JP5170430B2 - トリシクロデカン誘導体を原料とする樹脂及び樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、KrF及びArF,Fエキシマレーザー用、X線、電子線ビーム、極端紫外線(EUV)用化学増幅型ポジ型レジスト、反射防止膜、また光学特性や耐熱性などに優れた、架橋型樹脂、光ファイバーや光導波路、光ディスク基板などの光学材料及びその原料、医薬・農薬中間体、その他各種工業製品として使用することが出来る機能性樹脂及びそれを用いた樹脂組成物に関する。
メタクリル系樹脂(PMMA樹脂)は、透明性、耐光性が優れていることなどから無色透明パネルを始めとする多方面の用途に使用されている。一方では、用途が広がるにつれて要求性能も高くなり、その改良を求められている用途もある。例えば、ディスプレイパネル等の光学材料として使用する場合には、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、あるいはポリカーボネート樹脂と比べて吸水率が大きいという欠点がある。そこで、メタクリル酸トリシクロデカンメチル樹脂が報告されている(特許文献1)。しかしながら、耐熱性および耐光性は十分とはいえず、用途は限定される。また、メタクリル酸トリシクロデカンメチルはendo体、およびexo体を有しているが異性体については言及していない。
一方、半導体製造工程で用いられる機能性樹脂組成物は、光照射により照射部がアルカリ可溶性に変化する性質、エッチング耐性、基盤密着性、使用する光源に対する透明性などの特性をバランスよく備えている必要がある。光源がKrFエキシマレーザー以降の短波長光源を使用する際には、一般的に化学増幅型レジストが使用され、その組成は、一般に主剤の機能性樹脂組成物及び光酸発生剤、さらには数種の添加剤を含む溶液として使用される。その中で主剤である機能性樹脂組成物が上記の各特性をバランス良く備えていることが重要であり、レジスト又は反射防止膜性能を決定付ける。
光源がKrFエキシマレーザー以降の短波長光源を使用する際には、化学増幅型レジストが使用されるが、その際、主剤である機能性樹脂組成物は、一般的にアクリレートなどを繰り返し単位とする高分子である。しかし、単一の繰り返し単位で使用されることはない。理由として、単一の繰り返し単位ではエッチング耐性などの特性をすべて満たすことはできないからである。実際には、各特性を向上させるための官能基を有した繰り返し単位を複数、すなわち2種類以上の共重合体にして機能性樹脂組成物にしてそれぞれ使用している。KrFエキシマレーザーリソグラフィ用レジストではヒドロキシスチレン系樹脂が、ArFエキシマレーザーリソグラフィ用レジストでは、2−アルキル−2−アダマンチルメタクリレートを基本骨格とするアクリル系樹脂が提案されており(特許文献2及び3参照)、その基本骨格は定まりつつある。
しかしながら、近年のリソグラフィプロセスは急速に微細化が進んでおり、それぞれの光源について、波長の1/3程度までの線幅まで延命させることが要求されている。特に、ArFエキシマレーザーリソグラフィでは、液浸技術の適用により、それ以上の微細化が要求されている。それにともない、線幅が細くなるにつれて解像度やラインエッジラフネスなどに対する要求が厳しくなってきた。それらの原因として、各繰り返し単位の性質が大きく異なることによる機能性樹脂組成物の不均一性などが原因として挙げられている(非特許文献1参照)。
課題の解決のため、既存の樹脂に各種アクリレート化合物を共重合させたり、あるいは既存の樹脂の構造そのものを大きく変えたりするなどの検討がなされている。例えば、アダマンタンカルボン酸誘導体を含む、アルカリ可溶性で耐エッチング性のあるレジスト組成物が提案されている(特許文献3参照)。また、エッチング時の表面荒れやラインエッジラフネスが小さいなどの特徴を有したレジスト組成物として、2−(1−アダマンチル)−2−メタクリロイルオキシプロパンなどで代表されるアクリレートを基本骨格に含むアクリル酸エステル誘導体を主鎖に有する共重合体を提案している(特許文献5参照)。しかしながら、細線化における解像度やラインエッジラフネスなどを十分に満たすことが困難であるのが実状である。
特開平2−67248号公報 特開平4−39665号公報 特開平10−319595号公報 特開2000−122295号公報 特開2003−167346号公報 SEMICON JAPAN SEMI Technology Symposium2002,3−27
これらの事情から、機能性樹脂組成物としての基本特性に悪影響を与えることなく、解像度やラインエッジラフネスの向上を達成しうるアルカリ現像性や基盤密着性に優れた機能性樹脂組成物の開発が強く求められている。
本発明の目的は、トリシクロデカン骨格を有し、光学特性などに優れた架橋型樹脂及びそれを用いる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上意課題について鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表される構成単位を含む樹脂が上記の目的に適合した樹脂であり、特定のプロセスにより効率よく製造することが可能であることを見出した。また、一般式(1)で表される構成単位を含む樹脂を用いる樹脂組成物が反射防止膜用途に有用であると期待されることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明は、
1. 一般式(1)で示される構成単位を含む樹脂。
Figure 0005170430
