JP5168164B2 - 電波修正時計およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、時刻情報を有する標準電波を受信し、受信した標準電波に基づいて時刻を修正する電波修正時計、およびその制御方法に関する。
従来、標準電波を受信可能な電波修正時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、1Hzの矩形波パルスからなる日本の標準電波であるJJY(登録商標)を受信する際に、Hレベルの信号が0.5秒のパルス幅である「1」、0.8秒のパルス幅である「0」、0.2秒のパルス幅である「P(ポジションマーカ)」である特徴を考慮し、いずれの信号でも共通してHレベルとなる最初の0.2秒や、共通してLレベルとなる最後の0.2秒の時間を除いてサンプリングを行うことが開示されている。
この特許文献1では、各信号で信号レベルが相違する部分のみをサンプリングして判断するため、共通する部分にノイズなどが混入していてもその影響を排除することができる。
特開平10−82874号公報
しかしながら、特許文献1は、パルスを検出する期間を調整しているだけであるため、例えば、受信信号レベルが低い場合のようにS/N比が小さい場合には、十分な受信性能が得られないという問題があった。
一方、このようなS/N比が小さい場合にも標準電波を受信できるように、受信回路の動作電力を増やしてS/N比を向上させることも考えられる。
しかしながら、動作電流を増加すれば消費電流も増加し、特に電池容量が小さい腕時計においては持続時間が短くなってしまうという問題があった。
本発明の目的は、上記問題点を解決するものであり、受信性能を向上できると共に、消費電力の増加を最小限に抑えることができ、腕時計にも適用可能な電波修正時計および電波修正時計の制御方法を提供することにある。
本発明の電波修正時計は、タイムコードが重畳された標準電波を受信して内部時刻データを修正する電波修正時計であって、前記標準電波を受信する受信部と、前記受信部を制御する制御部とを備え、前記受信部は、前記標準電波の受信信号を増幅する増幅回路と、増幅した受信信号を二値化してタイムコードを得る二値化回路とを備え、前記制御部は、前記受信部の受信モードを、通常受信モード、および、前記通常受信モードよりも受信性能を向上させる高感度受信モードのいずれかに設定可能に構成され、前記標準電波のタイムコードと少なくとも秒同期を確立した後において、前記標準電波のタイムコードに基づいて設定される所定期間は、受信モードを高感度受信モードに設定し、その他の期間は、受信モードを通常受信モードに設定することを特徴とする。
本発明では、制御部は、前記受信部の受信モードを、通常受信モードおよび高感度受信モードに選択できる。そして、標準電波のタイムコードと少なくとも秒同期を確立した後、制御部は、標準電波のタイムコードに基づいて設定される所定期間は高感度受信モードとし、その他の期間は通常受信モードとしたので、受信性能を向上させる必要がある期間のみ高感度受信モードとすることができる。このため、消費電流が増大する高感度受信モードの使用を最小限に抑えることができ、受信性能を向上させながら、消費電流の増加も最小限に抑えることができる。特に、本発明では、標準電波における1分間のタイムコードに秒同期した所定タイミングで所定期間のみ高感度受信モードにできるため、高感度受信モードが必要となる最小限の期間のみを高感度受信モードにできる。従って、消費電力の増加を最小限に抑えて効率的に受信性能を向上させることができる。
このため、特に、電池容量の小さな腕時計において、持続時間を長くでき、利便性を向上できる。
なお、標準電波のタイムコードと秒同期を確立するとは、受信処理を行う際に、標準電波の1秒毎のパルスに同期することを意味する。
本発明において、前記所定期間は、前記タイムコードの各時刻情報単位において、前回の受信時に誤りがあった時刻情報単位を受信する期間であることが好ましい。
ここで、時刻情報単位とは、タイムコードに含まれる「時」、「分」、「日(通算日等)」、年、曜等の時刻に関する各情報単位を意味する。
本発明の制御部は、前回の受信時に誤りがあった時刻情報単位を受信する前記所定期間は、高感度受信モードに設定して受信処理を行うため、正しい時刻情報を受信することができるようになる。
すなわち、受信環境が悪いなどで実際に受信エラーがあった時刻情報単位を再度受信する場合に高感度受信モードを使用しているので、前回受信できなかった時刻情報単位のデータの受信に成功する確率を向上できる。また、受信エラーが生じていない時刻情報単位を受信する場合は通常受信モードで受信処理を行うため、消費電流が増大する高感度受信モードの使用を最小限に抑えることができる。従って、本発明では、受信性能を向上させながら、消費電流の増加も最小限に抑えることができる。
なお、タイムコードにパリティが設けられていない時刻情報単位を受信する場合は、前回受信に成功していても、それ以前の受信時に失敗していた場合には、高感度受信モードを使用してもよい。
すなわち、パリティが設けられている時刻情報単位は、パリティを利用した誤り検出によって受信データに誤りがあるか否かを容易に判断できる。一方、パリティが設けられていない時刻情報単位は、受信データに誤りがあるか否かは、例えば、そのデータが実際には存在しないデータ(年初からの通算日が370等あり得ないデータ)であるのか否かで判断する必要がある。このため、取得した通算日が1日ずれていた場合等では誤りを検出できない可能性もある。このため、パリティが設けられていない時刻情報単位は、パリティが有る時刻情報単位に比べて、より正確なデータを受信する必要がある。そこで、1回の受信処理時に複数のタイムコードを受信する際、パリティが無い時刻情報単位は、1度でも受信に失敗したときには高感度受信モードにすることで、それ以降は正しいデータを受信できる確率を向上でき、誤ったデータを受信する可能性が低減するため、受信性能も向上できる。
本発明において、前記所定期間は、前記標準電波の各ビットのパルス幅に応じて予め設定された検出期間であることが好ましい。
ここで、標準電波は、1周期(1サイクル)が60秒(60ビット)のタイムコードが繰り返し送信されている。各ビットのパルス幅は、通常、「1」、「0」、「P」の3種類のデータに合わせて設定されている。例えば、日本の標準電波であれば、二進法の「1」を表すパルス幅は0.5秒とされ、二進法の「0」を表すパルス幅は0.8秒とされ、マーカーおよびポジションマーカを示すパルス幅は0.2秒とされている。
従って、日本の標準電波を受信する場合で説明すれば、前記標準電波の各ビットのデータは1秒間隔で送信されており、各ビットのパルス幅に応じて予め設定された検出期間は、各ビットのデータパルスの立ち上がりを検出する期間と、データパルスの立ち下がりを検出する期間、具体的にはパルス立ち上がりから0.2秒経過時、0.5秒経過時、0.8秒経過時を基準に設定される期間とを意味する。そして、これらの検出期間が、前記標準電波のタイムコードに基づいて設定される所定期間となる。
本発明では、制御部は、前記パルスの立ち上がりや、立ち下がりが生じるタイミングに合わせて設定された期間のみ高感度受信モードとしているので、消費電流が増大する高感度受信モードの使用を最小限に抑えることができるともに、各パルスの変化を確実に検出して正しいデータを取得することができる。
本発明において、前記所定期間は、前記標準電波の各ビットのパルス幅が、予め設定されたパルス幅以下のパルスを受信する期間であることが好ましい。
ここで、前記予め設定されたパルス幅とは、パルス幅が狭く高感度受信モードにしないと受信が困難となるパルス幅を基準に設定すればよい。例えば、パルス幅が0.2秒以下のパルスを受信する期間を高感度受信モードに設定すればよい。
また、予め設定されたパルス幅以下のパルスを受信する期間とは、例えばマーカーのように、予め決められたタイミングで受信するパルスが、前記パルス幅以下に設定されている場合には、そのマーカーが送信される期間である。さらに、ドイツの標準電波のように、「1」、「0」のデータを示すパルス幅が、0.2秒幅、0.1秒幅と狭い場合には、これらのデータを受信する期間が、予め設定されたパルス幅以下のパルスを受信する期間となる。従って、これらの各受信期間は、前記標準電波のタイムコードに基づいて設定される所定期間となる。
本発明では、制御部は、予めパルス幅の狭いパルスを受信することが分かっている期間は高感度受信モードに設定しているので、通常受信モードでは受信が難しいパルス幅の狭いパルスを確実に取得することができ、その分、受信性能を向上できる。
また、高感度受信モードに設定するのは、予めパルス幅の狭いパルスを受信することが分かっている期間のみであるため、消費電流の増加を抑えることができる。
本発明において、前記制御部は、受信モードが高感度受信モードに設定された場合に、前記受信部の動作電圧を、通常受信モードに設定された場合よりも高くして受信性能を向上させることが好ましい。
具体的には、受信部に印加する電圧を複数段階に切替可能な電圧回路を設け、高感度受信モードを選択する場合には、通常受信モード時に比べて電圧回路の出力電圧を高くすればよい。例えば、通常受信モード時には1.5Vで受信部を駆動し、高感度受信モード時には2.4Vで受信部を駆動すればよい。
本発明では、高感度受信モード時には、受信部の動作電圧を高くしているので、ダイナミックレンジを広くでき、受信部のS/N比を向上できる。また、既存の受信部に出力電圧を変更可能な電圧回路を組み込めばよいため、受信回路の大幅な変更を行う必要が無く、実現しやすい利点がある。
本発明において、前記制御部は、受信モードが高感度受信モードに設定された場合に、前記受信部の動作電流を、通常受信モードに設定された場合よりも高くして受信性能を向上させるものでもよい。
本発明では、高感度受信モード時には、通常受信モード時に比べて、受信部の動作電流を増やしているので、トランジスタの熱雑音を減らすことができ、受信部のS/N比を改善できる。
この際、前記制御部は、受信モードが高感度受信モードに設定された場合に、前記受信部の増幅回路の動作電流のみを、通常受信モードに設定された場合よりも高くして受信性能を向上させることが好ましい。
本発明では、増幅回路のみの電流を増やしているので、高感度受信モードの際の電流増加を最小限に抑えることができるとともに、受信部のS/N比を効果的に改善できる。
