JP5173015B1 - 信号ケーブル、電力ケーブル及び電子機器並びに信号ケーブルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
信号ケーブルの混線防止を図ると共に、信号ケーブルの接続部近くの機械的強度を高めて信頼性を向上する。
【解決手段】
信号線12とプラグ13の対応する各端子とが接続され、信号線12に沿って可撓性のある形状保持材14が設けられる。プラグ13と形状保持材14のプラグ側の一部とを一体的に固定化する形状保持固定部17が設けられ、信号ケーブル10が形状保持固定部17近くで曲がっても、形状保持固定部17が変形に伴う力を分散させ形状保持材14の端部が被覆材15を劣化させる問題を改善する。
【選択図】 図1

Description

本発明は信号ケーブル及び電子機器並びに信号ケーブルの製造方法に関し、特に携帯型音楽プレーヤ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の電子機器に接続して使用するのに好適な信号ケーブル及び電子機器並びに信号ケーブルの製造方法に関する。
従来、携帯型音楽プレーヤ、スマートフォン、ノートパソコン等の携帯用電子機器に用いられる信号ケーブルに対しては機器本体とイヤホン、マウス等の位置関係が固定されない為、信号ケーブル長は余裕をもって長めに作られているのが一般的である。
このことは携帯型電子機器に接続する信号ケーブルに限らず、電子機器同士を接続する信号ケーブル一般の問題である。例えばパーソナルコンピュータ(PC)とマウスとを接続する信号ケーブルの場合、パーソナルコンピュータは固定位置にあるが、マウスはユーザの操作状況によって使用位置が大きく変化する。この為、パーソナルコンピュータとマウスとの直線距離も大きく変化する。従って、このような使用状況の変化に対応するように、電子機器同士を接続する信号ケーブル長は長めにしてあるのが一般的である。
ところが携帯型電子機器に接続する信号ケーブルの場合、不使用時鞄などに収納した際信号ケーブルが絡み合ってしまうことが多く、取り扱い上不便をきたしていた。また、絡み合った信号ケーブルを解く際、信号ケーブルが痛んで断線などの故障の原因ともなっていた。
一方マウス用等の信号ケーブルの場合、信号ケーブル自体を持ち運ぶ使用形態は少ないが、マウスとパーソナルコンピュータとの位置関係が近い場合使用ケーブル長が長すぎて、マウスの操作性が悪くなってしまう問題があった。
上記の問題を解決するための第1の従来技術として、特許文献1(特開平10−23587号公報)に記載のイヤホンコードの混線防止具を図16を参照して説明する。図16において、161は針金、162はリード線、163は被覆材であり、リード線162に沿って多芯コードの所定位置に針金161を直接取り付けた後、塩化ビニル等の被覆材でリード線162と針金161とを被覆している。
この構造を採ることにより、多芯コードを環状に丸めた後に環状の一部又は環状中央部を針金が内蔵された多芯コードの部分で巻回すことにより、多芯コードをコンパクトに固定できる。
次に、第2の従来技術として、特許文献2(特開2011−139406公報)に記載の変換ケーブルについて図17を参照して説明する。
図17(A)は変換ケーブルが最大に伸張された状態を、図17(B)及び(C)は変換ケーブルを折り曲げて平型プラグを丸型ジャック部に収容して保持させ、全体をコンパクトにした態様を示している。図17に示す変換ケーブルは、ケーブル171と、ケーブル171の一端に接続された丸型ジャック部172と、ケーブル171の他端に接続された平型プラグ部173に一体的に設けられた平型プラグ174とを有し、丸型ジャック部172には平型プラグ174が着脱自在に嵌め込み可能なようにプラグ収納部が設けられ、持ち歩く際に邪魔になりにくく、コンパクトに収納できる変換ケーブルを提供する。
特開平10−23587号公報
特開2011−139406公報
特許文献1記載の第1の従来技術は針金161をリード線162に取り付けた後塩化ビニルなどの被覆材163で被覆しているだけなので、多芯コードを曲げた際に針金161の端部で被覆材に強い力がかかり、曲げ伸ばしを繰り返した場合被覆材163が次第に劣化してついには破れしまい、針金が露出する不具合がある。
また、ヘッドホン、イヤホン、スマートフォン等の携帯用電子機器用ケーブルの場合デザイン性が重視されるが、この従来技術のイヤホンコードでは針金161の部分で多芯コードの太さが不連続的に盛り上がり、デザイン性を損なうという欠点がある。
さらに本従来技術の実施例では1本の針金161をリード線162に沿って取り付ける方法しか記載が無く、この方法では曲げる方向によって多芯コードの応力が異なり、どの方向にも均一な力で曲げるという要求を満たさない。
また、針金161をリード線162の途中箇所に取り付ける具体的な製造方法については記載されていないが、製造工程を自動化するには困難を伴う。