(式(1)中、Yは、独立して炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、エステル基又は水酸基を示す。mは0〜15の整数を示す。Xは式(2)で表される基を示す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示す。nは2〜5000の整数を示す。)
2. 前記一般式(1)で示される構成単位がendo体である第1項記載の樹脂。
3. 前記一般式(1)で示される構成単位がexo体である第1項記載の樹脂。
4. 前記一般式(1)で示される構成単位がendo体及びexo体からなる第1項記載の樹脂。
5. 前記endo体及びexo体の比率(endo体/exo体)が、0.01〜35である第4項記載の樹脂。
6. 前記一般式(1)で示される構成単位が式(3)で示される構成単位である第1項〜第5項のいずれかに記載の樹脂。
Figure 0005170430
(3)
(式(3)中、Xは前記と同じ。)
7. 第1項〜第6項のいずれかに記載の樹脂及び溶媒を含む樹脂組成物。
8. 更に、光酸発生剤を含む第7項記載の樹脂組成物。
9. 更に、架橋剤を含む第7項記載の樹脂組成物。
10. 第7項〜第9項のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて得られる反射防止膜。
11. 第7項〜第9項のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて得られるレジスト。
12. つぎの工程(a)〜(c)を含む第1項記載の樹脂の製造方法。
(a)一般式(4)で示される化合物と(メタ)アクリル酸化合物とを酸化合物存在下で反応させ一般式(5)で示される化合物を得る工程
(b)工程(a)で得られた一般式(5)で示される化合物を分離する工程
(c)工程(b)で分離された一般式(5)で示される化合物を重合する工程
Figure 0005170430
(4)
(式(4)中、Y及びmは前記と同じ。)
Figure 0005170430
(式(5)中、Y、m及びR〜Rは前記と同じ。)
13. 前記(メタ)アクリル酸化合物が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルである第12項記載の樹脂の製造方法。
本発明の樹脂は、架橋型樹脂、光ファイバーや光導波路、光ディスク基板、フォトレジストなどの光学材料及びその原料、医薬・農薬中間体、その他各種工業製品などとして有用である。
また、本発明の機能性樹脂を含む組成物は、KrF及びArF、F2エキシマレーザー用レジスト原料や、X線、電子ビーム、EUV(極端紫外光)用化学増幅型レジストや反射防止膜原料として使用することができる。
まず、本発明における樹脂原料について説明する。
本発明に用いる下記一般式(1)で示されるトリシクロデカン誘導体である。
Figure 0005170430
ここで、式(6)中、Yは、独立して炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、エステル基又は水酸基を示す。mは0〜15の整数を示す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示す。また、式(6)中、複数のYは同一でもよいし、異なっていてもよい。式(6)中、Yは炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、エステル基又は水酸基を示す。上記において、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖状、分岐状いずれでもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基を挙げることができる。エステル基としては、メチルエステル基、エチルエステル基、各種プロピルエステル基、シクロヘキシルエステル基、メチルアダマンチルエステル基、ノルボルニルエステル基等が挙げられ、特に3級エステル基が好ましい。mは0〜15の整数を示し、好ましくは0〜3の整数、さらに好ましくは0である。
式(6)で表される化合物には、脂環構造に結合している基の位置に関して、式(7)で表される2種の異性体(endo体、exo体)が存在する。本発明では異性体混合比(endo体/exo体)が0.01〜35であることが好ましい。上記範囲であると、生産性に優れる。また、樹脂組成物の溶解性が向上する。
Figure 0005170430
(式(7)中、Y及びmは前記と同じである。Zは式(8)で表される基を示す。)
Figure 0005170430
(式(8)中、R〜Rは前記と同じである。)
式(6)で示される化合物は式(9)であるトリシクロデカン誘導体であることが好ましい。
Figure 0005170430
上記構造であると、生産性に優れ、また樹脂組成物として用いた際の各種レジスト性能に優れるという特長を有する。
本発明における一般式(6)で表される化合物は、酸化合物存在下で、下記一般式(10)で表される化合物と(メタ)アクリル酸との脱水縮合反応や(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応させることにより製造できる。なお、本明細書においては、「アクリル酸」と「メタクリル酸」を総称して(メタ)アクリル酸といい、「アクリレート」と「メタクリレート」を総称して(メタ)アクリレートという。
Figure 0005170430
(式(10)中、Y及びmは前記と同じ。)
式(10)で表される化合物は、例えば、式(11)で示す化合物を化学還元剤で還元するか水添還元により得られる。
