JP5172583B2 - 焦点検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば一眼レフカメラに用いられる焦点検出装置に関する。
従来から、一眼レフカメラ等の焦点検出装置としては、撮影レンズの射出瞳の異なる部分を通過した光束をそれぞれ焦点検出光学系の再結像レンズ系(コンデンサレンズ及びセパレータレンズ)により一対のラインセンサ上に結像させ、この一対のラインセンサの出力信号の関係に基づいて撮影レンズの合焦状態を検出する構成が知られている。このような焦点検出装置においては、一対のラインセンサ上の第1及び第2の像の間隔が所定長のときに合焦、所定長よりも短いときには前ピン、所定長よりも長いときには後ピンと判定され(位相差検出方式)、合焦位置からのピントずれの量はデフォーカス量として出力される。
位相差方式の焦点検出には、水平方向にコントラスト成分を有する被写体に対して焦点検出を行う縦線検出と、鉛直方向にコントラスト成分を有する被写体に対して焦点検出を行う横線検出がある。そして、様々な被写体に対応するためには、撮影画面内にこれら縦線検出と横線検出を混在させて焦点検出を行う。また、撮影画面内の同位置において縦線検出と横線検出を行うクロス型の焦点検出を行うことが要求されるようになっている。
そして近年、これら縦線検出や横線検出による焦点検出領域を撮影画面内に複数設けた多点焦点検出装置や、広範囲において連続的な領域で焦点検出を行うエリア型の焦点検出装置などが提案されている。このような焦点検出装置として、エリア型焦点検出を行うととともに、クロス型の焦点検出を行う従来例が開示されている。例えばクロス型の焦点検出を行う従来例として特開平9-184965号公報(特許文献1)がある。しかしこの例では左右方向の被写体像の位相差を検出する(縦線検出)エリアセンサを上下方向の被写体像の位相差を検出する(横線検出)エリアセンサほど大きくできないため(特許文献1、図9、図10参照)、より広範囲にわたる(撮影範囲の外側で)クロス型の焦点検出ができないという問題があった。
ここで縦線検出を行う範囲も横線検出を行う範囲と同等とするためには、縦線検出に対応した一対のセンサ領域を横線検出に対応したセンサ領域並に広げることが考えられる。ところが、撮影光学系においては、ビネッティングが存在するため、焦点検出に用いる射出瞳の径も焦点検出領域の大きさに応じて変化し、一般的に焦点検出領域が大きい、すなわち像高が高いほど射出瞳径は小さくなる。したがって、従来例においても縦線検出の焦点検出領域を広げる(撮影範囲のより外側の位置で検出する)ためには、より小さくなる射出瞳径に対応するため、コンデンサレンズとして働くサブミラーによって射出瞳上に投影される一対の開口絞りの間隔を小さくする必要がある。そうすると、一対のセパレータレンズの間隔、一対のセンサ領域の間隔も追従して小さくなる。ところが、縦線検出に対応した一対のセンサ領域は横線検出に対応した一対のセンサ領域と同じように大きくする必要があるため、領域を広げて間隔を小さくすると、各センサ領域が干渉してしまう。また、従来例において、縦線検出に対応した一対のセンサ領域にも横線検出に対応した一対のセンサ領域に投影される光学像と同じ大きさの光学像が投影されている。したがって、各光学像についても干渉を防ぐため、縦線検出に対応した一対のセンサ領域は、横線検出に対応した一対のセンサ領域からある程度離れた位置に配置してある。このため、横線検出用の対をなすセパレータレンズの間隔を小さくすると光学像についても干渉が生じてしまう。以上のような理由から、従来例においては縦線検出の焦点検出領域を撮影画面の中央部付近にしか設定することができなかった。
一方、特開2006-3427号公報(特許文献2)では、セパレータレンズの前に水平方向(カメラの横方向)に負のパワーを有するシリンドリカルレンズ(補助レンズ)を配置することで、縦線検出用の一対のセンサ領域の間隔を広げることを可能にし、より広範囲にわたるクロス型の焦点検出を行う例が示されている。このように、コンデンサレンズの後方にいわゆる“補助レンズ”を配置し、焦点検出用の一対のセンサ領域の間隔を変化させる例は特公平8-12321号公報(特許文献3)にも開示されている。しかしながら、この補助レンズの後方に配置される一対の開口絞りは補助レンズに対して偏芯しているため、この補助レンズを主原因とした横の色収差が発生し、焦点検出精度の低下を招くという問題があった。
