JP2007056238A - 脂環構造を有するアクリレート化合物およびそれを原料とする樹脂組成物 - Google Patents

脂環構造を有するアクリレート化合物およびそれを原料とする樹脂組成物 Download PDF

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喜久夫 古川
Yoshihisa Arai
誉久 新井
Minoru Tsunoda
稔 角田
Takehiko Isobe
剛彦 磯部
Mitsuo Suzuki
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Abstract

【課題】KrFおよびArF、Fエキシマレーザー用レジスト原料や、X線、電子ビーム、EUV(極端紫外光)用化学増幅型レジスト等の原料となるアクリレート化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される化合物。
Figure 2007056238

(式中、Xは水素原子、アルキル基、ハロゲン含有アルキル基、アルコシキ基、ハロゲン基、又は、ヒドロキシル基、ハロゲン基、ニトリル基、若しくはエーテル基を有するヒドロカルビル基を示し、jは1〜14+(k+l)×6を、kは1〜4、lは0〜4の整数を示す。YおよびYは水素原子等を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、KrFおよびArF、Fエキシマレーザー用レジスト原料や、X線、電子ビーム、EUV(極端紫外光)用化学増幅型レジスト、また光学特性や耐熱性などに優れた、架橋型樹脂、光ファイバーや光導波路、光ディスク基板などの光学材料およびその原料、医薬・農薬中間体、その他各種工業製品として使用することができる機能性樹脂組成物およびその原料である脂環式炭化水素骨格を有するアクリレート化合物に関する。
半導体製造工程で用いられる機能性樹脂組成物は、光照射により照射部がアルカリ可溶性に変化する性質、エッチング耐性、基盤密着性、使用する光源に対する透明性などの特性をバランスよく備えている必要がある。光源がKrFエキシマレーザー以降の短波長光源を使用する際には、一般的に化学増幅型レジストが使用され、その組成は、一般に主剤の機能性樹脂組成物および光酸発生剤、さらには数種の添加剤を含む溶液として使用される。その中で主剤である機能性樹脂組成物が上記の各特性をバランス良く備えていることが重要であり、レジスト性能を決定付ける。
光源がKrFエキシマレーザー以降の短波長光源を使用する際には、化学増幅型レジストが使用されるが、その際、主剤である機能性樹脂組成物は、一般的にアクリレートなどを繰り返し単位とする高分子である。しかし、単一の繰り返し単位で使用されることはない。理由として、単一の繰り返し単位ではエッチング耐性などの特性をすべて満たすことはできないからである。実際には、各特性を向上させるための官能基を有した繰り返し単位を複数、すなわち2種類以上の共重合体にして機能性樹脂組成物にしてそれぞれ使用している。KrFエキシマレーザーリソグラフィ用レジストではヒドロキシスチレン系樹脂が、ArFエキシマレーザーリソグラフィ用レジストでは、2−アルキル−2−アダマンチルメタクリレートを基本骨格とするアクリル系樹脂が提案されており(特許文献1および2参照)、その基本骨格は定まりつつある。
しかしながら、近年のリソグラフィプロセスは急速に微細化が進んでおり、それぞれの光源について、波長の1/3程度までの線幅まで延命させることが要求されている。特に、ArFエキシマレーザーリソグラフィでは、液浸技術の適用により、それ以上の微細化が要求されている。それにともない、線幅が細くなるにつれて解像度やラインエッジラフネスなどに対する要求が厳しくなってきた。それらの原因として、各繰り返し単位の性質が大きく異なることによる機能性樹脂組成物の不均一性などが原因として挙げられている(非特許文献1参照)。
課題の解決のため、既存の樹脂に各種アクリレート化合物を共重合させたり、あるいは既存の樹脂の構造そのものを大きく変えるなどの検討がなされている。例えば、アダマンタンカルボン酸誘導体を含む、アルカリ可溶性で耐エッチング性のあるレジスト組成物が提案されている(特許文献3参照)。また、エッチング時の表面荒れやラインエッジラフネスが小さいなどの特徴を有したレジスト組成物として、2−(1−アダマンチル)−2−メタクリロイルオキシプロパンなどで代表されるアクリレートを基本骨格に含むアクリル酸エステル誘導体を主鎖に有する共重合体を提案している(特許文献4参照)。しかしながら、細線化における解像度やラインエッジラフネスなどを十分に満たすことが困難であるのが実状である。
特開平4−39665号公報 特開平10−319595号公報 特開2000−122295号公報 特開2003−167346号公報 SEMICON JAPAN SEMI Technology Symposium2002,3−27
これらの事情から、機能性樹脂組成物としての基本特性に悪影響を与えることなく、解像度やラインエッジラフネスの向上を達成しうるアルカリ現像性や基盤密着性に優れた機能性樹脂組成物の開発が強く求められている。
