JP5174731B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

この発明は、車速に刈取部の駆動速度を連動させる車速連動制御を行うコンバインに関する。
穀稈の刈取作業を行う刈取部への動力を変速する変速装置と、車速を検出する車速検出手段と、車速検出手段により検出された車速に刈取部の駆動速度を連動させる車速連動制御を行う制御部と、切換操作具とを備え、制御部が、切換操作具の操作に基づいて、前記車速連動制御と、車速に関係無く刈取部を一定速で駆動させる掻込制御との切換を行うコンバインが従来公知である。
このようなコンバインによれば、刈取部の駆動スピードを車速に連動させて、効率の良い刈取作業を行うことができる他、車体を停止させた状態から、圃場の穀稈の刈取作業を行う場合等、車速に関係無く刈取部を一定速で駆動させたい場合には、上記掻込制御を行うことにより対応可能であるため、利便性が高いというメリットがある。
ところで、路上から圃場内に車体を進入させる場合、穀稈の押倒しを防止するため、刈取作業を行いながら車体を圃場に進入させることが多い。この際、車体は略停止状態であるため、車体の圃場進入時に刈取部を駆動させる場合には、上記掻込制御を行うことが好ましいが、圃場進入時に効率良く刈取作業を行うために必要な刈取部の駆動速度は、圃場内で掻込制御を行う場合と比べて低速であり、従来公知のコンバインでは、この掻込作業時の刈取部の駆動速度である掻込速度を変更できないため、問題があった。
この問題を改善したものとして、掻込速度を所定条件に基づいて変更可能な特許文献1に示すコンバインが開発され、公知になっている。
特開2005−40108号公報(第5頁、第9図)
しかし、上記文献のコンバインでは、オペレータのスイッチ操作によって掻込速度が変更されるものであり、圃場進入時に効率良く刈取作業を行うためには、掻込制御への切換操作と、掻込速度の減速操作とを同時に行う必要があり、操作が煩雑で、場合によってはオペレータが掻込速度の減速操作を行い忘れることもあり、課題が残る。
本発明は、上記課題を解決し、車速に刈取部の駆動速度を連動させる車速連動制御を行うコンバインにおいて、圃場進入時の刈取作業効率をオペレータの操作を煩雑化させること無く、良好に維持できるコンバインを提供することを課題とする。
上記目的を達成するため本発明のコンバインは、穀稈の刈取作業を行う刈取部4への動力を変速する変速装置46と、車速を検出する車速検出手段38と、車速検出手段38により検出された車速に刈取部4の駆動速度を連動させる車速連動制御を行う制御部58と、切換操作具62とを備え、制御部58が、切換操作具62の操作に基づいて、前記車速連動制御と、車速に関係無く刈取部4を一定速で駆動させる掻込制御との切換を行うとともに、掻込制御時の刈取部4の駆動速度である掻込速度を所定条件に基づいて変更するコンバインにおいて、車体の前傾姿勢を検出する前傾検出手段61を設け、制御部58が、掻込制御時に前傾検出手段61を介して車体の前傾姿勢が検出された場合には、圃場への車体進入時における刈取作業であると判断し、上記掻込速度を自動的に低下させることを特徴としている。
以上のように構成される本発明のコンバインによれば、掻込制御への切換を行った状態で車体を圃場に進入させる際、刈取部の駆動スピードが車速に対して速過ぎることに起因した刈取作業の質低下を抑制するために掻込速度を低下させるにあたり、制御部を介して掻込スピードが自動的に減速されるため、掻込速度の減速操作を行い忘れることによる圃場への車体進入時の刈取作業の質低下を防止できるという効果がある。
本発明を適用したコンバインの側面要部断面図である。 コンバインの前側の構成を示す要部平面図である。 本コンバインの動力伝動系統図である。 本コンバインに搭載されたマイコンのブロック図である。 (A),(B)は、主変速レバーの要部背面図及び側面図である。 前処理部及びフィードチェーンの駆動速度制御をマイコンで行う際の車速と、前処理部及びフィードチェーンの駆動速度との関係を示した特性グラフである。 マイコンが行う前処理部及びフィードチェーンの駆動速度制御の処理フローである。
図1は、本発明を適用したコンバインの側面要部断面図であり、図2は、コンバインの前側の構成を示す要部平面図である。図示するコンバイン(車体)は、左右一対のクローラ式走行装置(走行部)1に支持された機体フレーム2が枠体をなす走行機体3と、走行機体3の前方に配置されて走行機体3に昇降駆動可能に連結された前処理部(刈取部)4とを備えており、走行部1を駆動させて車体を走行駆動させながら、前処理部4によって穀稈の刈取作業を行う。