この問題点を解決するため、特公平7-31300号公報(特許文献4)と特許第2514339号公報(特許文献5)では、一対の開口絞りの開口中心に対し分割光学素子(一対のセパレータレンズ)の光軸を偏芯させ補助レンズの色収差を打ち消す例が示されている。両者は共に強いパワーの一対のセパレータレンズのレンズ面を一対の開口絞りに対して偏芯させ、その収束作用と共にプリズム作用を用いることで、横の色収差を補正している。
このセパレータレンズは、例えば特許第2630771号公報(特許文献6)に開示されているように、一定の球面収差を残存させることが望ましい。球面収差が小さい場合は、コントラスト最大位置にラインセンサ受光面を配置すると、点像の大きさが、ラインセンサ1ピクセル内に含まれるくらい小さくなり、点像の間隔が連続的かつなめらかに求めることができず、従って測距に悪影響を与えるからである。よってコントラスト最大位置における最小錯乱円の直径がラインセンサ1ピクセルの幅より大きくなるように、該焦点検出光学系に一定量の対称収差(球面収差)を残存させることが望ましい。
特開平9-184965号公報 特開2006-3427号公報 特公平8-12321号公報 特公平7-31300号公報 特許第2514339号公報 特許第2630771号公報
さらに広範囲において連続的な領域で焦点検出を行うエリア型の焦点検出装置において高い精度の焦点検出を行うためには、そのエリア内において均一な点像が必要である。そこで像高による変化が小さい球面収差のみを一定量残存させ、他の収差を小さく保つセパレータレンズが必要となる。さらにこの球面収差を残存させている一対のセパレータレンズの光軸を、補助レンズの色収差補正のため、一対の開口絞りの開口中心に対し偏芯させると、偏芯コマ収差、つまり非対称収差を発生させる原因となる。非対称収差は一対のセンサ上に結像する2次物体像の一致性を悪化させ焦点検出精度の低下を招く原因となる。
従って本発明は、コマ収差、非点隔差の発生を抑え、広い測距範囲を確保することができる焦点検出装置を得ることを目的とする。
本発明は、撮影レンズの予定焦点面の後方に配置されたコンデンサレンズと、このコンデンサレンズの後方に同軸に配置された補助レンズと、この補助レンズの後方に該コンデンサレンズ及び補助レンズの光軸を含む平面に関して対称位置に配置された対をなすセパレータレンズと、この対をなすセパレータレンズの入射面に対向して配置された対をなす開口絞りを有するセパレータマスクと、上記コンデンサレンズ、補助レンズ及び対をなすセパレータレンズによって、上記予定焦点面上の被写体像をそれぞれ対をなして再結像させるセンサと、を備え、この対となる像の相対的位置ずれを検出して焦点位置を検出する焦点検出装置において、セパレータレンズの入射面は回転対称非球面からなり、射出面は回転対称面からなること;予定焦点面から上記センサまでの光路を展開した状態において、上記開口絞りの開口中心は、上記光軸から、コンデンサレンズ及び補助レンズの光軸を含む上記平面の法線に略一致する方向に第一偏芯量だけ偏芯していること;セパレータレンズの入射面の回転対称軸は、上記光軸から、コンデンサレンズ及び補助レンズの光軸を含む上記平面の法線に略一致する方向に第二偏芯量だけ偏芯していること;同セパレータレンズの射出面の回転対称軸は、上記光軸から、コンデンサレンズ及び補助レンズの光軸を含む上記平面の法線に略一致する方向に第三偏芯量だけ偏芯していること;及び第一、第二、第三偏芯量はそれぞれ異なること;を特徴としている。
本発明の焦点検出装置は、次の条件式(1)を満足することが好ましい。
(1)-0.2<Rb/Ra<0.3
但し、
Ra;セパレータレンズの入射面の近軸曲率半径、
Rb;セパレータレンズの射出面の近軸曲率半径、
である。
さらに、次の条件式(2)及び(3)を満足することが好ましい。
(2)0.6<|(Da・Ns+Db)/Rb|<1.55
(3)0<|Da/Rb|<0.3
但し、
Da;セパレータマスクとセパレータレンズの光軸方向の間隔、
Db;セパレータレンズの入射面とその回転対称軸との交点と射出面とその回転対称軸との交点との光軸方向の厚み、
Ns;セパレータレンズのd線に対する屈折率、
である。
セパレータレンズ入射面の回転対称非球面は、回転対称軸から離れるにつれ、近軸形状に対して、セパレータレンズ射出面側に変位するような形状を有する非球面とするのがよい。
本発明によれば、コマ収差、非点隔差の発生を抑え、広い測距範囲を確保することができる焦点検出装置を得ることができる。