Figure 0005170430
(メタ)アクリル酸化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−フルオロアクリル酸、トリフルオロアクリル酸、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸などの酸化合物類、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、2−フルオロアクリル酸クロリド、トリフルオロアクリル酸クロリド、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸ハライド類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、トリフルオロアクリル酸メチル、トリフルオロアクリル酸エチル、トリフルオロアクリル酸イソプロピル、トリフルオロアクリル酸−t−ブチル、ペンタフルオロメタクリル酸メチル、ペンタフルオロメタクリル酸エチル、ペンタフルオロメタクリル酸イソプロピル、ペンタフルオロメタクリル酸−t−ブチル、2−フルオロアクリル酸メチル、2−フルオロアクリル酸エチル、2−フルオロアクリル酸イソプロピル、2−フルオロアクリル酸−t−ブチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸メチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸エチル、又は2−(トリフルオロメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸−t−ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、2−フルオロアクリル酸ナトリウム、トリフルオロアクリル酸ナトリウム、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸ナトリウムなどの(メタ)アクリル酸塩類、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水ペルフルオロアクリル酸、無水ペルフルオロメタクリル酸、2,2’−ジフルオロアクリル酸無水物、2−フルオロアクリル酸無水物、2−トリフルオロメチルアクリル酸無水物などの(メタ)アクリル酸無水物類が挙げられる。(メタ)アクリル酸化合物としては、通常、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルが用いられ、特にアクリル酸、メタクリル酸メチルが好適に用いられる。使用量は、一般式(6)で表される原料化合物に対して1〜100当量(必要な(メタ)アクリルロイルオキシ基分を1当量とする)、好ましくは1〜10当量である。それより少ないと収率が低下し、それより多いと経済的ではない。
(メタ)アクリル酸化合物とアルコールとの反応の際には重合禁止剤を用いることが好ましい。本発明における重合禁止剤の種類は特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、メトキノン、2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール等のフェノール系化合物、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル化合物、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミノ化合物、塩化第一銅などの銅化合物などが挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
重合禁止剤の使用量は、生成する(メタ)アクリル酸エステルの重合を十分に防止するとともに、得られる(メタ)アクリル酸エステル中に多量に残存することを防止する必要があり、一般式(6)で表される原料化合物の質量に対して通常1〜10000ppmであり、好ましくは10〜2000ppmである。
(メタ)アクリル酸化合物とアルコールとの反応の際には必要に応じて有機溶媒を用いることもできる。本発明における有機溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸化合物として(メタ)アクリル酸を用いる場合には、脱水触媒を用いることができる。
脱水触媒については特に限定はなく、脱水反応に活性を有するものであればいずれも使用できる。例えば、硫酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、強酸性イオン交換樹脂等が挙げられ、これらは、それぞれ単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸化合物として(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合には、エステル交換触媒を用いることができる。
エステル交換反応に使用する触媒は特に限定はなく、エステル交換反応活性を有するものであればいずれも使用できる。例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムブドキシド、テトラメチルチタンネート、テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、亜鉛アセチルアセトナート、マグネシウムエトキシド等が挙げられる。本発明においてはテトライソプロピルチタネートが好ましい。
