JP5169466B2 - 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法およびその製造装置 - Google Patents
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Description
ここで、着色層の厚みを調整する方法としては、各色の着色パターンの厚い層および薄い層をそれぞれ形成する方法が用いられてきた。しかしながら、着色層を、一般的にカラーフィルタの着色層の形成に用いられるフォトリソグラフィー法を用いて形成した場合には、着色層が、赤、緑、青の3色の着色パターンを有する場合には、赤、緑、青の各色の着色パターンについて厚い層および薄い層を形成する必要があることから、露光・現像を6回行う必要があり、非常に生産性が低いものとなるといった問題点があった。
しかしながら、このようなハーフトーンマスクのみを用いて反射光領域の着色層の薄膜化を行う方法では、カラーフィルタの全面に均一な露光をすることが困難であることから、反射光用領域の着色層の厚みにバラツキを生じる恐れがあるといった問題があった。また、透過光用領域および反射光用領域の着色層の厚みの調整は可能であるものの、カラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合に、透過光用領域および反射光用領域における液晶層を通過する光路差の調整まではできないといった問題があった。
この方法によれば、液晶層を通過する光路差を調整することができ、さらに製造時において、着色層形成用塗工液のような液状物質は、非塗布先の表面の凹凸により、凸部表面上において薄く塗布され、凹部表面上において厚く塗布される性質を有するため、着色層形成用塗工液が、光路差調整部を覆うように透明基材上に塗布された場合には、反射光用領域である上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の膜厚は薄く、透過光用領域の着色層形成用塗工液の膜厚は厚いものとなる。このため、透過光用領域における着色層の厚みを厚く、反射光用領域における着色層の厚みを薄いものとすることができる。
しかしながら、このような方法では、上記透過光用領域および反射光用領域の膜厚の差を大きなものとすることが困難であり、このようなカラーフィルタを用いて液晶表示装置とした場合には、反射表示時の輝度が低いものとなってしまうといった問題があった。
上記加熱工程の上記着色層形成用塗工液を加熱する温度と、上記プリベーク工程において、上記着色層形成用層を加熱する温度との差が上記範囲より大きい、すなわち、上記加熱工程における加熱温度が、非常に低い温度であると、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に十分な量で流れ込ませることが困難となる可能性があるからであり、上記範囲より小さい、すなわち、上記加熱工程における加熱温度が、上記プリベーク工程における加熱温度に近い温度であると、本発明の製造方法によって製造される着色層に色ムラを生じる可能性があるからである。
上記加熱工程が、ホットプレートを用いて、上記着色層形成用塗工液を加熱することにより、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の上記透過光用領域への流れ込み量を増加させ、上記反射光用領域の薄膜化が可能となるからである。また、上記透過光用領域への流れ込み量の均一化および上記着色層形成用塗工液の厚みの均一化が容易であり、さらに上記加熱工程を簡便なものとすることができるからである。
以下、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法および半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置について詳細に説明する。
まず、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法について説明する。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、透明基材と、透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基材と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱工程と、上記加熱工程後の上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥工程と、上記乾燥工程によって形成された上記着色層形成用層を加熱するプリベーク工程とを有することを特徴とするものである。
ここで、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ10において、上記透明基材1と、上記光路差調整部2と、上記着色層6とが積層する領域が、反射光用領域(rで示される領域)であり、上記透明基材1と、上記着色層6とが積層する領域が、透過光用領域(tで示される領域)である。
ここで、上記加熱工程を、上記塗布工程と、上記乾燥工程との間に行うことにより、上述したような効果を発揮する理由としては、以下のように推測される。
また、上記塗布工程後のカラーフィルタ用基板を所定の時間静置することにより、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に流れ込ませる、いわゆる、引き置きを、上記塗布工程と、記乾燥工程との間であり、上記塗布工程によって塗布された上記着色層形成用塗工液が十分に溶剤を含み、粘度が低い状態のときに行うことにより、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域に効果的に流れ込ませることができ、上記反射光用領域および透過光用領域の着色層形成用塗工液の厚みの差を大きいものとすることができる。
さらに、このような引き置きを、上記反射光用領域、すなわち光路差調整部上の、着色層形成用塗工液の加熱を行いながら実施することにより、上記着色層形成用塗工液の粘度の低下を図ることができ、上記着色層形成用塗工液の、上記光路差調整部上から、上記透過光用領域への流れ込み量をより大きいものとすることができる。
本発明における塗布工程は、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する工程である。
本工程に用いられる着色層形成用塗工液は、後述するカラーフィルタ用基板の光路差調整部を覆うように塗布されるものであり、着色層用感光性樹脂組成物を含むものである。
緑(G)の着色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青(B)の着色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
このような溶剤としては、例えば酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルセルソルブ、3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
ここで、上記着色層形成用塗工液の25℃における粘度としては、具体的には、2.0mPa・s〜15.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、なかでも2.0mPa・s〜10.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に2.0mPa・s〜8.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。
