以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る遊技機は、遊技球が転動する遊技領域と所定の開口領域を有する遊技盤と、前記開口領域の背後に配設され、周面に設けられた複数の識別図柄を変動表示するとともに、所定の態様で停止表示させるリール体を備え、前記識別図柄の停止態様により遊技状態の変化を報知可能とした表示手段と、前記リール体の駆動制御を行う遊技実行制御手段と、を備え、前記表示手段は、前記リール体の内部に収納された光源と、前記遊技盤の開口領域に設けられ、前記識別図柄を前記光源により投影可能としたスクリーンと、を備える構成となっている。すなわち、表示手段は、リール体と、光源と、スクリーンとを備えており、リール体内部に収納された光源によりリール体周面の識別図柄をスクリーン上に投影するとともに、前記リール体の駆動制御を行って、前記識別図柄の停止態様により遊技状態の変化を報知する。
かかる構成により、遊技機内部にリール体をコンパクトに配置することができ、スロットマシンなどで用いられるリールと同等な視認性を備え、単に映像表示された画像とは異なるリール回転の動きを体感できる遊技機を提供することができる。
遊技盤は、遊技球が転動する略円形状の遊技領域を有し、この遊技領域の略中央にはリール体を装着するための略矩形状の開口領域が形成されている。遊技領域はガイドレールに囲まれて区画されており、発射された遊技球が衝突する複数の遊技釘や障害部材と、複数の入賞口が配設されている。
リール体は、識別図柄がその周面に配置されて回転駆動される回転円筒状に形成されたリールと、このリール内に配設されて前記識別図柄をリール外部に向けて放射状に投影するための光源などとを備えている。本実施形態では、リール体を、独立して回転可能な3個のリールから構成している。
光源は、例えば、全体が略棒状やボタン状などに形成されたLED発光体や蛍光ランプ、フラッシュランプなどであって、遊技機を管理する制御回路や、遊技機に配置した操作ボタンなどを介してそのオンオフ制御や光量制御を必要に応じて行うことができる。
遊技実行制御手段は、遊技球が特定の入賞口に入賞したことを受けて、遊技者に有利な特別遊技状態に移行させるか否かの抽選処理を行い、抽選結果に応じて前記リール体のリールを回転駆動させるためのモータなどの機械系を制御して、その周面に設けられた複数の識別図柄を変動表示させるとともに、抽選結果に応じた態様で停止表示させる。この遊技実行制御手段についても遊技機を管理する制御回路にその機能が担われている。
表示手段は、リール体を備えるとともに、各リールの内部に収納された光源や、前記遊技盤の開口領域に設けられたスクリーンなどを備えている。
スクリーンは、例えば、半透明性のプラスチック材や布地材などで形成され、リールに対してその前面側に配置される。光源を介して識別図柄が投影されるスクリーンの画像投影面は、光源位置を中心とする円周面となるようにして、投影される識別図柄画像のひずみが少なくなるようにしている。こうして表示手段は、リール体周面に配置された識別図柄をその内部に配した光源を介してこのスクリーン上に投影して拡大表示させ、この識別図柄の変動表示態様及び停止態様により遊技状態の変化を遊技者に報知する機能を有している。
本実施形態の遊技機は、前記表示手段がさらにプロジェクタを備え、前記遊技実行制御手段は前記プロジェクタを用いて演出画像を前記スクリーンに投影することにも特徴を有している。これによって、スクリーン上に投影表示される識別図柄の画像に重ねて、あるいは、この識別図柄の画像とは別に、単独にプロジェクタによる演出画像を表示することができ、表示手段を介した遊技機における演出を、液晶表示装置などを用いずとも幅広く多彩に展開することができ、演出効果に優れた遊技機を提供することが可能となる。
プロジェクタは、液晶パネルやCRTなどの表示デバイスに表示された画像を投影する装置であって、例えば、液晶パネルに光を透過させて投射することのできる小型液晶プロジェクタなどを適用することができる。このような液晶プロジェクタは、液晶の偏光作用を利用して液晶上の画素を電気的に制御して画像をその前方に向けて照射することのできる画像照射装置である。
本実施形態の遊技機は、前記遊技実行制御手段が前記プロジェクタを用いる場合、前記光源を消灯することにも特徴を有する。これによって、プロジェクタによりスクリーン上に表示される演出画像をより鮮明に映し出すことができる。また、例えばリールの回転によって識別図柄を変動表示させた後に停止表示させる可変表示ゲームの合間にデモ画面などを表示する際にも、プロジェクタによりスクリーン上に表示される演出画像がより鮮明になり、遊技者に好まれるゲーム環境を提供することができる。前記光源の消灯操作は遊技機に設けた操作パネルなどを介して遊技者自身の手で行うようにして、遊技者に好みの演出画像をサムネイル画像などでリストアップされたものから選択して表示させ、輝度及び鮮明度に優れた動画像や静止画像を見て楽しむことも可能である。
また、光源の消灯タイミングを遊技機で実行される後述のラウンドゲームの回数などの遊技条件や遊技履歴などに応じて所定のパターンに設定してその演出画像による演出表現を多様化させその変化に面白みや意外性を持たせたることも可能となる。
以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下では遊技機をパチンコ遊技機としている。
[遊技機の構成]
遊技機について、図1〜図4を用いて説明する。図1は本実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図、図2は同パチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図、図3は同パチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。また、図4は電飾ユニット53の説明図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された前面扉11とから構成されている。そして、前面扉11の上部略半分は、開閉自在に軸着された扉11aが設けられている。そして、図1に示すように、通常の遊技状態では、前面扉11は開口12aを前面から閉鎖し、扉11aも閉鎖された状態で遊技が行われる。また、前面扉11の下部前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26等が配設されている。
本体枠12の開口12a内部には、遊技盤14、表示手段となるリールユニット4等が配設されている。なお、遊技盤14、リールユニット4以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の遊技釘13が打ちこまれている。なお、遊技盤14の表面には、本パチンコ遊技機10のテーマに沿った題材が描画されていたり、あるいはセル画などが貼着されたりして、パチンコ遊技機10の装飾が施されている。
扉11aには、透過性を有する保護板19が配設されており、さらにこの保護板19の裏面にリールユニット4が配設されている。このため、保護板19とリールユニット4とは、扉11aが閉鎖された状態で遊技盤14に対面することになる。
遊技盤14の外側となる扉11aの所定位置には、装飾ランプ133a,133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。また、保護板19の上方位置には、スピーカ46L,46Rが左右に配設されている。
さらに、遊技盤14の下部には、本体枠12に対して発射ハンドル26が回動自在に設けられており、この発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。
このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。そして、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたことにより、発射制御回路126(図5参照)により、発射ソレノイド(図示せず、発射装置130(図5参照)に組み込まれている)に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。
次に、図3及び図4を参照しながら、パチンコ遊技機10の構成についてさらに詳細に説明する。なお、図3及び図4を用いたパチンコ遊技機10の概観の以下の説明では、図1及び図2を用いた説明と重複する部分を省略することがある。
