JP5173935B2 - 電子キーシステム - Google Patents

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この発明は、電子キーシステムに関する。
従来の電子キーシステムは、電子キー(携帯機)及び車両間でのIDコード(識別コード)を含む各種信号の送受信を通じてIDコードの照合が成立したときには車両ドア錠の施解錠、エンジン始動等が可能となる。例えば特許文献1に示す電子キーシステムにおいては、車両は、車内に通信エリアを形成する車内アンテナと、車両周辺に通信エリアを形成する車外アンテナと、を備える。車外通信エリアに存在する電子キーと車両との通信を通じてIDコードの照合が成立したときには、ドアロックの施錠状態を切り替える制御がされる。一方、車内通信エリアに存在する電子キーと車両との通信を通じてIDコードの照合が成立したときには、エンジンの始動が許可される。
特開2007−170162号公報
近年の通信技術の発達により、車両から遠く離れた位置に存在するユーザが携帯する電子キーと車両との間で不正に通信がされるおそれがある。例えば、無線通信技術を利用して遠方に存在する電子キーがあたかも車室内外の通信エリアに存在するかのように偽装することが考えられる。この場合、ドア錠の解錠、あるいはエンジン始動許可等の車両側での制御が不正に実行されることが懸念される。特にエンジンの始動が不正に許可状態とされた場合には、車両盗難のおそれがある。こうした電子キーの偽装等の新たな不正手口に対する防犯対策の重要性が高まりつつあるところ、具体的な対策は何ら提案されていない実状があった。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、無線技術を利用した電子キーの存在する位置の偽装等を困難とすることで、よりセキュリティ性を向上させた電子キーシステムを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、ユーザに携帯されて車両側からの要求信号に応じて自身の識別コードを含む応答信号を送信する電子キーと、車両に搭載されて前記要求信号を車両の車室内及び車室外に送信することにより車室内及び車室外に電子キーとの通信エリアを形成する車載機とを備え、前記車載機は車室外通信エリアでの前記電子キーとの無線通信を通じた識別コードの照合が成立したときには車両ドアの解錠を許可し、車室内通信エリアでの電子キーとの無線通信を通じた識別コードの照合が成立したときにはエンジン始動許可状態とする車両用電子キーシステムにおいて、前記車両には同車両の向く方位を検出する車両側方位センサを備え、前記電子キーには、同電子キーの向く方位を検出する電子キー側方位センサと、前記電子キーの動きに伴い生じる加速度及び同加速度の働く方向を検出する加速度検出手段と、を備え、前記電子キーは、前記電子キー側方位センサ及び前記加速度検出手段の検出結果に基づく電子キーの動きの有無並びに動きの方向及び方位を示す運動情報を無線送信し、前記車載機は、前記車室外通信エリアにおいて車外照合が成立した後に、前記車両側方位センサの検出結果に基づく前記車両の方位情報と、前記運動情報に含まれる前記電子キーの動きの方向及び方位を示す情報との組み合わせに基づき前記車両に対する前記電子キーの動きの方向が車内側または車外側のいずれであるかを判断し、前記電子キーに車内側への動きがある旨判断される場合に限り正規のユーザが車両にいると判断してエンジンの始動を許可することをその要旨としている。
同構成によれば、車外照合が成立して車両ドアの解錠が許可された後には、通常、ユーザはドアを開いて座席側に移動して車両に乗り込む。このため、ユーザに携帯される電子キーにも車両に乗り込む動きに応じた車内側への動きが生じる。車載機は車外照合が成立した後に、前記車両の方位情報と、前記運動情報に含まれる前記電子キーの動きの方向及び方位を示す情報とに基づき電子キーに車内側への動きがあると判断したときには、正規のユーザが車内にいるとしてエンジンの始動を許可する。すなわち、車載機は車外照合が成立した後に電子キーの動きがない、動きがあっても車外側への動きであるときには、正規のユーザが実際に車内にいるか否かが不明であるとしてエンジンの始動を許可しない。このように、無線通信を通じた識別コードの照合に加え、乗車時のユーザ(電子キー)の動き及び同動きの方向が適切であるかの認証を行うことで、電子キーの存在する位置の偽装が困難となる。そして、ユーザが車内に確実にいると判断された場合に限りエンジンの始動を許可するため、電子キーシステムのセキュリティ性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、前記車載機は、前記運動情報に含まれる電子キーの動きの有無を示す情報に基づき前記車室内通信エリアにおいて車内照合が成立したときに前記電子キーが静止している旨判断することをエンジンの始動を許可する新たな条件としたことをその要旨としている。
同構成によれば、車内照合が成立したときには、通常、車両に乗り込んだユーザは座席に着座しており、電子キーはユーザに携帯される若しくは車内に放置される。いずれの場合にせよ車内において電子キーは静止している。車載機は前記運動情報に含まれる電子キーの動きの有無を示す情報に基づき電子キーが静止しているかを識別する。車載機は車内照合成立時に電子キーが静止していることをエンジン始動許可の新たな条件としている。すなわち、車内照合が成立したときに電子キーが静止していないと判断された場合には、正規のユーザが実際に車内にいるか否かが不明であるとしてエンジンの始動を許可しない。このように、無線通信を通じた識別コードの照合及び電子キーの車内側への動きの有無に加え、車内照合成立時にユーザ(電子キー)が適切に静止しているかの認証を行うことで、電子キーの存在する位置の偽装が困難となる。そして、ユーザが車内に確実にいると判断された場合に限りエンジンの始動を許可するため、電子キーシステムのセキュリティ性をより向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キー側又は前記車両側にて前記電子キーの車両ドアの解錠した時点からの移動距離を算出するようにして、前記電子キー側で算出する場合には、同電子キーは前記加速度検出手段により検出された加速度に基づき移動距離を算出し、その算出結果を前記運動情報に含ませて送信し、前記車両側で算出する場合には、前記電子キーは前記加速度検出手段の検出結果を前記運動情報に含ませて送信し、前記車載機は前記電子キーからの運動情報に基づき前記電子キーの移動距離を算出して、前記車載機は前記電子キーに車内側への動きがあると判断される場合、さらに前記車両に対する前記電子キーの動きの方向に照らして、前記電子キーの前記移動距離の移動先の地点が車室内に存在する旨判断することをエンジンの始動を許可する新たな条件としたことをその要旨としている。
