JP5169490B2 - 液晶装置、電子機器、および液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Description
このような垂直配向方式では、更なる表示品質の向上のために、画素間における横電界の影響による液晶分子の配向の乱れを防止するための技術が求められている。
例えば、特許文献1では、垂直配向膜が形成された画素を囲うように水平配向膜領域を形成するとともに、当該水平配向膜領域に所定の方位角をなすプレチルトを一様に与えることにより、画素電極への電圧印加時における液晶分子の倒れる方向(以降、「水平配向方向」ともいう)を規定していた。
画素89A〜89Dの周囲は、水平配向膜95領域となっており、液晶分子は配向方向(X軸方向)に沿って配列している。画素89A〜89D(各画素電極上)には、垂直配向膜が形成されている。
ここで、画素89A,89CにはHiレベルの電圧(例えば、5V)が印加され、白表示(オン)となっており、画素89B,89DにはLoレベルの電圧(例えば、0V)が印加され、黒表示(オフ)となっているものとする。
この場合、画素89Aにおける画素89B側の領域90Aでは、当該画素間の電位差による横電界の影響により、液晶分子の水平配向方向の配列が乱れてしまい、コントラストの低下が発生していた。また、画素89Cにおける画素89D側の領域90Cにおいても同様であった。
また、十分な表示品質を確保することができる液晶装置の製造方法も開示されていなかった。
対向する第1基板と、第2基板との間に誘電異方性が負の液晶を含む液晶層を挟持するとともに、複数の画素を備えた液晶装置であって、第1基板には、複数の画素電極と、画素電極と隣り合う画素電極との間に形成された水平配向領域とが形成され、第2基板には、複数の画素電極と対向する対向電極が形成され、水平配向領域には、液晶の分子を所定の方位方向に揃えて水平に配向させるための水平配向膜が形成されてなり、画素電極の液晶層側には、第1の垂直配向膜が形成され、対向電極の液晶層側には、第2の垂直配向膜が形成され、第1の垂直配向膜と第2の垂直配向膜とのうち、少なくともいずれか一方には、所定の方位方向に沿った複数の溝が形成されていることを特徴とする液晶装置。
よって、この液晶装置によれば、液晶の連続性に頼っていた従来の液晶装置よりも、液晶分子の水平配向方向の配列の乱れが低減されるため、十分な表示品質を確保することができる。
また、第1の垂直配向膜は、画素電極に積層されるとともに、複数の溝が形成された第1の絶縁層と、第1の絶縁層における複数の溝を含む表面に形成され、液晶の分子を垂直配向させるための無機配向膜とからなり、第2の垂直配向膜は、対向電極に積層されるとともに、複数の溝が形成された第2の絶縁層と、第2の絶縁層における複数の溝を含む表面に形成され、液晶の分子を垂直配向させるための無機配向膜と、からなることが好ましい。
また、第2基板側にも、水平配向領域と対向する第2の水平配向領域が設けられ、水平配向領域における配向方向と、第2の水平配向領域における配向方向とは、配向方向が180°異なるアンチパラレル配向となっていることが好ましい。
また、複数の溝は、液晶の分子が倒れた際における方位方向を所定の方位方向に規定するための溝であり、溝の幅は、30〜150nm以内であり、深さは5〜100nm以内であることが好ましい。
前記記載の液晶装置を表示部に備えたことを特徴とする電子機器。
よって、十分な表示品質を確保した液晶装置を容易に製造することが可能な液晶装置の製造方法を提供することができる。
(液晶装置の構成)
以下、本発明の第1の実施形態について、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のアクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶装置を例に、図1から図5を参照しつつ説明する。
なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、該各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
素子基板10の一辺は、対向基板20から張出しており、当該張出した領域(以降、「張出領域」という)には、データ線駆動回路6と、外部回路接続端子34とが形成されている。