図1は、本発明の対象とする焦点検出装置(光学系)の光学配置図である。撮影レンズの撮像面と共役な予定焦点面11の後方には、コンデンサレンズ12と補助レンズ13が同軸上に順に配置されている。補助レンズ13の後方には、セパレータレンズ群14が配置されており、このセパレータレンズ群14の入射側には、セパレータマスク15が位置している。セパレータレンズ群14は、コンデンサレンズ12の子午面に関する対称位置(該コンデンサレンズ12及び補助レンズ13の光軸を含む平面に関して対称位置)に配置された複数対(図示例では2対)のセパレータレンズ14a(14b)を備えており、セパレータマスク15には、2対のセパレータレンズ14a(14b)に対応する2対の開口絞り15a(15b)が形成されている。対をなすセパレータレンズ14a(14b)及び開口絞り15a(15b)の数と位置は、測距位置数及び上述の縦線検出、横線検出に応じて定められるもので、その対の数は問わない。
セパレータレンズ群14の後方には、ラインセンサ群16が配置されている。ラインセンサ群16は、セパレータレンズ14a(14b)(開口絞り15a(15b))の対に対応するラインセンサ16aと16bを有しており、撮影レンズによって予定焦点面11上に結像される被写体像が、コンデンサレンズ12、補助レンズ13及びセパレータレンズ群14の各セパレータレンズ14a(14b)によって、この対をなすラインセンサ16a、16b上に再結像される。焦点検出回路17は、ラインセンサ16aと16b上に再結像された被写体像の相対的位置ずれを検出して焦点位置(デフォーカス量)を検出し、このデフォーカス量に基づき、撮影レンズを駆動する駆動系のパルス数が演算され、撮影レンズが合焦位置に移動する。このような焦点検出装置は、周知である。
以上の焦点検出装置において、本実施形態は、
A)セパレータレンズ群14のセパレータレンズ14a(14b)の入射面が球面収差を増大させる非球面からなっていること、
B)各開口絞り15a(15b)の開口中心は、コンデンサレンズ12の光軸に対して、該光軸と直交する方向であってかつラインセンサ16a(16b)の並び方向に略一致する方向に偏芯していること(偏芯量DEC1)、
C)各セパレータレンズ14a(14b)の入射面の回転対称軸は、コンデンサレンズ12の光軸に対して、該光軸と直交する方向であってかつラインセンサ16a(16b)の並び方向に略一致する方向に偏芯していること(平行偏芯量DEC2)、
D)各セパレータレンズ14a(14b)の射出面の回転対称軸は、コンデンサレンズ12の光軸に対して、該光軸と直交する方向であってかつラインセンサ16a(16b)の並び方向に略一致する方向に偏芯していること(平行偏芯量DEC3)、
E)各偏芯量はDEC1≠DEC2≠DEC3≠DEC1であること;
に特徴がある。
本実施形態の焦点検出装置において、球面収差量を適切な値に保つためにはセパレータレンズ14a(14b)の入射面が重要である。球面収差は当然のことながら射出面でも発生しており、開口絞りの径を変えることでもその量は調節できる。ここで開口絞りの径によって決まる光量と球面収差量が一定の条件を満たせば問題は無いが、一般には両立しない場合が多い。そこで本実施形態では、セパレータレンズ14a(14b)の入射面を非球面化することで球面収差を開口絞りの径とは無関係に調節する(増大させる)ことを可能としている。
また、本実施形態では、広範囲にわたるクロス型の焦点検出を行うためにコンデンサレンズ12の後方に所定のパワーを有する補助レンズ13を配置している。パワーを持った補助レンズは色収差を持つから、この色収差を補正するために、本実施形態では、セパレータレンズ14a(14b)と開口絞り15a(15b)の開口中心とを、補助レンズ光軸と直交する方向かつラインセンサ16a(16b)の並び方向に略一致する方向に平行偏芯させ、そのプリズム効果を利用している。補助レンズ13が正パワーないし弱い負パワーの場合は、セパレータレンズ14a(14b)の所定のパワーを持つ射出面Rbの回転対称軸の偏芯量(DEC3)を開口絞り15a(15b)の開口中心の偏芯量(DEC1)に対して、補助レンズ光軸から離れる側へ偏芯させ(DEC1<DEC3)、補助レンズが強い負パワーの場合は補助レンズ光軸に接近する側(DEC1>DEC3)へ偏芯させることで、補助レンズ13の色収差を補正可能である。
