JP5176614B2 - 水性塗料組成物及びそれを用いてなる被塗物 - Google Patents

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Description

本発明は、水性塗料組成物及びそれを用いてなる被塗物に関し、詳しくは、飲食物を収容する飲食物用包装容器被覆用の水性塗料組成物に関する。更に詳しくは、中でも高加工性、耐食性が要求される飲食物用包装容器に好適な水性塗料組成物及びそれを用いてなる被塗物に関する。
従来、金属缶には、ブリキ、ティンフリースチール、アルミ等の金属素材が、内容物に直接接触し腐食するのを防ぐために、通常、その内面に薄い合成樹脂保護被膜が設けられている。該合成樹脂保護被膜は、内容物の多様化や、異型缶増加などの流れの中、求められる品質や適性は高度化してきている。即ち、充分な加工密着性を有すると共に、加工後においても優れた耐食性を有することが要求され、合わせて内容物の品質および風味保持性が要求されてきている。又、塗装缶に過酷な加工が施されるボトル形状の缶も上市されており、このような缶においては特に優れた加工性が要求されている。
上記合成樹脂保護被膜を与える塗料組成物としては、加工密着性、耐食性及びフレーバー特性が優れていることより、通常エポキシ/フェノール、エポキシ/アミノ及びエポキシ/アクリル等のエポキシ系塗料が用いられている。現在、省資源、省エネルギー、作業衛生・環境保全等の観点から水性化が検討されており、芳香族系エポキシ樹脂を主成分とする種々の提案がなされている。芳香族系エポキシ樹脂を主成分とする水性塗料組成物は、加工密着性、耐食性、塗膜物性に優れることから、金属用、特に缶用塗料として使用されている。
内面被覆用の水性塗料組成物としては、エポキシ樹脂とアクリル系樹脂とが部分的に結合した状態にあるアクリル変性エポキシ樹脂と、フェノール樹脂とを水性媒体中に溶解ないし分散させた塗料組成物が知られている。アクリル変性エポキシ樹脂を含有する水性塗料組成物は、例えば、下記(1)〜(3)に示す方法によって得られることが提案されている。
(1)特許文献1には、カルボキシル基含有アクリル系樹脂中のカルボキシル基の一部と、芳香族系エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部とを、三級アミン類の存在下にエステル反応せしめてアクリル変性エポキシ樹脂を得た後(この手法を以後「エステル化法」と記載。)、次いで係るアクリル変性エポキシ樹脂中に残存する過剰のカルボキシル基をアンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和することによって変性エポキシ樹脂を水性媒体中に安定に分散し得ることが開示されている。
(2)特許文献2には、芳香族系エポキシ樹脂の存在下でベンゾイルパーオキサイドなどのラジカル重合開始剤を用いて、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーと種々のラジカル重合性モノマーの混合物を共重合することにより、アクリル系共重合体が芳香族系エポキシ樹脂にグラフトしてなるアクリル変性エポキシ樹脂(この手法を以後「グラフト法」と記載。)を、アンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和することによって水性媒体中に安定に分散し得ることが開示されている。
(3)特許文献3には、芳香族系エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部を、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ラジカル重合性モノマー中のカルボキシル基と反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得た後、係る化合物を、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーと種々のラジカル重合性モノマーの混合物と共重合し(この手法を以後「直接重合法」と記載。)、得られる共重合体、即ちアクリル変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基をアンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和することによって変性エポキシ樹脂を水性媒体中に安定に分散し得ることが開示されている。
上記方法が開示される中、飲料や食品を収容する缶は、缶胴用部材と缶蓋とを巻き締めて接合することにより形成されるが、この接合の際に缶胴用部材に曲げ加工が施されるため、巻き締め部の塗膜に亀裂および腐食が生じる場合があった。又、ボトル形状の缶においては口金部にネジ加工が加わるなど、特に厳しい加工性が要求されていた。即ち、硬化塗膜がより厳しい加工に耐え、厳しい加工後の耐食性、更には、貯蔵安定性に優れ、衛生性、フレーバー香気成分の低吸着性などの点で改善が求められていた。
例えば、特許文献4には、塗膜の加工性向上を目的としてエポキシ樹脂の他にフェノキシ樹脂を併用し、両樹脂とアクリル系樹脂部分との結合物を含有する水性塗料組成物が提案されている。更には、特許文献5には、貯蔵安定性に優れ、かつ、加工性及びレトルト性に優れた塗膜として、フェノキシ樹脂にラジカル重合性モノマーを重合し、次いでフェノール樹脂を予備縮合した水性塗料組成物が提案されている。
しかしながら、上記水性塗料組成物は、まだ改善すべき問題がある。即ち、特許文献4の手段では、塗膜の加工性向上を目的として併用しているフェノキシ樹脂が、特定の含有率を超えると金属下地との密着性が劣り、一方、特定の含有率以下では塗膜の加工性が不十分とある。又、特許文献5の手段では、加工性に関してはかなりの改善が見られるも、フェノール樹脂と予備縮合することにより、反応点が減少し、その結果、塗膜から内容物への溶出物が増えるなどの衛生面において、更には、塗膜の密着性が低下し、加熱殺菌処理等で、塗膜が浮き、耐食性が低下してしまう等といった点で、品質を充分に満足するものではなかった。更には、一般にアルコール飲料では、アルコールを含まない飲料とは挙動が異なり、飲料中のフレーバー香気成分が塗膜に吸着され易いので、アルコール飲料の風味保全のために塗膜にはフレーバー香気成分の低吸着性の改善が特に望まれている。
特公昭59−37026号公報 特開昭53−1228号公報 特開昭58−198513号公報 特開平6−145593号公報 特開平10−259228号公報
本発明は、アクリル変性エポキシ樹脂が持つ種々の欠点を改善し、分散安定性に優れ、缶用内面塗料として使用する場合における加工密着性に優れるとともに、より厳しい加工後においても優れた耐食性を示し、更には、衛生性、フレーバー性を兼ね備えた塗膜を形成し得る水性塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明は、特定の酸価となる組成のラジカル重合性モノマーをフェノキシ樹脂にグラフトし、次いでエステル化反応させて得られるアクリル変性フェノキシ樹脂と、フェノール樹脂とを含んでなる水性塗料組成物が、上記課題を解決できることを見出したことにより成し得たものである。
即ち、第1の発明は、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂(D)を、(A)/(D)=90/10〜99.9/0.1(重量比)の割合で水性媒体中に分散してなる水性塗料組成物であって、
アクリル変性フェノキシ樹脂(A)が、エポキシ当量6000〜20000g/eq、数平均分子量5000〜30000であるビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)に、酸価260〜520mgKOH/gとなる組成のラジカル重合性モノマー(C)を、ラジカル重合開始剤(E)を用いて、(B)/(C)=90/10〜60/40(重量比)の割合でグラフト重合させ、次いで塩基性化合物(F)の存在下においてエステル化反応させてなることを特徴とする水性塗料組成物に関する。