図3に示すように、遊技盤14の遊技領域15には、2つのガイドレール30(30a及び30b)、障害部材55、57、通過ゲート54、羽根部材23が付設された始動口25、一般入賞口56a〜56d、矩形状の開口領域の後方に配設された後述するリールユニット4の識別図柄が視認可能な可変表示部4k、開閉自在のシャッタ40を備えた大入賞口39などが設けられている。この大入賞口39は、特別遊技状態となる大当たり遊技において作動して多くの賞球を獲得することのできるものであり、可変表示部4kの下方に配置されている。なお、図3では図示省略したが、遊技領域15には多数の遊技釘13が植設されている。
本実施形態における要部となるリールユニット4は、遊技盤14の略中央に設けられた開口領域の背後に、配設されており、それぞれ回転自在のリール3L,リール3C、リール3Rを備えている(図17参照)。
このリールユニット4は、リール体3(リール3L,リール3C、リール3R)の周面に設けられた識別図柄(図14参照)がリールの回転により変動表示され、その後の停止態様(すなわち、各リールの識別図柄の組み合わせ)により、遊技状態が通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行するか否かを報知するための表示手段として機能するものである。なお、このリールユニット4の構成については後に詳述するが、モータなどの駆動装置により回転駆動される透明フィルム材によりその周面が形成された円筒体状のリール体3と、リール体3の内部に収納された光源と、リール体3の周面に配置された識別図柄を前記光源により投影可能としたスクリーン4bとを備えて構成されている。
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技領域15の上部に移動し、複数の遊技釘13、遊技領域15に設けられた障害部材57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技領域15の下方に向かって流下する。
遊技領域15の略中央下部であって、可変表示部4kと大入賞口39との間には、入賞口の一つである始動口25が設けられており、遊技領域15に設置された障害部材57や遊技釘13との衝突しながら転動した遊技球がこの始動口25へ入賞すると、後述する特別図柄ゲームを含む可変表示ゲーム及び大当たり抽選が開始される。すなわち、始動口25は、可変表示ゲーム及び大当たり抽選の契機となる入賞口である。
また、扉11aの下部位置には、電飾ユニット53が設けられている。この電飾ユニット53は、図4に示すように、特別図柄表示器35、普通図柄表示器33、特別図柄保留ランプ50a〜50d、普通図柄保留ランプ34a〜34d、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。
特別図柄表示器35は、複数の7セグメントLEDで構成されている。この7セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLEDの点灯・消灯によって、"0"から"9"までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。この特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、"21"、"50"、又は"64"などの数字図柄)が停止表示された場合は、通常遊技から遊技者に有利な状態である大当たり遊技に遊技状態が移行する。この大当たり遊技となった場合には、大入賞口39に設けられたシャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39が遊技球が受け入れ可能な状態となる。一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
特別図柄表示器35の右側には、普通図柄表示器33が設けられている。普通図柄表示器33は、例えば、赤色LEDと緑色LEDの二つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返し、普通図柄として変動表示される。
普通図柄表示器33及び特別図柄表示器35の左右両側には、特別図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この特別図柄保留ランプ50a〜50dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。例えば、特別図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、特別図柄保留ランプ50aが点灯する。
また、普通図柄表示器33及び特別図柄表示器35の下方には、普通図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この普通図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留ランプ34aが点灯する。
特別図柄保留ランプ50a〜50dの下部側にはこれに並列して、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。このラウンド数表示器51a〜51dは、大当たり遊技の実行中において最大ラウンド数を表示する。なお、このラウンド数表示器51a〜51dは、4つのドットLEDから構成されており、ドットLED毎に点灯と消灯の2つのパターンがあるので、少なくとも16パターンの表示が可能である(2の4乗パターン)。なお、ラウンド数表示器51は、複数の7セグメントLED、液晶表示部、透過性を有する液晶表示部などから構成される場合もある。
また、遊技盤14の略中央の後方に配設されているリールユニット4では、特別図柄表示器35において表示される特別図柄と関連する識別図柄を回転変動表示及び停止表示する可変表示ゲームが行われる。例えば、特別図柄表示器35で表示される特別図柄の変動表示中においては、リールユニット4において、所定の図柄(図14参照)からなる識別情報である識別図柄が、リール3L,3C,3Rの回転とともに変動表示される。また、特別図柄表示器35において変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、リールユニット4においてもリール3L,3C,3Rの回転が停止され所定の識別図柄が停止表示される。このように、リールユニット4は、所定の条件を満たしたときに、識別図柄の変動表示および停止表示が行われる可変表示手段として機能する。
また、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当たりであることを遊技者に把握させる識別図柄の所定の組み合わせ態様がリールユニット4の前面の視認領域において停止表示される。具体的には、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、リールユニット4のリール群によって表示される識別図柄の組み合わせが、特定の表示態様(例えば、「7,7,7」、「V,V,V」等のように、識別図柄が三つ揃いの状態で停止表示される「大当たり」態様)となる。
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)から遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(初期状態)までの遊技をラウンドゲームという。すなわち、大入賞口39に設けられたシャッタ40は、ラウンドゲーム時に遊技球が入賞し易いように駆動され、各ラウンドゲーム間では初期状態に復帰することになる。また、ラウンドゲームは、"1"ラウンド、"2"ラウンド等のラウンド数として計数されるため、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から初期状態(閉鎖状態)に駆動されたシャッタ40は、所定の時間(例えば、1秒)経過後に再度開放状態に駆動される。つまり、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技状態を大当たり遊技状態という。すなわち、大当たり遊技状態は遊技者にとって有利な特別遊技状態である。
また、前述した始動口25、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39に遊技球が入賞又は通過したときには、予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、一般遊技状態において、大当たり遊技状態へ移行するか否かの大当たり抽選(特別図柄ゲーム)が行われ、大当たり遊技の抽選結果に基づいて、前記特別図柄表示器35に停止表示される特別図柄に対応した識別図柄の組み合わせが、リールユニット4のリールを介して表示されるとともに、この抽選結果に伴う演出画像についても、後述するリールユニット4内に設けた液晶プロジェクタ4eやプロジェクタ4fを介してスクリーン4b上の表示領域に表示することもできる。そして、抽選結果に当選すると前述した大当たり遊技状態に移行するのである。
