JP2005113180A - 電子機器用銅合金とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リードフレーム材、端子・コネクター材、スイッチ材等の生産性向上が図れるエッチング加工とプレス(打ち抜き)加工の双方で好適に使用できるCu−Cr系合金を提供する
【解決手段】Crを0.1〜0.25wt%、Siを0.005〜0.1wt%、Znを0.1〜0.5wt%、Snを0.05〜0.5wt%含み、CrとSiの重量比Cr/Siが3〜25で残部銅及び不可避的不純物からなる銅合金において、銅母相中に、0.05μm〜10μmの大きさを有するCrSi化合物が1×10〜5×10個/mmの個数密度で存在し、且つ、Cr化合物(CrSi化合物以外)の大きさを10μm以下とすることを特徴とするエッチング加工性及び打ち抜き加工性に優れた電子機器用銅合金。
【選択図】なし

Description

本発明は、エッチング、プレス加工により所望の形状に加工される銅合金、例えばリードフレーム材、端子・コネクター材、スイッチ材等に適用する電気電子機器用銅合金とその製造方法に関する。
半導体のリードフレーム材や携帯電話等の電子機器の端子・コネクター材には、電気伝導性及び熱伝導性に優れた銅合金が多く用いられている。近年は半導体及び電子機器の高集積化や小型化が進み、これらに使用される銅合金も電気伝導性や熱伝導性ばかりでなく、強度、耐熱性、及び貴金属(Ag、Pd等)や半田とのめっき性が優れていることが求められている。このめっき性を確保するには優れた表面平滑性も必要となっている。更に前記要求特性が長期に保持されること、即ち経時的信頼性も重要である。
このような要求に応えるために、様々な銅合金が開発されたが、その多くは淘汰され現在では数種類が用いられているだけであり、その中でもCu−Cr系合金は高い導電性と強度を兼備する合金として、広く使用されている合金系の一つである(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特開昭62−86137号公報 特開昭63−69933号公報 特開平10−195562号公報
リードフレーム等の成形加工には、通常エッチング加工法またはプレス打抜き加工法が用いられる。特にCu−Cr系合金はエッチング加工性に優れていることからエッチング加工法が有利な多ピンリードフレーム材料に広く用いられていたが、近年のプレス技術の革新により、プレス打抜き加工法でも多ピンリードフレームの製造が可能となってきており、生産性の面ではエッチング加工法より優れるプレス打抜き加工法が採用されてきている。
しかしながら、従来のCu−Cr系合金のプレス打抜き加工性は必ずしも良好ではなく、加工の際にバリや加工粉が発生してリード間の短絡を起こしたり、またリードフレームの寸法精度が低下したりする不具合が発生していた。また、この様な不具合は金型のメンテナンスサイクルを短くするため、生産性を低下させ、製造コストを高くする一因ともなっている。
即ち、リードフレームを安価に早く提供するためには、如何にプレス加工設備の稼働率を上げるか、如何に不良品を減らして製造歩留まりを高めるかが重要な課題となり、特にCu−Cr系合金においてはプレス打抜き加工性の大幅な改善が強く望まれた。
このような要求に対して、Cu−Cr系合金に微量元素を添加し、Cuマトリックス中に添加元素によるCr化合物を析出させ、これを加工時の破壊の起点とし、プレス打抜き加工性を改善する方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
しかし、Cr化合物は粗大化し易いと共に、圧延加工により圧延方向に長く伸び易い性質があるため、ヒゲ状の形態となり、エッチング加工時に溶解されないヒゲ状のCr化合物がリード端面から突出し、リード間の短絡原因となると共にヒゲ状の化合物上のAgめっきがこぶ状になるめっき不良を発生させていた。