また特許文献2記載のケーブル171は収納する際にU字形に1回曲げるだけなので、ケーブルの長さが短い場合は全体的にコンパクトな形状として実現できるが、ケーブル長が長い場合はケーブルを折り曲げた後の長さが依然として長いため、ケーブルが絡みついてしまう問題を解決することが出来ない。
また、丸型ジャック部172には平型プラグ174が着脱自在に嵌め込み可能なようにプラグ収納部を設けているが構造的に複雑になり、製造コストが高くなる。
本発明は上記課題を好適に解決した信号ケーブル及び電子機器並びに信号ケーブルの製造方法を提供する。
本発明の信号ケーブルは、信号を伝送する信号線と、前記信号線と固定して接続され、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部と、前記信号線に沿って前記ケーブル接続部から前記信号線の所定位置に達するように設けられた可撓性を有する形状保持材と、前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を一体的に固定する形状保持固定部とを有し、前記信号線は絶縁物の被覆材により被覆されて前記形状保持材とは電気的に絶縁され、前記形状保持固定部は熱硬化樹脂を硬化成形して形成されたことを特徴としている。
また前記形状保持材は、金属、プラスティック、ゴム、繊維を束ねた材料を細線状に形成した部材、またはこれらの複合部材のいずれかである構成としている。
さらに前記形状保持材は、内側に前記信号線を貫通するパイプ、内側に前記信号線を貫通するメッシュ状パイプ、前記信号線に沿って螺旋状に巻回した細線または帯状材料のいずれかである構成としている。
本発明の電子機器は、少なくとも一端が電子機器に接続された信号ケーブルを有する電子機器において、前記信号ケーブルは、信号を伝送する信号線と、前記信号線と固定して接続され、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部と、前記信号線に沿って前記ケーブル接続部から前記信号線の所定位置に達するように設けられた可撓性を有する形状保持材と、前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を一体的に固定する形状保持固定部とを有し、前記信号線は絶縁物の被覆材により被覆されて前記形状保持材とは電気的に絶縁され、前記形状保持固定部は熱硬化樹脂を硬化成形して形成されたことを特徴としている。
また本発明の信号ケーブルの製造方法は、被覆された信号線と、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部とを固定接続する工程と、可撓性を有する形状保持材を、前記ケーブル接続部から所定長の長さで前記信号線の前記被覆表面に沿って固定して設ける工程と、前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を熱可塑性樹脂を用いて射出成形し一体的に固定する形状保持固定部を形成する工程とを有する構成としている。
また本発明の信号ケーブルの他の製造方法は、パイプまたはメッシュ状パイプに信号線を貫通する工程と、信号線と、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部とを固定接続する工程と、可撓性を有する形状保持材を、前記ケーブル接続部から所定長の長さで前記信号線の表面に沿って固定して設ける工程と、前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を熱可塑性樹脂を用いて射出成形し一体的に固定する形状保持固定部を形成する工程とを有する構成としている。
本発明による信号ケーブルは、運搬中に信号ケーブルが互いに絡んでしまうという問題を解決し、かつコンパクトな態様で運搬可能である。
また使用する際の信号ケーブルの長さを簡単に調整することが可能である。
さらに本発明による信号ケーブルは電子機器と接続するプラグ、ジャック等の接続部と、この接続部に固定して設けられ信号ケーブルの変形後の保持力を強化する形状保持材と、接続部と形状保持材とを一体的に強固に固定する形状保持材固定部とを有している為、信号ケーブルを曲げた際に接続部で応力が分散され、信号ケーブルを繰り返し曲げても第1の従来例のように信号線がこの信号線を被覆している樹脂を突き破ることは無く信頼性が高い。また形状保持材が接続部から離れてしまうという問題も同時に解決できる。
また本発明による信号ケーブルは、形状保持材が接続部と一体的な構造となっているため樹脂で被覆した後の外観が滑らかであり、デザイン上第1の従来技術のような違和感がない。
また本発明による信号ケーブルは、どの方向にも均一な力で曲げることができるという効果がある。
また本発明による信号ケーブルは、従来の信号ケーブルの製造工程を流用して製造することが可能なので量産上優れている。