前処理部4には、自身で刈取った穀稈を走行機体3側に搬送する搬送装置6が設けられている。
走行機体3は、機体フレーム2上の進行方向左(左)側に配設された脱穀装置7と、機体フレーム2上における脱穀装置7の右側方に配置されたグレンタンク8と、機体フレーム2上における脱穀装置7の右側方且つグレンタンク8の前方に設置された操縦部9と、を備えている。
前処理部4から走行機体3側に搬送されてくる穀稈は、フィードチェーン11に渡され、該フィードチェーン11によって脱穀装置7に沿って後方搬送される。この後方搬送過程で、穀稈は、脱穀装置7の扱胴12等からなる脱穀部13によって脱穀処理され、排藁になる。排藁は、排藁搬送体14によって後方搬送され、そのまま又は切断処理されて走行機体3の後端部から機外に排出される。一方、脱穀部13での処理物は、脱穀部13から落下して、揺動選別体16や唐箕ファン17等よりなる脱穀部13下方の選別部18に導入される。選別部18では、処理物が、藁屑等と、籾等の穀粒とに選別される。藁屑等は、走行機体3後端部から機外に排出され、穀粒等は上記グレンタンク8内に搬送収容される。
上記操縦部9は、オペレータが着座する座席19と、座席19の側方に配置された主変速レバー(走行レバー)21と、座席19の側方且つ主変速レバー21の後方に配置された作業クラッチレバー22及び刈取クラッチレバー23とを備えている。
主変速レバー21は、ニュートラル位置での左右揺動によって車体の前後進切換操作を行うとともに、前後揺動によって走行変速操作を行う。具体的には、ニュートラル位置から左右の一方側(図示する例では右側)に傾斜させた状態での前方揺動によって前進方向(進行方向)側への増速操作を行い、左右の他方側に傾斜した状態での後方揺動によって後進方向側への増速操作を行う。
作業クラッチレバー22の前後揺動によって後述の作業クラッチ24(図3参照)の断続操作を行い、刈取クラッチレバー23の前後揺動によって後述の刈取クラッチ26(図3参照)の断続操作を行う。
次に、図2及び3に基づき本コンバインの動力伝動構造について説明する。
図3は、本コンバインの動力伝動系統図である。走行機体3側に設置されたエンジン27の出力軸28には、出力軸28と一体回転する走行プーリ29及び作業プーリ31が取付固定されている。
走行プーリ29の動力は、走行伝動ベルト32を介して、走行変速装置33に入力される。走行変速装置33に入力された動力は、油圧式無段階変速機である走行HST34を介して、走行伝動機構36に無段階で変速伝動され、走行伝動機構36の動力は左右の走行部1,1の各ドライブシャフト37,37に変速伝動されて走行部1を駆動させる。
なお、走行HST34の変速操作軸となるトラニオン軸(図示しない)と、上記主変速レバー21とが連動しているため、上記主変速レバー21の前後進切換操作によって走行HST34を正逆転切換作動させ、主変速レバー21の変速操作によって走行HST34を無段階変速作動させる。すなわち、主変速レバー21のニュートラル位置からの前後揺動角を検知可能なポテンショメータである後述の主変速レバーポテンショ(図4参照)38が、車体の前後進状態と、車体の走行速度である車速とを間接的に検出する車速検出手段になる。ちなみに、上記主変速レバーポテンショ38に代えて、走行伝動機構36に設けられて走行HST34からの動力を走行部1に向かって伝動する伝動軸35の回転数を検出する回転センサ40を設け、この回転センサ40によって、車速を直接的に検出する車速検出手段を構成してもよい。
作業プーリ31の動力は、作業伝動軸39にベルト伝動され、この作業伝動軸39の動力によって、前処理部4、フィードチェーン11、脱穀部13、選別部18、及び排藁搬送体14が駆動される。具体的には、作業プーリ31と、作業伝動軸39と一体回転する作業伝動プーリ41とに掛け回された作業伝動ベルト42によって、エンジン動力が作業伝動軸39に伝動される。この作業伝動ベルト42には、作業伝動ベルト42のテンションを調整するテンションプーリから構成されて作業伝動軸39へのエンジン動力の伝動を断続させる上述の作業クラッチ24が設けられている。この作業クラッチ24は、上記作業クラッチレバー22に連係機構等を介して機械的に連結されている。
作業伝動軸39の一方側は、平面視操縦部9の左斜め後方に設置された刈取ミッションケース43内に動力伝動可能に挿入され、他方側には、この作業伝動軸29と一体回転する脱穀側伝動プーリ44が取付固定されている。この脱穀側伝動プーリ44の動力によって、脱穀部13、選別部18及び排藁搬送体14が駆動される。
