JP5170866B2 - 電気・電子部品用銅合金材およびその製造方法 - Google Patents

電気・電子部品用銅合金材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5170866B2
JP5170866B2 JP2007260386A JP2007260386A JP5170866B2 JP 5170866 B2 JP5170866 B2 JP 5170866B2 JP 2007260386 A JP2007260386 A JP 2007260386A JP 2007260386 A JP2007260386 A JP 2007260386A JP 5170866 B2 JP5170866 B2 JP 5170866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
rolling
copper alloy
electronic parts
alloy material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007260386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008115465A (ja
Inventor
淳介 中野
敬輔 北里
崇夫 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2007260386A priority Critical patent/JP5170866B2/ja
Priority to TW096137423A priority patent/TWI412611B/zh
Priority to KR1020097008901A priority patent/KR20090064473A/ko
Priority to EP07829424A priority patent/EP2088215A4/en
Priority to PCT/JP2007/069686 priority patent/WO2008044680A1/ja
Publication of JP2008115465A publication Critical patent/JP2008115465A/ja
Priority to US12/421,128 priority patent/US20090229716A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5170866B2 publication Critical patent/JP5170866B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/06Alloys based on copper with nickel or cobalt as the next major constituent
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/22Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling plates, strips, bands or sheets of indefinite length
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/08Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of copper or alloys based thereon
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/02Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of metals or alloys
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B3/00Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals

Description

本発明は電気・電子部品用銅合金材に関し、詳しくは電気・電子部品用の微細な加工を施すため歪取り焼鈍が施される電気・電子部品用銅合金材において、前記歪取り焼鈍での熱処理前後の圧延平行方向と圧延直角方向の寸法変化率を同時に制御し得る電気・電子部品用銅合金材およびその製造方法に関する。
リードフレーム、端子、コネクタ、リレー、スイッチ等の電気・電子部品に使用される銅基合金系板条材は高い強度と高い電気伝導性を両立させると共に、精密な加工が要求される。
さらに、例えば、集積回路中の回路基板として使用されるリードフレームは、銅基合金系板条材をプレス打抜き加工することによって、所要本数のリードを備えたフレーム本体が製造される。
近年の電気・電子部品の高密度集積化に伴い、コネクタでは微細で精密なプレス打抜き加工が必要であり、また、リード数の増大、複雑化するリードフレームの加工工程においては、少なくとも2回に分けてプレス打抜き加工を行っている。この場合、最初のプレス打抜き加工をした後に歪取り焼鈍を施し、プレス打抜き加工により付加された加工歪を開放した後、再度プレス打抜き加工を施し最終のリードフレームを製造する方法が採用されている。