(A)は本発明による第1実施形態の第1実施例に関わる信号ケーブルの側面図であり、(B)は(A)に示すA−A’線における断面図である。 本発明による第1の実施形態の第1実施例による信号ケーブルの製造工程を示す図である。 (A)は本発明による第1の実施形態の第2実施例に関わる信号ケーブルの側面図であり、(B)は(A)に示すA−A’線における断面図である。 本発明による第1の実施形態の第2実施例による信号ケーブルの製造工程を示す図である。 (A)は本発明による第1の実施形態の第3実施例に関わる信号ケーブルの側面図であり、(B)は(A)に示すA−A’線における断面図である。 本発明による第1の実施形態の第3実施例による信号ケーブルの製造工程を示す図である。 (A)は本発明による第1の実施形態の第4実施例に関わる信号ケーブルの側面図であり、(B)は(A)に示すA−A’線における断面図である。 本発明による第1の実施形態の第4実施例による信号ケーブルの製造工程を示す図である。 本発明の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態による信号ケーブルの等価回路図である。 本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したイヤホンケーブルの斜視図である。 (A)、(B)は本発明の一実施の形態による信号ケーブルと、この信号ケーブルを接続した携帯型電子機器の斜視図である。 本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したイヤホンケーブルと、このイヤホンケーブルに接続した携帯型音楽プレーヤの斜視図である。 本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したイヤホンケーブルと、このイヤホンケーブルに接続した携帯型音楽プレーヤの斜視図である。 本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したマウスケーブルと、このマウスケーブルに接続したノートパソコンの斜視図である。 本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したマウスケーブルと、このマウスケーブルに接続したノートパソコンの斜視図である。 第1の従来技術のイヤホンコードの混線防止具の断面図である。 第2の従来技術の変換ケーブルの側面図および断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<1.第1の実施形態>
次に本発明による信号ケーブルの実施形態を各実施例毎に説明する。
(実施例1)
図1(A)は本発明の第1の実施例に関わる信号ケーブル10の側面図であり、図1(B)は、図1(A)に示すA−A’線における断面図である。図1(A)において信号ケーブル10は、樹脂11で被覆された複数の信号線12と、プラグ13と、信号ケーブル10を曲げた際に曲げた形状をそのまま保持するための形状保持材14と、プラグ13と形状保持材14との結合部をポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形した形状保持材固定部17と、形状保持材固定部17と形状保持材14とを軟質塩化ビニルなどの樹脂により被覆した被覆材15とを有している。
このようにプラグ13と形状保持材14とは形状保持材固定部17により強固に固定されているので、信号ケーブル10を屈曲した場合形状保持材固定部17で応力が分散される。従って形状保持材14が被覆材15の内側から亀裂を発生させ、形状保持材14が被覆材15から露出するという問題を解決することが出来る。
また図1(A)から明らかなように、本実施例の信号ケーブル10は左から右にプラグ13,形状保持材固定部17上の被覆材15,形状保持材14上の被覆材15のように隣接して構成され、外観上すっきりした形状となっている。この為、デザインにこだわりをもつユーザに対しても本発明の信号ケーブル10は広く受けいれられるデザイン設計となっている。
さらに本発明の信号ケーブル10を構成する形状保持材14は後で説明するように、どの方向にも均等な力で曲げられるような構造設計がなされ、使用者が曲げる方向を気にしなくても済むように設計されている。
次に図1(B)を参照すると、複数の信号線12が互いに絶縁分離され、樹脂11で被覆された外側に形状保持材14が設けられている。さらにこの形状保持材14を包含するように、柔軟性のある被覆材15で全体が被覆されている。
形状保持材14は2本に限らず、4本、6本、8本など偶数本数であって良く、形状保持材14を信号ケーブル10の中心点に対して対称に配置すると、信号ケーブル10を方向によらず均等な力で曲げることが可能である。
次に図2(a)〜(f)を参照して、本発明の信号ケーブル10の製造方法について説明する。
図2(a)において、複数の信号線12が樹脂11で被覆された多芯コードと電子機器と多芯コードとを接続するプラグ13とを用意し、図2(b)で各信号線とプラグの対応する各端子とを半田付けなどの方法で接続する。次に図(c)において、可撓性を有する長さLの針金などの形状保持材14を、プラグ13の右端から左方に長さDだけ離れた位置から樹脂11の外表面に接着剤などで固定して設ける。
