JP5171186B2 - 脆性材料基板の割断装置および割断方法 - Google Patents

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本発明は、ガラス、セラミックス、半導体ウエハなどの脆性材料基板、さらには液晶表示パネル用基板などの貼り合わせ基板の割断装置およびこれらの割断方法に関する。
一般に、上記したような脆性材料基板からなるマザー基板を割断(分断)して、マザー基板から複数の単位基板を製造する場合は、マザー基板となる脆性材料基板(以下、特に断らない限り、単に「ワーク」という。)をスクライブ装置の加工テーブルに位置決め固定し、先ずスクライブラインを形成した後、割断(分断)している。そして、スクライブラインを形成する手段としては、特許文献1にあるようなカッターホイールを用いる加工装置、特許文献2にあるようなレーザを用いる加工装置が知られている。一方、分断(ブレイク)する手段としては、特許文献3や特許文献4にあるようなブレイクバーを用いる装置や、特許文献5や特許文献6にある加圧エアーを用いる装置が知られている。
特開平9−188534号公報 特表平8−509947号公報 特開平6−279042号公報 特開昭63−166734号公報 特開2001−347497号公報 特開2004−214262号公報
しかしながら、上記各特許文献に開示されている技術を用いても、スクライブラインの真直性、分断後の断面品質、生産効率等の面で優れたワークの割断手段が見出されていないのが現状である。
その主たる原因は、脆性材料の属性に依拠するものと考えられる。即ち、例えば、カッターホイールでガラス基板をスクライブする場合、亀裂は板厚の2倍乃至5倍程度の長さに亘って直線的に高速で進展し(先走り現象若しくは不安定破壊)、停止する。これは脆性材料の属性の一つである亀裂(割断)が進展し始める際のイニシエーション(initiation)のエネルギーが大きいためと考えられる。例えば円形に割断したい場合でも、実際の割断加工は、スクライブラインが屈曲し易く、滑らかな曲線状の割断を行うことが困難である。脆性材料から形成された板体の割断加工において特に必要なことは、技術的には形状の複雑ないわゆる曲線上の割断が可能なこと、並びに割断時に割断断面およびその近傍にチッピングや微細な損傷割れが伴わないことの二点に集約されると言っても過言ではない。特にチッピングや微細割れは製品の強度を著しく低下させるため、製品強度を保持するためには、加工面の状態を良好に(傷が無く、且つ、滑らかに)保つ必要があるといえる。
これらの現象を具体的に見ていくことにする。先ず、ワークと加工テーブルとの関係であるが、通常、ワークを加工テーブルに位置決め固定した状態で加工を行っている。分断(ブレイク)を例にとると、次のような不具合が発生する。図17(a)に基づいて説明すると、先ず、摩擦抵抗との関係である。ここでは説明の便宜上、ワークの下面を2点A,B(正確には2本のライン)で支持するとともに、上面の1点(1本のライン)から荷重Pを負荷する3点曲げの例で説明を行う。即ち、ワークに荷重(P)をかけると、ワークの周長が伸びるので、支点(A,B)とワークの間に摩擦抵抗[=1/2×P×μ×b(μ:摩擦係数、b:幅)]が作用するので、それに打ち勝つために十分な大きさの荷重Pを用いることが必要である。また、分断(ブレイク)の際、ワークの傷付きを防止するために、加工テーブルとワークの間にマットのような弾性体70を敷いた場合(後述する図18参照)、弾性体の剪断変形抵抗がワークに作用し、荷重(P)が大きくなる。
一方、ワークを加工テーブルから浮上させるなどして固定しなければ(以下、「自由支持状態」若しくは「自由支持状態に近い状態」という)、気体と固体(ワーク)の摩擦係数(μ)は、0に近いので、荷重(P)はその分だけ小さくてよいことが知られてはいるが、現時点ではこのような、ワークを自由支持状態若しくは自由支持状態に近い状態で保持し、ワークを割断する方法は、実際の生産ラインには採用されていない。なお、図17(b)は亀裂を斜めに形成し、ワークに抜き勾配を付ける場合であるが、ワークに起こる現象は、図17(a)の場合と同じである。
さらに、加工テーブルにワークを位置決め固定し、分断(ブレイク)するのであるが、スクライブ工程で形成されているスクライブラインの反対側を押圧手段(例えば、ブレイクバー)でどれだけ正確に位置決めして押圧できるか、すなわち、スクライブラインの左右で均等な荷重がかかるように配慮することが重要で、ブレイク装置における加工テーブルの平坦度、また、ブレイクバーの真直度の点で、ワークのサイズが大きくなってきた場合には、スクライブラインが形成された面とは反対側面におけるスクライブラインの形成位置に対向する位置に、正確にブレイクバーを当接させることが困難となり、その結果、分断後の断面品質の問題が発生する。
より具体的には、押圧箇所とスクライブラインが形成された箇所とが微妙にずれる可能性があり、ワークの表面から垂直クラックが進展する段階での垂直クラックの垂直方向の真直度の点でズレが起こる可能性がある。また、たとえスクライブラインの全長に亘って正確にその反対側から押圧手段でブレイク圧(分断圧)が加えられたとしても、スクライブラインの左右で機械的(物理的)な拘束点が存在する為に、左右で微妙に荷重変化にアンバランスが生じ、その結果、左右の荷重の釣り合った新たな箇所を起点として垂直クラックが進展していく関係で真直度の優れた垂直クラックの形成が不可能な状況となる。
さらに、図18に示すように加工テーブルとワークの間にマットのような弾性体70を敷いた場合は、ワークが2片に割断された後についても、ワークは、弾性体に密着状態で加工テーブルに吸着固定されたままであり、かつ、弾性体との摩擦係数も大きいために、ワークは分断後も側方にずれることはない。その為ブレイクバーが上方に移動後、弾性体が元の状態に復する際等にガラス片の端面相互が擦り合ったりして、その箇所でカレットが生じやすくなる不具合が生じる。
