JP5175819B2 - 密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルム - Google Patents

密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルム Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン電池等の密閉型電池を製造する方法に関する。
近年、リチウムイオン電池その他の密閉型の二次電池は、車両搭載用電源あるいはパソコンや携帯端末の電源等として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。
この種の密閉型電池を製造する一つの代表的な方法では、正極活物質を有する正極および負極活物質を有する負極を備える発電要素(電極体)を適当な電解質とともに金属製の外装ケースに収納し、該ケースを封止(密閉)する。ここで、組立直後の電池(電池組立体)は未充電状態にあるので、該電池組立体に対して初期充電(構築した電池に対して初めて充電することをいう。以下同じ。)を行う。かかる初期充電を行うと一般に電池内でガス(例えば水素ガス)が発生して内圧が上昇するため、該初期充電の後に一旦上記密閉状態を解いてケース内のガスを放出させる。かかるガスの放出(ガス抜き)は、典型的には、ケースに設けられた貫通孔を通じて該ケースの内外を連通するガス抜き通路を形成することにより行われる。ガス抜きが終了したら、上記ガス抜き通路を封止してケース内を再び密閉状態とする。このようにして密閉型電池が製造される。この種の技術に関する従来技術文献として特許文献1〜4が挙げられる。
特開2004−355977号公報 特開2001−338674号公報 特開2007−193969号公報 特開2005−339946号公報
特許文献1に記載の技術では、注液孔にフッ素ゴム栓を挿入することで仮封止を行い、初期充電およびエージングを行った後に上記ゴム栓を取り除いて余剰ガスを排出している(第0089項等)。しかし、このようなゴム栓は、取り付けおよび・取り外し操作の自動化が難しく生産性の向上が困難であることに加えて、内圧の上昇によってゴム栓が浮き上がり(外側に押し出され)気味となることがある。すなわち仮封止状態の耐圧封止性が不足しがちである。また、ゴムのような弾性部材による仮封止ではシール性(水分等の混入を阻止する性能)が不足し、仮封止状態においてケース内に水分が混入する虞がある。常閉弁構造を有するゴム弾性質の封止栓を用いる特許文献2に記載の技術についても同様である。また、特許文献3,4に記載の技術は仮封止構造が複雑である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、簡単な構造によって電池組立体の仮封止および初期充電後のガス抜きを効率よく行うことができ、かつ上記仮封止状態の耐圧性(耐圧封止性)に優れた密閉型電池製造方法を提供することである。
本発明によると、密閉型電池(典型的には二次電池、例えばリチウムイオン電池等の非水電解質二次電池)の製造方法が提供される。その方法は、貫通孔を有する外装ケースに正極および負極を備える電極体と電解質(典型的には液状電解質、すなわち電解液)とを収容して電池組立体を構築する工程を備える。また、前記ケースの外表面であって前記貫通孔の前記ケース外部への開口端(外部開口端)を囲む環状部分に形成された溶着基面に、直接または該溶着基面に予め溶着されたベースフィルムを介して封止フィルムを溶着することにより(熱溶着、レーザ透過溶着等の溶着方法を好ましく採用し得る。)、前記貫通孔を仮封止する工程を備える。上記方法は、さらに、前記貫通孔を仮封止した状態で前記電池組立体の初期充電を行う工程を備え得る。また、前記初期充電工程よりも後に、前記フィルムに孔を開けて前記ケースの内外を連通するガス抜き通路を形成することによって該ケース内の余剰ガスを外部に排出するガス抜き工程を備え得る。
かかる製造方法では、封止フィルムの溶着により貫通孔を仮封止し、該封止フィルムに孔を開けてガス抜きを行う。このような封止フィルムの溶着や孔開けは容易に行うことができ、且つ自動化にも適しているので、生産性やコスト等の観点から好ましい。
ここに開示される密閉型電池製造方法の典型的な態様では、前記ケースのうち少なくとも前記環状部分はアルミニウムまたはアルミニウム合金製であり、前記溶着基面は、該環状部分にレーザ(例えば、YVO4レーザ、YAGレーザ、グリーンレーザ、ファイバーレーザ等のレーザ光を利用可能である。)を照射して表面を粗化(粗面化)するレーザ照射処理を施すことにより形成されている。したがって、ここに開示される方法は、前記環状部分にレーザ照射処理を施して前記溶着基面を形成する工程をさらに包含する態様で好ましく実施され得る。上記溶着基面には、上記レーザ照射処理により、典型的には微細な枝状構造を備えた酸化アルミニウム層が形成されている。該酸化アルミニウム層の好ましい厚さは凡そ100nm〜500nm(例えば凡そ200nm〜300nm)である。かかるレーザ照射処理が施された溶着基面に直接またはベースフィルムを介して封止フィルムを溶着することにより、該封止フィルム(封止フィルムを直接溶着する場合)またはベースフィルム(ベースフィルムを介して封止フィルムを溶着する場合)と溶着基面との間でアンカー効果が発揮されて、十分な溶着強度を確保することができる。例えば、初期充電等にともなう内圧上昇に耐えて仮封止状態を維持することができる(すなわち耐圧封止性がよい)。したがって仮封止状態にある電池組立体の取扱性が良好である。
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス一般を指す用語であって、一次電池および二次電池を含む概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、リチウムイオン電池、金属リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する概念である。ここに開示される技術は、典型的には二次電池およびその製造に適用される。また、上記「アルミニウム合金」とは、アルミニウムを主成分とする(すなわち、アルミニウムを50質量%以上含む)合金をいう。以下、アルミニウムまたはアルミニウム合金を包括して「アルミニウム材料」ともいう。
ここに開示される方法の好ましい一態様では、典型的には前記ガス抜き工程よりも後に、前記貫通孔の外部開口端を前記封止フィルムの外側から覆う好ましくは金属製の本封止部材を取り付けることにより前記貫通孔を本封止する工程をさらに備える。かかる態様によると、例えば貫通孔にゴム栓等の封止部材を挿入して仮封止を行う従来の技術とは異なり、封止フィルムを除去する(剥がす)工程を要することなく(換言すれば、封止フィルムを残存させたまま)電池を製造することができる。したがって電池の製造工程を簡略化することができる。上記本封止部材は、例えば溶接により(レーザ溶接、電子ビーム溶接等を好ましく採用し得る。)取り付けることが好ましい。