又、第2の発明は、フェノール樹脂(D)が、3官能性フェノールをモノマーとしてなるレゾール型のフェノール樹脂であり、かつ、
樹脂中のベンゼン環1核体含有率が1重量%以下で、数平均分子量が250〜1500であることを特徴とする第1の発明の水性塗料組成物に関する。
又、第3の発明は、第1又は第2の発明の水性塗料組成物で基材を被覆してなる被塗物に関する。
又、第4の発明は、基材が、金属、塗料で被覆された金属、及びプラスチックフィルム被覆金属からなる群より選ばれるいずれかであることを特徴とする第3の発明の被塗物に関する。
又、第5の発明は、基材が、板状又は有底円筒状であることを特徴とする第3又は第4の発明の被塗物に関する。
本発明により、分散安定性に優れ、缶用塗料として使用する場合においては、加工密着性に優れるとともに、より厳しい加工後においても優れた耐食性をし、更には、衛生性、フレーバー性を兼ね備えた塗膜を形成し得る水性塗料組成物を提供することができるようになった。
本発明の水性塗料組成物は、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂(D)を特定の割合でそれぞれ含有するものである。又、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)は、ビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)に特定の酸価となる組成のラジカル重合性モノマー(C)をグラフトし、ついでエステル化反応させて得られる樹脂である。なお、以下の説明において、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)、ビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)、ラジカル重合性モノマー(C)を、それぞれ、フェノキシ樹脂(A)、フェノキシ樹脂(B)、モノマー(C)と省略して記す場合があり、あるいは単に(A)、(B)、(C)等と記す場合もある。
本発明は、いわゆるグラフト法についでエステル化反応を行うことによって得られるアクリル変性フェノキシ樹脂(A)を含有する水性塗料組成物である。グラフト法についでエステル化反応を行うことにより、水性塗料組成物としては優れた貯蔵安定性を有し、当該水性塗料組成物を用いた被塗物は、厳しい加工前後における耐食性、更には衛生性に関して優れるという特徴を有する。アクリル変性フェノキシ樹脂(A)は、エポキシ当量6000〜20000g/eq、数平均分子量5000〜30000のビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)に、酸価260〜520mgKOH/gとなる組成のラジカル重合性モノマー(C)を、重量比(B)/(C)=90/10〜60/40の割合で、ラジカル重合開始剤(E)を用いて、グラフトさせ、次いでアミンもしくはアンモニアなどの塩基性化合物(F)の存在下にてエステル化反応させて得られる。
まず、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)を構成する成分であるビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)について説明する。一般的に、フェノキシ樹脂(B)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂の中でも特に高分子量のものを指す。フェノキシ樹脂(B)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と同様の手法で工業的に製造できる。このようなフェノキシ樹脂(B)としては、市販されているものも用いることができ、例えば、JER1256[使用ビスフェノール型モノマー:ビスフェノールA単独、エポキシ当量(以下、Eeqという)=8000g/eq、数平均分子量(以下、Mnという)=12000、ジャパンエポキシレジン(株)製]、フェノトートYP−70[使用ビスフェノール型モノマー:ビスフェノールA/ビスフェノールF併用、Eeq=13300g/eq、Mn=13700、東都化成(株)製]等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上併用してもよい。ここで、フェノキシ樹脂(B)の数平均分子量並びに後述するフェノール樹脂(D)の数平均分子量は、GPC法(標準ポリスチレン換算)により測定されるものである。
本発明は、ビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)のエポキシ当量が、6000〜20000g/eqであることを特徴とする。更には、6500〜15000の範囲であることがより好ましい。更には、6800〜13000の範囲であることがより好ましい。エポキシ当量が6000g/eqより小さいフェノキシ樹脂を用いた場合、塗膜の加工性が低下し、加工後の耐食性も必然的に低下する。一方、エポキシ当量が20000g/eqを越えると、得られるアクリル変性フェノキシ樹脂の反応性が低下し、焼付乾燥後の塗膜の架橋密度が低下する。その結果、フレーバー香気成分の吸着量増大、更には、塗膜の劣化が著しくなって、内容物の変質等の問題が生じてしまう。
又、フェノキシ樹脂(B)の数平均分子量は、5000〜30000であることを特徴とする。更には、6000〜20000の範囲であることがより好ましい。フェノキシ樹脂として数平均分子量が5000より小さいと、塗膜の加工性が低下し、飲料用缶の缶胴部内面塗料として用いた場合、蓋との巻き締め部で塗膜に亀裂が生じやすくなり、巻き締め部より腐食が生じやすくなる。一方、この数平均分子量が30000を超えると、水性樹脂分散体製造中のアクリル変性フェノキシ樹脂の樹脂溶液粘度が高くなって製造が困難になる場合があり、更に塗工に適する塗料粘度、固形分の塗料樹脂組成物が得られなくなる等の問題が生じてしまう。
ビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)は、工業用に製造されているものであって、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類とエピクロルヒドリンとを強アルカリの存在下で反応せしめる一段法、あるいは、この一段法により製造されたエポキシ樹脂にさらにビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類を付加重合せしめる二段法で得られるものである。
ビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)としては、例えば、ビスフェノールA型の他、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型等が挙げられる。
本発明においては、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)を得るに当たってビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)を用いることが重要であり、低分子量のエポキシ樹脂は使用しないことが好ましいのであるが、本発明の効果を損なわない範囲においてであれば、適当量の低分子量のエポキシ樹脂を併用してもよい。
次に、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)を構成する成分となるラジカル重合性モノマー(C)について説明する。本発明のラジカル重合性モノマー(C)は、カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーを必須成分として含み、更にそれと共重合可能なラジカル重合性モノマーとの混合物である。
カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。