刈取ミッションケース43には、油圧式無段階変速機である刈取HST(変速装置)46が取付固定される他、フィードチェーン11側を駆動する左右方向のフィードチェーン駆動軸47と、前処理部4に動力を伝動する左右方向の刈取伝動軸48とが回転自在に支持されている。刈取HST46の入力軸46a及び出力軸46bは刈取ミッションケース43内に挿入され、刈取HST46の変速操作軸となるトラニオン軸46cは、刈取ミッションケース43から上方に向かって軸回りに回動可能に突出している。
作業伝動軸39の動力が上記入力軸46aにギヤ伝動され、この入力軸46aの動力が、刈取HST46を介して、上記出力軸46bに無段階で変速伝動される。そして、この出力軸46bの動力は、フィードチェーン駆動軸47と刈取伝動軸48とに各別にギヤ伝動される。すなわち、刈取HST46が、前処理部4及びフィードチェーン11への動力を変速するように構成されている。
刈取伝動軸48の動力は、刈取駆動軸49にベルト伝動され、前処理部4を駆動させ、穀稈の刈取作業及び搬送作業を行う。具体的には、刈取伝動軸48と一体回転する刈取伝動プーリ51と、刈取駆動軸49と一体回転する刈取駆動プーリ52とに掛け回される刈取伝動ベルト53によって、刈取駆動軸49にエンジン動力が伝動される。この刈取伝動ベルト53には、刈取伝動ベルト53のテンションを調整するテンションプーリから構成されて前処理部4へのエンジン動力の伝動を断続させる上述の刈取クラッチ26が設けられている。この刈取クラッチ26は、刈取クラッチレバー23に連係機構等を介して機械的に連結されている。
上記動力伝動構成により、作業クラッチ24によって前処理部4、フィードチェーン11、脱穀部13及び選別部18等へのエンジン動力の伝動を断続させ、刈取クラッチ26によって前処理部4へのエンジン動力の伝動を断続させる。
また、刈取HST46のトラニオン軸46cは変速モータ54の動力によって回動駆動され、このトラニオン軸46cの回動によって前処理部4の駆動速度及びフィードチェーン11の駆動速度が変更される。ちなみに、トラニオン軸46cの回動角はポテンショメータである位置センサ56によって検知可能であり、このラニオン軸46cの回動角検知を介して前処理部4の駆動速度及びフィードチェーン11の駆動速度が検出可能である。
すなわち、変速モータ54によって、穀稈の刈取・搬送を行う際の前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度を変更する駆動速度変更手段を構成するとともに、位置センサ56によって、穀稈の刈取・搬送速度を行う際の前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度を間接的に検出する駆動速度検出手段を構成している。
なお、刈取伝動軸48には、この刈取伝動軸48の回転数を検出する回転センサよりなる刈取部速度センサ57が設置されており、この刈取部速度センサ57によって前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度を直接的に検出可能である。
次に、図4乃至7に基づき、変速モータ54を介した前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度手段について説明する。
図4は、本コンバインに搭載されたマイコンのブロック図であり、図5(A),(B)は、主変速レバーの要部背面図及び側面図である。上記変速モータ54を介した前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度は、マイコン(制御部)58によって、制御される。
マイコン58の出力側には、変速モータ54が接続される一方で、入力側には、上述の主変速レバーポテンショ38、刈取部速度センサ57及び位置センサ56の他、刈取クラッチ26の断続作動状態を入切により検出する刈取クラッチスイッチ59と、車体(走行機体3)の前後傾斜を検出するジャイロ等により構成される前後傾斜センサ(前傾検出手段,前後傾斜検出手段)61と、主変速レバー21に設置される掻込スイッチ(切換操作具,掻込制御切換操作具)62及び倒伏スイッチ(倒伏制御切換操作具)63と、が接続されている。
掻込スイッチ62は主変速レバー21のグリップ21aの側部に設けられた押ボタン式のモーメンタリスイッチであり、倒伏スイッチ63は主変速レバー21のオペレータとの対向面側である背面側に配置された押ボタン式のオルタネイトスイッチである。
図6は、前処理部及びフィードチェーンの駆動速度制御をマイコンで行う際の車速と、前処理部及びフィードチェーンの駆動速度との関係を示した特性グラフである。マイコン58は、主変速レバーポテンショ38により検出された車速に、前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度を連動させる車速連動制御を、変速モータ54を介して行う。