前記レーザ照射処理においてレーザが照射される箇所(レーザ照射箇所)は、前記環状部分(換言すれば溶着基面が形成される範囲、すなわち封止フィルムまたはベースフィルムが溶着される範囲)の実質的に全面積であってもよく(すなわち、環状部分の全体にくまなくレーザを照射してもよく)、前記環状部分の一部面積(好ましくは、前記環状部分のうち2/3以上の面積)であってもよい。前記レーザ照射箇所は、前記環状部分の全体に広がって(散らばって)配置されていることが好ましい。上記照射箇所の配置は規則的であっても不規則でもよいが、極端な粗密がないことが好ましく、前記環状部分の全体に亘ってほぼ均等な密度で配置されていることがより好ましい。なお、環状部分のうちレーザ照射箇所が占める面積の割合は、例えば、発振周波数およびレーザスポットのサイズに応じてレーザの走査速度を調節することにより設定することができる。
ここに開示される方法の好ましい一態様は、前記ガス抜き工程よりも後に、前記封止フィルムの上面に第二の封止フィルムを溶着することにより前記貫通孔を封止する工程をさらに備える。典型的には、上記第二封止フィルムの溶着によって前記仮封止用の封止フィルム(以下「第一封止フィルム」ともいう。)に開けられた孔(ガス排出孔)を塞ぐことにより上記貫通孔を封止する。上記第二封止フィルムにより封止(再封止)された状態にある電池組立体は取扱性が良好である。例えば、電解質として電解液を用いる態様において、電池組立体が傾いたり揺れたりしても、該ケース内の電解液が上記ガス排出孔から漏洩する事象を阻止することができる。また、該組立体を低湿度に維持管理された環境下で取り扱わなくても実用上十分な程度に水分の混入を防止することができる。好ましくは、第二封止フィルムにより封止された状態の電池組立体に、前記貫通孔の外部開口端を該第二封止フィルムの外側から覆う本封止部材(好ましくは金属製)を、例えば溶接により取り付ける。これにより前記貫通孔を本封止する。かかる本封止部材の取付けは、低湿度環境下に限定されず、例えば通常の湿度環境下でも好ましく行うことができる。
このような封止フィルムとしては、少なくとも溶着される箇所の表面部分に熱可塑性樹脂材料を有するものが好ましく用いられる。上記熱可塑性樹脂材料を構成するポリマー材料(樹脂成分)としては、他の電池構成材料(特に電解質)に対する耐性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を好ましく使用することができる。
前記封止フィルムとしては、組成の異なる二以上の樹脂層が積層された積層フィルムを好ましく用いることができる。かかる構成の封止フィルムは、複数の特性を両立させやすいので好ましい。例えば、溶着性のよい樹脂材料(ポリオレフィン系樹脂材料等)からなる樹脂層を少なくとも一方の表面(すなわち下面および/または上面)に備え、該材料に比べて相対的に剛性の高い樹脂材料(ポリエステル系樹脂材料等)からなる樹脂層を他方の表面または内部に備える構成の積層フィルムを好ましく採用することができる。かかる構成の積層フィルムによると、より良好な溶着性および耐圧封止性(内圧の上昇に耐えて封止状態を維持する性能)が実現され得る。封止フィルムの下面を構成する樹脂層と上面を構成する樹脂層とは同種の樹脂成分をマトリックス(連続相)とすることが好ましい。かかる構成の封止フィルムは、一の封止フィルムの上面に他の封止フィルムの下面を重ねて溶着する場合の溶着性(重ね合わせ溶着性)が良好である。このことは、例えば、第一封止フィルムの上面に第二封止フィルムを重ねて溶着する態様等において好都合である。
上記積層フィルムのより具体的な好適例として、例えば、下面および上面にポリオレフィン系(例えばポリプロピレン系)樹脂材料からなる樹脂層(ポリオレフィン層)が配置され、それらポリオレフィン層の間にポリエチレンナフタレート層が配置された構成の積層フィルム(典型的には三層フィルム)が挙げられる。かかる構成の積層フィルムによると、特に良好な溶着性および耐圧封止性が実現され得る。また、かかる構成の積層フィルムは適度な剛性を有するので溶着操作や孔開け操作を行いやすい(すなわち取扱性がよい)という利点がある。
上記積層フィルムの他の好ましい一例として、下面を構成する樹脂層および上面を構成する樹脂層のうち一方または両方(典型的には一方)にレーザ吸収材(カーボンブラック等)が添加された積層フィルムが挙げられる。かかる構成の積層フィルムはレーザ透過溶着法を用いた溶着に適している。したがって、封止フィルムの溶着方法としてレーザ透過溶着法を採用する場合(特に重ね合わせ溶着を行う場合)には、上記構成の積層フィルムを用いることによる効果が殊によく発揮され得る。例えば、レーザ吸収材が添加された樹脂層が下面に配され、レーザ吸収材が添加されていない樹脂層が上面(すなわち、レーザ透過溶着におけるレーザ入光側)に配された構成の積層フィルムが好ましい。下面の樹脂層と上面の樹脂層とは、レーザ吸収材添加の有無以外はほぼ同じ組成の樹脂層(好ましくはポリオレフィン層、例えばポリプロピレン層)であり得る。かかる構成の積層フィルムは、レーザ透過溶着法を適用して重ね合わせ溶着を行うのに適している。レーザ吸収材が添加されていない樹脂層は、レーザ透過性のよい樹脂材料から形成されることが好ましい。例えば、レーザ吸収材が添加されたポリオレフィン層が下面に、またレーザ吸収材が添加されていないポリオレフィン層が上面に配置され、それらのポリオレフィン層の間にポリエチレンナフタレート層が配置された積層フィルム(典型的には三層フィルム)を好ましく使用することができる。かかる構成の積層フィルムは、良好なレーザ溶着性(特に、レーザ透過溶着法を適用して重ね合わせ溶着を行う場合)を有し、かつ優れた耐圧封止性および取扱性を発揮するものであり得る。レーザ吸収材としては、例えば、レーザ透過溶着の分野において公知の顔料系吸収材、染料系吸収材等から適宜選択される一種または二種以上を特に限定なく用いることができる。好ましく使用されるレーザ吸収材として、カーボンブラック等のカーボン粉末が例示される。
なお、上記レーザ透過溶着性の観点から、封止フィルム全体の厚み方向に対するレーザ透過率は例えば凡そ70〜95%の範囲にあることが好ましい。上記レーザ透過率(レーザ透過性)が高すぎるとレーザ光の吸収効率(利用効率)が低下し、該透過率が低すぎると重ね合わせ溶着を行いにくくなる。上記レーザ透過率は、各樹脂層の厚さおよび性質(レーザ透過性等)に鑑みてレーザ吸収材の添加量を設定することにより調整し得る。例えば、ポリエチレンナフタレート層の上下にポリオレフィン層が配置された三層フィルムにおいて、ポリエチレンナフタレート層の厚みが5μm以上(典型的には5μm〜200μm、例えば5μm〜15μm程度)、各ポリオレフィン層の厚み(上下同じ厚みであってもよく異なってもよい。)が10μm以上(典型的には10μm〜200μm、例えば30μm〜50μm程度)であり、かつ全体の厚さが25μm〜250μmであるものを好ましく使用することができる
上述した好ましい封止フィルムの構成は、第一封止フィルムと第二封止フィルムとを用いる態様では、それらの封止フィルムのいずれにも適用可能である。また、ベースフィルムを用いる態様では、上述した好ましい封止フィルムの構成と同様の構成を有するベースフィルムを好ましく用いることができる。特に限定するものではないが、同じフィルム材料(すなわち一種類のフィルム材料)を第一封止フィルムにも第二封止フィルムにも用いる態様を好ましく採用することができる。かかる態様によると、電池の製造に使用する材料の種類増を抑える等の利点が得られる。同様の理由から、封止フィルムと同じフィルム材料をベースフィルムにも用いる態様を好ましく採用することができる。
