JP5174711B2 - 鏡の取付け構造 - Google Patents

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本発明は、壁面にバックパネルを介して鏡を取付ける構造に関するものである。
従来から、壁面に合板のようなバックパネルを介して鏡を取付けるものが特許文献1により知られている。
バックパネルは壁面に固着されるもので、該バックパネルの表面下部には上方に開口する断面コ字状をした下嵌め込み支持金具が取付けてあり、また、バックパネルの表面上部には下方に開口する断面コ字状をした上嵌め込み支持金具が上下方向に移動自在に取付けてある。
そして、上嵌め込み支持金具を上方に移動させた状態で、鏡の下端部を上方に開口する断面コ字状の下嵌め込み支持金具に嵌め込むと共に鏡をバックパネルの表面に重ね、その後、上嵌め込み支持金具を下方に移動させて鏡の上端部に被嵌することで、鏡を取付けるようになっている。
ここで、下方に開口する断面コ字状の上嵌め込み支持金具は、上横片の前端から前縦片を垂設すると共に上横片の後端から後縦片を垂設して構成してあり、後縦片は前縦片よりも垂下長さが長く、この後縦片の前縦片よりも下方に位置する部分に縦長孔を形成し、後縦片をバックパネルの表面上部に当接した状態で、ねじ具のような固着具を縦長孔に挿入してバックパネルに固着することで上嵌め込み支持金具を上記縦長孔に沿って上下方向に移動自在に取付けてある。
したがって、上記のように、上嵌め込み支持金具を鏡の上端部に被嵌して鏡を取付けた状態であっても、上嵌め込み支持金具が上方に浮くと鏡の上端部の支持が解除され、鏡が転倒するおそれがある。
そこで、従来、上嵌め込み支持金具を下方に移動して鏡の上端部に被嵌した状態で、上嵌め込み支持金具が上方に浮かないようにするため、L型押え金具を用いて、L型押え金具の水平な押え横片を上嵌め込み支持金具の上面に当接した状態でL型押え金具の垂直な縦固定片を壁面に当接して該縦固定片をビスのような固着具により壁面に固着することが提案されている。
また、上嵌め込み支持金具にばね材を内装して鏡の上端部に被嵌した状態でばね材により弾接して上嵌め込み支持金具が上方に浮き難くしたものもある。
特開平05−076425号公報
しかしながら、上記L型押え金具を用いて上嵌め込み支持金具の浮き上がりを防止する従来例は、L型押え金具の垂直な縦固定片に孔を設け、該孔に固着具を挿入してドライバやハンマーを操作して固着具を壁面に固着するに当たり、ドライバやハンマーの操作方向が垂直な縦固定片に対して直角方向となり、ドライバやハンマーの操作の際に上嵌め込み支持金具が邪魔にならないようにするため、縦固定片の上方への突出長さを長くし、この上方への突出長さの長い縦固定片の上部に固着具を挿入する孔を設けねばならない。したがって、固着具の頭部が鏡の前方に立った人から見え商品全体の外観を損なうという問題がある。また、押え横片は上嵌め込み支持金具の上面に当接しているだけで、固着具を打ち込んでも押え横片が上嵌め込み支持金具の上面に強く押付けられることはなく、上嵌め込み支持金具が上方に若干浮く場合がある。
また、上嵌め込み支持金具にばね材を内装して上嵌め込み支持金具が浮き上がり難くした従来例は、上嵌め込み支持金具がばね材を内装した構成のものであるからコストが高くなるという問題があり、更に、ばね材を内装したものは上嵌め込み支持金具が浮き上がり難くすることはできるが、浮き上がりを完全に防止することはできず、振動や外力が作用すると浮き上がるおそれが残っている。
本発明は、上記の点に鑑みて発明したものであり、上嵌め込み支持金具が上方に浮くのを安価で且つ簡単な構成で防止することができながら、固着具が見え難くして商品全体の外観を損なうことがない鏡の取付け構造を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成となっている。
本発明の鏡の取付け構造は、壁面1に固着したバックパネル2の表面下部に設けた下嵌め込み支持金具3に鏡4の下端部を嵌め込み支持すると共に、バックパネル2の表面上部に上下移動自在に設けた上嵌め込み支持金具5を鏡4の上端部に被嵌するものである。本発明は、上嵌め込み支持金具5を下降させて鏡4の上端部に被嵌した状態で、バックパネル2の上端面の少なくとも一部を上嵌め込み支持金具5の上端面よりも下に位置させて壁面1と上嵌め込み支持金具5との間に凹部6を形成し、前部に押え横片7を備えると共に後部に上程後となるように傾斜した後傾片8を備え且つ後傾片8の下部を押え横片7よりも下方に突出させて鏡押え具11を構成し、該鏡押え具の押え横片7で上嵌め込み支持金具5の上面を押え且つ後傾片8の下部を凹部6に位置させ且つ後傾片8の上端部を壁面1に当接した状態で後傾片8に設けた孔9から固着具10を先端程下となるように斜め下方に向けて壁面1に打ち込んで成ることである。