また、上記着色層形成用塗工液の40℃における粘度としては、具体的には、1.5mPa・s〜13mPa・sの範囲内であることが好ましく、なかでも1.5mPa・s〜8.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に1.5mPa・s〜6.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。上記着色層形成用塗工液の各温度における粘度が上記範囲内であることにより、上記着色層形成用塗工液を温度変化に対する粘度変化の割合が大きいものとすることができる。このため、後述する加熱工程において、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量を十分大きなものとすることができるからである。
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板は、上記透明基材と、上記光路差調整部とを有するものであり、さらに本発明の製造方法によって製造される、上記透明基材と、上記透明基材上に形成され、上記透明樹脂からなる上記光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、上記着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有する半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層される領域に、反射光用領域を有し、上記透明基材と、上記着色層とが積層される領域に、透過光用領域を有するものである。
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板に含まれる光路差調整部は、上記カラーフィルタ用基板の反射光用領域にパターン状に形成され、透明樹脂からなるものである。
なお、光路差調整部の膜厚とは、後述する透明基材の表面から、垂直方向に、上記光路差調整部の頂点までの距離のうち、最も長い距離をいうものである。
本工程に用いられる透明基材は、上記光路差調整部を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではなく、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに用いられる透明基材と同様のものとすることができる。
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板は、上記透明基材および光路差調整部に加えて、通常、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの画素領域を区分けする遮光部を有するものである。
また、上記の場合であって、遮光部の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。この場合、黒色着色剤および感光性樹脂を含有する遮光部用感光性樹脂組成物には、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架
橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
本工程は、上記着色層形成用塗工液を、上記カラーフィルタ用基板の光路差調整部を覆うように塗布する工程である。
また、上記範囲より高い温度で塗布する場合には、均一塗布のために、塗布時の粘度を所定の範囲内にする必要がある。このため、上記着色層形成用塗工液の粘度は、同温度において、上記範囲内の温度で塗布する際に用いるものと比較し高いものとなる。その結果、本工程後に行なわれる加熱工程において、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量を十分に大きなものとすることが困難となるからである。また、流れ込み量を大きなものとするために、加熱工程における加熱温度を高温とした場合には、上記プリベーク工程における加熱温度に近いものとなり、着色層に色ムラを生じるおそれがあるからである。
本発明における加熱工程は、上記塗布工程において、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う工程であり、より具体的には、上記塗布工程後によって着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を所定の時間静置し、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記カラーフィルタ用基板の透過光用領域内に流れ込ませる、いわゆる、引き置きを、加熱しながら行う工程である。
本工程においては、なかでも、上記着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を、ホットプレート上に静置することにより、上記着色層形成用塗工液を加熱する方法が好ましい。ホットプレートを用いて、上記着色層形成用塗工液を加熱することにより、上記光路差調整部上の上記着色層形成用塗工液の、上記透過光用領域への流れ込み量の均一化および上記着色層形成用塗工液の厚みの均一化が容易であるからである。また、本工程を簡便なものとすることができるからである。
なお、上記着色層形成用塗工液を加熱する温度とは、本工程を実施することにより到達した、上記着色層形成用塗工液全体の平均温度をいうものであり、上記着色層形成用塗工液を加熱する装置の温度ではない。
このような加熱時間としては、加熱方法によって異なるものであるが、具体的には、1.0分〜15.0分の範囲内であることが好ましく、なかでも1.0分〜10.0分の範囲内であることが好ましく、特に3.0分〜8.0分の範囲内であることが好ましい。上記範囲より短いと所望の温度に加熱することが困難である可能性があるからであり、上記範囲より長くても効果が変わらず生産性が低下する恐れがあるからである。
本発明における乾燥工程は、上記加熱工程後の上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤を減圧乾燥により除去し、着色層形成用層を形成する工程である。
また、必要に応じて、減圧乾燥前に、上記着色層形成用塗工液の予備加熱を行うものであっても良い。
本発明におけるプリベーク工程は、上記乾燥工程によって形成されたカラーフィルタ用基板上の着色層形成用層を、加熱することにより、上記着色層形成用層を固化する工程である。
なお、上記着色層形成用層を加熱する温度とは、本工程を実施することにより到達した、上記着色層形成用層全体の平均温度をいうものであり、上記着色層形成用層を加熱する装置の温度ではない。
また、上記透過光用領域の着色層形成用層の膜厚が0.5μm〜8.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも1.0μm〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、透過光用領域の着色層と、反射光用領域の着色層との膜厚の差が大きなものとすることができるからである。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、少なくとも、上記塗布工程、加熱工程、乾燥工程、およびプリベーク工程を、この順で実施するものであるが、通常、これらの工程の後に上記カラーフィルタ用基板上に形成された着色層形成用層を、パターン状に露光し、現像することにより、パターン状の着色層を形成する露光・現像工程を有するものである。