同構成によれば、車載機は車両に対する電子キーの動きの方向に照らして電子キーの制御装置又は自身により算出される電子キーの移動距離の移動先の地点が車室内に存在するか否かを判断する。従って、車載機は電子キーが車内側へ動いたものの、移動距離が大きすぎて、移動先の地点が車室外となると判断したときには、正規の電子キーが車両の周辺に存在するのかが不明であるとして、エンジンの始動を許可しない。これにより、ユーザが所持する正規の電子キーの電波傍受等による不正なエンジン始動が防止でき、より電子キーシステムのセキュリティ性を高めることができる。
本発明によれば、電子キーシステムにおいて、無線技術を利用した電子キーの存在する位置の偽装等を困難とすることで、よりセキュリティ性を向上させることができる。
本実施形態における電子キーシステムの構成図。 本実施形態における(a)は検出された合成した加速度の推移と、その加速度における運動状態並びに静止状態の判断基準を示したグラフ、(b)は所定軸方向における検出された加速度を示したグラフ。 本実施形態における車外の両通信エリアを示した概略図。 本実施形態における第1の通信エリア付近を示した図3の拡大図。 本実施形態における第2の通信エリア付近を示した図3の拡大図。 本実施形態におけるエンジン始動制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 他の実施形態におけるエンジン始動制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
以下、本発明にかかる電子キーシステムについて図1〜図6を参照して説明する。
図1に示されるように、電子キーシステム1は、車両2の運転者によって所持される電子キー10と、車両2に配設された車載装置20とを備えている。電子キー10と車載装置20との間で自動的に相互通信が行われ、その相互通信が車外及び車内にて成立したことを条件としてドア錠の施解錠及びエンジンの始動が制御される。
<電子キー10>
電子キー10は、無線通信機能を有し、車載装置20との相互通信を通じて、車載機器の制御を行う。電子キー10は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットによって構成された電子キー制御部11と、その電子キー制御部11に電気的に接続されてLF帯の無線信号を受信するLF受信部12と、UHF帯の無線信号を送信するUHF送信部13と、電子キー10の動きを加速度として検出する加速度センサ18と、地磁気を利用して自身の向く方位を検出する電子キー側方位センサ16とからなる。
LF受信部12は、車載装置20から送信されるLF帯の無線信号である要求信号を受信すると、同要求信号をパルス信号に復調し、復調された復調信号を電子キー制御部11へ出力する。電子キー制御部11には例えばEEPROM等からなる不揮発性のメモリ11aが設けられ、そのメモリ11aには電子キー10固有のIDコードが登録されている。電子キー制御部11は、LF受信部12から復調信号が入力されると、受信データを読み取るとともに、メモリ11aに登録されたIDコードを含む応答信号をUHF送信部13へ出力する。そして、電子キー10は、UHF送信部13を介してUHF帯の無線信号である応答信号を車載装置20へ送信する。
電子キー側方位センサ16は自身の向く方位に応じた電圧(信号)を電子キー制御部11に出力する。電子キー制御部11は電子キー側方位センサ16からの電圧(信号)に基づき、電子キー10の方位を算出する。この方位はUHF送信部13を介してUHF帯の方位情報信号として車載装置20へ送信される。
加速度センサ18はLF受信部12が要求信号を受信すると起動する。なお、加速度センサ18は電子キー10に内蔵可能であって3軸方向に加速度が検出できれば、機械式、光学式、半導体式等何れのタイプであってもよい。加速度センサ18は電子キー10に生じる加速度及び同加速度が働く方向に応じた各軸の信号(電圧値)を検出結果として電子キー制御部11に出力する。電子キー制御部11はこの検出結果に基づき電子キー10が動きのある運動状態であるか、及び静止している静止状態であるか、並びに電子キー10の動きの方向を判断する。
ここで、電子キー10の運動状態及び静止状態について具体的に説明する。ユーザは車両2のドア錠が解錠された後に、車両ドアハンドルを操作することで車両ドアを開いて運転席又は助手席側に乗り込む。すなわち、ユーザは、車両ドアハンドルを操作して車両ドアを開くときの静止状態(立ち止まっている状態)から運転席又は助手席側に移動しつつ、運転席又は助手席に着座するまでの動きのある運動状態を経て着座して再び静止した状態となる。ユーザが携帯する電子キー10の動きの状態も、ユーザの状態に応じて静止状態から運動状態、そして再び静止状態へと変化する。なお、この電子キー10の動きは、電子キー10がユーザの衣服のポケットに収納されている場合、又はユーザが運転席又は助手席に着座した後に、電子キー10が収納されたバッグ若しくは直接に電子キー10が車内に放置される場合を前提としている。
電子キー10の状態が例えば、静止状態から運動状態へ変化する場合、同電子キー10には、その動き及びその方向に応じた加速度が生じる。したがって、電子キー制御部11は電子キー10に生じる加速度に基づき電子キー10の動きの状態が、運動状態または静止状態のいずれであるか、並びにそのときの電子キー10の動きの方向の判断が可能である。加速度センサ18(電子キー10)により検出される各軸方向における加速度を合成したグラフの例を図2(a)に示す。
