JP5170678B2 - 給紙装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、普通紙以外の各種用紙は、用紙表面の平滑度がよく、通気性が少なく、吸湿生があるという特性を有するため、紙間密着力が高まる傾向がある。このため、普通紙に比べて分離性が悪く、重送や、不送りが発生しやすいという問題を有している。
このような特性を有した各種用紙を給紙する際に一枚ずつに分離して正しく送るためには、吸盤を用いたエアー給紙や、フィードコロをベルト状としてエアーを吹き込むことで負圧を利用した用紙吸着を行うことが可能で、この技術を用いた印刷機も種々知られている。しかし、これらの構成では、機械が大型化し、コストがかかり、騒音も大きくなるために、一般オフィスには不向きになる。さらにエアー供給に際しての供給制御が複雑になるという難点がある。
しかしながら高温高湿環境下のように、用紙間密着力が極端に増大する環境においては、上記のようなブロワからの送風手段だけでは用紙の密着を解けず、重送・不送りを引き起こしてしまうことがあり改善が望まれている。
また、本発明の画像形成装置は、前記本発明に係る給紙装置を備え、当該給紙装置から供給される用紙に画像を形成することを特徴とする。
図1は本発明の給紙装置を備えた画像形成装置の構成説明図であり、図2は給紙装置の内部構成を示す斜視図である。画像形成装置1は、画像形成装置本体2と、画像形成装置本体2の一側面に接続された給紙装置5と、から構成されている。
図2に示すように、給紙装置5は、用紙束を積載する底板(給紙台)6を有した給紙トレイ(用紙収納部)8と、給紙台である底板6を押し上げる給紙台上昇機構と、用紙束の最上部の用紙を一枚ずつ取り出して画像形成装置本体2側へ給紙する給紙ユニット(給紙手段)9と、を備えている。給紙ユニット9には、給紙コロ(ピックアップコロ)11と、分離機構を構成する分離コロ12aおよび戻しコロ12bと、が配置されている。
これらのコロ11、12a、12bは、予め設定されたそれぞれの給紙タイミングによって回転駆動される。また、給紙トレイ8内には、底板6上に積載された用紙束の幅方向(給紙方向と直交する方向)側面をガイドする側方支持部材であるサイドフェンス24および25を両側に設け、用紙束の後方には後端面を押えるエンドフェンス14が設けてある。給紙トレイ8は、給紙装置本体から抜差し可能な構成になっており、使用者が用紙を給紙トレイ8にセットするときには、給紙トレイ8を引出して行う。
また、用紙の積載量の減少と合わせて底板6が上昇しても、この位置検知をこのアクチュエータ16によって行う。なお、センサ15を動作させるアクチュエータ16は、給紙コロ11及び分離コロ12aと連結された構成となっており、アクチュエータ16の端部に配置したフィラーがセンサ15を遮光することにより、常に用紙の上限を検知し、給紙コロ11の位置が一定に保たれるようになっている。このように給紙分離条件を一定に保つ為に、用紙積載量が増減しても常に給紙位置が一定となるように、用紙上限位置の最適化を常に行っている。
図4は、実施形態装置のサイドフェンス25の内側面を示す図である。
この装置は、エアアシスト機構が搭載されており、図3に示すように各サイドフェンス24、25の外側にはブロワーファン20が取付けられ、ブロワーファン20が生成するエアーを噴出するエアー噴出口(ノズル)21がサイドフェンス内側面に開口している。エアー噴出口21は、上端縁22の高さ位置が給紙ユニット9により給紙される用紙の通紙経路Pよりも低い位置に配置され、且つ通紙経路Pに沿って延びる噴出口形状を有している。なお、サイドフェンス24、25のエアー噴出口21の前後(上流側及び下流側)に用紙束側面を弾性的に加圧するために例えば板バネ製の用紙規制部材を配設しても良く、用紙のガタを押えて用紙の斜行を防止し、安定した給紙を行うことができる。用紙規制部材には、マイラー、スポンジ、異種材(たとえば、ステレス棒)等を用いても良い。
図5は、スプリング23の実装状態を説明する拡大斜視図である。スプリング23は、断面略円形の金属線材を巻回して成る弾性を有した周知のコイルスプリングで、両端部には輪状部分が形成してある。必要に応じては、金属メッキ等の各種表面処理を施しても良い。スプリング23は、図示のように、積載された上端部の用紙に接触するようサイドフェンス24より飛び出して配置されている。
すなわち、スプリング23はその軸方向を用紙積載方向にして外周面が給紙台の用紙側端部と接触して押圧するようにして給紙台の用紙収容部を区画している側方支持部材であるサイドフェンス24の用紙供給動作位置近傍の高さに配設してある。給紙台上の用紙側端部が、スプリング23と接触して押圧され、給紙台上昇機構により給紙台が上昇する際に個々の用紙がスプリング23の間隙に入り込むことで用紙束が捌かれる。
また、用紙がスプリング23に触れて上昇する際、用紙はスプリング23の傾斜によって、スプリング23が配置されているサイドフェンス24と反対方向(レジスト姿勢補正方向)に移動する(図7の部分拡大図参照)。用紙のレジスト位置はサイドフェンス25に突き当てることで適正化(補正)を行っていて、用紙サバキと同時に用紙レジスト状態の適正化も同時に行うことができて好適である。なお、用紙上昇中、スプリング23によって用紙は常にさばかれている状態となっているが、スプリング23には適度な弾性を持たせているので、過度な力で用紙と接触することは無く、用紙を傷つけることはない。
なお、スプリング23は、駆動力を与えることにより軸方向に回転可能な構成にすることもでき、そのスプリングの回転によりさらに用紙サバキを行うこともできる。また、このスプリング23はサイドフェンス24および25の両側に設けるようにしても良い。これによりさらにサバキ効果を高めることができる。