(メタ)アクリル酸化合物と一般式(5)で表される原料アルコールとの反応の際に用いる触媒の使用量は、一般式(5)で表される原料アルコール1molに対して通常0.0001〜1molであり、好ましくは0.001〜0.1molである。
(メタ)アクリル酸化合物と一般式(5)で表される原料アルコールとの反応温度は通常50〜160℃であり、好ましくは70〜140℃である。反応温度が50℃より低いと反応速度が低下し、160℃より高いと反応液が重合したり、副生物が増えたりする危険性がある。
本発明における各反応工程は、常圧、減圧又は加圧下で行うことができる。各工程において、それぞれの誘導体を単離しても良いし、また単離することなく溶液状態のまま次の工程に使用しても良い。反応終了後、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、活性炭による精製などの分離手段や、これらを組み合せた分離手段により、容易に分離精製できる。
本発明は式(12)で示される成分を繰り返し単位に含む樹脂である。
Figure 0005170430
(式(12)中、Yは、独立して炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、エステル基又は水酸基を示す。mは0〜15の整数を示す。Xは式(13)で表される基を示す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示す。nは、2〜5000の整数を示す。)
本発明の樹脂は、これらの繰り返し単位を単独重合又は共重合によって製造することができる。重合においては、一般的には、繰り返し単位を溶媒に溶かし、触媒を添加して加熱あるいは冷却しながら重合反応を行う。重合反応は開始剤の種類、熱や光などの開始方法、温度、圧力、濃度、溶媒、添加剤などの重合条件によって依存する。本発明の機能性樹脂の重合においては、アゾイソブチロニトリルなどのラジカル発生剤を使用したラジカル重合や、アルキルリチウムなどの触媒を利用したイオン重合などが一般的である。その方法は常法に従って行うことができる。重合反応においては異性化を伴わずendo体とexo体の異性体比は保持される。
本発明において、式(1)で表される化合物との共重合体の原料として、以下のものが挙げられる。2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)プロパン、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)ブタン、3−(メタ)アクリルロイルオキシ−3−(1−アダマンチル)ペンタンなどのアダマンチルアクリレート誘導体、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレンなどのヒドロキシスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、β−(メタ)アクリルロイルオキシγ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリルロイルオキシβ−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリルロイルオキシγ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリルロイルオキシα−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリルロイルオキシγ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、5−(メタ)アクリルロイルオキシ3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(=9−(メタ)アクリルロイルオキシ2−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−3−オン)、6−(メタ)アクリルロイルオキシ3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンなどが挙げられる。他の繰り返し単位は、単独で又は2種以上が存在することができる。
本発明の樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。また、樹脂組成物のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜10、好ましくは1〜5である。本発明の樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の樹脂を含む樹脂組成物は、光酸発生剤をさらに含んでもよい。通常使用される樹脂溶剤としては、例えば、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖状ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
光酸発生剤は、露光光波長に応じて、化学増幅型レジスト組成物又は反射防止膜の酸発生剤として使用可能なものの中から、レジスト塗膜の厚さ範囲、それ自体の光吸収係数を考慮した上で、適宜選択することができる。光酸発生剤は、単独あるいは2種以上を組合せて使用することができる。酸発生剤使用量は、樹脂100重量部当り、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜15重量部である。