電子キー制御部11は、図2(a)に示されるように、第1の設定時間T1に亘って第1の設定範囲Aを逸脱した加速度が加速度センサ18により検出されたときには電子キー10がユーザの乗車に伴う動きのある運動状態であると判断する。この第1の設定時間T1及び第1の設定範囲Aは、電子キー制御部11のメモリ11aに予め記憶されている。第1の設定時間T1及び第1の設定範囲Aは、シミュレーションにより計測される、ユーザがドアを開けてから運転席又は助手席に乗り込むまでに要する時間及びそのとき電子キー10に加わる加速度に基づき設定される。すなわち、検出される加速度が第1の設定範囲A内である場合若しくは、第1の設定範囲Aを逸脱しても第1の設定時間T1に亘って加速度が検出されない場合には、電子キー制御部11はユーザが運転席又は助手席に乗り込む動作をしていない、すなわち電子キー10は運動状態ではないと判断する。
電子キー制御部11は、図2(a)に示されるように、第2の設定時間T2に亘って第2の設定範囲Bを逸脱した加速度が加速度センサ18により検出されないときには、電子キー10は静止状態であると判断する。この第2の設定時間T2及び第2の設定範囲Bは電子キー制御部11のメモリ11aに予め記憶されている。また、第2の設定範囲Bは、シミュレーションにより計測される、電子キー10を車内に放置したとき電子キー10に加わる加速度に基づき設定されている。第2の設定時間T2は電子キー10が車内に放置されているのか、それとも一時的に静止しているのかを判別可能とされる時間に設定されている。すなわち、第2の設定時間T2に亘って第2の設定範囲Bを逸脱した加速度が加速度センサ18により検出されたときには、電子キー制御部11は電子キー10が静止状態でないと判断する。また、電子キー10の各軸方向における動きの方向は加速度センサ18の各軸方向の信号(電圧値)のプラス、マイナスで判断可能である。例えば、図2(b)に示すように、加速度センサ18の所定軸方向の信号(電圧値)がプラスであるときと、マイナスであるときとでは、電子キー10の動きは同一の軸方向において反対方向となる。すなわち、例えば図3に2点鎖線で示すように、車両2の右側方に電子キー10が位置して、車両2幅方向に所定軸方向が延びる場合には、所定軸上において同一の加速度で移動しても車内側及び車外側とではプラス、マイナスで異なる信号(電圧値)がでる。電子キー制御部11は各軸方向における加速度に加え、信号(電圧値)のプラス、マイナスを識別することで、加速度の生じる方向、ひいては電子キー10の動く方向を判断することができる。
電子キー10の運動状態及び静止状態、並びに動きの方向の判断結果は、UHF送信部13を介して電子キー10の運動情報信号として車載装置20へ送信される。この運動情報信号は運動状態及び静止状態である旨判断される毎に電子キー10の動きの方向の情報とともに電子キー10から車載装置20へ送信される。
ここで、LF受信部12が一定時間に亘って要求信号を受信しないときには、加速度センサ18の検出結果は必要ないとして同加速度センサ18に電力が供給されない。これにより、加速度センサ18の動作に費やす無駄な電力を削減できる。ここで、エンジンが始動した後にはドアが開かれる等の所定時を除いては要求信号が出力されない。このため、エンジン始動後には基本的にLF受信部12は要求信号を受信せず、加速度センサ18に電力が供給されることはない。
<車載装置20>
車載装置20は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットを備えて構成されている。車載装置20は図1に示すように、前記ドア錠を含む各種の車載機器を制御する車載制御部21と、その車載制御部21に電気的に接続された車外送信部22と、車内送信部23と、車載受信部24と、地磁気を利用して自車の向く方位を検出する車両側方位センサ25とを備えている。
車外送信部22は、図3に示すように、車両2の両フロントドアのドアハンドルに設けられる。車外送信部22は、車載制御部21から要求信号が入力されると、その要求信号を所定周波数(LF帯)の無線信号に変調して、予め設定された間欠周期で車外送信アンテナ22aを介して車両2の周辺(車外)に送信する。この要求信号が送信されるエリアは、図3に一点鎖線で示すように、右側フロントドアの側方に形成される車両上方からみて底辺が車両2の側部に沿う半円形の第1の通信エリア31と、左側フロントドアの側方に形成される同じく車両上方からみて底辺が車両2の側部に沿う半円形の第2の通信エリア32とからなる。
車載受信部24は、受信アンテナ24aを介して電子キー10から送信される応答信号、運動情報信号及び方位情報信号を受信すると、これら信号をパルス信号に復調し、この復調信号を車載制御部21へ出力する。
車両側方位センサ25は自車の向く方位に応じた電圧(信号)を車載制御部21に出力する。車載制御部21は車両側方位センサ25からの電圧(信号)に基づき、車両2の進行方向の方位を算出する。
車載制御部21は例えばEEPROM等からなる不揮発性のメモリ21aを備え、そのメモリ21aには対応する電子キー10に設定されたIDコードと同一のIDコード、並びに後述するエンジン始動制御プログラムが記憶されている。車載制御部21は、車外送信部22及び車内送信部23に対して要求信号を間欠的にそれぞれ異なるタイミングで出力する。そして、車載制御部21は、車外送信部22及び車内送信部23を通じて送信した要求信号に応答して電子キー10から送信された応答信号が車載受信部24によって受信されると、その応答信号に含まれるIDコードとメモリ21aに記録されたIDコードとの照合を行う。この際、車載制御部21は、電子キー10から送信された応答信号が車外送信部22、車内送信部23のどちらから送信された要求信号に応答したものであるかに基づいて、電子キー10が車外及び車内のいずれに存在するかを判断する。なお、車外送信部22を介して電子キー10とのIDコードの照合を行うことを車外照合と、車内送信部23を介して電子キー10とのIDコードの照合を行うことを車内照合という。
また、車載制御部21は電子キー10側からの方位情報信号に含まれる電子キー10の方位、及び電子キー10側からの運動情報信号に含まれる電子キー10が動く方向を総合して電子キー10がどの方位に動いたかを算出する。さらに、その算出結果と車両2の方位とを組み合わせることで車両2に対する電子キー10の動きの方向を判断することができる。この車両2に対する電子キー10の動きの方向により、電子キー10の動きが車内側若しくは車外側の何れであるかを判断する。