又、カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーと共重合可能なラジカル重合性モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボニル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミドモノマー等の1種もしくは2種以上が挙げられる。これらの中でもスチレン及びアクリル酸エチルが特に好ましい。又、塗膜のTg調整目的等でメタクリル酸メチルも好ましく用いられる。
アルコール飲料中のフレーバー成分のうち、特に官能評価において、その吸着によりフレーバー変化を感知させ易い(官能的閾値の低い)成分であるエステル化合物の吸着量を低減するという点から、モノマー(C)の組成を酸価が260〜520mgKOH/gの範囲になるようにして、共重合させることが重要であり、これが本発明の特徴の1つである。更には、300〜460mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。
酸価が260mgKOH/gよりも低いと、得られるアクリル変性フェノキシ樹脂の分散安定性が十分ではなく、時間の経過とともに樹脂が沈降してしまう等の問題が生じる。又、塗膜の架橋密度が小さく、フレーバー成分の吸着量を低減させることができない上、耐食性も確保されない。一方、酸価が520mgKOH/gよりも高いと、アクリル樹脂部分の共重合性が不均一になり、カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーのホモポリマー量が増加して耐水性が劣ることに加え、フェノキシ樹脂(B)とのグラフト反応、更にはそれに続くエステル化反応が不均一になり、反応中のゲル化が生じ易くなる。又、塗料の粘度増加が生じる等、塗料化時および経時での粘度挙動も不安定になる。このような観点から、ラジカル重合性モノマー(C)は、260〜520mgKOH/gの範囲の酸価であることが重要である。なお、本発明における酸価は、ラジカル重合性モノマー(C)中に含まれるカルボキシル基含有ラジカル重合性モノマー量から得られる理論値を用いた。
ここで本発明は、(B)/(C)の重量比が、90/10〜60/40であることを特徴としている。更には、85/15〜65/35の範囲であることがより好ましい。疎水性樹脂であるフェノキシ樹脂(B)に比してラジカル重合性モノマー(C)が上記範囲を超えて過量になると、安定した水性樹脂分散体が得られにくくなる。又、製造できたとしても、生成するアクリル変性フェノキシ樹脂の親水性が高くなりすぎて、塗膜性能において耐水性が劣る等の問題が生じる。一方、フェノキシ樹脂(B)に比してラジカル重合性モノマー(C)が上記範囲を下回って少なすぎると、得られるアクリル変性フェノキシ樹脂の親水性が低くなりすぎて水中で安定した分散体とならず、時間の経過とともにアクリル変性フェノキシ樹脂が沈降してしまう等の問題が生じる。
反応工程において使用される有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、アルキルアルコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等の有機溶剤を適宜用いることができ、必要に応じて、反応後に別途追加してもよい。
又、グラフト重合に使用するラジカル重合開始剤(E)としては、特に限定されるものではないが、常法に従い、アゾビス系の重合開始剤、過酸化物系の重合開始剤等を適宜用いることができる。アゾビス系の重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等が、過酸化物系の重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられ、中でも、有機過酸化物が好適であり、特にベンゾイルパーオキサイドが好ましい。
グラフト重合時の温度、時間等の反応条件は特別なものではなく、それ自体既知の条件を用いて行うことができ、フェノキシ樹脂(B)の脂肪族骨格炭素原子にラジカル重合性モノマー(C)がグラフトし、重合する。ラジカル重合性モノマー(C)100重量部に対して2〜10重量部、より好ましくは3〜6重量部のラジカル重合開始剤(E)を用いることにより、脂肪族骨格炭素上へのグラフト重合が優先的かつ効率的に行われる。
この反応によりグラフト重合体、会合的に形成されているがグラフトしていないラジカル重合体、及び未反応のフェノキシ樹脂を含む反応混合物が得られる。特に、フェノキシ樹脂(B)の分子量が高い場合や、フェノキシ樹脂(B)の含有量が多い場合等は、グラフト重合体の生成率は低く、未反応のフェノキシ樹脂の割合が高い。その結果として水性塗料組成物中の樹脂成分が経時で沈降もしくは分離してしまうなどの問題が生じることがある。
そこで、上記問題点を解決する手段として、グラフト反応につづきエステル化反応を行うことが重要であり、本発明の特徴の一つである。この反応では主として、エステル化触媒として用いられる塩基性化合物(F)の存在下で、未反応のフェノキシ樹脂(B)中のエポキシ基とラジカル重合性モノマー(C)の共重合体が有するカルボキシル基とのエステル化反応が行なわれ、未反応のフェノキシ樹脂が減少した結果として、水性塗料組成物の貯蔵安定性の向上が図られる。又、この反応温度及び時間は、樹脂の種類、溶剤の種類等により異なるが、一般に反応温度は40℃〜150℃、特に60℃〜120℃の範囲内がより好ましい。
エステル化の際にエステル化触媒として用いられる塩基性化合物(F)は、例えば、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルコールアミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;モルホリン、アンモニア等の揮発性アミン等が挙げられる。又、その使用量は、ラジカル重合性モノマー(C)中のカルボキシル基に対して5〜100モル%、より好ましくは20〜80モル%を中和するのに必要な塩基性化合物(F)を使用して行われる。
エステル化反応後、残存しているカルボキシル基の少なくとも一部を塩基性化合物(F)で中和することによって、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)を水性媒体中に分散させることができる。
本発明における水性媒体とは、少なくとも50重量%以上、好ましくは70重量%以上が水である、水と親水性溶剤との混合物である。親水性溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、ペンタノール等のアルコール系溶剤の他、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル系溶剤;ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤;及びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の、一連のグリコールアルキルエーテル系溶剤のエステル化物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明の水性塗料組成物は、上記アクリル変性フェノキシ樹脂(A)に対する架橋剤として、フェノール樹脂(D)を重量比で(A)/(D)=90/10〜99.9/0.1の比率で含有することを特徴としている。更には、95/5〜99.8/0.2の範囲であることがより好ましい。フェノール樹脂(D)の重量比が0.1よりも少ないとフェノール樹脂(D)の硬化への寄与が得られにくく、架橋密度が低くなり、フレーバー香気成分の吸着性や、特に耐食性が厳しいとされるアルコール飲料用途に対する耐食性が確保されない。又、フェノール樹脂(D)の重量比が10を越えると塗膜の加工性が低下し、前述の蓋巻き締め部等の加工部で亀裂が生じやすくなる等の問題が生じる。
フェノール樹脂(D)は、石炭酸又はm−クレゾール等の3官能性フェノールモノマーから形成されるレゾール型の樹脂であり、ベンゼン環1核体含有率が1重量%以下であり、数平均分子量が250〜1500であることが好ましい。