しかしながら、従来の電気・電子部品材料は、前記歪取り焼鈍前後において素材の寸法変化が起こり、高精度の打抜き加工が困難になる事や、搬送用のパイロットピンの間隔が変化しプレス機への自動搬送が困難になるなどの問題点がある。
リードフレーム加工時の歪取り焼鈍前後の寸法変化を考慮している従来技術としては、例えば、以下のものが提案されている。
Fe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金からなるリードフレームの製造法において、製品板厚に冷間圧延した後、所定の幅にスリット加工し、次に歪取り焼鈍を施す製造工程において、張力を付加しないで歪取り焼鈍を行なうか、張力を5.0kg/mm以下に抑えて歪取り焼鈍を行なうことにより、650℃において10分間加熱した材料の元の長さに対する収縮率を0.03%以下にするリードフレーム材料を製造する例がある。ここで、収縮率とは{(元の長さ−加熱後の長さ)/元の長さ}×100で定義されている(例えば、特許文献1参照)。
また、銅又は銅合金からなるリードフレームの製造法において、材料製造工程における連続焼鈍炉に通板する際の炉内張力を通板前の材料の0.2%耐力の1.0〜8.5%以下とすることで材料加工工程における歪取り焼鈍温度または再結晶温度で加熱処理した後の、前記加熱処理の前後における収縮率が0.01%以下のリードフレーム材料を製造する例がある。ここで、収縮率とは長手方向基準長さの加熱後における形状変化率と定義されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−109960号公報 特開2003−286527号公報
微細な加工を施す電気・電子部品用金属材料として、前記収縮率を小さくすることが注目され、前記従来例のような対策が採られてきた。しかしながら、特許文献1,2とも圧延平行方向の収縮率のみに注目しており、圧延直角方向の寸法変化率に関する記載はなされておらず、前記問題を解決するには不十分である。また、特許文献2は連続焼鈍炉の炉内張力を規定しているが、炉内温度に関しては、実施例の条件しか記載されておらず上記問題を解決するには不十分である。さらに特許文献2の実施例において用いられている銅合金はC194合金のみであり、他の銅合金一般に対して、当該実施例の条件が適用できるか否かは具体的には何ら示していない。
このような問題に鑑み、本発明はなされたもので、プレス打抜き加工後の歪取り焼鈍前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も同時に制御した電気・電子部品用銅合金材を提供することを目的とする。
本発明者らは、銅合金材の歪取り焼鈍前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も同時に制御するべく検討を行った結果、以下の事実を見出した。
プレス打ち抜き加工中あるいは加工後の歪取り焼鈍前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も同時に制御するべく種々実験研究を行ったところ、例えば搬送ピンとパイロットホールのクリアランスが片側5μm程度の場合、安定した自動搬送を行うためには、圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も最低でも−0.02%から+0.02%の範囲内に、望ましくは−0.01%から+0.01%にすることが必要であることが判明した。特に、リードフレームにおいて狭幅ピッチ化し、4方向へ突出したアウターリード部を±3μm程度の高精度なプレス打ち抜き加工をする場合には、特に圧延直角方向の寸法変化率が重要になっており、圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も最低でも−0.02%から+0.02%の範囲内に、望ましくは−0.01%から+0.01%に制御することが必要であることが判明した。
また本発明者らは、加熱処理前後の寸法変化の現象について、(1)圧延で導入された格子欠陥の消失(移動)と(2)母相中へのNiSiの析出・再固溶現象に着目した。すなわち、熱履歴によって圧延で導入された格子欠陥の消失(移動)による集合組織の変化に伴い母相に寸法変化が生じると推察され、圧延で導入された格子欠陥の配列に方向性があるため、寸法変化は圧延平行方向と圧延直角方向で異なる挙動を示す。その点について、種々検討の結果、特に圧延平行方向の寸法変化への寄与が大きいことが判明した。また、NiSiの優先成長析出および再固溶よって母相に寸法変化が生じると推察され、析出現象に優先成長方向があるため、寸法変化は圧延平行方向と圧延直角方向で異なる挙動を示し、種々検討の結果、優先成長析出および再固溶によって生じる寸法変化は特に圧延直角方向の寸法変化への寄与が大きいことを見出した。本発明は、これらの知見に基づきなすにいたったものである。
すなわち、本発明は、