また、表示領域5の外側、かつシール材52の内側の領域には、サンプリング回路7と、2つの走査線駆動回路8とが形成されている。サンプリング回路7は、張出領域側の辺に沿って設けられている。また、2つの走査線駆動回路8は、サンプリング回路7と隣接する2辺に沿って表示領域5を挟むようにそれぞれ配置されている。
サンプリング回路7、および2つの走査線駆動回路8は、額縁遮光膜53と平面的に重なるように配置されている。
また、シール材52の外周における4つのコーナには、素子基板10と対向基板20との間の上下導通を取るための上下導通部36が配置されている。上下導通部36には、例えば、異方性導電材料が用いられており、当該異方性導電材料を挟むように配置された各基板の配線間の電気的な導通が取られている。
液晶層50は、誘電異方性が負の液晶を用いている。当該液晶は、電圧がかかっていない状態で液晶分子が垂直に配列し、電圧が印加されると液晶分子が寝た状態になるネガ液晶であれば、一種類からなるものでも良いし、複数種の液晶を混合したものでも良い。
そして、液晶装置の駆動時には、画素電極9と対向電極21との間に電圧が印加されることで、該双方の電極間に液晶保持容量が形成される。
そしてかかる配線で区画された複数の画素の夫々には、画素電極9及びスイッチングトランジスタとしてのTFT30が形成されている。
TFT30は、電界効果型のN型トランジスタである。各TFT30において、ソース端子はデータ線43に接続され、ゲート端子は走査線41に接続され、ドレイン端子は画素電極9に接続されている。
TFT30は、走査線41に印加される走査信号G1、G2、…、Gmによって選択されたタイミングで、データ線43のデータ信号S1、S2、…、Snを、対応する画素電極9に書き込むためのスイッチング素子である。
走査信号G1、G2、…、Gmは、各TFT30のオンタイミングを規定する選択信号であり、走査線駆動回路8(図1)から、この順番で各走査線41に線順次に供給される。また、データ信号S1、S2、…、Snは、データ線駆動回路6およびサンプリング回路7(図1)から、この順番で各データ線43に供給される。または、連続する複数のデータ線43を一つのグループとして、グループごとに供給される(相展開駆動)。
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9と対向電極21との間に形成される液晶容量に対して電気的に並列に蓄積容量70が形成されている。蓄積容量70は、画像信号の供給に応じて各画素電極9の電位を一時的に保持する保持容量として機能する容量素子である。蓄積容量70の一方の電極は、画素電極9と電気的に並列してTFT30のドレイン端子に接続され、他方の電極は、定電位となるように、電位固定の容量線42に電気的に接続されている。
なお、蓄積容量70は、後述するように、TFT30へ入射する光を遮る遮光膜としても機能する。
図3(a)は表示領域の一部を拡大した平面図であり、図3(b)はその一部の断面図である。図4は、表示領域の部分断面図である。図5は、表示領域における液晶分子の配列態様を示す図である。
ITOなどの透明電極からなる画素電極9A〜9Dの周縁部は、絶縁部12(図4)に覆われている。素子基板10側の配向膜16には、水平配向膜16hと、垂直配向膜16vとがあり、当該絶縁部の表面には、一面に水平配向膜16hが形成されており、水平配向膜領域となっている。なお、絶縁部12が画素電極の周縁部を覆っている構成は、本実施形態における特徴ある構成の一つである。その作用については後述する。
また、格子状の水平配向膜16hから露出した画素11A〜11Dには、それぞれの表面に垂直配向膜16vが形成されている。水平配向膜16hの下層には、画素電極9A〜9Dそれぞれに対応するTFT30A〜30Dが形成されている。
まず、素子基板10側の構成について説明する。
素子基板10の上層(液晶層50側)には、遮光膜13と素子層15とが、この順番で積層され、素子層15の上に画素電極9、および絶縁部12が形成されている。なお、これらの構成部位の総称として素子基板ということもある。
遮光膜13は、例えば、チタンやクロムからなるブラックマトリックスである。また、遮光層は、対向基板20側に形成しても良い。この場合、遮光層は、対向基板20と対向電極21との間に形成する。
素子層15には、平面視で遮光膜13と重なる領域において、図2にて説明した走査線41、データ線43などの配線や、TFT30、蓄積容量70などが形成されている。
TFT30は、遮光膜13上において絶縁膜を介して、例えば、走査線41をゲート電極としたトップゲート型のトランジスタとして形成される。
