JP5169466B2 - 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法およびその製造装置 - Google Patents

半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、半透過型液晶表示装置等に用いられる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに関し、より詳しくは、反射光用領域および透過光用領域の着色層の厚み差が大きく、半透過型液晶表示装置に用いた場合に、反射表示時の輝度を高いものとすることができる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法に関するものである。
近年、液晶表示装置として、外光の反射と、バックライト光の透過光とを利用した半透過型液晶表示装置が開発され、この半透過型液晶表示装置は、外光を利用して表示を行なう従来の反射型カラー液晶表示装置に、バックライトを兼ね備え、周囲が暗い場合でもバックライトによる表示(透過表示)が行なえる、という利点を有する。
しかしながら、このような半透過型液晶表示装置は、反射光用領域では進入してきた外光が通常2回カラーフィルタを通過するのに対し、透過光用領域では通常1回のみカラーフィルタを通過することになり、透過表示時と反射表示時とは色特性が異なるという問題点を有していた。
上記問題点を解決するために、透過光用領域に形成される着色層と、反射光用領域に形成される着色層との膜厚比を調節することで、透過光用領域および反射光用領域の色特性をコントロールする方法が試みられている。
ここで、着色層の厚みを調整する方法としては、各色の着色パターンの厚い層および薄い層をそれぞれ形成する方法が用いられてきた。しかしながら、着色層を、一般的にカラーフィルタの着色層の形成に用いられるフォトリソグラフィー法を用いて形成した場合には、着色層が、赤、緑、青の3色の着色パターンを有する場合には、赤、緑、青の各色の着色パターンについて厚い層および薄い層を形成する必要があることから、露光・現像を6回行う必要があり、非常に生産性が低いものとなるといった問題点があった。
このような問題点に対して、例えば特許文献1では、反射光用領域に対応する箇所が半透明部であり、透過光用領域に対応する箇所が透明部であるような、露光光の透過度の異なる箇所を有するハーフトーンマスクを用いた着色層の形成方法が開示されている。この方法によれば、ハーフトーンマスクの露光光の透過度の違いにより、反射光用領域に対応する着色層の膜厚を薄いものとし、透過光用領域に対応する着色層の膜厚を厚いものとすることができ、厚い層および薄い層を一括で形成することができる。したがって、着色層が、赤、緑、青の3色の着色パターンを有する場合には、赤、緑、青の各色の着色パターンについて、厚い層および薄い層を一括で形成することが可能であることから、露光・現像を3回行うことで形成することができる。
しかしながら、このようなハーフトーンマスクのみを用いて反射光領域の着色層の薄膜化を行う方法では、カラーフィルタの全面に均一な露光をすることが困難であることから、反射光用領域の着色層の厚みにバラツキを生じる恐れがあるといった問題があった。また、透過光用領域および反射光用領域の着色層の厚みの調整は可能であるものの、カラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合に、透過光用領域および反射光用領域における液晶層を通過する光路差の調整まではできないといった問題があった。
また、上述したハーフトーンマスクを用いた場合における着色層の厚みのバラツキを生じさせず、光路差の調整をも行う方法としては、例えば、図5に示すように、透明基材101と、透明基材101のうち、反射表示に用いられる反射光用領域(rで示される領域)にのみ形成され、所定の膜厚を有する光路差調整部102と、その光路差調整部102を覆うように形成された着色層106とを有し、反射光用領域(rで示される領域)と、透過光用領域(tで示される領域)とが形成された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ100を用いることにより、光路差を調整する方法が開示されている(特許文献2)。
この方法によれば、液晶層を通過する光路差を調整することができ、さらに製造時において、着色層形成用塗工液のような液状物質は、非塗布先の表面の凹凸により、凸部表面上において薄く塗布され、凹部表面上において厚く塗布される性質を有するため、着色層形成用塗工液が、光路差調整部を覆うように透明基材上に塗布された場合には、反射光用領域である上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の膜厚は薄く、透過光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚は厚いものとなる。このため、透過光用領域における着色層の厚みを厚く、反射光用領域における着色層の厚みを薄いものとすることができる。
しかしながら、このような方法では、上記透過光用領域および反射光用領域の膜厚の差を大きなものとすることが困難であり、このようなカラーフィルタを用いて液晶表示装置とした場合には、反射表示時の輝度が低いものとなってしまうといった問題があった。
特開2004−365422号公報 特開2004−102243号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、反射光用領域および透過光用領域の着色層の厚み差が大きく、かつ反射光用領域の着色層の厚みの均一性に優れた半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを製造可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を、反射光用領域に光路差調整部が形成されたカラーフィルタ用基板上に塗布した後、上記カラーフィルタ用基板を静置することにより、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記カラーフィルタ用基板の透過光用領域に流れ込ませることができ、反射光用領域および透過光用領域の着色層の厚み差を大きくすることができること、特に加熱時にその傾向が大きいことを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、透明基材と、透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基材と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱工程と、上記加熱工程後の上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥工程と、上記乾燥工程によって形成された上記着色層形成用層を加熱するプリベーク工程とを有することを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱工程を、上記塗布工程と、上記乾燥工程との間に行うことにより、上記反射光用領域の着色層の膜厚を、上記透過光用領域の着色層の膜厚よりも薄く、さらにその差が大きいものとすることができる。また、上記反射光用領域の着色層の膜厚を均一性に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記加熱工程の上記着色層形成用塗工液を加熱する温度が、上記プリベーク工程において、上記着色層形成用層を加熱する温度よりも20℃〜100℃の範囲内で低いことが好ましい。
上記加熱工程の上記着色層形成用塗工液を加熱する温度と、上記プリベーク工程において、上記着色層形成用層を加熱する温度との差が上記範囲より大きい、すなわち、上記加熱工程における加熱温度が、非常に低い温度であると、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に十分な量で流れ込ませることが困難となる可能性があるからであり、上記範囲より小さい、すなわち、上記加熱工程における加熱温度が、上記プリベーク工程における加熱温度に近い温度であると、本発明の製造方法によって製造される着色層に色ムラを生じる可能性があるからである。
本発明においては、上記加熱工程が、上記着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を、ホットプレート上に静置することにより、上記着色層形成用塗工液を加熱することが好ましい。
上記加熱工程が、ホットプレートを用いて、上記着色層形成用塗工液を加熱することにより、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の上記透過光用領域への流れ込み量を増加させ、上記反射光用領域の薄膜化が可能となるからである。また、上記透過光用領域への流れ込み量の均一化および上記着色層形成用塗工液の厚みの均一化が容易であり、さらに上記加熱工程を簡便なものとすることができるからである。