本発明の目的は、脂環式炭化水素骨格を有し、光学特性などに優れた架橋型樹脂およびそれに使用するモノマーなどとして有用なアクリレート化合物を提供することにある。
また、本発明の目的は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2 エキシマレーザーあるいはEUVに代表される遠紫外線に感応する化学増幅型レジストとして、パターン形状、ドライエッチング耐性、耐熱性等のレジストとしての基本物性を損なわずに、解像度やラインエッジラフネスの向上を達成しうるアルカリ現像性や基盤密着性に優れた機能性樹脂組成物およびその原料化合物を提供することにある。
本発明者らは、上意課題について鋭意検討した結果、式(1)で表される脂環構造を有するアクリレート化合物が、上記の目的に適合した化合物であり、特定のプロセスにより効率よく製造することが可能であると期待されることを見出した。また、式(1)で表される脂環構造を有するアクリレート化合物を原料とする、式(3)で表される成分を繰り返し単位に含む機能性樹脂組成物がフォトレジストとして有用であると期待されることを見出し本発明に到達した。
Figure 2007056238
(式中、Xは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜3のアルコシキ基、ハロゲン基、又は、ヒドロキシル基、ハロゲン基、ニトリル基、若しくはエーテル基を有するヒドロカルビル基を示し、脂環構造に結合している。jは1〜14+(k+l)×6を、kは1〜4の整数を、lは0〜4の整数を示す。YおよびYは、一方は水素原子で、もう一方は式(2)で表される基を示す。)
Figure 2007056238
(R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはハロゲン含有アルキル基を示す)。
Figure 2007056238
(式中、Xは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜3のアルコシキ基、ハロゲン基、又は、ヒドロキシル基、ハロゲン基、ニトリル基、若しくはエーテル基を有するヒドロカルビル基を示し、脂環構造に結合している。jは1〜14+(k+l)×6を、kは1〜4の整数を、lは0〜4の整数を示す。YおよびYは、一方は水素原子で、もう一方は式(4)で表される基を示す。)
Figure 2007056238
(R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはハロゲン含有アルキル基を示す)。
本発明の脂環構造を有するアクリレート化合物は、架橋型樹脂、光ファイバーや光導波
路、光ディスク基板、フォトレジストなどの光学材料およびその原料、医薬・農薬中間体、その他各種工業製品などとして有用である。また、本発明の機能性樹脂組成物は、KrFおよびArF、Fエキシマレーザー用レジスト原料や、X線、電子ビーム、EUV(極端紫外光)用化学増幅型レジストとして使用することができる。
本発明の機能性樹脂組成物は、耐エッチング性に優れ、微細なパターンを精度よく形成でき、また、基板に対して優れた密着性を有し、アルカリ可溶性を備えている。本発明の機能性樹脂組成物によれば、微細なパターンを高い精度で形成することができる。
まず、本発明の脂環構造を有するアクリレート化合物およびそれを原料とする機能性樹脂組成物について説明する。
目的の式(1)で表される化合物には、複数の異性体が含まれる。例えば、脂環構造に結合しているヒドロキシルメチレン基およびアクロイルオキシメチレン基の位置に関して、式(5)で表される異性体が存在する。
Figure 2007056238
(式中、Xは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜3のアルコシキ基、ハロゲン基、又は、ヒドロキシル基、ハロゲン基、ニトリル基、若しくはエーテル基を有するヒドロカルビル基を示し、脂環構造に結合している。jは1〜14+(k+l)×6を、kは1〜4の整数を、lは0〜4の整数を示す。YおよびYは、一方は水素原子で、もう一方は式(2)で表される基を示す。)
また、脂環構造に結合しているヒドロキシルメチレン基およびアクロイルオキシメチレン基の立体配座として、式(6)で表される異性体が存在する。
Figure 2007056238
また、脂環構造そのものにも立体異性体が存在する。たとえば、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環(k=1、l=0の場合)では、式(7)で表される異性体が存
在する。
Figure 2007056238
ペンタシクロペンタデカン環の場合(k=1、l=1またはk=2、l=0の場合)では、式(8)で表される構造およびその立体異性体も存在する。
Figure 2007056238
さらには、上記構造異性体について光学異性体も存在する。
式(1)で表される化合物は、上記に示されるような異性体のうち、任意の1種類または任意の混合物を示す。混合物としては、式(1)で一般的に表される構造ならば、異性体の種類および異性体比については特に限定されない。