このとき図2(c)’に示すように樹脂11に凹部を設け、この凹部に形状保持材14を嵌め込むようにしても良い。
また形状保持材14は可撓性を有し、かつ変形後の形状を保持する形状保持力が、束ねた信号ケーブルを結わえられた状態に継続して保つ材料を用いる。すなわち、可撓性と形状保持力とは一般的に相反の関係にあり、可撓性が高くなると形状保持力は低くなり、信号ケーブルを容易に曲げることは出来るものの信号ケーブルが結わえられた状態を保つことが難しくなる。一方可撓性が低くなると形状保持力は高くなり、信号ケーブルを束ねておくことは出来るものの信号ケーブルを手で軽く曲げることが難しくなる。
本発明の信号ケーブルに要求される可撓性は信号ケーブルを手で軽く曲げられる程度の可撓性が必要であり、形状保持材の材料及び太さ(断面積)は、可撓性と形状保持力の条件を同時に満たすように決定する。この条件であれば針金、プラスティック、ゴム、繊維を束ねた材料など種々の材料、またはこれらの複合材料が使用できる。上記に説明した可撓性と形状保持力の条件については、以下の実施例についても同様である。
長さLについては信号ケーブル10の長さなどを考慮して決定する。すなわち、信号ケーブル長が長くなった場合、これを束ねた断面積及び周囲長が長くなるので、長さLも長くする。一般的には、形状保持材14が内蔵された形状保持ケーブル部で巻回す際、形状保持材14の長さを少なくとも束ねた信号ケーブルの周囲長よりも長くすることが必要である。
図2(c)において16は金型であり、この金型16内部に溶融した熱硬化樹脂を射出・充填した後、図2(d)のように熱硬化樹脂を硬化成形し形状保持材固定部17を形成する。この工程で形状保持材14は、プラグ13と形状保持材固定部17により強固に一体化され、形状保持材14の左端が外側に向かって力を受けても形状保持材固定部17により安定して内側に押さえることができる。この為、形状保持材14が被覆材15を突き破って露出する不具合は生じない。また形状保持材がプラグ13から離れてしまうという問題も生じない。
次に図2(e)において破線で示す金型18を用いて可塑性のある塩化ビニルなどの樹脂で被覆し、図2(f)に示す本願第1の実施例による信号ケーブル10を形成する。
上記に説明したように、本発明による信号ケーブルは金型に熱硬化樹脂を封止して固定した部材を成型する工程などを用い、特殊な工程を導入することなく従来の信号ケーブルの製造工程を流用して製造することが可能なので、量産上優れているという特徴がある。本発明のこの特徴については以下の実施例でも同様である。
なお上記において電子機器との接続部をプラグを例として説明したが、ミニプラグ、ジャック、USBコネクタ、BNCプラグコネクタなどのコネクタ類に対しても同様に適用できる。また信号線は、銅線などの金属線でなく光ファイバであっても良い。接続部および信号線についての上記内容は、以下の実施例についても同様に適用できる。
(実施例2)
次に図3(A),(B)及び図4(a)〜(f)を参照して本発明の信号ケーブルの第2の実施例について説明する。
図3(A)は本発明の第2の実施例に関わる信号ケーブル20の側面図であり、図3(B)は、図3(A)に示すA−A’線における断面図である。本実施例では第1の実施例で用いた形状保持材14の代わりに、一定値以上の可撓性を有するとともに、変形後の形状を保持する形状保持力が束ねた信号ケーブルを結わえられた状態に継続して保つパイプ24を用いる点が異なる。このパイプ24の材質は金属、又は可撓性のある樹脂、繊維を束ねたものをそれぞれパイプ状にしたものなど、可撓性と形状保持力の条件を同時に満たす材料であれば任意の材料が使用できる。
図3(A)に示すように、パイプ24の左端部近傍はプラグ13とともに形状保持材固定部27により強固に一体化され、パイプ24の左端が外側に向かって力を受けても形状保持材固定部27により安定して内側に押さえることができる。この為、パイプ24が被覆材25を突き破って露出する不具合は生じない。また、パイプ24はどの方向にも均等な力で曲がるので、第1の実施例よりもより一層、信号ケーブル10を方向に依存せず均等な力で曲げることが可能である。
次に図4(a)〜(f)を参照して、本発明の信号ケーブル20の製造方法について説明すると、最初に図4(a)で第1の実施例と同様に多芯コードとプラグを用意する。次に図4(b)において、パイプ24の右端を多芯コードに挿入した後信号線12が見えるようになるまでパイプ24を右方にスライドさせる。このときパイプ24の右端を図4(b)’のようにテーパー状とすると、多芯コードをパイプ24に容易に挿入することが出来作業効率が向上する。
またパイプ24が導電性の材料で作られた場合は、パイプ24をプラグ13のGND端子と接続すると信号線12を伝送する信号をプラグ周辺に飛び込んでくる雑音からシールドする効果が得られる。