本発明によると、正極および負極を備える電極体と電解質とが外装ケースに収容された形態の密閉型電池(例えばリチウムイオン電池)が提供される。前記外装ケースは貫通孔を有し、該ケースの外表面であって前記貫通孔の前記ケース外部への開口端を囲む環状部分には微細な枝状構造を備えた酸化アルミニウム層を有する溶着基面が形成されている。また、前記溶着基面には直接または該溶着基面に溶着されたベースフィルムを介して封止フィルムが溶着されている。該封止フィルムは前記貫通孔に臨む開口を有する。そして、前記貫通孔は、該貫通孔の前記ケース外部への開口端を前記封止フィルムの外側から覆って取り付けられた本封止部材により本封止されている。かかる構成の密閉型電池は、ここに開示されるいずれかの方法を適用して製造され得る電池の一好適例である。
本発明によると、また、ここに開示されるいずれかの方法により製造された密閉型電池(例えばリチウムイオン電池)が提供される。
ここに開示されるいずれかの密閉型電池(ここに開示されるいずれかの方法により製造された密閉型電池であり得る。)は、車両に搭載される電池(典型的には二次電池。例えばリチウムイオン電池)として好適に利用され得る。したがって、本発明によると、ここに開示されるいずれかの方法により製造された密閉型電池を備える車両(例えば自動車)が提供される。
一実施形態に係る電池の構造を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る電池の製造工程を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る電池の製造工程を模式的に示す断面図である。 レーザ照射処理により形成された酸化アルミニウム層のSEM像である。 一実施形態に係る電池の製造工程を模式的に示す断面図である。 樹脂フィルムの構造を例示する模式的断面図である。 捲回電極体の構造を例示する模式的断面図である。 一実施形態に係る電池の製造工程を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る電池の製造工程を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る電池の製造工程を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る電池の製造工程を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る電池の製造工程を模式的に示す断面図である。 電解液曝露試験の方法を模式的に示す説明図である。 本発明に係る方法により製造された電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。 溶着強度の測定方法を模式的に示す説明図である。
以下、本発明のいくつかの好適な実施形態例を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明に係る方法を適用して製造された密閉型電池(典型的には二次電池)は、特に自動車等の車両に搭載されるモータ(電動機)用電源として好適に使用し得る。したがって本発明は、例えば図14に模式的に示すように、かかる電池10(当該電池10を複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。)を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車等のように電動機を備える自動車)1を提供する。
特に限定することを意図したものではないが、以下では捲回型の電極体(捲回電極体)と非水系の液状電解質(電解液)とを角形(箱形)容器に収容した形態の密閉型リチウムイオン電池を製造する場合を例として本発明を詳細に説明する。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
<例1>
本例に係るリチウムイオン電池は、例えば図1に示すように、長尺シート状の正極および負極が長尺シートのセパレータを介して扁平に捲回された形態の電極体(捲回電極体)30と、該捲回電極体30を収容し得る形状(本例では扁平な箱形)の外装ケース12とを備える。
捲回電極体30は、図7に示すように、通常のリチウムイオン電池の捲回電極体と同様、長尺シート状の正極(正極シート)32および負極(負極シート)34を計二枚の長尺シート状のセパレータ(セパレータシート)(図示せず)とともに積層して長手方向に捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製され得る。本例では、正極シート32と負極シート34とが幅方向に位置をややずらして、上記セパレータシートの幅方向の一端および他端からシート32,34の幅方向の一端がそれぞれはみ出すように積層された状態で捲回されている。その結果として、捲回電極体30の捲回軸方向の一方および他方の端部には、正極シート32の幅方向の一端が捲回コア部分31(すなわち正極シート32と負極シート34とセパレータシートとが密に捲回された部分)から外方にはみ出した部分と、負極シート34の幅方向の一端が捲回コア部分31から外方にはみ出した部分とがそれぞれ形成されている。それらのはみ出し部分に外部接続用の正極端子15および負極端子16の一端が接続されている。これらの電極端子15,16は外装ケース12(後述する蓋体40)に取り付けられ、該ケース12の外部まで引き出されている。なお、図1および後述する図8では電極端子15,16の図示を省略している。
かかる捲回電極体30を構成する材料および部材自体は、従来のリチウムイオン電池に備えられる電極体と同様でよく、特に制限はない。例えば正極シート32は、長尺状の正極集電体(例えばアルミニウム箔)の上に正極活物質層が形成された構成であり得る。この正極活物質層の形成に用いる正極活物質としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、LiNiO,LiCoO,LiMn等のリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。負極シート34は、長尺状の負極集電体(例えば銅箔)の上に負極活物質層が形成された構成であり得る。この負極活物質層の形成に用いる負極活物質としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物等が挙げられる。上記セパレータシートの好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。本例では、正極シート32としてアルミニウム箔を、正極活物質としてLiNiOを、負極シートとして銅箔を、負極活物質として天然黒鉛を使用している。
捲回電極体30を収容する外装ケース12は、一端(本例に係る電池10の通常の使用状態における上側の端部に相当する。)に開口部を有する箱形(すなわち有底四角筒状)のケース本体13と、その開口部に取り付けられて該開口部を塞ぐ蓋体40とを備える。
蓋体40は、ケース本体13の開口形状に合う長方形状に形成されており、その中央部には円筒状の筒部42が形成されている。筒部42の内周壁によって、蓋体40を厚み方向に貫通する貫通孔41が区画形成されている。この筒部42(すなわち、貫通孔41を区画形成する貫通孔形成部分)が蓋体40(ケース12)の外側に突出して延びていることにより、貫通孔41の外部開口端41Aは、蓋体40の外表面のうち筒部42を囲む周辺部分よりも高い位置に形成されている。また、蓋体40のうち筒部42が形成された部分の内表面(すなわち、貫通孔41が蓋体40の内部に開口する内部開口端41Bを囲む部分)は外側に窪んでいる。これにより、内部開口端41Bもまた周辺部分に比べて高い位置に形成されている。