本発明においては、上記着色層形成用塗工液の25℃と、40℃とにおける粘度差が、0.2mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。上記着色層形成用塗工液の粘度差が上記範囲内であることにより、上記加熱工程において、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量を十分大きなものとすることができるからである。
本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基材と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置であって、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布手段と、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱手段と、上記加熱手段により加熱後の上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥手段と、上記乾燥手段により形成された上記着色層形成用層を加熱するプリベーク手段とが、この順で連続して配置されていることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置を提供する。
本発明によれば、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱手段を、上記塗布手段と、上記乾燥手段との間に有するものであることにより、本発明の製造装置によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、反射光用領域の着色層と、透過光用領域の着色層との膜厚の差が大きいものとすることができる。また、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、上記反射光用領域の着色層の膜厚の均一性に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記加熱手段が、ホットプレートであることが好ましい。上記加熱手段が、ホットプレートであることにより、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の上記透過光用領域への流れ込み量を増加させ、上記反射光用領域の薄膜化が可能となるからである。また、上記透過光用領域への流れ込み量の均一化および上記着色層形成用塗工液の厚みの均一化が容易であるからである。また、上記加熱工程を簡便なものとすることができるからである。
本発明においては、反射光用領域および透過光用領域の着色層の厚み差が大きく、半透過型液晶表示装置に用いた場合に、反射表示時の輝度を高いものとすることができる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を提供できるという効果を奏する。
本発明は、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法およびそれに用いる製造装置に関するものである。
以下、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法および半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置について詳細に説明する。
A.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
まず、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法について説明する。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、透明基材と、透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基材と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱工程と、上記加熱工程後の上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥工程と、上記乾燥工程によって形成された上記着色層形成用層を加熱するプリベーク工程とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。図1に例示するように、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、透明基材1と、上記透明基材1上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部2とを有するカラーフィルタ用基板20を準備し、上記光路差調整部2を覆うように、赤色着色層用感光性樹脂組成物を含む赤色着色層形成用塗工液3を塗布する塗布工程(図1(a))と、上記光路差調整部2上に塗布された赤色着色層形成用塗工液3を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記赤色着色層形成用塗工液3の加熱を所定の時間行うことにより、上記光路差調整部2上の赤色着色層形成用塗工液3の膜厚を薄くする加熱工程(図1(b))と、上記赤色着色層形成用塗工液3を減圧乾燥して赤色着色層形成用層4を形成する乾燥工程および上記赤色着色層形成用層4を加熱し上記赤色着色層形成用層4を固化させるプリベーク工程(図1(c))とを行う。
続いて、赤色着色層を形成させる領域に、紫外線を透過する開口領域31を有し、赤色着色層を形成しない領域に紫外線を透過しない遮光領域32を有するフォトマスク30を介して紫外線による露光を行い、次いで、未露光領域の赤色着色層形成用層4を現像により除去する露光・現像工程(図1(d))を行うことにより、パターン状の赤色着色パターン5Rを形成する(図1(e))。その後、緑色着色層形成用塗工液、青色着色層形成用塗工液を用い、上記赤色着色パターンを形成したのと同様に、上述した塗布工程、加熱工程、乾燥工程、プリベーク工程、および露光・現像工程を行うことにより、緑色着色パターン5Gおよび青色着色パターン5Bを形成し、赤色着色パターン5R、緑色着色パターン5Gおよび青色着色パターン5Bからなる着色層6を有する半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ10を形成する(図1(f))。
ここで、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ10において、上記透明基材1と、上記光路差調整部2と、上記着色層6とが積層する領域が、反射光用領域(rで示される領域)であり、上記透明基材1と、上記着色層6とが積層する領域が、透過光用領域(tで示される領域)である。
本発明によれば、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱工程を、上記塗布工程と、上記乾燥工程との間に行うことにより、上記反射光用領域の着色層の膜厚を、上記透過光用領域の着色層の膜厚よりも薄く、さらにその差が大きいものとすることができる。また、上記反射光用領域の着色層の膜厚を均一性に優れたものとすることができる。
ここで、上記加熱工程を、上記塗布工程と、上記乾燥工程との間に行うことにより、上述したような効果を発揮する理由としては、以下のように推測される。
すなわち、従来は、着色層形成用塗工液のような液状物質が、非塗布先の表面の凹凸により、凸部表面上において薄く塗布され、凹部表面上において厚く塗布される性質を利用することで、光路差調整部が形成された透明基材上に塗布された着色層形成用塗工液の膜厚を、反射光用領域である上記光路差調整部上において薄く、透過光用領域において厚いものとしていた。このような方法によれば、透過光用領域における着色層の厚みを厚く、反射光用領域における着色層の厚みを薄いものとすることができるが、その膜厚の差は十分なものではなかった。
一方、発明者等は、上記塗布工程によって、上記着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を、所定の時間静置することにより、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に流れ込ませることができ、上記反射光用領域の着色層形成用塗工液の厚みをより薄いものとすることができることを見出した。