(1)Niを1.5質量%以上4.5質量%以下、Siを0.35質量%以上1.0質量%以下含有し、さらにMgを0.05質量%以上0.15質量%以下、Snを0.05質量%以上0.5質量%以下、Znを0.05質量%以上1質量%以下、Agを0.01質量%以上0.1質量%以下、Crを0.05質量%以上0.4質量%以下の内から選ばれるいずれか1種または2種以上の元素を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金組成を有する銅合金材であって、加工率40%以下で仕上げ圧延され、前記仕上げ圧延後に連続焼鈍炉により500℃以上800℃以下の温度で1秒間以上100秒間以下の条件で熱処理された材料が、400℃以上600℃以下の温度で30秒間以上1000秒間以下の条件で歪取り焼鈍処理されて形成され、前記歪取り焼鈍処理の前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も−0.02%から+0.02%の範囲内であることを特徴とする電気・電子部品用銅合金材、
(2)前記歪取り焼鈍処理が電気・電子部品の加工工程において行われることを特徴とする(1)に記載の電気・電子部品用銅合金材、
(3)前記電気・電子部品用銅合金材がリードフレーム材であることを特徴とする(1)または(2)に記載の電気・電子部品用銅合金材
(4Niを1.5質量%以上4.5質量%以下、Siを0.35質量%以上1.0質量%以下含有し、さらにMgを0.05質量%以上0.15質量%以下、Snを0.05質量%以上0.5質量%以下、Znを0.05質量%以上1質量%以下、Agを0.01質量%以上0.1質量%以下、Crを0.05質量%以上0.4質量%以下の内から選ばれるいずれか1種または2種以上の元素を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金組成の銅合金材を、加工率40%以下で仕上げ圧延し、前記仕上げ圧延後に500℃以上800℃以下の温度で1秒間以上100秒間以下の条件で連続焼鈍炉により熱処理した材料を、400℃以上600℃以下の温度で30秒間以上1000秒間以下の条件で歪取り焼鈍処理し、前記歪取り焼鈍処理の前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も−0.02%から+0.02%の範囲内とすることを特徴とする電気・電子部品用銅合金材の製造方法、および、
)前記歪取り焼鈍処理を電気・電子部品の材料加工工程において行うことを特徴とする()に記載の電気・電子部品用銅合金材の製造方法、
を提供するものである。
本発明の銅合金材は、電気・電子部品の製造工程において、プレス打抜き加工中あるいは加工後の歪取り焼鈍前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も同時に、低減、制御した銅合金材料とすることができ、特に、リードフレームや携帯電話の小型化により、微細で精密なプレス打ち抜き加工が必要となるコネクタの材料として好適である。
また、本発明方法によれば、上記の優れた物性を有する電気・電子部品用銅合金材を工業的に製造することができる。
本発明の電気・電子部品用銅合金材は、材料製造工程において、加工率40%以下で仕上げ圧延し、その後に500℃以上800℃以下の温度で1秒間以上100秒間以下の条件で連続焼鈍炉により熱処理した電気・電子部品材を、材料加工工程でさらに加工して製造される。本発明において、材料製造工程とは、鋳塊から電気・電子部品材(板材、条材など)を製造するまでの工程をいい、仕上げ圧延の工程や連続焼鈍炉による熱処理を含むものである。
また、本発明において、材料加工工程とは、前記材料製造工程により製造された電気・電子部品材(板材、条材など)を加工して電気・電子部品を製造するまでの工程をいい、プレス加工などの工程を含むものである。
材料製造工程での仕上げ圧延の加工率が大きすぎると、表面割れの発生や格子欠陥の導入が過多になり過ぎるため、その後の工程(たとえば材料加工工程)における熱処理前後の圧延平行方向の寸法変化率が特に大きくなってしまい、圧延平行方向と圧延直角方向の寸法変化率を同時に適正な範囲に制御することが困難になってしまう。そのため、材料製造工程での仕上げ圧延の加工率は40%以下であり、好ましくは10%以上20%以下である。
材料製造工程での連続焼鈍温度が低すぎると、圧延で導入された格子欠陥が残存してしまい、その後の工程(たとえば材料加工工程)における熱処理前後の圧延平行方向の寸法変化率が特に大きくなってしまい、圧延平行方向と圧延直角方向の寸法変化率を同時に適正な範囲に制御することが困難になってしまう。また、連続焼鈍温度が低すぎるとでは、格子欠陥を消失させるためには、多くの熱処理時間を要してしまい生産性を低下させてしまう。逆に前記連続焼鈍温度が高すぎると、その後の工程(たとえば材料加工工程)における熱処理前後において、析出現象が急速に進行するため、特に圧延直角方向の寸法変化率が大きくなってしまい、圧延平行方向と圧延直角方向の寸法変化率を同時に適正な範囲に制御することが困難になってしまう。また、連続焼鈍温度が高すぎると、材料の軟化が進行してしまい所望の機械的特性を得るのが難しくなってしまう。そのため、材料製造工程での連続焼鈍温度は、500℃以上800℃以下であり、好ましくは600℃以上750℃以下である。
材料製造工程での連続焼鈍時間が長すぎると、概ね材料の軟化が進行してしまい所望の機械的特性を得ることができない事や、著しく生産性の低下を招く一因にもなってしまう。そのため、望ましくは材料製造工程での連続焼鈍時間は100秒以下、好ましくは60秒以下である。また、連続焼鈍時間が短すぎると安定な材料温度分布が得られず、安定な再固溶現象が起こらない事や圧延の歪を回復できない等の所望の機械的特性を得ることができないため、連続焼鈍時間は1秒以上であり、10秒以上であることが好ましい。