本発明は、タイムコードが重畳された標準電波を受信して内部時刻データを修正する電波修正時計の制御方法であって、前記標準電波を受信する受信部と、前記受信部を制御する制御部とを備え、前記受信部は、前記標準電波の受信信号を増幅する増幅回路と、増幅した受信信号を二値化してタイムコードを得る二値化回路とを備え、前記標準電波のタイムコードと少なくとも秒同期を確立した後において、前記標準電波のタイムコードに基づいて設定される所定期間は、前記受信部の受信モードを通常受信モードよりも受信性能を向上させる高感度受信モードに設定し、その他の期間は、受信モードを通常受信モードに設定することを特徴とする。
本発明においても、前記電波修正時計と同じ作用効果を奏することができる。
第1実施形態に係る電波修正時計の構成を示すブロック図である。 日本における標準電波「JJY」のタイムコードフォーマットを説明する図である。 第1増幅回路の構成を示す回路図である。 日本における標準電波「JJY」の各信号のパルス幅を示す図である。 ドイツにおける標準電波「DCF77」の各信号のパルス幅を示す図である。 記憶部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の電波受信動作を示すフローチャートである。 第1実施形態の電波受信動作を示すフローチャートである。 第1実施形態の電波受信動作を説明する説明図である。 第2実施形態の電波受信動作を示すフローチャートである。 第2実施形態の電波受信動作を示すフローチャートである。 第2実施形態のパルス検出期間を説明するタイミングチャートである。 第3実施形態の受信モードの設定を示すタイミングチャートである。 送信信号、包絡線検波後の信号、TCOの信号波形を示す図である。 第4実施形態に係る電波修正時計の構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係る電波修正時計の構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係るサンプリング状態を説明する説明図である。 変形例のパルス検出期間を説明するタイミングチャートである。 変形例の電波受信動作を示すフローチャートである。 変形例の高感度受信モードの動作を示すフローチャートである。
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態に係る電波修正時計1を図面に基づいて説明する。
[電波修正時計1の構成]
電波修正時計1は、図1に示すように、受信手段としてのアンテナ2と、受信回路部3と、制御回路部4と、表示部5と、外部操作部材6と、水晶振動子48とを備えている。
アンテナ2は、長波標準電波(以下、「標準電波」と称す)を受信し、受信した標準電波を受信回路部3に出力する。
受信回路部3は、アンテナ2にて受信した標準電波の受信信号を復調して、TCO(Time Code Out:タイムコード出力)として制御回路部4に出力する。なお、受信回路部3の詳細な説明は、後述する。
制御回路部4は、入力されたTCOをデコードして時刻データを生成し、生成した時刻データに基づいて時刻カウンタ43の時刻を設定する。また、制御回路部4は、時刻カウンタ43の時刻を表示部5に表示させる制御をする。さらに、制御回路部4は、受信回路部3に制御信号を出力する。なお、制御回路部4の詳細な説明は、後述する。
表示部5は、制御回路部4の駆動回路部46により駆動制御され、時刻カウンタ43でカウントされる時刻を表示させる。この表示部5としては、例えば液晶パネルを備え、液晶パネルに時刻を表示させる構成であってもよく、文字板および指針を備え、制御回路部4により指針を運針させて時刻を表示させる構成であってもよい。
外部操作部材6は、例えばリューズや設定ボタンなどにより構成され、利用者により操作されることで制御回路部4に所定の操作信号を出力する。この操作信号としては、例えば、アンテナ2で受信される標準電波の種類(例えば、日本におけるJJY、アメリカ合衆国におけるWWVB、ドイツにおけるDCF77など)を設定する信号や、標準電波を受信して時刻を修正させる手動受信処理を要求する信号などが挙げられる。
基準クロック用の水晶振動子48は、所定のクロック信号、例えば時刻をカウントするための1Hzの基準信号や、制御部47を動作するための32kHzのクロック信号等を出力するものであり、この水晶振動子48から出力されたクロック信号が制御回路部4に入力されている。
[受信回路部の構成]
受信回路部3は、図1に示すように、同調回路31と、第1増幅回路32と、バンドパスフィルタ(Band-pass filter,以下、「BPF」と略す場合がある)33と、第2増幅回路34と、包絡線検波回路35と、AGC(Auto Gain Control)回路36と、二値化回路37と、デコード回路39とを備えて構成されている。この受信回路部3のうち、デコード回路39を除く、同調回路31から二値化回路37により、本発明の受信部3Aが構成されている。
同調回路31は、コンデンサを備えて構成され、当該同調回路31とアンテナ2とにより並列共振回路が構成される。この同調回路31は、特定の周波数の電波をアンテナ2で受信させる。この同調回路31により、アンテナ2で受信された標準電波が電圧信号に変換され、第1増幅回路32に出力される。なお、本実施形態の受信回路部3では、日本の標準電波「JJY」の他、アメリカ合衆国の標準電波「WWVB」、ドイツの標準電波「DCF77」、イギリスの標準電波「MSF」、中華人民共和国の標準電波「BPC」などの各地域における標準電波を受信可能に構成されている。
ここで、時刻情報(タイムコード)は、各国毎に所定の時刻情報フォーマット(タイムコードフォーマット)に合わせて構成されている。
すなわち、図2に示す日本の標準電波(JJY)のタイムコードフォーマットでは、1秒ごとに一つの信号が送信され、60秒で1レコードとして構成されている。つまり、1フレームが60ビットのデータである。また、データ項目として現時刻の分、時、現在年の1月1日からの通算日、年(西暦下2桁)、曜日および「うるう秒」が含まれている。各項目の値は、各秒毎に割り当てられた数値の組み合わせによって構成され、この組み合わせのON、OFFが信号の種類から判断される。なお、図2中「M」で示されるのは正分(毎分0秒)に対応するマーカーであり、「P1〜P5、P0」で示されるのはポジションマーカーであり、予めその位置が定められている信号である。また、パルス幅の狭いパルスであるM(マーカー)およびP(ポジションマーカー)は、0秒、9秒、19秒、29秒、39秒、49秒、59秒のタイミングで送信される。なお、マーカーを示す信号は、約0.2秒のパルス幅の信号であり、各項目においてON(2進の1)を表す信号は約0.5秒のパルス幅の信号、OFF(2進の0)を表す信号は約0.8秒のパルス幅の信号である。
なお、長波標準電波(JJY)は、日本では、40kHz(東日本)と60kHz(西日本)で送信が行われているが、各電波のタイムコードフォーマットは同じである。
なお、図示を省略するが、ドイツの標準電波(DCF77)のタイムコードフォーマットでは、分、時、日、曜、月、年の各データ項目が設定されている。また、15秒目まではデータが存在せず、このため、各ポジションマーカP1,P2,P3やマーカーMの位置も図2のJJYとは異なっている。さらに、各時刻項目の前に、「R:予備アンテナ使用」、「A1:通常時間と夏時間の変更予告」、「Z1,Z2:通常時間と夏時間の表示」、「A2:うるう秒の表示」、「S:時間コードの開始ビット」等の項目が設定されている。
また、図示を省略するが、アメリカの標準電波(WWVB)のタイムコードフォーマットでは、分、時、日、年の各データ項目が設定されている。WWVBは、周波数は60kHzで西日本のJJYと同じであるが、年情報の位置等がJJYと異なっており、データを解析することでJJYおよびWWVBを区別することができる。
さらに、図示を省略するが、イギリスの標準電波(MSF)のタイムコードフォーマットや中華人民共和国の標準電波「BPC」も、他の国のものと異なっており、受信した時刻情報(タイムコード)のフォーマット(データ)によりその標準電波がどの出力局のものかを判別することができる。
第1増幅回路32は、後述するAGC回路36から入力する信号に応じてゲインを調整可能に構成されているとともに、デコード回路39から入力する信号に応じて通常受信モードおよび高感度受信モードを選択できるように構成されている。
この第1増幅回路32としては、従来から知られている各種の増幅回路を利用できるが、本実施形態では、図3に示すような差動増幅回路を用いている。
第1増幅回路32は、3段の差動増幅回路320を備えている。各差動増幅回路320は、2つのトランジスタ321と、各トランジスタ321のエミッタに接続された定電流源322と、各トランジスタ321のコレクタに接続されたコレクタ抵抗323とを備える一般的な差動増幅回路である。
ここで、定電流源322は、電流値を複数レベルに切り替え可能に構成されている。そして、第1増幅回路32は、デコード回路39からの信号によって高感度受信モードが選択された場合には、通常受信モードが選択された場合に比べて、前記定電流源322の電流値を高くして第1増幅回路32に流れる電流値を増やしている。
すなわち、第1増幅回路32において、動作電流を増加させると、トランジスタ321の熱雑音を減らすことができ、受信部3AのS/N比を改善することができるため、高感度受信モードに設定することができる。
なお、第1増幅回路32において、動作電流を大きくすると、増幅率(ゲイン)が変わって受信信号の振幅も変わってしまう。このため、AGC回路36の応答が追いつくまでは二値化回路37で誤った二値化処理を行ってしまう可能性がある。このため、定電流源322により動作電流を変更した場合には、増幅率が変わらないように、連動して、負荷抵抗(コレクタ抵抗323)の抵抗値を減らすなどの制御を行う必要がある。
このように、本実施形態の高感度受信モードでは、第1増幅回路32のみ電流を増やすので、高感度受信モードを選択した際の電流増加は最小限に抑えることができるとともに、受信感度向上の効果は大きくできる。
そして、ゲインを調整された第1増幅回路32は、同調回路31から入力する受信信号を一定の振幅としてBPF33に入力するように増幅する。すなわち、第1増幅回路32は、AGC回路36から入力する信号に応じて、振幅が大きい場合にはゲインを低くし、振幅が小さい場合にはゲインを高くして、受信信号を一定の振幅となるように増幅する。
BPF33は、所望の周波数帯の信号を抽出するフィルタである。すなわち、BPF33を介することにより、第1増幅回路32から入力した受信信号から搬送波成分以外が除去される。
第2増幅回路34は、BPF33から入力する受信信号を、固定のゲインでさらに増幅する。