また、前述のとおりワークを割断するには、通常、スクライブとブレイク(分断)の二工程が少なくとも必要であり、それに伴う各種装置、機器等が必要になり、諸種の面で不都合、不利益が伴うことは必定である。
そこで、本発明者は、脆性材料基板を割断するにあたり、脆性材料の属性を真摯に今一度見直した結果、例えば、非特許文献1において、スクライブラインの左右で均等な力を加えて分断することが重要であると記載されているように、もしもワークを自由支持状態若しくは自由支持状態に近い状態で加工テーブルに載置すれば、ワークに予めスクライブラインを形成しておかなくても、ワークの割断予定線の始端に切り欠き若しくは初期亀裂を形成しておき、ワークの割断予定線の両側に均等な力をかけると同時に亀裂の先走り現象を抑制する手段を配設しておけば、これまでにないような少ない力で割断が可能になり、真直性、分断後の断面品質が優れたワークを得ることが出来ることに鑑み本発明を完成するに至った。
「ガラス施工法(上巻)」60乃至61頁(編者:全国板硝子商工協同組合連合会職業訓練法事業委員会、発行者:財団法人職業訓練教材研究会、平成5年2月10日5版発行)
上記目的を達成する為に本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発明は、少なくとも切り欠き若しくは初期亀裂が形成された脆性材料基板の割断装置であって、前記切り欠き若しくは初期亀裂を始端とし、他端を終端とする割断予定線の近傍が固定されていない自由支持状態になるように前記脆性材料基板が載置される加工テーブルと、前記脆性材料基板の表裏面のうち、切り欠き若しくは初期亀裂を形成していない側の面の前記割断予定線上に局所的に加圧流体を吹き付けて、または、切り欠き若しくは初期亀裂を形成した側の面の前記割断予定線上に局所的に負圧を生じさせて、前記加圧流体が押圧する加圧点または負圧が作用する負圧点を中心として前記脆性材料基板を非接触状態で弾性変形させる亀裂成長手段、および、前記割断予定線の方向に沿って前記亀裂成長手段よりも前方位置に配置され、当該亀裂成長手段により発生される当該割断予定線前方位置での弾性変形を、当該前方位置への表裏両側からの加圧流体の吹き付けにより、または、当該前方位置への局所加熱で生じさせる圧縮応力によって非接触状態で矯正する亀裂成長抑制手段からなる割断制御装置とを備え、前記割断制御装置を前記脆性材料基板と非接触状態に保持しつつ、前記脆性材料基板の切り欠き若しくは初期亀裂から割断予定線に沿って移動させることを特徴とするものである。
本発明の割断装置は、ワークと終始非接触状態を保持しながらワークを加工するので、ワークに与える損傷は先ず考えられない。また、切り欠き若しくは初期亀裂から逐次亀裂を誘導しながら亀裂を成長させて割断するために、直線や自由曲線状のスクライブラインに沿って割断できる。また、亀裂成長手段および亀裂成長抑制手段に加圧エアー等の加圧流体を使用する場合には、単位当たりの割断コストが極めて安価になる。その他の効果についても枚挙に遑がないが、代表的なものを挙げると次のとおりである。割断面が鏡面に近く、面粗さが良好である。割断面がガラス表面に対して垂直である。割断面にカレットの付着がない。研磨、洗浄等の工程を大幅に短縮できる。複層構造板の割断が可能なので、液晶パネルディスプレイやプラズマパネルディスプレイ用のガラス基板に適用できる。更に、ワークに少なくとも切り欠き若しくは初期亀裂さえ形成してさえおけばよく、スクライブラインを形成する為の諸設備等が不要になる。勿論ワークにスクライブラインを形成したものにも適用できることは言うまでもないことである。
以下において本発明の詳細を図面に基づいて説明する。
図1(a)は、本発明に係る割断装置の一形態を示す模式的な斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A線に沿った部分断面図である。加工テーブル1の中央部を縦断するように溝が形成され、この溝の内側には全長に亘って多孔質部材3bが配設され、さらにその下方にキャビティ31および給気孔32が連通するように形成されている。ワーク2は多孔質部材3bを横断するように跨ぐとともにワーク2の割断予定線が多孔質部材3bの上にくるように載置される。
ワーク2は、手前側の側面を始端としたときに裏面側の始端中央部に切り欠き若しくは初期亀裂21(以後切り欠き若しくは初期亀裂のことを初期亀裂と略す)が形成されており、多孔質部材3bと接した状態で加工テーブル1に自由支持状態に近い状態で載置される。ここで、自由支持状態とは、図4(a)に示すように、ワーク2の一端を減圧(吸着)し、台座1aに固定した場合に、ワーク2の他端(自由端)で見られる状態をいい、自由支持状態に近い状態とは、図4(b)(c)に示すように、例えば、薄いワーク2の両端部を減圧(吸着)し、加工テーブル1に固定した場合に、ワーク2の中央部がその重力によって非強制状態で下方に垂れ下がった状態をいう。一般にワーク2の板厚が厚い場合は、そのような自由支持に近い状態のゾーン(図4(b)の割断予定線(一点鎖線Sa)の両側に鎖線Sbで示した領域)が広くなり、薄い場合は狭くなる。
亀裂成長手段3は、ワーク2を挟んで、その表面側で、かつ、ワーク2の上方に近接配置された加圧用のノズル3aと、ワーク2の裏面側に配置された多孔質セラミック等の多孔質部材3bとから構成される。
亀裂成長抑制手段4は、亀裂成長手段3と同様に、ワーク2を挟んで、その両側に配置されたノズル4aと、多孔質部材3bとから構成される。ノズル4aはノズル3aよりも加圧面が大きくなるように幅広の口径にしてある。そして、この亀裂成長抑制手段4は、ワーク2の割断予定線に対して、亀裂成長手段3より前方に配置されており、これら亀裂成長手段3および亀裂成長抑制手段4の対によって割断制御装置5が構成されている。