また、大当たり遊技状態の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、15ラウンド又は2ラウンドである。なお、大当たり遊技状態の実行中における最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(後述するメインCPU66を含む主制御回路60(図5参照))による抽選により、"1"ラウンドから"15"ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数であってもよい。
ここで、図15を参照して遊技盤14の背後に取り付けられたリールユニット4の構成について説明する。
リールユニット4は、モータなどの駆動装置により回転駆動される透明フィルム材によりその周面が形成された円筒状のリール体3(リール3L,3C,3R)と、リール体3の回転中心部3aに収納された棒状光源4aと、リール体周面に配置された識別図柄を棒状光源4aにより投影可能としたスクリーン4bとを備えて構成されている。
図15(a)はリールユニット4の分解斜視図、図15(b)はリールユニット4の斜視図である。図15に示すようにリールユニット4は、箱状に形成されたケーシング4hと、このケーシング4h内に配設された3個のリール3L,3C,3Rとを備え、これら3個のリール3L,3C,3Rは、カバー体3B内にそれぞれ回転自在に収納配設されている。
カバー体3Bは、ケーシング4hの後壁に着脱自在に取り付けられた断面略C字状の湾状に形成した周壁部3cと、この周壁部3cの左右に形成された略円形の左右壁3dとからなり、この左右壁3dに、それぞれ略L字状とした係合溝3bを設けている。
3個のリール3L,3C,3Rはその回転中心部3aとなる円筒状支持体により並列状態に連結され、この円筒状支持体内に棒状光源4aが挿通されている。
そして、図15(b)に示すように、前記円筒状支持体の両端を前記係合溝3b,3bに掛け渡して組み込み、3個のリール3L,3C,3Rは、ケーシング4h内に収納された状態で遊技盤14の背後の所定の位置に取り外し自在に設置されることとなる。3eは前記係合溝3bに連続する案内溝であり、リール3L,3C,3Rを連結した円筒状支持体を係合溝3bにガイド可能としている。
回転中心部3aをなす円筒状支持体は、光透過性の素材から形成するか、あるいは、少なくともその円筒面の前側部に窓状開口を形成したものとし、内部に挿通した棒状光源4aを透過して、リール体3上の識別図柄をスクリーン4bに投影可能としている。
このスクリーン4bは、半透明性のプラスチック材や布地材などで形成されており、ケーシング4hの前側位置に配設されている。そして、表示手段の一部をなすこのスクリーン4bの画像投影面は、光源である棒状光源4aを中心とする円周面となるように湾曲形成され、棒状光源4aからの光により投影されて拡大表示される識別図柄画像のひずみが少なくなるようにしている。
こうして、識別図柄の変動表示態様及び停止態様が、遊技者側からはっきりと視認可能となる。なお、図中、4gはスクリーン4bの前方に位置するように、ケーシング4hの前端部に配設された保護ガラス板である。
ところで、リール3L,3C,3Rの回転は、それぞれ独立して制御されるものであり、図示しないステップモータが、回転中心部3aと干渉しないようにリール内部に配設されるとともに、ギヤなどの動力伝達機構(図示せず)を介して円筒状支持体に回転力を伝達可能としている。
なお、棒状光源4aは、例えば蛍光ランプやLEDランプなどの発光体からなり、必要に応じてリール3L,3C,3R毎に異なる色調で発光させるようにしてもよい。なお、棒状光源4aは、遊技実行制御手段となる主制御回路60などを介してオンオフ制御することができ、その遊技状態の変化などに応じてリール3L,3C,3R毎に異なる発光色などによりパターン発光させることもできる。
図16はリール体3の変形例の説明図であり、図示するように、リール面内側に光源を近接配置している。
変形例のリール体3には、図示するように識別図柄が配置されるリール面内側に近接させたランプユニット4cが識別図柄投影用の光源として設けられている。すなわち、リールユニット4はリール3L,3C,3Rをそれぞれ回転駆動及び停止させるためのステッピングモータ6と、各リール3L,3C,3Rのフィルム面に印刷された識別情報である複数の識別図柄をリール内側から照射するための3つの発光体4dを有するランプユニット4cを具備して構成されている。
これによって、識別図柄が配置されたリール体3のフィルム面に光源からの光を集中させて、投影画像をスクリーン4b上に高輝度で表示させることによって、その視認性をさらに高めることができるようになっている。
また、図17は他の実施形態に係るリールユニット4’の説明図である。この実施形態におけるリールユニット4’は、隣接するリール間にプロジェクタを配置した点に特徴がある。
すなわち、図示するように、リールユニット4’は、前述した棒状光源4aを具備する構成に加えて、スクリーン4bに所定のデモ画像などの演出画像を投影表示するための液晶プロジェクタ4eをリール3L,3C,3R間に配置している。なお、リールユニット4’は、棒状光源4aに代えて、図16で示したランプユニット4cを具備する構成としてもよい。
略円柱状に形成された液晶プロジェクタ4eは、リール3Lとリール3C及び、リール3Cとリール3R間において、円筒状支持体にそれぞれの基端側が固定配置されている。そして、プロジェクタ4eの先端側のレンズ部がスクリーン4bの上下端にかけて望めるような映写角度でリール面側に突出して、スクリーン4bに所定の演出映像などを表示させることができるようになっている。
かかるリールユニット4’は、棒状光源4a(あるいはランプユニット4c(図16))による識別画像の投影映像と、プロジェクタ4eとによる演出用のプロジェクタ映像とをスクリーン4b上で重ね合わせることができる。勿論、棒状光源4a及びプロジェクタ4eをそれぞれ独立に作動させることもできる。こうして、この映像同士をスクリーン4b上で光学的に干渉合成させることによって新規な味わいの映像表現が可能であり、可変表示ゲームに遊技者を引き付ける興味性をさらに高めることができる。さらに、プロジェクタ4eをリール体3の回転軸側に近接配置して、その投影面が回転軸に対して略同心円上となっているスクリーン4bに投影されるプロジェクタ画像の歪みを最小限度にとどめることも可能としている。
なお、プロジェクタ4e及び棒状光源4aは、遊技実行制御手段となる副制御回路200などを介してその動作状態を制御することができる。したがって、遊技実行制御手段などにロードされた監視プログラムによって、リール体3やプロジェクタ4eの作動状態などを含むパチンコ遊技機10の遊技モードをモニタして、プロジェクタ4eが作動中のときには棒状光源4aを消灯させたり、遊技モードに応じて所定パターンで点滅させたりするように設定することができる。
図18は、さらなる他の実施形態に係るリールユニット4”の説明図であり、本実施形態では、リール体3の上部にプロジェクタ4fを配置した点に特徴がある。
本実施形態に係るリールユニット4”は、図示するように光源となるランプユニット4cを内蔵させたリール体3の上方にプロジェクタ4fを配置してスクリーン4bに映像を投影表示できるようにしている。ここでは、ケーシング4hの天井壁にプロジェクタ4fを取り付けている。
このリールユニット4”では、リール3L、3C、3C間にプロジェクタ4eを配置した先の他の実施形態に比べて、リール3L,3C,3R同士の配置干渉による制約を少なくできるとともに、プロジェクタ4fの配置自由度を高められ、メンテナンスを容易にできるといった利点がある。
このように、各実施形態においては、リール体3を、スロットマシンなどに用いるリールよりも著しく小型化しながらも、リール体3の内側に設けた光源となる棒状光源4aやランプユニット4cなどにより、高速で回転して変動表示される複数の識別図柄を、見分け易くスクリーン4b上に拡大表示させることができる。
また、他の実施形態で説明したように、スクリーン4bへの投影用光源(棒状光源4a、ランプユニット4c)に加えて、プロジェクタ(プロジェクタ4eやプロジェクタ4fなど)を設けることによって、リールユニットにおけるリール動作や演出画像の表示形態をその遊技モードなどの遊技条件に応じて変換して、可変表示ゲームにおけるリール回転のリアリティ表現と視覚認識効果に優れた遊技機を提供することができる。