外装ケース12のうち少なくとも筒部42の上端部分(すなわち、貫通孔41の外部開口端41Aを囲む環状部分44)を構成する部分はアルミニウム材料製である。外装ケース12の他の部分(蓋体40のうち環状部分44以外の部分およびケース本体13)を構成する材料は特に制限されず、例えば、従来の密閉型電池の蓋体に使用されるものと同様の材料であり得る。当該部分が軽量で熱伝導性の良い金属材料を主体に構成されたケース12が好ましく、このような金属材料としてアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼、銅等が例示される。また、例えば樹脂成形体を主体に構成されたケース本体13に金属材料を主体に構成された蓋体40を固定(かしめ固定等)した構成のケース12であってもよい。本例に係る電池10では、環状部分44を含む蓋体40およびケース本体13の全体がいずれもアルミニウム材料(例えば、JISに規定する合金番号が1000番台のアルミニウム)を主体に形成されている。
貫通孔41の外部開口端41Aを囲む筒部42の上端面は、微細な枝状構造(針状または繊維状の構造としても把握され得る。)を備えた酸化アルミニウム層を有する溶着基面45となっている。そして、図1に示す状態のリチウムイオン電池10(完成品)では、この溶着基面45に3枚の樹脂フィルム52,54,56が、下側(すなわち溶着基面45側)からこの順に重なって溶着されている。樹脂フィルム(ベースフィルム)52は、溶着基面45とほぼ同じ外径および内径を有する円環状(孔開き円盤状)であって、溶着基面45に直接溶着されている。樹脂フィルム(第一封止フィルムまたは仮封止フィルム)54は、溶着基面45とほぼ同じ外径を有する円形であって、フィルム52の上面に重ねて溶着されている。樹脂フィルム54の中央付近(貫通孔41の外部開口端41Aを覆う部分)には、後述する電池10の製造過程においてガス抜き通路として利用可能なサイズの孔(ガス排出孔)542が開けられている。樹脂フィルム(第二封止フィルムまたは再封止フィルム)56もまた溶着基面45とほぼ同じ外径を有する円形であって、フィルム54の上面に重ねて溶着されている。本例では、この樹脂フィルム56にはガス抜き通路となるような孔は開いていない。これらの樹脂フィルム52,54,56の外側から貫通孔41の外部開口端41Aを覆って金属製の本封止部材18が蓋体40の外表面に溶接固定されている。このように、貫通孔41の内部空間(すなわちケース12の内部空間)は、樹脂フィルム56によって封止(予備的に封止)され、さらに本封止部材18によって、より高度に(水分侵入防止性能、該性能の耐久性等がより高いレベルで)封止(本封止)されている。
なお、樹脂フィルム52,54,56を形成する樹脂材料(好ましくは熱可塑性樹脂材料)を構成するポリマー材料(樹脂成分)としては、使用する電解液に対して耐性(典型的には耐酸性)を有する各種のポリマー材料を適宜選択して用いることができる。例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂(酸変性PP等の変性ポリオレフィン系樹脂を包含する。以下同じ。);パーフロロアルコキシアルカン(PFA)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;等のポリマー材料を好ましく採用することができる。また、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド樹脂)、PI(ポリイミド樹脂)、PAI(ポリアミドイミド樹脂)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、PES(ポリエーテルスルホン樹脂)等のポリマー材料を用いてもよい。このようなポリマー材料の一または二以上を含む一種類の樹脂材料から形成された単層フィルムであってもよく、組成(ポリマー材料の組成、添加剤含有の有無および添加量等)の異なる二種類以上の樹脂材料からそれぞれ形成された二以上の樹脂層を有する積層フィルムであってもよい。ガスバリア性等の観点から、上記ポリマー材料として結晶性ポリマーを含む樹脂材料により形成された少なくとも一つの樹脂層を備える樹脂フィルムを好ましく用いることができる。樹脂フィルムの厚みは目的および構成に応じて適宜選択することができ、特に限定さないが、通常は該厚みが凡そ10μm〜1000μm(例えば凡そ25μm〜250μm)であるものを好ましく使用し得る。
本例では、樹脂フィルム52,54,56のいずれにも同じフィルム材料を使用している。該フィルム材料の構成につき、樹脂フィルム54を代表例として、図6に示す断面図を参照しつつ説明する。樹脂フィルム54は、芯材層54B(厚さ12μm)を、下層54A(厚さ44μm)および上層54C(厚さ44μm)で挟んだ三層構造の積層フィルムとして構成されている。芯材層54Bは、ポリマー材料がPENである樹脂材料から形成された層(PEN層)である。下層54Aおよび上層54Cは、ポリマー材料が酸変性PPである樹脂材料から形成された層(PP層)である。ただし、下層54Aを形成する樹脂材料は、上層54Cを形成する樹脂材料にレーザ吸収材としてのカーボンブラック(CB)が添加された組成である。このCBを含むことにより、下層54Aは薄い灰色の外観を呈する。また、樹脂フィルム54全体のレーザ透過率は約85%である。なお、上記で括弧内に記した樹脂層54A,B,Cの厚さはいずれも溶着前の厚さである。したがって、溶着前における樹脂フィルム54全体の厚さは約100μmである。
このような構成を備えるリチウムイオン電池10の一製造例につき、図面を参照しつつ説明する。
まず、外装ケース12を構成する蓋体40を用意する。そして、図2に模式的に示すように、この蓋体40の貫通孔41を囲む環状部分44にレーザ光Lを照射するレーザ照射処理を施す。このレーザ照射処理により、図3に示すように、微細な枝状構造を備えた酸化アルミニウム層46を形成する。このようにして筒部42の上端面(環状部分44)に接着基面45が形成される。上記レーザ照射処理は、一般的な市販のレーザ照射装置を用いて行うことができる。例えば、出力5〜10W程度のYVO4レーザを10〜10000mm/s(好ましくは30〜5000mm/s、例えば100〜500mm/s)程度の速度で走査するとよい。かかるレーザ照射処理条件は、例えば凡そ50nm〜1000nm(好ましくは凡そ100nm〜500nm、より好ましくは凡そ200nm〜300nm)の酸化アルミニウム層46が形成されるように設定することが好ましい。酸化アルミニウム層が上記範囲よりも薄すぎると、上記レーザ照射処理による溶着強度向上効果が十分に発揮され難くなることがある。一方、酸化アルミニウム層が上記範囲よりも厚すぎると、該酸化アルミニウム層が剥落しやすくなることがあり、またレーザ照射処理に要するエネルギーコストが嵩む。
本例では、出力6.4W、発振周波数15kHzのYVO4レーザを100mm/sの速度で走査することによりレーザ照射処理を行った。かかるレーザ照射処理後の筒部42の上端付近を10万倍の走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して得られたSEM像を図4に示す。金属アルミニウムからなる部分(図のほぼ中央から下に黒く見えている部分)の表面に、微細な枝状構造を有する厚さ250nm程度の酸化アルミニウム層(図では雲のように見えている)が形成されていることが確認された。