具体的には、図4に示すように、例えば第1の通信エリア31において車外照合が成立した後、車載制御部21は、電子キー10の表面10a(例えばエンブレムが刻印される面)側から当該表面10aに対し垂直方向へ電子キー10が動く旨の運動情報信号と、電子キー10の表面10aが北西を向いている旨の電子キー10の方位情報信号と、を受けたとする。車載制御部21は、図4に示すように、両情報信号に基づき電子キー10の動く方位すなわち電子キー10は北西に動いていると判断する。さらに、車載制御部21は、車両側方位センサ25の検出結果に基づき車両2の進行方向が北を向いている旨認識すると、電子キー10の北西方向への動きは車両2に対して車内側への動きであるか、車外側への動きであるか判断する。車載制御部21は、電子キー10の北西方向への動きには、西方向成分の動きを含んでいるとして電子キー10は車内側へ動いていると判断する。また、同じく車両2の進行方向が北向きであって、例えば電子キー10に南東方向への動きがあると判断された場合には、車載制御部21は電子キー10の動きに東方向成分を含んでいるとして電子キー10は車外側へ動いていると判断する。
なお、車両2の進行方向により、第1の通信エリア31における車両2の車内側及び車外側の方位は異なる。例えば、車両2の進行方向が東向きの場合には北側が車内側となり、南側が車外側となる。
一方、第2の通信エリア32と第1の通信エリア31とでは、たとえ電子キー10が同じ方位を向いていても異なる判断をする。すなわち、図5に示すように、例えば第2の通信エリア32において車外照合が成立した後、車載制御部21は電子キー10が北西に動いている旨判断する。車載制御部21は、車両側方位センサ25の検出結果に基づき車両2の進行方向が北を向いている旨認識すると、電子キー10の北西方向への動きは西方向成分の動きを含んでいるとして電子キー10は車外側へ動いていると判断する。また、同じく車両2の進行方向が北向きであって、例えば電子キー10に南東方向への動きがあると判断された場合には、車載制御部21は電子キー10の動きに東方向成分を含んでいるとして電子キー10は車内側へ動いていると判断する。
なお、第1の通信エリア31と同様に、車両2の進行方向により、第2の通信エリア32における車両2の車内側及び車外側の方位は異なる。例えば、車両2の進行方向が東向きの場合には北側が車外側となり、南側が車内側となる。
また、車載制御部21には、アウトサイドドアハンドル(図示略)にそれぞれ設けられたドアハンドルセンサ36及びロックスイッチ37、並びに車内における運転席近傍に設けられたエンジンスイッチ33、並びにドアロック装置34及びエンジン制御装置35が電気的に接続されている。なお、ドアロック装置34は、ドア錠を自動的に施解錠する装置であり、車載制御部21から解錠信号が入力されるとドア錠を解錠し、施錠信号が入力されるとドア錠を施錠する。このドアロック装置34は、ドア錠の施解錠状態を示す施解錠状態信号を車載制御部21へ出力する。エンジン制御装置35は、図示しないセルモータに接続され、車載制御部21から駆動信号が入力されると同セルモータを駆動してエンジンを始動させるとともに、エンジンの駆動状態を示すエンジン状態信号を車載制御部21へ出力する。車載制御部21は、車両2の周辺においてID照合が成立すると、ドア錠解錠許可状態となる。そして、車載制御部21は、この状態においてドアハンドルセンサ36から、アウトサイドドアハンドルに対する人の接触を検出した旨の検出信号が入力されると、ドアロック装置34に対して解錠信号を出力してドア錠を解錠させる。また、こうしたドア錠の解錠状態においてロックスイッチ37から操作信号が入力されると、車載制御部21は、ドアロック装置34に対して施錠信号を出力してドア錠を施錠させる。
次に、車載制御部21による車両ドア錠の解錠からエンジン始動までの処理手順について図6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。当該フローチャートは、車載制御部21のメモリ21aに予め格納されたエンジン始動制御プログラムに従って実行される。
車載制御部21は、車外においてIDコード照合が成立したとき(S101でYes)には、ドアロック装置34を介してドア錠の解錠を許可する(S102)。そして、前述のように車載制御部21は、この状態においてドアハンドルセンサ36から、アウトサイドドアハンドルに対する人の接触を検出した旨の検出信号が入力されると、ドアロック装置34に対して解錠する旨の指令信号である前記解錠信号を出力してドア錠を解錠させる(S103)。一方、車外においてIDコード照合が成立しない(S101でNo)場合には、車両2の周辺に電子キー10を携帯するユーザはいないとして、車載制御部21はエンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。
車載制御部21は、ドア錠が解錠されると電子キー10からの運動情報信号に基づき電子キー10が運動状態であるか否かの判断する(S104)。車載制御部21は電子キー10が運動状態である旨判断すると(S104でYes)、電子キー10は車内側に動いているかどうかを判断する(S105)。この車外照合が成立した後に電子キー10が運動状態であることがエンジンの始動許可の第1の条件とされる。次に、電子キー10が車内側に動いていると判断する(S105でYes)とその電子キー10の動きはユーザが運転席又は助手席に乗り込む動作であるとする。この電子キー10の動きが車内側であることがエンジンの始動許可の第2の条件とされる。そして、車載制御部21はユーザが運転席又は助手席に乗り込む動作が行われたとして、車内照合の成否を判断する(S106)。
一方、車載制御部21は電子キー10が運動状態でない旨判断すると(S104でNo)と、ユーザは運転席又は助手席に乗り込む動作をしていない、すなわち車内にいないと判断して(S112)、車室内照合を行わずにエンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。同様に車載制御部21は電子キー10が車外側に動いていると判断する(S105でNo)と、ユーザは運転席に乗り込む動作をしておらず、ユーザは車内にいないと判断して(S112)、車室内照合を行わずにエンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。従って、車載装置20がたとえ電子キー10が運動状態である旨の運動情報信号を受けても、電子キー10に車内方向への動きがないとエンジン始動許可状態とはならない。これにより、車両2から離れた位置において、静止しているユーザが所持する電子キー10の電波傍受等による不正な車室内照合が防止できる。また、車外照合の成立後に電子キー10に運動状態が検出されないとき、及び車内側への動きが検出されないときには車内照合を行わないため、無駄な通信及び照合をすることなく、特に電子キー10の電池の消耗を抑制できる。