式(1)のうちl=0の場合の化合物は、式(9)で表される脂環構造を有するジオール誘導体と(メタ)アクリル酸又はその誘導体(以下、アクリル酸化合物)とのエステル化反応により、目的の化合物が得られる。
Figure 2007056238
(式中、Xは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜3のアルコシキ基、ハロゲン基、又は、ヒドロキシル基、ハロゲン基、ニトリル基、若しくはエーテル基を有するヒドロカルビル基を示し、脂環構造に結合している。jは1〜14+(k+l)×6を、kは1〜4の整数を、lは0〜4の整数を示す。Y5およびY6は、同一または異なって、水素原子またはカリウム、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属、ハロゲン化マグネシウムを示す)
脂環構造を有するジオール誘導体は、そのまま(Y5およびY6はいずれも水素原子の場
合)、あるいは水酸基をリチウムやナトリウムなどのアルカリ金属やハロゲン化マグネシウムに置換して使用しても良い。そして、式(10)または式(11)で表されるアクリル酸化合物とのエステル化反応は、酸触媒や塩基触媒、エステル交換触媒を用いた慣用の方法により行うことができる。
Figure 2007056238
(R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはハロゲン含有アルキル基を、Y7は水酸基、アルコキシ基、ハロゲン基を示す。)
Figure 2007056238
(式中、R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン基、ハロゲン含有アルキル基を示す。)
アクリル酸化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−フルオロアクリル酸、トリフルオロアクリル酸、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸などの酸化合物類、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、2−フルオロアクリル酸クロリド、トリフルオロアクリル酸クロリド、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸クロリドなどのアクリル酸ハライド類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、トリフルオロアクリル酸メチル、トリフルオロアクリル酸エチル、トリフルオロアクリル酸イソプロピル、トリフルオロアクリル酸−t−ブチル、ペンタフルオロメタクリル酸メチル、ペンタフルオロメタクリル酸エチル、ペンタフルオロメタクリル酸イソプロピル、ペンタフルオロメタクリル酸−t−ブチル、2−フルオロアクリル酸メチル、2−フルオロアクリル酸エチル、2−フルオロアクリル酸イソプロピル、2−フルオロアクリル酸−t−ブチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸メチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸エチル、または2−(トリフルオロメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸−t−ブチルなどのアクリル酸エステル類、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、2−フルオロアクリル酸ナトリウム、トリフルオロアクリル酸ナトリウム、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸ナトリウムなどのアクリル酸塩類、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水ペルフルオロアクリル酸、無水ペルフルオロメタ
クリル酸、2,2’−ジフルオロアクリル酸無水物、2−フルオロアクリル酸無水物、2−トリフルオロメチルアクリル酸無水物などのアクリル酸無水物類が挙げられる。使用量は、原料に対して1〜100当量(必要なアクリルロイルオキシ基分を1当量とする)、好ましくは1〜10当量である。それより少ないと収率が低下し、それより多いと経済的ではない。
脂環構造を有するジオール誘導体とアクリル酸化合物とを速やかに高収率で反応させるには、添加剤が存在していることが好ましい。アクリル酸化合物として、酸ハライドやアクリル酸無水物を使用する場合、添加剤として塩基化合物が存在することが望ましい。すなわち、アクリル酸化合物としてアクリル酸クロリドやメタクリル酸クロリド、無水アクリル酸や無水メタクリル酸などで代表される酸ハライド化合物やアクリル酸無水物を使用する場合、塩基化合物を共存させると反応が速やかに進行し、目的物質が高収率で得られる。この場合には、酸触媒により脱離しやすいものであっても十分に高収率で目的物質が得られる。添加する塩基化合物として、有機塩基であるアミン化合物が好ましい。