上記の材料製造工程で製造された材料の肉厚は、特に限定されるものではないが、0.25〜0.05mmが好ましい。また、本発明において材料とは、通常板材や条材と呼ばれているものを含む。
本発明においては、上記の材料製造工程で製造された材料を、400℃以上600℃以下の温度で30秒間以上1000秒間以下の歪取り焼鈍を含む材料加工工程により、加工品に加工するものである。この材料加工工程は電気・電子部品の加工工程であることが好ましい。また、材料加工工程にはプレス加工の工程が含まれることが好ましい。
材料加工工程での歪取り焼鈍温度が低すぎると、プレス加工の歪を十分に除去することができない。また、前記歪取り焼鈍温度が高すぎると、材料の軟化が進行してしまい所望の機械的特性を得られない。そのため、材料加工工程での歪取り焼鈍温度は、400℃以上600℃以下であり、好ましくは450℃以上550℃以下である。
材料加工工程での歪取り焼鈍時間が短すぎると、プレス加工の歪を十分に除去することができない。また、前記歪取り焼鈍時間が長すぎると、概ね材料の軟化が進行してしまい所望の機械的特性を得ることができない事や、著しく生産性の低下を招く一因になってしまう。そのため、材料加工工程での歪取り焼鈍時間は、30秒以上1000秒以下であり、好ましくは180秒以上600秒以下である。
本発明の電気・電子部品用銅合金材は、歪取り焼鈍を行う熱処理前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も−0.02%から+0.02%としたものである。圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も、好ましくは−0.01%から+0.01%の範囲内とするものである。
次に、本発明の電気・電子部品用銅合金材の銅合金の好ましい組成について説明する。
その一例は、Niを1.5質量%以上4.5質量%以下、Siを0.35質量%以上1.0質量%以下含有し、さらにMgを0.05質量%以上0.15質量%以下、Snを0.05質量%以上0.5質量%以下、Znを0.05質量%以上1質量%以下、Agを0.01質量%以上0.1質量%以下、Crを0.05質量%以上0.4質量%以下の内から選ばれるいずれか1種または2種以上の元素を含有し、残部銅及び不可避不純物からなる合金である。
NiおよびSiは、それぞれ銅合金中に固溶することで合金の強度を向上させる効果の他に適正な時効処理を行うことにより、NiSi組成の析出物を形成し、合金の強度を著しく向上させるとともに電気伝導度も著しく向上させる。ただし、Ni含有量が1.5質量%未満またはSi含有量が0.35質量%未満の場合、所望とする機械的特性を得ることができない場合がある。また、Niの含有量が4.5質量%を超えるかまたはSiの含有量が1.0質量%を超える場合、導電率の著しい低下や、粗大なNi−Si粒子が母相中に生成してしまうために、圧延平行方向と圧延直角方向の寸法変化率を同時に適正な範囲に制御することが困難になってしまう場合がある。Niの含有量は2.0質量%以上4.0質量%以下であることがさらに好ましい。また、Siの含有量は0.4質量%以上0.90質量%以下であることがさらに好ましい。更に、圧延平行方向と圧延直角方向の寸法変化率を同時に制御するためには、合金中のNiとSiの含有原子比率を化学量論組成のNiSiの原子比率に近づけることが望ましい。そのため、Si含有量に対するNi含有量の比(Ni含有量/Si含有量)は2から8が望ましく、特に4が最も好ましい。
また、上記の成分に加え、Mgを0.05質量%以上0.15質量%以下、Snを0.05質量%以上0.5質量%以下、Znを0.05質量%以上1質量%以下、Agを0.01質量%以上0.1質量%以下、Crを0.05質量%以上0.4質量%以下の内から選ばれるいずれか1種または2種以上の元素が含有される。これらの金属を上記の量で含有させることにより強度増加に寄与することになる。さらに好ましくは、Snを0.1質量%以上0.125質量%以下、Znを0.1質量%以上0.5質量%以下の内から選ばれるいずれか1種または2種以上の元素を含有するものである。
なお、本発明における寸法変化率とは、圧延方向に平行な方向あるいは圧延方向に直角な方向における焼鈍前基準長さと、焼鈍後において長さが変化した前記基準長さを用い、((焼鈍後基準長さ)−(焼鈍前基準長さ))÷(焼鈍前基準長さ)×100をいう。
ここで、寸法変化率がプラスのものは膨張していることを示しており、マイナスのものは収縮していることを示している。
上述の点以外は、電気・電子部品用銅合金材の材料製造工程及び材料加工工程における通常の工程、処理をそのまま適用することができる。例えば、本発明において、仕上げ圧延前までに行われる熱間圧延の加工率は90〜99%であることが好ましい。また、仕上げ圧延前までに行われる冷間圧延の加工率は90〜99%であることが好ましい。
本発明の電気・電子部品は、リードフレーム、コネクタ、端子、リレー、スイッチ等どのようなものでも良いが、特に、リードフレーム、コネクタのように、微細で精密な加工が要求されるものが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例(本発明例)および比較例]