さらに、当該ゲート電極の上層にゲート絶縁膜を介して当該TFTを覆うように容量線42(図2)が設けられ、その上層に層間絶縁膜を介してデータ線43が形成されている。また、当該容量線をチタンや、クロムによって形成するか、または、当該容量線上にチタンや、クロムからなる膜を形成することにより、TFT30を光から保護する遮光機能を持たせることもできる。
絶縁部12としては、ポリイミドなどの有機高分子材料を用いることができる。
続いて、対向基板20側の構成について説明する。
対向基板20の上層(液晶層50側)には、対向電極21と垂直配向膜26とが、この順番で積層されている。
絶縁層としての垂直配向膜26は、SiO2から構成されており、その表面には複数の溝27が形成されている。具体的には、図3(b)に示すように、垂直配向膜26の全面に渡ってY軸方向に配列した溝27が周期的に形成されている。
また、詳細は後述するが、複数の溝27を含む垂直配向膜26の表面には、液晶分子を垂直配向させるための処理が施されている。
図5は、本実施形態の液晶装置における表示態様を示す図であり、画素11A〜11Dは、図3で説明した各画素と同一のものである。なお、水平配向膜16h上における液晶分子は、図4の高さ(厚さ)方向において、水平配向膜16h近傍では倒れており、対向基板20の垂直配向膜26近傍では立ち上がっているが、図5においては配向方向に影響のある水平配向膜16h近傍の態様を示している。また、説明を簡単にするために、液晶装置の表裏に配置される偏光板などの構成は省略する。
画素11A,11CにはHiレベルの電圧(例えば、5V)が印加され、白表示(オン)となっており、画素11B,11DにはLoレベルの電圧(例えば、0V)が印加され、黒表示(オフ)となっている。
ここで、従来の液晶装置では、同様な電圧が印加された場合、図17に示したように、画素89Aにおける画素89B側の領域90Aや、画素89Cの領域90Cでは、画素間の電位差による横電界の影響により、液晶分子の水平配向方向の配列が乱れてしまっていた。
同様に、領域90Cに対応する画素11Cの領域12Cの液晶分子の水平配向方向にも、乱れは発生していない。
これは、対向基板20の垂直配向膜26に形成された複数の溝27による配向作用によるものである。
特に、この複数の溝27による配向規制力は、オン表示(例えば、白表示)となって液晶分子が倒れた状態となったときに顕著にその効果を発揮し、液晶の連続性を利用した水平配向膜16h領域の配向方向規制力を補完するように作用する。なお、水平配向膜16hが画素電極9の全周を囲っている構成に限定されず、水平配向膜16hは、少なくとも画素電極間に設けられていれば、同様の作用効果を得ることができる。
これにより、液晶装置100によれば、従来の液晶装置では水平配向方向規制が困難であった隣り合う画素電極間で異なる表示がなされている場合であっても、確実に水平配向方向を揃えることができるため、十分な表示品質を確保することができる。
このため、画素電極9Aと重なる部分の水平配向膜16h上の液晶分子は、画素電極に印加された電圧の影響を受けることになる。具体的には、対向電極21との間で液晶分子を倒す方向の電界が加わるため、水平配向膜16hによるプレチルトに加えて、より確実に液晶分子が水平配向方向を揃えて寝た状態となる。
これにより、画素11Aの領域12Aにおける液晶分子の水平配向方向を液晶の連続性の作用によって、より確実に規制することができる。
次に、図6〜9を用いて、液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、当該説明は、本願の特徴点である配向膜の形成方法に重点を置き、公知技術と同様の工程については、適宜省略する。
まず、素子基板の製造方法について図6,7を用いて説明する。
図7において、素子基板10上には、遮光膜13とTFT(図示せず)を含む素子層15とが形成され、素子層15上には、複数の画素電極9が形成されている。
これらの部位は、蒸着、スパッタリング、フォトリゾグラフィなどの公知技術によって形成することができる。また、TFTは、例えば、アモルファスシリコンや、低温または高温ポリシリコンなどによって形成されている。ITOなどの透明な導電性材料から構成された複数の画素電極9は、表示領域5(図1)においてマトリックス状に形成されている。また、素子層15における画素11(図3)と重なる部分は、透明であり、光を透過可能に形成されている。
工程S1では、素子基板における複数の画素電極9側に有機高分子材料112を塗布する。好適には、ポリイミドをスピンコート法によって塗布する。塗布厚は、100nm程度が好ましい。