例として、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−5、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのアミン類、同じく有機アミンであるアニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジン、クロロアニリン、ブロモアニリン、ニトロアニリン、アミノ安息香酸などのアニリン類、ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類、ピロール類、キノリン類、ピペリジン類などの含窒素複素環式化合物類が挙げられるが、特にトリエチルアミンでの効果が高い。ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシドなどの金属アルコキシド類、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチル−n−プロピルアンモニウムなどの水酸化第四アンモニウム類、硫酸エチルアンモニウム、硝酸トリメチルアンモニウム、塩化アニリニウムなどのアミンの硫酸塩、硝酸塩、塩化物など、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基、臭化エチルマグネシウムなどのグリニヤール試薬が反応溶液中に存在していてもよい。
これらの添加剤の使用量は、原料に対して10当量以下が好ましい。それ以上多くとも添加効果はない。塩基化合物の添加方法としては、特に規定はない。アクリル酸化合物を添加する前に予め仕込んでおいてもよいし、またアクリル酸化合物を仕込んだ後に加えてもよいが、通常、アクリル酸化合物と同時に滴下しながら加えるのが望ましい。その際、反応温度が異常昇温しないように制御すると副反応の進行が抑えられるので望ましい。溶媒として、原料および目的物質の溶解性が高いものが望ましい。そのようなものとして、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテルなどのエーテル化合物、ベンゼン、ヘキサンなどの炭化水素化合物などが挙げられる。反応温度としては−70〜200℃、好ましくは−50〜80℃が良い。−70℃より低いと反応速度が低下し、200℃より高いと反応の制御が困難になることや副反応が進行して収率が低下する。
アクリル酸化合物としてアクリル酸やメタクリル酸などで代表されるアクリル酸化合物を使用する場合には、酸触媒を用い共沸や脱水剤により反応中に副生する水を除去することによる製造方法が望ましい。共沸による水の除去にはDean−Stark水分離器等を用いることが出来る。酸触媒としては、無機酸として硫酸などが、有機酸としてはベンゼンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸などが好ましい。脱水剤としては、公知のものが利用できるが、濃硫酸、三フッ化ホウ素エーテラート、無水トリフルオロ酢酸、ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−ハロベンゾチアゾリウムフルオロボレート、2−ハロゲン化ピリジニウム塩、トリフェニルホスフィン、塩化チオニル/塩基化合物などが好まし
い。
溶媒としては、生成する水を共沸により除去する場合、水との相溶性が低く、目的物質の溶解性が高く、本発明の反応に対し不活性な溶媒を選択する。また、反応中に副生する水を除去するため、水と共沸する溶媒を用いることが好ましい。そのような有機溶媒の例としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の炭素数6〜10の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭素数6〜10の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。脱水剤を使用する場合は、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、酢酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類など挙げられる。これらの溶媒は単独でも2種以上の溶媒を混合した系でも使用できる。溶媒は、原料1重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で使用する。本発明における反応温度は、共沸脱水する場合、使用する有機溶媒と水との共沸温度である。脱水剤を使用する場合はこれに限らない。反応温度が60℃よりも低い場合は反応速度が著しく低下し、150℃より高い場合は、目的物質の選択率が低下する。