包絡線検波回路35は、図示しない整流器と、図示しないローパスフィルタ(Low-PassFilter,LPF)とを備えて構成され、第2増幅回路34から入力した受信信号を整流およびろ波し、ろ波して得られた包絡線信号を、AGC回路36および二値化回路37に出力する。
AGC回路36は、包絡線検波回路35から入力した受信信号に基づいて、第1増幅回路32にて受信信号を増幅する際のゲインを決定する信号を出力する。
二値化回路37は、二値化コンパレータで構成され、包絡線検波回路35から入力する包絡線信号を、所定の閾値(基準電圧)と比較して二値化し、この二値化信号すなわちTCO信号を出力する。
具体的に、二値化回路37は、包絡線信号の電圧が基準電圧を上回っている場合にはHighレベル(ハイレベル)の電圧を有する信号を、また、包絡線信号の電圧が基準電圧を下回っている場合には、Highレベルの信号より電圧値の低いLowレベル(ローレベル)の信号を、TCO信号として、制御回路部4の制御部47に出力する。なお、包絡線信号の電圧が基準電圧を上回っている場合にはLowレベルを、包絡線信号の電圧が基準電圧を下回っている場合にはHighレベルの信号を、TCO信号として、制御部47に出力するように構成することも可能である。
デコード回路39は、後述する制御回路部4と、シリアル通信線SLを介して接続されている。そして、このデコード回路39は、制御回路部4から入力する制御信号およびクロック信号をデコードし、受信部3Aのパワーオン・オフ制御と、第1増幅回路32の動作を、通常受信モードおよび高感度受信モードのいずれかに選択する制御とを行う。
[制御回路部の構成]
制御回路部4は、前述のように、受信回路部3の動作を制御するものであり、具体的に、受信回路部3のデコード回路39に対して、受信回路部3のパワーオン・オフ制御と、第1増幅回路32の受信モードの選択制御とを行う制御信号を出力する。また制御回路部4は、二値化回路37から入力するTCO信号をデコードして、デコードされて生成した時刻データに基づいて、時刻カウンタ43の時刻を設定する。さらには、制御回路部4は、時刻カウンタ43の時刻を表示部5に表示させる制御をする。
この制御回路部4は、図1に示すように、記憶部42と、時刻カウンタ43と、駆動回路部46と、制御部47とを備えて構成されている。なお、制御部47は、タイムコードデコード手段としてのTCOデコード部41を備え、かつ、前記水晶振動子48から出力されたクロック信号が入力されている。
制御部47のTCOデコード部41は、受信回路部3の二値化回路37から入力するTCO信号をデコードして、当該TCO信号に含まれる日付情報および時刻情報等を有する時刻データを取り出している。
具体的には、TCOデコード部41は、TCO信号の波形を認識し、所定のパルス幅(例えば1Hz)に対する受信パルスデューティを計測する。そして、この受信パルスデューティの違いによりTCO信号からTCを認識する。例えば、日本国内において用いられる標準電波(JJY)では、図4に示すように、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.5秒である場合(つまり、デューティが50%である場合)、「1」の信号(1信号)を認識する。また、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒である場合(つまり、デューティが80%である場合)、「0」の信号(0信号)を認識する。1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.2秒である場合(つまり、デューティが20%である場合)、「P」信号(P信号)を認識する。そして、TCOデコード部41は、これら認識した1信号、0信号、およびP信号の並びにより所定の時刻データを取り出す。
なお、上記において、JJYにおけるTCの認識を例示したが、受信された標準電波が他の種類である場合、それぞれの電波に対応するデューティにより、TCを認識する。例えば、アメリカ合衆国における標準電波(WWVB)では、図示を略すが、デューティが50%である場合1信号、デューティが20%である場合0信号、デューティが80%である場合P信号を認識する。また、ドイツにおける標準電波(DCF77)では、図5に示すように、デューティが80%である場合1信号、デューティが90%である場合0信号を認識し、イギリスにおける標準電波(MSF)では、図示を略すが、デューティが80%である場合1信号、デューティが90%である場合0信号、デューティが50%である場合P信号を認識する。
記憶部42は、制御回路部4による受信回路部3の制御等に必要な各種データやプログラム等を記憶するメモリである。このような記憶部42は、電波修正時計1の製造時に設定され、受信回路部3で受信する標準電波に関する電波データが記録される電波データテーブルを記憶している。
この電波データテーブルは、電波種類データと、電波種類毎のタイムコードフォーマットとが関連付けられて構成される電波データを1つのレコードとし、これらの電波データを複数記録するテーブル構造に構築されている。
ここで、電波種類データは、受信回路部3にて受信される標準電波の種類に関する情報であり、例えば、JJY、WWVB、DCF77、MSFなどが記録されている。
タイムコードフォーマットは、電波種類データにて特定される標準電波に含まれるTC(タイムコード)のフォーマット、つまり、年月日時分の各データがどのような順番やサイズで記憶されているかが記録されている。
また、記憶部42には、図6に示すように、受信した時刻情報データ421が記憶されている。本実施形態では、最大7回の受信時刻情報データを記憶可能に構成されている。ここで、記憶部42に記憶された各受信時刻情報データ421は、分、時、日、年、曜の各時刻情報単位のデータを含んでいる。
なお、標準電波は1分毎で時刻データを送信しているため、最大7分の受信を行えば、7回分の時刻情報データ421を取得できる。この際、各時刻情報データ421は、1分ずつ異なる時刻データとなる。従って、各受信時刻情報データ421に1分を加算した時刻データが、次に受信した受信時刻情報データ421と一致すれば、正しい時刻データを受信できていると推定できる。
時刻カウンタ43は、水晶振動子48から出力される基準信号に基づいて、時間をカウントするものであり、内部時刻データ用の時刻カウンタと、時計表示時刻データ用の時刻カウンタとを備えている。
具体的には、各カウンタは、それぞれ、秒をカウントする秒カウンタ、分をカウントする分カウンタ、時をカウントする時カウンタを備えている。
秒カウンタは、例えば水晶振動子48から1Hzの基準信号が出力されている場合、その信号を60カウントつまり60秒でループするカウンタである。分カウンタは、1Hzの基準信号を60回計数したところで1カウントし、60カウント、すなわち60分でループするカウントである。時カウンタは、1Hzの基準信号を3600回計数したところで1カウントし、24カウント、すなわち24時間でループするカウントである。
なお、分カウンタは、秒カウンタが60カウントするごとに秒カウンタから分カウンタに信号を出力して分カウンタをカウントアップさせる構成としてもよい。同様に、時カウンタは、分カウンタが60カウントするごとに分カウンタから時カウンタに信号を出力され、時カウンタをカウントアップさせる構成としてもよい。
そして、内部時刻データ用の時刻カウンタは、時刻情報の受信に成功した場合には、受信した時刻データで更新され、それ以外は基準信号でカウントアップされる。
また、時計表示時刻データ用の時刻カウンタは、通常は内部時刻データ用の時刻カウンタと同じカウンタ値とされているが、利用者によって時差表示設定がされた場合には、利用者が設定した時差が加算される。例えば、日本から海外に移動する際に、日本において電波受信で電波修正時計1を修正した後、時差を設定して現地時刻を表示する場合には、前記カウンタは、時差分だけカウンタ値が相違することになる。
ここで、JJYのタイムコードフォーマットでは、図2に示すように、1秒ごとに一つの信号が送信され、60秒で1レコードとして構成されている。つまり、1フレームが60ビットのデータである。また、データ項目として分、時の現時刻情報と、現在年の1月1日からの通算日、年(西暦下2桁)、曜日等のカレンダー情報とが含まれている。各項目の値は、各秒毎に割り当てられた数値の組み合わせによって構成され、この組み合わせのON、OFFが信号の種類から判断される。
駆動回路部46は、制御部47から出力される時刻表示制御信号に基づいて、表示部5の表示状態を制御し、表示部5に時刻を表示させる制御をする。例えば、表示部5が液晶パネルを有し、液晶パネルに時刻を表示させる構成である場合、駆動回路部46は、時刻表示制御信号に基づいて、液晶パネルを制御し、液晶パネルに時刻を表示させる制御をする。また、表示部5が文字板および指針を有する構成である場合、駆動回路部46は、指針を駆動させるステッピングモータに、パルス信号を出力し、ステッピングモータの駆動力により指針を運針させる制御をする。
制御部47は、水晶振動子48から入力されるクロック信号に基づいて駆動し各種制御処理を実施する。すなわち、制御部47は、TCOデコード部41でデコードして得られた時刻データを時刻カウンタ43に出力し、時刻カウンタ43のカウントを修正する制御をする。また、制御部47は、時刻カウンタ43にてカウントされる時刻を表示部5に表示させる旨の時刻表示制御信号を駆動回路部46に出力する。
さらに、制御部47は、受信回路部3のデコード回路39に、受信部3Aのパワーオン・オフを制御する制御信号と、第1増幅回路32の受信モードを制御する制御信号を出力する。
具体的には、制御部47は、予め設定された定時受信時刻になった場合や、外部操作部材6で手動受信が指示された場合には、受信部3Aをパワーオンする制御信号を送信して受信部3Aを作動し、受信処理を開始する。そして、制御部47は、後述するように、受信したタイムコードに基づいて設定される所定期間では、第1増幅回路32の受信モードを高感度受信モードに設定する。
なお、制御部47と、デコード回路39とは、前述のように、シリアル通信線SLにより接続され、制御信号は、シリアル通信線SLを介してデコード回路39に入力される。
ここで、制御部47と受信回路部3とのシリアル通信においては、制御部47と受信回路部3との間で双方向通信が可能な2線の同期式インターフェースを用いて、それぞれによる双方向のシリアル通信を行うようにしてもよい。このような場合、制御部47から受信回路部3に制御信号を出力した後、当該受信回路部3が、受信および認識した制御信号を制御部47に再度転送し、制御部47にて出力した制御信号と入力した制御信号とのデータの差異を確認することで、より信頼性の高いシリアル通信を行うことができる。