また、上記塗布工程後のカラーフィルタ用基板を所定の時間静置することにより、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に流れ込ませる、いわゆる、引き置きを、上記塗布工程と、記乾燥工程との間であり、上記塗布工程によって塗布された上記着色層形成用塗工液が十分に溶剤を含み、粘度が低い状態のときに行うことにより、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に効果的に流れ込ませることができ、上記反射光用領域および透過光用領域の着色層形成用塗工液の厚みの差を大きいものとすることができる。
さらに、このような引き置きを、上記反射光用領域、すなわち光路差調整部上の、着色層形成用塗工液の加熱を行いながら実施することにより、上記着色層形成用塗工液の粘度の低下を図ることができ、上記着色層形成用塗工液の、上記光路差調整部上から、上記透過光用領域への流れ込み量をより大きいものとすることができる。
したがって、上記着色層形成用塗工液の加熱を所定の時間行う加熱工程を、上記塗布工程と、上記乾燥工程との間に行うことで、上記塗布工程後のカラーフィルタ用基板を、塗布された着色層形成用塗工液の粘度が低い状態で、所定の時間静置することとなり、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に流れ込ませることができる。さらに上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を同時に行うことで、上記着色層形成用塗工液の上記透過光用領域内への流れ込み量をより大きな量とすることができる。このため、本発明の製造方法によって形成される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、上記反射光用領域の着色層の膜厚が、上記透過光用領域の着色層の膜厚よりも十分に薄いものとすることができる。また、ハーフトーンマスクを用いないため、ハーフトーンマスクを用いた際に生じる、上記反射光用領域の着色層の膜厚ムラを生じさせず、上記反射光用領域の着色層の膜厚を均一性に優れたものとすることができる。
また、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量は、上記着色層形成用塗工液の粘度、すなわち、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の温度によって調整することができるため、上記反射光用領域の着色層の膜厚の調整が容易であるといった利点を有する。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、塗布工程と、加熱工程と、乾燥工程と、プリベーク工程とを少なくとも有するものである。以下、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の各工程について説明する。
1.塗布工程
本発明における塗布工程は、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する工程である。
(1)着色層形成用塗工液
本工程に用いられる着色層形成用塗工液は、後述するカラーフィルタ用基板の光路差調整部を覆うように塗布されるものであり、着色層用感光性樹脂組成物を含むものである。
本工程に用いられる着色層用感光性樹脂組成物は、通常、本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに含まれる着色層の各着色パターンを形成する各色の着色剤と、バインダ樹脂とを少なくとも含むものである。
本工程に用いられる各色の着色剤としては、一般的にカラーフィルタの製造に用いられるものを用いることができ、本発明の製造方法によって着色層を形成した際に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色、または、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)の4色、または、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)、シアン(C)の5色等の着色パターンを含む着色層を形成することができるものを挙げることができる。
赤(R)の着色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑(G)の着色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青(B)の着色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
本工程に用いられる着色層用感光性樹脂組成物における、上記各色の着色剤の含有量としては、本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに含まれる着色層を、所望の発色とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記着色層用感光性樹脂組成物中において10質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも10質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲であることにより、本発明の製造方法によって形成される着色層を、所望の発色を有するものとすることができるからである。
本工程に用いられるバインダ樹脂としては、透明で、感光性を有するものであれば良く、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有するものを用いることができる。
本工程に用いられる着色層形成用塗工液は、通常、上記着色層用感光性樹脂組成物を均一に分散、または溶解可能な溶剤を含むものである。
このような溶剤としては、例えば酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルセルソルブ、3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
本工程に用いられる溶剤の含有量としては、本工程に用いられる着色層形成用塗工液のうち、溶剤を除いた成分の含有量が5質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも10質量%〜30質量%の範囲内となるように溶剤を配合することが好ましい。これにより、塗布に適した粘度とすることができるからである。
本工程に用いられる着色層形成用塗工液の粘度としては、本工程において、後述するカラーフィルタ用基板の光路差調整部上に塗布された上記着色層形成用塗工液を、後述する加熱工程において、上記カラーフィルタ用基板の透過光用領域内に流れ込ませることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記着色層形成用塗工液の25℃と、40℃とにおける粘度差が、0.2mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、なかでも0.5mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に1.0mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。上記着色層形成用塗工液の粘度差が上記範囲内であることにより、後述する加熱工程において、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量を十分大きなものとすることができるからである。
ここで、上記着色層形成用塗工液の25℃における粘度としては、具体的には、2.0mPa・s〜15.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、なかでも2.0mPa・s〜10.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に2.0mPa・s〜8.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。
また、上記着色層形成用塗工液の40℃における粘度としては、具体的には、1.5mPa・s〜13mPa・sの範囲内であることが好ましく、なかでも1.5mPa・s〜8.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に1.5mPa・s〜6.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。上記着色層形成用塗工液の各温度における粘度が上記範囲内であることにより、上記着色層形成用塗工液を温度変化に対する粘度変化の割合が大きいものとすることができる。このため、後述する加熱工程において、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量を十分大きなものとすることができるからである。