車速連動制御について具体的に説明すると、車体の後進走行時及び車体の停止時には、前処理部4及びフィードチェーン11の駆動を停止させ、車体の前進走行時には、車速の上昇に比例させて前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度を上昇させる。
また、車速連動制御時に、オペレータが、切状態の倒伏スイッチ63の押操作を行うと、倒伏スイッチ63が入状態(ON状態)で保持され、車速上昇に対する前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度上昇率を増加させて前処理部4及びフィードチェーン11をより高速で駆動させる倒伏状態への切換がマイコン58によって実行される。一方、オペレータが、入状態の倒伏スイッチ63の押操作を行うと、倒伏スイッチ63が切状態(OFF状態)になり、車速上昇に対する前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度上昇率を標準値に戻して前処理部4及びフィードチェーン11を通常速で駆動させる通常状態への切換がマイコン58によって実行される。
また、オペレータが掻込スイッチ62の押操作を行うと、掻込スイッチ62が入状態(ON状態)になり、上記車速連動制御から、車速に関係無く前処理部4及びフィードチェーン11を一定速で駆動させる掻込制御への切換がマイコン58を介して行われる。一方、オペレータが掻込スイッチ62の押操作解除(切操作)を行うと、掻込スイッチ62が切状態(OFF状態)になり、該掻込制御から車速連動制御への切換がマイコン58を介して行われる。ちなみに、掻込スイッチ62が入操作されていても、車速が所定速度以上の場合には、掻込制御への切換は行われずに、車速連動制御が引続き実行されるが、詳細は後述する。
さらに、掻込制御時の前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度である掻込速度は、後述する所定条件に基づき、マイコン58を介して変更される。具体的には、掻込速度を、少なくとも低速と、該低速よりも高速な標準速との2段階で、切換可能になっている。
図7は、マイコンが行う前処理部及びフィードチェーンの駆動速度制御の処理フローである。マイコン58は、処理が開始されると、ステップS1に進む。ステップS1では、主変速レバーポテンショ38を介して車速の読込みを行い、ステップS2に進む。ステップS2では、位置センサ56を介して前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度の読込みを行い、ステップS3に進む。
ステップS3では、掻込スイッチ62の入切状態検出を行い、掻込スイッチ62が切状態であれば、ステップS4に進む。ステップS4では、倒伏スイッチ63の入切状態検出を行い、倒伏スイッチ63が切状態であればステップS5に進み、入状態であればステップS6に進む。ステップS5では、上記車速連動制御を通常状態で実行する制御モードにマイコン58をセットして、ステップS7に進む。ステップS6では、上記車速連動制御を倒伏状態で実行する制御モードにマイコン58をセットして、ステップS7に進む。
ステップS7では、マイコン58が、前段階でセットされた制御モードに従い、変速モータ54を介して、前処理部4及びフィードチェーン11を所定速度で駆動させ、ステップS1に処理を戻す。
ステップS3において、掻込スイッチ62が入状態であれば、ステップS8に進む。ステップS8では、前後傾斜センサ61によって車体が前方に向かって下方傾斜した前傾状態か否かの検出を行い、車体が前傾状態であればステップS9に進み、前傾状態でない後傾斜状態又前後水平状態であればステップS10に進む。
ステップS9では、上記掻込制御を低速で行う制御モードにマイコン58をセットしてステップS11に進む。ステップS10では、上記掻込制御を標準速で行う制御モードにマイコン58をセットしてステップS11に進む。
ちなみに、車体の前傾状態で掻込制御を行うケースとして一番多く想定されるのが、圃場への車体進入時であり、この際には、後述する理由等により、圃場内での掻込制御時の掻込速度(標準速)よりも低速で前処理部4及びフィードチェーン11を駆動させた方が、効率良く穀稈の刈取作業及び搬送作業を行うことが可能であるため、ステップS9においては上述の処理を行う。