次に各信号線とプラグの対応する各端子とを半田付けなどの方法で接続した後、半田付けした箇所が隠れる程度にパイプ24を左方にスライドさせ、図4(d)において第1実施例と同様に形状保持材固定部27を金型26を用いて熱硬化樹脂で成型し、図4(e)において金型28を用いて形状保持材固定部27とパイプ24とを可撓性を有する塩化ビニル等の樹脂で被覆する。本実施例も第1の実施例で述べたと同様の効果を奏する。
(実施例3)
次に図5(A),(B)及び図6(a)〜(f)を参照して本発明の信号ケーブルの第3の実施例について説明する。
図5(A)は本発明の第3の実施例に関わる信号ケーブル30の側面図であり、図5(B)は、図5(A)に示すA−A’線における断面図である。本実施例では第2の実施例で用いたパイプ24の代わりに、一定値以上の可撓性を有するとともに、変形後の形状を保持する形状保持力が束ねた信号ケーブルを結わえられた状態に継続して保つメッシュ状形状保持材34を用いる点が異なる。
このメッシュ状形状保持材34は金属細線、又は可撓性のある樹脂、繊維を束ねた材料をそれぞれメッシュ状にしたものなど、可撓性と形状保持力の条件を同時に満たす材料であれば任意の材料が使用できる。
図5(A)に示すように、メッシュ状形状保持材34の左端部近傍はプラグ13と共に形状保持材固定部37で一体的に形成されるので、メッシュ状形状保持材34の左端が外側に向かって力を受けても形状保持材固定部37により安定して内側に押さえることができる。この為、メッシュ状形状保持材34が被覆材35を突き破って露出する不具合は生じない。また、メッシュ状形状保持材34は第2の実施例のパイプ24と同様どの方向にも均等な力で曲がるので、第1の実施例よりもより一層、信号ケーブル30を方向に依存せず均等な力で曲げることが可能である。
次に図6(a)〜(f)を参照して、本発明の信号ケーブル30の製造方法について説明すると、最初に図6(a)で第1の実施例と同様に多芯コードとプラグ13を用意する。次に図6(b)において、各信号線とプラグ13の対応する各端子とを半田付けなどの方法で接続した後、変形後の形状を保持する保持力が一定以上のメッシュ状形状保持材34で多芯コード外表面に沿って巻き付ける。
次に第1実施例と同様に、図6(d)において形状保持材固定部37を金型36を用いて熱硬化樹脂で成型し、図6(e)において金型38を用いて形状保持材固定部37とメッシュ状形状保持材34とを可撓性を有する塩化ビニル等の樹脂で被覆する。
本実施例の変形として、図6(b)’に示すメッシュ状形状保持材を予め用意し、このメッシュ状形状保持材の右端を多芯コードに挿入した後信号線12が見えるようになるまでメッシュ状形状保持材を右方にスライドさせ、各信号線とプラグ13の対応する各端子とを半田付けする方法でも同様に製造できる。このとき、メッシュ状形状保持材の右端エッジ部を図6(b)’のようにテーパー状に外側に向かって広げると、多芯コードをメッシュ状形状保持材に容易に挿入することが出来作業効率が向上する。
またメッシュ状形状保持材34が導電性の材料で作られた場合は、メッシュ状形状保持材34をプラグ13のGND端子と接続すると信号線12を伝送する信号をプラグ周辺に飛び込んでくる雑音からシールドする効果が得られる。
本実施例も第1及び第2の実施例で述べたと同様な効果を奏する。
(実施例4)
次に図7(A),(B)及び図8(a)〜(f)を参照して本発明の信号ケーブルの第4の実施例について説明する。
図7(A)は本発明の第4の実施例に関わる信号ケーブル40の側面図であり、図7(B)は、図7(A)に示すA−A’線における断面図である。本実施例では第2の実施例で用いたパイプ24の代わりに、一定値以上の可撓性を有するとともに、変形後の形状を保持する形状保持力が束ねた信号ケーブルを結わえられた状態に継続して保つ螺旋状形状保持材44を用いる点が異なる。
この螺旋状形状保持材44は金属細線、又は可撓性のある樹脂、繊維を束ねたものをそれぞれ螺旋状にしたものなど、可撓性と形状保持力の条件を同時に満たす材料であれば任意の材料が使用できる。
図7(A)に示すように、螺旋状形状保持材44の左端部近傍はプラグ13と共に形状保持材固定部47により一体的に形成されるので、螺旋状形状保持材44の左端が外側に向かって力を受けても形状保持材固定部47により安定して内側に押さえることができる。この為、螺旋状形状保持材44が被覆材45を突き破って露出する不具合は生じない。また、螺旋状形状保持材44は第2の実施例のパイプ24、第3の実施例のメッシュ状形状保持材34と同様どの方向にも均等な力で曲がるので、第1の実施例よりもより一層、信号ケーブル40を方向に依存せず均等な力で曲げることが可能である。