アクリル酸化合物として、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル類を使用する場合には、対応するアルコール(メトキシ基の場合にはメタノール、エトキシ基の場合にはエタノール)を蒸留などの公知の方法で反応系外へ除去し、目的物質を得る。触媒として添加する金属およびその誘導体としては、錫、チタン、ゲルマニウム、亜鉛、鉛、コバルト、鉄、ジルコニウム、マンガン、アンチモン、カリウム等の金属及びその誘導体があげられる。誘導体としてはハロゲン化合物、酸化物、炭酸塩、金属アルコキシド、カルボン酸塩等などが好ましい。反応温度は、0〜200℃、好ましくは50〜150℃で行う。0℃より低いと反応速度が低下し、200℃より高いと副反応が進行して収率が低下する。対応するアルコールを蒸留により反応系外へ除去する場合には、対応するアルコールの沸点近くで反応させる方法が挙げられる。溶媒として、原料および目的物質の溶解性が高く、反応に不活性なものが望ましい。そのようなものとして、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテルなどのエーテル化合物、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物が挙げられる。
また、脂環構造を有するジオール誘導体の水酸基を、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属など、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、臭化エチルマグネシウムなどのグリニヤール試薬などにより、アルコラート状態にした後にエステル化反応を行っても良い。すなわち、水酸基であるOH基をOX基(XはLi、Na、MgBr、MgClなど)に変換した後にエステル化しても良い。本発明のエステル化での反応時間として、0.5〜1000時間、好ましくは1〜100時間必要である。反応時間は反応温度、エステル化の方法などに依存し、所望の収率などに応じて決定されるので、上記の範囲に限定されるものではない。
エステル化工程の際、重合禁止剤を添加しても良い。重合禁止剤としては一般的なものならば特に規定はなく、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリン、ニトロソナフトール、p−ニトロソフェノール、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリンなどのニトロソ化合物、フェノチアジン、メチレンブルー、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの含硫黄化合物、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、アミノフェノールなどのアミン類、ヒドロキシキノリン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどのキノン類、メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、カテコール、3−s−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)などのフェノール類、N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド類、シクロヘキサンオキシム、p−キノンジオキシムなどのオキシム類、ジアルキルチオジプロピネートなどが挙げられる。添加量としては、アクリル酸化合物に対して、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
反応終了後においては、反応液を水洗処理することにより、過剰のアクリル酸化合物類、酸や塩基などの添加物が除去される。このとき、洗浄水中に塩化ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、適当な無機塩が含まれていてもよい。また、未反応のアクリル酸化合物類をアルカリ洗浄により除去する。アルカリ洗浄には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、アンモニア水などが挙げられるが、用いるアルカリ成分に特に規定はない。また、金属不純物を除去するために、酸洗浄しても良い。酸洗浄には、塩酸水溶液、硫酸水溶液、リン酸水溶液などの無機酸およびシュウ酸水溶液などの有機酸が挙げられる。また、洗浄に際し、式(1)で表される化合物の物性に応じて、反応液に有機溶媒を添加してもよい。添加する有機溶媒は、反応と同一のものを使用することもできるし、異なったものを使用することもできるが、通常、水との分離がよい極性の小さい溶媒を用いることが望ましい。
本発明での各反応工程は、常圧、減圧又は加圧下で行なうことができる。また、反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行なうことができる。各工程において、それぞれの誘導体を単離しても良いし、また単離することなく溶液状態のまま次の工程に使用しても良い。反応終了後、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、活性炭による精製などの分離手段や、これらを組合せた分離手段により、容易に分離精製できる。
以上のようにして、生成した式(1)で表される化合物として、具体的にトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールモノメタクリレート、トリシクロ[5.2.