かかるレーザ照射処理の後、図5に示すように、上述した構造(すなわち、CB入りPP層(下層)52A、PEN層(芯材層)52B、PP層(上層)52Cの三層構造)のベースフィルム52を接着基面45に乗せ、加熱および加圧により熱溶着する。この熱溶着工程は、上記レーザ照射処理が施された被着面(ここでは接着基面45)に溶着することを除いては一般的な樹脂フィルムの熱溶着と同様にして行い得る。例えば、被着面の最高到達温度が150〜250℃(好ましくは200〜250℃)となり、溶着後におけるフィルムの厚さが溶着前の凡そ30〜90%(好ましくは50〜60%)となるように熱溶着を行うとよい。このとき、接着基面45には上記枝状構造の酸化アルミニウム層が形成されているので、上記加熱および加圧によりベースフィルム52を構成する樹脂材料(特に、下層52Aを構成する樹脂材料)が溶融または軟化して枝状構造の隙間に入り込む。このアンカー効果の寄与により、接着基面45(蓋体40)とベースフィルム52とを強固に結合(溶着)することができる。なお、ベースフィルム52の平面形状は接着基面45の平面形状とほぼ同じ円環状である。すなわち、ベースフィルム52の中央部には接着基面45の内径(貫通孔41の外部開口端41Aの開口径)とほぼ同じ内径の孔が形成されている。接着基面45に位置合わせしてベースフィルム52を溶着することにより、接着基面45の全体がベースフィルム52で覆われる。なお、ベースフィルム52の形状はこれに限定されず、貫通孔41の外部開口端41Aを囲む環状の溶着部で溶着基面45と溶着され且つベースフィルム52の溶着によって貫通孔41が少なくとも完全には塞がれない形状であればよい。例えば、環状のベースフィルム52の内径側が外部開口端41Aの内側にはみ出していてもよい。
このようにしてレーザ照射処理およびベースフィルムの溶着(ここでは熱溶着)が行われた蓋体40を用いて、例えば以下の手順により、図8に示す構成の電池組立体20を構築する。すなわち、あらかじめ蓋体40に固定された正極端子15および負極端子16の内側端を、上記構成の捲回電極体30の軸方向両端部に形成された正極シートおよび負極シートのはみ出し部にそれぞれ接合(例えば溶接)することにより、電極体30と蓋体40とを結合する。そして、この蓋体40に結合された電極体30をケース本体13の開口部から内部に収めるようにして該開口部に蓋体40を被せ、蓋体40とケース本体13との合わせ目を例えばレーザ溶接により封止する。このようにして外装ケース12に捲回電極体30が収容される。この段階では、図8に示すように、蓋体40に設けられた貫通孔41は依然として開放された(封止されていない)状態にある。その開放状態にある貫通孔41を通じてケース12内に電解液(図示せず)を注入することにより、電極体30と電解液とがケース12に収容された電池組立体20を得る。すなわち本例では、外装ケース12に電極体30を収容し、次いで貫通孔41からケース12内に電解液を注入することにより、電池組立体20が構築される。かかる態様によると、後述するガス抜き通路としても利用される貫通孔41を通じて電解液を注入することにより、該貫通孔41とは別に設けられた電解液注入口から電解液を注入する態様に比べて外装ケース12の封止箇所を減らすことができる。このことによって、電池の封止性(密閉性)の向上、生産性の向上等のうち少なくとも一つの効果が実現され得る。
上記電解液としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等からなる群から選択された一種または二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF,LiBF,LiAsF,LiCFSO,LiCSO,LiN(CFSO,LiC(CFSO等のリチウム塩を好ましく用いることができる。本例では、ECとDECとの混合溶媒(例えば質量比1:1)に支持塩としてのヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を約1mol/リットルの濃度で含有させた電解液を用いている。
電解液の注入後、図9に示すように、CB入りPP/PEN/PPの三層構造の第一封止フィルム54をベースフィルム52の上面に溶着する。これにより貫通孔41を仮封止する。第一封止フィルム54の溶着方法としてはレーザ透過溶着法を好ましく適用することができる。より具体的には、第一封止フィルム54の背面側(すなわち上層54C側)からレーザ光Lを照射すると、レーザ吸収材(ここではCB)を含む下層54Aが上記レーザ光を吸収して発熱することにより、第一封止フィルム54の下層54A(被溶着面を構成する層)とベースフィルム52の上層52Cとの間に溶液プール53が形成される。これにより両フィルム52,54を溶着することができる。
なお、上記封止フィルムのレーザ透過溶着は、例えば公知の方法および装置を用いて、一般的な樹脂フィルムのレーザ透過溶着と同様にして行うことができる。その際、レーザ照射条件(レーザ光の出力[W]、走査速度[mm/s]等)については、第一封止フィルム54(特に下層54A)およびベースフィルム52(特に上層52C)の構成(樹脂組成、レーザ吸収材の添加量等)に応じて、溶着に適した発熱量が得られるように適宜設定することができる。
このように、貫通孔41の外部開口端41Aを囲む溶着基面45に予めベースフィルム(樹脂フィルム)52を接合(例えば溶着、ここでは熱溶着)しておき、そのベースフィルム52に第一封止フィルム54を溶着(ここではレーザ透過溶着)することにより、外部開口端41Aを第一封止フィルム54によって適切に仮封止することができる。例えば、上述のようにベースフィルム52はアンカー効果等により溶着基面45に強固に溶着しており、また一般に樹脂材料同士の溶着では無機材料との溶着に比べて高い溶着強度が得られやすいことから、かかるベースフィルム52を介して第一封止フィルム54を溶着基面45に溶着することにより、良好な封止性能(耐圧封止性等)を実現することができる。上記のようにレーザ吸収材を含有させた樹脂層(下層54A)をベースフィルム52側に配置した三層構造の第一封止フィルム54を用い、その第一封止フィルム54の溶着方法としてレーザ透過溶着法を採用することにより、被溶着面を効果的に発熱させるとともに、他の部分が不必要に加熱される事象を抑えることができる。このため、樹脂フィルム52,54の熱劣化を防ぎつつ溶液プール53を適切に形成することができるので、良好な溶着状態を安定して実現できる。上記レーザ透過溶着は、例えば貫通孔にゴム栓を挿入する操作に比べて自動化に適しているので、生産性向上の観点からも有利である。
次いで、上記仮封止状態にある電池組立体20を初期充電する。この初期充電は、従来の一般的なリチウムイオン電池におけるコンディショニング(初期充放電)を行う場合の操作と同様にして実施することができる。典型的には、初期充電は充電開始から少なくともSOC20%に至るまでの間、1/3C以下(典型的には、1/20C〜1/3C)の充電レート(電流値)で行うことが好ましい。上記初期充電により、ケース12の内圧が上昇(例えば0.1MPa程度)し得る(図10参照)。