表1に示す各種化学組成を有する銅合金をリードフレーム用素材として採用した。前記素材は通常の方法で溶解し、冷却し、鋳塊を得た。鋳塊から熱間圧延した後焼鈍し、次いで冷間圧延‐焼鈍の繰り返し後、仕上げ圧延の加工率を表2に示すように3%、10%、20%、40%または45%として板厚0.05mm〜0.25mmの種々の板厚の冷間圧延材を得た。
さらに、前記冷間圧延材を連続焼鈍炉の炉内張力を0.7kg/mmに、炉内温度を450、500、600、700、800、または850℃として焼鈍時間を10、60、100または120秒として熱処理し、表2に示すNo.1〜44の材料を得た。
次いで、前記材料に対して、リードフレーム加工工程のプレス打抜き加工中あるいは加工後の歪取り焼鈍を想定して、板幅55mmの材料について温度500℃で180秒間のアルゴン雰囲気中の加熱処理を行って、加熱処理前に前記材料に印した圧延平行方向の基準長さ100mmおよび圧延直角方向の基準長さ50mmの加熱後における寸法変化を測定して、寸法変化率を算出した。その結果を表2に示す。No.1〜32が本発明例であり、No.33〜No.44が比較例である。
Figure 0005170866
Figure 0005170866
表2から明らかなように、本発明例のNo.1〜32は熱処理前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も−0.02%から+0.02%の範囲となり、例えば搬送ピンとパイロットホールのクリアランスが片側5μm程度の場合でも、安定した自動搬送ができるという優れた作用がある。
また、特に望ましい製造条件であるNo.8、9、11、12、20、21、23、24は熱処理前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も−0.01%から+0.01%の範囲となり、特に優れている。
一方、仕上げ圧延の加工率が本発明範囲よりも大きい比較例のNo.33〜36は、圧延平行方向の寸法変化率が大きくなってしまっている。また、連続焼鈍の炉内温度が本発明範囲よりも低いNo.37、39は、圧延平行方向の寸法変化率が大きくなってしまっている。また、連続焼鈍の炉内温度が本発明範囲よりも高いNo.38、40は、特に圧延直角方向の寸法変化率が大きくなってしまっている。また、連続焼鈍の焼鈍時間が本発明範囲よりも長いNo.41〜44は、特に圧延直角方向の寸法変化率が大きくなってしまっている。

Claims (5)

  1. Niを1.5質量%以上4.5質量%以下、Siを0.35質量%以上1.0質量%以下含有し、さらにMgを0.05質量%以上0.15質量%以下、Snを0.05質量%以上0.5質量%以下、Znを0.05質量%以上1質量%以下、Agを0.01質量%以上0.1質量%以下、Crを0.05質量%以上0.4質量%以下の内から選ばれるいずれか1種または2種以上の元素を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金組成を有する銅合金材であって、
    加工率40%以下で仕上げ圧延され、前記仕上げ圧延後に連続焼鈍炉により500℃以上800℃以下の温度で1秒間以上100秒間以下の条件で熱処理された材料が、400℃以上600℃以下の温度で30秒間以上1000秒間以下の条件で歪取り焼鈍処理されて形成され、
    前記歪取り焼鈍処理の前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も−0.02%から+0.02%の範囲内であることを特徴とする電気・電子部品用銅合金材。
  2. 前記歪取り焼鈍処理が電気・電子部品の材料加工工程において行われることを特徴とする請求項1に記載の電気・電子部品用銅合金材。
  3. 前記電気・電子部品用銅合金材がリードフレーム材またはコネクタ材であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気・電子部品用銅合金材。
  4. Niを1.5質量%以上4.5質量%以下、Siを0.35質量%以上1.0質量%以下含有し、さらにMgを0.05質量%以上0.15質量%以下、Snを0.05質量%以上0.5質量%以下、Znを0.05質量%以上1質量%以下、Agを0.01質量%以上0.1質量%以下、Crを0.05質量%以上0.4質量%以下の内から選ばれるいずれか1種または2種以上の元素を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる銅合金組成の銅合金材を、加工率40%以下で仕上げ圧延し、前記仕上げ圧延後に500℃以上800℃以下の温度で1秒間以上100秒間以下の条件で連続焼鈍炉により熱処理した材料を、400℃以上600℃以下の温度で30秒間以上1000秒間以下の条件で歪取り焼鈍処理し、前記歪取り焼鈍処理の前後の圧延平行方向と圧延直角方向のいずれの寸法変化率も−0.02%から+0.02%の範囲内とすることを特徴とする電気・電子部品用銅合金材の製造方法。
  5. 前記歪取り焼鈍処理を電気・電子部品の材料加工工程において行うことを特徴とする請求項に記載の電気・電子部品用銅合金材の製造方法。
