JP5172630B2 - フィルムのエンボス成形装置、エンボス成形方法、および製袋方法 - Google Patents
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特許文献1には、突起部を有する型押しロールとくぼみを有する補助ロールを対向させ、突起部とくぼみとの間にプラスチックフィルム等の巻取紙を挟み込み、印刷機上でエンボス加工する方法および装置が記載されている。
特許文献2には、表裏2枚の合成樹脂フィルムの周縁をシールしてなる包装袋の、製袋するまえの合成樹脂フィルム、又は、製袋後の包装袋に、雄型と雌型を用いた型押し加工によりエンボス模様を施したエンボス付き包装袋の製造方法が記載されている。
特許文献3には、雌型および雄型からなる金型によりフィルムの所定箇所を挟み込むことによりエンボス絵柄加工を施した後、シール工程を経てパウチを形成するパウチの製造方法が記載されている。
本発明のエンボス成形方法において、前記フィルムが積層フィルムであることが好ましい。
図1は、(a)凹型および(b)凸型の一例を示す断面図である。図2は、凹型と凸型の接触形態のうち、(a)凸部が天面で凹部に接触した形態(「天」)、(b)凸型が土台部で凹型に接触した形態(「土台」)、(c)凸部が角部で凹部に接触した形態(「凸角」)、(d)凸部の側面が凹部の角部に接触した形態(「凹角」)をそれぞれ示す断面図である。
凹型10の凹部11は、底面12とその両側の側面13,13を有する。ここでは、底面12と側面13との間の稜線は、底面側の隅部14とし、凹型10の表面15と側面13との間の稜線は、開口側の角部16とする。
底面幅A1は、底面12の幅であり、開口幅B1は、開口部の幅であり、凹深さC1は、凹部11の深さである。
天面幅A2は、天面22の幅であり、裾部幅B2は、凸部21の裾部側の幅であり、凸高さC2は、凸部21の高さである。
フィルムの厚さは、厚さ0.05〜0.25mmが好ましい。凹部11の深さ(凹深さC1)は、1.0〜1.4mmが好ましい。
以上の条件を満足することにより、フィルム(特に内部の蒸着膜や印刷インキ層)の割れが生じることなく、エンボス成形が可能になる。このため、本発明は、前記フィルムが、内部に蒸着膜や印刷層などを有する積層フィルムである場合、特に好適である。
図2(b)、(c)、(d)において、天隙間b1,c1,d1は、凸部21の天面22と凹部11の底面12との隙間の大きさである。同様の定義により、図2(a)の場合、天隙間は0である。
図2(a)、(b)、(d)において、頂部差a2,b2,d2は、凸型20の天面22を含む平面上において、凸部21の天面側の角部24と凹部11の側面13との片側あたりの隙間の大きさである。同様の定義により、図2(c)の場合、頂部差は0である。
図2(a)、(b)、(c)において、裾部差a3,b3,c3は、凹型10の表面15を含む平面上において、凸部21の側面23と凹部11の開口側の角部16との片側あたりの隙間の大きさである。同様の定義により、図2(d)の場合、裾部差は0である。
図2(a)、(c)、(d)において、土台差a4,c4,d4は、凸型20の裾部25と凹型10の表面15との隙間の大きさである。同様の定義により、図2(b)の場合、土台差は0である。
凸部21の凸高さC2は、凹部11の凹深さC1以上であることが必要である。両者の差C2−C1は、土台差a4に等しい。
また、凸部21の天面幅A2は、凹部11の底面幅A1以下であることが必要である。
両者の差A1−A2は、頂部差a2の2倍に等しい。よって、頂部差a2は、(1/2)×(A1−A2)に等しい。
凸部21の裾部幅B2と凹部11の開口幅B1との大小関係は、土台差a4の程度にもよるが、土台差a4が過度に大きくない限り、裾部幅B2は開口幅B1以上であることが好ましい。
裾部差a3は、凹型10の表面15を含む平面上において、凹部11の開口側の角部16と、この角部16に対向する凸部21の側面23上の点との距離である。
裾部差a3は、(1/2)×{B1−A2−(B2−A2)×(C1/C2)}に等しい。
凸部21の凸高さC2は、凹部11の凹深さC1以下であることが必要である。両者の差C1−C2は、天隙間b1に等しい。
また、凸部21の裾部幅B2は、凹部11の開口幅B1以下であることが必要である。
両者の差B1−B2は、裾部差b3の2倍に等しい。よって、裾部差b3は、(1/2)×(B1−B2)に等しい。