工程S2では、有機高分子材料112上にフォトレジスト113を塗布する。
工程S3では、図7(a)に示すように、遮光膜13と同様な開口部(図3の画素11に相当)を有するフォトマスク114を用いて、フォトレジスト113を露光する。
工程S4では、露光されたフォトレジスト113を現像する。好適には、ウエットエッチングにより、フォトレジスト113の露光部分を除去する。
ODS分子は、無機系の反応基となるメトキシシランを有しているため、フォトレジスト113などの有機材料とは結合することなく、無機材料であるITOからなる画素電極9上に選択的に結合し、その長鎖アルキル基を画素電極9上に付与する。これにより、露出した画素電極9上に、選択的に無機材料からなる垂直配向膜16v(図3)を形成することができる。なお、ODS処理によって付与されるプレチルトは、図4の高さ方向(Z軸方向)を基準軸としたときに、88〜90°が好ましい。
工程S8では、図7(d)に示すように、ラビング布をローラに巻き付けたラビング処理装置Rにより、絶縁部12の表面にラビング処理を施す。ラビング処理は、水平配向方向が図3のX軸方向となるように行なわれる。なお、この水平配向方向は、後述する対向基板20側の垂直配向膜26に形成される溝27の長手方向(延在方向)と同一となっている。なお、ラビング処理によって付与されるプレチルトは、図4の高さ方向(図3の座標系からするとZ軸)を基準軸としたときに、0〜87°が好ましく、0〜50°がより好ましい。
上述した工程により、図4に示される、素子基板10(全体)が形成される。
続いて、対向基板の製造方法について図8,9を用いて説明する。なお、前述した素子基板の製造方法と重複する説明は、適宜省略する。
図9(b)において、対向基板20上には、公知技術によってITOなどの透明な導電性材料から構成された対向電極21が一面に形成されている。
工程S11では、対向電極21上にSiO2膜からなる垂直配向膜26を形成する。好適には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いて、SiO2膜を形成する。
工程S12では、形成された垂直配向膜26上にイオンビームを照射することにより、複数の溝27を形成する。好適には、垂直配向膜26が形成された対向基板20をイオンビーム装置にセットし、SiO2膜の表面に対してイオンビームを走査および照射する。イオンビーム装置としては、例えば、イオン源の直径が250mmであり、フィラメント方式のイオン源を使用することができる。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン(Ar+)などを用いることができる。例えば、アルゴン(Ar+)イオンビームの照射条件は、加速電圧700eV、ビーム電流密度1.8mA/cm2、照射時間30秒とする。
イオンビームの照射方向は、図9(a)に示されるように、X軸方向に溝27の長手方向が延在するとともに、複数の溝27の配列がY軸方向となるように調整される。イオンビームを照射すると、アルゴンイオンによってSiO2を構成する原子が弾き飛ばされ(削られ)、イオンビームの照射方向に沿って溝27が形成される。
イオンビーム法によって形成される溝27の幅は50nm程度、深さは10nm程度、長さは500nm程度が好ましい。なお、液晶分子を配向規制するためには、溝の幅が30〜150nm以内で、かつ、溝の深さが5〜100nm以内であることが好ましい。
また、図9(a)に示すように、溝27はX軸方向においては周期性を持った点線状に形成され、配列方向(Y軸方向)においても図9(b)に示すように、周期的に形成されることが好ましい。
上述した工程により、図4に示される、対向基板20(全体)が形成される。
本実施形態の液晶装置100は、このように形成された素子基板10(全体)と対向基板20(全体)とをシール材52によって貼り合わせ、液晶層50に液晶を注入するなどの周知工程を経た後、図1に示される完成体となる。
以下、本発明の第2の実施形態について、図10〜11を中心に説明する。
まず、本実施形態における液晶装置の全体構成は、図1〜4にて説明した液晶装置100と同様である。本実施形態の液晶装置は、対向基板20における垂直配向膜26の形成方法のみ液晶装置100と異なる。
また、第1の実施形態と同一の部位については同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
以下、対向基板20上に、対向電極21までが形成された後の工程について説明する。