一方、球面収差を持つセパレータレンズが開口絞りに対して偏芯していると、偏芯コマ収差の発生が避けられない。本実施形態では、偏芯コマ収差を補正するために、セパレータレンズの入射面(Ra)と射出面(Rb)の各回転対称軸をさらにそれぞれ、補助レンズ光軸と直交する方向かつラインセンサの並び方向に略一致する方向に異なる量だけ平行偏芯させている(DEC2≠DEC3)。セパレータレンズの入射面は、射出面に比べてパワーが弱くプリズム効果が弱いため、射出面との偏芯によって横色収差は発生しないが、非球面によって一定量の球面収差を与えて、偏芯コマ収差は発生するという性質がある。この性質を利用して、偏芯コマ収差を補正し、最終的に一定量の球面収差のみを残存させることを可能にするのである。以上のごとく開口絞りの開口中心の偏芯量(DEC1)とセパレータレンズの入射面の偏芯量(DEC2)とセパレータレンズの射出面の偏芯量(DEC3)はそれぞれ異なる値を持つことが必要となる。
図2は、開口絞り15a(15b)の開口中心とのコンデンサレンズ12(補助レンズ13)の光軸からの偏芯量DEC1、セパレータレンズ14a(14b)の入射面の回転対称軸の同コンデンサレンズ12(補助レンズ13)の光軸からの偏芯量DEC2、セパレータレンズ14a(14b)の射出面の回転対称軸の同コンデンサレンズ12(補助レンズ13)の光軸からの偏芯量DEC3、及び条件式(1)ないし(3)中のパラメータ、
Ra;セパレータレンズの入射面の曲率半径、
Rb;セパレータレンズの射出面の曲率半径、
Da;セパレータマスクとセパレータレンズの間隔、及び
Db;セパレータレンズのレンズ厚、
を模式的に示したものである。
条件式(1)は、セパレータレンズの入射面と射出面のパワーを規定するものである。非対称収差であるコマ収差や、像高による変化が大きい非点隔差によるメリジオナル像面湾曲を小さく保つには、セパレータレンズの入射面と射出面が、セパレータマスク、すなわち開口絞りにコンセントリックな面であることが重要な要素となる。ここでセパレータレンズは強い正のパワーが必要となるため、開口絞りから遠く曲率中心が開口絞り側(Rb<0)になる射出面に強い正パワーを与えることでこれを実現するものである。よって上下限を超えて入射面のパワーが強くなりすぎると、コマ収差や、非点隔差によるメリジオナル像面湾曲が増大し焦点検出精度の低下を招く原因となる。
条件式(2)は、コマ収差や非点隔差によるメリジオナル像面湾曲をより小さく抑え、広範囲において連続的な領域でより高い精度で焦点検出を行うための条件である。条件式(2)の値が1であることは、セパレータレンズの入射面の近軸曲率半径が平面(Ra=∞、条件(1)=0)のとき、開口絞りの中心を通る主光線が射出面に垂直入射することを意味するから、射出面においてコマ収差と非点隔差が無い理想状態である。よって上下限を超えてこの距離が長く又は短くなると射出面におけるコマ収差と非点隔差によるメリジオナル像面湾曲が増大し焦点検出精度の低下を招く原因となる。
条件式(3)は、光軸方向における開口絞り位置とセパレータレンズの入射面位置を規定するものである。条件式(3)の下限であるゼロ位置はセパレータマスクとセパレータレンズ入射面が一致する場合であり非球面を用いて球面収差のみを与える点で理想的な位置である。ここで条件式(3)の値は、機械的条件等で一般にゼロ以下にはできないので、下限値(0<)が設定されている。このように開口絞りに近い面で発生する球面収差は全ての像高でほぼ同量の球面収差を与える効果がある。よってここに非球面を導入することで最小錯乱円の直径がラインセンサ1ピクセルの幅より大きくなるような適切な量の球面収差を各像高で均一に発生させることが可能となる。条件式(3)の上限を超えて間隔が広がるとコマ収差の増大を招く。
次に具体的な実施例を示す。表中、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Nd はd線の屈折率、νはアッベ数を示す。
また、回転対称非球面は次式で定義される。
x=cy2/[1+[1-(1+K)c2y2]1/2]+A4y4+A6y6+A8y8 +A10y10+A12y12・・・
(但し、xは非球面形状、cは曲率(1/r)、yは光軸(非球面定義基準軸=回転対称軸)からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数)
[数値実施例1]
図3及び図4と表1は、本発明の焦点検出装置の数値実施例1を示している。図3はその光学構成図、図4はコマ収差図、表1はその数値データである。この実施例では、コンデンサレンズ12(面No.1と2)と補助レンズ13(面No.5と6)の間に、赤外カットフィルタ18(面No.3と4)が位置している。図3では、補助レンズ13の後方に位置するセパレータレンズ14a(14b)(面No.7と8)と、その前方の開口絞り15a(15b)は一方のみを示している。なお、数値実施例1ないし3において、コンデンサレンズ12及び補助レンズ13は全て同一であり、セパレータレンズ14a(14b)回りの諸元のみが異なっている。