JP2007260386A 2006-10-10 2007-10-03 電気・電子部品用銅合金材およびその製造方法 Active JP5170866B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007260386A JP5170866B2 (ja) 2006-10-10 2007-10-03 電気・電子部品用銅合金材およびその製造方法
TW096137423A TWI412611B (zh) 2006-10-10 2007-10-05 電氣、電子零件用銅合金材料及其製造方法
KR1020097008901A KR20090064473A (ko) 2006-10-10 2007-10-09 전기·전자부품용 동합금재 및 그 제조방법
EP07829424A EP2088215A4 (en) 2006-10-10 2007-10-09 COPPER ALLOY MATERIAL FOR ELECTRICAL / ELECTRONIC PART AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
PCT/JP2007/069686 WO2008044680A1 (en) 2006-10-10 2007-10-09 Copper alloy material for electrical/electronic part and process for producing the same
US12/421,128 US20090229716A1 (en) 2006-10-10 2009-04-09 Copper alloy material for electric/electronic parts and method of producing the same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006276808 2006-10-10
JP2006276808 2006-10-10
JP2007260386A JP5170866B2 (ja) 2006-10-10 2007-10-03 電気・電子部品用銅合金材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008115465A JP2008115465A (ja) 2008-05-22
JP5170866B2 true JP5170866B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=39282873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007260386A Active JP5170866B2 (ja) 2006-10-10 2007-10-03 電気・電子部品用銅合金材およびその製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20090229716A1 (ja)
EP (1) EP2088215A4 (ja)
JP (1) JP5170866B2 (ja)
KR (1) KR20090064473A (ja)
TW (1) TWI412611B (ja)
WO (1) WO2008044680A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5679580B2 (ja) * 2011-11-07 2015-03-04 Jx日鉱日石金属株式会社 圧延銅箔
WO2013069800A1 (ja) * 2011-11-11 2013-05-16 古河電気工業株式会社 圧延銅箔

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1A (en) * 1836-07-13 John Ruggles Locomotive steam-engine for rail and other roads
US4656003A (en) * 1984-10-20 1987-04-07 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Copper alloy and production of the same
JPH0815170B2 (ja) * 1987-07-07 1996-02-14 株式会社ジャパエナジー フィルムキャリヤの製造方法
US4908275A (en) * 1987-03-04 1990-03-13 Nippon Mining Co., Ltd. Film carrier and method of manufacturing same
JPH02221344A (ja) * 1989-02-21 1990-09-04 Mitsubishi Shindoh Co Ltd 熱間圧延性およびめっき加熱密着性のすぐれた高強度Cu合金
JP2902830B2 (ja) 1991-10-15 1999-06-07 日立金属株式会社 リードフレーム材料およびその製造方法
JP3479470B2 (ja) * 1999-03-31 2003-12-15 日鉱金属株式会社 ハードディスクドライブサスペンション用銅合金箔及びその製造方法