なお、ここで「前方」とは、(割断の)進行方向における前方側をいう。したがって亀裂成長手段3は、亀裂成長抑制手段4に追随して移動することになるが、両手段3,4の離間距離は、ワーク2の板厚等を考慮し、適宜決めればよい。そして、両手段3,4の駆動手段は通常用いられるモータ等を用いればよく、割断装置が設置される環境等を総合的に勘案して決定すればよい。さらに、エアー等の加圧機構は通常用いられているコンプレッサを用いればよい。また、ここでは割断制御装置5を移動させる実施形態について説明したが、ワーク2をエアー等で移動させる実施形態についても適用可能であることは言うまでもないことである。
次に給気孔32からキャビティ31を介して多孔質部材3bに供給される加圧エアーの圧力分布であるが図3(a)に示した構造(ただし、図1とは上下を逆に図示してある)にして、加圧エアーを多孔質部材3bから噴射させた場合、静圧軸受け作用により、多孔質部材3bの表面にワーク2が存在しなければ、その圧力分布は図3(b)に示したように、中央部も端部も均等圧である。一方ワーク2が存在すれば、図3(c)に示したように、中央部が高圧で端部に向かうほど低圧になる。
なお、ワーク2が存在しても均等な圧力にしたい場合には、例えば、多孔質部材3bの粉体粒子(換言すれば多孔の平均径)の大きさ、即ち、密度分布を不均一にすればよく、具体的には、中央部は粉体粒子を細かくして密度を高め、気体の浸透率を低くする一方、端部は粉体を大きくして密度を低め、気体の浸透率を高くすればよい。割断するワークの種類等により適宜使い分ければよい。
次に割断制御装置5の一部を構成する亀裂成長手段3(3a,3b)がワーク2に及ぼす現象について説明する。多孔質部材3bから供給された加圧エアーは前述の通り、その圧力分布は、ワーク2が存在するので、中央部は高く、端部に向かうほど低圧になるので、ワーク2の下面に形成した初期亀裂21を中心(支点)にしてワーク2逆半円状に変形しようとするが、初期亀裂21と対向する位置であって、ワーク2の表面側に亀裂成長手段3の一部を構成するノズル3aから加圧エアーがワーク2に向かって順次吹付けられる結果、初期亀裂21から亀裂は割断予定線に向けて成長し、割断されていく。なお、ノズル3aと多孔質部材3bとから、夫々ワーク2に向かって吹付けられるエアーのエアー圧は同等か、ノズル3aの方が高圧にするのが好ましい。
次いで、亀裂成長手段3の前方に配置され、亀裂成長手段3とともに割断制御装置5を構成する亀裂成長抑制手段4(4a,3b)について説明する。基本的構成は、亀裂成長手段3と同一である。即ち、ワーク2を挟んでその表面側(初期亀裂21が形成された面と反対側の面)であって、ワーク2の上方に近接配置された四角形状のパイプからなる加圧用のノズル4a(ノズル3aよりも吹き付ける面積が大きい)と、このノズル4aと対向する位置であって、ワーク2の裏面側に配設された多孔質部材3bとで、亀裂成長抑制手段4が構成される。
このように構成された亀裂成長抑制手段4の作用について説明すると、ノズル4aからワーク2の表面側に向けて吹付けられる加圧エアーと、多孔質部材3bからワーク2の裏面側に向けて吹付けられる加圧エアーとによって、加圧エアーがあたる部分のワークは、両側のエアーで挟まれたような状態になる。そして、ノズル4aから吹付けられるエアー圧は、ノズル3aより供給されるエアー圧と同等若しくはそれ以上なので、亀裂成長手段3により弾性変形されたワーク2の弾性変形が矯正され、ワーク2の先走り現象を防止することができる。このように構成された亀裂成長手段3と亀裂成長抑制手段4とからなる割断制御装置5を、割断予定線に沿って一定の速度で走行させると、ワーク2に先走り現象が発生することなく、真直度、断面品質が優れた割断が行われ、ワークに漸次割断面が形成されていく。
なお、ワーク2を割断するにあたっては、図19に示したようにワーク2の周囲に位置決めのためのエアーノズル71を設置したり、図5(a)(d)に示したようなワーク2と点接触する位置決めピン11を用いたり、さらには両者を組合せた図20に示したような位置決めピン11および押しバネ(あるいはエアーノズル)で押圧する押し当て機構72からなる位置決め機構を用いれば、より一層正確な割断が可能になる。
また、この割断装置であれば、現在稼動している設備を僅かに変更するだけで直ちに適用出来るというメリットがある。
図1(a)の場合は、割断制御装置5を構成する亀裂成長手段3と亀裂成長抑制手段4のうちワーク2の裏面側に配設される部材を多孔質部材3bとして共通なものにしたが、当然別々に構成されるものであっても良い。
次いで、図2に示す他の実施形態について説明する。この実施形態での亀裂成長手段3は、ワーク2の両面から夫々ワーク2に近接した位置に多孔質部材3bを配設して加圧(Pr)する一方、ワーク2の下面に形成された初期亀裂21に近接する位置に、吸引装置(不図示)を設けたものである。すなわち、下面側の多孔質部材3bにおける初期亀裂21に対向する部分に、真空ポンプ等に接続された吸気孔3cを配置して吸引(Ab)することにより、吸引装置として作動させる。
次に亀裂成長抑制手段であるが、図1(a)と実質的に同じ原理なので、説明は省略するが、ノズル4aに代えてワーク2の両面に配設した多孔質部材3bが設けられる。そして、ワーク2を挟んだ両側の多孔質部材3bから加圧エアーを各々ワーク2に向けて吹き付ける(Pr)と同時に初期亀裂21に近接して配設した吸引装置により初期亀裂21近傍を漸次割断予定線に沿って吸引(Ab)していけば、ワーク2は、初期亀裂21から割断予定線に沿って先走りすることなく割断されていく。
次に図5に示す実施形態について説明する。図5(a)は、他の実施形態の模式的な斜視図であり、図5(b)は、図5(a)におけるA−A線に沿った断面図であり、図5(c)は、図5(a)の平面図であり、図5(d)は、ワーク2が後述する位置決めピン11と点接触をした状態を示す模式的な断面図である。先ず、その構成について説明する。加工テーブル1は、その中央部に溝1aが設けられている。ワーク2は、図1で説明したワーク2とは逆に、初期亀裂21がワーク2の表面側に形成されている。そして、初期亀裂21が溝1aの中心部にくるようにするとともに、加工テーブル1に対し、自由支持状態に近い状態で載置する。割断制御装置5は、細部の構造は異なるが、実質的には図1(a)および図1(b)で説明したものと同様に、亀裂成長手段3と亀裂成長抑制手段4から構成される。