このような構成とすることで、凹部6に下部を位置させた後傾片8に対して、前方の斜め上方から斜め下方に向けて固着具10を挿入することができ、固着具10の頭部を凹部6内又は凹部6にできるだけ近い位置で挿入することが可能となり、この結果、固着具10の頭部を凹部6内又は凹部6にできるだけ近い位置に位置させることができ、固着具10の頭部を前方から見え難くできる。
また、後傾片8の下端部をバックパネル2の上端面に押し当てることが好ましい。
このような構成とすることで、鏡押え具11は上嵌め込み支持金具5の上面、バックパネル2の上端面、壁面1の3点に接し、この状態で後傾片8に固着具10を挿入することで、各接点の密着度を高め、がたつきを防止して上嵌め込み支持金具5の浮きを確実に防止することができる。
本発明は、上記のように鏡押え具の押え横片で上嵌め込み支持金具の上面を押え且つ後傾片の下部を凹部に位置させ且つ後傾片の上端部を壁面に当接した状態で後傾片に設けた孔から固着具を先端程下となるように斜め下方に向けて壁面に打ち込んであるので、固着具の頭部を凹部内又は凹部にできるだけ近い位置に位置させることができ、この結果、固着具の頭部を前方から見え難くして商品全体の外観を損なわないようにできる。また、従来のばね材を内装した上嵌め込み支持金具を用いる場合に比べ、安価で且つ上嵌め込み支持金具の浮き上がりを確実に防止できて、鏡の転倒を防止できる。
本発明の断面図である。 (a)は同上の鏡押え具の取付け状態を示す拡大断面図であり、(b)は同上の鏡押え具の他の実施形態の取付け状態を示す拡大断面図である。 (a)(b)(c)(d)(e)は同上の取付け順序を示す斜視図である。 同上に用いる鏡押え具の斜視図である。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
図1に示すように、壁面1の表面に合板のようなバックパネル2が固着され、このバックパネル2の表面に鏡4が取付けられる。
バックパネル2には表面下部に下嵌め込み支持金具3が固着してあり、また、表面上部に上嵌め込み支持金具5が固着してある。
下嵌め込み支持金具3は上方に開口する断面コ字状をしており、下横片3aの前端から上方に前縦片3bを突設すると共に下横片3aの後端から上方に後縦片3cを突設して構成してあり、後縦片3cの上方への突出長さが前縦片3bの上方への突出長さよりも長くなっている。そして、後縦片3cをバックパネル2の表面下部に当接し、後縦片3cの上部に設けた孔からねじ具のような固着具10を挿入して下嵌め込み支持金具3をバックパネル2の表面下部に固着してある。
上嵌め込み支持金具5は下方に開口する断面コ字状をしており、上横片5aの前端から下方に前縦片5bを垂設すると共に上横片5aの後端から下方に後縦片5cを垂設して構成してあり、後縦片5cの下方への垂設長さが前縦片5bの下方への突出長さよりも長くなっており、この後縦片5cの下部に上下方向に長い縦長孔5dを設けてある。そして後縦片5cをバックパネル2の表面上部に当接した状態で、縦長孔5dからねじ具のような固着具10を挿入して上嵌め込み支持金具5をバックパネル2の表面上部に固着してあり、縦長孔5dが固着具10に対してスライドすることで、上嵌め込み支持金具5が上下方向に移動自在となっている。
上嵌め込み支持金具5の上横片5aはバックパネル2の上端面よりも上方に突出するようにバックパネル2に上下移動自在に取付けられるもので、上嵌め込み支持金具5を最大限下方に移動させた状態でも上嵌め込み支持金具5の上横片5aはバックパネル2の上端面よりも上方に突出し、バックパネル2を壁面1の表面に重ねて固着した状態で、壁面1と上嵌め込み支持金具5との間に上方に開口する凹部6が形成される。
また、バックパネル2の表面には必要に応じて両面粘着テープ13が貼着してある。
上記の構成のバックパネル2を図3(a)のように、壁面1の表面に重ねて固着具により固着し、バックパネル2の表面に鏡4を取付けるのであるが、鏡4は以下のようにして取付ける。
まず、両面粘着テープ13を貼着している場合は、両面粘着テープ13表面に設けた離型紙16を剥離し、その後、図3(b)のように、上嵌め込み支持金具5を上方に移動させた状態で、鏡4の下端部を上方に開口する断面コ字状の下嵌め込み支持金具3に嵌め込むと共に、鏡4をバックパネルの表面に重ねて両面粘着テープ13で鏡4をバックパネル2の表面に貼付け、その後、図3(c)のように、上嵌め込み支持金具5を下方に移動させて鏡4の上端部に被嵌することで、鏡4を取付ける。
上記のようにして鏡4を取付けた場合、上嵌め込み支持金具5が何らかの理由で上方に移動して嵌め込みが解除されると、鏡4は下端部のみが下嵌め込み支持金具3に支持されているだけなので、倒れるおそれがある。また、両面粘着テープ13による貼付けを併用したものであっても、両面粘着テープ13の粘着が剥がれて倒れるおそれがある。