[電波修正時計の受信動作]
次に、上記のような電波修正時計1における、標準電波による受信動作について説明する。
図7,8は、電波修正時計1の受信動作を示すフローチャートであり、図9は受信制御状態を説明する説明図である。なお、図7,8に示す受信動作の処理は、外部操作部材6で手動受信処理の操作が行われた場合や、予め設定された自動受信時刻となった際に、制御部47によって実行される。
受信処理が開始されると、電波修正時計1の制御部47は、まず、初期設定として、受信モードを通常受信モードに設定し、受信サイクル(回数)を示す変数Nを初期値1に設定する(S1)。
ここで、制御部47は、通常受信モードに設定する制御信号をデコード回路39に送信し、デコード回路39は第1増幅回路32に対して通常受信モードに設定する制御信号を出力する。第1増幅回路32は、通常受信モードに設定する制御信号が入力されると、差動増幅回路320の定電流源322を予め設定された通常受信モード用の電流値に設定する。定電流源322における通常受信モード用の電流値は、前述の通り、高感度受信モード用の電流値に比べて小さく設定されている。なお、通常受信モード時の具体的な電流値は、電波修正時計1の電池容量等を考慮し、通常受信モードにおいて許容できる消費電流に基づいて設定すればよい。
そして、制御部47は、デコード回路39を介して受信部3Aを作動し、受信局(標準電波出力局)を選択する(S2)。この受信局の選択は、利用者の操作によって行う手動選択でもよいし、予め設定された受信局を自動的に切り替えて、受信信号のレベルなどで受信局を自動的に選択するようにしてもよい。
制御部47は、受信局の選択処理後、秒同期を確立したか否かを判断する(S3)。例えば、日本の標準電波では、1秒間隔でパルスが立ち上がるため、1秒間隔のパルス立ち上がりを検出することで秒同期を確立することができる。
秒同期を確立してS3で「Yes」と判断されると、制御部47は、マーカーを取得して分同期を確立したか否かを判断する(S4)。例えば、日本の標準電波では、図2に示すように、P0およびMのマーカーが連続する部分がタイムコードの開始時点となり、この連続するマーカーを検出することで分同期を確立することができる。
なお、本実施形態では、秒同期およびマーカー取得を通常受信モードで行っているが、高感度受信モードで秒同期およびマーカー取得を行い、S7のタイムコード取得から通常受信モードで行うようにしてもよい。
本実施形態では、秒同期およびマーカー取得に成功しないと受信処理を終了してしまう。すなわち、タイムコードを取得する処理を行うには、秒同期およびマーカー取得に成功していることが必須であるため、高感度受信モードで取得処理を行うことは、これらの取得に成功する確率を向上でき、タイムコード取得処理および時刻修正処理を実施できる確率も向上できる効果がある。
ここで、S3やS4で「No」と判断されると、制御部47は受信状態が悪いと判断して受信を終了し(S5)、通常運針に戻り(S6)、受信処理を終了する。すなわち、標準電波の受信中は、電波にノイズが混入しないように、運針用のステップモータを停止することが好ましい。従って、本実施形態では、S1の受信開始時に運針を停止し、受信処理が終了すれば(S5)、ステップモータを作動して通常運針に戻るように制御している。
一方、S3およびS4で「Yes」と判断されると、制御部47は、通常受信モードで1サイクル目のタイムコード取得処理を行う(S7)。すなわち、標準電波のタイムコードは、60ビット(60秒)で1周期となる。このタイムコードの各周期(60秒)を1つのサイクルとし、S7では、複数のタイムコードを受信する場合の最初の周期(サイクル)を取得する処理を行う。
このS7では、同調回路31にてアンテナ2を所望の標準電波の周波数に同調させ、アンテナ2にて受信された標準電波を受信信号に変換する。そして、第1増幅回路32、バンドパスフィルタ33、第2増幅回路34、包絡線検波回路35により、受信信号を所定レベルに増幅し、所望の周波数帯域の信号を抽出し、整流およびろ波して包絡線信号とする。さらに、この包絡線信号を二値化回路37により二値化してTCO信号とし、このTCO信号を制御回路部4に出力させる。
また、S7では、制御部47は、1サイクル目のタイムコードを取得するため、入力されたTCO信号において、秒同期および分同期を確立し、1サイクル目のタイムコードを取得する。
すなわち、例えば、図4,5に示すように、標準電波は1秒毎に「1」、「0」、「P」の信号を送信している。このため、制御部47は、入力されたTCO信号の立ち上がり(あるいは立ち下がり)エッジの検出を行い、各パルスの幅を判別できる否かで秒同期がOKであるか否かを判断している。そして、秒同期ができるようになっていれば、制御部47は、毎正分のマーカーを取得(認識)して、分同期を確立できたかを判断している。
そして、分同期を確立できていれば、制御部47は、1サイクル目つまり1分間の時刻データを受信してタイムコードを取得する(S7)。
次に、制御部47は、TCOデコード部41から出力された1サイクル目の時刻データ(タイムコード)を記憶部42に記憶し、取得したタイムコードの各時刻情報単位、具体的には、JJYにおいては「分」、「時」、「通算日」、「年」、「曜」の時刻情報単位毎に誤り(エラー)があるか無いかをチェックする(S8)。
ここで、時刻情報単位のエラーチェック方法としては、例えば、受信したデータ値が実際にあり得ないデータであった場合にエラーと判断する方法などが利用できる。例えば、取得した分データが「70分」など、分データの範囲を超えた異常値であれば分情報単位には誤りがあると判断する。他の時刻情報単位も存在しない異常値があれば誤りがあると判断すればよい。
なお、時刻情報単位のエラーチェック方法としては、他の方法を利用したり、複数の方法を組み合わせてもよい。例えば、パリティビットが存在するデータ(JJYでは分、時のデータ)は、パリティビット(JJYでは図2,8に示すように、通算日の後にパリティビットが設けられている)を用いて検証してもよい。
また、複数の時刻データを取得している場合には、他の時刻データと比較して整合しているか否かで判断してもよい。例えば、時刻データを数分間連続して取得している場合、分データは1分毎異なるが、他の時、通算日、年、曜の各データは通常一致する。従って、各時刻データにおける各時刻情報単位のデータ同士を比較することで、正しいデータであるか否かを判断してもよい。
次に、制御部47は、Nに「1」を加算し(S9)、Nサイクル目のタイムコードの受信処理(取得処理)を開始する(S10)。NはS1で「1」に設定されていたため、S9ではN=N+1=1+1=2となり、S10では、2サイクル目のタイムコード受信処理が開始される。
制御部47は、この2サイクル目以降の受信処理においては、まず、各時刻情報単位の受信タイミングになったか否かを判断する(S11)。例えば、図2に示すJJYにおいては、まず、分の時刻データの受信タイミングとなり、その後、時、通算日、年、曜日の受信タイミングが設定されている。
次に、制御部47は、S11でいずれかの時刻情報単位の受信タイミングになったと判断すると、前記タイムコードチェック結果に基づいて、その時刻情報単位の前回受信データに誤りがあったか否かを判断する(S12)。
S12において、前回誤りがあったと判断されると、制御部47は、受信部3A(図1参照)を高感度受信モードに設定してその時刻情報単位のタイムコードを受信する(S13)。
具体的には、制御部47は、デコード回路39を介して第1増幅回路32に高感度受信モードへの移行を指示し、第1増幅回路32は、定電流源322の電流値を、通常受信モード用の電流値に比べて高く設定された高感度受信モード用の電流値に設定する。また、第1増幅回路32は、増幅率が大きく変動しないように、必要に応じて、コレクタ抵抗323の抵抗値も調整する。そして、この高感度受信モードで、前記時刻情報単位を受信する。
一方、S12において、前回誤りが無かったと判断されると、制御部47は、現在受信しようとしている時刻情報単位が、パリティが無い時刻情報単位(JJYでは、通算日、年、曜)であり、かつ、S1で受信を開始した後、現時点までにその時刻情報単位のタイムコードの受信に誤りがあった場合、つまり過去の受信で誤りがあったパリティ無しの時刻情報単位の受信であるかを判断する(S14)。
そして、制御部47は、S14において「Yes」と判断すると、受信部3Aを高感度受信モードに設定してその時刻情報単位のタイムコードを受信する(S13)。
一方、制御部47は、S14において「No」と判断すると、つまり、現在受信しようとしている時刻情報単位が、パリティが無い時刻情報単位であり、かつ、過去の受信に誤りが無い場合と、パリティが有る時刻情報単位(JJYでは、分、時)であり、かつ、前回の受信に誤りが無い場合には、受信部3Aを通常受信モードに設定してその時刻情報単位のタイムコードを受信する(S15)。
従って、制御部47は、パリティが有る時刻情報単位を受信する場合には、その時刻情報単位の前回受信に誤りがあった場合のみ、高感度受信モードで受信し、それ以外は、通常受信モードで受信する。一方、制御部47は、パリティが無い時刻情報単位を受信する場合には、前回受信時を含む過去の受信に誤りがあった場合は、高感度受信モードで受信し、過去に一度も受信に誤りが無かった場合のみ、通常受信モードで受信する。
通常受信モードが選択された場合、具体的には、制御部47は、デコード回路39を介して第1増幅回路32に通常受信モードへの移行を指示し、第1増幅回路32は、定電流源322の電流値を、高感度受信モード用の電流値に比べて低く設定された通常受信モード用の電流値に設定する。また、第1増幅回路32は、増幅率が大きく変動しないように、必要に応じて、コレクタ抵抗323の抵抗値も調整する。そして、この通常受信モードで、前記時刻情報単位を受信する。
次に、制御部47は、2サイクル目の受信処理が終了したか否かを判断する(S16)。すなわち、図2に示すJJYにおいては、うるう秒のデータまで受信すれば2サイクル目の受信処理は終了したと判断できる。なお、電波修正時計1における時刻修正において、例えば、年や曜日、うるう秒などのデータを必要としていない場合には、分・時・通算日までのデータを受信したら2サイクル目の受信を終了したと判断してもよい。すなわち、S16における終了判断は、予め取得が必要とされているタイムコードの受信が終了すれば終了したと判断できる。