フェノール樹脂の数平均分子量が250〜1500と小さい場合、一般に、ベンゼン環1核体は1重量%より多く含まれる。ここで、ベンゼン環1核体とは、石炭酸又はm−クレゾール等の3官能性フェノールモノマー及び該モノマーにメチロール基又はアルコキシル化メチル基が結合した、ベンゼン環を1つのみ有する構造のものであり、その含有率はGPC法により求めることができる。このようなベンゼン環1核体は、塗膜から溶出しやすく、アルコール飲料用缶内容物のフレーバーを悪化させる場合がある。又、ベンゼン環1核体は臭気および皮膚刺激性が強く、衛生的観点からも望ましくない。本発明において好ましく用いられるフェノール樹脂(D)は、数平均分子量が250〜1500と小さいにもかかわらず、ベンゼン環1核体含有量は1重量%以下と少ないものである。更に、このフェノール樹脂(D)は、必然的にベンゼン環2核体含有量も少なく、ベンゼン環3核体から6核体を中心とする非常に狭い分子量分布を有する。このようなフェノール樹脂(D)は、塗膜から抽出され難く、かつ、十分な反応性を有する。
フェノール樹脂(D)に含まれるベンゼン環1核体を減らす手法には種々のものがあるが、その一つとして、まず酸性触媒下で数平均分子量250〜800の、ベンゼン環1核体含有量が1重量%以下であるノボラック型のフェノール樹脂を形成し、その後塩基性触媒下でホルムアルデヒドを付加し、必要に応じてアルコキシル化する手法が挙げられる。
上記ベンゼン環1核体含有量が1重量%以下であるノボラック型のフェノール樹脂は、ノボラック型のフェノール樹脂からベンゼン環1核体に代表される低分子量成分を除去することによって得ることができる。具体的には、例えば、高温減圧下で低分子量成分を除去する手法、水蒸気蒸留により低分子成分を除去する手法等が挙げられる。あるいは、酒石酸やクエン酸等の特殊な酸触媒を用いることで、低分子成分の含有量の低い、分子量分布の狭い樹脂を得る手法等が知られている。こうして得られたベンゼン環1核体含有量が1重量%以下であるノボラック型のフェノール樹脂に対し、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基性触媒下でホルムアルデヒドを付加してメチロール基を生成させ、更に必要に応じてメタノール、n−ブタノール等のアルコールを用いて前記メチロール基をアルコキシル化メチル基化することで、ベンゼン環1核体含有量1重量%以下のフェノール樹脂(D)を得ることができる。
フェノール樹脂(D)を得るには、フェノールモノマーとして3官能性フェノールを用いることが好ましい。3官能性フェノール類としては石炭酸、m−クレゾール、m−エチルフェノール、m−エトキシフェノール、3,5−キシレノール等が挙げられ、特に石炭酸及びm−クレゾールがより好ましい。
フェノールモノマーとして3官能性フェノール以外のフェノールモノマー、例えば、1官能の2,4−キシレノール、2,6−キシレノール;2官能のp−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、o−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、p−ノニルフェノール等のフェノールモノマーも使用することができるが、これらを使用した場合、官能基濃度が低くなり、望ましい反応性及び架橋間分子量(架橋密度)を確保することが困難となる場合がある。
又、フェノールモノマーとしてビスフェノールA及びビスフェノールFのような4官能のフェノールモノマーを用いると、フェノール樹脂の自己縮合性が高くなり過ぎることから好ましくない。ビスフェノールA及びビスフェノールFをモノマーとするフェノール樹脂では、アクリル変性フェノキシ樹脂(A)との反応の前に自己縮合反応が生じ易く、架橋成分として機能し難くなり、緻密な塗膜を形成しにくくなる恐れがある。更に、フェノール樹脂の自己縮合物は一般に硬く脆い特性を有しており、塗膜の加工性を劣化させる傾向がある。塗膜の加工性低下は、前述の蓋巻き締め部等の加工部で亀裂を引き起こしやすくなる場合がある。
本発明の水性塗料組成物は、必要に応じて塗装性を改良するための溶剤、界面活性剤や消泡剤を加えることが可能である。又、塗膜形成後、加工・輸送時における塗膜のキズ付きを防ぐ目的で、滑剤であるワックスを添加することも可能であり、特に缶の内面用塗料として好ましく用いることができる。
本発明の水性塗料組成物は、種々の基材に適用することができ、水性塗料組成物によって被覆された被塗物を得ることができる。基材としては、例えばアルミニウム板、鋼板、ブリキ板等の無処理の又は表面処理された各種金属や、これらの金属にプライマー等の塗料を塗装した金属、あるいはこれらの金属にポリエステルフィルム(PET)をラミネートしたPET被覆金属などのプラスチックフィルム被覆金属が挙げられる。
又、基材の形状は、板状であっても有底円筒状であってもよい。更に本発明の水性塗料をこれら基材に塗布、硬化した後に、更に変形加工を加えてもよい。種々の加工工程を経て、飲料用容器を得ることができる。
本発明の水性塗料組成物を基材に塗装する方法としては、公知の各種の方法、例えばエアスプレー、エアレススプレー、静電スプレーなどのスプレー塗装のほか、浸漬塗装、ロールコーター塗装、電着塗装等が適用できる。乾燥後の塗膜厚さは用途によって適宜選定すればよいが、通常1〜20μm程度が好ましい。塗装した塗膜の乾燥条件としては、温度150〜300℃、時間としては10秒〜30分の範囲から選ぶことができる。
以下に、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量%」を示す。以下のフェノール樹脂の製造例において、数平均分子量はGPC法(標準スチレン換算)により、ベンゼン環1核体含有率はGPC法により、それぞれ求めた値である。
製造例1〔カルボキシル基含有アクリル系共重合体(c6)溶液の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコに、メタクリル酸210部、スチレン60部、アクリル酸エチル30部を混合したラジカル重合性モノマーと、ベンゾイルパーオキサイド1部及びブチルセロソルブ100部よりなる重合開始剤溶液との混合液の1/4、ブチルセロソルブ300部、n−ブタノール300部を仕込んだ。次に100℃に加熱して30分攪拌後、100℃を保ちながら、ラジカル重合性モノマーと重合開始剤溶液とからなる混合液の3/4を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃を保ち2時間攪拌し、冷却、取り出すことで固形分30%のカルボキシル基含有アクリル系共重合体(c6)溶液を得た。なお、ラジカル重合性モノマーの組成比を表2に示す。
製造例2〔レゾール型フェノール樹脂(d1)溶液の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコに、(1)石炭酸500部、(2)37%ホルマリン237部、(3)シュウ酸5部を仕込み、95℃まで加熱して3時間反応を行った。次に、60mmHgまで減圧し、脱水を行いながら150℃まで加熱した後、窒素ガスを吹き込みながら更に脱水を続け、内温を210℃まで加熱した。この状態を4時間保持し、次いで20mmHgの減圧下で真空脱水を1時間行うことで、ベンゼン環1核体含有量0.1%、数平均分子量440の固形のノボラック型フェノール樹脂383部を得た。
次いでフラスコ中に、(4)イオン交換水200部、(5)20%水酸化ナトリウム水溶液200部、(6)37%ホルマリン800部を仕込み、上記ノボラック型フェノール樹脂を溶解した後、60℃で3時間反応させたところ、赤褐色の透明な溶液を得た。次いで、40℃まで冷却してからこの赤褐色透明溶液に、(7)20%塩酸190部を加えて攪拌したところ、10分程度で上層が無色透明な水層、下層が赤褐色の有機層に分離した。上層をデカンテーションにより分離・除去したのち、(8)n−ブタノール490部を加え、ベンゼン環1核体含有率0.1%、数平均分子量680の固形分50%のレゾール型フェノール樹脂(d1)溶液を得た。