凸部21の天面幅A2と凹部11の底面幅A1との大小関係は、天隙間b1の程度にもよるが、天隙間b1が過度に大きくない限り、天面幅A2は底面幅A1以下であることが好ましい。頂部差b2は、凸型20の天面22を含む平面上において、凸部21の天面側の角部24と、この角部24に対向する凹部11の側面13上の点との距離である。
頂部差b2は、(1/2)×{B1−A2−(B1−A1)×(C2/C1)}に等しい。
天隙間c1は、C1×(A2−A1)/(B1−A1)に等しい。
土台差c4は、(天隙間c1+凸高さC2−凹深さC1)に等しい。
裾部差c3は、(1/2)×{B1−B2+(B2−A2)×(c4/C2)}に等しい。なお、この裾部差c3を表す数式は、上記裾部差a3を表す数式において、凹深さC1を、C2−c4(凸高さから土台差を減じて得られる差)に置き換えたものに相当する。
土台差d4は、C2×(B2−B1)/(B2−A2)に等しい。
天隙間d1は、(土台差d4+凹深さC1−凸高さC2)に等しい。
頂部差d2は、(1/2)×{A1−A2+(B1−A1)×(d1/C1)}に等しい。なお、この頂部差d2を表す数式は、上記頂部差b2を表す数式において、凸高さC2を、C1−d1(凹深さから天隙間を減じて得られる差)に置き換えたものに相当する。
なお、凹部11および凸部21の隅部14,26および角部16,24が丸みを有していても良い。その場合、その丸みが、頂部差および裾部差の許容上限値より十分に小さい程度(例えばRが0.1mm以下)であれば、丸みによる頂部差や裾部差の拡大あるいは変動を無視できる程度であり、エンボス成形にさほどの影響を与えることがない。
本発明でエンボスを設けた包材は、包装袋の製造に用いることが好ましい。包装袋の形態は特に限定されるものではなく、スタンディングパウチの他、三方シールや四方シールの平袋、四角底袋など、種々の態様の包装袋に適用することが可能である。
胴部フィルム41,42および底部フィルム43は、いずれも長尺の帯状フィルムであるが、胴部フィルム41,42には、底部フィルム43よりも幅が広いフィルムが用いられる。
合わせロール33は、上下の胴部フィルム41,42同士の前後左右の位置が正確に重ね合わさるように、各胴部フィルム41,42の送り方向を偏向させるようになっている。この合わせロール33は、サーボモータ(図示せず)により、胴部フィルム41,42の重ね合わせの方向である上下方向及び胴部フィルム41,42の幅方向に移動可能とされている。また、上記サーボモータの作動は、胴部フィルム41,42のピッチ印刷図柄及び幅方向両端部の位置をそれぞれ検出する光学センサ(図示せず)と、これら光学センサの出力値に基づき、胴部フィルム41,42のピッチ印刷図柄及び幅方向両端部の位置をそれぞれ比較して、上下の各胴部フィルム41,42の送り方向及び幅方向に沿った位置ずれを検出する制御手段(図示せず)により制御されている。
すなわち、本形態例の製袋機30の場合、上記光学センサの検出結果に基づき上記サーボモータを作動させ、上下各胴部フィルム41,42間の送り方向及び幅方向に沿った位置ずれがなくなるまで、合わせロール33を上下方向及び/又は胴部フィルム41,42の幅方向に移動させることにより、胴部フィルム41,42同士の位置ずれを防止している。また、上記光学センサには、例えば光電管やCCDカメラ等が使用される。
なお、図3において、搬送方向の上流側は図3の右側であり、搬送方向の下流側は図3の左側である。
なお、基材フィルム搬送手段としては、搬送ローラに代えて、フィルムの幅方向に複数のゴムなどの挟持部材を配置した挟持バーを上下に一対で配置し、この一対の挟持バーでフィルムを挟持して下流方向にフィルムを移動させる搬送手段も採用が可能である。
基材フィルム搬送手段によるフィルム送りの制御は、包装袋の幅に対応した送り量(必要に応じて、基材フィルムの伸縮や、ドブと呼ばれる所定幅の切除部分を加味して設定される)が得られるように行うことが好ましい。このため、胴部フィルム41,42のピッチ印刷図柄の位置を検出する光学センサ(光電管やCCDカメラ等。図示せず)の出力値に基づき、胴部フィルム41,42のピッチ印刷図柄の位置が製袋機上の一定の位置に到達するように基材フィルムの送り量を決定する方法を用いることもできる。また、基材フィルムを搬送する際に、毎回、一定の送り量を送るように制御しても良い。