次に図8(a)〜(f)を参照して、本発明の信号ケーブル40の製造方法について説明すると、最初に図8(a)で第1の実施例と同様に多芯コードとプラグを用意する。次に図8(b)において各信号線とプラグ13の対応する各端子とを半田付けなどの方法で接続した後、変形後の形状を保持する保持力が一定以上の材料で多芯コード外表面に沿って螺旋状に巻き付ける。次に第1実施例と同様に、形状保持材固定部47を熱硬化樹脂で成型し、金型48を用いて形状保持材固定部47と螺旋状形状保持材44とを可撓性を有する樹脂で被覆する。本実施例も第1及び第2の実施例で述べたと同様な効果を奏する。また金属製の螺旋状形状保持材44をプラグ13のGND端子と接続すると、信号線12を伝送する信号をプラグ周辺に飛び込んでくる雑音からシールドする効果が得られる。
なお上記において螺旋状に巻き付ける材料としては線状の材質に限らず、ベルト状のものを巻き付けても同様な効果が得られる。さらに、各信号線とプラグ13の対応する各端子とを半田付けなどの方法で接続した後、螺旋状形状保持材44を多芯コード外表面に沿って螺旋状に巻き付けるとして説明したが、第2実施例と同様、螺旋状形状保持材44を多芯コードに挿入後に各信号線とプラグ13の対応する各端子とを半田付けするようにしても良い。
(実施例5)
図9は本発明の信号ケーブルの等価回路図であり、91はプラグ側端子、92はジャック側端子、93は第1実施例の形状保持材14、第2実施例のパイプ24、第3実施例のメッシュ状形状保持材34、第4実施例の螺旋状形状保持材44などの形状保持ケーブル部側の端子を表す。端子91と端子92間の信号配線と形状保持ケーブル部間には容量が形成され、本実施例ではπ型の集中定数型の等価回路図として表している。信号線を伝達する信号が高速化するとインピーダンス整合を高精度に行うことが困難になるが、本実施例では、容量Coを調整してインピーダンス整合を図っている。容量Coの調整方法としては、形状保持ケーブル部の長さを調整する方法、形状保持ケーブル部と信号線間の樹脂の誘電率を調整する方法などにより行う。
<2.第2の実施形態>
次に本発明による電子機器の実施形態を各実施例毎に説明する。
(実施例1)
図10は本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したイヤホンケーブルの斜視図であり、101はイヤホン、102はプラグ、103はケーブル、104は形状保持ケーブル部を表す。
イヤホンケーブルを未使用時にコンパクトにまとめる際は、ケーブルを環状に丸めて中央部を形状保持ケーブル部104で数回巻回しケーブルを固定する。これによりイヤホンケーブルがばらばらにならず、鞄などに収納した際もイヤホンケーブルが絡みついてしまう不具合も解消される。
また、イヤホンケーブルを環状に丸めてそれ自体で巻回し固定するだけで作業が完了し、特別の部品も使用しないので操作が極めて簡単であり、付属の部品を紛失するようなことも無い。さらに絡み合った信号ケーブルを解く際、信号ケーブルが痛んで断線などの故障を引き起こすという問題も生じない。また、イヤホンケーブルの使用者は一般にデザイン性に敏感であるが、本実施例によるイヤホンケーブルの外観は通常のイヤホンケーブルと同様であり、デザイン性に敏感なユーザの要求にも十分対応可能である。
(実施例2)
図11(A)、(B)は本発明の一実施の形態による信号ケーブルと、この信号ケーブルを接続した携帯型電子機器の斜視図であり、111A、111Bは携帯型電子機器、112A、112Bは携帯型電子機器111A、111Bと接続する信号ケーブルの接続部、113はケーブル、114は形状保持ケーブル部である。携帯型電子機器111A,111Bを使用する際、信号ケーブルの長さを短く調整したい場合があり、図11(A)では携帯型電子機器111Aにおける信号ケーブルの引き出し側面に平行な方向に信号ケーブルを結束した場合を示し、図11(B)では携帯型電子機器111Bにおける信号ケーブルの引き出し側面に垂直な方向に信号ケーブルを結束した場合を示す。このように本発明の信号ケーブルの使用長さ、結束方法などを使用者の好みに応じて自由に決めることが出来る。
(実施例3)
図12は本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したイヤホンケーブルと、このイヤホンケーブルに接続した携帯型音楽プレーヤ121の斜視図であり、122は携帯型音楽プレーヤ121と接続する信号ケーブルの接続部、123は形状保持ケーブル部、124はイヤホンである。本発明の信号ケーブルの形状保持ケーブル部123を携帯型音楽プレーヤ121に巻き付けることにより、信号ケーブルが引っ張られたときでも、接続部122が携帯型音楽プレーヤ121から抜け落ちることを防止することが出来る。
(実施例4)
図13は本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したイヤホンケーブルと、このイヤホンケーブルに接続した携帯型音楽プレーヤ131の斜視図であり、132は携帯型音楽プレーヤ131と接続するプラグ、133は形状保持ケーブル部、134はイヤホンである。