本工程に用いられる着色層形成用塗工液は、必要に応じて、他の添加剤を含むものであっても良い。このような添加剤としては、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を挙げることができる。
(2)カラーフィルタ用基板
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板は、上記透明基材と、上記光路差調整部とを有するものであり、さらに本発明の製造方法によって製造される、上記透明基材と、上記透明基材上に形成され、上記透明樹脂からなる上記光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、上記着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有する半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層される領域に、反射光用領域を有し、上記透明基材と、上記着色層とが積層される領域に、透過光用領域を有するものである。
(i)光路差調整部
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板に含まれる光路差調整部は、上記カラーフィルタ用基板の反射光用領域にパターン状に形成され、透明樹脂からなるものである。
本工程に用いられる光路差調整部を形成する透明樹脂としては、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに入射した外光およびその外光が反射された反射光に対する高い透過率を有するものであれば特に限定されるものではない。このような透明樹脂としては、例えば、感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド、ポジレジスト、カルド樹脂、ポリシロキサン、ベンゾシクロブテン等が挙げられる。
本工程に用いられる光路差調整部の膜厚としては、通常1.0μm〜5.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、2.0μm〜4.5μmの範囲内であることが好ましく、特に2.5μm〜3.5μmの範囲内であることが好ましい。これにより、本発明の製造方法によって製造された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタが半透過型液晶表示装置に用いられた際に、反射光用領域および透過光用領域における光路差を調整することが可能となるからである。
なお、光路差調整部の膜厚とは、後述する透明基材の表面から、垂直方向に、上記光路差調整部の頂点までの距離のうち、最も長い距離をいうものである。
本工程に用いられる光路差調整部の形成方法としては、後述する透明基材上に、所望の膜厚で、かつ所望の位置にパターン状に形成することができる方法であれば良い。このような光路差調整部の形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
(ii)透明基材
本工程に用いられる透明基材は、上記光路差調整部を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではなく、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに用いられる透明基材と同様のものとすることができる。
このような透明基材としては、具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等が挙げられる。
(iii)カラーフィルタ用基板
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板は、上記透明基材および光路差調整部に加えて、通常、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの画素領域を区分けする遮光部を有するものである。
本工程に用いられる遮光部は、上記透明基材上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
上記遮光部のパターン形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。
上記遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrO膜(xは任意の数)およびCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrO膜(xは任意の数)、CrN膜(yは任意の数)およびCr膜が3層積層されたものであってもよい。
上記遮光部が黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、遮光部用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
上記遮光部が黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである場合であって、遮光部の形成方法として印刷法やインクジェット法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、上記の場合であって、遮光部の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。この場合、黒色着色剤および感光性樹脂を含有する遮光部用感光性樹脂組成物には、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架
橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
一方、遮光部が金属薄膜である場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィー法、マスクを用いた蒸着法、印刷法等を挙げることができる。
遮光部の膜厚としては、金属薄膜の場合は0.2μm〜0.4μm程度で設定され、黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである場合は0.5μm〜2μm程度で設定される。
(3)塗布工程
本工程は、上記着色層形成用塗工液を、上記カラーフィルタ用基板の光路差調整部を覆うように塗布する工程である。
本工程において、上記着色層形成用塗工液を上記カラーフィルタ用基板上に塗布する方法としては、上記着色層形成用塗工液を、上記カラーフィルタ用基板の光路差調整部上に均一に塗布することができる方法であれば良く、一般的にカラーフィルタの着色層の形成に使用される方法を用いることができる。具体的には、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法等を用いることができる。
本工程において、上記着色層形成用塗工液を塗布する際の、上記着色層形成用塗工液の温度としては、10℃〜30℃の範囲内であることが好ましく、なかでも20℃〜25℃の範囲内であることが好ましい。上記範囲以外の場合には、上記着色層形成用塗工液を、上記光路差調整部上に均一に塗布することが困難となる恐れがあるからである。
また、上記範囲より高い温度で塗布する場合には、均一塗布のために、塗布時の粘度を所定の範囲内にする必要がある。このため、上記着色層形成用塗工液の粘度は、同温度において、上記範囲内の温度で塗布する際に用いるものと比較し高いものとなる。その結果、本工程後に行なわれる加熱工程において、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量を十分に大きなものとすることが困難となるからである。また、流れ込み量を大きなものとするために、加熱工程における加熱温度を高温とした場合には、上記プリベーク工程における加熱温度に近いものとなり、着色層に色ムラを生じるおそれがあるからである。
本工程によって上記カラーフィルタ用基板上に塗布された直後の、反射光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚および透過光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚としては、上記光路差調整部の膜厚や、上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤の含有量等によって適宜設定されるものである。
また、本工程によって上記カラーフィルタ用基板上に塗布された直後の、上記反射光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚と、上記透過光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚との比(反射光用領域/透過光用領域)としては、上記光路差調整部の膜厚や、上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤の含有量等によって適宜設定されるものである。