さらに、リール外周に印刷される識別図柄(識別情報)も半透明で色彩豊かな特殊インク等で印刷することにより、なお一層、複数の図柄の判別が容易になる。
図14に示すように3個のリール3L,3C,3Rの外周には、複数の識別図柄がそれぞれ異なる配置で印刷されている。また、各リールには21個の図柄が印刷されており、その種類は7種類の異なる図柄が用いられている。数字の7(図柄81)及びアルファベットのV(図柄80)は、本実施形態における大当たり遊技状態の発生を遊技者に示唆する特別な図柄である。他にも、チェリー(図柄83)、スイカ(図柄84)、ベル(図柄85)、リプレイ(図柄86)等の複数の図柄が設けられている。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図5を用いて説明する。図5は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に遊技の実行を制御する主制御回路60と、演出を制御する副制御回路200とから構成され、共に遊技実行制御手段として機能する。すなわち、主制御回路60は、遊技の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)に加えてリール体3の駆動制御などを行うものである。
主制御回路60は、図5に示すように、メインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、リール体の駆動制御を担う遊技実行制御手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される大当たり抽選テーブル(図6参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図5に示すように、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が接続されている。
カウントセンサ104は、大入賞口39の開口部などに設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39に遊技球が入賞した場合に所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106,108,110,112は、各一般入賞口56a〜56dへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、通過ゲート54などに設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球検出手段である始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。始動入賞球センサ116は、始動口25に遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、大入賞口39のシャッタ40(図3参照)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態(初期状態)とする。
そして、主制御回路60には、発射制御回路126が接続されている。この発射制御回路126は、遊技者によって発射ハンドル26が把持され、回動操作された場合、発射装置130の発射ソレノイド(図示せず)へ電力が供給されて、上皿20に貯留された遊技球が発射されることとなる。なお、発射制御回路126は、遊技者による発射ハンドル26の回動操作量に応じた電力を、発射ソレノイド(図示せず)へ供給するため、遊技者は発射ハンドル26の回動操作量を調節することにより、遊技球の発射強度を変更することができる。
また、主制御回路60には、払出制御回路127が接続されている。この払出制御回路127には、遊技球の払出を行う払出装置128、カードユニット150が接続されている。
この払出制御回路127は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。
さらに、主制御回路60は、電飾ユニット53(図4参照)の各種表示器、表示ランプを制御する表示器制御回路76を備えている。この表示器制御回路76はメインCPU66からの指示に従い、パチンコ遊技機10の遊技状態に応じて、特別図柄表示器35、普通図柄表示器33の変動の制御(例えば、変動の開始及び所定の図柄での表示停止)を行い、さらに、特別図柄保留ランプ50a〜50d、普通図柄保留ランプ34a〜34d、ラウンド数表示器51a〜51dの点灯及び消灯の制御を行うものである。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、リール体3、プロジェクタ4eなどにおける表示制御、スピーカ46L,46Rから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a,133bの制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、リールによる変動停止動作やプロジェクタ4eを用いた表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46L,46Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、演出用の装飾ランプ133a,133bの制御を行うランプ制御回路240、リールモータ駆動/停止制御回路260などから構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連して実行されるプロジェクタ4e、4fの画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、リーチ演出の表示期間を定めたリーチ時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン等の演出画像データ等を用いて、リールユニット4に設けられた液晶プロジェクタ4eに画像を表示させる制御を行うものである。
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46L,46Rから音声を発生させるものである。
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うものである。また、本実施形態においては、リールユニット4に内蔵されている3個のリール3L,3C,3Rの背後に設置されているランプユニット4c(図15参照)の発光制御も行うものである。
リールモータ駆動/停止制御回路260は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、主制御回路60のメインCPU66からリール回転駆動指示があった場合、リールユニット4に内蔵されている3個のリール3L,3C,3Rのステッピングモータ6(図16参照)の回転駆動を行うものである。
また、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成しても構わない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[遊技機の動作]
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技について簡潔に説明する。本実施形態においては、主制御回路60のメインROM68に記憶されたプログラムに従ったメインCPU66による制御により、以下のパチンコ遊技機10の遊技動作が実行されるものである。
パチンコ遊技機10の遊技は、大別して通常遊技(大当たり抽選を行いながら遊技球を消費する遊技であり、大当たり遊技に比べて遊技者には相対的に不利な遊技)と大当たり遊技(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な特別な遊技)とに分かれる。
さらに、前記大当たり遊技は、大当たり抽選処理により抽選され、特別図柄ゲームにおいて、前記特別図柄表示器35に停止表示される特定の数字図柄により、15R確変大当たり遊技、15R通常大当たり遊技、2R確変大当たり遊技(所謂「突確」と呼ばれる大当たり遊技)又は2R通常大当たり遊技の4種類の大当たり遊技が決定する。
そして、前記4種類の大当たり遊技(15R確変大当たり遊技、15R通常大当たり遊技、2R確変大当たり遊技又は2R通常大当たり遊技)は、大当たり抽選テーブル(図6参照)を参照し、通常遊技の通常モード又は確変モードに応じてそれぞれ異なる抽選確率で抽選される。