製造例3〔レゾール型フェノール樹脂(d2)溶液の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコに、(1)m−クレゾール450部、(2)86%パラホルムアルデヒド130部、(3)クエン酸250部を仕込み、120℃まで加熱し、4時間反応を行った。反応終了後、(4)イオン交換水500部で水洗することで、クエン酸を除去した。次いで、60mmHgの減圧下に脱水を行い、ベンゼン環1核体含有量0.4%、数平均分子量650のノボラック型フェノール樹脂383部を得た。
次いで4ッ口フラスコに、(5)イオン交換水220部、(6)20%水酸化ナトリウム水溶液180部、(7)37%ホルマリン700部を仕込み、上記ノボラック型フェノール樹脂を溶解した後、60℃で3時間反応させたところ、赤褐色の透明な溶液を得た。次いで、40℃まで冷却してからこの赤褐色透明溶液に、(8)20%塩酸180部を加えて攪拌したところ、10分程度で上層が無色透明な水層、下層が赤褐色の有機層に分離した。上層をデカンテーションにより分離・除去したのち、(9)n−ブタノール490部を加え60℃で3時間反応させ、ベンゼン環1核体含有率0.1%、数平均分子量840の固形分50%のレゾール型フェノール樹脂(d2)溶液を得た。
製造例4〔レゾール型フェノール樹脂(d3)溶液の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコに、(1)イオン交換水60部、(2)20%水酸化ナトリウム水溶液60部、(3)ビスフェノールA50部、(4)ビスフェノールF50部、(5)37%ホルマリン300部を仕込み、60℃で3時間反応させたところ、褐色で透明な溶液を得た。次いで、40℃まで冷却してからこの褐色透明溶液に、(6)20%塩酸55部を加えて攪拌したところ、10分程度で上層が無色透明な水層、下層が褐色の有機層に分離した。上層をデカンテーションにより分離・除去したのち、(7)n−ブタノール140部を加え、ベンゼン環1核体含有率0.0%(理論的に存在せず)、数平均分子量320の固形分50%のレゾール型フェノール樹脂(d3)溶液を得た。
製造例5〔レゾール型フェノール樹脂(d4)溶液の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコに、(1)イオン交換水60部、(2)20%水酸化ナトリウム水溶液60部、(3)石炭酸100部、(4)37%ホルマリン200部を仕込み、70℃で3時間反応させたところ、褐色で透明な溶液を得た。次いで、40℃まで冷却してからこの褐色透明溶液に、(5)20%塩酸55部を加えて攪拌したところ、10分程度で上層が無色透明な水層、下層が褐色の有機層に分離した。上層をデカンテーションにより分離・除去したのち、(6)n−ブタノール140部を加え、その後60℃で3時間反応させ、ベンゼン環1核体含有率4.8%、数平均分子量580の固形分50%のレゾール型フェノール樹脂(d4)溶液を得た。
表1に製造例2〜5で作製したフェノール樹脂の性状を示す。
Figure 0005176614
実施例1〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]164部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール78部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c1)64部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液5部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例2〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにフェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]131部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール65部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c1)84部、及び、ベンゾイルパーオキサイド3部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液30部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例3〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにフェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]148部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール61部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c1)63部、及び、ベンゾイルパーオキサイド3部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液38部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例4〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]22部、フェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]134部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール73部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c1)67部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液13部を加え、続けてイオン交換水599部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例5〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]166部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール71部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)55部、及び、ベンゾイルパーオキサイド4部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液18部を加え、続けてイオン交換水596部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例6〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]133部、フェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]42部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール71部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)46部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール5部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液18部を加え、続けてイオン交換水603部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例7〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]153部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール69部