2.加熱工程
本発明における加熱工程は、上記塗布工程において、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う工程であり、より具体的には、上記塗布工程後によって着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を所定の時間静置し、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記カラーフィルタ用基板の透過光用領域内に流れ込ませる、いわゆる、引き置きを、加熱しながら行う工程である。
本工程において、上記着色層形成用塗工液を加熱する加熱方法としては、オーブン、遠赤外線ヒーター、ホットプレート等を用いる方法を挙げることができる。
本工程においては、なかでも、上記着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を、ホットプレート上に静置することにより、上記着色層形成用塗工液を加熱する方法が好ましい。ホットプレートを用いて、上記着色層形成用塗工液を加熱することにより、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量の均一化および上記着色層形成用塗工液の厚みの均一化が容易であるからである。また、本工程を簡便なものとすることができるからである。
本工程において、上記着色層形成用塗工液を加熱する温度は、上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤の沸点より低く、かつ後述するプリベーク工程において、後述する着色層形成用層を加熱する温度よりも20℃〜100℃の範囲内、なかでも20℃〜70℃の範囲内で低いことが好ましい。上記加熱工程の上記着色層形成用塗工液を加熱する温度と、上記プリベーク工程において、後述する着色層形成用層を加熱する温度との差が、上記範囲より大きい、すなわち、上記加熱工程における加熱温度が、低すぎると、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に十分な量を流れ込ませることが困難となる可能性があるからであり、上記範囲より小さい、すなわち、上記加熱工程における加熱温度が、上記プリベーク工程における加熱温度に近いと、本発明の製造方法によって製造される着色層に色ムラを生じる可能性があるからである。
なお、上記着色層形成用塗工液を加熱する温度とは、本工程を実施することにより到達した、上記着色層形成用塗工液全体の平均温度をいうものであり、上記着色層形成用塗工液を加熱する装置の温度ではない。
本工程において、上記着色層形成用塗工液を加熱する時間としては、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液を、上記カラーフィルタ用基板の透過光用領域に所望量流れ込ませることができるものであれば良い。具体的には、上記着色層形成用塗工液を昇温し、所定の温度に到達させることができる時間以上であれば良い。本工程においては、なかでも上記着色層形成用塗工液を昇温し、所定の温度に到達させることができる時間であることが好ましい。所定の温度に到達させることができる時間以上静置しても、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の透過光用領域への流れ込み量に変化がないからである。このため、所定の温度に到達させることができる時間とすることにより、生産性の向上を図ることができるからである。
このような加熱時間としては、加熱方法によって異なるものであるが、具体的には、1.0分〜15.0分の範囲内であることが好ましく、なかでも1.0分〜10.0分の範囲内であることが好ましく、特に3.0分〜8.0分の範囲内であることが好ましい。上記範囲より短いと所望の温度に加熱することが困難である可能性があるからであり、上記範囲より長くても効果が変わらず生産性が低下する恐れがあるからである。
本工程において、加熱しながらの引き置きが終了した後の、上記反射光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚および透過光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚としては、上記光路差調整部の膜厚や、上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤の含有量等によって適宜設定されるものである。
また、本工程において、加熱しながらの引き置きが終了した後の、上記反射光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚と、上記透過光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚との比(反射光用領域/透過光用領域)としては、上記光路差調整部の膜厚や、上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤の含有量等によって適宜設定されるものである。
3.乾燥工程
本発明における乾燥工程は、上記加熱工程後の上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤を減圧乾燥により除去し、着色層形成用層を形成する工程である。
本工程において、上記溶剤を除去する際の減圧度は、上記着色層形成用塗工液を構成する溶剤の含有量等に応じて適宜設定することができる。
本工程においては、上記着色層形成用塗工液を加熱しながら、上記溶剤の除去を行うものであっても良い。乾燥時間の短縮を図ることができるからである。
また、必要に応じて、減圧乾燥前に、上記着色層形成用塗工液の予備加熱を行うものであっても良い。
4.プリベーク工程
本発明におけるプリベーク工程は、上記乾燥工程によって形成されたカラーフィルタ用基板上の着色層形成用層を、加熱することにより、上記着色層形成用層を固化する工程である。
本工程において、上記着色層形成用層を加熱する方法としては、一般的なカラーフィルタの着色層の形成に用いられるものと同様の方法を用いることができる。具体的には、上記「2.加熱工程」の項に記載した方法と同様の方法を用いることができる。
本工程において、上記着色層形成用層を加熱する温度としては、80℃〜110℃の範囲内であることが好ましく、なかでも80℃〜100℃の範囲内であることが好ましい。上記範囲であることにより、上記着色層形成用層を十分に固化することができるからである。
なお、上記着色層形成用層を加熱する温度とは、本工程を実施することにより到達した、上記着色層形成用層全体の平均温度をいうものであり、上記着色層形成用層を加熱する装置の温度ではない。
本工程において、加熱が終了した後の、反射光用領域の着色層形成用層の膜厚および透過光用領域の着色層形成用層の膜厚としては、上記反射光用領域の着色層形成用層の膜厚が、0.1μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.2μm〜1.5μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記透過光用領域の着色層形成用層の膜厚が0.5μm〜8.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも1.0μm〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、透過光用領域の着色層と、反射光用領域の着色層との膜厚の差が大きなものとすることができるからである。
また、本工程において、加熱が終了した後の、上記透過光用領域の着色層形成用層の膜厚と、上記反射光用領域の着色層形成用層の膜厚との比(透過光用領域/反射光用領域)としては、1.4〜7.0の範囲内であることが好ましく、なかでも1.8〜3.3の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、透過光用領域の着色層と、反射光用領域の着色層との膜厚の差が大きなものとすることができるからである。
5.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、少なくとも、上記塗布工程、加熱工程、乾燥工程、およびプリベーク工程を、この順で実施するものであるが、通常、これらの工程の後に上記カラーフィルタ用基板上に形成された着色層形成用層を、パターン状に露光し、現像することにより、パターン状の着色層を形成する露光・現像工程を有するものである。