このようにして初期充電を行った後、図11に示すように、第一封止フィルム54にガス排出孔(開口)542を形成する。これによりケース12の内部から貫通孔41およびガス排出孔542を介してケース外に至るガス抜き通路Gが形成され、このガス抜き通路Gを通ってケース12内の余剰ガス(典型的には、主として上記初期充電により生じたガス)が外部に排出される。
ここで、本例に係る製造方法では、図10に示す仮封止状態において、第一封止フィルム54は貫通孔41の内部には入り込んでいない。すなわち、貫通孔41の内部空間は空洞のままの状態(電解液が溜まりにくい状態)に維持されている。上述のように貫通孔41の内部開口端41Bが周辺部分に比べて高い位置に形成されていることも、貫通孔41内に電解液が溜まりにくくするために有効である。また、第一封止フィルム54が貫通孔41を通してケース12内に臨む位置(外部開口端21Aを覆う位置)は周辺部分よりも高い位置(すなわち、ケース12内に貯留された電解液の液面からより遠い位置)にあるので、ケース12内の電解液が仮封止部材22の内面に到達しにくい。このように貫通孔41および第一封止フィルム54の付近に電解液が溜まりにくい構造となっているので、図11に示すガス排出時に、ガスと一緒に電解液が噴き出す事象を高度に防止することができる。これにより、本封止部材18の溶接時において電解液中の支持塩に起因するブローホールの発生等が回避されるので、良好な溶接品質を安定して実現することができる。
ガス排出孔542の形成方法は、貫通孔41の内部空間を外部に開放し得る孔を第一封止フィルム54に形成することのできる方法であればよく、特に限定されない。例えば、第一封止フィルム54が貫通孔41に臨む部分に適当な穿孔具(針、パンチ、ドリル等)を用いて孔を開ける方法、第一封止フィルム54にレーザ等の高エネルギー線を照射して孔を開ける方法、等を適宜採用することができる。第一封止フィルム54に孔を開ける範囲は、図11に例示するようにフィルム54が貫通孔41に臨む部分の一部範囲(典型的には中央部)であってもよく、あるいは上記部分の全範囲と略一致する範囲であってもよく、上記部分の一部または全部に加えて外部開口端41Aの周囲を含む範囲(例えば、外部開口端41Aよりもやや大径の円形状の範囲)であってもよい。
ガス抜きが終了したら、図12に示すように、上述した構造(すなわち、CB入りPP層(下層)56A、PEN層(芯材層)56B、PP層(上層)56Cの三層構造)の第二封止フィルム56を第一封止フィルム54の上面に溶着する(典型的には、第一封止フィルム54に設けられたガス排出孔542を囲む環状の溶接部で両フィルム54,56を溶着する)ことにより、貫通孔41を再び封止(予備封止)する。第二封止フィルム56の溶着方法としてはレーザ透過溶着法を好ましく適用することができる。より具体的には、ベースフィルム52の上面に第一封止フィルム54を溶着する操作と同様に、第二封止フィルム56の背面側(すなわち上層56C側)からレーザ光Lを照射することにより、両フィルム54,56を適切に溶着することができる。
さらに、金属製の本封止部材18を蓋体40に溶接する。ここで使用する本封止部材18は、筒部42およびその上端面に溶着された樹脂フィルム52,54,56の全体を覆う(収容する)有底略円錐形状のカバー部18Aと、カバー部18Aの開口端から外周に広がるフランジ部18Bとを有する。本封止部材18の構成材質としては、蓋体40と溶接可能な各種の金属材料(アルミニウム、ステンレス鋼等)を好ましく使用することができる。本例ではアルミニウム製の本封止部材18を用いている。筒部42を囲む環状の溶接部においてこのフランジ部18Bを蓋体40に溶接(例えば、レーザ溶接、電子ビーム溶接等の溶接方法を好ましく採用し得る。)することにより、貫通孔41(ケース12)を本封止する。このようにして本例に係るリチウムイオン電池10を製造することができる。その後、必要に応じて電池性能等の品質チェックを行う検査工程を行ってもよい。
本例に係る製造方法によると、樹脂フィルムの上面に重ねて新たな樹脂フィルムを溶着することにより、貫通孔41の封止および該封止状態の解除を容易に、必要に応じて繰り返して行うことができる。また、これらの樹脂フィルムを外装ケース12(蓋体40)から剥がすことなく(すなわち残存させたまま)、該樹脂フィルムの上から本封止部材を取り付けるので、電池の製造工程が簡略であり好ましい。
<例2>
上記レーザ照射処理が樹脂フィルムの溶着強度に及ぼす影響を確認するため、以下の評価試験(電解液蒸気曝露試験)を行った。
すなわち、厚み0.8mm、幅13.5mm、長さ110mmの純Al板(未処理Al板)を用意した。該Al板には、幅方向の略中央であって長手方向の一端から約70mmの位置を中心とする直径1.6mmの貫通孔が設けられている。その貫通孔の中心から直径4.4mmの範囲に、以下の条件でレーザ照射処理を行った。これによりサンプル1〜10に係るフィルム溶着用Al板を作製した。なお、走査速度3000mm/sのとき、レーザを走査した範囲のうち実際にレーザスポットが照射された面積は2/3程度である。
[レーザ照射処理条件]
レーザ種類:YVO4レーザ、
出力:6.4W、
周波数:15kHz、
走査速度:表1に示すとおり。
例1に係る樹脂フィルム(CB含有PP層(厚さ44μm)、PEN層(厚さ12μm)およびPP層(厚さ44μm)が下からこの順に積層された三層フィルム)を、直径5mmの円形に打ち抜いて溶着用フィルム片を用意した。該フィルム片を上記で作製した溶着用Al板のレーザ照射処理面上に、上記貫通孔の中心とフィルム片の中心とが概ね一致するように配置し、これを380℃のホットプレートに載せて上記フィルム片の上から圧力を加えた(圧力:0.04MPa)。このように加熱および加圧を行うことにより、上記フィルム片をサンプル1〜10に係るAl板にそれぞれ熱溶着した。なお、上記加熱および加圧を行う時間は5秒間とした。5秒経過後におけるAl板の上面(フィルム片が溶着される側)の到達温度は約230℃であった。また、熱溶着後における樹脂フィルムの厚み(溶着厚み)は約55μmであった。
比較のため、レーザ照射処理とは異なる種々の表面処理を行ったAl板、すなわち、該未処理Al板を15%水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬したもの(サンプル11)、耐水ペーパー#180で研磨したもの(サンプル12)、耐水ペーパー#1000で研磨したもの(サンプル13)、アセトンに30分間浸漬したもの(サンプル14)、常圧プラズマ表面処理装置(積水化学工業株式会社製品)を用いて常圧Nプラズマを照射したもの(サンプル15)を用意した。これらサンプル11〜15に係るAl板および未処理Al板(サンプル16)に、サンプル1〜10と同様の条件で上記溶着用フィルム片を熱溶着した。
図13に示すように、ポリプロピレン樹脂製の円筒状容器(直径3.7cm、高さ8.7cm)60に、ECとDMCとの混合溶媒(質量比1:1)にLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させた電解液61を40mL入れた。その容器60内に、サンプル1〜16に係るAl板63にフィルム片64を熱溶着してなる試験片(以下、使用したAl板の種類に関連付けてサンプル1〜16に係る試験片という。)65を、下端が電解液61に浸るように立てて配置した。この容器60を密閉して60℃に20時間保持することにより、容器60内の試験片65を電解液蒸気に曝露した。