そこで、本発明ではエッチング加工とプレス打抜き加工の双方に好適に使用できるCu−Cr系合金の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、Crを0.1〜0.25wt%、Siを0.005〜0.1wt%、Znを0.1〜0.5wt%、Snを0.05〜0.5wt%含み、CrとSiの重量比Cr/Siが3〜25の範囲で、残部銅及び不可避的不純物からなる銅合金において、銅母相中に、0.05μm〜10μmの大きさを有するCrSi化合物が1×10〜5×10個/mmの個数密度で存在し、且つCrSi化合物以外のCr化合物の大きさを10μm以下に制限することを特徴とするエッチング加工性及びプレス打抜き加工性に優れた電子機器用銅合金である。
請求項2記載の発明は、Crを0.1〜0.25wt%、Siを0.005〜0.1wt%、Znを0.1〜0.5wt%、Snを0.05〜0.5wt%及びZrを0.2wt%未満含み、CrとSiの重量比Cr/Siが3〜25で残部銅及び不可避的不純物からなる銅合金において、銅母相中に、0.05μm〜10μmの大きさを有するCrSi化合物が1×10〜5×10個/mmの個数密度で存在し、且つCrSi化合物以外のCr化合物の大きさを10μm以下に制限することを特徴とするエッチング加工性及びプレス打抜き加工性に優れた電子機器用銅合金である。
請求項3記載の発明は、前記Cu−Cr−Si−Zn−Sn合金、又は前記Cu−Cr−Si−Zn−Sn−Zr合金鋳塊を850〜980℃の温度で加熱した後に熱間加工を施し、次に冷間圧延と400〜600℃の温度での熱処理を繰返し行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエッチング加工性及びプレス打抜き加工性に優れた電子機器用銅合金の製造方法である。
本発明に係る銅合金は、プレス打抜き加工性とエッチング加工性が共に優れ、また、強度や導電率、並びに半田付け性やめっき性等にも優れるもので、近年、微細加工性が要求される多ピン、狭ピッチのリードフレームを始め、端子、コネクター、スイッチ、リレー等の小型化する電子機器部品用として好適に使用できる。依って、本発明は産業上有用かつ顕著な効果を奏するものである。
本発明の合金は、Cuマトリックス中に、プレス打抜き加工性を改善しながら、エッチング加工性を確保するために、所定の大きさ及び個数密度を有するCrSi化合物を微細に析出させること及びCrSi以外のCr化合物の大きさを制限することを骨子としている。
本発明者らはこのCrを含む銅合金系について研究を行い、CrSi化合物が打ち抜き加工性の改善に寄与しながら、展延性が低いために圧延加工時に圧延方向に伸び難く、ヒゲ状に変形しないことを新たに知見した。又、CrSi化合物以外のCr−Cu化合物、Cr−S化合物、Cr−P化合物などのCr化合物は、展延性が高く、圧延加工時に圧延方向に伸びてヒゲ状になることを見出した。即ち、このCrSi化合物を適正に生成させてプレス打抜き加工性を改善し、かつCrSi以外のCr化合物の大きさを制御することで、ヒゲ状化合物の生成を抑制し、エッチング加工性も満足する銅合金を見出したのである。
本発明においては、成分の限定と製造条件を合わせて制御することにより、プレス打抜き加工性の改善に理想的なCrSi化合物の析出状態を達成しつつ、エッチング加工性の低下原因となるCrSi以外のCr化合物の大きさを制御することで、実用性に優れる本発明に係る銅合金を得たものである。
本発明に係る銅合金は、CrSi化合物を理想的に析出させ、且つ、CrSi以外のCr化合物の大きさを制御するために、熱間加工前に850℃から980℃の加熱処理を施し、又、リードフレーム材としてのバランスの取れた特性を満足させるために、熱間加工後に冷間加工と400℃から600℃の温度での熱処理の組み合わせによる工程を一回、若しくは、繰返し複数回施すことが必要である。
次に本発明合金の成分限定理由を説明する。
Crを0.1〜0.25wt%としたのは、Cr量が0.1wt%未満では熱間加工前に850℃〜980℃の温度での加熱処理を施しても、CrSi化合物の生成量が少なく、プレス打抜き加工性の改善効果が不十分であるためである。逆に、Cr量が0.25wt%を超えると、CrSi以外のCr化合物が10μmより粗大化するため、圧延加工後にヒゲ状になり、エッチング加工後のリード短絡の原因となったり、めっき性を低下させるためである。