1.02,6]デカンジメタノールモノアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,
]デカンジメタノールモノ(αトリフルオロメチル)アクリレート、トリシクロ[5.
2.1.02,6]デカンジメタノール(αフルオロ)アクリレート、トリシクロ[5.
2.1.02,6]デカンジメタノールペルフルオロアクリレートなどが挙げられる。ま
た、ペンタシクロペンタデカンジメタノールモノメタクリレート(以下、ペンタシクロペンタデカンとして、ペンタシクロ[9.2.1.13,9.02,10.04,8]ペンタデカンおよびペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカンを含む)、ペンタシクロペンタデカンジメタノールモノアクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールモノ(αトリフルオロメチル)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノール(αフルオロ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールペルフルオロアクリレートなどが挙げられる。また、ヘプタシクロドデカンジメタノールモノメタクリレート、ヘプタシクロドデカンジメタノールモノアクリレート、ヘプタシクロドデカンジメタノールモノ(αトリフルオロメチル)アクリレート、ヘプタシクロドデカンジメタノール(αフルオロ)アクリレート、ヘプタシクロドデカンジメタノールペルフルオロアクリレートなどが挙げられる。
特に機能性樹脂組成物の原料としては、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジ
メタノールモノメタクリレート(式(12):3(または4)−ヒドロキシメチレン−8
(または9)−メタクリロイルオキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ
ン、8(または9)−ヒドロキシメチレン−3(または4)−メタクリロイルオキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールモノアクリレート(式(13)3(または4)−ヒドロキシメチレン−8(または9)−アクリロイルオキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8(または9)−ヒドロキシメチレン−3(または4)−アクリロイルオキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン)ペンタシクロペンタデカンジメタノールモノメタクリレート(式(14))、ペンタシクロペンタデカンジメタノールモノアクリレート(式(15))(それらの混合物も含む)が好ましい
Figure 2007056238
Figure 2007056238
本発明の機能性樹脂組成物は、これらの繰り返し単位を単独重合または共重合によって製造することができる。重合においては、一般的には、繰り返し単位を溶媒に溶かし、触媒を添加して加熱あるいは冷却しながら重合反応を行う。重合反応は開始剤の種類、熱や光などの開始方法、温度、圧力、濃度、溶媒、添加剤などの重合条件によって依存する。本発明の機能性樹脂組成物の重合においては、アゾイソブチロニトリルなどのラジカル発生剤を使用したラジカル重合や、アルキルリチウムなどの触媒を利用したイオン重合などが一般的である。その方法は常法に従って行うことができる。
本発明において、式(1)で表される化合物との共重合体の原料として、以下のものが挙げられる。2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)プロパン、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)ブタン、3−(メタ)アクリルロイルオキシ−3−(1−アダマンチル)ペンタンなどのアダマンチルアクリレート誘導体、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレンなどのヒドロキシスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、β−(メタ)アクリルロイルオキシγ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリルロイルオキシβ−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリルロイルオキシγ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリルロイルオキシα−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリルロイルオキシγ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、5−(メタ)アクリルロイルオキシ3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(=9−(メタ)アクリルロイルオキシ2−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−3−オン)、6−(メタ)アクリルロイルオキシ3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンなどが挙げられる。他の繰り返し単位は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
本発明の機能性樹脂組成物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは1,
000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。また、機能性樹脂組成物のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜10、好ましくは1〜5である。本発明において、機能性樹脂組成物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の機能性樹脂組成物は、上記の機能性樹脂組成物用高分子化合物と光酸発生剤とを溶剤の中に含んでいる。通常使用される樹脂溶剤としては、例えば、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖状ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