(表1)
横倍率; -0.171
開口絞り15a(15b)の位置;第7面(セパレータレンズ14a(14b))の前方0.1
開口絞り15a(15b)の径;φ0.6
開口絞り15a(15b)中心のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC1)=1.10
セパレータレンズ14a(14b)の入射面の回転対称軸のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC2)=1.00
セパレータレンズ14a(14b)の出射面の回転対称軸のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC3)=1.30
面No. r d Nd ν
0 一次結像面 6.00
1* 7.700 3.10 1.52538 56.3
2 150.000 13.00
3 ∞ 0.55 1.49176 57.4
4 ∞ 1.00
5* -3.250 3.50 1.52538 56.3
6* -3.830 0.30
7* ∞ 2.10 1.52538 56.3 (DEC2=1.00)
8 -2.100 3.81 (DEC3=1.30)
*非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。);
面No. K A4 A6 A8
NO.1 -0.65000 - - -
NO.5 0.70000 - - 0.70000×10-4
NO.6 -0.11000 - - -
NO.7 - 0.60000×10-1 - -
Ra(=r7)=∞
Rb(=r8)=-2.100
Da=0.10
Db(=d7)=2.10
Ns=Nd7=1.52538
図4は、数値実施例1のコマ収差図である。図4のコマ収差図では、コマ収差が十分に補正されていることを、図9に示す比較例を用いて説明する。
図9(A)は、数値実施例1において、開口絞り15a(15b)中心とセパレータレンズ14a(14b)の各回転対称軸とが同一の偏芯量を有する場合(すなわちDEC1=DEC2=DEC3≠0)の比較例におけるコマ収差図である。それぞれの像高は一次結像面(予定焦点面)上でH=0(撮影レンズ光軸上)及びH=3、H=-3の3点について基準波長d線(実線)及びg線(破線)について表示した。この図から明らかなように基準波長d線では各像高においてほぼ同量の球面収差のみを持っていることが分かる。一方、g線は補助レンズ13の色収差のため、横の色収差となってコマ収差図(H=0)における瞳中心でd線の下側(+方向)にズレていることが示されている。なお、本例における補助レンズは正のパワーを有し、一次結像面(予定焦点面)上H=0を通過し開口絞り15a(15b)の中心を通る光線は撮影レンズの光軸と略平行になるよう構成されている。
図9(B)は、数値実施例1において、開口絞り15a(15b)に対しセパレータレンズ14a(14b)の光軸をラインセンサ16a(16b)の並び方向に略一致する方向に平行偏芯させて(すなわちDEC1<DEC2=DEC3)横の色収差を補正した比較例におけるコマ収差図である。g線はコマ収差図(H=0)における瞳中心でd線と一致、横の色収差は補正されているものの、偏芯によるコマ収差がd線において発生してしまうことが示されている。
これに対し、数値実施例1では、図4に示すように、セパレータレンズ14a(14b)の射出面に対し、非球面である入射面を逆方向に偏芯させる(すなわちDEC1≠DEC2>DEC3)ことで偏芯コマ収差を補正している。この数値実施例1のコマ収差図から、基準波長d線では各像高において図9(A)とほぼ同じ収差に戻り、かつg線においては横の色収差が補正されていることが分かる。なお、本例ではラインセンサ1ピクセルの幅を0.02mm程度とし、球面収差量
がその1.5〜2倍程度になるよう設定している。そこで入射面に設定している非球面の効果を示すため、同量の偏芯を有し相対偏芯の無い図9(A)の状態からさらに入射面における非球面を取り去って平面に置き換えた比較例のコマ収差図を図9(C)に示す。図9(A)に比べ明らかにd線における球面収差が小さく不足しており、1ピクセル(0.02mm)に満たないことがわかる。