また、本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの着色層が2色以上の着色パターンによって形成されるものである場合には、各色の着色パターン毎に、上述した塗布工程、加熱工程、乾燥工程、プリベーク工程、露光・現像工程をこの順で行うものである。
また、必要に応じて、露光時のマスクとして、透過度の異なる領域を有するハーフトーンマスクを用いて、上記反射光用領域の着色層および透過光用領域の着色層の厚みの差をさらに大きなものとしても良い。
本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、透明基材と、上記透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基材と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いるものである。
本発明の製造方法によって製造される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの、上記反射光用領域の着色層の膜厚および透過光用領域の着色層の膜厚としては、上記反射光用領域の着色層の膜厚が、0.1μm〜1.6μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.2μm〜1.2μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記透過光用領域の着色層の膜厚が、0.5μm〜6.5μmの範囲内であることが好ましく、なかでも1.0μm〜4.0μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを、半透過型液晶表示装置に用いた場合に、反射表示時の輝度が高いものとすることができるからである。
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置について説明する。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、上記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、上記透明基材と、上記光路差調整部と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基材と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置であって、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布手段と、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱手段と、上記加熱手段により加熱後の上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥手段と、上記乾燥手段により形成された上記着色層形成用層を加熱するプリベーク手段とが、この順で連続して配置されていることを特徴とするものである。
以下、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置の各構成を説明する。
本発明に用いられる塗布手段は、上記透明基材と、上記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の上記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布するものである。
本発明に用いられる加熱手段は、上記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を上記透過光用領域内に流れ込ませるために、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行うものである。
上記加熱手段が、ホットプレートを複数枚有するものである場合の具体例としては、図3に例示するように、高さ方向に多段に積み上げられ、平面視上重なるように配置されたホットプレート52からなるものを挙げることができる。この場合、上記塗布手段によって着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を把持し、上下に移動させることができ、さらにホットプレート52上に、上記カラーフィルタ用基板を配置させることができるハンドリングロボット47によって、上記ホットプレート52上に上記カラーフィルタ用基板20を静置し、上記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う。
なお、上記ホットプレートは、所定の位置に固定されたものであっても良く、移動可能なものであっても良い。
本発明に用いられる乾燥手段は、上記加熱手段により加熱後の上記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、上記着色層形成用塗工液に含まれる溶剤の除去を行い、着色層形成用層を形成するものである。
本発明におけるプリベーク手段は、上記乾燥手段により形成された上記着色層形成用層を加熱することにより、上記着色層形成用層を固化するものである。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置は、上記塗布手段、加熱手段、乾燥手段、およびプリベーク手段を少なくとも有するものであるが、通常、上記プリベーク手段後のカラーフィルタ用基板の着色層形成用層をパターン状に露光し、現像し、パターン状の着色層を形成する露光・現像手段を有するものである。
[実施例1]
1.感光性樹脂層形成工程
透明基板として300mm×400mm、厚さ0.7mm、i線透過率91%のガラス基板(コーニング社製1317ガラス)を準備し、この基板を定法にしたがって洗浄した。この透明基板上に下記に示す成分組成に従って調製した透明樹脂を塗布し、減圧乾燥を行った。
・メタクリル酸メチル−スチレン−アクリル酸共重合体 42重量部
・エピコート180s70(ジャパンエポキシレジン(株)) 18重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 32重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 8重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 300重量部
上記透明基板上に下記に示す成分組成に従って調製した緑色着色層樹脂組成物を塗布した。
・緑色顔料(アビシア社製 モナストラルグリーンθY−C) 4.2重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散材(ビックケミー社製 ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製SR399) 4.0重量部
・ポリマーII 5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 1.4重量部