光酸発生剤は、露光光波長に応じて、化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤として使用可能なものの中から、レジスト塗膜の厚さ範囲、それ自体の光吸収係数を考慮した上で、適宜選択することができる。光酸発生剤は、単独あるいは2種以上を組合せて使用することができる。酸発生剤使用量は、樹脂100重量部当り、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜15重量部である。
遠紫外線領域において、利用可能な光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物およびジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でも、ArFエキシマレーザーのレーザー波長193nmに対しては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物が好適である。
ArFエキシマレーザーのレーザー波長193nmに対して、好適に利用可能な光酸発生剤として、具体的には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げるこができる。
露光により酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することができる。酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。このような含窒素有機化合物としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン等の芳香
族アミン類等;エチレンジアミンなどのアミン化合物、ホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物
、尿素等のウレア化合物、イミダゾール、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール類、ピリジン、4−メチルピリジン等のピリジン類のほか、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。酸拡散制御剤の配合量は、樹脂100重量部当り、通常、15重量部以下、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.005〜5重量部である。
さらに、本発明の機能性樹脂組成物でも、必要に応じて、従来の化学増幅型レジスト組成物においても利用されていた種々の添加成分、例えば、界面活性剤、クエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含有させることもできる。好ましい増感剤としては、例えば、カルバゾール類、ベンゾフェノン類、ローズベンガル類、アントラセン類等を挙げることができる。
利用可能な界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下の商品名で市販されている界面活性剤、メガファックスF173(大日本インキ化学工業製)、L−70001(信越化学工業製)、エフトップEF301、EF303,EF352(トーケムプロダクツ製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子製)、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、No.95(共栄社化学製)等を挙げることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前述により調製された組成物溶液を、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータ等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、金属、プラスチック、ガラス、セラミック等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め50℃〜200℃程度の温度で加熱処理を行ったのち、所定のマスクパターンを介して露光する。塗膜の厚みは、例えば0.1〜20μm、好ましくは0.3〜2μm程度である。露光には、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線などが利用でき、例えば、光源としては、F
キシマレーザー(波長157nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やKrFエキシマレーザー(波長248nm)等の遠紫外線、極端紫外線(波長13nm)、X線、電子線等を適宜選択し使用する。また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
本発明においては、高精度の微細パターンを安定して形成するために、露光後に、50〜200℃の温度で30秒以上加熱処理を行うことが好ましい。この場合、温度が50℃未満では、基板の種類による感度のばらつきが広がるおそれがある。その後、アルカリ現像液により、通常、10〜50℃で10〜200秒、好ましくは20〜25℃で15〜90秒の条件で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
上記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物を、通常、1〜10重量%、好ましくは1〜3重量%の濃度となるよう溶解したアルカリ性水溶液が使用される。また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、水溶性有機溶剤や界面活性剤を適宜添加することもできる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
実施例1
攪拌機、温度計、水抜き管を備えたジムロート冷却器、空気吹き込み管を備えたジャケット付「4ッ口フラスコに、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール2
65g、トルエン1L、メタクリル酸104g、p−トルエンスルホン酸一水和物4.2g、p−メトキシフェノール0.3gを仕込んだ。ジャケットに加熱したオイルを循環させ、空気を吹き込みながら、反応温度110℃で3時間反応させた。