亀裂成長手段3について説明すると、ワーク2の表面側(初期亀裂21が形成されている側)において、初期亀裂21を始端とする割断予定線の両側にノズル31a,32aを夫々配設する一方、ワーク2の裏面側であって初期亀裂21と略対向する位置にノズル3bを配設することによって、亀裂成長手段3は構成されている。
ノズル3bから吹き付けられる加圧エアーは、ワーク2の裏面側から表面側に向けて吹付けられる。この加圧エアーの圧力分布は、図3(c)に示すようにノズル3bの中心位置が一番高く、その周囲ほど圧力が低下する。一方、ノズル3a(31a,32a)から吹き付けられる加圧エアーは、ワーク2の表面側から裏面側に向けて吹付けられ、その圧力は、加圧ノズル3bから吹付けられる圧力と同等であることが好ましいが、多少のバラツキは許される。その結果、ワーク2を挟んでその両側の加圧ノズルから吹付けられた加圧エアーによって、初期亀裂21の部分に応力が集中し、ワーク2の亀裂が成長していく。
次に亀裂成長抑制手段4の構造であるが、ワーク2の表面側におけるワーク2と近接した位置にノズル4aが形成され、ワーク2の裏面側におけるノズル4aと対向する位置で、かつ、ワーク2と近接した位置にノズル4bが形成され、これらが対をなして亀裂成長抑制手段4が構成されている。ノズル4a,4bはノズル先端側、すなわち、ワーク2に近い側に直方体の噴射体が設けられている。加圧エアーは、各ノズル4a,4bのパイプを通って直方体の噴射体に供給され、ワーク2が弾性変形するのを矯正する役割を果たす。また、この亀裂成長抑制手段4は、亀裂成長手段3より割断予定線に対して前方に配置されている関係と相俟って、亀裂が先走るのを防止する作用を奏する。このような亀裂成長手段3と亀裂成長抑制手段4からなる割断制御装置5を、ワーク2の初期亀裂21を始端として割断予定線に沿って走行させると、ワーク2は徐々に亀裂が進行し、ワーク2は先走り現象を起こすことなく漸次割断されていく。
参考までにワーク2の裏面側にノズル3bを、その前方に亀裂成長抑制手段4(4a,4b)を夫々配置し、これらを同時に割断予定線に沿って稼動させながら走行させた場合にワークに起こる現象を、立体的かつ模式的に描いた(説明の便宜上、基板の変形を強調して描いている)のが図6(a)であり、その模式的な装置の断面図が図6(b)である。
次いで、図7に示す実施形態について説明する。図7(a)は、他の実施形態の模式的な斜視図であり、図7(b)は、図7(a)におけるA−A線に沿った要部の断面図であり、図7(c)は、図7(a)の平面図である。亀裂成長手段3は、図5のものと構造、機能の点から見て実質的に同一なので説明は省略する。ここで特徴的な部分は、亀裂成長抑制手段4(4a,4b)であり、その構造等について説明する。先ず、その形状であるが、アルファベットのU字状、V字状若しくは馬蹄型をした一対の中空体ノズル4a,4bからなり、ワーク2に近い側の面にはワーク2に向けてエアーを吹き付けるための小さな孔が形成されている。U字状、V字状または馬蹄型の部材の中央部(411a)が初期亀裂21を始端とする割断予定線上に位置するように、ワーク2を跨いでその表面側、裏面側に対向するように配設される。亀裂成長抑制手段4からワーク2に向けて吹き付けられる加圧エアーによって、亀裂成長手段3(3a,3b)によりワーク2に加えられた弾性変形を矯正することができる結果、ワーク2の亀裂先走り現象を抑えることができる。すなわち、亀裂成長手段3とその前方に配設された亀裂成長抑制手段4から構成される割断制御装置5をワーク2と非接触状態を保持しながらワーク2の割断予定線に沿わせて移動させると、真直性、断面品質等の優れた割断を実現することができる。
さらに、図8に示す実施形態について説明する。図8(a)は他の実施形態の模式的な斜視図であり、図8(b)は、図8(a)におけるA−A線に沿った要部の断面図であり、図8(c)は図8(a)の平面図であり、図8(d),(e)は、割断制御装置5の一部を示す中空体ノズル6,7の模式的な平面図である。ワーク2の表面側の略中央部に初期亀裂21が形成されている。ワーク2は、分離された加工テーブル1に自由支持状態に近い状態に載置される。
割断制御装置5の一部を構成する中空体ノズル6は、アルファベットのU字状、V字条若しくは馬蹄型形状を有しワーク2の表面側にはこのU字状V字条若しくは馬蹄型の空洞体の中央部61が初期亀裂21を始端とする割断予定線上に位置するよう配置してある。そして、この中空体ノズル6の両側端部の部分6aが亀裂成長手段3の一部を形成し、残りの部分6bが亀裂成長抑制手段の一部を形成している。一方、ワーク2の裏面側には、前述の部分6bと対向する位置にあって、かつ、部分6bと同形状であり亀裂成長抑制手段4の一部を構成する中空体ノズル7を、ワーク2と近接した位置に配置する。これら部分6a、部分6b、及び、部分7b(中空体ノズル7全体が7bとなる)にはワーク2と対向する面には加圧エアーを吹き出すための小さな孔が設けられている。ノズル3bはワーク2の裏面側であって、初期亀裂21と対向する位置に配設された亀裂成長手段の一部を構成する加圧用のノズルである。
次にワーク2の割断操作について説明すると、先ず亀裂成長手段3(3b,6a)は、左右一対の部分6a,6aとノズル3bとから、加圧エアーが夫々ワーク2に向けて吹き付けられることによって、ワーク2は初期亀裂21を中心にして下方に変形され、初期亀裂21から割断予定線に沿って徐々に割断されていくのであるが、その前方にワーク2を挟んで対向する位置、すなわち、ワーク2の表面側には左右対称にノズル6の部分6bが、また裏面側にはノズル7(部分7b)が配設されている。これらの部分6b、部分7bから加圧エアーが吹き付けられることによって、亀裂成長抑制手段4が、下方に弾性変形されたワーク2を矯正するので、ワーク2には先走り現象が起こらず、割断制御装置5を割断予定線に沿って走行させることによって、ワーク2は真直性、断面品質等が優れた状態で割断される。