Si量を0.005〜0.1wt%とするのは、Si量が0.005wt%未満では、CrSi化合物のサイズ及び分散密度が小さくプレス打抜き加工性が改善されない。逆に、0.1wt%を超えると10μmを超える粗大なCrSi化合物が生成するため、エッチング加工後のリード短絡の原因となると共に、Cu中に固溶するSi量が多くなり、導電率が低下するためである。
更に、Cr/Siの成分比を3〜25とするのは、成分比が3未満では、Crが少ない場合にはCrSi化合物の生成量が少なくプレス打抜き加工性の改善効果が弱い。又、Si量が多い場合にはCrSi化合物が10μmを超えて粗大化するため、エッチング加工後のリード短絡の原因となると共に、導電率も低下するためである。成分比が25を超えるとCrSi化合物以外のCr化合物が10μmを超え粗大化するため、圧延加工により伸びてヒゲ状になり、エッチング加工後のリード短絡の原因となるためである。
先に述べたように本発明は、CrSi化合物を打ち抜き加工時の破壊の起点とすることでプレス打抜き性を改善するものであるが、その最大径が0.05μmより小さいと打ち抜き性の改善に寄与せず、逆に最大径が10μmを超えるとエッチング加工時にリード短絡の原因となる。従って、各々の最大径が0.05〜10μmの化合物が適量分散している状態が理想的である。
更に、これらの化合物の分散密度が、1×10個/mm未満ではプレス打抜き加工性の改善効果が少なく、5×10個/mmを超えると打ち抜き加工性は良好であるが、強度特性および耐熱性が低下し、リードフレーム材としての機能を果たさない。
CrSi化合物以外のCr化合物の大きさを10μm以下とするのは、10μmを超えると前述のように、このCr化合物は圧延加工により圧延方向に長く伸びるため、エッチング加工時にヒゲ状に端面から突出し、リード短絡の原因となる。
なお、本発明においては、Cu−Cr合金における前記CrSi化合物とCrSi化合物以外のCr化合物の役割と影響を分離したことが最重要ポイントであり、これらのサイズと分散密度を個別に制御する成分と製造方法を見いだしたことで、エッチング加工性とプレス打抜き加工性の双方を良好に満足させることを可能としたものである。
Snは、材料の強度を高める効果を有する。添加量が0.05wt%に満たない場合、所定の強度が達成できず、逆に添加量が多いと、導電性が低下する。従って、Snの添加範囲は0.05〜0.5wt%が最適である。
ZnはSnめっきやはんだの耐熱剥離性及び耐マイグレーション特性を改善する効果を有する。特に電子機器用のリードフレームやコネクターに使用される場合、実装後の半田付け部の経時劣化が重視されるため、Zn添加が不可欠である。その含有量が0.1wt%未満では充分な効果が得られず、0.5wt%を超えて添加しても、その効果は飽和し、逆に、導電性を低下させる。従って、Znの添加範囲は0.1〜0.5wt%とする。
更に、強度、耐熱性、耐応力緩和特性等の電子機器用途としての要求特性を改善するために、必要に応じて、Mg、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Ag、Al、In、Pb、Bi、Te、Ca、B、C、Pなどの添加元素を導電率が阻害されない範囲として0.5wt%未満添加しても良い。
次に、前記本発明の構成を用いて良好な特性を実現するためには、その製造方法が重要である。
プレス打抜き加工性の改善にはCrSi化合物の生成が大きく寄与しているが、前記熱間加工前の加熱処理温度が980℃より高いと、最大径が0.05〜10μmのCrSi化合物の個数密度が低くなり、プレス打抜き加工性が改善されない。逆に加熱処理温度が850℃未満では、Cr化合物(CrSi化合物以外)の大きさが10μmを超えるか、その個数密度が1×10個/mm以上となり、Cr化合物が圧延加工により圧延方向に長く伸びるか、又は隣接した化合物同士が断続的につながり易いため、エッチング加工時にリード短絡の原因となる。このような観点から、熱間加工前の加熱処理温度は850℃〜980℃とする。特に、880℃〜950℃が好ましい範囲である。