S16で終了していないと判断された場合には、S11に戻り、次の時刻情報単位の受信タイミングになったか否かを判断する。例えば、「分」の時刻情報単位の受信が終了した場合には、次に「時」の時刻情報単位の受信タイミングになったか否かを判断する(S11)。
このように各時刻情報単位の受信が終了し、S16でNサイクル目の受信が終了したと判断されると、制御部47は、S8での処理と同様に、受信したタイムコードをチェックする(S17)。
次に、制御部47は、S17でチェックしたタイムコードにエラーが無く取得に成功したか否かを判断する(S18)。
S18で取得に成功したと判断すると、制御部47は、受信処理を終了し(S5)、取得したタイムコードに基づいて時刻を修正し(S19)、さらに、通常運針に戻り(S6)、タイムコードの取得処理を終了する。
一方、S18で取得に失敗したと判断すると、制御部47は、前記Nが予め設定された設定値Mより大きいかを判断する(S20)。
そして、制御部47は、S20で「Yes」と判断すると、受信を終了し(S5)、通常運針に戻り(S6)、タイムコードの取得処理を終了する。
一方、制御部47は、S20で「No」と判断すると、S9〜S20までの処理を繰り返す。すなわち、2サイクル目のタイムコード受信処理が終了した時点であれば、S9ではN=2+1=3となるため、S10では3サイクル目のタイムコードの受信が開始される。
ここで、S20の判断処理を追加しているのは、タイムコードの取得に成功しない状態で長時間受信を継続すると、消費電力が増大するため、受信回数を制限するためである。
すなわち、S20の判断によって、受信回数(サイクル数)が最大M回(例えば7回)に設定され、タイムコードの取得に成功しない場合でもM回受信処理を行うと受信を終了することになる。このため、受信時間は最大でもM分(例えば7分)となり、受信時間がそれ以上長くなることを防止できる。
なお、本実施形態では、S18の判断により、1つでもタイムコード取得に成功した時点で受信を終了し、時刻修正を行っていたが、複数のタイムコードを取得した場合に、各受信データを比較して、所定数(例えば3個)のデータが一致すれば受信に成功したとみなし、この場合のみ時刻を修正するように制御しても良い。なお、タイムコードは1分毎に受信されるため、連続して複数回受信した場合でも、各タイムコードは、1分毎に異なるデータとなる。このため、各データを比較する場合、先に受信したタイムコードに1分を加算した上で、次に受信したタイムコードと比較して一致するか判断すればよい。
このような制御を行うことで、図9に示すように、前回受信に失敗した(受信結果NG)時刻情報単位は、次の受信時には高感度受信モードで受信されるため、受信に成功する可能性が高くなる。
また、パリティがある「分」、「時」の時刻情報単位は、前回受信に成功(受信結果OK)すると、次の受信時には通常受信モードで受信されるため、消費電力を低減できる。
さらに、パリティがない「通算日」、「年」、「曜」の時刻情報単位は、過去受信に失敗した場合は、以降の受信時には高感度受信モードで受信される。例えば、図9において、「年」の時刻情報単位は、1サイクル目で受信に失敗しているので、2サイクル目以降では高感度受信モードで受信している。このため、2サイクル目では「年」の時刻情報単位の受信に成功しているが、3サイクル目においても高感度受信モードのままで受信している。
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態の電波修正時計1では、受信する標準電波の秒同期および分同期を行った後、標準電波のタイムコードに基づいて設定される所定期間、具体的には、各時刻情報単位の受信期間において、前回受信に失敗した時刻情報単位の受信期間は、受信モードを高感度受信モードに設定している。
すなわち、制御部47は、タイムコードの1サイクル目の受信は通常受信モードで制御し、高感度受信モードは、タイムコードの2サイクル目以降の受信において、同じ時刻情報単位の前回の受信結果がエラー(NG)だった場合と、パリティを備えない時刻情報単位の受信において前回以前に受信結果がエラーだった場合に設定しているので、すべての受信を高感度受信モードで行う場合に比べて、消費電力を低減できる。また、前回、受信を失敗した時刻情報単位のデータ受信時に高感度受信モードにすることで、その時刻情報単位のデータの取得に成功する確率を向上でき、結果として、正しいタイムコードを取得して正しい時刻情報に修正することができる。
すなわち、本実施形態によれば、消費電力の増大を最小限に抑えることができ、かつ、時刻情報の受信に成功する確率を向上できて、実使用状況における受信性能を向上できる。
また、パリティが無い時刻情報単位(通算日、年、曜)を受信する場合、過去に受信に失敗している時は、それ以降は常に高感度受信モードで受信している。これらのパリティが無い時刻情報単位は、パリティを有する時刻情報単位を受信する場合に比べて、誤りを検出できる確率が低い。
本実施形態では、パリティが無い時刻情報単位は、過去に受信に失敗した以降は高感度受信モードで受信して、高感度受信モードを多用しているので、誤りを検出できる確率を高めることができ、受信性能をより向上できる。
高感度受信モードは、第1増幅回路32の差動増幅回路320における定電流源322の電流値を切り替えることで実現しており、第1増幅回路32のみ電流を増やすだけでよく、他の回路の電流を増加させる必要がないため、高感度受信モードを選択した際の電波修正時計1全体の電流増加を最小限に抑えることができ、かつ、受信性能を効果的に向上できる。このため、電波修正時計1が、電池容量が小さい腕時計の場合も、消費電力を抑えることができ、持続時間も長くすることができる。
さらに、第1増幅回路32は、定電流源322の電流値を切り替えた際に、コレクタ抵抗323の抵抗値も適宜調整して第1増幅回路32の増幅率(ゲイン)が大きく変動しないように制御しているため、増幅率の変動によって信号振幅の振幅が変動し、二値化回路37で誤った二値化処理を行ってしまうことがなく、二値化回路37における誤検出を防止できる。
受信回路部3は、デコード回路39を備え、デコード回路39にて制御回路部4から入力された制御信号をデコードし、デコードされた制御信号を受信部3Aに出力している。
このため、デコード回路39が制御信号をデコードするので、制御回路部4から出力される制御信号を簡易な信号に設定することができ、通信される信号の信頼性を向上させることができる。
受信回路部3と制御回路部4とは、シリアル通信線により接続されている。このため、受信回路部3および制御回路部4をパラレル通信回路で接続する場合に比べて、通信線の数を減らすことができ、電波修正時計1における回路構成をより簡略化することができる。また、制御回路部4から受信回路部3にシリアル通信線を介して制御信号をシリアル出力することで、通信速度をより高速化することができる。さらには、制御回路部4と受信回路部3とを一対のシリアル通信線で接続し、双方向通信が可能な構成とすることで、制御部47から受信回路部3に制御信号を出力した後、当該受信回路部3が、受信および認識した制御信号を制御部47に再度転送し、制御部47にて出力した制御信号と入力した制御信号とのデータの差異を確認することができる。このような構成にすることで、より信頼性の高いシリアル通信を行うことができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図10,11のフローチャートおよび図12の動作説明図を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した他の実施形態と同一または同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第1実施形態では、標準電波の1サイクルつまり1分間(60秒)の受信期間において、時刻情報単位毎に、通常受信モードまたは高感度受信モードを選択していたが、第2実施形態では、1ビットの情報を受信する1秒の期間内において、通常受信モードまたは高感度受信モードを選択する点が相違する。なお、第2実施形態は、制御部47による受信モードの切替制御方式が前記第1実施形態と相違するだけであり、受信回路部3や制御回路部4の構成は前記第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
第2実施形態において、制御部47は、図10に示すように、受信処理を開始すると、秒同期がOKであるかを判断する(S21)。制御部47は、S21で「Yes」と判断されるまで、秒同期の判断処理(S21)を繰り返す。なお、第2実施形態においても、受信局選択処理は適宜実施される。
制御部47は、秒同期がOKであれば、送信されるタイムコードに基づいて設定される所定期間は高感度受信モードに制御する。ここで、標準電波がJJYの場合、図12に示すように、前記所定期間として、パルス立ち上がり検出期間A、0.2秒幅パルス立ち下がり検出期間B、0.5秒幅パルス立ち下がり検出期間C、0.8秒幅パルス立ち下がり検出期間Dの4種類の期間が設定されている。
これらの各検出期間A〜Dは、秒同期によって検出されたタイムコードの各ビットの開始タイミングつまり1秒間隔のタイミングを基準として設定されている。
すなわち、パルス立ち上がり検出期間Aは、各パルスが立ち上がる基準タイミングに対して所定時間前に設定されたパルス立ち上がり検出開始タイミングT1から、前記基準タイミングに対して所定時間後に設定されたパルス立ち上がり検出終了タイミングT2までの期間とされている。ここで、例えば、検出開始タイミングT1は基準タイミングに対して−0.05秒に設定され、検出終了タイミングT2は基準タイミングに対して+0.05秒に設定され、前記検出期間Aは0.1秒間とされている。
また、0.2秒幅パルス立ち下がり検出期間Bは、各パルスが立ち上がる基準タイミングに対して所定時間前に設定された0.2秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT3から、前記基準タイミングに対して所定時間後に設定された0.2秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT4までの期間とされている。ここで、例えば、検出開始タイミングT3は基準タイミングに対して+0.15秒に設定され、検出終了タイミングT4は基準タイミングに対して+0.25秒に設定され、前記検出期間Bは0.1秒間とされている。