そこで、本発明においては、鏡押え具11により、鏡4の取付け後に上嵌め込み支持金具5が上方に移動しないようにする。
鏡押え具11は、図4に示すようなもので、前部に設けた水平な押え横片7の後端から下程後となるように傾斜するか又は下方に垂下した下向き片14を連設し、下向き片14の下端から上程後となるように傾斜した後傾片8を連設することで構成してあり、押え横片7よりも下方に位置する後傾片8の下部と下向き片14とでV字状又はレ字状をした下向き突部15を構成している。後傾片8の押え横片7とほぼ同じ高さ位置には孔9が設けてあり、該孔9は後傾片8に対して直交する方向(つまり斜め上方)に開口している。
上記の構成の鏡押え具11を用いて上嵌め込み支持金具5が上方に移動できないようにするには以下のように鏡押さえ具11を取付けることにより行う。
すなわち、図2(a)(b)、図3(e)に示すように、鏡押え具11の押え横片7で上嵌め込み支持金具5の上面を押え且つ下向き突部15を凹部6に位置させ且つ後傾片8の上端部を壁面1に当接した状態で、後傾片8に設けた孔9から固着具10を先端程下となるように斜め下方に向けて壁面1に挿入することにより、鏡押さえ具11を取付ける。
固着具10を斜め下方に挿入することで、後傾片8の上端が壁面1に強く押付けられると共に押え横片7が上嵌め込み支持金具5の上面に強く押付けられて、上嵌め込み支持金具5の上方への移動(浮き)を防止する。
なお、図2(a)に示す実施形態に示すように、凹部6内に位置する下向き突部15の下端、すなわち後傾片8の下端がバックパネル2の上端面に押付けられるようにしてもよく、この場合は、鏡押え具11が上嵌め込み支持金具5の上面、バックパネル2の上端面、壁面1の3点に強く押付けられて密着し、これにより各接点の密着度を高めることができ、より確実に上嵌め込み支持金具5の上方への移動(浮き)を防止することができる。
上記のようにして鏡押え具11を取付けるのであるが、既に述べたように後傾片8に設けた孔9から固着具10を先端程下となるように斜め下方に向けて壁面1に挿入するので、固着具10を打入操作するためのドライバーやハンマーを上嵌め込み支持金具5の上方位置において斜め上方から斜め下方に向けて操作することが可能となり、この結果、固着具10を後傾片8の下部の凹部6内に位置する部分又は後傾片8の凹部6にできるだけ近い位置で挿入することが可能となり、固着具10の頭部を前方から見え難くできる。
添付図面に示す実施形態においては、後傾片8の凹部6にできるだけ近い位置に孔9を設けた例として、前述のように、後傾片8の押え横片7とほぼ同じ高さ位置には孔9を設けた例が示してある。孔9の位置が凹部6内に位置すると、固着具10の頭部が鏡4の前方に立った人から見えないようにできるが、固着具10の打ち込みがややし難くなる。これに対して後傾片8の押え横片7とほぼ同じ高さ位置には孔9を設けると固着具10の打ち込みがし易く、しかも、鏡4は通常、鏡4の前方に立った人の顔を写すものであるから、鏡4の上端は人の頭よりも高い位置となるように取付けられるのが一般的であり、このため、後傾片8の押え横片7とほぼ同じ高さ位置に固着具10の頭部が位置する本実施形態においては、固着具10の頭部が鏡4の前方に立った人から見えないようにできる。
また、鏡押え具11の後傾片8は、上記のように取付けた際、後傾片8の上端が鏡4の前方に立った人から見えないようにするのが好ましい。このため、後傾片8の押え横片7よりも上方に位置する部分の長さを短くする。
1 壁面
2 バックパネル
3 下嵌め込み支持金具
4 鏡
5 上嵌め込み支持金具
6 凹部
7 押え横片
8 後傾片
9 孔
10 固着具
11 鏡押え具

Claims (2)

  1. 壁面に固着したバックパネルの表面下部に設けた下嵌め込み支持金具に鏡の下端部を嵌め込み支持すると共に、バックパネルの表面上部に上下移動自在に設けた上嵌め込み支持金具を鏡の上端部に被嵌する鏡の取付け構造において、
    上嵌め込み支持金具を下降させて鏡の上端部に被嵌した状態で、バックパネルの上端面の少なくとも一部を上嵌め込み支持金具の上端面よりも下に位置させて壁面と上嵌め込み支持金具との間に凹部を形成し、前部に押え横片を備えると共に後部に上程後となるように傾斜した後傾片を備え且つ後傾片の下部を押え横片よりも下方に突出させて鏡押え具を構成し、該鏡押え具の押え横片で上嵌め込み支持金具の上面を押え且つ後傾片の下部を凹部に位置させ且つ後傾片の上端部を壁面に当接した状態で後傾片に設けた孔から固着具を先端程下となるように斜め下方に向けて壁面に打ち込んで成ることを特徴とする鏡の取付け構造。
  2. 後傾片の下端部をバックパネルの上端面に押し当てて成ることを特徴とする請求項1記載の鏡の取付構造。
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