本発明の樹脂組成物は、反射防止膜形成に用いる場合はインターミキシングを抑制するために架橋剤及び酸発生剤を含有することができる。
使用可能な架橋剤の具体例を列挙すると、メチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、エポキシ化合物、チオエポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルエーテル基などの2重結合を含む化合物を挙げることができる。これらは添加剤として用いてもよいが、これら架橋性基をポリマー側鎖にペンダント基として導入してもよい。また、ヒドロキシ基を含む化合物も架橋剤として用いられる。
前記諸化合物のうち、エポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどが例示される。メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1〜6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。ウレア化合物としてはテトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。
アルケニルエーテル基を含む化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明における架橋剤の配合量は、重合体100部(質量部、以下同じ)に対して5〜50部が好ましく、特に10〜40部が好ましい。5部未満であるとレジストとミキシングを起こす場合があり、50部を超えると反射防止効果が低下したり、架橋後の膜にひび割れが入ることがある。
本発明においては、熱による架橋反応を更に促進させるための酸発生剤を添加することができる。酸発生剤は熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。
遠紫外線領域において、利用可能な光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物及びジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でも、ArFエキシマレーザーのレーザー波長193nmに対しては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物が好適である。
ArFエキシマレーザーのレーザー波長193nmに対して、好適に利用可能な光酸発生剤として、具体的には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
露光により酸発生剤から生じた酸のレジスト又は反射防止膜被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することができる。酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。このような含窒素有機化合物としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン等の芳香族アミン類等;エチレンジアミンなどのアミン化合物、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物、尿素等のウレア化合物、イミダゾール、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール類、ピリジン、4−メチルピリジン等のピリジン類のほか、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。酸拡散制御剤の配合量は、樹脂100重量部当り、通常、15重量部以下、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.005〜5重量部である。
さらに、本発明の樹脂を含む樹脂組成物でも、必要に応じて、従来の化学増幅型レジスト組成物においても利用されていた種々の添加成分、例えば、界面活性剤、クエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含有させることもできる。好ましい増感剤としては、例えば、カルバゾール類、ベンゾフェノン類、ローズベンガル類、アントラセン類等を挙げることができる。
利用可能な界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下の商品名で市販されている界面活性剤、メガファックスF173(大日本インキ化学工業製)、L−70001(信越化学工業製)、エフトップEF301、EF303,EF352(トーケムプロダクツ製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子製)、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、No.95(共栄社化学製)等を挙げることができる。
