注入により、前記多結晶シリコン層とは逆導電型の不純物を導入する工程とを有する
    ことを特徴とするダイオードの製造方法。
  7. 前記アモルファスシリコン層の狭い領域を局所的に加熱結晶化して、その領域の表面を(111)面にした後に、加熱して前記アモルファスシリコン層全体を結晶化することにより、各粒子の表面が(111)面にほぼ揃った多結晶シリコン層を形成することを特徴とする請求項6に記載のダイオードの製造方法。
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