[数値実施例2]
図5及び図6と表2は、本発明の焦点検出装置の数値実施例2を示している。図5はその光学構成図、図6はコマ収差図、表2はその数値データである。
(表2)
横倍率 -0.170
開口絞り15a(15b)の位置;第7面(セパレータレンズ14a(14b))の前方0.1
開口絞り15a(15b)の径;φ0.6
開口絞り15a(15b)中止のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC1)=1.10
セパレータレンズ14a(14b)の入射面の回転対称軸のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC2)=1.00
セパレータレンズ14a(14b)の出射面の回転対称軸のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC3)=1.37
面No. r d Nd ν
0 一次結像面 6.00
1* 7.700 3.10 1.52538 56.3
2 150.000 13.00
3 ∞ 0.55 1.49176 57.4
4 ∞ 1.00
5* -3.250 3.50 1.52538 56.3
6* -3.830 0.30
7* 13.500 1.30 1.52538 56.3 (DEC=1.00)
8 -2.400 3.65 (DEC=1.37)
*非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。);
面No. K A4 A6 A8
NO.1 -0.65000 - - -
NO.5 0.70000 - - 0.70000×10-4
NO.6 -0.11000 - - -
NO.7 - 0.60000×10-1 - -
Ra(=r7)=13.500
Rb(=r8)=-2.400
Da=0.10
Db(=d7)=1.30
Ns=Nd7=1.52538
数値実施例2の各条件式の値を見る(表4)と、条件式(1)、(2)の値は上限又は下限値に近い値であることがわかる。図6のコマ収差図のように、入射出面の偏芯を適切に設定することで横の色収差は良好に補正されているが、像高H=±3ではメリジオナル像面湾曲が発生して収差量に差があり、これらの像高で焦点検出精度の低下を招きかねない状況であり、この像高では性能限界であることが分かる。
[数値実施例3]
図7及び図8と表3は、本発明の焦点検出装置の数値実施例3を示している。図7はその光学構成図、図8はコマ収差図、表3はその数値データである。
(表3)
横倍率; -0.171
開口絞り15a(15b)の位置;第7面(セパレータレンズ14a(14b))の前方0.4
開口絞り15a(15b)の径;φ0.6
開口絞り15a(15b)中心のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC1)=1.10
セパレータレンズ14a(14b)の入射面の回転対称軸のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC2)=0.95
セパレータレンズ14a(14b)の出射面の回転対称軸のコンデンサレンズ光軸からの偏芯量(DEC3)=1.20
面No. r d Nd ν
0 一次結像面 6.00
1* 7.700 3.10 1.52538 56.3
2 150.000 13.00
3 ∞ 0.55 1.49176 57.4
4 ∞ 1.00
5* -3.250 3.50 1.52538 56.3
6* -3.830 0.60
7* -7.500 2.10 1.52538 56.3 (DEC2=0.95)
8 -1.800 4.25 (DEC3=1.20)
*非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。);
面No. K A4 A6 A8
NO.1 -0.65000 - - -
NO.5 0.70000 - - 0.70000×10-4
NO.6 -0.11000 - - -
NO.7 - 0.40000×10-1
Ra(=r7)-7.500
Rb(=r8)=-1.800
Da=0.40
Db(=d7)=2.10
Ns=Nd7=1.52538