さらに、前記4種類の大当たり遊技のいずれか一つに当選した場合に、前記特別図柄表示器35(図4参照)に特別図柄が停止表示されるのと同じタイミングで、リールユニット4においても、識別画像の変動表示及び停止表示がなされ、特別な識別図柄(例えば、図柄80「V」また図柄81「7」の三つ揃い(図14参照))によって表示される。
また、前記4種類の大当たり遊技のいずれかが実行されると、4種類の大当たり遊技にそれぞれ応じた所定の回数を上限として(例えば、2R確変大当たり遊技及び2R通常大当たり遊技では2回、15R確変大当たり遊技及び15R通常大当たり遊技では15回、)、大入賞口39に付設されたシャッタ40(図3参照)が、所定時間(例えば、20秒)の開放を繰り返すことにより、遊技領域15に発射された遊技球の大入賞口39への入賞が容易となり、遊技者は短時間で大量の賞球を獲得することが可能となる。かかる大当たり遊技の獲得(大当たり遊技への当選)は、一般の遊技者の最大の目的であり、パチンコ遊技の醍醐味ともいえる。
また、本実施形態では、大当たり遊技の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、15ラウンド又は2ラウンドとしているが、大当たり遊技の最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、"1"ラウンドから"15"ラウンドまでの間から、任意のラウンド数を設定しても構わない。
他方、本実施形態における通常遊技は、通常モード(通常低確率遊技状態)、確変モード(特別高確率遊技状態)、時短モード(特別遊技モード)の3種類の遊技モードの下で実行される。
ここで、前記3種類の通常遊技(通常モード、確変モード、時短モード)のモードの移行及びそれぞれの特徴を、以下に簡単に説明する。
通常モードは、パチンコ遊技機10における基本モードであり、遊技球の入賞に対して賞球の払い出しを行うとともに、遊技球が始動口25に入球した場合は大当たりの抽選処理をおこなうモードである。パチンコ遊技機10に電源を投入すると、この通常モードから遊技が開始される。
確変モードは、通常遊技において、前記4種類の大当たり遊技のうち15R確変大当たり遊技又は2R確変大当たりに当選すると、当該大当たり遊技の終了後に移行する特別高確率遊技状態であり、この確変モードの特徴は、前記通常モードにおける大当たりの抽選確率よりも大当たりの抽選確率が高確率に設定される。
具体的にいうと、本実施形態においては、通常モードにおける大当たりの抽選確率は「1/300」であるのに対して、確変モードにおける大当たりの抽選確率は「1/30」と10倍の抽選確率が設定(図6、大当たり抽選テーブル参照)されている。
つまり、確変モードでは通常モードと比較して、10倍の頻度で大当たり遊技が発生することになるので遊技者にとって有利な遊技状態であると言える。
最後に、時短モードは、前記4種類の大当たり遊技のいずれに当選した場合でも、当該大当たり遊技の終了後に設定される遊技モードである。
この通常遊技における時短モードとは、特別図柄及び普通図柄が変動表示を開始して停止表示されるまでの変動時間が、通常モードよりも短く設定され、さらに、前記普通図柄の抽選の結果が"当たり"の場合(つまり、前述した普通図柄表示器33(図4参照)において、例えば、緑色LEDの表示用ランプが点灯した場合)、始動口25に付設された羽根部材23の開放時間が通常モードよりも長く設定される。なお、かかる制御を、本実施形態では、「電チューサポート」と呼ぶ場合がある。
このように、「電チューサポート」が実行されると、始動口25に遊技球が入賞し易くなるので、単位時間当たりの大当たり抽選回数が通常モードに比べて著しく増加し、かつ始動口25への入賞に対する賞球の払い出しも増加するため、遊技球の目減りが少なく(所謂「球持ち」がよい状態となる)、遊技者にとって有利な状態といえる。
また、この時短モードは、前記4種類の大当たり遊技の、当該大当たり遊技終了後に、特別図柄の変動回数(例えば、100回)が継続期間として均一に設定される。
以上説明したように、本実施形態においては、「通常モード」、「確変モード」、「通常モード+時短モード」及び「確変モード+時短モード」の4つの遊技モードの下で通常遊技が行われることになり、パチンコ遊技機10の遊技状態の変化に応じて、適宜遊技状態が推移して行くことになる。
以下、上述した遊技状態の変化に合わせてパチンコ遊技機10で実行される処理を図7〜図13に示す。
[メイン処理]
最初に、図7に示すように、主制御回路60のメインCPU66は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図9を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示器35に表示される特別図柄及び識別図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。そして、詳しくは、図11を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示器33に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12及びステップS13の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図8を用いて説明する。
最初に、図8に示すように、メインCPU66は、大当たり抽選用乱数値等の各抽選値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS23)。そして、この処理が終了するとステップS24へ処理を移す。
ステップS24においては、出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定の領域に記憶されている各種の出力要求に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する。すなわち、後述する各処理において、メインCPU66は、各種駆動遊技部材(パチンコ遊技機10の遊技領域15に配設されており、なおかつ遊技状態に応じて、その形態を変化させる遊技部材)に対する信号出力要求が、メインRAM70の所定領域に記憶された場合は、それに応じた信号を出力する。例えば、始動口25に付設されている羽根部材23を開放又は閉鎖するための普通電動役物ソレノイド118、大入賞口39に付設されているシャッタ40を駆動するための大入賞口ソレノイド120などの各ソレノイドの駆動要求があった場合、制御信号を出力して、各種駆動遊技部材を駆動させる処理を行う。そして、この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、リールユニット4に内蔵されている3個のリール3L,3C,3Rを回転駆動させ、3個のリール3L,3C,3Rの表面に印刷されている識別図柄の停止態様で表示される識別図柄の種類を示す導出図柄指定コマンド、デモ表示コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出制御回路127へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、遊技盤14に設置された各種の入賞口に遊技球が入賞すると、予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出制御回路127へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図7のステップS12において実行される特別図柄制御処理について、図9を用いて説明する。
最初に、ステップS31の処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
ステップS32においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、"大当たり"の抽選、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。すなわち、ステップS35において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり"0")か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS36へ処理を移す。