また、本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの着色層が2色以上の着色パターンによって形成されるものである場合には、各色の着色パターン毎に、上述した塗布工程、加熱工程、乾燥工程、プリベーク工程、露光・現像工程をこの順で行うものである。
上記露光・現像工程において、上記着色層形成用層をパターン状に露光し、未露光箇所を現像により除去することによりパターン状の着色層を形成する方法としては、一般的なカラーフィルタの着色層の形成に用いられる方法を用いることができる。
また、必要に応じて、露光時のマスクとして、透過度の異なる領域を有するハーフトーンマスクを用いて、上記反射光用領域の着色層および透過光用領域の着色層の厚みの差をさらに大きなものとしても良い。
6.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ
本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、透明基材と、上記透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基材と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いるものである。
本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの、上記反射光用領域の着色層の膜厚および透過光用領域の着色層の膜厚としては、上記反射光用領域の着色層の膜厚が、0.1μm〜1.6μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.2μm〜1.2μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記透過光用領域の着色層の膜厚が、0.5μm〜6.5μmの範囲内であることが好ましく、なかでも1.0μm〜4.0μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、半透過型液晶表示装置に用いた場合に、反射表示時の輝度が高いものとすることができるからである。
また、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの、上記透過光用領域の着色層の膜厚と、上記反射光用領域の着色層の膜厚との比(透過光用領域/反射光用領域)としては、1.4〜7.0の範囲内であることが好ましく、なかでも1.8〜3.3の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、半透過型液晶表示装置に用いた場合に、反射表示時の輝度が高いものとすることができるからである。
このような半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの用途としては、半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタを挙げることができる。なかでも、反射表示時の輝度が高いことが要求される半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタに好適に用いられる。
B.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置について説明する。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基材と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置であって、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布手段と、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱手段と、上記加熱手段により加熱後の上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥手段と、上記乾燥手段により形成された上記着色層形成用層を加熱するプリベーク手段とが、この順で連続して配置されていることを特徴とするものである。
このような本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置を、図を参照して説明する。図2は本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置の一例を示す概略図である。図2によれば、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置40は、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板20の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布手段41と、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱手段42と、上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥手段43と、上記着色層形成用層を加熱するプリベーク手段44とが、この順で連続して配置されている。さらにその後、上記着色層形成用層を、パターン状に露光し、次いで現像液によって現像する露光・現像手段45を有することにより、パターン状の着色層を有する上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ10を形成するものである。また、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置40は、上記カラーフィルタ用基板20を、上記塗布手段41、加熱手段42、乾燥手段43、プリベーク手段44、および露光・現像手段45の順で搬送するベルトコンベア46を有するものである。
本発明によれば、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱手段を、上記塗布手段と、上記乾燥手段との間に有するものであることにより、本発明の製造装置によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、反射光用領域の着色層と、透過光用領域の着色層との膜厚の差が大きいものとすることができる。また、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、上記反射光用領域の着色層の膜厚の均一性に優れたものとすることができる。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置は、少なくとも塗布手段、加熱手段、乾燥手段、およびプリベーク手段を有するものである。
以下、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置の各構成を説明する。
1.塗布手段
本発明に用いられる塗布手段は、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布するものである。
このような塗布手段において、上記カラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布手段としては、形成された反射光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚を均一にすることができる手段であれば良く、具体的には、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等を用いることができる。
本発明に用いられる塗布手段によって、塗布される着色層形成用塗工液、および上記塗布手段が、上記着色層形成用塗工液を塗布する対象であるカラーフィルタ用基板としては、透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板および一般的にカラーフィルタの着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液を用いることができ、具体的には、上記「A.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法」の「1.塗布工程」の項に記載したものと同様のものを用いることができる。
2.加熱手段
本発明に用いられる加熱手段は、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行うものである。