更にリードフレーム材としてのバランスの取れた強度と導電率を満足させるためには、熱間加工後に冷間加工と400℃から600℃の温度での熱処理との組み合わせによる工程を一回、若しくは、繰返し複数回施すことが必要である。なお、最終冷間加工後に比較的低温での熱処理を施して加工歪みを減じておくことが望ましく、バッチ式焼鈍方法では200℃〜450℃の温度で0.5〜5時間、走間式焼鈍方法では600℃〜800℃の温度で5〜120秒間施すことが好ましい。また、最終熱処理の前または後にテンションレベラーやローラーレベラーなどで矯正加工を行っても良い。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。
表1に示す本発明例合金を高周波溶解炉にて溶解し、厚さ30mm、幅100mm、長さ150mmの鋳塊を作製した。この鋳塊を940℃で2時間加熱後、厚さ11mmまで熱間圧延し、熱間圧延後、直ちに水中に浸漬して速やかに冷却した。次に両面を各1mmづつ面削した後、0.25mmまで冷間圧延し、この冷間圧延材を不活性ガス雰囲気中において530℃の温度で2時間の熱処理を施し、その後0.15mmまで仕上げ冷間圧延した後、350℃の温度で2時間の低温焼鈍処理を施し、表2に示す本発明例のNo.1からNo.9の銅合金板供試材を得た。
表1に示す比較例合金も本発明例合金と同じ方法により作製し、表2の比較例No.21からNo.26の銅合金板供試材を得た。
作製した供試材から試験片を切り出して、化合物相の個数密度、引張強さ、伸び、導電率、プレス打抜き加工性、はんだ耐熱剥離性を評価した。結果を表2、表3に示す。
化合物の種類と大きさは、試験片を酸性水溶液(6体積%HSO+7体積%H)中に30秒間浸漬してエッチングし、走査型電子顕微鏡(1000倍)にて無作為に選んだ10視野に存在する化合物全てをX線マイクロアナライザーにて分析して、各々の化合物の種類(CrSi化合物又はCr化合物)を決定した後、視野を写真撮影して、化合物の大きさの平均値を算出した。ここで大きさとは最大径であり、化合物が球形の場合はその径、楕円状の場合は長径、棒状の場合は最大長さと定義する。
個数密度は、化合物の大きさの測定と同様に10視野内のおける各々の化合物の個数を数え、その密度の平均値を算出した。
引張強さ(TS)及び伸び(El)はJIS Z2241に準じ、熱・電気の伝導性を示す導電率はJIS H0505に準じて各々測定した。
プレス打抜き加工性は、金型で角孔(1mm×5mm)を多数打ち抜いて、FAR(Fracture Area Ratio:せん断/破断面を示す打抜き面での板厚に対する破断部長さ比)、及びバリの高さを測定した。金型のダイ、パンチは超硬合金製のものを用い、両者のクリアランスは9μm(対板厚比6%)とした。
前記FARは角孔加工面を観察して破断部の厚さtを測定し、これをプレス打抜き加工前の試験片の厚さTで除した値(t/T)を各20箇所について求め、その平均値で評価した。FARは大きいほどプレス打抜き加工性に優れる。
バリ高さは、角孔縁部のバリ高さを接触式形状測定器で各20箇所測定し、その平均値で示した。
エッチング性は試験片を塩化第二鉄溶液にてエッチング加工し、圧延方向に対し垂直方向に幅0.5mmのリード部を形成した。このエッチング端面を顕微鏡観察(50倍)し、突起物の有無を調べた。この顕微鏡観察で明瞭に突起物が認められる場合は、不良とした。
はんだ耐熱剥離性は試験片にロジン系フラックスを塗布し、230℃の共晶半田(Pb−63wt%Sn合金)浴中に5秒間浸漬してはんだを付着させ、これを150℃で1000時間大気加熱した後、180度密着曲げを施し、次いで曲げ戻して、その曲げ戻し部分のはんだ剥離の有無を目視観察して評価した。この目視観察ではんだの剥離が観察された場合を不良として記した。
Figure 2005113180
Figure 2005113180