S106において、車内照合が成立しない(S106でNo)場合には、車載制御部21はユーザが車内にいないと判断して(S112)、エンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。
車載制御部21は、車内においてIDコード照合が成立したと判断する(S106でYes)と、電子キー10からの運動情報信号に基づき電子キー10が静止状態であるかを判断する(S107)。車載制御部21は電子キー10が静止状態でない旨判断したとき(S107でNo)には、ユーザが車内にいないと判断して(S112)、エンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。車載制御部21は電子キー10が静止状態である旨判断すると(S107でYes)、正規のユーザは車内にいると判断する(S108)。
このように、車内照合が成立したときに電子キー10が静止状態であることがエンジンの始動許可の第3の条件とされる。これにより、例えば車両2から遠く離れた位置で歩く等しているユーザの所持する電子キー10の電波傍受等による不正なエンジンの始動が防止される。そして、車載制御部21は、エンジン始動許可状態とし(S109)、ブレーキの踏み込みを検知した状態でエンジンスイッチ33から操作信号が入力されたことを条件として(S110)、エンジン制御装置35に対して駆動信号を出力してエンジンを始動させる(S111)。以上でエンジン始動制御プログラムは終了する(エンド)。
以上のように、第1〜第3の条件を満たした場合、つまりは実際にドアを開けて車内に乗り込み着座するという通常行われる動作が行われたと判断された場合に限り正規のユーザが車内に存在するとしてエンジンの始動を許可することで、電子キーシステム1のセキュリティ性を向上させることができる。
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)車外照合が成立して車両ドアの解錠が許可された後には、通常、ユーザはドアを開いて座席側に移動して車両に乗り込む。このため、ユーザに携帯される電子キー10にも車両に乗り込む動きに応じた車内側への動きが生じる。車載制御部21は車外照合が成立した後に、前記車両の方位情報と、前記運動情報に含まれる前記電子キー10の動きの方向及び方位を示す情報とに基づき電子キー10に車内側への動きがあると判断したときには、正規のユーザが車内にいるとしてエンジンの始動を許可する。すなわち、車載制御部21は車外照合が成立した後に電子キー10の動きがない、動きがあっても車外側への動きであるときには、正規のユーザが実際に車内にいるか否かが不明であるとしてエンジンの始動を許可しない。このように、無線通信を通じた識別コードの照合に加え、乗車時のユーザ(電子キー10)の動き及び同動きの方向が適切であるかの認証を行うことで、電子キー10の存在する位置の偽装が困難となる。そして、ユーザが車内に確実にいると判断された場合に限りエンジンの始動を許可するため、電子キー10システムのセキュリティ性を向上させることができる。
(2)車内照合が成立したときには、通常、車両に乗り込んだユーザは座席に着座しており、電子キー10はユーザに携帯される若しくは車内に放置される。いずれの場合にせよ車内において電子キー10は静止している。車載制御部21は電子キー10側からの運動情報信号に基づき電子キー10が静止しているかを識別する。車載制御部21は車内照合成立時に電子キー10が静止していることをエンジン始動許可の新たな条件としている。すなわち、車内照合が成立したときに電子キー10が静止していないと判断された場合には、正規のユーザが実際に車内にいるか否かが不明であるとしてエンジンの始動を許可しない。このように、無線通信を通じたIDコードの照合及び電子キー10の車内側への動きの有無に加え、車内照合成立時にユーザ(電子キー10)が適切に静止しているかの認証を行うことで、電子キー10の存在する位置の偽装が困難となる。そして、ユーザが車内に確実にいると判断された場合に限りエンジンの始動を許可するため、電子キーシステム1のセキュリティ性をより向上させることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態においては、車載制御部21は電子キー10が運動状態であって(S104でYes)、そのとき電子キー10の動きの方向が車内側であれば(S105でYes)、ユーザが運転席又は助手席に乗り込む動作であると判断して、図6に示すフローチャートにおいて次のステップ(S107)に進む。しかし、電子キー10の運動状態及び動きの方向のみならず、次のステップ(S107)に進む新たな条件として電子キー10の移動距離が適切であることを付加してもよい。
詳しくは、ユーザが運転席又は助手席に乗り込む直前にドアハンドルを操作してドアを開くときにはユーザは立ち止まると想定して、例えば、ドア解錠状態(S103)となった時点における電子キー10(ユーザ)の速度をゼロとする。電子キー制御部11はその速度ゼロと想定される時点からの加速度変化を積分することにより、電子キー10の移動距離を演算することができる。なお、車載制御部21はドア解錠状態となった旨の信号を、車外送信部22を介して電子キー10側に出力することで、電子キー制御部11はドア解錠状態となった時点を検知することができる。電子キー制御部11が算出した移動距離は電子キー10の動きの運動情報信号に含まれて車両2側に送信される。車載制御部21は図6のS105に示す車内側への動きがあるか否かを判断した後に運動情報信号に含まれる電子キー10の移動距離が所定値以下であれば、適切と判断する。換言すると、電子キー10の移動距離が所定値以下であれば、電子キー10の移動先の地点は車室内に位置していることになる。この所定値は、車両2に対する電子キー10の動きの方向及び上方からみた車室内面積によって決まる。一方、電子キー10の移動距離が所定値以上の場合には、たとえ電子キー10が車内側に動いていても、電子キー10の移動先の地点が車室内に位置しない旨判断される。その場合には、ユーザが車内にいないと判断して(S112)、エンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。なお、電子キー制御部11に限らず車載制御部21が電子キー10からの各種情報信号に基づき移動距離を算出してもよい。