このような加熱手段としては、上記着色層形成用塗工液を均一に加熱することができるものであれば特に限定されるものではなく、オーブン、遠赤外線ヒーター、ホットプレート等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、ホットプレートであることが好ましい。上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量の均一化、および上記着色層形成用塗工液の厚みの均一化が容易であり、さらに上記加熱手段を簡便なものとすることができるからである。
また、上記加熱手段がホットプレートである場合、上記加熱手段は、ホットプレートを1枚有するものであっても良く、複数枚有するものであっても良い。
上記加熱手段が、ホットプレートを複数枚有するものである場合の具体例としては、図3に例示するように、高さ方向に多段に積み上げられ、平面視上重なるように配置されたホットプレート52からなるものを挙げることができる。この場合、上記塗布手段によって着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を把持し、上下に移動させることができ、さらにホットプレート52上に、上記カラーフィルタ用基板を配置させることができるハンドリングロボット47によって、上記ホットプレート52上に上記カラーフィルタ用基板20を静置し、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う。
また、加熱手段の他の例としては、図4に例示するように、平面視上重ならないように配置されたホットプレート52からなるものを挙げることができる。ここで、ホットプレート52は、ベルトコンベア46によって移動するものである。この場合、上記塗布手段によって着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板20を把持し、ホットプレート52が配置されている箇所まで移動させ、ホットプレート52上に、上記カラーフィルタ用基板を配置させることができるハンドリングロボット47によって、上記カラーフィルタ用基板20を、上記ホットプレート52上に静置し、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う。その後、加熱が終了したカラーフィルタ用基板20は、ハンドリングロボット47によって、次工程である乾燥工程に搬送される。
なお、上記ホットプレートは、所定の位置に固定されたものであっても良く、移動可能なものであっても良い。
本発明に用いられる加熱手段の、上記着色層形成用塗工液の加熱能力としては、上記着色層形成用塗工液を所望の粘度まで低下させることができる温度まで加熱可能であれば良く、上記「A.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法」の「2.加熱工程」の項に記載した、上記着色層形成用塗工液を加熱する温度と同様の温度まで加熱可能であることが好ましい。
3.乾燥手段
本発明に用いられる乾燥手段は、上記加熱手段により加熱後の上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤の除去を行い、着色層形成用層を形成するものである。
本発明に用いられる乾燥手段によって、上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥する際の減圧度は、上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤の含有量等に応じて適宜設定することができる。
また、本発明に用いられる乾燥手段は、上記着色層形成用塗工液からの溶剤の除去を、バッチ処理で行うものであっても良く、連続処理で行うものであっても良い。
本発明に用いられる乾燥手段は、必要に応じて、上記着色層形成用塗工液を加熱する加熱装置を有するものであっても良い。乾燥時間の短縮を図ることができるからである。このような加熱装置としては、公知の加熱装置を用いることができ、具体的には、遠赤外線ヒーター、ホットプレート等を用いることができる。
4.プリベーク手段
本発明におけるプリベーク手段は、上記乾燥手段により形成された上記着色層形成用層を加熱することにより、上記着色層形成用層を固化するものである。
本発明に用いられるプリベーク手段としては、一般的なカラーフィルタの着色層の形成に用いられるものと同様のものを用いることができ、具体的には、オーブン、遠赤外線ヒーター、ホットプレート等を挙げることができる。
また、上記プリベーク手段の、上記着色層形成用層の加熱能力としては、上記着色層形成用層を所望の硬度まで焼き固めることができる温度まで加熱可能であれば良く、上記「A.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法」の「4.プリベーク工程」の項に記載した、上記着色層形成用層を加熱する温度と同様の温度まで加熱可能であることが好ましい。
また、上記プリベーク手段によって形成される固化後の着色層形成用層の膜厚としては、上記「A.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法」の「4.プリベーク工程」の項に記載したものと同様の内容であるため、ここでの記載を省略する。
5.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置は、上記塗布手段、加熱手段、乾燥手段、およびプリベーク手段を少なくとも有するものであるが、通常、上記プリベーク手段後のカラーフィルタ用基板の着色層形成用層をパターン状に露光し、現像し、パターン状の着色層を形成する露光・現像手段を有するものである。
上記露光・現像手段としては、上記着色層形成用層をパターン状に露光し、未露光箇所を現像により除去することによりパターン状の着色層を精度良く形成することができるものであれば良く、一般的なカラーフィルタの着色層の形成に用いられる露光・現像手段を用いることができる。
上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置は、上記カラーフィルタ用基板を、公知の搬送手段、具体的には、搬送ローラ、ベルトコンベア、ハンドリングロボット等によって、上記塗布手段、加熱手段、乾燥手段、およびプリベーク手段の各手段間を移動させるものであってもよい。
また、本発明の製造装置によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとしては、上記「A.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法」の「6.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ」の項に記載したものと同様のものを用いることができるため、ここでの記載を省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
1.感光性樹脂層形成工程
透明基板として300mm×400mm、厚さ0.7mm、i線透過率91%のガラス基板(コーニング社製1317ガラス)を準備し、この基板を定法にしたがって洗浄した。この透明基板上に下記に示す成分組成に従って調製した透明樹脂を塗布し、減圧乾燥を行った。
(透明樹脂層形成用感光性樹脂組成物)
・メタクリル酸メチル−スチレン−アクリル酸共重合体 42重量部
・エピコート180s70(ジャパンエポキシレジン(株)) 18重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 32重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 8重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 300重量部
次に、80℃のホットプレート上にて180秒間加熱を行った後、プロキシミティ露光機(株式会社トプコン社製 TME-400R)にて所定のフォトマスクを用いて感光性樹脂層側から露光を行った。フォトマスクは石英ガラス製であり、表面の酸化クロム膜上に所定のパターンが描画してあるものを使用した。高圧水銀ランプを光源とし、条件は、露光量100mJ/cm2(波長365nm)とした。KOH系のアルカリ現像液を用いて現像を行い、200℃のオーブンにて30分焼成を行った。これにより、線幅40μm、膜厚3.0μmの透明樹脂層を形成した。
2.着色層形成工程
上記透明基板上に下記に示す成分組成に従って調製した緑色着色層樹脂組成物を塗布した。
(緑色着色層形成用感光性樹脂組成物)
・緑色顔料(アビシア社製 モナストラルグリーンθY−C) 4.2重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散材(ビックケミー社製 ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製SR399) 4.0重量部
・ポリマーII 5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 1.4重量部