その後、容器60から試験片65を取り出し、図15に示す油圧式耐圧測定装置70を用いて電解液蒸気曝露後における溶着強度を測定した。すなわち、測定装置70を構成する上板71と下板72との間に試験片65を配置し、ボルト73により締め付け固定した。ここで、上板71および下板72には、フィルム片64が収まるサイズの貫通孔71a,72aが概ね対向する位置に設けられている。上記試験片65の配置は、Al板63に溶着されたフィルム片64が上板71の貫通孔71aに収まり、Al板63に設けられた貫通孔63a(上板71側の開口部はフィルム片64の溶着により封止されている。)が下板72の貫通孔72aに開口するように行った。そして、手動式油圧ポンプ75を用いて油タンク74から油通路77に油を送り込み、油通路77に接続された貫通孔72aおよびAl板63の貫通孔63aを通じてフィルム片64の背面に油圧による負荷(引き剥がし負荷)を加えた。貫通孔63aの封止が破れたときの油圧を油圧計76から読み取り、溶着強度の測定値とした。
得られた結果を表1に示す。溶着強度の欄の「(0)」は、溶着強度の測定開始前(引き剥がし負荷を加える前)にフィルム片が剥がれ落ちたことを表している。
表1に示されるように、被溶着面にレーザ照射処理を行ったサンプル1〜15に係る試験片では、レーザ走査速度(50〜3000mm/s)に拘らず、上記条件で電解液蒸気に曝露した後にも2MPa以上(典型的には2MPa〜5MPa)、さらには2.5MPa以上(典型的には2.5MPa〜4MPa)の溶着強度が維持されていた。この結果は、上記レーザ照射処理を行ってなる溶着基面に樹脂フィルムを溶着して電池組立体を封止することにより、初期充電等によるケース内の圧力上昇(典型的には1MPa程度)に対して十分に余裕を持って耐えられる(例えば、初期充電後の電池組立体が仮に60℃の環境下に20時間放置されたとしても封止状態を維持できる)だけの耐圧封止性が実現されることを示唆するものである。走査速度が100〜500mm/sの範囲にあるサンプル3〜5に係る試験片では特に良好な結果(溶着強度3.5MPa以上)が得られた。
これに対して、サンプル11〜16に係る試験片では上記条件で電解液蒸気に曝露した後の溶着強度が不足した。このことは、例えばサンプル11〜16に係る試験片と同様の表面処理を施した(あるいは未処理の)溶着基面に樹脂フィルムを溶着して電池組立体を封止する場合には、初期充電およびその後のガス抜きを行うにあたり、工程上の制約がより大きくなることを示唆するものである。
<例3>
例2のサンプル3と同じ条件でレーザ照射処理を施してなるAl板(サンプル17)と、上記条件でレーザ照射処理を施した後、その処理面にX線光電子分光(XPS)装置を用いて0.1秒間(サンプル18)または1分間(サンプル19)のアルゴンスパッタを行ったAl板とを用意した。ここで、サンプル17に係るAl板では上記レーザ照射処理により表面に厚さ約250nmの酸化アルミニウム層が形成されている。また、サンプル18,19に係るAl板では、いったん形成された酸化アルミニウム層が上記アルゴンスパッタにより上端側から削られている。このため、サンプル18に係るAl板の有する酸化アルミニウム層の厚さは230〜240nm程度であり、サンプル19に係るAl板の有する酸化アルミニウム層の厚さは凡そ100nm未満である。
これらのAl板に、例2と同様にしてフィルム片を熱溶着してサンプル17〜19に係る試験片を作製した。これらの試験片を例2と同様にして電解液蒸気に曝露し、曝露後の溶着強度を測定した。その結果、サンプル17に係る試験片(n=3)の溶着強度は4.1MPa、4.3MPaおよび4.5MPa(平均4.3MPa)であり、サンプル18に係る試験片(n=2)の溶着強度は4.4MPaおよび3.9MPa(平均約3.7MPa)であった。また、サンプル19に係る試験片(n=2)の溶着強度は1.8MPaおよび1.9MPa(平均約1.9MPa)であった。これらの結果は、接着基面に形成された酸化アルミニウム層が溶着強度(ひいては耐圧封止性)の向上に大きく寄与していることを示すものである。また、本例の条件では被溶着面に厚さ100nm以上の酸化アルミニウム層を形成することにより、電解液蒸気曝露後にも2MPa以上の溶着強度が維持されることを示すものである。
以上、本発明を好適な実施形態により説明したが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん種々の改変が可能である。
例えば、上述した例1において第二封止フィルム56を溶着して電池組立体20を再び封止状態とした後、その封止状態において電池組立体20の内圧が上昇し得る処理をさらに行い、その後、第二封止フィルム56に孔を開けて内圧を開放(例えば、ケース内の余剰ガスを排出)し、次いで第二封止フィルム56の上面に新たな(第三の)封止フィルムを溶着する(例えば、第一,第二封止フィルムと同じ封止フィルムをレーザ透過溶着する)ことにより第二封止フィルム56の孔を塞ぎ、さらに本封止部材18を取り付けて貫通孔41を本封止してもよい。上記電池組立体20の内圧が上昇し得る処理の例としては、該組立体20を高温(例えば40〜80℃)環境下に10〜20時間程度保持する高温エージング処理が挙げられる。かかる高温エージング処理により、電池組立体20の内圧が例えば0.05MPa程度上昇し得る。なお、上述した例1において初期充電に続いて上記高温エージング処理を行い、しかる後に第一封止フィルム54にガス排出孔542を形成して余剰ガスを排出してもよい。
あるいは、上述した例1においてベースフィルム52の使用を省略し、電解液の注入後に第一封止フィルム54を溶着基面45に直接溶着(例えば熱溶着)してもよい。また、上述した例1において第二封止フィルム56の使用を省略し、第一封止フィルム54のガス排出孔542を予備封止することなく本封止部材18を取り付けてもよい。
また、例1ではベースフィルム52として第一封止フィルム54と同じ三層フィルムを使用したが、例えばベースフィルム52として、レーザ吸収材を含むまたは含まない(好ましくはレーザ吸収材を含まない)組成の、単層の樹脂フィルムを使用してもよい。第一封止フィルム54の下層54Aを構成する樹脂成分と同種の樹脂を主体とする樹脂フィルム(すなわち、上述した例ではポリプロピレン系樹脂フィルム)の使用が好ましい。
なお、この明細書により開示される技術には以下のものが含まれる。
(1)正極および負極を備える電極体と電解液とが外装ケースに収容された形態の密閉型電池を製造する方法であって:
貫通孔を有する外装ケースに前記電極体および前記電解質を収容して電池組立体を構築する工程;
前記ケースの外表面であって前記貫通孔の前記ケース外部への開口端を囲む環状部分に直接または該溶着基面に予め溶着されたベースフィルムを介して封止フィルムを溶着することにより前記貫通孔を仮封止する工程;
前記貫通孔を仮封止した状態で前記電池組立体の初期充電を行う工程;および、
前記初期充電工程の後、前記フィルムに孔を開けて前記ケースの内外を連通するガス抜き通路を形成することにより該ケース内の余剰ガスを外部に排出するガス抜き工程;
を包含する、密閉型電池の製造方法。
(2)前記外装ケースのうち前記貫通孔を区画形成する貫通孔形成部分は当該部分を囲む周辺部分よりも該ケースの外側に張り出している、上記(1)に記載の方法。