数値実施例3の各条件式の値を見る(表4)と、各式の値は実施例2とは逆方向に片寄った形で上限又は下限値に近い値であることがわかる。図8より、入射出面の偏芯を適切に設定することで横の色収差は良好に補正されているが、やはり像高H=±3ではコマ収差が発生し、これらの像高で焦点検出精度の低下を招きかねない状況であり、この像高では性能限界であることが分かる。実施例1〜3においては、以上のごとく、より高い像高すなわちより広い範囲で高い精度の焦点検出精度を保つためには、各条件式を満たすことが重要である。
表4は、各実施例の条件式対応数値を示す。各実施例は各条件式を満足しており、各実施例のコマ収差図に示すように、所定の光学性能を保つ範囲にあることが示されている。特に実施例1ではコマ収差、非点隔差によるメリジオナル像面湾曲が良好に補正されている。
(表4)
条件式(1) 条件式(2) 条件式(3)
実施例1 0.0 1.07 0.04
実施例2 -0.18 0.61 0.04
実施例3 0.24 1.51 0.22
本発明による焦点検出装置の一般構成を示す光学構成斜視図である。 本発明による焦点検出装置の各構成要素及び条件式のパラメータを示す模式説明図である。 本発明による焦点検出装置の数値実施例1の光学構成図である。 図4の数値実施例1のコマ収差図である。 本発明による焦点検出装置の数値実施例2の光学構成図である。 図6の数値実施例2のコマ収差図である。 本発明による焦点検出装置の数値実施例3の光学構成図である。 図8の数値実施例3のコマ収差図である。 (A)、(B)、(C)は、数値実施例1に対応する比較例のコマ収差図である。
符号の説明
11 予定焦点面
12 コンデンサレンズ
13 補助レンズ
14 セパレータレンズ群
14a 14b セパレータレンズ
15 セパレータマスク
15a 15b 開口絞り
16 ラインセンサ群
16a 16b ラインセンサ
18 赤外カットフィルタ

Claims (4)

  1. 撮影レンズの予定焦点面の後方に配置されたコンデンサレンズと、このコンデンサレンズの後方に同軸に配置された補助レンズと、この補助レンズの後方に該コンデンサレンズ及び補助レンズの光軸を含む平面に関して対称位置に配置された対をなすセパレータレンズと、この対をなすセパレータレンズの入射面に対向して配置された対をなす開口絞りを有するセパレータマスクと、上記コンデンサレンズ、補助レンズ及び対をなすセパレータレンズによって、上記予定焦点面上の被写体像をそれぞれ対をなして再結像させるセンサと、を備え、この対となる像の相対的位置ずれを検出して焦点位置を検出する焦点検出装置において、
    上記セパレータレンズの入射面は回転対称非球面からなり、射出面は回転対称面からなること;
    上記予定焦点面から上記センサまでの光路を展開した状態において、上記開口絞りの開口中心は、上記光軸から、コンデンサレンズ及び補助レンズの光軸を含む上記平面の法線に略一致する方向に第一偏芯量だけ偏芯していること;
    上記セパレータレンズの入射面の回転対称軸は、上記光軸から、コンデンサレンズ及び補助レンズの光軸を含む上記平面の法線に略一致する方向に第二偏芯量だけ偏芯していること;
    同セパレータレンズの射出面の回転対称軸は、上記光軸から、コンデンサレンズ及び補助レンズの光軸を含む上記平面の法線に略一致する方向に第三偏芯量だけ偏芯していること;及び
    上記第一、第二、第三偏芯量はそれぞれ異なること;
    を特徴とする焦点検出装置。
  2. 請求項1記載の焦点検出装置において、次の条件式(1)を満足する焦点検出装置。
    (1)-0.2<Rb/Ra<0.3
    但し、
    Ra;セパレータレンズの入射面の近軸曲率半径、
    Rb;セパレータレンズの射出面の近軸曲率半径。
  3. 請求項2記載の焦点検出装置において、次の条件式(2)及び(3)を満足する焦点検出装置。
    (2)0.6<|(Da・Ns+Db)/Rb|<1.55
    (3)0<|Da/Rb|<0.3
    但し、
    Da;セパレータマスクとセパレータレンズの光軸方向の間隔、
    Db;セパレータレンズの入射面とその回転対称軸との交点と射出面とその回転対称軸との交点との光軸方向の厚み、
    Ns;セパレータレンズのd線に対する屈折率。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の焦点検出装置において、上記セパレータレンズ入射面の回転対称非球面は、回転対称軸から離れるにつれ、近軸形状に対して、セパレータレンズ射出面側に変位するような形状を有する非球面である焦点検出装置。
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