ステップS36においては、メインCPU66は、特別図柄停止処理を行う。この特別図柄停止処理では、メインCPU66は、変動表示中の特別図柄の変動停止要求をメインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、この処理でメインRAM70の所定の領域に記憶された特別図柄の変動停止要求は、前述したシステムタイマ割込処理の出力処理(図8、ステップS24)において電飾ユニット53(図4参照)へ出力され、変動表示中の特別図柄が変動停止される。この処理が終了するとステップS37へ処理を移す。
そして、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否かを判断し、大当たりでなければステップS39に処理を移す。一方、大当たりであった場合は、ステップS38の大入賞口開放待ち処理を行う。
この大入賞口開放待ち処理では、開放する大入賞口39をメインRAM70の所定の領域に記憶する。
そして、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして本サブルーチンを終了する。
ステップS39においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS43に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口の作動制御を行うためのステップS41に移行する。まず、メインCPU66は、ステップS41で大入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり"0")かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42で大入賞口開放処理を行う。この大入賞口開放処理では、メインCPU66は、詳しくは後述するが、次回のラウンドゲームにおいて大入賞口39を開放する。すなわち、この大入賞口開放処理において、メインCPU66は、大入賞口開放タイマに開放する大入賞口39の開放時間(例えば、20秒)をセットする。そして、特別図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
ステップS43においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS49に処理を移す。
また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行う。大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU66は、ステップS44で大入賞口開放タイマがタイムアップ(つまり"0")したか、又は、開放した大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞したか否かを判断する。
そして大入賞口開放タイマのタイムアップ、同時に、開放した大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。
そして入賞口開放タイマのタイムアップ、又は、開放した大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS45へ処理を移行する。
ステップS45においては、メインCPU66は、大入賞口復帰処理(メインRAM70の所定の領域に、大入賞口39のシャッタ40の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS46へ処理を移す。
ステップS46においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(15回又は2回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS48で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。一方、メインCPU66は、大入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、ステップS47において、メインCPU66は、大入賞口開放待ち処理を行う。
この大入賞口開放待ち処理では、前記ステップS42で決定されメインRAM70の所定の領域に記憶された大入賞口39のデータを読みだして、メインRAM70の所定の領域に記憶更新する。
そして、特別図柄制御フラグに開放する大入賞口39の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS49においては、メインCPU66は、大当たり終了処理を行う。大当たり終了処理では、大当たり図柄が15R確変大当たり又は2R確変大当たりの場合は、通常遊技を「確変モード+時短モード」とするとともに、時短モードの継続期間として、所定の特別図柄の変動回数(例えば、100回)を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。一方、大当たり図柄が15R通常大当たり又は2R通常大当たりの場合には、通常遊技を「通常モード+時短モード」とするとともに、所定の特別図柄の変動回数(例えば、100回)を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
そして、最後にメインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図9のステップS33において実行される特別図柄記憶チェック処理について図10を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS61において、始動口25に遊技球が入賞した場合に保留された特別図柄の保留個数が"0"であるか否かを判断し、特別図柄の保留個数が"0"の場合には、ステップS62に処理を移す。一方、特別図柄の保留個数が"0"でない場合(つまり、特別図柄の変動要求がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
ステップS62においては、メインCPU66は、プロジェクタ4e(4f)を用いてデモ画像を表示させるためにデモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンド信号を送る。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値(01)を、特別図柄制御フラグにセットし、ステップS64に処理を移す。
ステップS64においては、大当たり抽選処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、パチンコ遊技機10の現在の遊技モード(通常モード、確変モード)に基づいて、大当たりの抽選値が異なる大当たり抽選テーブル(図6参照)を選択する。そして、始動口25へ遊技球が入賞した時に抽出された大当たり抽選用乱数値と大当たり抽選テーブルを参照して大当たり遊技の抽選処理を実行する。
ここで、本実施形態に係る大当たり抽選テーブルについて説明する。
図6に示すように、例えば、通常モードにおける大当たり抽選テーブルと確変モードにおける大当たり抽選テーブルでは、乱数値を1〜30000に設定した中で、大当たりの抽選値の合計は、通常モードでは「100/30000」に設定されているのに対し、確変モードでは「1000/30000」と設定されている。
すなわち、15R通常大当たり、15R確変大当たり、ラウンドゲーム数が少なく、大当たり遊技の継続期間が短い大当たり遊技である2R確変大当たり(所謂「突確」)、2R通常大当たりの大当たり抽選値の合計、つまり、大当たり遊技に当選する確率は、通常モードでは1/300であるのに対し、確変モードでは10/300(1/30)に設定されている。
つまり、遊技モード(通常モードと確変モード)によって、大当たり遊技に移行する確率が異なっており、通常遊技が確変モードの下で行われている場合には、大当たり遊技に移行する確率は、通常モードよりも10倍向上することとなるので、確変モードは、遊技者にとって極めて有利な状態といえる。
図10に示す特別図柄記憶チェック処理の説明に戻る。
上述した大当たり抽選テーブルを用いたステップS64の大当たり抽選処理が終了すると、メインCPU66は処理をステップS65に移す。
ステップS65においては、メインCPU66は、大当たりであるか否かの判断処理を行う。この処理において、メインCPU66は、前述したステップS64の大当たり抽選処理における抽選結果が大当たりであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当たりでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