・(2,2’ビス(o-クロロフェニル)-4,5,4',5'-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール) 0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.0重量部
次に、40℃のホットプレート上にて5分間加熱を行い、次いで、減圧乾燥を行った。その後、80℃のホットプレート上にて180秒間加熱(プリベーク)を行った後、プロキシミティ露光機にて所定のフォトマスクを用いて感光性樹脂層側から露光を行った。条件は、露光量100mJ/cm2(波長365nm)とした。KOH系のアルカリ現像液を用いて現像を行い、200℃のオーブンにて30分焼成を行った。
なお、得られた反射光用着色層の膜厚は、1.2μm、透過光用着色層の膜厚は2.1μmであった。また、透過光用領域の着色層の膜厚と、反射光用領域の着色層の膜厚との比(透過光用領域/反射光用領域)としては1.8であった。
[実施例2]
1.感光性樹脂層形成工程
実施例1と同様成分組成の透明樹脂層形成用感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の操作により、線幅40μm、膜厚3.0μmの透明樹脂層を形成した。
2.着色層形成工程
実施例1と同様成分組成の緑色着色層樹脂組成物を塗布し、次に、50℃のホットプレート上にて5分間加熱を行い、次いで、減圧乾燥を行った。その後、80℃のホットプレート上にて180秒間加熱(プリベーク)を行い、プロキシミティ露光機にて所定のフォトマスクを用いて感光性樹脂層側から露光を行った。条件は、露光量100mJ/cm2(波長365nm)とした。KOH系のアルカリ現像液を用いて現像を行い、200℃のオーブンにて30分焼成を行った。
なお、得られた反射光用着色層の膜厚は、1.1μm、透過光用着色層の膜厚は2.1μmであった。また、透過光用領域の着色層の膜厚と、反射光用領域の着色層の膜厚との比(透過光用領域/反射光用領域)としては1.9であった
[比較例1]
1.感光性樹脂層形成工程
実施例1と同様成分組成の透明樹脂層形成用感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の操作により、線幅40μm、膜厚3.0μmの透明樹脂層を形成した。
2.着色層形成工程
実施例1と同様成分組成の緑色着色層樹脂組成物を塗布し、その後、加熱せず常温で5分間静置した後、減圧乾燥を行った。その後、80℃のホットプレート上にて180秒間加熱(プリベーク)を行い、プロキシミティ露光機にて所定のフォトマスクを用いて感光性樹脂層側から露光を行った。条件は、露光量100mJ/cm2(波長365nm)とした。KOH系のアルカリ現像液を用いて現像を行い、200℃のオーブンにて30分焼成を行った。
なお、得られた反射光用着色層の膜厚は、1.6μm、透過光用着色層の膜厚は2.1μmであった。また、透過光用領域の着色層の膜厚と、反射光用領域の着色層の膜厚との比(透過光用領域/反射光用領域)としては1.3であった
以上、実施例1,2では、比較例1と比較して反射光用領域の着色層の薄膜化が可能となった。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置の一例を示す概略図である。 本発明に用いられる加熱手段の一例を示す概略図である。 本発明に用いられる加熱手段の他の例を示す概略図である。 一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1、101 … 透明基材
2、102 … 光路差調整部
3 … 赤色着色層形成用塗工液
4 … 赤色着色層形成用層
5R、5G、5B … 赤色着色パターン、緑色着色パターン、青色着色パターン
6、106 … 着色層
10、100 … 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ
20 … カラーフィルタ用基板
30 … フォトマスク
31 … 開口領域
32 … 遮光領域
40 … 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置
41 … 塗布手段
42 … 加熱手段
43 … 乾燥手段
44 … プリベーク手段
45 … 露光・現像手段
52 … ホットプレート

Claims (6)

  1. 透明基材と、透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、前記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、前記透明基材と、前記光路差調整部と、前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基材と、前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、
    前記透明基材と、前記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の前記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、
    前記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、前記透過光用領域内に流れ込ませるために、前記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱工程と、
    前記加熱工程後の前記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥工程と、
    前記乾燥工程によって形成された前記着色層形成用層を加熱するプリベーク工程と、
    を有し、
    前記加熱工程と前記乾燥工程とが別工程であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
  2. 前記加熱工程の前記着色層形成用塗工液を加熱する温度が、前記プリベーク工程において、前記着色層形成用層を加熱する温度よりも20℃〜100℃の範囲内で低いことを特徴とする請求項1に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
  3. 前記加熱工程が、前記着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を、ホットプレート上に静置することにより、前記着色層形成用塗工液を加熱することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
  4. 前記着色層形成用塗工液の25℃と、40℃とにおける粘度差が、0.2mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
  5. 透明基材と、前記透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、前記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、前記透明基材と、前記光路差調整部と、前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基材と、前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置であって、
    前記透明基材と、前記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の前記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布手段と、
    前記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、前記透過光用領域内に流れ込ませるために、前記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱手段と、
    前記加熱手段により加熱後の前記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥手段と、
    前記乾燥手段により形成された前記着色層形成用層を加熱するプリベーク手段とが、この順で連続して配置されており、
    前記加熱手段と前記乾燥手段とが別手段であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置。
  6. 前記加熱手段が、ホットプレートであることを特徴とする請求項5に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置。
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