具体的には、例えば、車載制御部21は図4に2点鎖線で示すように、電子キー10が車内側に移動している場合でも、電子キー10の移動先の地点Pが車室内を過ぎて車室外となったときには、正規の電子キー10を携帯するユーザが車両2の周辺に存在するのかが不明であるとして、エンジンの始動を許可しない。このように、電子キー制御部11又は車載制御部21は電子キー10の移動方向(移動方位)と移動距離とを併せて判断することで、電子キー10が車室内にあるか否かの判断をより確実なものとできる。これにより、ユーザが所持する電子キー10の電波傍受等による不正な車室内照合が防止でき、電子キーシステム1のセキュリティ性が高まる。
また、上記のように電子キー制御部11又は車載制御部21は電子キー10の移動距離を演算しなくても、上限時間T3を設定することで、上記と同様の効果が得られる。ここで、上限時間T3は、第1の設定範囲Aを逸脱する加速度が持続したときに、電子キー10が車室内に存在できうる限界の時間に設定されている。すなわち、例えば第1の設定範囲Aを逸脱する状態が第1の設定時間T1を経過して、さらに上限時間T3を経過したときには、前記同様に電子キー10を携帯するユーザが車室内にいないと判断して(S112)、車載制御部21はエンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。なお、この上限時間T3を設定しつつ、上述の電子キー10の移動距離を演算して、両者により電子キー10を携帯するユーザが車室内にいるか否かを判断することもできる。これにより、判断の精度がいっそう高まる。
・上記実施形態においては、図6のフローチャートに示すように、車載制御部21はS107において電子キー10が静止状態でない旨判断したときには、ユーザが車内にいないと判断して(S112)、エンジン始動制御プログラムを終了していた(エンド)。しかし、車載制御部21は電子キー10が静止状態でない旨判断した(S107でNo)場合であっても、車内において例えばユーザが電子キー10を手にしたまま、エンジンスイッチ33を押下する等の動作をしていることがある。このように、車内照合成立後にユーザが車内にいるにも関わらず静止状態でないとされた場合であっても、図1に2点鎖線で示されるように、電子キー10に設けられるトランスポンダ19と、車載装置20の例えばエンジンスイッチ33に内蔵されるイモビライザ通信機29との間で通信が成立したときには、ユーザが車内にいると判断するようにしてもよい。詳しくは、図7のフローチャートに示すように、S107でNoとなった場合には、車載制御部21は電子キー10をエンジンスイッチ33近傍にかざすことを要求する旨を例えば車載ディスプレイに表示等してユーザに知覚させる。それと同時に車載制御部21はイモビライザ通信機29を介して通信エリア(エンジンスイッチ33の近傍)に駆動電波を送信する(S150)。トランスポンダ19は駆動電波を受けて起動して自身のIDコードを含むトランスポンダ応答信号を送信する。そして、車載制御部21はイモビライザ通信機29を介して受信したトランスポンダ応答信号に含まれるIDコードとメモリ21aに記録されたIDコードとの照合を行う(S151)。車載制御部21はIDコードの照合が成立した場合(S151でYes)には、たとえ、S107でNoとなった場合であってもユーザが車内にいると判断する(S108)。そして、その後は図6のフローチャートと同様に車載制御部21はエンジンを始動許可状態とし、ブレーキの踏み込みを検知した状態でエンジンスイッチ33から操作信号が入力されたこと等を条件として(S109)エンジンを始動させる(S110)。以上でエンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。一方、車載制御部21はトランスポンダ19及びイモビライザ通信機29間でIDコードの照合が成立しなかった場合(S151でNo)には、ユーザが車内にいないと判断して(S112)、エンジン始動制御プログラムを終了する(エンド)。このように、S107でNoとなった場合であっても、トランスポンダ19及びイモビライザ通信機29間の通信を通じて照合が成立したときにはユーザが車内にいると判断される。これにより、ユーザが車内にいるか否かの判断をいっそう確実にできる。
・上記実施形態においては、第1の設定時間T1に亘って第1の設定範囲Aを逸脱した加速度が検出されたときに電子キー10は運動状態であると判断していたが、第1の設定時間T1を省略してもよい。この場合には第1の設定範囲Aを逸脱した加速度が検出されれば電子キー10は運動状態である旨判断される。また、同様に第2の設定時間T2に亘って第2の設定範囲Bを逸脱した加速度が加速度センサ18により検出されないとき電子キー10は静止状態である旨判断していたが、第2の設定時間T2を省略してもよい。この場合には第2の設定範囲B内の加速度が検出されれば電子キー10は静止状態であると判断される。このように、両設定時間T1,T2を省略することで、電子キー10の運動状態及び静止状態の判断をより迅速にできる。また、両設定時間T1,T2の長さも適宜変更可能である。
・上記実施形態においては、電子キー制御部11は、加速度センサ18により検出された加速度に基づき電子キー10の運動状態、動きの方向及び静止状態を判断していた。しかし、車載制御部21が加速度センサ18による検出結果に基づき電子キー10の運動状態、動きの方向及び静止状態の判断を行ってもよい。この場合には、電子キー制御部11にて運動状態、動きの方向及び静止状態の判断することなく、加速度センサ18の検出結果はUHF送信部13を介して車載制御部21に送信される。
・上記実施形態においては、LF受信部12が一定時間に亘って要求信号を受信しないときには、加速度センサ18の検出結果が必要ないとして同加速度センサ18には電力が供給されないこととしたが、加速度センサ18には常に電力を供給していてもよい。この場合には、図6におけるS101の車外照合が成立したときに、確実に運動状態の判断に供される加速度センサ18による加速度の検出が可能となる。