本発明の樹脂を含む樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前述により調製された樹脂組成物溶液を、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータ等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、金属、プラスチック、ガラス、セラミック等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め50℃〜200℃程度の温度で加熱処理を行ったのち、所定のマスクパターンを介して露光する。塗膜の厚みは、例えば0.1〜20μm、好ましくは0.3〜2μm程度である。露光には、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線などが利用でき、例えば、光源としては、F2 エキシマレーザー(波長157nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やKrFエキシマレーザー(波長248nm)等の遠紫外線、極端紫外線(波長13nm)、X線、電子線等を適宜選択し使用する。また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
合成例1 トリシクロデカニルメチルメタクリレート(以下、TCDMA)の合成
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(5000mL)に、窒素気流下で、ナトリウム水素化ビス(メトキシエトキシ)アルミニウム(809g)、1250ml トルエンからなる溶液に、水冷下、三菱瓦斯化学製トリシクロデカン−2−カルボン酸エチル(TCDE)(endo/exo比=0.57)(417g)のトルエン(333g)溶液を添加した。その後、70℃にて2時間撹拌した。 反応終了後、冷却し、20%塩酸を添加し、分液ロートにて水層を分離し、トルエン層に無水硫酸ナトリウムを添加し、室温にて撹拌後、ろ過処理を行った。得られたろ液から溶媒を除去し、TCDHM(endo/exo比=0.57)319gを得た。TCDHMの一部は減圧蒸留によりFR1(endo/exo比=0.01)、FR2(endo/exo比=35)に分収した。 続けて、充填塔を備えた500mLの4口フラスコにメタクリル酸メチル(MMA)=320g(3.2mol)、TCDHM(endo/exo比=0.57)=133g(0.8mol)、2、6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)=0.184gを仕込み、常圧にて空気を吹き込みながらオイルバスにて加熱した。充填部の重合防止を目的に1wt%メトキシキノン/MMA溶液を0.8g/hrで塔頂より散布した。
次に 触媒としてチタンテトライソプロポキシド=0.45g(TCDHMに対して0.2mol%)を釜に投入し、エステル交換反応を開始した。 反応によって生成したメタノールはMMAとの共沸混合物として抜き出しながら反応を行った。触媒投入後、約2hrで反応は完結し、その際の釜温は112℃であった。
反応終了後、反応液を放冷し、釜温度が85℃になったところで、水=20gを投入し、85℃で1hr加熱撹拌を行い、触媒を失活させた。触媒失活後の反応液を30℃まで冷却し、加圧ろ過により失活した触媒と反応液の分離を行った。次に、得られたろ液から過剰に用いたMMAを減圧蒸留にて回収後、さらに加熱、減圧してTCDMAを留出させた。
その結果、純度96%、APHA=53のTCDMA=179gが得られた。TCDHM基準の収率は96%であった。
合成例2 TCDMA(endo体)の合成
三菱瓦斯化学製トリシクロデカン−2−カルボン酸エチル(TCDE)(endo/exo比=35)を使用し、合成実施例1と同様に合成した。その結果、目的物であるTCDMA(endo/exo比=35)が得られた。
得られた生成物の重クロロホルム溶媒中でのH−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は1.0−2.1(m,18H)、3.4(dd,2H)、6.1(m,1H)、6.2(s,1H)、であった。
Figure 0005170430
(14)
合成例3 TCDMA(exo体)の合成
三菱瓦斯化学製トリシクロデカン−2−カルボン酸エチル(TCDE)(endo/exo比=0.01)を使用し、合成実施例1と同様に合成した。その結果、目的物であるTCDMA(endo/exo比=0.01)が得られた。
得られた生成物の重クロロホルム溶媒中でのH−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は1.0−2.1(m,18H)、3.3−3.6(dd,2H)、6.1(m,1H)、6.2(s,1H)、であった。
Figure 0005170430
(15)
実施例1 樹脂の合成1
ステンレス製容器中に5.0gのTCDMA(endo/exo比=0.57)、アゾビスイソブチロニトリル0.01gを加え、窒素で十分脱気を行った。100℃、3時間の条件で反応を行った。その結果、白色な粉体状の樹脂(NF−0)を得た。この樹脂の分子量(Mw)は231,500、分散度(Mw/Mn)は2.0であった。ガラス転移点は193℃であった。
実施例2 樹脂の合成2
アゾビスイソブチロニトリルの添加量を0.02g、連鎖移動剤としてドデカンチオールを0.1g添加した以外は実施例1と同様に反応を行った。その結果、白色な粉体状の樹脂(NF−1)を得た。この樹脂の分子量(Mw)は8,000、分散度(Mw/Mn)は2.2であった。ガラス転移点は190℃であった。
実施例3 樹脂の合成3
13.5gのTCDMA(endo/exo比=0.57)、三菱ガス化学製2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.5g、アゾビスイソブチロニトリルの添加量を0.06g、連鎖移動剤としてドデカンチオールを0.3g添加した以外は実施例1と同様に反応を行った。その結果、白色な粉体状の樹脂(NF−2)を得た。この樹脂の分子量(Mw)は11,100、分散度(Mw/Mn)は2.3であった。ガラス転移点は187℃であった。