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)66部、及び、ベンゾイルパーオキサイド3部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液22部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例8〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]113部、フェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]56部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール75部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)56部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液9部を加え、続けてイオン交換水599部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例9〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにフェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]175部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール63部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c3)38部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液34部を加え、続けてイオン交換水598部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例10〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]103部、フェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]92部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール79部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c3)34部、及び、ベンゾイルパーオキサイド3部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液2部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例11〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]186部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール69部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c3)33部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール5部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液22部を加え、続けてイオン交換水603部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例12〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにフェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]177部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール71部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c3)44部、及び、ベンゾイルパーオキサイド3部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液18部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例13〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]169部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール75部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)56部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d3)溶液9部を加え、続けてイオン交換水599部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
実施例14〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにフェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]148部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール61部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c1)63部、及び、ベンゾイルパーオキサイド3部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d4)溶液38部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例1〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにフェノトートYP−50S[Eeq=36000、Mn=16000、東都化成(株)製]164部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール78部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c1)64部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液5部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例2〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1009[Eeq=3000、Mn=2900、ジャパンエポキシレジン(株)製]166部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール71部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてエポキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c3)55部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液18部を加え、続けてイオン交換水598部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例3〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにZX−1451[Eeq=3200、Mn=5800、東都化成(株)製]177部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール71部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてエポキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)44部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液18部を加え、続けてイオン交換水598部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例4〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]153部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール69部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c4)66部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール15部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液22部を加え、続けてイオン交換水593部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例5〔水性塗料組成物の製造〕
素ガス置換した4ッ口フラスコにフェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]177部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール71部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c5)44部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール5部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液18部を加え、続けてイオン交換水603部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例6〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]179部、前記製造例1で作製したカルボキシル基含有アクリル系共重合体(c6)溶液106部、ブチルセロソルブ38部、n−ブタノール29部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。その後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液38部を加え、続けてイオン交換水596部を1時間かけて滴下したが、樹脂溶液の粘度が高く、安定した水分散体を得ることができなかった。
比較例7〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]179部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール61部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c1)32部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却した。フェノール樹脂(d1)溶液38部を添加した後、続けてジメチルアミノエタノール5部、イオン交換水603部からなる水溶液を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例8〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]200部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール61部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c1)11部、及び、ベンゾイルパーオキサイド1部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール2部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液38部を加え、続けてイオン交換水607部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例9〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]110部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール69部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c3)110部、及び、ベンゾイルパーオキサイド3部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール20部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液22部を加え、続けてイオン交換水586部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例10〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにフェノトートYP−70[Eeq=13700、Mn=13300、東都化成(株)製]184部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール80部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)46部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2.8部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d1)溶液0.2部を加え、続けてイオン交換水597部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例11〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]160部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール50部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)40部、及び、ベンゾイルパーオキサイド2部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、90℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール5部を添加した後、90±3℃にて1時間エステル化反応した。反応終了後、フェノール樹脂(d2)溶液60部を加え、続けてイオン交換水604部を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
比較例12〔水性塗料組成物の製造〕
窒素ガス置換した4ッ口フラスコにJER1256[Eeq=8000、Mn=13000、ジャパンエポキシレジン(株)製]148部、ブチルセロソルブ70部、n−ブタノール69部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、110〜120℃にてフェノキシ樹脂を完全に溶解させた。フラスコ内を115±5℃に保持した状態で、表2に示す組成比のラジカル重合性モノマー(c2)溶液63部、及び、ベンゾイルパーオキサイド3部、ブチルセロソルブ10部よりなる重合開始剤溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後115±5℃にて、更に2時間保持した後、フェノール樹脂(d2)溶液21部を加え、115±5℃にて2時間反応させ、フェノール樹脂を予備縮合させた。反応終了後、ジメチルアミノエタノール10部、イオン交換水606部からなる水溶液を1時間かけて滴下し、固形分23%の水性塗料組成物を得た。