・上記実施形態においては、図6のフローチャートに示されるように、S106の車内照合が成立した後、S107にて電子キー10が静止状態であるか否かを判断していた。しかし、S106の車内照合と同時に、又はS106の車内照合より前に、S107の電子キー10が静止状態であるか否かを判断してもよい。この場合には、電子キー10が静止状態でないのにも関わらず、車内照合が成立したときには、不正な車内照合であるとして車載制御部21は、例えば図示しない警報装置を通じた警告音にてユーザ等に注意を喚起するようにしてもよい。また、S112でユーザが車内にいないと判断したときにも、警告音にてユーザ等に注意を喚起するようにしてもよい。
・上記実施形態においては、図6のフローチャートに示されるように、S104において車載制御部21は運動状態であるかを判断した後に、S105において車内側への動きであるかを判断していた。しかし、車載制御部21は運動状態であるかの判断(S104)と、車内側への動きであるかの判断(S105)とを同時に行ってもよい。
・上記実施形態においては、車内照合の成立(S106でYes)の後に電子キー10が静止状態であるかの判断を行っていた。しかし、車内照合の成立(S106でYes)の後に加えてエンジンスイッチ33の操作時にも再び電子キー10が静止状態であるかの判断を行ってもよい。この場合には、エンジンを始動させるにあたりエンジンスイッチ33の操作時にも電子キー10が静止状態である、すなわち車内にあることが要求されるため、さらなる電子キーシステム1のセキュリティ性の向上につながる。また、車内照合の成立(S106でYes)の後の静止状態であるかの判断を省略して、エンジンスイッチ33の操作時にのみ電子キー10が静止状態であるか判断を行ってもよい。
・上記実施形態においては、エンジンが始動した後には基本的に要求信号が出力されないため、加速度センサ18に電力が供給されず、結果的に加速度センサ18の動作に費やす無駄な電力を削減できていた。しかし、これに限らず、車載制御部21はエンジンが始動した時に車外送信部22を介して電子キー10にエンジンが始動した旨の信号を出力して、当該信号に基づき電子キー10は積極的に加速度センサ18への電力の供給を停止してもよい。この場合にはエンジン始動後において、迅速に加速度センサ18への電力の供給が停止され、加速度センサ18の消費電力をより抑えることができる。
・上記実施形態においては、車載制御部21は電子キー10側からの方位情報信号に含まれる電子キー10の方位、及び電子キー10側からの運動情報信号に含まれる電子キー10が動く方向を総合して電子キー10がどの方位に動いたかを判断していた。しかし、電子キー制御部11が、電子キー10がどの方位に動いたかを判断してもよい。この場合には、電子キー10は当該判断結果を電子キー10の方位情報信号及び運動情報信号に含まれる電子キー10が動く方向を示す情報に代えて、情報信号として車両2側に送信する。
・上記実施形態においては、第1の設定時間T1に亘って第1の設定範囲Aを逸脱した加速度が検出されたときには電子キー10が運動状態であると判断し、第2の設定時間T2に亘って第2の設定範囲Bを逸脱した加速度が検出されないときには、電子キー10は静止状態であると判断していた。しかし、両設定範囲A,Bを共通した同一の新たな設定範囲として設定してもよい。この場合には第1の設定時間T1に亘って新たな設定範囲を逸脱した加速度が検出されたときには電子キー10が運動状態であると判断し、第2の設定時間T2に亘って新たな設定範囲を逸脱した加速度が検出されないときには、静止状態であると判断する。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3の何れか一項に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キー側又は前記車両側にて前記電子キーの動きの有無及び静止しているか否かの判断をして、前記電子キー側で判断する場合には、同電子キーの制御装置は前記加速度検出手段により検出された加速度が第1の設定範囲を逸脱するときには前記電子キーの動きはあると判断するとともに、前記加速度検出手段により検出された加速度が、前記第1の設定範囲に含まれ同第1の設定範囲より狭い範囲に設定される第2の設定範囲内であるときには前記電子キーは静止していると判断して、その判断結果を前記運動情報に含まれる前記電子キーの動きの有無を示す情報として送信し、前記車両側で判断をする場合には、前記電子キーは前記加速度検出手段の検出結果を前記運動情報に含まれる前記電子キーの動きの有無を示す情報として送信し、前記車載機は前記電子キーからの前記加速度検出手段の検出結果が第1の設定範囲を逸脱するときには前記電子キーの動きはあると判断するとともに、前記第2の設定範囲内であるときには前記電子キーは静止していると判断する電子キーシステム。
同構成によれば、電子キーの制御装置又は車両の車載機は電子キーに動きがあるか否かを第1の設定範囲を基準として、電子キーが静止しているか否かを第2の設定範囲を基準として判断する。第1の設定範囲は電子キーを携帯するユーザがドアを開けてから運転席に乗り込むまでに電子キーに加わる加速度に基づき設定される。第2の設定範囲は電子キーを車内に放置したとき電子キーに加わる加速度に基づき設定されている。このように、動きと静止との設定範囲を分けることで、電子キーに動きがあるか否か及び電子キーが静止しているか否かの判断をより確実にすることができる。
(ロ)請求項2〜4の何れか一項に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キーは駆動電波を受けて起動して自身の識別コードを含むトランスポンダ応答信号を返信するトランスポンダを備え、前記車載機は、その車載制御装置からの指令に基づき前記駆動電波を送信し、前記トランスポンダ応答信号を受信するイモビライザ通信機を備え、前記車載機は、前記車室内通信エリアにおいて車内照合が成立したときに前記電子キーが静止していない旨判断した場合、前記駆動電波を送信し、前記トランスポンダから送信される前記トランスポンダ応答信号に含まれる識別コードの照合が成立したときには正規のユーザが車内にいると判断してエンジンの始動を許可する電子キーシステム。
同構成によれば、例えば運転席にいるユーザが電子キーを手にして動いているときには、ユーザが車内にいるにも関わらず、電子キーが静止していないと判断されてエンジンの始動が許可されない。この場合であっても、車載機は電子キーのトランスポンダとイモビライザ通信機との間で識別コードの照合が成立したときにはユーザは車内にいると判断してエンジンの始動を許可する。これにより、ユーザが車内にいるか否かの判断をいっそう確実にできる。