引続いて図9に示す実施形態について説明する。図9(a)は他の実施形態の模式的な斜視図であり、図9(b)は図9(a)における加工テーブル81の表面を模式的に表した平面図であり、図9(c)はアルファベットのU字状、V字状若しくは馬蹄型の中空体ノズル6の模式的な平面図である。加工テーブル81の表面にはエアー噴出口82が設けられる。エアー噴出口82は、所定のピッチで、その全面に形成されている。例えば、ワーク2を固定するために吸引孔が形成されている加工テーブル81であれば、この吸引孔を活用して、真空ポンプに接続される流路をコンプレッサに接続される流路に切り替えるようにすればよい。また、吸引孔とは別にエアー噴出口を併設するようにしてもよい。ワーク2は、初期亀裂21が表面側になるように載置される。
ワーク2の表面側には、割断制御装置5の一部を構成するアルファベットのU字状、V字状若しくは馬蹄型の中空体ノズル6が取り付けられる。これは図8で開示した中空ノズル6と、構造および機能等が実質的に同じであるので説明を省略する。
本実施形態での特徴は、加工テーブル81の上面に設けられている既存のエアー噴出口(吸引孔)82を利用することである。ワーク2の初期亀裂21と対向する位置のエアー噴出口82aが、初期亀裂21を始端とする割断予定線上にくるようにワーク2を加工テーブル1に自由支持状態に近い状態で載置する。
そして、エアー噴出口82aによるエアーの噴出状態を電動式バルブなどによって、ワーク2の割断予定線に沿って順次切り替えることができるようにしておくことにより、ワーク2の裏面側に向けてエアーを吹き付けるようにする。
一方、割断制御装置5の一部を構成するアルファベットのU字状、V字状若しくは馬蹄型の中空体ノズル6(6a,6b)のうち、部分6bと対向する位置のエアー噴出口83(部分7)を電動式バルブなどによってU字状、V字状若しくは馬蹄型に順次吹き出していく。
エアー噴出口82(82a)とアルファベットのU字状、V字状若しくは馬蹄型の中空体ノズル6の両側端である部分6a,6aから吹き出される加圧エアーによって、ワーク2は下方に弾性変形し亀裂が成長してゆくが、その前方にある亀裂成長抑制手段構成する中空体ノズル6の部分6bと、同形状のエアー噴出口83によって形成された部分7とから、ワーク2に向けてエアーが吹付けられるので、ワーク2の弾性変形は矯正される。すなわち、このアルファベットのU字状、V字状若しくは馬蹄型の中空体ノズル6を初期亀裂21を始端として割断予定線に沿って加圧エアーをワーク2に向けて吹付けながら移動させると同時に、加工テーブル81に設けられた各エアー噴出口82(82a,83)から、中空体ノズル6の動きに連動させて、適宜に、エアーを吹き出してゆけば真直性、断面品質等に優れた割断面がワーク2に形成される。
引続いて図10の実施形態について説明する。図10(a)は、他の実施形態の模式的な平面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるA−A線に沿った割断制御装置の要部の断面図であり、図10(c)は、図10(a)の平面図である。また、図11(a),(c)及び(e)はこの割断制御装置の要部の模式的な断面図であり、夫々レーザ照射をワークの両面から照射したもの、レーザ照射をワークの上面から照射したもの、レーザ照射をワークの下面から照射したものである。図11(b),(d)及び(f)は、ワークの割断面に起こるクラック(リブマーク22)の形状を示したものである。なお、図11(a)と図11(b)、図11(c)と図11(d)、及び、図11(e)と図11(f)が、各々対応関係にある。
亀裂成長手段3(3a,3b)は、図7の実施形態と実質的に同一なので、説明は省略する。この実施形態の特徴は、亀裂成長抑制手段4として加熱装置、特に、レーザの照射を用いたことにある。即ち、ガラス基板2に高エネルギー密度のレーザービーム8を照射すると、急激な加熱の結果、放射状にクラックが発生するが、レーザービーム8のエネルギー密度を、クラックを発生させうる程度よりも低いエネルギー密度にする場合には、ガラス基板は加熱されるだけで、溶融やクラックの発生が起こらない。この場合、ガラス基板2は、熱膨張しようとするが、局部的な加熱なので膨張ができず、照射点を中心にその近傍に圧縮応力が発生する。本発明はこの圧縮応力を利用したものである。割断成長手段3(3a,3b)により、ワーク2は割断されていくが、レーザ照射の加熱による圧縮応力により、先走り現象は発生しない。図11(a)はレーザービーム8をワーク2の上下面から照射したものであり、最も好ましい実施態様である。図11(c)はワーク2の上面にレーザービーム8を照射したものであり、同じく図11(e)は、ワーク2の下面にレーザービーム8を照射したものである。どの態様を採用するかは、ワークの材質、他の機器等の配置状況等を勘案し総合的に判断すればよい。
図12は、図10に示した実施形態においてワークに起こる現象を、立体的かつ模式的に描いた(説明の便宜上、基板の変形を強調して描いている)図である。この図12(a),(b)は、ほぼ図6(a)(b)に対応する図であり、説明は省略する。また、図12(c),(d)はレーザービーム8による照射範囲8aの大小を模式的に表した平面図である。照射範囲8aが図12(c)のように小さいと、先走り現象が起こることが考えられるが、図12(d)の如く照射範囲8aが十分な大きさを有していれば、割断は90°曲がって進むことは考えられないので、先走り現象は起こらない。この照射範囲8aの大小は、ワーク2の材質等を考慮して決定すればよい。なお、加熱装置としてレーザービーム8の照射を例に挙げて説明したが、レーザービームの照射に限定されるわけではなく、例えば、光ビーム加熱、プラズマジェット加熱、高温エアー噴射、高温ガスバーナー加熱、キセノンランプ、を用いてもよい。