Figure 0005176614
又、実施例及び比較例で使用したフェノキシ樹脂及びエポキシ樹脂の性状を表3に示した。
Figure 0005176614
実施例1〜14、比較例1〜5及び比較例7〜12で得られた水性塗料組成物について(1)貯蔵安定性を評価し、又、下記条件で作製した試験パネルについて塗膜の諸物性を評価した。結果を表4及び表5に示す。各種試験法は下記の通りである。
(塗膜性能試験パネル作製)
上記実施例1〜14、比較例1〜5及び比較例7〜12で得られた水性塗料組成物を、焼付乾燥後の塗膜厚が5μmになるように0.1mm厚のアルミ板上に塗装し、200℃×1分(ピーク温度保持時間)の焼付乾燥を行って試験用パネルを作製した。各試験パネルを用い、以下の(2)〜(7)の塗膜性能評価を行い、表4及び5に試験結果を示した。
(1)貯蔵安定性:各塗料を50℃の恒温器に保存し、定期的に外観性状を3ヶ月にわたり評価した。
◎:「貯蔵安定性良好。」
○:「2ヶ月後異常なし、3ヶ月後ゲル化、沈降、分離等の異常を生じた。」
△:「1ヶ月後異常なし、2ヶ月後ゲル化、沈降、分離等の異常を生じた。」
×:「1ヶ月以内にゲル化、沈降、分離等の異常を生じた。」
(2)加工性
上記試験パネルを大きさ30mm×50mmに切断し、塗膜を外側にして試験部位の幅が30mmになるように2つ折りにし、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.30mmのアルミ板を3枚挟み、3kgの荷重を45cmの高さより折り曲げ部に落下させた。その後、折り曲げ部の外側に1%食塩水をしみ込ませたスポンジを押し当てる。該スポンジのもう一方側は電極としての金属板に接触しており、該金属板と折り曲げた塗装板の先端間に6V×10秒間通電し、10秒後の該金属板と折り曲げ部間の電流値を測定した。
◎:「2mA未満。」
○:「2mA以上4mA未満。」
△:「4mA以上7mA未満。」
×:「7mAを超える。」
(3)耐水性
上記試験パネルを125℃で40分間レトルト処理し、塗膜表面状態を下記基準で目視評価した。
◎:「全く白化が認められない。」
○:「ごくわずかに白化が認められる。」
△:「少し白化が認められる。」
×:「著しく白化が認められる。」
(4)密着性
上記試験パネルを125℃で40分間レトルト処理し、塗膜面をカッターナイフで碁盤目状にカットし、セロハンテープにて剥離試験を行い、表面状態を目視にて評価した。
◎:「剥離なし。」
○:「カット部の10%未満で剥離が発生。」
△:「カット部の10%以上50%未満で剥離が発生。」
×:「カット部の50%以上で剥離が発生。」
(5)耐食性試験
上記試験パネルを大きさ30mm×50mmに切断し、アルコールを含む飲料中に5℃で10日間浸漬した。5℃雰囲気下で塗装パネルを取り出し、濡れた状態で直ちに塗膜を外側にして試験部位の幅が30mmになるように2つ折りにし、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.30mmのアルミ板を3枚挟み、3kgの荷重を45cmの高さより折り曲げ部に落下させた。次いで、アルコールを含む飲料中に40℃−1ヶ月浸漬し、折り曲げ部の腐食度合いを目視判定した。
◎:「全く腐食が認められない。」
○:「ごくわずかに腐食が認められる。」
△:「少し腐食が認められる。」
×:「著しく腐食が認められる。」
(6)フレーバー成分吸着率
フレーバー標準物質として、含有量の多さと官能的閾値の低さから重要と考えられるエステル化合物である酢酸エチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、酢酸イソアミル、及び酢酸2−フェニルエチルに、オレンジフレーバーの代表的成分として知られているリモネンを加えて使用した。標準物質の吸着率が低い程、フレーバー保持性が優れていると言える。各試験パネル500cm2を、各種フレーバー標準物質(酢酸エチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸2−フェニルエチル、リモネンの6種類)各5ppmを含む5%エタノール水溶液500ccに浸漬し、密栓したのち37℃で30日間経過させた。30日経過後の各試験パネルを取り出し、蒸留水で水洗した後、ジエチルエーテル100ccに塗膜を再浸漬し、試験パネルに吸着した各フレーバー標準物質を抽出し、吸着量をガスクロマトグラフィーにより定量した。各フレーバー物質は浸漬液(500cc)中に0.0025gずつ含まれるが、この量を100%として、塗膜に吸着した量から各フレーバー成分の吸着率を計算し、以下の基準に従って評価した。
◎:「6種類のフレーバー物質吸着率平均値が3.0%未満。」
○:「6種類のフレーバー物質吸着率平均値が3.0%以上5.0%未満。」
△:「6種類のフレーバー物質吸着率平均値が5.0%以上10%未満。」
×:「6種類のフレーバー物質吸着率平均値が10%以上。」
(7)過マンガン酸カリウム消費量
過マンガン酸カリウム消費量は、一般的な水質検査であるCOD(化学的酸素要求量)に相当する試験法であり、測定値が低い程、衛生性が優れていると言える。各試験パネル500cm2を、蒸留水500ccに浸漬し、密栓したのち125℃で40分間レトルト処理を行った。各処理水の過マンガン酸カリウム消費量を測定し、以下の基準に従って評価した。
◎:「過マンガン酸カリウム消費量が1.0ppm未満。」
○:「過マンガン酸カリウム消費量が1.0ppm以上3.0ppm未満。」
△:「過マンガン酸カリウム消費量が3.0ppm以上5.0ppm未満。」
×:「過マンガン酸カリウム消費量が5.0ppm以上。」
Figure 0005176614
Figure 0005176614
実施例1〜14の水性塗料組成物は、特定の酸価となる組成のラジカル重合性モノマーをフェノキシ樹脂にグラフトし、次いでエステル化反応させて得られるアクリル変性フェノキシ樹脂と、フェノール樹脂とで構成される水性塗料組成物であり、アクリル変性エポキシ樹脂が持つ種々の欠点を改善し、分散安定性に優れ、缶用塗料として使用する場合における加工密着性に優れるとともに、より厳しい加工後においても優れた耐食性を示し、更には、衛生性、フレーバー性を兼ね備えた塗膜を形成し得ることがわかった。

Claims (5)

  1. アクリル変性フェノキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂(D)を、(A)/(D)=90/10〜99.9/0.1(重量比)の割合で水性媒体中に分散してなる水性塗料組成物であって、
    アクリル変性フェノキシ樹脂(A)が、エポキシ当量6000〜20000g/eq、数平均分子量5000〜30000であるビスフェノール型フェノキシ樹脂(B)に、酸価260〜520mgKOH/gとなる組成のラジカル重合性モノマー(C)を、ラジカル重合開始剤(E)を用いて、(B)/(C)=90/10〜60/40(重量比)の割合でグラフト重合させ、次いで塩基性化合物(F)の存在下においてエステル化反応させてなることを特徴とする水性塗料組成物。
  2. フェノール樹脂(D)が、石炭酸または/およびm−クレゾールをモノマーとしてなるレゾール型のフェノール樹脂であり、かつ、
    樹脂中のベンゼン環1核体含有率が1重量%以下で、数平均分子量が250〜1500であることを特徴とする請求項1記載の水性塗料組成物。
  3. 請求項1又は2記載の水性塗料組成物で基材を被覆してなる被塗物。
  4. 基材が、金属、塗料で被覆された金属、及びプラスチックフィルム被覆金属からなる群より選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項3記載の被塗物。
  5. 基材が、板状又は有底円筒状であることを特徴とする請求項3又は4記載の被塗物。
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