すなわち、マイコン58は、掻込制御時に前後傾斜センサ61を介して車体の前傾姿勢が検出された場合には、圃場への車体進入時における刈取作業であると判断し、上記掻込速度を自動的に低下させる処理を行うように構成されている。
ステップS11では、主変速レバーポテンショ38によって、ステップS9又はステップS10でセットした掻込速度が、車速連動制御を行った場合の前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度と比較して低速であるか高速であるかの検出を行い、低速であればステップS7に進み、高速であればステップS4に進む。
ちなみに、ステップS11において比較に用いる「掻込速度」は、ステップS9→ステップS11と処理が進んだ場合には上述の低速になり、ステップS10→ステップS11と処理が進んだ場合には上述の標準速になる。これに対して、ステップS11において比較に用いる「車速連動制御を行った場合の前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度」とは、倒伏スイッチ63が入状態の場合には、車速連動制御を倒伏状態で実行した場合の駆動速度になり、倒伏スイッチ63が切状態の場合には、車速連動制御を通常状態で実行した場合の駆動速度になる。
続いて、圃場への車体進入時に、圃場内での掻込制御時の掻込速度よりも低速で前処理部4及びフィードチェーン11を駆動させた方が、効率の良く穀稈の刈取作業及び搬送作業を行うことが可能な理由について以下に説明する。
通常、圃場内で掻込制御を行う目的は、車体停止状態で前処理部4を駆動させることにあり、これによって、車速連動制御時の車体停止によって前処理部4及びフィードチェーン11の駆動が停止した場合に、刈取状態から搬送状態に完全に移行していない穀稈を、完全に搬送状態に移行させることが可能になる他、フィードチェーン11によって脱穀装置7によって脱穀することも可能になる。以上により、車体走行再開時、完全に刈取状態から搬送状態に移行しきれていない穀稈が搬送装置6等から不測に落下することに起因した穀稈の刈取・搬送作業効率の低下が防止される。そして、穀稈の刈取状態から搬送状態への完全移行を効率良く行うためには、所定以上の掻込速度が要求される。
一方、車体の圃場進入時に、車速連動制御を行うと、主変速レバー21のニュートラル範囲や、回転センサ40における走行開始時から検出開始までのタイムラグ等により、前処理部4の駆動開始が車体の圃場進入開始に遅れ、前処理部4が殆ど停止したまま突っ込んで、圃場の穀稈を倒してしまう。これを防止し、車体の圃場進入開始と同時に前処理部4及びフィードチェーン11を駆動させるべく、上記掻込制御を行うが、この際の車速は非常に低速であるため、掻込速度も、その車速に対応させて低速にする必要がある。以上により、圃場への車体進入時における掻込速度を、圃場内での掻込速度よりも低速に設定する必要がある。
また、上記目的から、前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度が掻込速度を以上であれば、掻込制御を行う必要は無く、むしろこのような場合に掻込制御を行うと、車速に対して前処理部4及びフィードチェーン11の駆動速度が不足して、穀稈の刈取作業及び搬送作業の効率が低下する。このような問題を改善すべく、上記ステップS11の処理を行う。
4 前処理部(刈取部)
46 刈取HST(変速装置,油圧式無段階変速機)
38 主変速レバーポテンショ(車速検出手段)
40 回転センサ(車速検出手段)
58 マイコン(制御部)
61 前後傾斜センサ(前傾検出手段,前後傾斜検出手段)
62 掻込スイッチ(切換操作具,掻込制御切換操作具)

Claims (1)

  1. 穀稈の刈取作業を行う刈取部(4)への動力を変速する変速装置(46)と、車速を検出する車速検出手段と、車速検出手段により検出された車速に刈取部(4)の駆動速度を連動させる車速連動制御を行う制御部(58)と、切換操作具(62)とを備え、制御部(58)が、切換操作具(62)の操作に基づいて、前記車速連動制御と、車速に関係無く刈取部(4)を一定速で駆動させる掻込制御との切換を行うとともに、掻込制御時の刈取部(4)の駆動速度である掻込速度を所定条件に基づいて変更するコンバインにおいて、車体の前傾姿勢を検出する前傾検出手段(61)を設け、制御部(58)が、掻込制御時に前傾検出手段(61)を介して車体の前傾姿勢が検出された場合には、圃場への車体進入時における刈取作業であると判断し、上記掻込速度を自動的に低下させるコンバイン。
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