(3)前記ガス抜き工程の後、前記封止フィルムの上面に第二の封止フィルムを溶着することにより前記貫通孔を封止する工程をさらに包含する、上記(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記封止フィルムは、組成の異なる二以上の樹脂層が積層された積層フィルムである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記封止フィルムは、下面および上面にポリオレフィン層が配置され、それらポリオレフィン層の間にポリエチレンナフタレート層が配置された積層フィルムである、上記(4)に記載の方法。
(6)前記封止フィルムの下面を構成する樹脂層および上面を構成する樹脂層のうち少なくとも一方にはレーザ吸収材が添加されており、且つ前記封止フィルム全体の厚み方向に対するレーザ透過率が70〜95%である、上記(4)または(5)に記載の方法。
(7)前記封止フィルムの溶着をレーザ透過溶着法により行う、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法により製造された密閉型電池。
(9)正極および負極を備える電極体と電解質とが外装ケースに収容された形態の密閉型電池であって、
前記外装ケースは貫通孔を有し、前記ケースの外表面であって前記貫通孔の前記ケース外部への開口端を囲む環状部分には、直接または該溶着基面に溶着されたベースフィルムを介して、前記貫通孔に臨む開口を有する封止フィルムが溶着されており、
前記貫通孔は、該貫通孔の前記ケース外部への開口端を前記封止フィルムの外側から覆って取り付けられた本封止部材により本封止されている、密閉型電池。
1 自動車(車両)
10 リチウムイオン電池(密閉型電池)
12 外装ケース
13 ケース本体
18 本封止部材
20 電池組立体
30 捲回電極体(電極体)
40 蓋体
41 貫通孔
41A 外部開口端
41B 内部開口端
42 筒部(貫通孔形成部分)
44 環状部分
45 溶着基面
46 酸化アルミニウム層
52 ベースフィルム(樹脂フィルム)
54 第一封止フィルム(樹脂フィルム、封止フィルム)
54A 下層
54B 芯材層
54C 上層
542 ガス排出孔(開口)
55 溶液プール
56 第二封止フィルム(樹脂フィルム、封止フィルム)
G ガス抜き通路
L レーザ光

Claims (8)

  1. 正極および負極を備える電極体と電解質とが外装ケースに収容された形態の密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルムであって
    前記密閉型電池製造方法は:
    貫通孔を有する外装ケースに前記電極体および前記電解質を収容して電池組立体を構築する工程;
    前記ケースの外表面であって前記貫通孔の前記ケース外部への開口端を囲む環状部分にレーザ照射処理を施して形成された溶着基面に直接または該溶着基面に予め溶着されたベースフィルムを介して封止フィルムを溶着することにより、前記貫通孔を仮封止する工程、ここで、前記ケースのうち少なくとも前記環状部分はアルミニウムまたはアルミニウム合金製であり、前記レーザ照射処理は前記環状部分にレーザを照射して表面を粗化する処理である;
    前記貫通孔を仮封止した状態で前記電池組立体の初期充電を行う工程;および、
    前記初期充電工程の後、前記フィルムに孔を開けて前記ケースの内外を連通するガス抜き通路を形成することにより該ケース内の余剰ガスを外部に排出するガス抜き工程;
    を包含する方法であり
    ここで、前記封止フィルムは、組成の異なる二以上の樹脂層が積層された積層フィルムからなることを特徴とする、密閉型電池製造する方法に用いるための封止フィルム
  2. 正極および負極を備える電極体と電解質とが外装ケースに収容された形態の密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルムであって
    前記密閉型電池製造方法は:
    貫通孔を有する外装ケースの外表面であって該貫通孔の前記ケース外部への開口端を囲む環状部分にレーザ照射処理を施して溶着基面を形成する工程、ここで、前記ケースのうち少なくとも前記環状部分はアルミニウムまたはアルミニウム合金製であり、前記レーザ照射処理は前記環状部分にレーザを照射して表面を粗化する処理である;
    前記外装ケースに前記電極体および前記電解質を収容して電池組立体を構築する工程;
    前記溶着基面に直接または該溶着基面に予め溶着されたベースフィルムを介して封止フィルムを溶着することにより、前記貫通孔を仮封止する工程;
    前記貫通孔を仮封止した状態で前記電池組立体の初期充電を行う工程;および、
    前記初期充電工程の後、前記フィルムに孔を開けて前記ケースの内外を連通するガス抜き通路を形成することにより該ケース内の余剰ガスを外部に排出するガス抜き工程;
    を包含する方法であり
    ここで、前記封止フィルムは、組成の異なる二以上の樹脂層が積層された積層フィルムからなることを特徴とする、密閉型電池製造する方法に用いるための封止フィルム
  3. 請求項1または2に記載の封止フィルムであって、
    該封止フィルムは、下面および上面にポリオレフィン層が配置され、それらポリオレフィン層の間にポリエチレンナフタレート層が配置された積層フィルムからなることを特徴とする、密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルム。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の封止フィルムであって、
    該封止フィルムの下面を構成する樹脂層および上面を構成する樹脂層のうち少なくとも一方にはレーザ吸収材が添加されており、且つ前記封止フィルム全体の厚み方向に対するレーザ透過率が70〜95%であることを特徴とする、密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルム。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の封止フィルムであって、
    前記密閉型電池製造方法において、前記溶着基面には、前記レーザ照射処理により、微細な枝状構造を備えた酸化アルミニウム層が形成されていることを特徴とする、密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルム。
  6. 請求項5に記載の封止フィルムであって、
    前記酸化アルミニウム層の厚さが100nm〜500nmであることを特徴とする、密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルム。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の封止フィルムであって、
    前記密閉型電池製造方法は、前記ガス抜き工程の後、前記封止フィルムの上面に第二の封止フィルムを溶着することにより前記貫通孔を封止する工程をさらに包含する方法であることを特徴とする、密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルム。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の封止フィルムであって、
    前記密閉型電池製造方法は、前記封止フィルムの溶着をレーザ透過溶着法により行う方法であることを特徴とする、密閉型電池を製造する方法に用いるための封止フィルム。
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