亀裂成長手段3については、これまで加圧エアーを例に挙げて説明してきたが、ワーク2と非接触状態を保持できるものであれば、加圧エアーに限定されるものではない。例えば、加圧液体や、レーザービーム照射後に冷却液を噴射する手段が適用できることはいうまでもないことである。
次に、図13の実施形態について説明する。図13(a)は他の実施形態の要部のみを表した模式的な斜視図であり、図13(b)は図13(a)における非接触吸引装置33aの模式的な正面図(一部断面を含む)である。また、図13(c)は図13(a)におけるA−A線に沿った要部の断面図である。この実施形態の特徴は、亀裂成長手段の一部として、非接触吸引装置33aを用いたことにある。この非接触吸引装置33aをワーク2の割断予定線の上方でかつ近接した位置に移動可能な状態で配設する。
ノズル4aは亀裂成長抑制手段4の一部を構成する。加工テーブル表面は、多孔質部材3bで形成され、一部に吸引孔11aが形成される。なお、ワーク2の表面側には初期亀裂21が形成されている。
次に、非接触吸引装置33aの作用について説明する。加圧エアーを一次空気として空気取入口333aから導入し、装置内に形成されている円周ノズル333bから周囲に空気を吐出させると、中心部に負圧が生じて対向するワーク2を吸引することになり、この吸引力とワーク2の下面に配設された多孔質部材3bからワーク2に向けて吹き付けられる加圧エアーとによって、ワーク2の初期亀裂21から割断予定線に沿って、ワーク2が割断されていく。
非接触吸引装置33aはワーク2に対向する面の周囲から空気が放出されるため、ワーク2と非接触吸引装置33aと接触することはない。また、多孔質部材3bから吹き付けられる加圧エアーの方向は、大部分ワーク2に向けて吹付けられるが、ワーク2の水平性及びテーブルからの吹き上げ高さ等を保持するため一部吸引するように設定しておくのが好ましい(図13(b)(c)の矢印の方向によりエアーの吹き付け、吸引を示し)。なお、亀裂成長抑制手段4についての説明は、これまでの実施形態(図1参照)と略同一なので、説明は省略する。
さらに、図14の実施形態について説明する。この実施形態は図13の実施形態を変形したものである。図14(a)は要部のみを表した模式的な斜視図であり、図14(b)は図14(a)におけるA−A線に沿った要部の断面図である。図13の実施形態と異なる部分は、非接触吸引装置33aの加圧エアーの吹き出し口333cの形状である。この吹き出し口333cの形状は、円、楕円、八の字、V字、馬蹄型の形状が考えられる。その他の点は略同一なので、説明は省略する。
次に視点を変えて、ワーク2を円形に打ち抜くために、板厚方向に対して、傾斜または抜き勾配を設ける実施形態について説明する。
図15(a)は他の実施形態である模式的な平面図であり、図15(b),(c),(d)及び(e)は、要部の断面図である。図15(b)と図15(c)の違いは、傾斜または抜き勾配の方向の違いである。そして、図15(b)と図15(d)、図15(c)と図15(e)は、夫々対応関係にある。ノズル3a(31a,32a)とノズル3bとは、亀裂成長手段3を構成し、その構造、機能は図5(a)に開示したものと同一なので、相違点についてのみ説明する。
ノズル31aとノズル32aから吹き付けられるエアー圧が等しい場合について、図15(b)を例に説明すると、初期亀裂21からの距離がノズル32a側はAであり、ノズル31a側はBであり、両者の距離にはB>Aの関係があるので、ノズル31a,32aは、初期亀裂21に対して非対称の位置に配置されていることになる。この亀裂成長手段3を構成するノズル3a(31a,32a)とノズル3bとによって、ワーク2に形成される傾斜または抜き勾配は図15(d)のようになる。一方、ノズル32aとノズル31aの初期亀裂21からの距離を変えた場合、即ち、図15(c)の如く両者の距離をA>Bとした場合は、この亀裂成長手段3を構成するノズル3a(31a,32a)とノズル3bからワーク2に形成される傾斜または抜き勾配は図15(e)のようになる。なお、ノズル31a,32aの初期亀裂21からの距離を変えることによって非対称としたが、初期亀裂からの距離をA=Bとした場合には、エアー圧を変えることによって非対称な状態を成立させることができることは言うまでもない。
次に亀裂成長抑制手段4(4a,4b)についてであるが、図15(a)の実施形態での亀裂成長抑制手段4(4a,4b)の構成は図7(a)の実施形態と同一であり、また、図16の場合は、図10の実施形態と同一なので、いずれについても説明は省略する。
なお、本発明の傾斜または切り抜き勾配の形成手段は、次の技術的事項を前提にして完成させたものである。即ち、ワーク2を円形状に打ち抜く場合は、初期亀裂21の先端と想定される位置の接線Fに対してノズル31a,32aから吹き付けられるエアー圧の圧力分布が概ね左右対称になるようにエアーを吹き付けると同時に、亀裂成長抑制手段4a,4bまたは)からエアーを吹き付けながら(あるいはレーザを照射しながら)両手段を移動(図15aの矢印の如く回転させる)させて割断するのである。
さらに視点を変えて、ワーク2が液晶表示パネル用基板である場合の実施形態について説明する。図21(a)は正面から見た模式的な断面図であり、図21(b)は側面から見た模式的な断面図であり、図21(c)は模式的な平面図であり、図21(d)は正面から見たもので、下方基板GDに初期亀裂21を形成し、初期亀裂21を中心に変形させて割断する場合の模式的な断面図である。図22は、正面から見たもので、上方基板GUに初期亀裂21aを形成し、そこから割断する場合の模式的な断面図である。以下、図19の実施形態(ただし溝3bではなくノズル31b,32bにしてある)を中心にして説明する