ステップS66においては、大当たり図柄である特別図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりの種類に対応して表示される特別図柄を決定する。例えば、「15R確変大当たり」に対しては、特別図柄は"64"、「2R確変大当たり」に対しては、特別図柄は"50"、「15R通常大当たり」に対しては、特別図柄は"11"、「2R通常大当たり」に対しては、特別図柄は"21"というように、それぞれの大当たりに対応して特別図柄は決定される。そして、決定された特別図柄は、メインRAM70の所定の領域に記憶される。これによって、電飾ユニット53(図4参照)に設置されている特別図柄表示器35において、大当たりに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。そして、この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄に対応した特別図柄(例えば"11"、"21"、"50"、"64"以外の数字)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、電飾ユニット53(図4参照)に設置されている特別図柄表示器35において、はずれに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS68では、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メインCPU66は、現在の通常遊技が時短モードであるか否か判断し、時短モードの場合はステップS70へ処理を移行する。一方、現在の通常遊技が時短モードでないと判断した場合はステップS69において、通常モードの特別図柄変動時間(例えば30秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS70においては、メインCPU66は、確変モード又は時短モードの特別図柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば20秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS71においては、メインCPU66は特別図柄表示器35(図4参照)に対し、変動表示を開始させる要求をメインRAM70の所定の領域に記憶してステップS72へ処理を移す。
この処理によって、前記ステップS69及びステップS70で特別図柄変動タイマにセットされた変動時間にあわせて、特別図柄表示器35において特別図柄の変動表示が行なわれ、所定時間経過後(特別図柄変動タイマがタイムアップした後)、前記ステップS66及びステップS67で決定された"大当たり"又は"はずれ"の特別図柄が停止表示されることとなる。
ステップS72においては、メインCPU66は、リールユニット4に表示停止される識別図柄の種類やリールユニット4の回転時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66又はステップS67で記憶された"大当たり"又は"はずれ"のデータ、そしてステップS69又はステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータに基づき、表示停止される識別図柄やリールユニット4の回転時間を決定し、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、この処理が終了すると本サブルーチンを終了する。
そして、上記ステップS72の処理で記憶されたリールユニット4のリールにより表示される識別図柄やリールユニット4の回転時間は、図8のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、リールユニット4の回転動作が開始されるとともに、リールユニット4の回転時間も決定される。つまり、電飾ユニット53(図4参照)における特別図柄表示器35で導出表示される特別図柄の変動時間と、リールユニット4に表示停止される識別図柄の変動時間は同期して行われることとなる。
[普通図柄制御処理]
図7のステップS13において実行されるサブルーチンについて図11を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS101において、普通図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)であるか否か判断し、普通図柄制御フラグが(00)でない場合はステップS104へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(00)の場合は、ステップ103の普通図柄記憶チェック処理を行う。この普通図柄記憶チェック処理では、詳しくは図12を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、普通図柄の当たり判定、普通図柄の変動開始、普通図柄の変動タイマのセット等を行い、普通図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS104においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合は、ステップS105において、普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり"0")したかを判断し、タイムアップしていなかった場合は処理を終了する。一方、普通図柄変動タイマがタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS106において、普通図柄停止処理を行う。この普通図柄停止処理においては、メインCPU66は、普通図柄表示器33に対して変動を停止する要求をセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これにより、普通図柄表示器33において、前記普通図柄記憶チェック処理で判定された、普通図柄の"当たり"又は"はずれ"の判定結果が表示(例えば、普通図柄表示器33を構成する二色のLEDにおいて、"当たり"の場合は緑色LEDを点灯させ、"はずれ"の場合は赤色LEDを点灯させる)されることとなる。この処理が終了すると、メインRAM70の所定の領域に記憶されている普通図柄保留個数を"1"減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
ステップS107においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ処理を移し、普通図柄が当たりか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄が当たりであると判断した場合は、ステップS109の普通電役開放処理に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄が当たりではないと判断すると、ステップS110において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動役物の羽根部材23の開放処理(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の開放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物の羽根部材23の開放時間(例えば、遊技状態が時短モードの場合は3秒、通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(03)をセットして処理を終了する。
ステップS111においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、ステップS114へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、ステップS112へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり"0")したかを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、ステップS113の普通電動役物閉鎖処理において、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御フラグに(04)をセットして処理を終了する。