工程S21では、対向電極21上にSiO2膜からなる垂直配向膜26を形成する。
工程S22では、垂直配向膜26上にフォトレジスト123を塗布する。
工程S23では、図11(a)に示すように、二光束干渉露光法によってフォトレジスト123に複数の溝27の潜像が形成されるように露光する。
二光束干渉露光法とは、所定の角度θで入射する紫外線のレーザ光L1と、レーザ光L1と同等の波長および照射強度のレーザ光L2とをフォトレジスト123上で干渉させることにより、複数の溝27の潜像を形成させる露光技術である。例えば、図11(a)に示すように、レーザ光L1とL2とを入射角度θで並行させて出射し、レーザ光L2をミラーMで反射させ、反射したレーザ光L2を角度θと面対象となる角度θ’でフォトレジスト123に入射させることにより、レーザ光L1とL2とを当該レジスト上において干渉させる。また、レーザ干渉露光に用いる光源としては、波長266nmの連続発振DUV(Deep Ultra Violet)レーザを用いることができ、入射角度θは、例えば72°が好適である。
工程S25では、図11(b)に示すように、平面視においてストライプ状に形成されたフォトレジスト123をマスクとして、垂直配向膜26に対して反応性イオンエッチング(RIE)によるパターニングを行う。
工程S26では、フォトレジスト123を剥離する。
工程S27では、図11(c)に示すように、複数の溝27が形成された垂直配向膜26上に、ODS処理を施す。これにより、垂直配向膜26上に無機材料からなる垂直配向膜が形成される。
以下、本発明の第3の実施形態について、図12〜14を中心に、適宜関連図面を交えながら説明する。
まず、本実施形態における液晶装置の全体構成は、図1〜3にて説明した液晶装置100と同様である。本実施形態の液晶装置は、素子基板10の画素電極9の上層に、複数の溝が形成された配向層131が形成されている点のみ、第1の実施形態形態の液晶装置100と異なる。
また、第1の実施形態と同一の部位については同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
まず、図12を用いて、第1の実施形態との相違点について具体的に説明する。
本実施形態の液晶装置では、素子基板10側の画素電極9の上層に、SiO2からなる絶縁層としての配向層131が形成されている。当該図面は、図3におけるp−p断面に相当し、断面方向が異なるため図示されていないが、配向層131には、図3のX軸方向に沿って複数の溝がストライプ状に形成されている。さらに、配向層131の表面には、当該溝形状を含んで、垂直配向膜16vが形成されている。
この溝は、図3(b)に示された対向基板20側の垂直配向膜26に形成された複数の溝27と同一方向に形成されている。つまり、第1の実施形態では、対向基板側のみに溝が形成されていたが、本実施形態では、液晶層50を挟む表裏の画素部分に同一方向の複数の溝が形成されている。
このような構成を備えた本実施形態の液晶装置における液晶分子の態様は、第1の実施形態と同様、図5のようになる。
具体的には、対向基板20側の複数の溝27(図3)による配向規制に加えて、素子基板10側の配向層131の複数の溝による配向規制がなされるため、各画素における液晶分子の水平配向方向の直接規制力がより高まり、X軸方向に沿って、液晶分子が一様に配列することになる。
特に、これらの複数の溝による配向規制力は、オン表示(例えば、白表示)となって液晶分子が倒れた状態となったときに顕著にその効果を発揮し、液晶の連続性を利用した水平配向膜16h領域の配向方向規制力を補完するように作用する。
これにより、本実施形態の液晶装置によれば、従来の液晶装置では水平配向方向規制が困難であった隣り合う画素電極間で異なる表示がなされている場合であっても、確実に水平配向方向を揃えることができるため、十分な表示品質を確保することができる。
続いて、素子基板10の製造方法について、図13,14を用いて配向膜形成工程を中心に説明する。なお、対向基板20(全体)の製造方法、および液晶装置の製造方法については、第1の実施形態と同様である。
工程S31では、素子基板10における複数の画素電極9側にSiO2膜からなる配向層131を形成する。
工程S32では、配向層131上にフォトレジスト132を塗布する。
工程S33では、図14(a)に示すように、二光束干渉露光法によってフォトレジスト132に複数の溝の潜像を形成する。
工程S34では、露光されたフォトレジスト132を現像する。