反応後、反応溶液を冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液100gを加え、10分攪拌
して未反応のメタクリル酸を中和した。有機層と水層とを分離し、さらに有機層をイオン交換水200mLで2回洗浄した。反応溶液を濃縮し、粗生成物465gを得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノ
ールモノメタクリレートを、原料のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノ
ールおよび副生成物のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジメタク
リレートと分離した。トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールのカラム
フラクションを濃縮し(150g)、ヘキサン1500mLと活性炭(クラレコールGLC)30gを加え、1時間攪拌してろ別、濃縮して目的のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールモノメタクリレート120gを得た(化合物Aとする。H−NMRおよび13C−NMR、GC−MS分析で同定した。図1、図2、図3を参照)。
実施例2
攪拌機、温度計、水抜き管を備えたジムロート冷却器、空気吹き込み管を備えた4ッ口フラスコに、ペンタデカンジメタノール13g、ヘプタン130mL、メタクリル酸4.3g、濃硫酸0.26g、p−メトキシフェノール0.03gを仕込んだ。オイルバスに浸し、空気を吹き込みながら、反応温度90℃で2時間反応させた。
反応後、反応溶液を冷却し、メタノール52mL、イオン交換水13mLを加えよく攪拌し、ヘプタン層とメタノール含有水層とに分液した。メタノール含有水層にトルエン130mLを加えよく攪拌し、トルエン層とメタノール含有水層とに分液した。ヘプタン層とトルエン層とをあわせ、2.5%水酸化ナトリウム水溶液26gを加え、10分攪拌して未反応のメタクリル酸を中和した。有機層と水層とを分離し、さらに有機層をイオン交換水26mL、1%硫酸水溶液26g、イオン交換水26mLで洗浄した。反応溶液を濃縮し、粗生成物15gを得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、ペンタシクロペンタデカンジメタノールモノメタクリレートを、原料のペンタシクロペンタデカンジメタノールおよび副生成物のペンタシクロペンタデカンジメタノールジメタクリレートと分離した。カラムフラクションを濃縮して目的のペンタシクロペンタデカンジメタノールモノメタクリレート5gを得た(化合物Bとする。H−NMRおよび13C−NMR、GC−MS分析で同定した。図4、図5、図6を参照)。
実施例1における化合物AのH−NMR、400MHz、CDClを示す。 実施例1における化合物Aの13C−NMR、400MHz、CDClを示す。 実施例1における化合物AのGC−MSスペクトルを示す。 実施例2における化合物BのH−NMR、400MHz、CDClを示す。 実施例2における化合物Bの13C−NMR、400MHz、CDClを示す。 実施例2における化合物BのGC−MSスペクトルを示す。

Claims (4)

  1. 式(1)で表される化合物。
    Figure 2007056238
    (式中、Xは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜3のアルコシキ基、ハロゲン基、又は、ヒドロキシル基、ハロゲン基、ニトリル基、若しくはエーテル基を有するヒドロカルビル基を示し、脂環構造に結合している。jは1〜14+(k+l)×6を、kは1〜4の整数を、lは0〜4の整数を示す。YおよびYは、一方は水素原子で、もう一方は式(2)で表される基を示す。)
    Figure 2007056238
    (R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはハロゲン含有アルキル基を示す)。
  2. 式(3)で表される成分を繰り返し単位に含む機能性樹脂組成物。
    Figure 2007056238
    (式中、Xは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜3のアルコシキ基、ハロゲン基、又は、ヒドロキシル基、ハロゲン基、ニトリル基、若しくはエーテル基を有するヒドロカルビル基を示し、脂環構造に結合している。jは1〜14+(k+l)×6を、kおよびlは1〜4の整数を、lは0〜4の整数を示す。YおよびYは、一方は水素原子で、もう一方は式(4)で表される基を示す。)
    Figure 2007056238
    (R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはハロゲン含有アルキル基を示す)。
  3. 式(1)で表される化合物が、式(5)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]
    デカンジメタノールモノメタクリレート(3(または4)−ヒドロキシメチレン−8(または9)−メタクリロイルオキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、
    8(または9)−ヒドロキシメチレン−3(または4)−メタクリロイルオキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン)または式(6)で表されるトリシクロ[5
    .2.1.02,6]デカンジメタノールモノアクリレート(3(または4)−ヒドロキ
    シメチレン−8(または9)−アクリロイルオキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8(または9)−ヒドロキシメチレン−3(または4)−アクリロイル
    オキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン]である請求項1に記載の化合物。
    Figure 2007056238
  4. 式(1)で表される化合物が、式(7)で表されるペンタシクロペンタデカンジメタノールモノメタクリレートまたは式(8)で表されるペンタシクロペンタデカンジメタノールモノアクリレートである請求項1に記載の化合物。
    Figure 2007056238
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