先ず、下方基板GDに初期亀裂21が形成され、そこから割断する場合について説明する。本実施形態における亀裂成長手段3ついて説明すると、下方基板GDに形成された初期亀裂21を挟んで、その左右両側にノズル31b,32bが配設されており、一方、上方基板GU側には初期亀裂21と対向する位置であって、その左右両側にノズル31a,32aを配設する
ここで注意しなければならないのは、4点曲げ(JIS R1621)の観点からノズル31bと32bとの距離(スパン)が、ノズル31aと32aとで形成される距離(スパン)より長く(広く)位置されていなければならないということである。かかる状態で各ノズルからワーク2に向けてエアーを吹き出すと、図21(d)のように初期亀裂21から上方に湾曲変形し、亀裂が成長していくことになるが、亀裂成長抑制手段4(4a,4b)が亀裂成長手段3の前方に配設されているので、弾性変形が矯正され亀裂が先走りすることなく下方基板GDが初期亀裂21から割断予定線に沿って割断される
一方、上方基板GUに形成された初期亀裂21aから割断予定線に沿って割断する場合は、図21(a)と同様なノズルの位置関係に配設すれば(図22参照)、初期亀裂21aを始端として割断予定線に沿って(図面の後方に向けて)亀裂は成長し、割断されていくが、亀裂成長抑制手段4がその前方に配設されているので、先走り現象は起こらず、上方基板は割断される
この実施形態の特徴は、ノズルの位置を自由に変えられるので、液晶表示パネル用基板の大小にかかわらず割断することが出来る。また、この装置を用いれば、ブレイク(分断)するのにワーク2を反転する必要がなく、生産効率の向上に大いに寄与する。
図23実施形態について説明する。先ず対象とするワークは図21乃至22の実施形態と同じで、液晶表示パネル用基板である。図23(a)(c)は何れも割断装置の正面から見た模式的な要部の断面図であり、亀裂成長抑制手段は図示していない。各図について簡単に説明する。図23(a)は上方基板GUに初期亀裂21aが形成されており、かつその初期亀裂21aがシールS間に存在する場合であって、前記初期亀裂21aから割断するものである。初期亀裂21aの上方でかつ上方基板GUに近接した位置に図13で説明した非接触吸引装置33aが配設される。
一方、下方基板GDの下方でかつ近接した位置に多孔質部材3bを配設する。図示したように、非接触吸引装置33aにより上方基板GUを吸引すると同時に、前記多孔質部材3bから下方基板に向かって加圧エアーを吹き付けると、初期亀裂21から割断予定線(紙の前後方向)に沿って上方基板GUが漸次割断されていくのであるが、非接触吸引装置33aの前方には亀裂成長抑制手段(不図示)が配設されているので、上方基板GUが先走ることはない。
次に図23(b)の場合であるが、図23(a)と相違する点は、初期亀裂21aが形成された位置である。本図の場合は、初期亀裂21aがシールSの外に形成されているものである。その他の点は実質的に相違点がないので、説明は省略する。
さらに、図23(c)のケースについて説明する。下方基板GDに初期亀裂21が形成され、かつ、その初期亀裂21がシールS間に存在するものである。下方基板GDの下方でかつ近接した位置に多孔質部材3bが配設されており、一方、上方基板GUの上方で、かつ近接した位置であって、しかも初期亀裂21に対向する位置にノズル3aを配設するそして、図示したように、ノズル3aおよび多孔質部材3bから夫々加圧エアーを各基板に向かって吹付けると、下方基板GDの初期亀裂21から割断予定線に沿って漸次下方基板は割断されていくが、その前方には亀裂成長抑制手段(不図示)が配設されているので、先走ることはない。図23のケースによる効果は、図22の場合と同様なので、記載は省略する。
最後に図23(d)の実施形態について説明する。この実施形態の特徴は、図21の実施形態と同様に、ワーク2をブレイク(分断)するのにワーク2を反転させる必要がなく、生産効率の向上に大いに寄与することにある
図23(d)は、割断装置の正面から見た模式的な要部の断面図である。本実施形態は、上方基板GUおよび下方基板GDに近接させて多孔質部材3bを夫々配設するのだが、その多孔質部材3bには吸引孔33bを設けておき、各多孔質部材3bから各基板に向けて吹付けられる加圧力Prと多孔質部材3bに設けた吸引孔33bから各基板を吸引する(上方基板は上方へ、下方基板は下方へ)吸引圧力Abとのバランスによって、ワーク2を多孔質部材3b−3b間に浮上させながら加工するものである。より具体的には下方基板GDに初期亀裂21が形成されており、これに近接し、かつ対向する位置に非接触吸引装置33aが配設される。通常は、図23(b)の方法で割断するのだが、そのためにはワーク2を反転しなければならない。本実施形態では、この反転作業を省略することができる。即ち、非接触吸引装置33aを下方基板GD側だけでなく、上方基板GU側にも移動可能な状態で配設する。それと同時に多孔質部材3bも移動可能にしておくことによって、ワーク2を反転することなく割断が可能になる
割断の作用は、図23(a),(b)の場合と実質的に同一なので、説明は省略する。なお、亀裂成長抑制手段は図示していないが、非接触吸引装置33aの前方に配設されていることは言うまでもないことである。
本発明のワークの分断装置および方法は、上記実施例で示したような単版、ガラス基板同士を張り合わせた液晶表示基板の他に、有機EL素子基板、PDF(プラズマディスプレイパネル)基板、ガラス基板とシリコン基板とを張り合わせた反射型液晶表示基板、或いは、ガラス、焼結材料のセラミックス、単結晶シリコン、半導体ウエハ、セラミック基板等の割断(分断)に利用することができる。