実施例4 樹脂の合成4
9gのTCDMA(endo/exo比=0.57)、三菱ガス化学製2−ヒドロキシエチルメタクリレート6gに代えた以外は実施例3と同様に反応を行った。その結果、白色な粉体状の樹脂(NF−3)を得た。この樹脂の分子量(Mw)は8,850、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。ガラス転移点は180℃であった。
比較例1
ステンレス製容器中に5.0gのTCD1(特許文献1記載の実施例1の方法で合成)、アゾビスイソブチロニトリル0.01gを加え、窒素で十分脱気を行った。100℃、3時間の条件で反応を行った。その結果、白色な粉体状の樹脂(PTCD1)を得た。この樹脂の分子量(Mw)は23,500、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。ガラス転移点は174℃であり、耐熱性は不十分であった。
Figure 0005170430
(16)
実施例5〜8、比較例2及び3
表1に示す組成の反射防止膜形成組成物を調製した。
次に実施例2〜4で得られた樹脂のシクロヘキサノン3wt%溶液を0.2μmメンブランフィルターで濾過し、反射防止膜形成溶液とした。シリコン基板上に回転塗布して、300℃で90秒間ベークして反射防止膜としては膜厚200nmの反射防止膜を得て、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で波長193nmにおける測定し、General Oscillator Model で吸収をGaussian の振動子で近似してフィッティングすることにより、該下層膜の複素屈折率を得て、屈折率n,消衰係数kを求め、結果を表1に示した。またエッチング試験は下記に示す条件で行い、結果を表1に示した。
エッチング装置:サムコインターナショナル社製 RIE−10NR
出力:50W
圧力:20Pa
時間:2min
エッチングガス
Arガス流量 : CF4ガス流量 : O2ガス流量 =50:5:5(sccm)
Figure 0005170430
酸発生剤:みどり化学社製ジターシャリーブチルジフェニルヨードニウムノナフルオロメタンスルホナート(DTDPI)
架橋剤:三和ケミカル社製ニカラックMX270(ニカラック)
有機溶媒: シクロヘキサノン(CHN)
PHS:ポリヒドロキシスチレンMW:8000(アルドリッチ社製)
本発明の樹脂は耐熱性が高く、特にArF(193nm)エキシマレーザー光に対する屈折率が高く、また消衰係数が小さく、エッチングレートが速いことから反射防止膜等の光学材料用途に於いて適していることが認められた。

Claims (13)

  1. 一般式(1)で示される構成単位を含む樹脂。
    Figure 0005170430
    (式(1)中、Yは、独立して炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、エステル基又は水酸基を示す。mは0〜15の整数を示す。Xは式(2)で表される基を示す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示す。nは2〜5000の整数を示す。)
  2. 前記一般式(1)で示される構成単位がendo体である請求項1記載の樹脂。
  3. 前記一般式(1)で示される構成単位がexo体である請求項1記載の樹脂。
  4. 前記一般式(1)で示される構成単位がendo体及びexo体からなる請求項1記載の樹脂。
  5. 前記endo体及びexo体の比率(endo体/exo体)が、0.01〜35である請求項4記載の樹脂。
  6. 前記一般式(1)で示される構成単位が式(3)で示される構成単位である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂。
    Figure 0005170430
    (3)
    (式(3)中、Xは前記と同じ。)
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂及び溶媒を含む樹脂組成物。
  8. 更に、光酸発生剤を含む請求項7記載の樹脂組成物。
  9. 更に、架橋剤を含む請求項7記載の樹脂組成物。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて得られる反射防止膜。
  11. 請求項7〜9のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて得られるレジスト。
  12. つぎの工程(a)〜(c)を含む請求項1記載の樹脂の製造方法。
    (a)一般式(4)で示される化合物と(メタ)アクリル酸化合物とを酸化合物存在下で反応させ一般式(5)で示される化合物を得る工程
    (b)工程(a)で得られた一般式(5)で示される化合物を分離する工程
    (c)工程(b)で分離された一般式(5)で示される化合物を重合する工程
    Figure 0005170430
    (4)
    (式(4)中、Y及びmは前記と同じ。)
    Figure 0005170430
    (式(5)中、Y、m及びR〜Rは前記と同じ。)
  13. 前記(メタ)アクリル酸化合物が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルである請求項12記載の樹脂の製造方法。
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