さらに、0.5秒幅パルス立ち下がり検出期間Cは、各パルスが立ち上がる基準タイミングに対して所定時間前に設定された0.5秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT5から、前記基準タイミングに対して所定時間後に設定された0.5秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT6までの期間とされている。ここで、例えば、検出開始タイミングT5は基準タイミングに対して+0.45秒に設定され、検出終了タイミングT6は基準タイミングに対して+0.55秒に設定され、前記検出期間Cは0.1秒間とされている。
また、0.8秒幅パルス立ち下がり検出期間Dは、各パルスが立ち上がる基準タイミングに対して所定時間前に設定された0.8秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT7から、前記基準タイミングに対して所定時間後に設定された0.8秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT8までの期間とされている。ここで、例えば、検出開始タイミングT7は基準タイミングに対して+0.75秒に設定され、検出終了タイミングT8は基準タイミングに対して+0.85秒に設定され、前記検出期間Dは0.1秒間とされている。
そこで、制御部47は、秒同期がOKと判断すると、前記パルス立ち上がり検出開始タイミングT1になったか否かを判断する(S22)。制御部47は、S22で「Yes」と判断されるまで、S22の判断処理を繰り返す。
制御部47は、S22でパルス立ち上がり検出開始タイミングT1になったと判断すると、デコード回路39を介して第1増幅回路32に制御信号を送り、第1増幅回路32の受信モードを高感度受信モードに移行する(S23)。
次に、制御部47は、パルス立ち上がり検出終了タイミングT2になったか否かを判断する(S24)。制御部47は、S24で「Yes」と判断されるまで、S24の判断処理を繰り返し、受信部3A(具体的には第1増幅回路32)を高感度受信モードで動作させ続ける。
一方、制御部47は、S24でパルス立ち上がり検出終了タイミングT2になったと判断すると、デコード回路39を介して第1増幅回路32に制御信号を送り、第1増幅回路32の受信モードを通常受信モードに復帰する(S25)。
次に、制御部47は、前記0.2秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT3になったか否かを判断する(S26)。
なお、S21で秒同期がOKであるため、通常は、S23で高感度受信モードに設定されたパルス立ち上がり検出期間A内にパルスの立ち上がりが検出される。このため、本実施形態では、パルス立ち上がり検出期間Aが終了すると、S25で通常受信モードに復帰し、その後、0.2秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT3であるかを判断している。
但し、前記パルス立ち上がり検出期間Aでパルスの立ち上がりが検出できない場合を想定し、検出できなかった場合には、例えば、秒同期の確認処理S21に戻って制御したり、受信処理を中止してもよい。
制御部47は、S26で「Yes」と判断されるまで、S26の判断処理を繰り返す。
制御部47は、S26で0.2秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT3になったと判断すると、デコード回路39を介して第1増幅回路32に制御信号を送り、第1増幅回路32の受信モードを高感度受信モードに移行する(S27)。
次に、制御部47は、0.2秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT4になったか否かを判断する(S28)。制御部47は、S28で「Yes」と判断されるまで、S28の判断処理を繰り返し、受信部3A(具体的には第1増幅回路32)を高感度受信モードで動作させ続ける。
一方、制御部47は、S28で0.2秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT4になったと判断すると、デコード回路39を介して第1増幅回路32に制御信号を送り、第1増幅回路32の受信モードを通常受信モードに復帰する(S29)。
次に、制御部47は、0.2秒幅パルス立ち下がり検出期間Bにおいて、0.2秒幅パルの立ち下がりを検出したか否かを判断する(S30)。
そして、制御部47は、S30で「No」と判断した場合は、0.2秒幅のパルスつまり「P」を示すビットではないと判断し、0.5秒幅のパルスであるかを判断する。
具体的には、制御部47は、S30で「No」と判断すると、図11に示すように、前記0.5秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT5になったか否かを判断する(S31)。
制御部47は、S31で「Yes」と判断されるまで、S31の判断処理を繰り返す。
制御部47は、S31で0.5秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT5になったと判断すると、デコード回路39を介して第1増幅回路32に制御信号を送り、第1増幅回路32の受信モードを高感度受信モードに移行する(S32)。
次に、制御部47は、0.5秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT6になったか否かを判断する(S33)。制御部47は、S33で「Yes」と判断されるまで、S33の判断処理を繰り返し、受信部3A(具体的には第1増幅回路32)を高感度受信モードで動作させ続ける。
一方、制御部47は、S33で0.5秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT6になったと判断すると、デコード回路39を介して第1増幅回路32に制御信号を送り、第1増幅回路32の受信モードを通常受信モードに復帰する(S34)。
次に、制御部47は、0.5秒幅パルス立ち下がり検出期間Cにおいて、0.5秒幅パルの立ち下がりを検出したか否かを判断する(S35)。
そして、制御部47は、S35で「No」と判断した場合は、0.5秒幅のパルスつまり「1」を示すビットでもないと判断し、0.8秒幅のパルスであるかを判断する。
具体的には、制御部47は、S35で「No」と判断すると、前記0.8秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT7になったか否かを判断する(S36)。
制御部47は、S36で「Yes」と判断されるまで、S36の判断処理を繰り返す。
制御部47は、S36で0.8秒幅パルス立ち下がり検出開始タイミングT7になったと判断すると、デコード回路39を介して第1増幅回路32に制御信号を送り、第1増幅回路32の受信モードを高感度受信モードに移行する(S37)。
次に、制御部47は、0.8秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT8になったか否かを判断する(S38)。制御部47は、S38で「Yes」と判断されるまで、S38の判断処理を繰り返し、受信部3A(具体的には第1増幅回路32)を高感度受信モードで動作させ続ける。
一方、制御部47は、S38で0.8秒幅パルス立ち下がり検出終了タイミングT8になったと判断すると、デコード回路39を介して第1増幅回路32に制御信号を送り、第1増幅回路32の受信モードを通常受信モードに復帰する(S39)。
制御部47は、S39で通常受信モードに復帰後、受信を終了するか否かを判断する(S40)。例えば、標準電波では60ビット(60秒)で1つのタイムコードの受信となるため、制御部47は、各ビットデータの取得によってマーカーを取得して分同期を行った後、60秒間の受信を行って1サイクルのタイムコードを取得する。そして、制御部47は、予め設定された数、例えば7個のタイムコードの受信(取得)が終了したか否かで受信終了か否かを判断している(S40)。
また、第2実施形態では、S30,S35で「Yes」と判断された場合は、制御部47は、それ以降のパルス検出を行わずに、直接、S40の終了判断を行う。すなわち、S30で0.2秒幅のパルスの立ち下がりを検出した場合には、0.5秒幅や0.8秒幅のパルスの立ち下がりを検出する必要がない。同様に、S35で0.5秒幅のパルスの立ち下がりを検出した場合には、0.8秒幅のパルスの立ち下がりを検出する必要がない。このため、S30,S35で「Yes」と判断されると、制御部47は、S40の受信終了の判断処理を行う。
そして、S40で受信終了ではないと判断された場合は、次の1秒(1ビット)のデータ受信を行うため、制御部47はS22〜S40の処理を実行する。すなわち、制御部47は、S40で受信終了と判断されるまで、S22〜S40の処理を繰り返し実行する。
このような第2実施形態によれば、各ビットのデータ受信時に、タイムコードに基づいて各検出期間A〜Dを設定し、その検出期間A〜Dは高感度受信モードに切り替えているので、各パルスの立ち下がりを確実に受信できる。このため、各ビットのデータの受信エラーを減少でき、正しいデータを取得することができる。その上、検出期間A〜D以外ではパルス変化の検出を行わずに無視するようにすることで、検出期間以外でのノイズをパルス変化と誤認識することも防止でき、受信エラーをより減少できる。
また、標準電波においてパルスが立ち下がるタイミングが、0.2秒、0.5秒、0.8秒のいずれかであるというタイムコードの特性を考慮し、前記検出期間A〜Dを前記立ち下がりタイミングに合わせて設定しているので、高感度受信モードに切り替える期間を必要最小限にすることができる。このため、高感度受信モードに切り替えた場合でも消費電流の増大を抑えることができる。例えば、各検出期間A〜Dがそれぞれ0.1秒であれば、高感度受信モードに切り替える期間は、1秒間のうち0.4秒間であり、僅かな時間にできるため、高感度受信モードを1秒間継続する場合に比べて、消費電流を半分以下に抑えることができる。
その上、検出期間B,Cでは、パルスの立ち下がりを検出した場合には、それ以降の検出期間における高感度受信モードへの切替処理を行わないため、無駄な高感度受信モードでの動作を無くすことができ、この点でも消費電流の増大を抑制できる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、図13に示すように、標準電波において、幅の狭いパルスを受信する場合に高感度受信モードを選択するものである。