(ハ)請求項4に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キーの前記制御装置又は前記車載機は第1の設定時間に亘って前記第1の設定範囲を逸脱するとき、前記電子キーに動きがあった旨判断する電子キーシステム。
同構成によれば、ユーザが運転席に乗り込む動きでない、微量な動きにおいて瞬間的に加速度が第1の設定範囲を逸脱したときにも、第1の設定範囲を逸脱する加速度が第1の設定時間に亘って検出されない限り電子キーに動きがあると誤判定することはない。これにより、電子キーの動きの有無の判断がより確実となる。
(ニ)請求項4又は6に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キーの前記制御装置又は前記車載機は第2の設定時間に亘って前記第2の設定範囲内となったときに、前記電子キーは静止している旨判断する電子キーシステム。
同構成によれば、移動中の電子キーにおいて瞬間的に加速度が第2の設定範囲を逸脱したときにも第2の設定範囲を逸脱する加速度が第2の設定時間に亘って検出されない限り電子キーが静止していると誤判定することはない。これにより、電子キーが静止しているか否かの判断がより確実となる。
(ホ)請求項6に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キーの前記制御装置又は前記車載機は前記第1の設定時間より長い上限時間を設定し、前記上限時間に亘って前記第1の設定範囲を逸脱するとき、前記電子キーが車室内に存在しないと判断する電子キーシステム。
同構成によれば、第1の設定範囲を逸脱する加速度が第1の設定時間より長い上限時間に亘って検出されたときには、電子キーの制御装置又は車載機は電子キーが車室内に存在しないと判断する。ここで、上限時間は、第1の設定範囲を外れる加速度が持続したときに、電子キーが車室内に存在できうる限界の時間に設定されている。車載機は、加速度が上限時間に亘って検出されたときには、正規の電子キーが車両の周辺に存在するのかが不明であるとして、エンジンの始動を許可しない。これにより、ユーザが所持する正規の電子キーの電波傍受等による不正なエンジン始動が防止できる。
(ヘ)請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キーは車載機側からの要求信号を一定時間に亘って受信しないときは前記加速度検出手段に電力を供給しない電子キーシステム。
同構成によれば、要求信号の通信エリアに電子キーが存在しない、加速度検出手段の検出結果を必要としない状況における加速度検出手段による無駄な電力の消耗を抑制できる。
1…電子キーシステム、2…車両、10…電子キー、11…電子キー制御部、11a…メモリ、12…LF受信部、13…UHF送信部、16…電子キー側方位センサ、18…加速度センサ(加速度検出手段)、20…車載装置(車載機)、21…車載制御部(車載制御装置)、21a…メモリ、22…車外送信部、22a…車外送信アンテナ、23…車内送信部、23a…室内送信アンテナ、24…車載受信部、24a…受信アンテナ、25…車両側方位センサ。

Claims (3)

  1. ユーザに携帯されて車両側からの要求信号に応じて自身の識別コードを含む応答信号を送信する電子キーと、車両に搭載されて前記要求信号を車両の車室内及び車室外に送信することにより車室内及び車室外に電子キーとの通信エリアを形成する車載機とを備え、
    前記車載機は車室外通信エリアでの前記電子キーとの無線通信を通じた識別コードの照合が成立したときには車両ドアの解錠を許可し、車室内通信エリアでの電子キーとの無線通信を通じた識別コードの照合が成立したときにはエンジン始動許可状態とする車両用電子キーシステムにおいて、
    前記車両には同車両の向く方位を検出する車両側方位センサを備え、
    前記電子キーには、同電子キーの向く方位を検出する電子キー側方位センサと、
    前記電子キーの動きに伴い生じる加速度及び同加速度の働く方向を検出する加速度検出手段と、を備え、
    前記電子キーは、前記電子キー側方位センサ及び前記加速度検出手段の検出結果に基づく電子キーの動きの有無並びに動きの方向及び方位を示す運動情報を無線送信し、
    前記車載機は、前記車室外通信エリアにおいて車外照合が成立した後に、前記車両側方位センサの検出結果に基づく前記車両の方位情報と、前記運動情報に含まれる前記電子キーの動きの方向及び方位を示す情報との組み合わせに基づき前記車両に対する前記電子キーの動きの方向が車内側または車外側のいずれであるかを判断し、
    前記電子キーに車内側への動きがある旨判断される場合に限り正規のユーザが車両にいると判断してエンジンの始動を許可する電子キーシステム。
  2. 請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
    前記車載機は、前記運動情報に含まれる電子キーの動きの有無を示す情報に基づき前記車室内通信エリアにおいて車内照合が成立したときに前記電子キーが静止している旨判断することをエンジンの始動を許可する新たな条件とした電子キーシステム。
  3. 請求項1又は2に記載の電子キーシステムにおいて、
    前記電子キー側又は前記車両側にて前記電子キーの車両ドアの解錠した時点からの移動距離を算出するようにして、
    前記電子キー側で算出する場合には、同電子キーは前記加速度検出手段により検出された加速度に基づき移動距離を算出し、その算出結果を前記運動情報に含ませて送信し、
    前記車両側で算出する場合には、前記電子キーは前記加速度検出手段の検出結果を前記運動情報に含ませて送信し、前記車載機は前記電子キーからの運動情報に基づき前記電子キーの移動距離を算出して、
    前記車載機は前記電子キーに車内側への動きがあると判断される場合、さらに前記車両に対する前記電子キーの動きの方向に照らして、前記電子キーの前記移動距離の移動先の地点が車室内に存在する旨判断することをエンジンの始動を許可する新たな条件とした電子キーシステム。
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