JP3521074B2 (ja) * 2000-01-06 2004-04-19 三井金属鉱業株式会社 電解銅箔の物性検査方法
TW527427B (en) * 2000-03-14 2003-04-11 Nippon Mining Co Copper-alloy foil to be used for suspension member of hard-disc drive
JP3539685B2 (ja) * 2000-03-14 2004-07-07 日鉱金属加工株式会社 ハードディスクドライブサスペンション用銅合金箔
JP2003286527A (ja) 2002-03-29 2003-10-10 Dowa Mining Co Ltd 低収縮率の銅又は銅合金とその製造方法
JP4386236B2 (ja) * 2002-10-11 2009-12-16 日鉱金属株式会社 Cu−Ni−Si合金
JP2004149873A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Nikko Metal Manufacturing Co Ltd 耐金型磨耗性コルソン系銅合金
JP2006276808A (ja) 2005-03-01 2006-10-12 Olympus Corp ズーム光学系及びそれを有する電子撮像装置
US20070185464A1 (en) 2006-02-03 2007-08-09 Bristol-Myers Squibb Company Ostomy appliance with recovery resistant moldable adhesive

Also Published As

Publication number Publication date
EP2088215A1 (en) 2009-08-12
TW200829707A (en) 2008-07-16
WO2008044680A1 (en) 2008-04-17
JP2008115465A (ja) 2008-05-22
KR20090064473A (ko) 2009-06-18
TWI412611B (zh) 2013-10-21
US20090229716A1 (en) 2009-09-17
EP2088215A4 (en) 2012-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI665318B (zh) 電子/電氣機器用銅合金、電子/電氣機器用銅合金塑性加工材、電子/電氣機器用零件、端子以及匯流排
KR102254086B1 (ko) 전자·전기 기기용 구리 합금, 전자·전기 기기용 구리 합금 박판, 전자·전기 기기용 부품, 단자 및 버스 바
JP5117604B1 (ja) Cu−Ni−Si系合金及びその製造方法
WO2012121109A1 (ja) Cu-Ni-Si系合金及びその製造方法
JP2014095150A (ja) コバルト、ニッケル、珪素を含む銅合金
CN108431257B (zh) 电子电气设备用铜合金、电子电气设备用铜合金板条材、电子电气设备用组件、端子、汇流条及继电器用可动片
JP6696769B2 (ja) 銅合金板材及びコネクタ
JP4444245B2 (ja) 電気電子機器用Cu−Zn−Sn合金
JP2009079270A (ja) Cu−Sn−P系銅合金板材およびその製造法並びにコネクタ
JP2009185341A (ja) 銅合金板材およびその製造方法
JP2006083465A (ja) 曲げ加工性を備えた電気電子部品用銅合金板
JP2006249516A (ja) 銅合金およびその製造方法
KR20130059412A (ko) 전자 재료용 Cu-Co-Si 계 합금
JP4804266B2 (ja) 電気電子機器用Cu−Zn−Sn合金及びその製造方法
JP6085633B2 (ja) 銅合金板および、それを備えるプレス成形品
JP5170866B2 (ja) 電気・電子部品用銅合金材およびその製造方法
JP5507635B2 (ja) 銅合金板材およびその製造方法
WO2017169910A1 (ja) 電気電子部品用銅合金条
KR102421870B1 (ko) 강도, 전기전도도 및 굽힘가공성이 우수한 구리-니켈-실리콘-망간-주석계 동합금재 및 그의 제조 방법
JP6029296B2 (ja) 電気電子機器用Cu−Zn−Sn−Ca合金
JP2005113180A (ja) 電子機器用銅合金とその製造方法
JP4550148B1 (ja) 銅合金及びその製造方法
JP5748945B2 (ja) 銅合金材の製造方法とそれにより得られる銅合金材
JP7430502B2 (ja) 銅合金線材及び電子機器部品
JP6629400B1 (ja) 時効処理前のチタン銅板、プレス加工品およびプレス加工品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121224

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5170866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160111

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350