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表1、表2,表3から明らかなように、本発明例のNo.1〜No.9は、いずれも優れたプレス打抜き加工性を示し、又はんだ耐熱剥離性も良好に維持された。
これに対し、Cr量が少なくCr/Siが小さい比較例のNo.21では、析出するCrSi化合物の個数密度が小さくプレス打抜き加工性に劣っている。又Si量が少なくCr/Siが大きい比較例のNo.22は、CrSi化合物が小さく、且つ個数密度も小さいためにプレス打抜き加工性に劣っている。Cr量の多い比較例のNo.23はCrSi化合物以外のCr化合物が粗大化しエッチング性に劣っている。Si量が多い比較例のNo.24はCr/Siが小さく、CrSi化合物が大きいためエッチング性に劣り、Sn量の多い比較例のNo.25は導電率が低く、Zn量の少ない比較例のNo.26ははんだ耐熱剥離性が劣った。
表1の本発明合金a、b、dを用い、熱間圧延前の加熱処理条件および仕上げ冷間圧延前の熱処理条件を請求項3記載の本発明範囲内の条件で種々変化させて、本発明例のNo.10〜No.16の銅合金板供試材を作製した。なお、それ以外の条件は実施例1と同様に行っている。
比較例として表1の本発明合金a、bを用い、熱間圧延前の加熱処理条件および仕上げ冷間圧延前の熱処理条件を本発明範囲外とした比較例のNo.27〜No.31の銅合金板供試材を作製した。なお、それ以外の条件は実施例1と同様に行っている。
作製した各々の銅合金板から試験片を切り出し、実施例1と同じ方法により種々特性を評価した。製造条件及び化合物相の状態を表4に示し、その他の評価結果を表5に示す。
Figure 2005113180
Figure 2005113180
表4、5より明らかなように、本発明例のNo.10〜No.16は、いずれも優れたプレス打抜き加工性を示し、又はんだ耐熱剥離性も良好に維持されているのが判る。
これに対し、比較例のNo.27では、熱間圧延前の加熱温度が低いためにCrSi化合物が粗大化しエッチング性が劣った。一方、比較例のNo.28とNo.29は、熱間圧延前の加熱温度が高いために、CrSi化合物が小さく且つその個数密度が低いためにプレス打抜き加工性に劣っている。又、仕上げ圧延前の熱処理温度が低い比較例のNo.30及びNo.31では導電率が低下した。

Claims (3)

  1. Crを0.1〜0.25wt%、Siを0.005〜0.1wt%、Znを0.1〜0.5wt%、Snを0.05〜0.5wt%含み、CrとSiの重量比Cr/Siが3〜25の範囲で、残部銅及び不可避的不純物からなる銅合金において、銅母相中に、0.05μm〜10μmの大きさを有するCrSi化合物が1×10〜5×10個/mmの個数密度で存在し、且つ、CrSi化合物以外のCr化合物の大きさを10μm以下とすることを特徴とするエッチング加工性及び打ち抜き加工性に優れた電子機器用銅合金。
  2. Crを0.1〜0.25wt%、Siを0.005〜0.1wt%、Znを0.1〜0.5wt%、Snを0.05〜0.5wt%及びZrを0.2wt%未満含み、CrとSiの重量比Cr/Siが3〜25で残部銅及び不可避的不純物からなる銅合金において、銅母相中に、0.05μm〜10μmの大きさを有するCrSi化合物が1×10〜5×10個/mmの個数密度で存在し、且つ、CrSi化合物以外のCr化合物の大きさを10μm以下とすることを特徴とするエッチング加工性及び打抜き加工性に優れた電子機器用銅合金。
  3. 前記Cu−Cr−Si−Zn−Sn合金鋳塊、又は前記Cu−Cr−Si−Zn−Sn−Zr合金鋳塊を850〜980℃の温度で加熱した後に熱間加工を施し、次に冷間圧延と400〜600℃の温度での熱処理を繰返し行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエッチング加工性及び打抜き加工性に優れた電子機器用銅合金の製造方法。
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