工程S35では、図14(b)に示すように、平面視においてストライプ状に形成されたフォトレジスト132をマスクとして、配向層131に対して反応性イオンエッチング(RIE)によるパターニングを行う。
工程S36では、フォトレジスト132を剥離する。
工程S38では、有機高分子材料上にフォトレジストを塗布する。
工程S39では、遮光膜13と同様な開口部(図7(a)参照)を有するフォトマスクを用いて、フォトレジストを露光する。
工程S40では、露光されたフォトレジストを現像する。
工程S41では、平面視において遮光膜13と同様の格子状に形成されたフォトレジストをマスク(図7(a)参照)として、配向層131に対して反応性イオンエッチング(RIE)によるパターニングを行う。
工程S43では、フォトレジスト142を剥離する。これにより、有機高分子材料(ポリイミド)が格子状にパターニングされた絶縁部133が形成される。
工程S44では、図14(d)に示すように、ラビング布をローラに巻き付けたラビング処理装置Rにより、絶縁部133の表面にラビング処理を施す。なお、ラビング処理は、図14(d)では図面の奥行き方向、換言すると、複数の溝127の形成方向(長手方向)と同一に形成される。図5で説明すると、複数の溝127の形成方向、およびラビング処理の方向は、ともにX軸方向に沿っている。
また、ラビング処理によって付与されるプレチルトは、第1の実施形態と同様である。
図15(a)は、電子機器としてのプロジェクタを示す図である。
プロジェクタ500には、前述した液晶装置100、または第2、第3の実施形態、並びに後述する変形例に記載された液晶装置が搭載されている。
プロジェクタ500は、本体510、レンズ520を有しており、内蔵された光源(不図示)から光を射出し、これを内部に備え付けられた表示部若しくはライトバルブとしての前記液晶装置によって変調した後にレンズ520から前方に投写する装置である。なお、プロジェクタ500は、1枚の液晶装置をライトバルブとして備えた単板式、または、RGBの色光ごとに3枚の液晶装置をライトバルブとして備えた3板式のいずれの方式であっても良い。
プロジェクタ500は、前記実施形態、および変形例に係る液晶装置を搭載しているため、十分な表示品質を確保することができる。さらに、プロジェクタの高輝度化に伴い、ライトバルブには非常に強い光が照射されるため、有機配向膜では劣化してしまい十分な耐久性が確保できなかったが、光が透過する画素部分に無機配向膜を形成した前記液晶装置を採用することにより、十分な耐久性を確保することができる。
携帯電話機600には、前述した液晶装置100、または第2、第3の実施形態、並びに後述する変形例に記載された液晶装置が搭載されている。
携帯電話機600は、表示部610及び操作ボタン620を有している。表示部610は、内部に組み込まれた液晶装置によって、操作ボタン620で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行う。
携帯電話機600は、前記実施形態に係る液晶装置を搭載しているため、十分な表示品質を確保することができる。
図16は、変形例1の液晶装置における表示領域の部分断面図であり、図4に対応している。
まず、図16を用いて、第1の実施形態との相違点について具体的に説明する。
本変形例の液晶装置では、対向基板20側にも、絶縁部233が形成されている。また、絶縁部233の表面には、水平配向膜216hが形成されている。これらの構成以外は、第1の実施形態における構成と同様である。
絶縁部233は、ポリイミドから構成されており、その表面にはラビング処理が施されている。ここで、絶縁部12のラビング処理と、絶縁部233のラビング処理とは、反対方向になされている。換言すると、素子基板10側と対向基板20側とで配向方向が180°異なるアンチパラレル配向となっている。
これにより、図4の構成の場合、絶縁部12上の液晶分子は、対向基板20側に近づくにつれて立ち上がっていたが、本変形例による構成によれば、図16に示すように、液晶分子は、素子基板10側から対向基板20に至るまで一様に倒れた状態となる。
従って、液晶の連続性を利用した水平配向膜16h(216h)領域の配向方向規制力が強化されるため、より確実に水平配向方向を揃えることが可能となり、十分な表示品質を確保することができる。
なお、絶縁部233は、図6の工程と同様な工程にて形成することができる。
また、本変形例は、第2、および第3の実施形態、並びに、変形例2に記載の液晶装置にも適応することが可能であり、同様の効果を得ることができる。