本発明の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 加圧エアーによる静圧軸受け作用を説明するための模式的な概念図。 自由支持状態若しくは自由支持状態に近い状態を説明するための模式的な概念図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 図5の割断装置の亀裂成長手段および亀裂成長抑制手段によりワークに生じる影響を立体的に示した模式図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 図10の割断装置によるワークの割断状態と割断面とを示す図。 図10の割断装置の亀裂成長手段および亀裂成長抑制手段によりワークに生じる影響を立体的に示した模式図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 加工テーブル上のワークに加わる荷重を説明するための模式図。 加工テーブルとワークの間にマットを敷いた状態の模式図。 エアーノズルが設置された加工テーブルを説明する模式図。 押し当て機構が設けられた加工テーブルを説明する模式図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な構造図。 図21の割断装置における他の状態を示す模式的な断面構造図。 本発明の他の一実施形態である割断装置を示す模式的な断面構造図。
1 加工テーブル
2 ワーク
3 亀裂成長手段
3a ノズル
3b 多孔質部材
3c 吸気孔
4 亀裂成長抑制手段
4a,4b ノズル
5 割断制御装置
6 中空体ノズル
7 中空体ノズル
8 レーザビーム
8a レーザ照射領域
11 位置決めピン
11a 吸引孔
21 初期亀裂
31a,32a ノズル
33a 非接触吸引装置
70 マット
71 エアーノズル
72 押し当て機構
81 加工テーブル
82,83 エアー噴出口

Claims (9)

  1. 少なくとも切り欠き若しくは初期亀裂が形成された脆性材料基板の割断装置であって、
    前記切り欠き若しくは初期亀裂を始端とし、他端を終端とする割断予定線の近傍が固定されていない自由支持状態になるように前記脆性材料基板が載置される加工テーブルと、
    前記脆性材料基板の表裏面のうち、切り欠き若しくは初期亀裂を形成していない側の面の前記割断予定線上に局所的に加圧流体を吹き付けて、または、切り欠き若しくは初期亀裂を形成した側の面の前記割断予定線上に局所的に負圧を生じさせて、前記加圧流体が押圧する加圧点または負圧が作用する負圧点を中心として前記脆性材料基板を非接触状態で弾性変形させる亀裂成長手段、および、前記割断予定線の方向に沿って前記亀裂成長手段よりも前方位置に配置され、当該亀裂成長手段により発生される当該割断予定線前方位置での弾性変形を、当該前方位置への表裏両側からの加圧流体の吹き付けにより、または、当該前方位置への局所加熱で生じさせる圧縮応力によって非接触状態で矯正する亀裂成長抑制手段からなる割断制御装置とを備え、
    前記割断制御装置を前記脆性材料基板と非接触状態に保持しつつ、前記脆性材料基板の切り欠き若しくは初期亀裂から割断予定線に沿って移動させることを特徴とする脆性材料基板の割断装置。
  2. 前記割断制御装置を構成する前記亀裂成長手段を前記亀裂成長抑制手段に追随させて移動させることを特徴とする請求項1に記載の脆性材料基板の割断装置。
  3. 前記亀裂成長手段が、前記脆性材料基板の切り欠き若しくは初期亀裂を形成していない側の面から前記割断予定線上に加圧流体を吹き付ける吹き付けノズルを有することを特徴とする請求項1に記載の脆性材料基板の割断装置。
  4. 前記亀裂成長手段が、前記脆性材料基板の切り欠き若しくは初期亀裂を形成した側の面から前記割断予定線を挟んでその両側に局所的に加圧流体を吹き付ける吹き付けノズルをさらに有することを特徴とする請求項3に記載の脆性材料基板の割断装置。
  5. 前記脆性材料基板の切り欠き若しくは初期亀裂を形成した側の面から前記割断予定線の両側に加圧流体を吹き付ける吹き付けノズルは、前記割断予定線に対して非対称な位置に加圧流体を吹き付けるように構成されることを特徴とする請求項4に記載の脆性材料基板の割断装置。
  6. 前記亀裂成長手段が、前記脆性材料基板の切り欠き若しくは初期亀裂を形成した側の面から前記割断予定線上に対向するように配置され負圧を生じさせる吸引ノズルを有することを特徴とする請求項1に記載の脆性材料基板の割断装置。
  7. 前記亀裂成長抑制手段が、前記脆性材料基板の表裏両側から割断予定線上に加圧流体を吹き付けて前記前方位置での弾性変形を矯正する吹き付け装置であり、少なくとも表裏両側のいずれか一方には吹き付けノズルを備えることを特徴とする請求項1に記載の脆性材料基板の割断装置。
  8. 前記亀裂成長抑制手段が、前記脆性材料基板の表面または裏面の少なくとも一方の面から、割断予定線上を、クラックを発生させないエネルギー密度のレーザ照射により局所的に加熱して圧縮応力を生じさせる加熱装置であることを特徴とする請求項1に記載の脆性材料の割断装置。
  9. 少なくとも切り欠き若しくは初期亀裂が形成された脆性材料基板を割断する方法であって、前記切り欠き若しくは初期亀裂を始端とし、他端を終端とする割断予定線の近傍が固定されていない自由支持状態になるように脆性材料基板を保持した状態で、
    前記脆性材料基板の表裏面のうち、切り欠き若しくは初期亀裂を形成していない側の面の前記割断予定線上に局所的に加圧流体を吹き付けて、または、切り欠き若しくは初期亀裂を形成した側の面の前記割断予定線上に局所的に負圧を生じさせて、前記加圧流体が押圧する加圧点または負圧が作用する負圧点を中心として、前記脆性材料基板を非接触状態で弾性変形させる亀裂成長加工を行うとともに、
    前記割断予定線の方向に沿って前記亀裂成長加工を行う部位よりも前方位置において、当該亀裂成長加工で生じた弾性変形を当該割断予定線前方位置での当該前方位置への表裏両側からの加圧流体の吹き付けによって、または、当該前方位置への局所加熱で生じさせる圧縮圧力によって非接触状態で矯正する亀裂成長抑制加工を行う割断制御を行い、
    当該割断制御を前記始端から割断予定線に沿って前記終端に向けて移動しながら行うことを特徴とする脆性材料基板の割断方法。
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