本発明の信号ケーブルをイヤホン134側から携帯型音楽プレーヤ131に順に巻き付け、最後に形状保持ケーブル部133を用いて巻き付けた信号ケーブルが解けないように固定する。これにより、本発明の信号ケーブルを携帯型音楽プレーヤ131と一体としてコンパクトに収納することが出来る。従って、運搬中に信号ケーブルが互いに絡んでしまうという問題は生じない。
(実施例5)
図14は本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したマウスケーブルと、このマウスケーブルに接続したノートパソコン141の斜視図であり、142はノートパソコン141と接続するUSBコネクタ、143は形状保持ケーブル部、144はマウスである。
形状保持ケーブル部143をいったんノートパソコン141における信号ケーブルの引き出し側面に概ね平行な方向に折り曲げる。形状保持ケーブル部143につながる信号ケーブルは、マウス144の移動に伴い屈曲する。これにより、マウス144が予期しないタイミングで急に引っ張られても、マウス144とUSBコネクタ142間に十分な遊びがあるためUSBコネクタ142に急激な力が加わることはなく、USBコネクタ142が抜けたり破損したりする不具合を改善できる。また、形状保持テーブル部143をノートパソコン141の上方、斜め前方、斜め後方など様々な方向、あるいはU字形、S字形などの様々な形状に折り曲げることにより、USBコネクタ142とマウス144間の信号ケーブル長を調整することが出来る。これによりマウスケーブルが邪魔になることがなく、作業効率を向上することができる。
(実施例6)
図15は本発明の一実施の形態による信号ケーブルを適用したマウスケーブルと、このマウスケーブルに接続したノートパソコン151の斜視図であり、152はノートパソコン151と接続するUSBコネクタ、153は形状保持ケーブル部、154はマウスである。
ノートパソコン151を使用する際に信号ケーブルの長さを短く調整したい場合があり、本実施例ではノートパソコン151におけるマウスケーブルの引き出し側面に平行な方向に形状保持ケーブル部153を用いて信号ケーブルを結束してからマウス154と接続している。
信号ケーブルを1ターンで巻く長さ及びターン数で調整することにより、USBコネクタ152とマウス154間の長さを任意に調整することが出来、マウスケーブルが邪魔になることはなく作業効率が向上する。
なお上記の説明において、携帯型音楽プレーヤとノートパソコンを電子機器の例として説明したが、これらの機器に限らず、デジタルカメラ、プリンタ、DVDプレーヤ、デスクトップPCなど信号ケーブルを用いる電子機器一般に適用できる。
また扇風機、アイロン、乾燥機などの電子機器に信号でなく電力を供給する電源ケーブルにも同様に適用可能である。すなわち上記における説明において、信号線をアナログ信号又はデジタル信号を伝達する信号線として説明したが、これに限らず電力を伝達する信号線、またはアナログ信号、デジタル信号などの信号と電力とを同時に伝達する信号線に適用しても良い。
10,20,30,40 信号ケーブル
11 樹脂
12 信号線
13 プラグ
14 形状保持材
15,25,35,45 被覆材
16,26,36,46 金型
17,27,37,47 形状保持材固定部
18,28,38,48 金型
24 パイプ
28 形状保持材固定部
34 メッシュ状形状保持材
35 プラグ被覆材
44 螺旋状形状保持材
91 プラグ側端子
92 ジャック側端子
93 形状保持ケーブル部側の端子
101,124,134 イヤホン
102,132 プラグ
103 ケーブル
104,114,123,133,143,153 形状保持ケーブル部
111A,111B 携帯型電子機器
112A,112B,122 信号ケーブルの接続部
113 多芯コード
121,131 携帯型音楽プレーヤ
141,151 ノートパソコン
142,152 USBコネクタ
144,154 マウス
161 針金
162 リード線
163 被覆材
171 ケーブル
172 丸型ジャック部
173 平型プラグ部
174 平型プラグ

Claims (7)

  1. 信号を伝送する信号線と、
    前記信号線と固定して接続され、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部と、
    前記信号線に沿って前記ケーブル接続部から前記信号線の所定位置に達するように設けられた可撓性を有する形状保持材と、
    前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を一体的に固定する形状保持固定部と、を有し、
    前記信号線は絶縁物の被覆材により被覆されて前記形状保持材とは電気的に絶縁され、前記形状保持固定部は熱硬化樹脂を硬化成形して形成され、前記信号線を被覆する前記被覆材の一部に凹部を形成し、この凹部に前記形状保持材の一部または全部を埋設することを特徴とする信号ケーブル。
  2. 少なくとも一端が電子機器に接続された信号ケーブルを有する電子機器において、前記信号ケーブルは、