すなわち、第1実施形態で説明したように、日本の標準電波では、0.2秒、0.5秒、0.8秒のパルス幅の信号によって、「P」、「1」、「0」のデータが表されている。ここで、図14に示すように、パルス幅が0.2秒と狭いパルス101は、0.5秒幅のパルス102や0.8秒幅のパルス103に比べて、信号の立ち上がりが緩やかだと振幅が小さくなりやすい。このため、特に、弱電界で信号の振幅が小さい場合には、パルス幅が狭い信号は二値化が難しくなる。すなわち、包絡線検波後の信号を所定のしきい値で二値化してTCOを取得した場合、特にパルス101は振幅が小さいため、出力されたTCOの対応パルス101Aは、パルス幅がより小さくなり、ノイズと判断される可能性がある。
なお、図2に示すようにパルス幅の狭いパルスであるM(マーカー)およびP(ポジションマーカー)は0秒、9秒、19秒、29秒、39秒、49秒、59秒のタイミングで送信される。
また、分同期を確立するには先頭の「M(マーカー)」を取得する必要があるので、秒同期確立後に、「M(マーカー)」を取得しやすいように一旦高感度モードに移行して分同期を確立し、その後に本実施形態のように「P」と「M」が送信されるタイミングのみ通常受信モードから高感度受信モードに切り替わるように制御すればより確実に受信できる。
そこで、第3実施形態の制御部47は、秒同期および分同期を行った後、タイムコードに基づいて、より具体的には、図13に示すように、タイムコードにおいて「P(マーカー)」つまり0.2秒幅のパルス101が送信されるタイミングは、第1増幅回路32を高感度受信モードに設定し、パルス幅の狭いパルス101も正確に検出できるようにしたものである。
このような第3実施形態によれば、データの判定を誤りやすいパルス幅の狭いパルス101が送信されるタイミングは高感度受信モードで受信処理を行うため、パルス101も正確に検出できる。
また、高感度受信モードに設定されるのは、パルス101が送信されるタイミングのみであるため、常時、高感度受信モードで受信する場合に比べて消費電流を低減できる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態は、高感度受信モードを実現する受信回路部3の構成を前記第1〜3実施形態と相違させたものである。従って、第4実施形態の構成は、高感度受信モードに移行するタイミングが異なる前記第1〜3実施形態のいずれの場合にも適用できる。
図15に示すように、第4実施形態は、受信部3Aの動作電圧を複数段階に切り替えることができる定電圧回路51を設けたものである。
すなわち、前記第1〜3実施形態の高感度受信モードでは、第1増幅回路32に流れる動作電流のみを変更し、他の回路の動作電流は変更していない。
これに対し、第4実施形態の電波修正時計1では、出力電圧を少なくとも2段階に切替可能な定電圧回路51を設け、通常受信モードが選択された場合に比べて、高感度受信モードが選択された場合には、定電圧回路51の出力電圧を高く設定している。すなわち、制御部47は、受信部3Aの動作電圧自体を切り替えて受信モードを制御している。ここで、定電圧回路51は、二次電池53から電源供給されている。
ここで、受信部3Aは、定電圧回路51の出力で動作している。定電圧回路51は、通常受信モードでは、例えば1.5Vの電圧を出力し、高感度受信モードでは、例えば2.4Vの電圧を出力する。動作電圧が高くなると振幅幅の許容値が大きくなるダイナミックレンジが広がり、回路のS/N比を向上させることができる。この場合、結果的には、受信回路部3の消費電流は増えることになる。
また、第4実施形態の電波修正時計1では、電源として太陽電池52および二次電池53が設けられている。本実施形態では、太陽電池52は、太陽電池セルを5段または6段に直列接続して電圧値を高めたものが利用され、二次電池53は、2.5V系のものが利用されている。
さらに、第4実施形態では、定電圧回路51の出力電圧が2段階に切り替えられた際に、二値化回路37から出力されるTCO出力にも影響するため、レベルシフタ54を設けて出力レベルを調整し、制御部47に入力するようにしている。
このような第4実施形態によれば、受信部3Aの構成は変更する必要がなく、既存の回路構成に定電圧回路51を追加するだけで、高感度受信モードを実現できるため、既存の回路構成においても本発明を容易に実現することができる。
すなわち、第1増幅回路32に出力電流を変更できる定電流源322が設けられていない場合でも、容易に実現することができ、既存の回路を利用できる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態も、高感度受信モードを実現するための構成を前記第1〜4実施形態と相違させたものである。従って、第5実施形態の構成も、高感度受信モードに移行するタイミングが異なる前記第1〜4実施形態のいずれの場合にも適用できる。
図16に示すように、第5実施形態は、制御回路部4の能力を向上させるために、高速クロック用発振器61を追加している。
高速クロック用発振器61は、内蔵のCR発振器等を動作させることで、例えば1MHzのクロック信号を出力できるように構成されている。このため、制御回路部4の動作クロック周波数を、例えば、通常受信モード時には32Hzとし、高感度受信モード時には1MHzに設定することができる。
高感度受信モードにおいて、制御回路部4の動作クロックを高速にすることで、信号処理能力を向上させることができる。これにより、例えば、TCOのサンプリングクロックを高速にすることができ、正確なパルス幅を求めることができ、ノイズも排除できるため、結果的に受信性能を向上することができる。例えば、図17に示すように、ドイツのDCF77では、「0」を示すパルス幅と、「1」を示すパルス幅の差は0.1秒しかなく、これらの各パルスを誤検出しやすい。そこで、例えば、通常受信モード時のサンプリングクロックが32Hzであったものを、高感度受信モード時には64Hzにすれば、パルス幅の検出感度を2倍にでき、異なる幅のパルスを確実に区別して検出することができる。但し、クロック周波数を高くすると、制御回路部4の消費電流も増加することになる。
このような第5実施形態によれば、受信回路部3の構成は変更する必要が無く、制御回路部4に高速クロック用発振器61を追加するとともに、ソフトウェアの変更のみで高感度受信モードを実現することができる。このため、既存の回路においても容易に実現することができる。
[変形例]
なお、本発明は、前記各実施形態に限らない。
例えば、各国の標準電波を受信可能な電波修正時計1において、ドイツの標準電波DCF77を受信可能な場合、DCF77を受信するモードに設定された場合には、高感度受信モードで受信するように設定してもよい。すなわち、DCF77は、図18にも示すように、0.1秒と0.2秒の幅のパルスを用いているため、前記第3実施形態と同様に、受信データの振幅が小さく、誤検出しやすい。このため、DCF77を受信する際に、高感度受信モードに移行すれば、各パルスを正しく受信できるようになり、受信性能を向上できる。
具体的には、図19に示すように、受信をスタートすると、制御部47は、時差設定を読み出して受信局を自動的に選択する(S51)。例えば、電波修正時計1において、JJY、WWVB、DCF77の3つの標準電波を受信できる場合、制御部47は、電波修正時計1の時差設定が日本に設定されていればJJYを選択し、ドイツに設定されていればDCF77を選択する。
次に、制御部47は、DCF77を受信するように設定されたか否かを判定する(S52)。そして、制御部47は、受信回路部3の受信モードを、S52で「Yes」と判定された場合には高感度受信モードに移行し(S53)、「No」と判定された場合には通常受信モードに移行する(S54)。従って、DCF77は高感度受信モードで受信されるが、JJY,WWVBは通常受信モードで受信されることになる。
そして、各受信モードでの受信が完了すると、制御部47は、受信処理を終了する(S55)。
図20に示すように、高感度受信モードに移行すると、制御部47は、前記実施形態と同様に、秒同期を確立したか否かの判断(S61)と、マーカーを取得したか否かの判断(S62)を行う。
制御部47は、秒同期を確立し、かつ、マーカーを取得した場合は、所定タイミングTAになったか否かを判断する(S63)。所定タイミングTAは、図18に示すように、毎正秒のタイミングに対して所定時間前のタイミングであり、例えば、毎正秒のタイミングに対して50msec前のタイミングである。
制御部47は、所定タイミングTAになったと判定すると、高感度受信モードに移行し(S64)、TCOパルスを検出する(S65)。
高感度受信モードの具体的な処理は、前記各実施形態と同様に、第1増幅回路32の動作電流を増加したり、受信部3Aの駆動電圧を高くしたり、制御回路部4の動作クロックを高速にすればよい。
そして、制御部47は、所定タイミングTBになったか否かを判断し(S66)、所定タイミングTBになったと判定すると、通常受信モードに移行する(S67)。所定タイミングTBは、図18に示すように、毎正秒のタイミングに対して所定時間後のタイミングであり、例えば、毎正秒のタイミングに対して400msec後のタイミングである。
このため、図18に示すように、DCF77を受信する場合は、タイミングTAからTBの間は高感度受信モードで受信が行われ、それ以外の期間は通常受信モードで受信が行われる。従って、パルス幅が毎正秒から100msecと、200msecの2種類であるDCF77において、これらのパルスを高感度状態で受信することができる。
なお、毎正秒の50msec前のタイミングTAから高感度受信モードにしているのは、処理に余裕を持たせて毎正秒からの各パルスを確実に受信させるためである。すなわち、毎正秒よりも早めに高感度受信モードに移行すれば、電流や電圧を切り替えて高感度受信モードに移行した際に多少のタイムラグがあっても、毎正秒の時点では確実に高感度受信状態に移行することができるためである。
また、毎正秒の400msec後のタイミングTBまで高感度受信モードを継続しているのは、200msecのパルスを受信した際に、包絡線検波回路35の出力信号のパルス幅が200msecよりも長くなる場合があるからである。
制御部47は、所定サイクルの受信が終了したかを判定する(S68)。すなわち、前記実施形態と同様に、標準電波を受信する場合、1サイクル(60秒)のみの信号ではタイムコードにノイズが含まれており、誤った時刻データを検出してしまう可能性があるため、所定サイクル(例えば2〜4回)の受信を行う。