図8および図9は、それぞれサイドフェンス部分を裏側から見た拡大図であり、図8はスプリング23のピッチを広げた場合を、図9はピッチを狭めた場合を示している。
両図に示すように、スプリング23は、上端の輪状部分をサイドフェンス24から切り起こした突部24aに係止させ、サイドフェンス24に上下動可能に固定できるスプリングフック26に下端の輪状部分を係止させ、サイドフェンス24に形成した開口部24bからプリング23のコイル部分をサイドフェンス24の内側面側へ飛び出させてある。このスプリングフック26の固定位置を図中上下方向に調節して所望の位置で固定することによって、スプリング23のピッチを簡単に自在に変更させることが可能になっている。こうして、スプリング23のピッチを変更することにより、スプリング23が用紙をさばく間隔を、用紙厚みに応じた最も適切な間隔に調整することができる。つまり、坪量が大きい用紙(厚紙)に対しては図10の部分拡大側面図のようにピッチを大きく、坪量が小さい用紙(薄紙)に対しては図11の部分拡大側面図のようにピッチを小さくすることによって、より効果的に用紙サバキを行わせることができる。
つまり、図12に示すように、もし仮に坪量が大きい用紙(厚紙)であるのにスプリングの線径が小さいままだとスプリング自体の剛性が弱いため、用紙がスプリング23を通過する際にスプリング23が変形して逃げてしまい、用紙がうまくさばけない可能性がある。従って、坪量が大きい用紙(厚紙)をセットした場合にはこれに合わせてスプリング23を線径が大きいものに交換することにより、スプリングとしての剛性を上げてやり、用紙がスプリング23を通過する際にさばかれる力を大きくし、より確実に機能させることができる。スプリング23の剛性を上げるためには、素線の材質を変えるようにしても良い。
なお、上述したスプリング23は、用紙通紙時は常に用紙サバキ部材と接触している状態である。よって用紙サバキ部材の耐摩耗性が低いと、経時的には、通紙による接触抵抗により、用紙サバキ部材が過度に磨滅してしまうことがある。
スプリング23は、耐久性が高いことが好ましい。本実施形態では、用紙サバキ部材であるスプリング23の素材には金属材料を用いているため、用紙との摩擦によってスプリング23が削れていくことは殆ど無く、実用上はメンテナンスのための交換の必要はない。また、金属製スプリングに各種表面処理を施すようにしても良く、用紙との接触抵抗を低減することができるため、スプリングによる用紙に対するダメージ、用紙送り時の負荷になるなどの不具合を一層確実に防ぐことができる。
スプリングのピッチを可変可能とすることにより、坪量が大きいときはピッチを大きく、坪量が小さいときはピッチを小さくするなどの調整が行える。また、スプリング自体を交換可能な構成とすることにより、坪量が大きいときはスプリングの線径を大きく、坪量が小さいときはスプリングの線径を小さくするなどの調整が行え、より効果的に用紙サバキを行え、重送を防止することができる。なお、実施形態ではエアアシスト機構を併用してあるが、エアアシスト機構を省略しても実用的なサバキ効果がある。
以上説明した実施形態の給紙装置は、画像形成装置の構成要素として用いられるが、このような給紙装置を備えた画像形成装置によれば、分離が難しかったコート紙や厚紙等の分離性向上が図られ、総合的に機器としての搬送品質が高まる。
Claims (6)
- 用紙を複数枚積載できる給紙台と、前記給紙台を押し上げる給紙台上昇機構と、ピックアップコロと、分離機構とによって、前記給紙台の用紙収容部に積載した用紙の最上紙から1枚ずつ用紙を分離給紙する給紙装置において、
前記用紙収容部を区画している側方支持部材が、前記用紙収容部から見て裏側にコイルスプリングを取り付け、かつ該コイルスプリングの軸方向を前記用紙収容部における用紙積載方向とし、さらに前記コイルスプリングの外周面が前記側方支持部材から前記用紙収容部へ飛び出て前記用紙収容部内の用紙の側端部と接触して押圧するように配設するとともに、
前記コイルスプリングのピッチ変更手段を前記側方支持部材の前記用紙収容部から見て裏側に設けた
ことを特徴とする給紙装置。 - 前記側方支持部材の前記コイルスプリングを取り付ける部位に、該コイルスプリングのコイル部分を前記用紙収容部側へ飛び出させる開口が設けてあることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記開口の大きさは、前記コイルスプリングのピッチを最大に広げた際でも前記コイル部分が前記用紙収容部側へ飛び出得る大きさであることを特徴とする請求項2に記載の給紙装置。
- 前記ピッチ変更手段が、前記コイルスプリングの一端を前記側方支持部材に固定する部位と、前記側方支持部材に可動に取り付けると共に前記コイルスプリングの他端を取り付ける可動部材とからなり、該可動部材を前記コイルスプリングの軸方向に移動させて前記コイルスプリングのピッチを可変させるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の給紙装置。
- 前記コイルスプリングの前記コイル部分を構成する線材がなす傾斜を、前記用紙収容部内で用紙が前記コイル部分に触れて上昇する際、該接触によって前記側方支持部材と反対側の他の側方支持部材側へ移動する傾斜としてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の給紙装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の給紙装置を備え、当該給紙装置から供給される用紙に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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