    信号を伝送する信号線と、
    前記信号線と固定して接続され、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部と、
    前記信号線に沿って前記ケーブル接続部から前記信号線の所定位置に達するように設けられた可撓性を有する形状保持材と、
    前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を一体的に固定する形状保持固定部と、を有し、
    前記信号線は絶縁物の被覆材により被覆されて前記形状保持材とは電気的に絶縁され、
    前記形状保持固定部は熱硬化樹脂により硬化成形され、
    前記信号線を被覆する前記被覆材の一部に凹部を形成し、この凹部に前記形状保持材の一部または全部を埋設して形成されたことを特徴とする電子機器。
  3. 電力を伝送する電力線と、
    前記電力線と固定して接続され、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部と、
    前記電力線に沿って前記ケーブル接続部から前記電力線の所定位置に達するように設けられた可撓性を有する形状保持材と、
    前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を一体的に固定する形状保持固定部と、を有し、
    前記形状保持固定部は熱硬化樹脂を硬化成形して形成され、
    前記電力線は絶縁物の被覆材により被覆されて前記形状保持材とは電気的に絶縁され
    前記電力線を被覆する前記被覆材の一部に凹部を形成し、この凹部に前記形状保持材の一部または全部を埋設して形成されたことを特徴とする電力ケーブル。
  4. 絶縁物により被覆された信号線と、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部とを固定接続する工程と、
    可撓性を有する形状保持材を、前記ケーブル接続部から所定長の長さで前記信号線の前記被覆表面に沿って固定して設ける工程と、
    前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を熱可塑性樹脂を用いて射出成形し一体的に固定する形状保持固定部を形成する工程と、
    を有する信号ケーブルの製造方法。
  5. 信号を伝送する信号線と、
    前記信号線と固定して接続され、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部と、
    前記信号線に沿って前記ケーブル接続部から前記信号線の所定位置に達するように設けられた可撓性を有する形状保持材と、
    前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を一体的に固定する形状保持固定部と、を有し、
    前記信号線は絶縁物の被覆材により被覆されて前記形状保持材とは電気的に絶縁され、
    前記形状保持固定部は熱硬化樹脂を硬化成形して形成され、前記形状保持固定部と前記形状保持材とは軟質性の樹脂により被覆されたことを特徴とする信号ケーブル。
  6. 少なくとも一端が電子機器に接続された信号ケーブルを有する電子機器において、前記信号ケーブルは、
    信号を伝送する信号線と、
    前記信号線と固定して接続され、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部と、
    前記信号線に沿って前記ケーブル接続部から前記信号線の所定位置に達するように設けられた可撓性を有する形状保持材と、
    前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を一体的に固定する形状保持固定部と、を有し、
    前記信号線は絶縁物の被覆材により被覆されて前記形状保持材とは電気的に絶縁され、
    前記形状保持固定部は熱硬化樹脂を硬化成形して形成され、前記形状保持固定部と前記形状保持材とは軟質性の樹脂により被覆されたことを特徴とする電子機器。
  7. 電力を伝送する電力線と、
    前記電力線と固定して接続され、電子機器側接続部と着脱するケーブル接続部と、
    前記電力線に沿って前記ケーブル接続部から前記電力線の所定位置に達するように設けられた可撓性を有する形状保持材と、
    前記ケーブル接続部と前記形状保持材の一部を一体的に固定する形状保持固定部と、
    を有し、
    前記電力線は絶縁物の被覆材により被覆されて前記形状保持材とは電気的に絶縁され
    前記形状保持固定部は熱硬化樹脂を硬化成形して形成され、前記形状保持固定部と前記形状保持材とは軟質性の樹脂により被覆されたことを特徴とする電力ケーブル。
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