原反リール31から原反フィルム40を繰り出し、図示しないカッターにより、原反フィルム40を幅方向中央で長手方向に沿って2つの基材に裁断する。本形態例の場合は、長手方向に沿って帯状をなす同一幅の2枚の胴部フィルム41,42が得られる。
各胴部フィルム41,42は、合わせロール33により、上下の胴部フィルム41,42のシーラント層を有する内面同士が底部フィルム43に面するように、底部フィルム43に対して位置決めされる。これらの基材フィルム41,42,43は重ね合わせられた状態で搬送ロール36により搬送される。
次いで、基材フィルム41,42,43をフィルム送り方向に直交する横方向にシールする側部シール工程が行われる。ここでは、側部シール手段35により、フィルム搬送の休止のタイミングに合わせて包装袋44の側部に対応する部分のヒートシールが行われる。
基材フィルム41,42,43において包装袋44の底部および側部となる部分がヒートシールされた後、ギロチンカッター37により個々の包装袋44に分離することで、包装袋44が成形される。
本発明のエンボス成形を用いることにより、製袋に伴うシールのため基材フィルム41,42,43が間欠送りされる場合においても、基材フィルム41,42のエンボス加工の際にフィルム切れやピッチズレ等の問題が生じることがなく、エンボス加工を製袋機30上で効率的に行うことができる。
基材フィルムとして、ナイロン(PA)15μm/印刷層2μm/Al蒸着層0.1μm/ポリエチレンテレフタレート(PET)12μm/ポリエチレン(PE)120μmの層構成を有するラミネートフィルムを用い、製袋機上で表1に示す寸法の凸型(「凸1」〜「凸8」の8種類)および凹型(「凹1」〜「凹4」の4種類)を用いてエンボス成形を行うとともに、PE側をシーラントとして包装袋を成形した。
また、「割れ」の評価は、印刷層に割れが生じなかった場合を「○」、割れが生じた場合を「×」と評価した。
10…凹型、11…凹部、12…凹部の底面、13…凹部の側面、14…凹部の底面側の隅部、15…凹型の表面、16…凹部の開口側の角部、
20…凸型、21…凸部、22…凸部の天面、23…凸部の側面、24…凸部の天面側の角部、25…凸型の土台部、26…凸部の裾部側の隅部。
Claims (4)
- 厚さ0.05〜0.25mmのフィルムを互いに対をなす凹型と凸型との間に挟み込んで成形するエンボス成形装置であって、
前記凹部の深さが1.0〜1.4mmであり、前記凹型および凸型は、フィルムを介在させることなく嵌め合わせたときに、
(1)凸部の天面と凹部の底面との隙間が0.00mm、凸部の天面側の角部と凹部の側面との片側あたりの隙間が0.08mm以上0.5mm以下、凹部の開口側の角部と凸部の側面との片側あたりの隙間が0.00mm以上0.4mm以下であるか、または、
(2)凸部の天面と凹部の底面との隙間が0.02mm以上0.06mm以下、凸部の天面側の角部と凹部の側面との片側あたりの隙間が0.00mm以上0.09mm以下、凹部の開口側の角部と凸部の側面との片側あたりの隙間が0.00mmであることを特徴とするエンボス成形装置。 - 厚さ0.05〜0.25mmのフィルムを互いに対をなす凹型と凸型との間に挟み込んで成形するエンボス成形方法であって、
前記凹部の深さが1.0〜1.4mmであり、前記凹型および凸型は、フィルムを介在させることなく嵌め合わせたときに、
(1)凸部の天面と凹部の底面との隙間が0.00mm、凸部の天面側の角部と凹部の側面との片側あたりの隙間が0.08mm以上0.5mm以下、凹部の開口側の角部と凸部の側面との片側あたりの隙間が0.00mm以上0.4mm以下であるか、または、
(2)凸部の天面と凹部の底面との隙間が0.02mm以上0.06mm以下、凸部の天面側の角部と凹部の側面との片側あたりの隙間が0.00mm以上0.09mm以下、凹部の開口側の角部と凸部の側面との片側あたりの隙間が0.00mmであることを特徴とするエンボス成形方法。 - 前記フィルムが積層フィルムであることを特徴とする請求項2に記載のエンボス成形方法。
- 厚さ0.05〜0.25mmのフィルムからなる連続した包装袋の原反を供給し、前記原反を幅方向中央で長手方向に沿って2つの基材に裁断し、前記2つの基材のいずれか一方を請求項2または3に記載のエンボス成形方法によりエンボス成形した後、前記2つの基材をヒートシールして包装袋を成形することを特徴とする製袋方法。
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