S68で「No」と判定されると、制御部47は、S63〜S67の処理を繰り返す。
一方、S68で「Yes」と判定されると、制御部47は、受信処理を終了する(S69)。
すなわち、本変形例では、通常受信モードに設定されている期間も受信動作を継続している。これは、通常受信モード時に受信動作を停止してしまうと、受信回路部3の立ち上がりには数秒程度の時間が掛かるため、毎正秒のタイミングに合わせて高感度受信モードに切り替えることができなくなるためである。ただし、タイミングTBからTAまでの通常受信モードは高感度受信モードに比べると受信性能が劣り、信号にノイズが含まれやすいので、TCOパルスの検出は行わず、TCOパルスに変化があっても無視することが好ましい。
なお、図20の処理フローにおいて、S61で秒同期が取れた後、マーカー取得の前にも高感度受信モードに移行してもよい。このようにすれば、マーカーの所得を高感度受信状態で行うことができ、マーカーを精度良く、短時間で取得できるため、消費電流を削減することもできる。
制御部47は、受信終了後、前記各実施形態と同様に、取得したタイムコードをチェックする(S70)。そして、制御部47は、タイムコードの取得に成功したか否かを判定し(S71)、成功した場合には取得したタイムコードに基づいて得られた時刻情報により内部時刻を書き換えて時刻を修正し(S72)、受信処理を終了する。
一方、S61,62や、S71で「No」と判定された場合は、制御部47は、内部時刻の書き換えを行わずに受信処理を終了する。
また、前記第1実施形態では、前回の受信時にエラーが発生した時刻情報単位を受信する場合に高感度受信モードに移行していたが、時刻情報単位毎に予め受信モードを設定してもよい。
例えば、分および時のデータは、パリティビットが存在するため、受信データの信頼性が高い。このため、分や時の時刻情報単位を受信する場合には通常受信モードとし、パリティビットが存在しない他の時刻情報単位を受信する場合には高感度受信モードに設定してもよい。
さらに、前記第1実施形態と組み合わせて、分・時の時刻情報単位は、前回の受信時にエラーが生じても、次回以降の受信時も通常受信モードのままで処理し、他の時刻情報単位を受信する場合は、最初は通常受信モードとし、前回の受信でエラーが生じた場合のみ高感度受信モードに設定してもよい。
また、前記第1実施形態において、複数サイクル(複数回)の受信処理を行い、あるサイクルの受信データにおいて誤りがあると判断された時刻情報単位のデータは、高感度受信モードで受信した他のサイクルの時刻情報単位のデータを利用して修正してもよい。
すなわち、標準電波を1分間隔で連続して受信した場合、通常は、分以外の時刻情報単位は変化せずに同じデータになる。例えば、午前2時0分から受信を開始し、7分間受信を行って7サイクル分の受信データを取得した場合、分のデータは0〜7分まで変化するが、他の「時」、「日」、「年」、「曜」などの時刻情報単位のデータは変化せず、同じデータのままである。従って、誤りがあった時刻情報単位のデータを高感度受信モードで受信することで、正しいデータに修正できるため、誤ったデータで時刻修正を行うことも確実に防止できる。
さらに、前記第1実施形態では、パリティのない時刻情報単位に関しては、過去に受信に失敗した場合には、それ以降は常時高感度受信モードとしていたが、パリティのある時刻情報単位と同様に、前回の受信に失敗した場合のみ高感度受信モードとし、前回受信に成功した場合には通常受信モードにするように制御してもよい。
さらに、第2実施形態では、各検出期間B〜Dでの検出を順次行っていたが、例えば、内部時刻や、前回の受信データなどを利用して、各ビットでのパルス幅を推定し、ビット毎に検出期間B〜Dのいずれかのみの検出を行ってもよい。すなわち、秒同期だけでなく分同期まで行えば、マーカーの送信タイミングは把握できるため、マーカーが送信されるビットにおいては、パルス立ち上がりを検出する検出期間Aと、0.2秒幅のパルス立ち下がりを検出する検出期間Bのみで検出を行えばよい。また、定期的に受信している場合、内部時計の日や年、曜などの時刻情報が受信データと相違する可能性は低いため、日、年、曜のデータを受信する期間では、各ビットデータを内部時刻データから予測し、その予測データに応じて検出期間を設定してもよい。例えば、内部時刻データから「1」のパルスが送信されると予測できたビットでは、0.5秒幅のパルス立ち下がりを検出する検出期間Cを設定し、「0」のパルスが送信されると予測できたビットでは、0.8秒幅のパルス立ち下がりを検出する検出期間Dを設定すればよい。
さらに、高感度受信モードの実現方法としては、前記各実施形態に開示されたものに限らず、受信性能を向上させることができるものであればよい。例えば、前記各実施形態に開示された高感度受信モードの各方法を適宜組み合わせて実現してもよい。
さらには、前記各実施形態では、受信部の受信モードを通常受信モードおよび高感度受信モードに切り替える方法としたが、たとえば、制御部の処理能力を2段階に切替可能にすることなどで、制御部を通常受信モードおよび高感度受信モードに切り替える方法としてもよい。
また、電波修正時計1の受信対象となる標準電波は、日本のJJYに限らず、他の国の標準電波を受信するように構成してもよい。この場合、高感度受信モードで受信する期間(タイミング)は、各国の標準電波のタイムコードフォーマットに応じて設定すればよい。
さらに、モータによって指針を駆動するアナログウォッチの場合、時針および分針のステップ運針を、受信モードに合わせて行うようにしてもよい。例えば、前記第2実施形態では、1秒間において、検出期間A〜Dが設定されており、この検出期間A〜D以外は基本的にパルス信号の変化は発生しない。従って、前記検出期間(高感度受信モードに設定された期間)A〜D以外のタイミングでステップ運針を行えば、仮に、運針のためにモータパルスが出力されてモータコイルから磁界が発生し、その磁界がアンテナ2に飛び込んでノイズとなっても、そのノイズをパルスと区別することができる。従って、モータの駆動時を高感度受信モードに設定されていない期間にすれば、モータコイルによるノイズの影響を受けることがなく、正しい時刻データを受信できる。
本発明の受信処理は、予め設定された時刻に受信する自動受信の場合に限らず、外部操作部材6の操作による手動受信時に行ってもよい。また、自動受信を行う条件としては、予め決められた時刻に受信を行う定時受信に限らず、例えば、太陽電池や紫外線センサ等を利用した屋外検出によって1日に1回の受信処理を行うように設定してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
1…電波修正時計、3…受信回路部、3A…受信部、4…制御回路部、6…外部操作部材、32…第1増幅回路、35…包絡線検波回路、37…二値化回路、39…デコード回路、41…TCOデコード部、42…記憶部、43…時刻カウンタ、46…駆動回路部、47…制御部、51…定電圧回路、61…高速クロック用発振器、320…差動増幅回路、322…定電流源。

Claims (8)

  1. タイムコードが重畳された標準電波を受信して内部時刻データを修正する電波修正時計であって、
    前記標準電波を受信する受信部と、
    前記受信部を制御する制御部とを備え、
    前記受信部は、
    前記標準電波の受信信号を増幅する増幅回路と、
    増幅した受信信号を二値化してタイムコードを得る二値化回路とを備え、
    前記制御部は、
    前記受信部の受信モードを、通常受信モード、および、前記通常受信モードよりも受信性能を向上させる高感度受信モードのいずれかに設定可能に構成され、
    前記標準電波のタイムコードと少なくとも秒同期を確立した後において、
    前記標準電波のタイムコードに基づいて設定される所定期間は、受信モードを高感度受信モードに設定し、
    その他の期間は、受信モードを通常受信モードに設定する
    ことを特徴とする電波修正時計。
  2. 請求項1に記載の電波修正時計において、
    前記所定期間は、前記タイムコードの各時刻情報単位において、前回の受信時に誤りがあった時刻情報単位を受信する期間である
    ことを特徴とする電波修正時計。
  3. 請求項1に記載の電波修正時計において、
    前記所定期間は、前記標準電波の各ビットのパルス幅に応じて予め設定された検出期間である
    ことを特徴とする電波修正時計。
  4. 請求項1に記載の電波修正時計において、
    前記所定期間は、前記標準電波の各ビットのパルス幅が、予め設定されたパルス幅以下のパルスを受信する期間である
    ことを特徴とする電波修正時計。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電波修正時計において、
    前記制御部は、受信モードが高感度受信モードに設定された場合に、前記受信部の動作電圧を、通常受信モードに設定された場合よりも高くして受信性能を向上させる
    ことを特徴とする電波修正時計。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電波修正時計において、
    前記制御部は、受信モードが高感度受信モードに設定された場合に、前記受信部の動作電流を、通常受信モードに設定された場合よりも高くして受信性能を向上させる
    ことを特徴とする電波修正時計。
  7. 請求項6に記載の電波修正時計において、
    前記制御部は、受信モードが高感度受信モードに設定された場合に、前記受信部の増幅回路の動作電流のみを、通常受信モードに設定された場合よりも高くして受信性能を向上させる
    ことを特徴とする電波修正時計。
  8. タイムコードが重畳された標準電波を受信して内部時刻データを修正する電波修正時計の制御方法であって、
    前記標準電波を受信する受信部と、
    前記受信部を制御する制御部とを備え、
    前記受信部は、
    前記標準電波の受信信号を増幅する増幅回路と、
    増幅した受信信号を二値化してタイムコードを得る二値化回路とを備え、
    前記標準電波のタイムコードと少なくとも秒同期を確立した後において、
    前記標準電波のタイムコードに基づいて設定される所定期間は、前記受信部の受信モードを通常受信モードよりも受信性能を向上させる高感度受信モードに設定し、
    その他の期間は、受信モードを通常受信モードに設定する
    ことを特徴とする電波修正時計の制御方法。
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