図12を用いて説明する。
第3の実施形態における対向基板20側の垂直配向膜26を、第2の実施形態にて説明した二光束干渉露光法によって形成したものとしても良い。
この構成によれば、イオンビーム法に比べて、エッジがしっかりとしたより矩形に近い溝が形成されるため、斜面に配置される液晶分子が減り、垂直配向時の配向状態がより立った状態(垂直に近い)となり、黒表示の品質がより向上する。よって、十分な表示品質を確保することができる。
Claims (7)
- 対向する第1基板と、第2基板との間に誘電異方性が負の液晶を含む液晶層を挟持するとともに、複数の画素を備えた液晶装置であって、
前記第1基板には、画素電極と、前記画素電極と隣り合う画素電極との間に形成された水平配向領域とが形成され、
前記第2基板には、前記画素電極と対向する対向電極が形成され、
前記水平配向領域には、前記液晶の分子を所定の方位方向に揃えて水平に配向させるための水平配向膜が形成されてなり、
前記画素電極の前記液晶層側には、第1の垂直配向膜が形成され、
前記対向電極の前記液晶層側には、第2の垂直配向膜が形成され、
前記第1の垂直配向膜と前記第2の垂直配向膜とのうち、少なくともいずれか一方には、前記液晶の分子が倒れた際における方位方向を規定する複数の溝が前記所定の方位方向に沿って形成されており、
前記複数の溝の各々の幅は、30〜150nm以内であり、深さは5〜100nm以内であることを特徴とする液晶装置。 - 前記第1の垂直配向膜は、前記画素電極の表面に形成され、前記液晶の分子を垂直配向させるための無機配向膜であり、
前記第2の垂直配向膜は、前記対向電極に積層されるとともに、前記複数の溝が形成された絶縁層と、
前記絶縁層における前記複数の溝を含む表面に形成され、前記液晶の分子を垂直配向させるための無機配向膜と、からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 前記第1の垂直配向膜は、前記画素電極に積層されるとともに、前記複数の溝が形成された第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層における前記複数の溝を含む表面に形成され、前記液晶の分子を垂直配向させるための無機配向膜とからなり、
前記第2の垂直配向膜は、前記対向電極に積層されるとともに、前記複数の溝が形成された第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層における前記複数の溝を含む表面に形成され、前記液晶の分子を垂直配向させるための無機配向膜と、からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 前記第1基板と前記第2基板とのうち、少なくともいずれか一方には、平面的に前記画素電極の周囲を囲う格子状の遮光膜が設けられ、
前記水平配向領域は、前記画素電極に重なるように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶装置。 - 前記第2基板側に、前記水平配向領域と対向する第2の水平配向領域が設けられ、
前記水平配向領域における配向方向と、前記第2の水平配向領域における配向方向とは、配向方向が180°異なるアンチパラレル配向となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶装置を表示部に備えたことを特徴とする電子機器。
- 複数の画素電極が形成された第1基板と、前記複数の画素電極と対向する対向電極が形成された第2基板との間に誘電異方性が負の液晶を含む液晶層を挟持した液晶装置の製造方法であって、
前記複数の画素電極の上層、または前記対向電極の上層に、絶縁層を積層する工程と、
前記絶縁層上にフォトレジストを塗布する工程と、
前記フォトレジストに対して二光束干渉露光法によって前記液晶の分子が倒れた際における方位方向を規定するための複数の溝の潜像を形成する工程と、
露光された前記フォトレジストを現像する工程と、
現像された前記フォトレジストをマスクとして前記絶縁層をパターニングする工程と、
前記フォトレジストを剥離する工程と、
前記複数の溝が形成された前記絶縁層の表面に、垂直配向膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする液晶装置の製造方法。
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