・(2,2’ビス(o-クロロフェニル)-4,5,4',5'-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール) 0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.0重量部
なお、得られた反射光用着色層の膜厚は、1.2μm、透過光用着色層の膜厚は2.1μmであった。また、透過光用領域の着色層の膜厚と、反射光用領域の着色層の膜厚との比(透過光用領域/反射光用領域)としては1.8であった。
1.感光性樹脂層形成工程
実施例1と同様成分組成の透明樹脂層形成用感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の操作により、線幅40μm、膜厚3.0μmの透明樹脂層を形成した。
実施例1と同様成分組成の緑色着色層樹脂組成物を塗布し、次に、50℃のホットプレート上にて5分間加熱を行い、次いで、減圧乾燥を行った。その後、80℃のホットプレート上にて180秒間加熱(プリベーク)を行い、プロキシミティ露光機にて所定のフォトマスクを用いて感光性樹脂層側から露光を行った。条件は、露光量100mJ/cm2(波長365nm)とした。KOH系のアルカリ現像液を用いて現像を行い、200℃のオーブンにて30分焼成を行った。
なお、得られた反射光用着色層の膜厚は、1.1μm、透過光用着色層の膜厚は2.1μmであった。また、透過光用領域の着色層の膜厚と、反射光用領域の着色層の膜厚との比(透過光用領域/反射光用領域)としては1.9であった
1.感光性樹脂層形成工程
実施例1と同様成分組成の透明樹脂層形成用感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の操作により、線幅40μm、膜厚3.0μmの透明樹脂層を形成した。
実施例1と同様成分組成の緑色着色層樹脂組成物を塗布し、その後、加熱せず常温で5分間静置した後、減圧乾燥を行った。その後、80℃のホットプレート上にて180秒間加熱(プリベーク)を行い、プロキシミティ露光機にて所定のフォトマスクを用いて感光性樹脂層側から露光を行った。条件は、露光量100mJ/cm2(波長365nm)とした。KOH系のアルカリ現像液を用いて現像を行い、200℃のオーブンにて30分焼成を行った。
なお、得られた反射光用着色層の膜厚は、1.6μm、透過光用着色層の膜厚は2.1μmであった。また、透過光用領域の着色層の膜厚と、反射光用領域の着色層の膜厚との比(透過光用領域/反射光用領域)としては1.3であった
2、102 … 光路差調整部
3 … 赤色着色層形成用塗工液
4 … 赤色着色層形成用層
5R、5G、5B … 赤色着色パターン、緑色着色パターン、青色着色パターン
6、106 … 着色層
10、100 … 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ
20 … カラーフィルタ用基板
30 … フォトマスク
31 … 開口領域
32 … 遮光領域
40 … 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置
41 … 塗布手段
42 … 加熱手段
43 … 乾燥手段
44 … プリベーク手段
45 … 露光・現像手段
52 … ホットプレート
Claims (6)
- 透明基材と、透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、前記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、前記透明基材と、前記光路差調整部と、前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基材と、前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、
前記透明基材と、前記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の前記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、
前記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、前記透過光用領域内に流れ込ませるために、前記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱工程と、
前記加熱工程後の前記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥工程と、
前記乾燥工程によって形成された前記着色層形成用層を加熱するプリベーク工程と、
を有し、
前記加熱工程と前記乾燥工程とが別工程であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。 - 前記加熱工程の前記着色層形成用塗工液を加熱する温度が、前記プリベーク工程において、前記着色層形成用層を加熱する温度よりも20℃〜100℃の範囲内で低いことを特徴とする請求項1に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 前記加熱工程が、前記着色層形成用塗工液が塗布されたカラーフィルタ用基板を、ホットプレート上に静置することにより、前記着色層形成用塗工液を加熱することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 前記着色層形成用塗工液の25℃と、40℃とにおける粘度差が、0.2mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 透明基材と、前記透明基材上に形成され、透明樹脂からなる光路差調整部と、前記光路差調整部を覆うように形成され、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層とを有し、前記透明基材と、前記光路差調整部と、前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基材と、前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置であって、
前記透明基材と、前記透明基材上に形成された光路差調整部とを有するカラーフィルタ用基板の前記光路差調整部を覆うように、着色層用感光性樹脂組成物を含む着色層形成用塗工液を塗布する塗布手段と、
前記光路差調整部上に塗布された着色層形成用塗工液を、前記透過光用領域内に流れ込ませるために、前記光路差調整部上の着色層形成用塗工液の加熱を行う加熱手段と、
前記加熱手段により加熱後の前記着色層形成用塗工液を減圧乾燥し、着色層形成用層を形成する乾燥手段と、
前記乾燥手段により形成された前記着色層形成用層を加熱するプリベーク手段とが、この順で連続して配置されており、
前記加熱手段と前記乾燥手段とが別手段であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置。 - 前記加熱手段が、ホットプレートであることを特徴とする請求項5に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造装置。
Priority Applications (1)
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