ステップS114においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値"00"をセット)して処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図11のステップS103において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。
最初に、ステップS121において、メインCPU66は、普通図柄保留個数が"0"であるか否かの判断を行い、普通図柄保留個数が"0"であると判断した場合には、普通図柄記憶チェック処理を終了する。尚、この普通図柄保留個数はメインRAM70の所定の領域に記憶され、通過ゲート54を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば"4")を上限として"1"増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、"1"減算して記憶更新される。一方、メインCPU66は、普通図柄の保留個数が"0"でないと判断した場合には、ステップS122において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値"01"をセットし、ステップS123へ処理を移す。
ステップS123においては、普通図柄当たり判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(通過ゲート54を遊技球が通過することによって)抽出された普通図柄当たり判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当たり判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当たり判定用乱数値が普通図柄当たり判定値と一致する場合には、当たり図柄(例えば、普通図柄表示器33、緑色LEDの点灯(図4参照))を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当たり判定用乱数値が普通図柄当たり判定値と一致しない場合には、はずれ図柄(例えば、普通図柄表示器33、赤色LEDの点灯)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、表示器制御回路76(図5参照)により、二色のLEDで構成される普通図柄表示器33は、変動表示(例えば緑色LEDと赤色LEDを交互に点滅させる)を開始する。この後、ステップS124に処理を移す。
ステップS124においては、メインCPU66は、一般遊技状態が時短モードであるか否かを判断し、一般遊技状態が時短モードであった場合は、ステップS126において、メインCPU66は、通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。一方、遊技状態が時短モードでない(つまり確変モード又は通常モード)場合は、ステップS125において、メインCPU66は、時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)を、普通図柄変動タイマにセットして本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図13を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS201において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60のメインCPU66から送られてきた各種コマンド(例えば、導出図柄指定コマンド等)を解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、前記コマンド解析処理において、主制御回路60のメインCPU66からコマンドを受信した場合に、そのコマンドに応じ、プロジェクタ4e(4f)を用いた演出画像表示制御を行う。すなわち、プロジェクタ4e(4f)を用いてリールユニット4のスクリーン4bに演出表示がなされることとなる。
そして、サブCPU206は、スピーカ46L,46Rから発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種の装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ステップS207に処理を移す。
ステップS207において、サブCPU206はリール制御処理を実行する。リール制御処理においては、リールユニット4に内蔵されているリール3L,3C,3Rを回転駆動させる。そして、定められた時間が経過した後にリール3L,3C,3Rの回転を自動停止させて、パチンコ遊技機10の遊技状態(つまり、始動口25へ遊技球が入賞したことを契機とした、大当たり遊技の抽選結果)に合せて識別図柄を停止表示させるリール停止制御を行う。こうして、スロットマシンを模したリールの動きをリールユニット4を介して表現するのである。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS207までの処理を繰り返し実行することとなる。
以上説明してきたように、本実施形態によれば、極めてコンパクトに形成されたリール体3の駆動制御を行うとともに、当該リール体3の内部に棒状光源4aやランプユニット4cからなる光源を収納し、これによりリール体周面の識別図柄を、表示手段となるスクリーン4b上に投影して、大当たり遊技に移行するか否かを遊技者に明瞭に報知することができる。さらに、プロジェクタを介して演出画像についてもスクリーン4b上に表示することができる。これによって、遊技機内部にリール体3をコンパクトに配置して、スロットマシンなどで用いられるリール動作によるものと同等な視認性を備え、リアルなリール回転の動きを体感できる遊技機を提供することができる。
上述した実施形態から以下の遊技機が実現される。
遊技球が転動する遊技領域15と所定の開口領域を有する遊技盤14と、前記開口領域の背後に配設され、周面に設けられた複数の識別図柄を変動表示するとともに、所定の態様で停止表示させるリール体3を備え、前記識別図柄の停止態様により遊技状態の変化を報知可能とした表示手段(例えば、可変表示部4k)と、前記リール体3の駆動制御を行う遊技実行制御手段(例えば、主制御回路60や副制御回路200)と、を備え、前記表示手段は、前記リール体3の内部に収納された光源(棒状光源4aやランプユニット4c)と、前記遊技盤14の開口領域に設けられ、前記識別図柄を前記光源により投影可能としたスクリーン4bと、を備える遊技機(パチンコ遊技機10)。
前記表示手段(例えば、可変表示部4k)は、プロジェクタ4e(4f)を備え、前記遊技実行制御手段(例えば、主制御回路60や副制御回路200)は、前記プロジェクタ4e(4f)を用いて演出画像を前記スクリーン4bに投影する遊技機(パチンコ遊技機10)。
前記遊技実行制御手段(例えば主制御回路60や副制御回路200)は、前記プロジェクタ4e(4f)を用いる場合、前記光源(棒状光源4aやランプユニット4c)を消灯する遊技機(パチンコ遊技機10)。
なお、本発明の実施例に記載された遊技機は、本発明から生じる最も好適な構成のものを列挙したに過ぎず、本発明に係る遊技機は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、リール体3に内蔵された光源(棒状光源4aやランプユニット4c)やプロジェクタ4e(4f)を介して画像などが投影されるスクリーン4bをリール体3の前面に固定配置される構成としたが、巻き下げや巻き上げ可能なロールスクリーンによる開閉可能または複数のスクリーン面を有した移動型スクリーンとして形成することもできる。この場合、遊技機上で展開される遊技状態に応じて、ロゴマークや所定デザインのリール枠などが記載されたスクリーン表示面に切り換えたり、スクリーンを巻き上げることによってスクリーンを有しない従来の遊技機として動作させたりすることも可能となる。
また、スクリーン4bに照射する棒状光源4aやランプユニット4c)やプロジェクタ4e(4f)は単数又は複数のものをリールユニット4内に配置することができる。なお、リールユニット前面近傍にスクリーン4bをその表側から照射する補助用光源を設けることもでき、プロジェクタ4e(4f)などを介して裏側から投影される投影画像の一部又は全部を無効化させたり、スクリーン面の色調をソフトに変化させたりするような演出効果を付加してもよい。
なお、パチンコ遊技機10には回転駆動されたリール3L,リール3C、リール3Rを停止させるための停止ボタンを設けるようにしてもよい。すなわち、所定条件を満たした場合、回転するリール3L,3C,3Rを遊技者の操作により停止させる、所謂「スロットゲーム」の機能を付加することも可能である。